説明

n型熱電変換材料

【課題】中温域において優れた熱電変換性能を有する高性能なn型熱電変換材料を提供する。【解決手段】n型充填スクッテルダイトYbx Co4 Sb12化合物に対し、下記(1)〜(4)の手法を適用した。その結果、無次元性能指数ZTが向上し、熱電変換効率の高い熱電変換材料が得られた。
(1)Ybx Co4 Sb12よりCoの量が多いYbx Co4+y Sb12(x及びyは0超過1以下)なる組成とすること
(2)アルカリ土類元素Ca、Sr、Baの少なくとも一種によってYbを完全置換あるいは部分置換すること
(3)Si、Zr、Hfの少なくとも一種を添加すること
(4)Fe、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Ptの少なくとも一種によってCoを部分置換すること

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換、あるいは、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換できる熱電変換素子に使用する熱電変換材料に係り、特に充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石燃料をエネルギー源として利用する際、発生したCO2 によって地球が温暖化しつつあり、人間を含む生物の生活環境は厳しくなっている。近年、エネルギーの節約による環境負荷の低減が世界的規模で推進される傾向にあり、エネルギーの効率的利用促進の一環として、熱機関などから発生する低品位廃熱を回収し、電気エネルギーへ変換する技術が盛んに研究開発されている。
【0003】
熱電変換材料は熱を電気に直接変換する材料であり、p型とn型の熱電変換材料とを組み合わせ、一つの熱電変換素子が形成される。熱電変換素子を使用すれば、従来は利用しにくかった低品位廃熱を電気に変換することができ、エネルギーの有効活用を図ることができる。
【0004】
熱電変換材料の性能は、性能指数Zで評価され、Zは、ゼーベック係数S、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρを用いて次式で表される。
Z=S2 /κρ … (1)
ゼーベック係数S、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρの単位は、それぞれμV/K、W/mKおよびΩmであるので、Zの単位は1/Kである。式(1)から、優れた熱電変換材料は、性能指数Zが大きい材料、すなわちゼーベック係数Sが大きく、熱伝導率κおよび電気抵抗率ρが小さい材料であることが分かる。また、熱電変換材料の最大変換効率μmax は、μmax ={(Th −Tc )/Th }・{(M−1)/〔M+(Tc /Th )〕}、及び、M={〔1+Z(Th +Tc )〕/2}0.5 で示される。
【0005】
ここでTh とTc はそれぞれ高温端と低温端の温度であり、性能指数Zおよび高温端と低温端の温度差が大きいほど熱電変換効率は向上する。温度Tでの熱電変換材料の性能を評価するために、無次元性能指数ZT=S2 T/κρを用いる。ZTが大きいほど、その温度における熱電変換性能が高いと言える。
【0006】
今まで研究されてきた熱電変換材料には、Bi2 Te3 系、Fe2 Si系、B4 C系、NaCo2 4 、Ca3 Co4 9 、Bi2 Sr2 Co2 8 系酸化物などがあり、この中で実用化されているのはBi2 Te3 系のみである。Bi2 Te3 系熱電変換素子は、主として低温域での用途開発がなされているが、熱電変換効率が10%未満と低いため、保冷庫用冷熱源あるいはレーザーダイオード用冷却素子などスペースユーティリティーが小さい製品あるいは可搬性が要求される製品に適用が限定されている。
【0007】
一方、中温域で使用可能な熱電変換材料として、スクッテルダイトCoSb3 系熱電変換材料の開発が進められている。その熱電変換性能を向上させるために、CoをPd、Pt、Ru、Rh(=M)で部分置換したCo1-x x Sb3 材料が開発され、その製法も検討されてきた(特許文献1〜9を参照)。しかしながら、この系の材料は熱伝導率が大きく、無次元性能指数ZTが小さいため、実用化には至っていない。
【0008】
CoSb3 系材料の熱伝導率を低下させるために、Slackらにより「Phonon Glass and Electron Crystal」(フォノングラス−エレクトロンクリスタル)というコンセプトが提唱され、ラットリング効果を利用した充填スクッテルダイト熱電変換材料が開発された。充填スクッテルダイト化合物の化学式は一般形でMT4 12(M=金属、T=遷移金属、X=プニコゲン)と表され、空間群Im−3の立方晶構造を有する。Mはアルカリ土類、ランタニド、アクチニド元素で、TにはFe、Ru、Os、Co、Pd、Ptなどの遷移金属が、XにはVB族元素As、P、Sbなどのプニコゲン元素が入る。
【0009】
M原子は体心立方格子を組み、T原子は(1/4、1/4、1/4)に位置し、X原子はT原子のまわりにやや歪んだ八面体状に配位する。1997年、Slackらは充填スクッテルダイト系化合物La(Ce)Fe4 Sb12が中温域で良好なp型熱電変換性能を有することを報告し、2000年、NolasらはYbx Co4 Sb12(xは0超過1以下)が良好なn型熱電変換性能を持つことを発見した。
【0010】
p型充填スクッテルダイト化合物La(Ce)Fe4 Sb12の熱電変換材料の性能を向上させるために、CoなどでFeを部分置換したLa(Ce)Fe3 Co1 Sb12材料が開発され、その製法も検討されてきた(特許文献10〜17を参照)。その結果、このp型熱電材料の無次元性能指数ZTは1に達し、実用材料として有望であることが分かった。
【0011】
ところで、高い熱電変換効率を示す熱電変換素子を作るには、La(Ce)Fe3 Co1 Sb12と同程度の熱電変換性能(ZT=1)を有するn型熱電変換材料が必要不可欠である。しかし、n型熱電変換材料において現時点で最高の熱電変換性能を有するYbx Co4 Sb12(xは0超過1以下)は、中温域で無次元性能指数ZTが0.7程度と低く、性能の良いn型熱電変換材料は未だ見出されていない。
【0012】
【特許文献1】特開平8−186294号公報
【特許文献2】特開平9−64422号公報
【特許文献3】特開平9−260728号公報
【特許文献4】特開平10−303468号公報
【特許文献5】特開平11−40860号公報
【特許文献6】特開平11−40861号公報
【特許文献7】特開平11−40862号公報
【特許文献8】特開平11−46020号公報
【特許文献9】特開平11−150307号公報
【特許文献10】特開2000−252526号公報
【特許文献11】特開2001−196647号公報
【特許文献12】特開2002−33526号公報
【特許文献13】特開2002−33527号公報
【特許文献14】特開2002−246656号公報
【特許文献15】特開2002−246657号公報
【特許文献16】特開2003−218410号公報
【特許文献17】特開2004−76046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、中温域においてYbx Co4 Sb12(xは0超過1以下)熱電変換材料より高い熱電変換性能を有するn型熱電変換材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
熱電変換材料の性能は無次元性能指数ZT=S2 T/κρによって評価され、ZTが大きいほどその熱電変換性能が高い。本発明者らは、n型充填スクッテルダイトYbx Co4 Sb12化合物に対し、熱伝導率κに影響が出ない範囲で、出力因子P=S2 /ρを大きくする検討を行った結果、Yb−Co−Sb系において、以下の4つの方法を用いることが無次元性能指数ZTを向上させるために有効であることを見出した。
【0015】
(1)Ybx Co4 Sb12よりCoの量が多いYbx Co4+y Sb12(x及びyは0超過1以下)なる組成とすること
(2)アルカリ土類元素Ca、Sr、Baの少なくとも一種によってYbを完全置換あるいは部分置換すること
(3)Si、Zr、Hfの少なくとも一種を添加すること
(4)Fe、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Pd、Ptの少なくとも一種によってCoを部分置換すること
【0016】
すなわち、本発明に係る請求項1のn型熱電変換材料は、一般式Ybx Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びyが0超過1以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2のn型熱電変換材料は、一般式Ax Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びyが0超過1以下、AがCa,Sr,Baの少なくとも1種であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る請求項3のn型熱電変換材料は、一般式Ybx z Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びzが0超過1以下、x+zが0超過1以下、yが0以上1以下、AがCa,Sr,Baの少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4のn型熱電変換材料は、一般式Ybx Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のxが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る請求項5のn型熱電変換材料は、一般式Ax Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のxが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明に係る請求項6のn型熱電変換材料は、一般式Ybx v Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びvが0超過1以下、x+vが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項7のn型熱電変換材料は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のn型熱電変換材料において、一般式中のCoの一部を、Fe,Ru,Os,Rh,Ir,Ni,Pd,Ptの少なくとも1種で置換したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のn型熱電変換材料は、中温域で高い熱電変換性能を有する。よって、中温域のp型熱電変換材料と組み合わせることにより、変換効率の高い熱電変換素子を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のn型熱電変換材料は、一般的に充填スクッテルダイト構造を有する。本発明の熱電変換材料は溶解法、急冷凝固法、メカニカルアロイング法(ボールミル法)、単結晶育成法などと、ホットプレス法、加熱焼結法、放電プラズマ成型法、熱処理法などを組み合わせることによって作製することができるが、充填スクッテルダイト構造を得ることができればその製法は特に限定されない。
【0022】
まず、溶解法と熱処理法とを組み合わせた製法を例として、本発明のn型熱電変換材料の合成プロセスを説明する。これによれば、所定比率で高純度金属の原料をアルミナ坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、高周波によって1100℃まで加熱溶解し、30分保持した後、室温まで冷却する。さらに、不活性ガス雰囲気中において、得られたインゴットを700℃で12時間熱処理することにより、目的の熱電変換材料が得られる。
【0023】
次に、溶解法と放電プラズマ成型法とを組み合わせた製法を例として、本発明のn型熱電変換材料の合成プロセスを説明する。これによれば、所定比率で高純度金属の原料をアルミナ坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、高周波によって1100℃まで加熱溶解し、30分保持した後、室温まで冷却することにより、インゴットを得る。このインゴットを粉砕し、粉末をカーボンダイスに入れ、真空もしくは不活性ガス雰囲気中において、50MPaの圧力の下で、パルス電流をかけながら、100℃/分の速度で500〜700℃の温度まで加熱する。そして、5分間保持した後、室温まで冷却することにより、目的の熱電変換材料が得られる。
【0024】
さらに、メカニカルアロイング法と放電プラズマ成型法とを組み合わせた製法を例として、本発明のn型熱電変換材料の合成プロセスを説明する。これによれば、不活性ガス雰囲気中において、所定比率で高純度金属粉末をアルミナ容器の中に入れ、アルミナボールによるメカニカルアロイングを3時間行うことにより、粉末状の原料を得る。この粉末をカーボンダイスに入れ、真空もしくは不活性ガス雰囲気中において、50MPaの圧力の下で、パルス電流をかけながら、100℃/分の速度で500〜700℃の温度まで加熱する。そして、5分間保持した後、室温まで冷却することにより、目的の熱電変換材料が得られる。
【0025】
上記の何れの製法で得られた熱電変換材料も、充填スクッテルダイト構造を有することが粉末X線回折によって確認されている。そして、そのゼーベック係数S、電気抵抗率ρ、熱伝導率κと温度との関係を測定し、各温度での無次元性能指数ZTを算出した結果、温度の上昇と共にZTが大きくなり、300〜600℃の温度範囲においてZTが0.8〜1に達した。
【実施例】
【0026】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
本実施例では、請求項1に係る熱電変換材料Ybx Co4+y Sb12(x及びyは0超過1以下)の溶解法と熱処理法とを組み合わせた合成法及び熱電変換性能について述べる。 Yb0.2 Co4.0 Sb12、Yb0.2 Co4.25Sb12、Yb0.2 Co4.5 Sb12、Yb0.2 Co5.0 Sb12の熱電変換材料を、以下のように合成した。原料である高純度金属Yb、Co、Sbを所定比率でアルミナ坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、高周波によって1100℃まで加熱溶解し、30分保持した後、室温まで冷却した。さらに、得られたインゴットを700℃で12時間熱処理した。
【0027】
そして、熱電変換性能評価装置を用いて、室温〜600℃の温度範囲で上述の熱電変換材料のゼーベック係数S、電気抵抗率ρ及び熱伝導率κを測定し、無次元性能指数ZTを算出した。
その結果、室温ではCo量の増加と共に、ゼーベック係数Sの絶対値は大きくなり、一方、電気抵抗率ρ及び熱伝導率κの値はあまり変わらなかった。この結果、Co量の増加により熱電変換材料の無次元性能指数ZTは大きくなった。
【0028】
一方、温度の上昇に伴い、熱電変換材料のゼーベック係数Sの絶対値は大きくなり、電気抵抗率ρの値も大きくなった。熱伝導率κの値は3.3〜4.5W/mKであった。表1に、400℃でのYbx Co4+y Sb12(x及びyは0超過1以下)の熱電変換性能を示す。表1から分かるように、Co量の増加に伴い無次元性能指数ZTは大きくなり、その値は0.76〜0.83であった。
【0029】
【表1】

【0030】
以上の例から分かるように、Co量の多いYb−Co−Sb材料は、高い熱電変換性能を有する。
〔実施例2〕
本実施例では、請求項4に係る熱電変換材料Ybx Co4+y Sb12+zu (xは0超過1以下、yは0以上1以下、zは−0.5以上0.5以下、uは0以上0.5以下、MはSi,Zr,Hfの少なくとも1種)の合成法及び熱電変換性能について述べる。
【0031】
Yb0.15Co4 Sb11.925Si0.075 を例に説明する。原料である高純度金属Yb、Co、Sb、Siを所定比率でアルミナ坩堝に入れ、不活性ガス雰囲気中において、高周波によって1100℃まで加熱溶解し、30分保持した後、室温まで冷却した。さらに、得られたインゴットを粉砕して粉末をカーボンダイスに入れ、真空中において50MPaの圧力の下で、パルス電流をかけながら100℃/分の速度で600℃まで加熱し、5分間保持した後、室温まで冷却した。
【0032】
そして、熱電変換性能評価装置を用いて、室温〜600℃の温度範囲で上述の熱電変換材料のゼーベック係数S、電気抵抗率ρ及び熱伝導率κを測定し、無次元性能指数ZTを算出した。図1〜図3は、それぞれYb0.15Co4 Sb11.925Si0.075 のゼーベック係数S、電気抵抗率ρ及び無次元性能指数ZTと温度との関係を示すグラフである。これらのグラフから分かるように、温度の上昇につれてゼーベック係数Sの絶対値、電気抵抗率ρ及び無次元性能指数ZTは大きくなった。また、無次元性能指数ZTの最大値は0.83であった。
一方、Siを添加していないYb0.15Co4 Sb12材料を同じ製法で作製し、その熱電変換性能を評価した結果、無次元性能指数ZTの最大値は0.65であった。すなわち、Siの添加が無次元性能指数ZTの向上に寄与することを裏付けた。Si以外では、Zr、Hfも同様の効果を有する。
【0033】
〔実施例3〕
本実施例では、請求項7に係る熱電変換材料Ybx v Co4+y-w Sb12+zu w (x及びvは0超過1以下、x+vは0超過1以下、yは0以上1以下、zは−0.5以上0.5以下、u及びwは0以上0.5以下、AはCa,Sr,Baの少なくとも1種、MはSi,Zr,Hfの少なくとも1種、TはFe,Ru,Os,Rh,Ir,Ni,Pd,Ptの少なくとも1種)の合成法及び熱電変換性能について述べる。
【0034】
一般式Ybx v Co4+y-w Sb12+zu w 中のAをCa、MをSi、TをPd、xを0.2、vを0.05、yを0.25、zを0.05、uを0.05、wを0.05とし、実施例2で述べた方法でYb0.2 Ca0.05Co4.20Sb11.95 Si0.05Pd0.05を合成して、その熱電変換性能を評価した。その結果、400℃での無次元性能指数ZTは1に達した。Caの代わりにSr、Baを、Siの代わりにZr、Hfを、Pdの代わりにFe、Ru、Os、Rh、Ir、Ni、Ptを用いても、同様の結果が得られた。
【0035】
以上の結果から明らかなように、本発明のn型熱電変換材料は、従来のn型熱電変換材料よりも優れた熱電変換性能を有する。なお、上記のような具体例を示して本発明を詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲においてあらゆる変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】Yb0.15Co4 Sb11.925Si0.075 のゼーベック係数Sと温度との関係を示すグラフである。
【図2】Yb0.15Co4 Sb11.925Si0.075 の電気抵抗率ρと温度との関係を示すグラフである。
【図3】Yb0.15Co4 Sb11.925Si0.075 の無次元性能指数ZTと温度との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Ybx Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びyが0超過1以下であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項2】
一般式Ax Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びyが0超過1以下、AがCa,Sr,Baの少なくとも1種であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項3】
一般式Ybx z Co4+y Sb12で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びzが0超過1以下、x+zが0超過1以下、yが0以上1以下、AがCa,Sr,Baの少なくとも1種であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項4】
一般式Ybx Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のxが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項5】
一般式Ax Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のxが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項6】
一般式Ybx v Co4+y Sb12+zu で表され、充填スクッテルダイト構造を有するn型熱電変換材料であって、一般式中のx及びvが0超過1以下、x+vが0超過1以下、yが0以上1以下、zが−0.5以上0.5以下、uが0以上0.5以下、MがSi,Zr,Hfの少なくとも1種であることを特徴とするn型熱電変換材料。
【請求項7】
一般式中のCoの一部を、Fe,Ru,Os,Rh,Ir,Ni,Pd,Ptの少なくとも1種で置換したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のn型熱電変換材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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