説明

ロータリエンコーダ

【目的】角度検出出力がフェールセーフなロータリエンコーダとする。
【構成】光の透過部と遮蔽部が所定のパターンで形成された回転円板の回転に伴う前記透過部と遮蔽部の通過により受光時に論理値1、非受光時に論理値0の交流出力を生成し、回転円板の回転に伴って各ビットがそれぞれ論理値1と0が双対な2線系2値信号で構成される所定ビット数のバイナリーコード信号を生成して回転体の回転角度位置信号を発生する回転角度信号発生手段1と、所望の検出角度位置に対応するバイナリーコード信号の出力論理値を加算演算する加算演算手段2と、加算演算手段2の加算演算値が予め設定した閾値以上の時に論理値1の出力を発生し故障時には論理値0の出力となる閾値演算手段3とを備え、2線系信号で光無しを確認し、これらの加算出力を閾値演算することでコード信号の全てを確認しつつ所望の検出角度信号を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の回転位置を検出するロータリエンコーダに関し、特に、フェールセーフ性に優れたロータリエンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、モータによってクランクを回転させてスライドを往復動させる機械プレスでは、作業の安全対策として、スライドが上死点で一旦停止したことを確認するための信号、スライドの停止の機能(ブレーキ性能)を確認するための信号及びスライドが上昇過程にあることを示す信号等を発生させるようになっている。これらスライドの位置情報はクランクの角度信号で与えられる。また、工業用ロボットのアームの可動範囲を規制する場合にも角度信号が用いられる。
【0003】従って、このような機械プレスやロボットの制御においては、前記角度信号の発生に高いフェールセーフ性(誤りの角度信号を生じない特性)が要望されている。かかる角度信号の発生装置としてはロータリエンコーダがある。ロータリエンコーダは、回転体の位置情報として任意の角度信号を符号化して出力し、この角度信号を論理処理して検出したい所望の角度信号を生成するようにしたものであり、例えば、光を透過する透過部と光を遮蔽する遮蔽部とを所定のパターンで形成した回転円板を、回転位置を検出する回転体と同期して回転させ、この回転円板の両側に符号のビット数に対応する数の発光素子と受光素子を配置する。
【0004】回転円板の回転に伴い、前記透過部と遮蔽部のパターンに応じて、透過部を介して光が受光された受光素子からは論理値1の出力を、遮蔽部で光が遮蔽された受光素子からは論理値0の出力を発生させることで、回転体の任意の角度信号を、各ビットが1と0の2値からなる所定ビット数のバイナリーコード信号に対応させて出力する。そして、このように角度信号発生部から出力された2値のバイナリーコード信号を構成する各信号を、論理値1と0が双対な2線系の2値信号(1,0)、(0,1)にそれぞれ変換し、これら各ビットの双対信号を論理処理して所望の角度信号を生成する。
【0005】ここで、バイナリーコード信号を2線系信号に変換するのは、正常な状態と誤りの状態を区別する必要があるためである。即ち、光有りを示す論理値1の出力を論理値1と0が双対な2値信号(1,0)に、光無しを示す論理値0の出力を論理値1と0が双対な2値信号(0,1)にそれぞれ変換し、光無しの時にも論理値1の出力を発生させることで、正常な状態であることが確認できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、論理値0の出力から2線系信号(0,1)を生成する2線化処理では、論理値0の出力を否定して論理値1を生成せざるを得ず、変換処理に否定演算が含まれることになる。このように、信号の処理過程で否定演算が含まれる場合は、例えば、否定演算回路の入力側に断線故障が生じるとその出力信号は論理値1となり、故障時に出力が論理値1となる誤りが生じることになり、フェールセーフな構成とならない。
【0007】そこで、フェールセーフな2線系信号とするため、例えば特開平5−133728号公報等に示される信号発生装置が提案されている。このものは、透過光の受光で論理値1となる透過型センサと反射光の受光で論理値1となる反射型センサを併用して直接2線系信号を得るようにしている。即ち、回転体の回転に伴って透過部が通過した時は、透過型センサの論理出力は0→1に変化し、反射型センサの論理出力は1→0に変化し、また、遮蔽部が通過した時は、透過型センサではその論理出力が0→1に変化し、反射型センサではその論理出力が0→1へと変化する。従って、各センサの出力は、双対な2値の出力となり、この場合、否定演算は含まれずフェールセーフな角度信号を発生させることができる。
【0008】そして、フェールセーフなロータリエンコーダを構成する場合には、このようなフェールセーフな2線系信号を発生させると共に、検出したい所望の角度信号を示すバイナリーコード信号を構成する各信号の全てが正常に出力されているかを確認する必要がある。そこで、本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、フェールセーフな2線系信号を用い、これらが正常に出力されているか否かを確認しながら、検出したい所望の角度信号を出力するようにしたロータリエンコーダを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、回転体の回転位置を検出するロータリエンコーダであって信号透過部と信号遮蔽部とが所定のパターンで形成され前記回転体と同期して回転する回転円板と、該回転円板の回転に伴う前記信号透過部と信号遮蔽部の通過により信号受信時に論理値1、信号非受信時に論理値0の交流出力を生成する信号生成手段とを備え、前記回転円板の回転に伴って前記信号生成手段から各ビットがそれぞれ論理値1と0が双対な2線系2値信号で構成される所定ビット数のバイナリーコード信号を生成して前記回転体の回転角度位置信号とする回転角度信号発生手段と、所望の検出角度位置に対応する前記回転角度信号発生手段のバイナリーコード信号の出力論理値を加算演算する加算演算手段と、該加算演算手段の加算演算値が予め設定した閾値以上の時に論理値1の出力を発生し故障時には論理値0の出力となる閾値演算手段とを備えて構成した。
【0010】また、前記回転角度信号発生手段の信号生成手段を、2線系信号のそれぞれの信号について逆相信号を発生させる4線系構成とした。
【0011】
【作用】かかる構成において、回転体の回転に伴い回転円板が回転すると、信号透過部と信号遮蔽部の形成パターンに応じて回転角度信号発生手段から、回転位置を示す所定ビット数のバイナリーコード信号が発生する。このバイナリーコード信号の各ビットは論理値1と0が双対な2線系2値信号で構成されている。この出力されるバイナリーコード信号のうち、検出したい所望の検出角度位置に対応するコード信号の各ビットの出力論理値を加算演算手段で加算する。閾値演算手段は、この加算値を予め設定した閾値と比較して閾値以上の時には、正常な回転体の位置情報として論理値1の出力を発生する。ここで、閾値演算手段は、故障時には出力が論理値0となる構成なので、フェールセーフ性を確保できる。
【0012】また、前記回転角度信号発生手段の信号生成手段を、2線系信号のそれぞれの信号について逆相信号を発生させる4線系構成とすることで、加算演算手段の回路構成を簡素化できるようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るロータリエンコーダの第1実施例の概略構成を示す。図1において、本実施例のロータリエンコーダは、回転体の回転に同期して回転する回転円板の回転に伴って、回転体の角度位置を表す2線系2値信号からなるバイナリーコード信号を発生する回転角度信号発生手段としての回転角度信号発生回路1と、この回転角度信号発生回路1の出力のうち、検出したい所望の角度位置を表す信号の出力端が接続され、これら出力端の出力論理値を加算演算する加算演算手段としての加算回路2と、加算回路2の加算値を予め設定した閾値と比較して閾値以上の時に回転角度信号発生回路1から出力されたバイナリーコード信号が正常であるとして論理値1の角度検出出力を発生する閾値演算手段としての閾値演算回路3と構成されている。
【0014】次に、前記回転角度信号発生回路1の構成について図2〜図4に基づいて詳述する。図2において、回転位置の被検出体である回転体としての回転軸10に、図3に示すような光の透過部11A(図中白色部分)と遮蔽部11B(図中黒色部分)が所定のパターンで形成された回転円板11を固定する。本実施例では、回転円板11の透過部11Aと遮蔽部11Bが回転円板11の半径方向において対を成しており、内側の透過部と外側の遮蔽部とで1ビットを構成するようにしている。この回転円板11を挟んで、一側に8個の発光素子12a〜12hが半径方向に等間隔で配置され、他側に同じく8個の受光素子13a〜13hが、前記発光素子12a〜12hと対面して配置されている。前記発光素子12a〜12hは、図4に示すように、交流信号発生回路14に並列接続されており、受光素子13a〜13hは、増幅器15a〜15hを介して回転角度信号発生回路1の各出力端a〜hに接続されている。そして、受光素子13a,13bと13c,13dと13e,13fと13g,13hはそれぞれ対をなし、一方が遮蔽部11Bで遮蔽されて非受光状態のときは他方は透過部11Aを介して受光状態となるよう構成され、これら各組がバイナリーコード信号の各ビットを表す構成とし、各ビットが論理値1と0が双対な2線系の2値信号で構成される。
【0015】従って、本実施例の回転角度信号発生回路1では、P1,P2,P3,P4の4ビットのバイナリーコード信号で角度位置が表され、各ビットP1〜P4は、論理値1と0が双対な2線系の2値信号として、それぞれP1=(P11,P10)、P2=(P21,P20)、P3=(P31,P30)、P4=(P41,P40)として出力され、Pi1とPi0 (i=1〜4)は、一方が回転円板11で遮蔽されて論理値0のとき他方は遮蔽されず論理値1となる関係にある。ここで、P11とP10は受光素子13aと13bの出力、P21とP20は受光素子13c,13dの出力、P31とP30は受光素子13e,13fの出力、P41とP40は受光素子13gと13hの出力であり、従って、回転角度信号発生回路の出力端aからP11の出力、出力端bからP10の出力、出力端cからP21の出力、出力端dからP20の出力、出力端eからP31の出力、出力端fからP30の出力、出力端gからP41の出力、出力端hからP40の出力がそれぞれ発生する。
【0016】例えば、図3のθ1の角度は、P1=1,P2=1,P3=1,P4=1のバイナリーコード信号で表され、この時、P1=(1,0)、P2=(1,0)、P3=(1,0)、P4=(1,0)となる。また、θ2の角度は、P1=1,P2=1,P3=0,P4=1で表され、この時、P1=(1,0)、P2=(1,0)、P3=(0,1)、P4=(1,0)となる。
【0017】次に、本実施例の加算回路2を図5に示し説明する。図において、加算回路2は、コンデンサCA1〜CA4,CB1〜CB4とダイオードDA1〜DA4,DB1〜DB4とを用いた倍電圧整流回路で構成されている。この加算回路2では、入力信号は、それぞれ直列に挿入されたコンデンサCA1〜CA4を介してダイオードDA1〜DA4で電源電圧Vccにクランプされ、更に、それぞれコンデンサCB1〜CB4にその入力レベルが蓄積される。従って、交流の信号入力によって各コンデンサCB1〜CB4に蓄積された入力信号レベルが順次蓄積され加算されその加算値が電源電圧VCCに重畳されて次段の閾値演算回路3に出力される。
【0018】図1に示す閾値演算回路3は、複数のトランジスタと抵抗等で構成される従来公知のフェールセーフなウインドコンパレータで構成され、入力端子に所定レベルの入力信号が入力した時のみ交流の出力信号を発生(論理値1に相当する)し、回路故障時には交流の出力信号が停止する(論理値0に相当する)構成である。
【0019】次に本実施例の動作について説明する。例えば、回転軸10における検出したい所望の回転角度が図3のθ2である場合について説明する。この場合、バイナリーコード信号はP1=1,P2=1,P3=0,P4=1で表され、この時P3,P4に関しては、光無しを論理値1として表す必要がある。従って、加算回路2の各入力端子には、回転角度信号発生回路1の出力端a,c,f,gを接続してその出力P11,P21,P30,P41が入力するようにする。
【0020】回転軸10の回転に同期して回転円板11が回転すると、その透過部11Aと遮蔽部11Bの通過に伴って、各発光素子12a〜12hからの光が透過又は遮断され、光が透過された位置に配置された受光素子13a〜13hから出力が発生する。従って、回転円板11の図3におけるθ2に対応する部分が、発光素子12a〜12hと受光素子13a〜13hに位置すると、発光素子12a,12c,12f,12gからの光が透過部11Aを介して受光素子13a,13c,13f,13gで受光されて出力が発生し、それ以外の発光素子12b,12d,12e,12hからの光は遮蔽部11Bで遮断されて受光素子13b,13d,13e,13hには到達せず出力は発生しない。これにより、加算回路2の各入力端には、対応する受光素子13a,13c,13f,13gからの交流出力が印加し、加算回路2の入力がP11=1(光有り),P21=1(光有り),P30=1(光無し),P41=1(光有り)となり全て論理値1となる。
【0021】このように、加算回路2の入力が全て論理値1となると、その加算出力は、閾値演算回路3の閾値以上となり、閾値演算回路3から交流出力が発生(論理値1に相当)し、所望の検出角度信号が発生する。そして、回転角度信号発生回路1の出力を交流とし(入力側故障時この入力信号は発生しないので加算値は必ず閾値より小さく(本実施例では3以下)なる)、更に、閾値演算回路3を故障時に出力が論理値1とならない回路構成とすることで、回路故障時には交流出力が発生せず閾値演算回路3の出力が、論理値1から論理値0には誤るが論理値1には誤らない構成とすることができ、危険側に誤らないフェールセーフな構成となる。
【0022】以上のように、否定演算することなく直接2線系の2値信号を生成して光無しを論理値1として表し、加算回路2と閾値演算回路3とによって全ての信号が発生していることを確認しつつ、所望の角度信号を発生させることで、ロータリエンコーダのフェールセーフ性をより一層高めることが可能となる。次に、本発明のロータリエンコーダの第2実施例を図6及び図7に基づき説明する。尚、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0023】本実施例は、回転角度信号発生回路の出力を、2線系2値信号の各々について互いに逆相の0相とπ相の信号を発生する4線系とするよう構成したものである。図6において、16a,16a′〜16h,16h′は、それぞれ対応する各受光素子13a〜13hの出力に基づいて発光する発光素子、17a,17a′〜17h〜17h′は、対応する前記各発光素子16a,16a′〜16h,16h′からの光を受光して出力を発生する受光素子、Tra,Tra′〜Trh,Trh′はトランジスタ、Ra,Ra′〜Rh,Rh′は抵抗で、出力端a,a′〜h,h′からは、互いに逆相のπ相と0相の交流信号が発生する。
【0024】例えば、発光素子12aからの光が透過部11Aを介して受光素子12aで受光されると、出力端aからは、発光素子12aの出力に対して180°位相が異なる交流信号が発生し、出力端a′からは発光素子12aの出力と同相の交流信号が発生する。ここで、Pi1,Pi0(i=1〜4)の同相信号をPi10,Pi00(i=1〜4)で示し、逆相信号をPi1π,Pi0π(i=1〜4)で示す。
【0025】このように4線化した回転角度信号発生回路1′を使用する場合、本実施例の加算回路2′は、図7R>7のようにコンデンサCC1〜CC4,CとダイオードDC1〜DC4,Dとを用いた倍電圧整流回路で構成でき、構成を簡素化できる。そして、この場合には、互いに隣合う入力端には、逆相の信号を印加するようにする。かかる図7に示す加算回路2′では、各入力端に論理値1の入力信号が印加されると、互いに隣合う入力信号が互いに逆相であり、各入力端の入力レベルの反転に伴いその出力端には、各入力レベルの加算値が電源電圧VCCに重畳された出力が発生する。
【0026】かかる実施例では、例えば第1実施例と同様に回転軸10における検出したい所望の回転角度が図3R>3のθ2である場合、回転角度信号発生回路1′の出力端と加算回路2′の入力端の接続は以下のようにする。加算回路2′の各入力端子には、回転角度信号発生回路1′の出力端a,c′,f,g′を接続してその出力P11π,P210,P30π,P410が入力するようにし、加算回路2′の互いに隣合う入力端の入力信号が互いに逆相となるようにする。尚、加算回路への入力を、P110,P21π,P300,P41πとなるよう接続してもよい。
【0027】このようにすることで、回転軸10の回転に同期して回転円板11が回転し、その透過部11Aと遮蔽部11Bの通過に伴って、各発光素子12a,12c,12f,12gからの光が透過部11Aを介して受光素子13a,13c,13f,13gで受光されて出力が発生すると、加算回路2′の各入力端には、対応する受光素子13a,13c,13f,13gからの互いに逆相の交流出力が印加し、加算回路2′において入力値が加算されて加算出力は、閾値演算回路3の閾値以上となり、閾値演算回路3から交流出力が発生(論理値1に相当)し、所望の検出角度信号が発生する。
【0028】かかる第2実施例の場合も、第1実施例と同様に、否定演算することなく直接2線系の2値信号を生成し、加算回路2′と閾値演算回路3とによって全ての信号が発生していることを確認して、所望の角度信号を発生させることになり、ロータリエンコーダのフェールセーフ性をより一層高めることが可能となる。図8及び図9には、回転角度信号発生回路のそれぞれ別の例を示す。
【0029】図8のものは、第1実施例における発光素子12b,12d,12f,12hと受光素子13b,13d,13f,13hとの関係を、透過型ではなく反射型に構成した。即ち、受光素子13b,13d,13f,13hを、発光素子12b,12d,12f,12hと同じく側に配置し、回転円板11′の遮蔽部11Bが位置した時に光の反射によって受光素子13b,13d,13f,13hから論理値1の出力が発生するよう構成したものである。尚、図8では、発光素子12a,12bと受光素子13a,13bのみ示し、その他の発光素子と受光素子は図示を省略してある。この場合、回転円板11′は、半径方向において透過部11Aと対をなす遮蔽部11Bは不要となる。例えばθ1の角度では、全てが透過部11Aとなり、発光素子12a,12c,12e,12gからの光は、透過部11Aを介して受光素子13a,13c,13e,13gで受光されるが、発光素子12b,12d,12f,12hの光は、透過部11Aを介して回転円板11′を透過してしまい受光素子13b,13d,13f,13hで受光されない。このように、透過型と反射型の光検出装置を用いても、フェールセーフな2線系の2値信号を得ることができる。
【0030】図9のものは、図8における反射型の光検出装置の発光素子を透過型検出装置の発光素子と兼用させるようにして構成を簡素化した例である。このようにすれば、図8における発光素子12b,12d,12f,12hを省略でき、発光素子を半分に節約できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回転角度信号発生手段の出力信号を、否定演算を行わずに直接に論理値1と0が互いに双対な2線系信号として光無しを論理値1の出力とし、所望の検出角度に対応するバイナリーコード信号の必要とする各信号を加算し且つ閾値演算することで、全ての信号が発生していることを確認しつつ所望の角度検出出力を発生させる構成としたので、ロータリエンコーダのフェールセーフ性をより一層高めることができる。従って、ロータリエンコーダを用いる角度信号を必要とする制御システムにおける安全性を格段に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成図
【図2】同上第1実施例の回転角度信号発生回路の概略構成図
【図3】図2の回転円板の詳細図
【図4】同上第1実施例の回転角度信号発生回路の回路図
【図5】同上第1実施例の加算回路の回路図
【図6】本発明の第2実施例の回転角度信号発生回路の回路図
【図7】同上第2実施例に好適な加算回路の回路図
【図8】本発明の第3実施例の回転角度信号発生回路の概略構成図
【図9】本発明の第4実施例の回転角度信号発生回路の概略構成図
【符号の説明】
1、1′ 回転角度信号発生回路
2、2′ 加算回路
3 閾値演算回路
10 回転軸
11,11′ 回転円板
12a〜12h、16a,16a′〜16h,16h′ 発光素子
13a〜13h、17a,17a′〜17h,17h′ 受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】回転体の回転位置を検出するロータリエンコーダであって、信号透過部と信号遮蔽部とが所定のパターンで形成され前記回転体と同期して回転する回転円板と、該回転円板の回転に伴う前記信号透過部と信号遮蔽部の通過により信号受信時に論理値1、信号非受信時に論理値0の交流出力を生成する信号生成手段とを備え、前記回転円板の回転に伴って前記信号生成手段から各ビットがそれぞれ論理値1と0が双対な2線系2値信号で構成される所定ビット数のバイナリーコード信号を生成して前記回転体の回転角度位置信号とする回転角度信号発生手段と、所望の検出角度位置に対応する前記回転角度信号発生手段のバイナリーコード信号の出力論理値を加算演算する加算演算手段と、該加算演算手段の加算演算値が予め設定した閾値以上の時に論理値1の出力を発生し故障時には論理値0の出力となる閾値演算手段と、を備えて構成したことを特徴とするロータリエンコーダ。
【請求項2】前記回転角度信号発生手段の信号生成手段を、2線系信号のそれぞれの信号について逆相信号を発生させる4線系構成としたことを特徴とする請求項1記載のロータリエンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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