説明

Yb添加ガラスファイバを用いるファイバレーザ発振器およびファイバレーザ増幅器

【課題】励起光波長の変動があっても、安定した状態で高効率な976nm近傍波長による励起が適用可能なYb添加ガラスを用いたファイバレーザ発振器およびファイバレーザ増幅器を得ることを目的としている。
【解決手段】ファイバレーザ発振器は、波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、励起光入射側に全反射型のファイバブラッググレーティングと励起光出射側に部分反射型のファイバブラッググレーティングを有するYb添加ガラス製の利得ファイバと、光ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、第一の半導体レーザとファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、第二の半導体レーザとファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はファイバレーザに関し、特に、Yb(イッテルビウム)添加ガラスファイバを利得媒質として備えたファイバレーザ発振器およびファイバレーザ増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザは固体レーザの一種で、光ファイバを媒質に用いる。一般的なファイバレーザは希土類添加ファイバを増幅器として用い、光路がすべて光ファイバで構成されている。希土類添加光ファイバは、コアの部分に微小量の希土類元素を添加した光ファイバである。希土類元素は、可視から近赤外にかけての波長帯で蛍光を発生する性質を持っている。希土類添加光ファイバに適切な励起光を入射すると、希土類元素のエネルギー状態が高まることにより蛍光が発生する。励起光強度が大きい場合は誘導放出を行うので、レーザ発振器や、微弱な信号光を増幅する光ファイバ増幅器として用いることができる。
【0003】
Er(エルビウム)添加ガラスファイバを利得媒質とし、Erイオンのレーザ上準位11/2からレーザ下準位13/2への遷移によって波長2.8μmのレーザ光を発振するファイバレーザにおいて、基底準位吸収を生ずる波長の励起光を高強度で入射した際、出射される発振光の波長が長波長側にシフトする現象が知られている。
【0004】
この現象はエネルギー準位図によって、次のように説明される。一般にレーザ発振光のエネルギーは、単純な上下2準位間の遷移過程で説明されることが多い。実際には1つのエネルギー準位は、エネルギー間隔の狭い複数のシュタルク準位に分離しており、シュタルク準位は低エネルギー側から占有される。レーザ下準位13/2においては励起強度が強いほど、より高いシュタルク準位が発振に寄与することになり、上準位11/2とのエネルギー間隔が狭まり発振波長が長波長側にシフトする。
【0005】
特許文献1に係るEr添加ガラスファイバを用いたファイバレーザ発振器では、励起強度による波長シフトの問題に対し、基底準位吸収が生じる第一の励起光(960nm〜1020nm)と、レーザ下準位13/2からの励起準位吸収が生じる第二の励起光とを同時に用いることによって、基底準位励起強度によらず安定して一定の波長のレーザ光を効率よく得ることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−150229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
汎用のEr添加ガラスを用いたファイバレーザとは異なり、産業用高平均出力ファイバレーザの分野では、主に量子欠損の小さいYb添加ガラスファイバが適用される。Yb添加ガラスはEr添加ガラスのような励起準位吸収は無視できるため、背景技術で説明したい発振光の波長シフトの問題は生じない。
【0008】
Yb添加ガラスファイバを利得媒質とした典型的なファイバレーザ構成には2種類の構成が知られている。第1の構成では、複数の励起光源をマルチモードファイバコンバイナにより1本のファイバにバンドルして利得ファイバ端面から空間を介さずに結合する。第2の構成では励起光を利得ファイバ端面から空間的に結合する。励起光源としては、利得媒質の吸収ピークに近い波長を出射する半導体レーザを使用する。
【0009】
次に、Yb添加ガラスを用いたダブルクラッドファイバ(DCF)の吸収スペクトルについて説明する。DCFにはNufern製LMA−YDF−20/400(コア直径20μm/NA0.06、励起クラッド直径400μm/NA0.46)を想定している。Yb添加ガラスを用いたDCFは、波長915nm近傍に緩やかな極大値と、波長976nm近傍にその約4倍の吸収係数を持つ鋭いピークが存在する。ファイバレーザでは量子欠損を抑制し発振効率を高めるために、発振波長(通常1030nm〜1100nm)に対してより近い、波長976nm近傍を励起波長として選択することが一般に好まれる。しかし、波長976nm近傍のピークは半値全幅で約8nmと狭く、1nmの波長変動で10%以上の吸収係数の変化が生じる。
【0010】
典型的なファイバレーザ構成に対し、中心波長976nm、スペクトル幅2nm(FWHM)の半導体レーザを用いて励起した場合を考える。計算上、利得ファイバ7mで約13.5dB(約95.5%)の励起光が、Yb添加ガラスコアに吸収される。利得ファイバをこれ以上長く設定して更に高い吸収率を確保した場合、利得ファイバのコア内に励起光吸収の弱い非励起部が形成され、発振光の再吸収が生じる可能性があり好ましくない。
【0011】
実際の動作においては、取り付ける半導体レーザのばらつきや、冷却系の安定性、半導体レーザの劣化など、励起光波長は設計値から前後にずれることが考えられる。利得ファイバ7mにおいて半導体レーザの中心波長が976nmから前後した場合の、利得ファイバコアへの励起光吸収効率の変化を計算した(図4参照)。中心波長(976nm)の吸収ピークが狭いため、中心波長±3nmの変化で吸収効率が85%〜96%まで大きく変化する。
【0012】
このようにYb添加ガラスを用いたファイバレーザにおいては、波長976nm近傍の半導体レーザを適用した場合、半導体レーザの駆動条件や温度変化や固有ばらつきなどによる励起光波長スペクトルの変化に対し、ファイバレーザの発振出力が敏感に変動する。変動を抑えるために利得ファイバを長尺化すると、イッテルビウム添加ファイバ内に非励起部が形成され発振光の再吸収が生じ、発振が不安定になる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、励起光波長の変動があっても、安定した状態で高効率な976nm近傍波長による励起が適用可能なYb添加ガラスを用いたファイバレーザ発振器およびファイバレーザ増幅器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に関わるファイバレーザ発振器は、波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、励起光入射側に全反射型のファイバブラッググレーティングと励起光出射側に部分反射型のファイバブラッググレーティングを有するYb添加ガラス製の利得ファイバと、光ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、第一の半導体レーザとファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、第二の半導体レーザとファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、を備えているものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、波長976nm近傍の第一励起光と、それより励起効率の低い波長を持つ第二励起光を同時に利得媒質に入射させることにより、高効率かつ中心波長の変動に対して出力が安定なYb添加ガラスファイバレーザ発振器を製作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1によるファイバレーザ発振器を示す構成図である。
【図2】Yb添加ガラスを用いたダブルクラッドファイバの吸収スペクトルを示す。
【図3】Yb添加ガラスを用いた利得ファイバコアの長手方向位置に対する、第一励起光及び第二励起光の吸収率を示したグラフである。
【図4】Yb添加ガラスを用いたファイバレーザ発振器における、励起光中心波長シフトによる励起光吸収率の変化を示すグラフである。従来の976nm励起時の吸収率曲線を併せて示している。
【図5】実施の形態2によるファイバレーザ発振器を示す構成図である。
【図6】実施の形態3によるファイバレーザ発振器を示す構成図である。
【図7】ファイバ結合半導体レーザパッケージの内部構造の例を示す構成図である。
【図8】実施の形態4によるファイバレーザ増幅器を示す構成図である。
【図9】実施の形態4によるファイバレーザ増幅器の別の形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による、Yb添加ガラスファイバを用いたファイバレーザ発振器の構成図である。ファイバレーザ発振器100は、コリメートレンズ2c、ファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)5、利得ファイバ6、励起光ファイバコンバイナ7、半導体レーザ9、10、光ファイバ24を備えている。半導体レーザ9a、9bは第一の波長を出射する。半導体レーザ10は第二の波長を出射する。半導体レーザ9a、9b、10は光ファイバ24に結合されている。
【0018】
Yb添加コアを有する利得ファイバ6には、例えばNufern製LMA−YDF−20/400といったダブルクラッドファイバを用いる。利得ファイバ6の両端には、ファイバブラッググレーティング5a、5bが融着されている。ファイバレーザ発振光4に対して全反射型のFBG5a、部分反射型のFBG5bにより、レーザ共振器を構成している。利得ファイバ6では、全反射型のFBG5aが設けられているほうが励起光の入射側になり、部分反射側のFBG5aが設けられているほうが励起光の出射側になる。
【0019】
利得ファイバ6の両端には、FBG5a、5bの書き込まれたファイバが融着されている。FBG5aの書き込まれたファイバには励起光ファイバコンバイナ7が融着されている。励起光ファイバコンバイナ7の励起光入射側には波長の異なるレーザを出射する半導体レーザ9、10が結合されている。ファイバブラッググレーティングとは光ファイバのコア中に回折格子を形成し、光フィルタとしての機能を持たせたファイバ型のデバイスである。FBGはブラッグ反射条件を満たす光、つまり任意の波長の光のみを反射させることができる。
【0020】
利得ファイバ6には第一励起光と第二励起光が入射する。第一励起光は中心波長976nm、スペクトル幅2nm(FWHM)の第一の波長を有する。2個の半導体レーザ9a、9bを配置している理由は、1個では出力を確保できない場合が想定されるからである。第二励起光は波長915nm近傍の第二の波長を有する。ファイバレーザ出射側では、FBG5bを透過したファイバレーザ発振光4がファイバ端から出射され、コリメートレンズ2cによってコリメートビームとなって出射される。利得ファイバ6の長さは、第二の波長に対して10dBの吸収が得られる長さに設定されている。すなわち利得ファイバ6の長さは、7m(±0.5m)を想定している。
【0021】
このような構成によれば、第二の波長(915nm近傍)の励起光は、利得ファイバ6の終端まで約10%の成分が残留することとなり、この成分はロスとなる。しかし第二の波長により利得ファイバ6の全長において非励起部ない利得領域となり、ファイバレーザ発振光4の再吸収ロスを抑えることができる。
【0022】
図2に示すように利得ファイバ6の励起波長において、波長976nm近傍の吸収係数は波長915nm近傍の吸収係数の約4倍のピークを持つ。第一の波長として中心波長976nm、FWHM=2nmを想定した場合、利得ファイバ6の長さ方向位置と、第一励起光と第二励起光の吸収率の関係は図3のようになる。図3は、図2に示す吸収スペクトルを持つダブルクラッドファイバを対象に、励起光のスペクトル幅を2nm(FWHM)として算出したものである。
【0023】
第二の波長に対して利得ファイバ6の終端までで10dB(90.0%)の吸収を持つ本実施の形態の場合、利得ファイバ6の終端までの第一の波長の吸収は、約30dB(99.9%)に達する。一方、本構成のように第一励起光と第二励起光の結合に励起ファイバコンバイナ7を適用することにより、構成の省スペース化が容易となり、リジッドで信頼性の高い構成が実現できる。
【0024】
第二の波長を発する半導体レーザ10のパワーは、全励起パワーの20%(±5%)を占めると想定する。第二の波長に対する利得ファイバ6の吸収は10dBであったから、全励起パワーの2%が第二の波長を有する第二励起光の透過ロスとなる。一方このとき全体の励起パワーのうち80%を占める第一の波長を発する半導体レーザ9からの励起光吸収は30dBであり、ほぼすべての成分が励起に寄与する。すなわち、全励起パワーの98%が、利得ファイバ6の励起に寄与する設計となる。
【0025】
ここで、第一の波長を発する半導体レーザ9の中心波長が976nmからずれた場合を想定する。波長ずれの原因としては、半導体レーザの個体差や冷却系の変動、電流値、劣化など複数の要因が考えられる。図4に、第一の波長の励起光の中心波長が変化した場合の、励起効率の変化を示す。ここでは、スペクトル幅2nmは一定であるものとした。
【0026】
本グラフには、従来の976nm励起時の励起効率の変化を比較して示している。図4に示されるように、本実施例の構成においては、スペクトル幅の狭い976nm近傍で励起しているにもかかわらず、中心波長のずれに対しての励起光吸収率は安定している。第一励起光の中心波長のずれを976±3nmと想定した場合においても吸収率は96.6〜97.9%と極めて高い吸収率を示し、かつ約1%の微小な変動に収めることが可能となる。
【0027】
ここで、第二の波長(915nm)の吸収は10dBとしたが、利得ファイバ6の全域を利得領域にする利得ファイバ長さや励起光パワーがあれば10dB以上の吸収を持たせることも可能である。また、第二の波長を915nmとしたが、第二の波長としては第一の波長である976nm近傍よりも吸収が低く、Yb添加ガラスへの吸収が図2で言えば0.1dB/m以上あり、許容利得が確保できる波長であれば適用可能である。つまり、波長880〜970nmの範囲であればいずれも第二の波長に適用の可能性があるが、特に波長900nm〜930nmの範囲が好ましい。
【0028】
更に、第二の波長の励起パワーを全励起パワーの20%としたが、利得ファイバ6の全域を利得領域にするのに十分な励起パワーがあれば、その割合は任意である。しかし、第一の波長976nm近傍の励起光は、第二励起光に比べて量子欠損が小さく発振効率の向上に寄与するため、第一励起光のパワーは第二励起光のパワーと同等かそれ以上であることが、発振効率の観点から望ましい。
【0029】
また、第二の波長が、第二の波長に適用できる範囲の中で、第三の波長、第四の波長を含んでいても問題ない。第二以降の波長の励起光成分全体として、利得ファイバ6の全域を利得領域にできれば、本実施の形態1に含まれる。また、図1の構成では、励起光の導入に3x1の励起光ファイバコンバイナ7を用いたが、励起光インプットファイバの数は複数であればよく、第一及び第二の波長を発する半導体レーザに結合されるファイバの数が各1以上あれば問題ない。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態2では、励起光を利得ファイバ6に導入する際、図5のように空間的にレンズ2a、2b、2dを用いてファイバ端面から入射させる。その際、第一励起光と第二励起光は、ダイクロイックミラー13等の光学素子によって同軸上に結合され、ファイバ共振器に結合される。
【0031】
このような構成によれば、励起光源をあらかじめファイバコンバイナの入口に結合する必要がなく、コスト抑制が見込めるとともに、適用できる励起光源などの設計の自由度が増える。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態2では第一の波長の励起光を発する半導体レーザ9と、第二の波長を発する半導体レーザ10を、それぞれ別のモジュールとして動作させた。実施の形態3では、図6に示すように第一の波長と第二の波長を混合して発する半導体レーザモジュール17を1台以上適用する。半導体レーザモジュール17の内部には、例えば図7のようにパッケージ内部に搭載した第一の波長を発する半導体レーザ19と第二の波長を発する半導体レーザ20が搭載されている。それぞれから出射される第一励起光21と第二励起光22がダイクロイックミラー18を介して合波ビーム23を形成し、光ファイバ24に結合するものである。励起光伝送用の光ファイバ24は励起光ファイバコンバイナ7と接続される。
【0033】
このような構成によれば、合波した輝度の高い半導体レーザ光源を励起光ファイバコンバイナ7の励起ポートに結合できるため、1ポート当たりの励起パワーを向上することが可能となり、ファイバレーザ発振器の高出力化が容易となる。また、同じファイバレーザ出力を少ない励起ポートで実現できるため、励起ポート数の少ない励起光ファイバコンバイナ7が適用可能となる。
【0034】
一般に励起ポート数が増えると、各ポートの励起光透過率が低下し、コンバイナ部での発熱量が増大し、信頼性が低下する。本構成により信頼性の高い励起ポート数の少ない励起ファイバコンバイナが適用できる利点がある。更に、励起ポート数の多いファイバコンバイナは一般に製作が難しく、高価となる。本構成により、低コストなファイバレーザ発振器が構成できる利点もある。
【0035】
実施の形態4.
実施の形態4はファイバレーザ増幅器に係る。ファイバレーザ増幅器200は、実施の形態1〜3と異なり、FBG5a、5bを持たない。図8のようにシード光源14から、光アイソレータ16とシグナルフィードスルー励起コンバイナ15を介して利得ファイバ6のコアにシグナル光が入射する。シグナルフィードスルー励起コンバイナ15の励起用ポートファイバには、第一の波長を有する半導体レーザ9と第二の波長を有する半導体レーザ10が結合される。あるいは、図9のように、第一の波長と第二の波長を混合して発する半導体レーザモジュール17が結合される。
【0036】
このような構成によれば、安定だが弱いシード光源から出射されるシグナル光を、高効率かつ安定に増幅することが可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1 半導体レーザ、2a〜2d レンズ、4 ファイバレーザ発振光、5a 全反射型のFBG、5b 部分反射型のFBG、6 利得ファイバ、7 励起光ファイバコンバイナ、9a〜9b 第一の波長を出射するファイバ結合半導体レーザ、10 第二の波長を出射するファイバ結合半導体レーザ、11 第一の波長を出射する半導体レーザ、12 第二の波長を出射する半導体レーザ、13 ダイクロイックミラー、14 シード光源、15 シグナルフィードスルー励起ファイバコンバイナ、16 光アイソレータ、17a〜17c 第一の波長と第二の波長を混合して出射するファイバ結合半導体レーザ、18 ダイクロイックミラー、19 第一の波長を出射する半導体レーザ、20 第二の波長を出射する半導体レーザ、21 第一励起光、22 第二励起光、23 第一の波長と第二の波長を合波した励起光、24 励起光伝送用光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、
波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、
励起光入射側に全反射型のファイバブラッググレーティングと励起光出射側に部分反射型のファイバブラッググレーティングを有するYb添加ガラス製の利得ファイバと、
前記利得ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、
前記第一の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、
前記第二の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、を備えているファイバレーザ発振器。
【請求項2】
波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、
波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、
励起光入射側に全反射型のファイバブラッググレーティングと励起光出射側に部分反射型のファイバブラッググレーティングを有するYb添加ガラス製の利得ファイバと、
第一励起光と第二励起光を前記利得ファイバに導く光学素子と、を備えているファイバレーザ発振器。
【請求項3】
波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、
波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、
励起光入射側に全反射型のファイバブラッググレーティングと励起光出射側に部分反射型のファイバブラッググレーティングを有するYb添加ガラス製の利得ファイバと、
前記利得ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、
前記第一の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、
前記第二の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、
前記第一励起光と前記第二励起光を前記利得ファイバに導く光学素子とを備えていて、
前記第一の半導体レーザと前記第二の半導体レーザと前記光学素子がパッケージ化されていることを特徴とするファイバレーザ発振器。
【請求項4】
利得ファイバは第二励起光に対し10dBの吸収が得られる長さに設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のファイバレーザ発振器。
【請求項5】
第二励起光のパワーは全励起光のパワーの20%であることを特徴とする請求項4に記載のファイバレーザ発振器。
【請求項6】
シード光を出射するシード光源と、
波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、
波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、
Yb添加ガラス製の利得ファイバと、
前記利得ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、
前記第一の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、
前記第一の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、
前記シード光源と前記ファイバコンバイナを接続する第三の光ファイバと、を備えているファイバレーザ増幅器。
【請求項7】
シード光を出射するシード光源と、
波長973nm〜979nmの第一励起光を出射する第一の半導体レーザと、
波長880nm〜970nmの第二励起光を出射する第二の半導体レーザと、
Yb添加ガラス製の利得ファイバと、
前記利得ファイバの励起光入射側に設けられたファイバコンバイナと、
前記第一の半導体レーザと前記ファイバコンバイナを接続する第一の光ファイバと、
前記シード光源と前記ファイバコンバイナを接続する第二の光ファイバと、
前記第一励起光と前記第二励起光を前記利得ファイバに導く光学素子とを備えていて、
前記第一の半導体レーザと前記第二の半導体レーザと前記光学素子がパッケージ化されていることを特徴とするファイバレーザ増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−238781(P2012−238781A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107885(P2011−107885)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】