説明

n型熱電変換材料、n型熱電変換素子、及び熱電変換モジュール

【課題】層状マンガン酸化物を用いて、熱電変換特性に優れた熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有し、かつ、高温域において負のゼーベック係数を有し、かつ、低い熱伝導率を有するn型熱電変換材料を用いて、n型熱電変換素子を作成し、このn型熱電変換素子を用いて熱電変換モジュールを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、n型熱電変換材料に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、組成式:Ca1−xMn7−yM'(式中、Mは、Sr,Ba,La,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M'は、Cu及びCaからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦1;0≦y≦1.5;11≦z≦13である。)で表される組成を有し、一定温度以上において負のゼーベック係数を有する複合酸化物がn型熱電材料として開示されている。
また、非特許文献1には、n型熱電材料としては、Bi,La,Ce等を含有し一般式CaMnO3からなる熱電変換材料が開示されている。
また、非特許文献2及び非特許文献3には、p型熱電材料として、Ca,Bi,Sr,Naなどを含有するCo系複合酸化物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−51103号公報
【非特許文献1】M. Ohtaki et al., J. Solid Stat. Chem., 120,105 (1995).
【非特許文献2】I.Terasaki et al., Phys. Rev. B 56, R12685 (1997)
【非特許文献3】R.Funahashi et al., Jpn. J. Appl. Phys. 39, L1127 (2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、高効率のn型熱電変換材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係るn型熱電変換材料は、組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有する。
【0006】
好適には、Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0.05≦x≦0.5である。)で表される組成を有し、100℃以上の温度において、負のゼーベック係数を有する。
【0007】
好適には、層状の結晶構造を有し、100℃以上900℃以下の温度において、絶対値50μV/K以上の負のゼーベック係数を有する。
【0008】
好適には、100℃以上800℃以下の温度において、2W/mK以下の熱伝導率を有する。
【0009】
また、本発明に係るn型熱電変換素子は、組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有する複合酸化物を有する。
【0010】
また、本発明に係る熱電変換モジュールは、組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有する複合酸化物をn型熱電変換素子として含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、層状マンガン酸化物をn型熱電変換材料として提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のn型熱電変換材料のX線パターンおよび結晶構造を示す図である。
【図2】実施例1のn型熱電変換材料のゼーベック係数及び抵抗率の温度依存性を示すグラフである。
【図3】実施例1のn型熱電変換材料の熱伝導率の温度依存性を示すグラフである。
【図4】各実施例におけるn型熱電変換材料のゼーベック係数及び抵抗率の温度依存性を示すグラフである。
【図5】各実施例におけるn型熱電変換材料のパワーファクターの温度依存性を示すグラフである。
【図6】熱電変換モジュール1の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[背景]
まず、本実施形態における熱変換材料が開発されるに至った背景を説明する。
本実施形態のn型熱電変換材料は、負のゼーベック係数を有する複合酸化物からなる。
近年、エネルギー・地球環境問題への関心の高まりとともに、産業分野からの廃熱の有効利用が検討されている。このような背景から熱電変換材料が注目されるようになってきている。熱電変換材料とは,ゼーベック効果を利用して熱エネルギーと電気エネルギーを直接変換することが可能な材料であり,これを利用した熱電変換素子やエネルギー変換システムは、(1)メンテナンス性に優れる、(2)外部電力を要せず無排出のためクリーン、(3)システム全体を小型・軽量化できるという特徴がある。
【0014】
熱電変換材料は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表すゼーベック係数によって大きさを表し、この係数が正であるp型と、負であるn型に大別される。また、熱電変換素子は、p型とn型の2種類の熱電変換材料を並べ、それぞれを接合した状態で用いる。
【0015】
現在、高温大気中にて安定な熱電変換性能を有する材料として、酸化物材料が注目されおり、p型熱電材料として、Ca,Bi,Sr,Naなどを含有するCo系複合酸化物が報告されている。これらの複合酸化物の結晶構造は層状構造を有しており、熱電特性を担うCoO2ブロック層と熱伝導率の低減を実現する絶縁ブロック層とによる「ブロック層効果」によって、互いに相反する性質を調和させることで優れた熱電特性を発揮することができる。
【0016】
一方で、n型熱電材料としては、Bi,La,Ce等を含有し一般式CaMnO3からなる熱電変換材料や、CaMn7O12で表され電荷担体が正孔らなるMn系熱電変換材料が提案されている。
【0017】
しかしながら、従来のMn系熱電変換材料は、一般式ABO3で示される立方体を基本とするペロブスカイト型結晶構造を有すため、Co系熱電変換材料のようなブロック層効果による低熱伝導率化が十分ではなかった。このため、p型と同等の性能を有するn型熱電変換材料は未だ見出されるには至っていない。
【0018】
そこで、本実施形態のn型熱電変換材料は、Mn系複合酸化物であって、2次元的なMn-O層を持つA3B2O7型構造を有する。より好ましくは、組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有し、かつ、高温域において負のゼーベック係数を有し、かつ、低い熱伝導率を有するものである。そして、このような層状のn型酸化物は、熱電変換素子における熱電変換材料として有用である。
【0019】
[実施形態]
本実施形態の熱電変換材料は、例えば、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように原料物質を混合し、焼成することによって製造することができる。
【0020】
熱電変換材料の原料物質としては、焼成により酸化物を形成するものであれば特に限定されず、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、又は、有機酸塩など、高温で酸化物になる化合物が使用される。また、当該化合物の代わりに、前記の金属元素を含有する金属を用いてもよい。例えば、Ca源としては、カルシウム(Ca)、酸化カルシウム(CaO)、過酸化カルシウム(CaO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)、およびその水和物、アルコキシド化合物(ジメトキシカウシウム(Ca(OCH3)2)等を使用できる。また、Mn源としては、マンガン(Mn)、酸化マンガン(MnO、MnO2、Mn2O3、Mn3O4)、炭酸マンガン(MnCO3)、硝酸マンガン(Mn(NO3)2)、塩化マンガン(MnCl2)、アルコキシド化合物(ジプロポキシマンガン(Mn(OC3H7)2)等を使用できる。その他の元素についても、当該金属元素を含有する化合物としては、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩等を用いることができる。また、本実施形態の熱電変換材料の構成元素を二種以上含む化合物を原料物質として使用してもよい。上記した原料物質は、各元素源の物質について、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0021】
原料物質(前記金属化合物混合物)の混合は、乾式混合法、又は、湿式混合法のいずれによっても良いが、金属元素を含有する化合物をより均一に混合できる方法にすることが好ましい。例えば、金属−クエン酸錯体をグリコールと加熱重合することで高分子ゲルを生成し、その後の熱処理にて所望の組成の複合酸化物が得られる錯体重合法などの溶液法を用いることが好ましい。
【0022】
前記金属化合物混合物の焼成温度および焼成時間については、目的とする複合酸化物が形成される条件とすれば良く、特に限定されないが、例えば600〜1350℃(873〜1623K)程度の範囲の温度にて、0.5〜72時間程度焼成すれば良い。焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の加熱手段を採用できる。焼成の雰囲気は通常、酸素気流中、空気中等の酸化雰囲気中とすれば良い。
【0023】
以上の方法で得ることができる本実施形態の熱電変換材料は、負のゼーベック係数を有し、100℃(373K)で、50μV/K以上の負のゼーベック係数となる。さらに、この熱電変換材料の熱伝導率は、100℃(373K)において1W/mK以下であり、このときの抵抗率は100mΩcm以下の良導電性を示す。
【0024】
したがって、本実施形態の熱電変換材料は、上記した特性を利用して、空気中において高温で用いるn型熱電変換材料として有効に利用することができる。
【0025】
本実施形態の熱電変換材料は、上記の方法により製造することができるが、他の製造方法としては、共沈工程を含む方法、水熱工程を含む方法、ドライアップ工程を含む方法、スパッタリング工程を含む方法、CVDによる工程を含む方法、ゾルゲル工程を含む方法、錯体重合工程を含む方法、FZ(浮遊帯域溶融法)工程を含む方法、TSCG(テンプレート型単結晶育成法)による工程を含む方法等が挙げられる。
【0026】
[評価方法]
次に、上記熱電変換材料の実施例を説明する。ここで、熱電変換材料の熱電特性および構造の評価方法をまず説明する。
1.電気伝導率
焼結体試料(n型熱電変換材料)を角柱状に加工し、白金線を装着し、直流四端子法により大気中で室温〜900℃(1173K)の温度範囲にて電気伝導率を測定した。測定には、オザワ科学株式会社製熱電特性評価装置RZ-2001iを用いた。
2.ゼーベック係数
電気伝導率評価と同様の測定条件にて、定常法により測定した。測定には、オザワ科学株式会社製熱電特性評価装置RZ-2001iを用いた。
3.熱伝導率
焼結体試料(n型熱電変換材料)を7mm角で厚さ約1mmの薄板に加工し、レーザーフラッシュ法による比熱ならびに熱拡散係数を測定することで算出した。測定にはアルバック理工株式会社製レーザーフラッシュ法熱伝導率測定装置TC-9000Hを用いた。
4.組成分析
焼結体試料(n型熱電変換材料)の組成分析は、RhKαを線源とするエネルギー分散型蛍光X線分析法により評価した。測定には堀場製作所製非破壊蛍光X線分析装置XGT-5000を用いた。
5.結晶構造解析
焼結体試料(n型熱電変換材料)の結晶構造は、CuKα線を線源とする粉末X線回折とリートベルト解析により評価した。測定にはブルカーAXS株式会社製強力粉末X線回折装置MXP−18を用いて回折パターンを収集した。
【0027】
[実施例1]
Ca源として炭酸カルシウム(CaCO3)、La源として二酸化ランタン(La2O3)、Mn源として酸化マンガン(MnO2)を用いて、Ca:La:Mn(元素比)=2.8:0.2:2.0となるように原料粉末を秤量し、エタノールを溶媒とし遊星ボールミルにて300rpmの回転速度で10分間の湿式粉砕・混合処理を行い、乾燥後直径20mmのペレット状に加圧成型を行い、大気中900℃にて1時間仮焼成して炭酸塩の分解を行った。この焼結体を粉砕し、加圧成型後、大気中1350℃で24時間焼成を行い、空気中に急冷処理を行い、再び粉砕工程と加圧成型、本焼成の工程を3回繰り返すことで複合酸化物を合成した。
【0028】
得られた焼成品の粉末X線回折パターンを、図1(A)に示す。図1(A)に示すように、得られた複合酸化物は、図1(B)に示すように、Ca3Mn2O7で表される層状構造のものであることがわかった。また、蛍光X線分析の結果、組成式はCa2.8La0.2Mn2O7であることがわかった。
【0029】
得られた複合酸化物のゼーベック係数の温度依存性を表すグラフを図2(A)に示す。図2(A)から、この複合酸化物は室温において負のゼーベック係数−64μV/Kを示し、1173Kでは-130μV/Kとなることがわかる。この結果から、複合酸化物がn型熱電変換材料としての性能を示すことがわかった。
【0030】
また、得られた複合酸化物の電気抵抗率の温度依存性を図2(B)に示す。図2(B)から、複合酸化物が温度上昇に伴い電気抵抗率が減少する半導体的な挙動を示し、1173Kにおいて63mΩcmの電気抵抗率であることが判る。
【0031】
また、得られた複合酸化物の熱伝導率の温度依存性を図3に示す。該複合酸化物の熱伝導率特性は、室温で0.76W/mKであり、一般的な導電性酸化物よりも低い熱伝導率を示すことがわかった。これは、本発明の層状構造に起因し、積層界面におけるフォノン散乱により格子熱伝導が抑制されるため熱伝導率が低くなったものと考えられる。
【0032】
[実施例2]
次に、実施例2を説明する。
Ca源として硝酸カルシウム四水和物(Ca(NO3)2・4H2O)、La源として硝酸ランタン六水和物(La(NO3)2・6H2O)、Mn源として硝酸マンガン六水和物(Mn(NO3)2・6H2O)を用い、それぞれ0.1mol/Lの濃度の溶液を作成した。この出発溶液をCa:La:Mn(元素比)=2.99:0.01:2.0と2.95:0.05:2.0となるようにビーカーに秤量し、混合溶液中の金属イオン0.15molに対して200mlのプロピレングリコールを添加しホットスターラーにて150℃にて加熱しながら撹拌した。次に金属イオンを安定化させるため、金属イオン量の3倍のキレート剤(クエン酸一水和物)を加えて前駆体溶液を作成した。この前駆体溶液を150℃で8時間乾燥させ、400℃で4時間仮焼した後、600℃で1時間焼成させて金属酸化物粉末を得た。得られた金属酸化物粉末を乳鉢で粉砕し、ペレットに成型した。これを1250℃から1350℃で24時間焼成することで複合酸化物を合成した。
【0033】
[その他の実施例と各実施例の比較]
上記実施例では、組成式Ca3-xMxMn2O7において、x=0.2の場合(実施例1)と、x=0.01および0.05の場合(実施例2)とを説明したが、これらの他に、xの値が0.0の場合、0.1の場合、0.3の場合、0.4の場合、および、0.5の場合も、同様に複合酸化物が得られた。
これらの複合酸化物も、実施例1および実施例2と同様のX線パターンを示し、ゼーベック係数の温度依存性(図4(A))、電気抵抗率の温度依存性(図4(B))、および、パワーファクター(図5)についても概ね同様の傾向を示す。
ただし、図5からわかるように、xが0.05以上であり0.5以下である場合の複合酸化物は、広い温度域(例えば、100℃〜800℃)において、x=0.0又は0.01の場合に比較して、n型熱電変換材料として高い性能を有する。すなわち、x=0.05〜0.5の場合の複合酸化物がn型熱電変換材料として、より好ましいということがいえる。
【0034】
次に、本実施形態のn型熱電変換素子3及び熱電変換モジュール1について説明する。本実施形態のn型熱電変換素子3は、上記熱電変換材料(すなわち、n型熱電変換材料)で構成され、本実施形態の熱電変換モジュール1は、このn型熱電変換素子3と、p型熱電変換素子2とで構成される。
図5は、本実施形態の熱電変換モジュール1の模式図である。
図5に例示するように、熱電発電モジュール1は、公知の熱電発電モジュールと同様であり、p型熱電変換素子2、n型熱電変換素子3、高温側電極4、p型に接続する低温側電極5、及び、n型に接続する低温側電極6により構成される。n型熱電変換素子3は、上記n型熱電変換材料を成形したものである。p型熱電変換素子2は、公知のp型熱電変換材料を使用でき、例えば、NaCo2O4、又は、Ca3Co4O9(特開平9−321346号公報、特開2001−64021号公報)を成形したものである。
【0035】
p型熱電素子2及びn型熱電素子3の一端面側には、高温側電極4がこれらの素子2及び3を掛け渡すように配置されている。p型熱電素子2の他端面側には低温側電極5が配置され、n型熱電素子3の他端面側には低温側電極6が配置されている。高温側電極4及び低温側電極5,6は、Cu,Pt,Au,Ag,Pd,Ni等のいずれか又はその合金等で形成されている。
【0036】
このような熱電発電モジュール1において、p型熱電素子2及びn型熱電素子3の一端面側と他端面側との間に温度差が発生すると、p型熱電素子2では高温側電極4側から低温側電極5側に正孔が移動し、n型熱電素子3では高温側電極4側から低温側電極6側に電子が移動する。これにより、ゼーベック効果による上記温度差に応じた起電力(電圧)が低温側電極5,6間に発生する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態のn型熱電変換材料によれば、大きな起電力を維持しつつ低い熱伝導率が得られるn型熱電変換素子3を得ることができる。これにより、本実施形態のn型熱電変換素子3は、耐熱性および耐化学的特性に優れ、エネルギー変換効率に優れた熱電変換モジュール1を構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・熱電変換モジュール
3・・・n型熱電変換素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有するn型熱電変換材料。
【請求項2】
Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0.05≦x≦0.5である。)で表される組成を有し、100℃以上の温度において、負のゼーベック係数を有する請求項1に記載のn型熱電変換材料。
【請求項3】
層状の結晶構造を有し、100℃以上900℃以下の温度において、絶対値50μV/K以上の負のゼーベック係数を有する請求項1に記載のn型熱電変換材料。
【請求項4】
100℃以上800℃以下の温度において、2W/mK以下の熱伝導率を有する請求項1に記載のn型熱電変換材料。
【請求項5】
組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有する複合酸化物を有するn型熱電変換素子。
【請求項6】
組成式:Ca3-xMxMn2O7(式中、Mは、Y,La,Sm,Bi,Sr,Ba,Pr,Nd,Sm,Na及びKからなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素であり、0≦x≦1である。)で表される組成を有する複合酸化物をn型熱電変換素子として含む熱電変換モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−212393(P2010−212393A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55971(P2009−55971)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、経済産業省、地域イノベーション創出研究開発事業委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(591040236)石川県 (70)
【Fターム(参考)】