説明

発泡調節剤としてのセルロース誘導体の使用

本発明は、水性の洗浄剤または洗剤溶液において使用したときに洗浄剤または洗剤の発泡性の減少に寄与する、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯洗剤または洗浄組成物における発泡調節剤としてのある種のセルロース誘導体の使用、ならびに、水溶性または水分散性の支持物質およびその上に吸着させたセルロース誘導体を含んでなる注入可能かつ自由流動性の粒子状発泡抑制組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機、特に家庭用ドラム洗濯機における通常の洗濯処理において使用される水性洗浄液においては、発泡の調節が必須である。これは、過剰発泡および発泡の完全欠如のどちらも望ましい洗濯の成功に貢献しないためである。従って、洗濯洗剤の過剰発泡発生の問題を解決するための提案には不足はなかった。必要な使用量に基づいて、現在までに知られている最も効果的な発泡調節は、シリコーン脱泡剤(通常、これはアルキルまたはアリール置換基を有する液体ポリシロキサンからなる)および微細分割したシリカであった。しかし、既知の良好な脱泡作用を有するポリシロキサンは、比較的高価であり、その製造が不便であり、特に最近において、その生分解性が完全に満足しうるものではないことがしばしば認められているという欠点を有する。シリコーンを含まない発泡調節組成物も知られている。例えば、欧州特許EP87233は、低発泡性の洗濯洗剤を製造するための方法であって、油状またはワックス状物質とビスアミドの混合物を、支持粉末、特に噴霧乾燥した界面活性剤含有の洗濯洗剤に適用する方法を開示している。この油状またはワックス状物質は、例えば、20〜120℃の融点を有するワセリンからなることができる。この種の処理において、特に、噴霧乾燥した界面活性剤含有の洗濯洗剤への組成物の噴霧において、この製造方法が、発泡調節成分の貯蔵安定性に対して不利な効果を有し、その活性が貯蔵時間の増大とともに低下する結果になる危険が存在する。その作用を増大させるため、およびそれと同時に必要な使用濃度を低減するために、さらなる発泡抑制剤を、上記の脱泡剤、特に、既知のポリシロキサンまたはポリシロキサン-シリカ混合物に添加することが多い。さらなる発泡調節洗濯洗剤が、欧州特許EP75433およびEP94250から既知である。しかし、これらに記載されている発泡調節組成物も同様にシリコーンを含んでなり、上記した理由により考慮に入れることができない。ドイツ公開明細書DT2857155は、任意に脂肪酸エステルとの混合物において、疎水性二酸化ケイ素ならびに固体および液体炭化水素の混合物を含んでなる発泡調節組成を有する洗濯洗剤を開示している。約22.5〜98重量%の室温で液体の炭化水素の高含量は、そのような発泡調節組成物の場合に凝集の危険を与える。ドイツ公開明細書DE3400008は、任意に分岐鎖アルコールと組み合わせて、パラフィンワックス混合物および疎水性化シリカを含んでなる発泡調節組成物を開示している。水溶性粉末支持体上の水不溶性ワックスと組み合わせて疎水性化シリカと高分子量分岐鎖アルコールの液体混合物を含んでなる粉末脱泡剤が、ドイツ公開明細書DE3115644から既知である。欧州特許EP0309931は、パラフィンワックスと微結晶性パラフィンワックスの比較的複雑な混合物を含んでなる発泡調節組成物を記載している。
【0003】
最近ではより重要になっている低温機械洗濯において、そのような組成物は、ある場合に、不適切であることがわかった脱泡性能を有し、粉末の洗濯洗剤または洗浄組成物中に常に貯蔵安定的に満足がいくように導入することができるとは限らない。さらに、シリコーンおよびパラフィンの両方は、洗濯過程において油状汚れに対して必要とされる洗浄性能の点で同等である。従って、これらは、洗濯洗剤または洗浄組成物中に最低量でのみ存在して、汚れの除去に必要とされる洗濯洗剤または洗浄組成物成分の作用を損なうことがないようにすべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、自由流動性の発泡調節組成物の形態で配合することができ、洗濯洗剤および洗浄組成物において使用したときに、広い温度範囲にわたって有効であり、即ち、冷洗濯範囲、中温度洗濯範囲、さらに沸騰洗濯範囲において、やっかいな発泡の発生を抑制する発泡調節剤を提供することである。さらに、それを含んでなる発泡調節剤および発泡調節組成物の両方は、通常の洗濯洗剤成分との混合物において貯蔵安定性および作用安定性であるべきであり、処理する材料および環境に対してどのような不都合な効果をも発揮すべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、この課題を、ある種のセルロース誘導体によって解決しうることがわかった。
即ち、本発明は、洗濯洗剤または洗浄組成物を水性の洗濯または洗浄溶液において使用したときに、その発泡を減少させるための、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体の使用を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
好ましいセルロース誘導体は、C−C10基、特にC−C基によってアルキル化されており、さらにC−C10ヒドロキシアルキル基、特にC−Cヒドロキシアルキル基を有するものである。これらは、セルロースを、適したアルキル化剤、例えば、アルキルハライドまたはアルキルスルフェートと反応させ、その後、適したアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させる既知の方法によって得られる。本発明の好ましい態様において、セルロース誘導体は、アンヒドログリコースモノマー単位あたりに、平均して、0.5〜2.5個、特に1〜2個のアルキル基、および0.02〜0.5個、特に0.05〜0.3個のヒドロキシアルキル基を有する。本発明で使用されるセルロース誘導体の平均分子量は、好ましくは10000〜150000D、特に40000〜120000D、さらに好ましくは80000〜110000Dの範囲である。汚れ解離性セルロース誘導体の重合度および分子量の測定は、ウベローデ毛細管粘度計(0c毛細管)による、十分に希釈した水溶液の極限粘度数の測定に基づいている。定数[H.StaudingerおよびF.Reinecke、「Ueber Molekulargewichtsbestimmung an Celluloseethern」(セルロースエーテルの分子量測定について)、Liebigs Annalen der Chemie 535、47 (1938)]および補正率[F.RodriguezおよびL.A.Goettler、「The flow of Moderately Concentrated Polymer Solutions in Water」(中程度に濃縮したポリマー水溶液の流れ)、Transactions of the Society of Rheology VIII、3 17 (1964)]を用いて、極限粘度数から重合度を、および置換度(DSおよびMS)を考慮して対応する分子量を計算することが可能である。
【0007】
このようなセルロース誘導体は、汚れ解離力を有しているので、洗濯洗剤または洗浄組成物の性能を損なうことがなく、むしろその逆に、洗濯または洗浄の結果ならびにその発泡調節作用に追加で寄与する。
【0008】
これらセルロース誘導体を、繊維製品の機械洗濯における発泡抑制剤として使用したときに、発泡の減少が、機械洗濯過程の実際の洗濯サイクルにおいてだけでなく、濯ぎサイクル(これに泡が移行することができるので、洗濯された材料上に泡残留物が残存することができる)においても達成されることも観察された(特に、極めて発泡の激しい界面活性剤、例えば分岐鎖の非イオン界面活性剤を使用したとき)。従って、本発明はさらに、織物製品の機械洗濯における濯ぎサイクルにおいて発泡を減少させるための、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体の使用に関する。
【0009】
最後に、本発明は、水溶性または水分散性の無機および/または有機支持物質70〜99.5重量%上に吸着させた、本発明に従って使用されるセルロース誘導体0.5〜30重量%を含有する粒子状自由流動性の発泡調節組成物を提供するものである。
【0010】
好ましくはホスフェートを含まない支持物質は、粒子状構造を有し、洗濯洗剤および洗浄組成物において使用するのに適する水溶性または水分散性の化合物(主に、無機および/または有機塩)からなる。水溶性の無機支持物質としては、特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属アルミノシリケートおよび/またはアルカリ金属硫酸塩(任意にアルカリ金属シリケートの添加剤と共に)が挙げられ、この後者は、本発明の組成物の良好な粒子安定性に寄与することができる。アルカリ金属シリケートは、好ましくは、アルカリ金属酸化物とSiOのモル比が1:1.5〜1:3.5である化合物である。そのようなシリケートの使用は、特に良好な粒子特性、特に高い摩耗安定性を与えるが、それにもかかわらず高い水への溶解速度を与える。さらに使用しうる無機物質としては、特にゼオライトおよび層状シリケート(例えばベントナイト)が挙げられる。本発明の発泡調節組成物のための支持物質において使用しうるゼオライトとしては、特に、ゼオライトA、ゼオライトPおよびゼオライトXが挙げられる。
【0011】
有用な有機支持物質は、例えば、酢酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、カルボキシメチルスクシネートおよびアミノポリカルボン酸(例えばEDTA)のアルカリ金属塩、ヒドロキシアルカンホスホネートおよびアミノアルカンポリホスホネート、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート、エチレンジアミノテトラメチレンホスホネートおよびジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネートである。また使用しうるものは、ポリマーまたはコポリマーカルボン酸、例えばアクリル酸とマレイン酸のコポリマー、ならびに、例えば国際特許出願WO93/08251から既知であり、多糖類の酸化によって得られるポリカルボン酸の水溶性塩である。上記したアルカリ金属塩中の好ましいアルカリ金属は、全ての場合においてナトリウムである。また、塩の形態で存在しない有機物質、例えばデンプンまたはデンプン加水分解物を、支持物質成分として使用することもできる。無機および有機塩の混合物を、多くの場合に有利に使用することができる。
【0012】
支持物質はさらに、皮膜形成ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ならびに、本発明に必須であるセルロース誘導体には相当しないセルロースエーテル、特にアルカリ金属カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの混合物を含むことができる。カルボキシメチルセルロースナトリウムとメチルセルロースの混合物であって、カルボキシメチルセルロースが通常はアンヒドログリコース単位あたり0.5〜0.8個のカルボキシメチル基の置換度を有し、メチルセルロースがアンヒドログリコース単位あたり1.2〜2個のメチル基の置換度を有する混合物を使用するのが好ましい。この混合物は、好ましくは、アルカリ金属カルボキシメチルセルロースと非イオン性セルロースエーテルを、80:20〜40:60、特に75:25〜50:50の重量比で含有する。そのようなセルロースエーテル混合物を、固体形態でまたは水性溶液として使用することができ、それを通常のように予め膨潤させてもよい。このような皮膜形成ポリマーは、全支持物質を基準に、好ましくは5重量%以下、特に0.5〜2重量%の量で支持物質中に存在する。
【0013】
本発明の発泡調節組成物の支持物質成分は、好ましい態様において、アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ金属硫酸塩(特に炭酸ナトリウムおよび/または硫酸ナトリウム)を99重量%まで、特に60〜95重量%、アルカリ金属シリケート(特にケイ酸ナトリウム)を35重量%まで、特に0.5〜30重量%、ならびに、水溶性または水膨潤性ポリマー(特にアニオン性セルロースエーテル)を5重量%まで、特に0.5〜2重量%含有する。
【0014】
また、本発明に従って使用されるセルロース誘導体に加えて、本発明の全ての態様において、通常の発泡調節剤を使用することもできる。これらとしては、例えば、長鎖石鹸、特にベヘン酸石鹸、脂肪酸アミド、パラフィン、ワックス、微結晶性ワックス、オルガノポリシロキサンおよびこれらの混合物が挙げられ、これらは超微細な任意にシラン化または他の方法で疎水性化したシリカをさらに含むことができる。粒子状組成物において使用するために、そのような発泡抑制剤は、例えばドイツ公開明細書DE3436194、欧州特許出願EP262588、EP301414、EP309931、または欧州特許EP150386に記載されているように、顆粒状の水溶性支持物質に結合させるのが好ましい。本発明に従って使用されるセルロース誘導体を、上記の文献から既知の粒子に導入することができる。
【0015】
好ましいのは、(a)パラフィンワックスまたはパラフィンワックス混合物 70〜95重量%、および(b)C2−7ジアミンおよび飽和C12−22カルボン酸から誘導したビスアミド 5〜30重量%を含有する追加のパラフィンに基づく脱泡剤混合物である。特に、シリコーンおよびパラフィン発泡調節剤の場合には、その脱泡作用を、上記のセルロース誘導体の使用によってさらに増強しうることがわかった。
【0016】
通常、任意に存在する追加の好ましい脱泡剤混合物中に存在するパラフィンワックス(成分a)は、鋭い融点を持たない複合物質混合物を構成する。特性化のために、通常はその溶融範囲および/またはその凝固点を、「The Analyst」、87、420 (1962)に記載のように、示差熱分析(DTA)によって測定する。これは、ワックスが、ゆっくりとした冷却により液体から固体状態に変換される温度を指す。17個より少ない炭素原子を有するパラフィンは、本発明に従って使用することができない。従って、パラフィンワックス混合物中のこれら分画は、できるだけ少ないものであるべきであり、通常の分析方法(例えばガスクロマトグラフィー)によって有意に測定しうる限界以下であるのが好ましい。20〜70℃の範囲で固化するワックスを使用するのが好ましい。室温で固体のように見えるパラフィンワックス混合物であっても、液体パラフィンの可変分画を含有しうることに注意すべきである。本発明に従って使用しうるパラフィンワックスの場合、40℃における液体分画は、この温度で既に100%ではなく最大である。好ましいパラフィンワックス混合物は、40℃における液体分画が少なくとも50重量%、特に55〜80重量%であり、60℃における液体分画が少なくとも90重量%である。これは、パラフィンが、少なくとも70℃まで、好ましくは少なくとも60℃まで下げた温度で自由流動性およびポンプ輸送可能であるという結果を伴う。また、パラフィンが、非常に揮発性の低い分画を含んでなることを確実にすべきである。好ましいパラフィンワックスは、110℃および標準圧力において蒸発可能な分画を1重量%未満、特に0.5重量%未満含有する。本発明に従って使用しうるパラフィンワックスは、例えば、FullerからLunaflex(商標)およびDEA Mineraloel AGからDeawax(商標)の商品名で購入することができる。
【0017】
上記の任意の追加の脱泡剤混合物の成分(b)は、12〜22個、好ましくは14〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、および2〜7個の炭素原子を有するアルキレンジアミンから誘導されるビスアミドからなる。適する脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキン酸およびベヘン酸、ならびにそれらの混合物であり、天然油脂または水素化油、例えば獣脂または水素化パーム油から得られるような脂肪酸である。適したジアミンは、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミンおよびトルエンジアミンである。好ましいジアミンは、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。特に好ましいビスアミドは、ビスミリストイルエチレンジアミン、ビスパルミトイルエチレンジアミン、ビスステアロイルエチレンジアミンおよびそれらの混合物、さらにヘキサメチレンジアミンの対応する誘導体である。欧州特許出願EP309931に記載されているように、ビスアミドは、好ましくは微細に分割された形態にあり、特に50μm未満の平均粒子寸法を有する。粒子の最大寸法は、好ましくは20μm以下であり、少なくとも50%、特に少なくとも75%の粒子が10μmより小さい。粒子寸法に関するこれらのデータは、Coulter Counterを用いる既知の測定方法に基づくものである。
【0018】
上記の追加の脱泡剤混合物は、微細に分割したビスアミド(成分b)を、成分(a)の溶融物中に導入し、激しい混合によってその中にホモジナイズする方法により製造することができる。この目的のために、溶融物は、低くとも90℃および高くとも200℃の温度を有しているべきである。この温度は、好ましくは100〜150℃である。この追加の脱泡剤の良好な活性のためには、ビスアミド粒子の安定な分散物が、パラフィンマトリックス中に存在していることが必須である(これは、特定した規定に対応する粒子寸法によってもたらされうる)。この分散状態を達成する目的で、最初から適当な粒子寸法を有するビスアミドを使用および分散させることができるか、あるいは、比較的粗い粒子の出発材料を使用し、溶融物を、所望の粒子寸法が達成されるまで、コロイドミル、歯付ミルまたはボールミルを用いて激しい撹拌処理または粉砕処理にかける。パラフィン溶融物中でのビスアミドの完全溶融、およびその後の溶融物の同時ホモジナイズをしながらのビスアミドの凝固点以下の温度への急速冷却により、相応して微細なビスアミドの粒子分布を導くことができる。
【0019】
本発明の発泡調節組成物は、その成分の水性組成物を噴霧乾燥することによって、あるいは、液体形態にあるかまたは加熱もしくは溶解によって液化されたセルロース誘導体、さらに適切であれば上記の溶融した追加の脱泡剤混合物を、粒子状の支持物質上に、例えば連続混合によって、特にスプレーとして、支持粒子に適用することによって、簡単な方法で製造することができる。通常は支持塩の水性スラリーの噴霧乾燥によって得ることができる支持粒子を、ミキサーユニットによってまたは流動化によって動いている状態に保ち、支持物質の均一な装填を確保する。このために使用するスプレーミキサーは、連続的にまたはバッチ式で操作することができる。粒子状の本発明の発泡調節組成物は、好ましくは2mm以下、特に0.1〜1.6mmの粒子寸法を有する粒子からなる。本調製物は、好ましくは、1.6mmを超える粒子寸法を有する粒子を20重量%以下、特に5重量%以下で、ならびに、0.1mmを下回る粒子寸法を有する粒子を20重量%以下、特に5重量%以下で含有する。粒子状の発泡調節組成物は、好ましくは500〜1000g/Lの範囲の嵩密度を有する。好ましくは、それを用いて粒子状の洗濯洗剤または洗浄組成物を製造する。本発明の発泡調節組成物のさらなる利点は、良好な脱泡剤性能に対するその少ない使用量において顕著である。
【0020】
本発明に従って使用されるセルロース誘導体を含んでなる洗濯洗剤は、このような組成物の全ての他の通常の構成成分を含有することができる。セルロース誘導体は、好ましくは0.1〜5重量%、特に0.5〜2.5重量%の量で洗濯洗剤中に導入される。
【0021】
驚くべきことに、本発明に従って使用されるセルロース誘導体は、ある種の他の洗濯洗剤および洗浄組成物に効果的に作用し、逆に本発明に従って使用されるセルロース誘導体の活性は、ある種の他の洗濯洗剤成分によって高められることが見出された。これらの効果は、特に、活性酵素成分(特にプロテアーゼおよびリパーゼ)の場合、水不溶性無機ビルダーの場合、水溶性無機および有機ビルダー(特に酸化炭水化物に基づくビルダー)の場合、過酸化物系漂白剤(特にアルカリ金属パーカーボネート)の場合、合成スルフェート型およびスルホネート型アニオン界面活性剤の場合、ならびに、灰色化抑制剤の場合に生じ、それ故に、本発明で使用するセルロース誘導体と共に、上記の少なくとも1種の他の成分を使用するのが好ましい。
【0022】
好ましい態様において、そのような組成物は、脂肪アルキルポリグリコシド、脂肪アルキルポリアルコキシレート、特にエトキシレートおよび/またはプロピキシレート、脂肪酸ポリヒドロキシアミドおよび/またはエトキシル化および/またはプロポキシル化生成物または脂肪アルキルアミン、ビシナルジオール、脂肪酸アルキルエステルおよび/または脂肪酸アミドおよびそれらの混合物から選択される非イオン界面活性剤を、2〜25重量%の量で含んでなる。
【0023】
本発明の組成物のさらなる態様は、合成スルフェート型および/またはスルホネート型アニオン界面活性剤、特に脂肪アルキルスルフェート、脂肪アルキルエーテルスルフェート、スルホ脂肪酸エステルおよび/またはスルホ脂肪酸二塩の、特に2〜25重量%の量で存在させることを含む。アニオン界面活性剤は、好ましくは、アルキルまたはアルケニル基が8〜22個、特に12〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルスルフェートもしくはアルキルまたはアルケニルエーテルスルフェートから選択される。
【0024】
有用な非イオン界面活性剤としては、10〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和またはモノもしくはポリ不飽和の直鎖または分岐鎖アルコールのアルコキシレート、特にエトキシレートおよび/またはプロポキシレートが挙げられる。アルコールのアルコキシル化度は、通常、1〜20、好ましくは3〜10である。アルコキシレートは、適したアルコールを、適したアルキレンオキシドと反応させる既知の方法で調製されうる。特に適しているものは、脂肪アルコールの誘導体であるが、分岐鎖異性体、特にオキソアルコールとして知られているものであり、使用可能なアルコキシレートを調製するために使用されうる。従って、使用可能なものは、直鎖基、特にドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシル基を有する1級アルコールのアルコキシレート、特にエトキシレート、およびそれらの混合物である。また、使用可能なものは、アルキル基に関して上記のアルコールに対応するアルキルアミン、ビシナルジオールおよびカルボキサミドの対応アルコキシル化生成物である。また、有用なものは、脂肪酸アルキルエステルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加生成物(国際特許出願WO90/13533に記載された方法によって調製される)、および脂肪酸ポリヒドロキシアミド(米国特許US1985424、US2016962およびUS20703798および国際特許出願WO92/06984の方法によって調製される)である。本発明の組成物に導入するのに適したアルキルポリグリコシドは、一般式:(G)−OR12[式中、R12は、8〜22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、Gはグリコース単位であり、nは1〜10である]で示される化合物である。このような化合物およびその調製方法は、例えば、欧州特許出願EP92355、EP301298、EP357969およびEP362671または米国特許US3547828に記載されている。グリコシド成分(G)は、天然由来のアルドースまたはケトースモノマー、特にグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、タロース、グロース、アルトロース、アロース、イドース、リボース、アラビノース、キロースおよびリキソースからなるオリゴマーまたはポリマーである。グリコシド結合したモノマーからなるオリゴマーは、存在する糖の種類とは別に、オリゴマー化度として知られる糖の数によって特徴づけられる。分析的に測定されるパラメーターとしてのオリゴマー化度nは、通常、分数であり、1〜10の間の数であり、好ましく使用されるグリコシドの場合、1.5の値未満、特に1.2〜1.4である。入手容易さの故に、好ましいモノマー単位はグルコースである。グリコシドのアルキルまたはアルケニル基R12は、再生可能な原料の容易に入手できる誘導体、特に、脂肪アルコールから誘導されるが、分岐鎖異性体、特にオキソアルコールも、使用可能なグリコシドを調製するために使用できる。従って、使用可能なものは、特に直鎖オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシル基を有する1級アルコールおよびそれらの混合物である。特に好ましいアルキルグリコシドは、ココナツ脂肪アルキル基、即ち、実質的にR12=ドデシルおよびR12=テトラデシルを有する混合物を含有する。
【0025】
非イオン界面活性剤は、本発明に従って使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物中に、好ましくは1〜30重量%、特に1〜25重量%の量で存在し、この範囲の上限量は、5重量%までの比較的少ない量を主として含有する液状洗濯洗剤および粒子状洗濯洗剤に見られる。好ましい態様において、非イオン界面活性剤は、少なくとも部分的に、分岐鎖脂肪アルコール(例えばイソトリデカノール)のアルコキシレート、好ましくはエトキシレートである。
【0026】
これに代えてまたは加えて、組成物は、さらなる界面活性剤、好ましくはスルフェート型またはスルホネート型の合成アニオン界面活性剤、例えば、アルキルベンゼンスルホネートを、好ましくはそれぞれの組成物全体に対して20重量%までの量、特に0.1〜18重量%の量で含んでいてよい。そのような組成物での使用に特に適している合成アニオン界面活性剤は、8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルスルフェートであり、対カチオンとしてアルカリ金属、アンモニウムまたはアルキルもしくはヒドロキシアルキル置換アンモニウムイオンを有する。好ましいものは、12〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよびオキソアルコールとして知られているそれらの分岐鎖類縁体の誘導体である。アルキルおよびアルケニルスルフェートは、対応するアルコール成分と通常の硫酸化剤、特に三酸化硫黄またはクロロスルホン酸との反応およびその後のアルカリ金属、アンモニアまたはアルキルもしくはヒドロキシアルキル置換アンモニウム塩基による中和によって調製されうる。そのようなアルキルおよび/またはアルケニルスルフェートは、本発明のウレタン系ポリマーを含んでなる組成物中に、0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%の量で存在する。
【0027】
使用できるスルフェート型界面活性剤としては、エーテルスルフェートとして既知である上記のアルコールの硫酸化アルコキシル化生成物も挙げられる。そのようなエーテルスルフェートは、1分子あたり好ましくは2〜30、特に4〜10のエチレングリコール基を有する。適したスルホネート型アニオン界面活性剤としては、脂肪酸エステルと三酸化硫黄との反応およびその後の中和によって得られるα−スルホエステル、特に、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸と1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖アルコールから誘導されるスルホン化生成物ならびにこれらの加水分解から形式的に生じるスルホ脂肪酸が挙げられる。
【0028】
有用な他の任意の界面活性剤成分としては、石鹸が挙げられ、適した石鹸は、飽和脂肪酸石鹸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸またはステアリン酸の塩、天然脂肪酸混合物、例えばココナツ、パーム核または獣脂脂肪酸から誘導される石鹸である。特に、好ましいものは、飽和C12−C18脂肪酸石鹸50〜100重量%およびオレイン酸石鹸50重量%までからなる石鹸混合物である。石鹸は、好ましくは0.1〜5重量%の量で存在する。しかし、特に本発明で使用されるポリマーを含んでなる液状組成物において、一般に20重量%までのより多量の石鹸が存在してよい。
【0029】
所望により、組成物は、存在する場合に、好ましくは0.5〜7重量%の量で使用されるベタインおよび/またはカチオン界面活性剤を含んでいてもよい。中でも、エステルクォート、即ちカルボン酸とアミノアルコールとの4級化エステルが特に好ましい。これらは、合成有機化学の関連した方法によって得られる既知の物質である。これに関して、国際特許出願WO91/01295を参照でき、そこでは、トリエタノールアミンを、次亜リン酸の存在下で、脂肪酸により部分エステル化し、空気を通過させ、その後、混合物を、ジメチルスルフェートまたはエチレンオキシドにより4級化する。さらに、ドイツ特許DE4308794は、トリエタノールアミンエステルの4級化を適当な分散体、好ましくは脂肪アルコールの存在下で行う固体エステルクォートの調製方法を開示している。このテーマに関するレビューは、例えば、R.Puchtaら著、Tens.Surf.Det.、30、186 (1993)、M.Brock著、Tens.Surf.Det.、30、394 (1993)、R.Lagermanら著、J.Am.Oil.Chem.Soc.、71、97 (1994)およびI.Shapiro著、Cosm.Toil.、109、77 (1994)に公開されている。
【0030】
さらなる態様において、本発明で使用されるセルロース誘導体を含む組成物は、水溶性および/または水不溶性ビルダー、特に、アルカリ金属アルミノシリケート、1を超える比を有する結晶性アルカリ金属シリケート、単量体ポリカルボキシレート、重合体ポリカルボキシレートおよびそれらの混合物から選択されるビルダーを、2.5〜60重量%の量で含んでなる。
【0031】
本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物は、好ましくは20〜55重量%の水溶性および/または水不溶性の有機および/または無機ビルダーを含有する。水溶性有機ビルダー物質としては、ポリカルボン酸、特にクエン酸および糖酸から選択されるもの、重合(ポリ)カルボン酸、特に国際特許出願WO93/16110の多糖類の酸化によって得られるポリカルボキシレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸およびそれらのコポリマーの群からのものが挙げられ、それらは、共重合状態で、カルボン酸官能基を有さない重合物質も少量含有しうる。不飽和カルボン酸のホモポリマーの相対分子量は、通常、遊離酸に基づいて5000〜200000であり、コポリマーでは、2000〜200000、好ましくは50000〜120000である。特に好ましいアクリル酸−マレイン酸コポリマーは、50000〜100000の相対分子量を有する。好ましいほどではないが、この群の適した化合物は、アクリル酸またはメタクリル酸と、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエステル、エチレン、プロピレンおよびスチレンとのコポリマーであり、酸の割合は、少なくとも50重量%である。使用される水溶性有機ビルダー物質は、モノマーとして、2種のカルボン酸および/またはそれらの塩ならびに第3モノマーとしてビニルアルコールおよび/またはビニルアルコール誘導体または炭水化物を含むターポリマーであってよい。第1の酸モノマーまたはその塩は、モノエチレン性不飽和C−C−カルボン酸、好ましくはC−C−モノカルボン酸、特に(メタ)アクリル酸から誘導する。第2の酸モノマーまたはその塩は、C−C−ジカルボン酸、特に好ましくはマレイン酸の誘導体であってよい。第3のモノマー単位は、この場合、好ましくはビニルアルコールおよび/または好ましくはエステル化ビニルアルコールによって形成される。ビニルアルコールと短鎖カルボン酸、例えばC−C−カルボン酸とのエステルを構成するビニルアルコール誘導体が好ましい。好ましいターポリマーは、60〜95重量%、特に70〜90重量%の(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレート、好ましくはアクリル酸またはアクリレート、およびマレイン酸またはマレエート、5〜40重量%の、好ましくは10〜30重量%のビニルアルコールおよび/またはビニルアセテートを含有する。特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレートとマレイン酸またはマレエートの重量比が1:1〜4:1、好ましくは2:1〜3:1、特に2:1〜2.5:1であるターポリマーである。量および重量比の両方は酸に基づく。第2の酸性モノマーまたはその塩は、アルキル基、好ましくはC−C−アルキル基またはベンゼンもしくはベンゼン誘導体から好ましくは誘導される芳香族基によって2−置換されたアリルスルホン酸の誘導体であってよい。好ましいターポリマーは、40〜60重量%、特に45〜55重量%の(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレート、さらに好ましくはアクリル酸またはアクリレート、10〜30重量%の、好ましくは15〜25重量%のメタリルスルホン酸またはメタリルスルホネート、および第3モノマーとして、15〜40重量%の、好ましくは20〜40重量%の炭水化物を含有する。この炭水化物は、例えばモノ−、ジ−、オリゴ−またはポリサッカリドであってよく、好ましくはモノ−、ジ−またはオリゴサッカリド、特に好ましくはスクロースである。第3モノマーの使用は、ポリマー内に意図された分裂部位を導入すると考えられ、このことは、ポリマーの良好な生分解性に寄与する。これらターポリマーは、特にドイツ特許DE4221381およびドイツ特許出願DE4300772に記載される方法によって調製され、一般に1000〜200000、好ましくは200〜50000、特に3000〜10000の相対分子量を有する。特に、液状組成物の調製のために、それらは、水溶液の形態、好ましくは30〜50重量%の水溶液の形態で使用される。上記の全てのポリカルボン酸は、通常は水溶性塩、特にアルカリ金属塩の形態で使用される。
【0032】
そのような有機ビルダー物質は、40重量%まで、特に25重量%まで、好ましくは1〜5重量%の量で存在する。上記の上限に近い量は、ペーストまたは液状、特に水性である組成物で主に用いられる。
【0033】
使用される水不溶性水分散性の無機ビルダーは、特に、液状組成物中で50重量%までの、好ましくは40重量%を超えない、特に1〜5重量%の結晶性または無定形アルカリ金属アルミノシリケートである。中でも、洗剤品質の点から結晶性アミノシリケート、特にゼオライトNaAおよび場合によりNaXが好ましい。上記の上限に近い量は、主に、固体粒子状組成物で使用される。適したアルミノシリケートは、特に、30mmを超える粒子寸法を有する粒子を有さず、少なくとも80重量%程度の10mm未満の寸法を有する粒子からなる。ドイツ特許DE2412837の明細書に従って測定できるそれらのカルシウム結合力は、1gにつき100〜200mg CaOの範囲である。上記のアルミノシリケートの適した代替物または部分代替物は、単独で存在するかまたは無定形シリケートとの混合物として存在しうる結晶性アルカリ金属シリケートである。ビルダーとして使用できるアルカリ金属シリケートは、好ましくは0.95未満、特に1:1.1〜1:12のアルカリ金属酸化物対SiOのモル比を有し、無定形または結晶形で存在しうる。好ましいアルカリ金属シリケートは、1:2〜1:2.8のNaO:SiOモル比を有するケイ酸ナトリウム、特に無定形ケイ酸ナトリウムである。そのような無定形アルカリ金属シリケートは、例えば、Portil(商標)の商品名で市販されている。1:1.9〜1:2.8のNaO:SiOモル比を有するものは、欧州特許出願EP0425427の方法によって調製できる。製造において、それらは、溶液形態ではなく、好ましくは固体として添加される。単独でまたは無定形シリケートとの混合物として存在でき使用される結晶性シリケートは、好ましくは一般式:NaSi2x+1・yHO[式中、係数とも呼ばれるxは1.9〜4、yは0〜20であり、好ましくは、xは2、3または4である]の結晶性層状シリケートである。この一般式に包含される結晶性層状シリケートは、例えば欧州特許出願EP0164514に記載されている。好ましい結晶性層状シリケートは、上記一般式のxが2または3の値であるものである。好ましいものは、β−およびδ−二ケイ酸ナトリウム(NaSiO・yHO)および国際特許出願WO91/08171に記載された方法によって得られるβ−二ケイ酸ナトリウムである。係数1.9〜3.2を有するδ−ケイ酸ナトリウムは、日本特許出願JP04/238809またはJP04/260610に従って調製されうる。無定形アルカリ金属シリケートから調製され、欧州特許出願EP0548599、EP0502325およびEP0425428に記載のように調製できるxが1.9〜2.1である上記一般式で示される実質的に無水の結晶性アルカリ金属シリケートを、本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物において使用することも可能である。組成物のさらに好ましい態様において、2〜3の比を有する結晶性層状ケイ酸ナトリウムが使用され、欧州特許出願EP0436835の方法に従って、砂および炭酸ナトリウムから調製できる。欧州特許EP0164552および/または欧州特許出願EP0294753の方法によって得られる係数1.9〜3.5の結晶性ケイ酸ナトリウムは、本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる洗濯洗剤または洗浄組成物のさらに好ましい態様において使用される。アルカリ金属シリケートの含量は、無水活性物質に基づいて1〜50重量%、特に5〜35重量%である。アルカリ金属アルミノシリケート、特にゼオライトは、付加的なビルダー物質として存在し、アルカリ金属シリケートの含量は、無水活性物質に基づいて1〜15重量%、特に2〜8重量%である。アルミノシリケート対シリケートの重量比は、無水活性物質に基づいて好ましくは4:1〜10:1である。無定形および結晶性アルカリ金属シリケートの両方を含んでなる組成物において、無定形アルカリ金属シリケート対結晶性アルカリ金属シリケートの重量比は好ましくは1:2〜2:1、特に1:1〜2:1である。
【0034】
上記の無機ビルダーに加えて、本発明に従って使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物において、さらに水溶性または水不溶性無機物質を使用することが可能である。この場合に適しているのは、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩およびアルカリ金属硫酸塩ならびにそれらの混合物である。そのような付加的な無機物質は、70重量%までの量で存在しうる。
【0035】
さらに、組成物は、洗濯洗剤および洗浄組成物で一般的なさらなる構成成分を含んでなる。これらの任意の構成成分としては、酵素、酵素安定剤、漂白剤、漂白活性剤、重金属用錯化剤(例えばアミノポリカルボン酸、アミノヒドロキシポリカルボン酸、ポリホスホン酸および/またはアミノポリホスホン酸)、染料定着活性剤、染料移行抑制剤(例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルピリジンN−オキシド)、発泡抑制剤(例えば、オルガノポリシロキサンまたはパラフィン)、溶媒および蛍光増白剤(例えば、スチルベンジスルホン酸誘導体)が挙げられる。本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物は、好ましくは1重量%まで、特に0.01〜0.5重量%の蛍光増白剤、特に置換された4,4'−ビス(2,4,6−トリアミノ−s−トリアジニル)スチルベン−2,2'−ジスルホン酸、5重量%までの、特に0.1〜2重量%の重金属用錯化剤、特にアミノアルキレンホスホン酸およびそれらの塩、3重量%まで、特に0.5〜2重量%の灰色化抑制剤、2重量%まで、特に0.1〜1重量%の発泡抑制剤を含有する(記載の重量割合は、それぞれ全組成物に基づく)。
【0036】
特に、液体組成物で使用される溶媒は、水の他に、好ましくは水混和性のものである。そのような溶媒としては、低級アルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノールおよび異性体ブタノール、グリセロール、低級グリコール、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール、および上記の群の化合物から誘導されるエーテルが挙げられる。そのような液体組成物において、本発明で使用されるセルロース誘導体は、一般に、溶解した状態または懸濁した状態である。
【0037】
任意に存在する酵素は、好ましくは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシダーゼ、パーオキシダーゼまたはそれらの混合物である。主要かつ有用な酵素は、微生物、例えばバクテリアまたは菌類から得られるプロテアーゼである。プロテアーゼは、例えば、ドイツ公開特許公報DE1940488、DE2044161、DE2101803およびDE2121397、米国特許US3623957および米国特許US4264738、欧州特許EP006638および国際特許出願WO91/02792に記載される発酵方法による既知の手順で、適した微生物から得られる。プロテアーゼは、例えば、BLAP(商標)、Savinase(商標)、Esperase(商標)、Maxatase(商標)、Optimase(商標)、Alcalase(商標)、Durazym(商標)またはMaxapem(商標)の商品名で市販されている。使用できるリパーゼは、例えば欧州特許出願EP258068、EP305216およびEP341947に記載されるHumicola lanuginosa、国際特許出願WO91/16422または欧州特許出願EP384177に記載されるBacillus種、欧州特許出願EP468102、EP385401、EP375102、EP334462、EP331376、EP330641、EP214761、EP218272もしくはEP204284または国際特許出願WO90/10695に記載されるPseudomonas種、例えば欧州特許出願EP130064に記載されるFusarium種、例えば欧州特許出願EP117553に記載されるRhizopus種または欧州特許出願EP167309に記載されるAspergillus種から得られる。適したリパーゼは、Lipolase(商標)、Lipozym(商標)、Lipomax(商標)、Lipex(商標)、Amano(商標)リパーゼ、Toyo-Jozo(商標)リパーゼ、Meito(商標)リパーゼおよびDiosynth(商標)リパーゼの商品名で市販されている。適したアミラーゼは、例えばMaxamyl(商標)、Termamyl(商標)、Duramyl(商標)およびPurafect(商標)OxAmの商品名で市販されている。使用できるセルラーゼは、至適pH値を、好ましくは6〜9.5の弱酸性ないし弱アルカリ性の範囲に有するバクテリアまたは菌類から得られる酵素であろう。そのようなセルラーゼは、例えばドイツ公開特許公報DE3117250、DE3207825、DE3207847、DE3322950または欧州特許出願EP265832、EP269977、EP270974、EP273125およびEP339550、および国際特許出願WO95/02675およびWO97/14804から既知であり、Celluzyme(商標)、Carezyme(商標)およびEcostone(商標)の商品名で市販されている。
【0038】
特に液体組成物において所望により存在する通常の酵素安定剤としては、アミノアルコール、例えばモノ−、ジ−、トリエタノール−および−プロパノールアミンおよびそれらの混合物、欧州特許出願EP376705およびEP378261から既知である低級カルボン酸、ホウ酸またはアルカリ金属ホウ酸塩または例えば欧州特許出願EP451921から既知であるホウ酸−カルボン酸の組み合わせ、例えば国際特許出願WO93/11215または欧州特許出願EP511456から既知であるホウ酸エステル、例えば欧州特許出願EP583536から既知であるホウ酸誘導体、カルシウム塩、例えば欧州特許EP28865から既知であるカルシウム−蟻酸の組み合わせ、例えば欧州特許出願EP378262から既知であるマグネシウム塩、例えば欧州特許出願EP080748またはEP080223から既知である硫黄含有還元剤が挙げられる。
【0039】
本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる組成物のさらなる態様は、過酸化物系漂白剤5〜70重量%および任意の漂白活性剤2〜10重量%を含んでなる。これらの有用な漂白剤は、洗濯洗剤で一般に使用されるパー化合物、例えば過酸化水素、四水和物または一水和物として存在しうるパーボレート、通常はアルカリ金属塩、特にナトリウム塩として存在するパーカーボネート、パーピロホスフェートまたはパーシリケートである。そのような漂白剤は、本発明で使用されるセルロース誘導体を含んでなる洗濯洗剤中に、それぞれの全組成物に基づいて好ましくは25重量%まで、特に15重量%まで、さらに好ましくは5〜15重量%の量で存在し、特に、パーカーボネートが使用される。漂白活性剤の任意に存在する成分は、一般に使用されるN−またはO−アシル化合物、例えばポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル、N−アシル化ヒダントイン、ヒドラジド、トリアゾール、ウラゾール、ジケトピペラジン、スルフリルアミドおよびシアヌレートならびにカルボン酸無水物、特に無水フタル酸、カルボン酸エステル、特にナトリウムイソノナノイルフェノールスルホネート、およびアシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコースおよびカチオン性ニトリル誘導体、例えばトリメチルアミノアセトニトリル塩を含む。貯蔵過程でのパー化合物との相互作用を防ぐために、漂白活性剤は、被覆物質により既知の方法で被覆されるかまたは粒状にされ、その場合、特に好ましくは、カルボキシメチルセルロースによって粒状にされ、例えば欧州特許EP37026に記載される方法によって調製できる0.01mm〜0.8mmの平均粒寸法を有するテトラアセチルエチレンジアミン、例えばドイツ特許DD255884に記載の方法によって調製できる粒状化1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンおよび/または国際特許出願WO00/50553、WO00/50556、WO02/12425、WO02/12426またはWO02/26927に記載される方法による粒状に処方されたトリアルキルアミノアセトニトリルが挙げられる。洗濯洗剤は、それぞれの場合に、全組成物に基づいて8重量%まで、特に2〜6重量%の量でそのような漂白活性剤を含んでなる。
【0040】
好ましい態様において、本発明で使用されるセルロース誘導体が導入された組成物は、粒状であり、無機ビルダー20〜55重量%、水溶性有機ビルダー10重量%まで、特に2〜8重量%、合成アニオン界面活性剤10〜25重量%、非イオン界面活性剤1〜5重量%、漂白剤(特にアルカリ金属パーカーボネート)25重量%まで、特に5〜20重量%、漂白活性剤15重量%まで、特に1〜10重量%、無機塩(特にアルカリ金属炭酸塩および/または炭酸水素塩)25重量%まで、特に0.1〜25重量%を含有する。
【0041】
さらに好ましい態様において、本発明で使用されるセルロース誘導体が導入された組成物は、液状であり、非イオン界面活性剤10〜25重量%、特に12〜22.5重量%、合成アニオン界面活性剤2〜10重量%、特に2.5〜8重量%、石鹸3〜15重量%、特に4.5〜12.5重量%、有機ビルダー(特にポリカルボキシレート、例えばシトレート)0.5〜5重量%、特に1〜4重量%、重金属用錯化剤(例えばホスホネート)1.5重量%まで、特に0.1〜1重量%、任意の酵素、酵素安定剤、染料および/または香料、ならびに水および/または水混和性溶媒を含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤または洗浄組成物を水性の洗濯または洗浄溶液において使用したときに、その発泡を減少させるための、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体の使用。
【請求項2】
繊維製品の機械洗濯における発泡抑制剤としての、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体の使用。
【請求項3】
織物製品の機械洗濯における濯ぎサイクルにおいて発泡を減少させるための、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体の使用。
【請求項4】
セルロース誘導体が、C−C10基、特にC−C基によってアルキル化されており、さらに、C−C10ヒドロキシアルキル基、特にC−Cヒドロキシアルキル基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
セルロース誘導体が、アンヒドログリコースモノマー単位あたりに、平均して、0.5〜2.5個、特に1〜2個のアルキル基および0.02〜0.5個、特に0.05〜0.3個のヒドロキシアルキル基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
セルロース誘導体の平均分子量が10000〜150000Dの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
セルロース誘導体の平均分子量が、40000〜120000D、特に80000〜110000Dの範囲である請求項6に記載の使用。
【請求項8】
セルロース誘導体を、該セルロース誘導体に加えて、活性酵素成分、特にプロテアーゼおよびリパーゼ、水不溶性無機ビルダー、水溶性無機および有機ビルダー、特に酸化炭水化物に基づくビルダー、過酸化物系漂白剤、特にアルカリ金属パーカーボネート、非イオン界面活性剤、特に長鎖アルコールのアルコキシレート、合成スルフェート型およびスルホネート型アニオン界面活性剤、ならびに、灰色化抑制剤、特にアニオン性セルロースエーテルから選択される少なくとも1つのさらなる成分を含んでなる洗濯洗剤の構成成分として使用する請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
水溶性または水分散性の無機および/または有機支持物質70〜99.5重量%上に吸着させた、セルロースのアルキル化およびヒドロキシアルキル化によって得られるセルロース誘導体0.5〜30重量%を含有する粒子状自由流動性の発泡調節組成物。

【公表番号】特表2006−517245(P2006−517245A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501678(P2006−501678)
【出願日】平成16年1月31日(2004.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000873
【国際公開番号】WO2004/069976
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】