説明

X線画像診断装置及び画像処理方法並びにプログラム

【課題】 ソフトウエア的な方法で、リカーシブフィルタによるX線透視画像のノイズ除去を行いつつ、エッジ領域におけるガイドワイヤ等の視認性を向上する。
【解決手段】 被検体にX線を照射するX線管1と、X線管1と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線平面検出器8と、前記検出された画像を表示する表示出力部10と、X線平面検出器8によって検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成部13と、を具備し、中央処理部12は、前記ボケ画像とそのボケ画像を作成した検出された画像との差分値からエッジ領域を判別し、前記判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理の適応を制御する処理を画像処理部9に行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線透視画像のノイズを除去するために用いられるリカーシブフィルタ処理に係り、特にX線透視画像中の臓器と比べて低コントラストであるカテーテルやガイドワイヤ等(以下、単に「ガイドワイヤ等」と略記する)の視認性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線画像診断装置では、透視画像を得る場合、X線が低線量であることに伴って信号成分が微小となり、ノイズが撮影と比べて顕現しやすい。この種のノイズ除去法としては、現画像より1フレーム前画像に重み付けを行ったものを現画像に加算するリカーシブフィルタ処理が多く用いられる。
【0003】
ところが、X線照射野内にガイドワイヤ等の動くものが存在すると、このリカーシブフィルタ処理によってガイドワイヤ等の動きがぼけ画像となって現れ、その識別を難しくしている。(この識別は「視認性」ともいう。)
【0004】
血管造影(アンギオ)検査では、透視画像のノイズの量よりも、ガイドワイヤ等の動きの影響が小さいことが要求される。そこで、例えば、特許文献1に黒線強調・非黒線領域ノイズ低減システムを備えた画像処理装置が開示されている。この黒線強調・非黒線領域ノイズ低減システムは、黒線検出感度の閾値を設定する黒線検出感度調節部と、複数の黒線検出用の空間フィルタ係数テーブルと入力画像の小領域のピクセル値との複数の積和演算値の中の最大値と閾値とから小領域での黒線の存在とその方向を検出する黒線検出部と、入力画像に対し黒線強調処理を行う高域強調用空間フィルタと、入力画像に対しノイズ低減処理を行うノイズ低減用空間フィルタと、黒線を検出した画素では、高域強調用空間フィルタで処理した画像データを、その他の画素ではノイズ低減用空間フィルタで処理した画像データを出力する空間フィルタ切替器を備え、ガイドワイヤ等の識別能力を向上することが開示されている。
【特許文献1】特開2001−283215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、黒線検出部にてガイドワイヤ等の存在と方向を検出し、その検出されたガイドワイヤ等の形状からテンプレートマッチングでガイドワイヤの部分とそれ以外の部分に適用するフィルタ処理を切り替えるもので、黒線検出部やテンプレートを格納するメモリなどハードウエア的な制約がある。そこで、上記制約がないソフトウエア的な方法が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のX線画像診断装置は、被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置において、前記X線検出手段によって検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成手段と、このボケ画像作成手段によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別手段と、このエッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理手段の適応領域を制御する制御手段と、
を備える。
【0007】
これによって、ソフトウエア的な方法で、リカーシブフィルタによるX線透視画像のノイズ除去を行いつつ、ガイドワイヤ等のエッジ領域視認性を向上することができる。
【0008】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、前記エッジ領域判別手段は、前記差分値により形成される領域の大きさよって前記エッジ領域とする範囲を変化して判別する。これによって、ガイドワイヤ等の動きに追従しながら、ガイドワイヤ等の視認性を向上することができる。
【0009】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、前記エッジ領域判別手段は、前記エッジ領域とされる範囲の変化が拡張である場合、そのエッジ領域と隣接する画素がそのエッジ領域の条件を満たさないときには、その該当するエッジ領域を判別すべきエッジ領域から除外する。これによって、エッジ領域の境界までリカーシブフィルタを掛けることができ、動きに起因するボケを抑えつつ、十分なノイズ除去を行うことができる。
【0010】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、前記制御手段は、前記エッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域にそのエッジ領域以外の領域よりも前記リカーシブフィルタ処理の係数を小さくする。
これによって、エッジ領域ではリカーシブフィルタ処理の効果を抑制させることで、例えばX線透視画像の所定領域にガイドワイヤ等が無かった前画像により、その所定領域にガイドワイヤ等が有る現画像が影響を受けにくくなるので、ガイドワイヤ等の視認性をさらに向上することができる。
【0011】
本発明のX線画像診断装置の画像表示方法は、被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置であって、そのX線画像診断装置の画像表示方法は、前記検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成工程と、このボケ画像作成工程によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別工程と、このエッジ領域判別工程によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理の適応領域を制御する制御工程と、を含む。
これによって、ソフトウエア的な方法で、リカーシブフィルタによるX線透視画像のノイズ除去を行いつつ、エッジ領域におけるガイドワイヤ等の視認性を向上することができる。
【0012】
本発明のコンピュータに実行させるためのX線画像診断装置の画像表示プログラムは、被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置であって、そのX線画像診断装置のコンピュータに実行させるための画像表示プログラムは、前記検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成処理と、このボケ画像作成処理によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別処理と、このエッジ領域判別処理によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理手段の適応領域を制御する制御処理と、を有する。
これによって、ソフトウエア的な方法で、リカーシブフィルタによるX線透視画像のノイズ除去を行いつつ、エッジ領域におけるガイドワイヤ等の視認性を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ソフトウエア的な方法で、リカーシブフィルタによるX線透視画像のノイズ除去を行いつつ、ガイドワイヤ等の視認性を向上することが可能なX線画像診断装置及び画像処理方法並びにプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
図1はリカーシブフィルタ演算部のブロック図を示す。リカーシブフィルタ演算部は図1に示すように、1フレーム分格納可能なフレームメモリ18と、フレーム毎の動きを検出する差分回路、動きに応じた係数を作成する係数作成部19と加算器から構成される。リカーシブ入力画像をfn(x,y)、1フレーム前画像をfn-1(x,y)とした場合、リカーシブフィルタ適用後出力yn(x,y)は、
yn(x,y)=(1-k)・fn(x,y) + k・fn-1(x,y) ・・・(1)
で表すことができる。ここで、kはリカーシブ係数と呼ばれる重み付けであり、最大値は1である。Kが1に近い程、1フレーム前の画像(前画像)の帰還率が高くなり、リカーシブフィルタのノイズ除去効果が強くなる。また、nはフレーム番号である。
【0016】
特にX線アンギオ検査においては、直径0.5mm以下のガイドワイヤが使用され、ワイヤ先端の視認性が重要となるが、リカーシブフィルタでの前画像の影響が強すぎることにより、ガイドワイヤ等を動かした際に、動きボケが生じ、視認性が低下することが多々あった。このため、通常は、ガイドワイヤ等の動き検出を行ってその検出された動きに応じてリカーシブ係数を小さくすることで、リカーシブの効果を低くするようにしていた。
【0017】
その際に用いられる動き検出の方法は、現在の画像(現画像)と、前画像との差分値を算出し、差分値の大小により、動きを検出するものであったが、カテーテル等のコントラストが小さい場合は、差分値も小さくなり、動きとして検出されにくく、リカーシブフィルタの影響も相俟って、動きボケによりカテーテル先端が見えにくくなる場合があった。
そこで、差分画像による動き検出でない新たな解決手法が必要となった。
【0018】
図2は本発明のX線画像診断装置の実施の一形態の概略構成を説明するブロック図である。また、このX線画像診断装置で行う画像処理方法と、この方法をコンピュータに実行させるためのプログラムも併せて説明する。
【0019】
X線画像診断装置は、X線管1と、X線管1と電気的に接続されるX線制御部2及び高電圧発生部3と、X線管1のX線照射方向に配置される絞り4、X線補償フィルタ5及びテーブル7と、絞り4及びX線補償フィルタ5と電気的に接続される絞りフィルタ制御部6と、X線コリメータ4、X線補償フィルタ5及びテーブル7を介在してX線管1と対向配置されるX線平面検出器8と、X線平面検出器8と電気的に接続される画像処理部9と、画像処理部9と電気的に接続される表示出力部10と、テーブル7及びX線平面検出器8と電気的に接続される機構制御部11と、X線制御部2、高電圧発生部3、絞りフィルタ制御部6、X線平面検出器8、画像処理部9及び機構制御部11と電気的に接続される中央処理部12と、を有する。
【0020】
X線管1は被検体にX線を照射する。X線制御部2はX線管1を制御する。高電圧発生部3はX線管1に与える高電圧を発生させる。X線コリメータ4はX線照射野を設定する。X線補償フィルタ5はハレーション等を防止する。フィルタ制御部6はX線補償フィルタ5を制御する。テーブル7は被検体を乗せる寝台である。X線平面検出器8は被検体を透過したX線の強度に応じた画素データを出力する。画像処理部9はX線平面検出器8から出力される画像データの補正・表示処理を行う。表示出力部10は画像データを表示する。機構制御部11はテーブル7やX線平面検出器8を移動して被検体の透視又は撮影に適した位置へ位置決めするように制御する。中央処理部12が前記電気的に接続される構成要素を制御するコンピュータである。本発明におけるリカーシブフィルタ処理は、画像処理手段9において中央処理部12が実行するプログラムによって行われる。
【0021】
本発明の第一の実施形態におけるフローチャートを図3に、ブロック図を図4に示す。図 4に示すように、例えば、入力画像全体の周波数成分の半分以下に限定され、ガイドワイヤ等を含まない低周波成分のみで構成されるボケ画像作成部13、入力画像の伝達を遅延させる遅延部14・20、入力画像とボケ画像の差分値を2値化する2値化処理部15、2値化処理部15によって作成された画素値「1」に対してフラグを生成するフラグ生成部16、1フレーム前画像と前記差分値との加算を行う、リカーシブフィルタ適用部17、1フレーム前画像を格納するフレームメモリ18、動きに応じた係数を作成する係数作成部19のそれぞれを上記画像処理部9は有している。
【0022】
図3のフローチャートに示されるように、入力X線透視画像(図5)(「入力画像」ともいう)のボケ画像作成を行う(S100)。ボケ画像は、低周波成分のみの画素のみで構成された画像で、表示するとボケたような画像(図6)となる。ボケ画像の作成方法に関しては、20×20の領域に対して加算平均を行う方法や、フレーム内の縦方向にリカーシブフィルタを掛ける方法(特開2004-054726号公報に開示)がある。次に入力画像からボケ画像を減算する(S101)。ここでは、ボケ画像を作成した入力画像を遅延部14で遅延させ、その遅延された入力画像とボケ画像の差を求める。つまり、ボケ画像を作成した入力画像とボケ画像との差を求めることになる。この処理により、低周波成分が除去され、高周波成分であるエッジ領域のみを抽出することができる(図7)。次に、算出された差分画像に対して、2値化処理を行い、エッジ領域とする。そのエッジ領域の画素に対しては、図8に示すような「1」のフラグを付加する。エッジ領域外は「0」フラグを付加する(S102)。中央演算処理部12は、図9に示すように、「1」フラグの付加された画素の周囲3×3画素に対しても「1」フラグを付加し、リカーシブフィルタの不適用領域のデータを保全する(S103)。最後に、中央演算処理部12は、「1」フラグの付いていない画像にのみ、リカーシブフィルタを適用する(S105)。本手法により、エッジ領域にはリカーシブフィルタが適用されないため、エッジ領域のガイドワイヤ等の動きボケがなくなり、見やすい画像となる。
【0023】
第二の実施形態におけるフローチャートを図10に示す。本実施形態においては、フラグを付加するまでの手段S100〜S103は第一の実施形態と同様である。第一の実施形態においては、フラグ「1」の領域はリカーシブ係数を0とし、リカーシブフィルタが全くかからなくしていたが、本実施形態においては、フラグ「1」の画素に対しては、リカーシブ係数を小さくすることで、動きボケを抑えつつ、ノイズ低減効果も付加することができる。
【0024】
第三の実施形態におけるフローチャートを図11に示す。本実施形態において、差分値を求めるまでの手段S100,S101は第一及び第二の実施形態と同様である。第一及び第二の実施形態においては、差分値を2値化し、「1」のフラグ領域を3×3の領域に一律に拡張していた。本実施形態においては、差分値の大小により、フラグ領域の拡張範囲を変化させる。コントラストの少ない非常に細いカテーテルやガイドワイヤの場合には差分値が所定の閾値(例えば50以下)になることがあり、一つの閾値で2値化すると、十分なエッジ検出ができない場合がある。このような場合には、各画素に対して5×5の領域に「1」のフラグを付加する(S109)。差分値が例えば51以上200未満の場合には、一般的な検出率であると思われるため、各画素に対して3×3の領域に「1」のフラグを付加する。差分値が例えば200以上ある場合には、エッジが確実に検出できていると思われるので、「1」のフラグ拡張は行わず、差分値が例えば200以上ある画素に対してのみ「1」のフラグを付加する(S108)。このことにより、エッジ領域の境界までリカーシブフィルタを実行することができ、動きボケを抑えつつ、十分なノイズ除去を行うことができる。なお、差分値が例えば10以下の場合(S110)は、エッジ領域ではないため、「1」フラグの付加は行わない。
【0025】
第四の実施形態におけるフローチャートを、図12に示す。本実施形態においては、フラグの領域拡張後、隣接フラグとの重なりを判断(S111)し、隣接フラグと重ならない場合にはカンタムノイズや欠損画素であると思われるため、そのような画素に対してはフラグをリセットする(S112)。例えば、図13のように、フラグ拡張が行われた場合、ワイヤが検出された領域Nにおいては、拡張したフラグが重なりあっていることが分かる。しかし、領域Mにおいては、フラグを拡張した結果においても、重なりあうフラグはなく、孤立した領域となっている。この様な場合は、ノイズや、欠損画素と思われるため、フラグのリセットを行う。なお、図 12,図13においては、フラグを3×3領域に拡張した結果を判断したが、5×5,7×7へ拡張した結果を利用しても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】リカーシブフィルタの原理を説明するブロック図。
【図2】本発明のX線画像診断装置の実施の一形態の概略構成を説明するブロック図。
【図3】本発明における第一の実施形態のフローチャート。
【図4】第一の実施形態における演算ブロック図。
【図5】取得された透視画像の表示例を示す図。
【図6】ボケ画像の表示例を示す図。
【図7】2値化処理後画像の表示例を示す図。
【図8】2値化処理後の画素状態の一例を示す図。
【図9】3×3にフラグ拡張した結果の一例を示す図。
【図10】第二の実施形態におけるフローチャート。
【図11】第三の実施形態におけるフローチャート。
【図12】第四の実施形態におけるフローチャート。
【図13】孤立フラグの一例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
1 X線管、2 X線制御部、3 高電圧発生部、4 コリメータ、5 X線補償フィルタ、6 X線補償フィルタ制御部、7 テーブル、8 平面検出器、9 画像表示処理部、10 表示出力部、11 機構制御部、12 中央処理部、13 ボケ画像作成部、14 遅延部、15 2値化処理部、16 フラグ生成部、17 リカーシブフィルタ適用部、18 フレームメモリ、19 係数作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置において、
前記X線検出手段によって検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成手段と、
このボケ画像作成手段によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別手段と、
このエッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理手段の適応領域を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記エッジ領域判別手段は、前記差分値により形成される領域の大きさよって前記エッジ領域とする範囲を変化して判別することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記エッジ領域判別手段は、前記エッジ領域とされる範囲の変化が拡張である場合、そのエッジ領域と隣接する画素がそのエッジ領域の条件を満たさないときには、その該当するエッジ領域を判別すべきエッジ領域から除外することを特徴とする請求項2に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記エッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域にそのエッジ領域以外の領域よりも前記リカーシブフィルタ処理の係数を小さくすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のX線画像診断装置。
【請求項5】
被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置であって、そのX線画像診断装置の画像表示方法は、
前記検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成工程と、
このボケ画像作成工程によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別工程と、
このエッジ領域判別工程によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理の適応領域を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする前記X線画像診断装置の画像表示方法。
【請求項6】
前記エッジ領域判別工程は、前記差分値により形成される領域の大きさよって前記エッジ領域とする範囲を変化して判別することを特徴とする請求項5に記載のX線画像診断装置の画像表示方法。
【請求項7】
前記エッジ領域判別工程は、前記エッジ領域とされる範囲の変化が拡張である場合、そのエッジ領域と隣接する画素がそのエッジ領域の条件を満たさないときには、その該当するエッジ領域を判別すべきエッジ領域から除外することを特徴とする請求項6に記載のX線画像診断装置の画像表示方法。
【請求項8】
前記制御工程は、前記エッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域にそのエッジ領域以外の領域よりも前記リカーシブフィルタ処理の係数を小さくすることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載のX線画像診断装置の画像表示方法。
【請求項9】
被検体にX線を照射するX線照射手段と、このX線照射手段と前記被検体を挟んで対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、この検出手段によって検出された画像についてその前画像の情報を用いて現画像のノイズ低減を行うリカーシブフィルタ処理手段と、このリカーシブフィルタ処理手段によってノイズ低減された画像を表示する画像表示手段と、を備えたX線画像診断装置であって、そのX線画像診断装置のコンピュータに実行させるための画像表示プログラムは、
前記検出された画像から所定の空間周波数のみで構成されるボケ画像を作成するボケ画像作成処理と、
このボケ画像作成処理によって作成されたボケ画像とそのボケ画像を作成した前記画像との差分値からエッジ領域を判別するエッジ領域判別処理と、
このエッジ領域判別処理によって判別されたエッジ領域に対し前記リカーシブフィルタ処理手段の適応領域を制御する制御処理と、
をコンピュータに実行させるための前記X線画像診断装置の画像表示プログラム。
【請求項10】
前記エッジ領域算出処理は、前記差分値により形成される領域の大きさよって前記エッジ領域とする範囲を変化して判別することを特徴とすることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのX線画像診断装置の画像表示プログラム。
【請求項11】
前記エッジ領域算出処理は、前記エッジ領域とされる範囲の変化が拡張である場合、そのエッジ領域と隣接する画素がそのエッジ領域の条件を満たさないときには、その該当するエッジ領域を判別すべきエッジ領域から除外することを特徴とする請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのX線画像診断装置の画像表示プログラム。
【請求項12】
前記制御処理は、前記エッジ領域判別手段によって判別されたエッジ領域にそのエッジ領域以外の領域よりも前記リカーシブフィルタ処理の係数を小さくすることを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載のコンピュータに実行させるためのX線画像診断装置の画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−230512(P2006−230512A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46351(P2005−46351)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】