説明

α2δ−タンパク質に対する親和性を有するアミノ酸の使用方法

本発明は、カルシウムチャンネルのアルファ−2−デルタ(α2δ)サブユニットと結合するある種のβ−アミノ酸に関する。これらの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩は、種々の精神医学的、疼痛およびその他の障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、カルシウムチャンネルのアルファ−2−デルタ(α2δ)サブユニットと結合するある種のβ−アミノ酸に関する。これらの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩は、種々の精神医学的、疼痛およびその他の障害の治療に有用である。
【発明の開示】
【0002】
発明の要約
本発明は、式I:
【化1】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;あるいは
1およびR2は、それらが結合される炭素と一緒になって、3〜6員シクロアルキル環を形成し;
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
4は、水素、または(C1〜C6)アルキル(1〜5個のフッ素原子で任意に置換される)であり;
5は、水素、または(C1〜C6)アルキル(1〜5個のフッ素原子で任意に置換される)であり;そして
6は、水素または(C1〜C6)アルキルである)
の化合物、またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩に関する。
【0003】
本発明の特定の実施形態としては、以下の式Iの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
3−アミノ−5,8−ジメチル−ノナン酸;
3−アミノ−5,5,7−トリメチル−オクタン酸;
3−アミノ−5,5,8−トリメチル−ノナン酸;
3−アミノ−5,5,6−トリメチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5,8−ジメチル−ノナン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5,8−ジメチル−ノナン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5,6−トリメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5,7−トリメチル−オクタン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5,8−トリメチル−ノナン酸;および
(3S)−3−アミノ−5,5,9−トリメチル−デカン酸。
【0004】
本発明の特定の実施形態のその他の例は、以下の式Iの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩である:
3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−6−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
【0005】
(3S,5R)−3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;および
(3S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸。
【0006】
本発明のその他の特定の実施形態としては、以下の式Iの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−5,5−ジメチル−ノナン酸;
3−アミノ−5,5−ジメチル−デカン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−ノナン酸;および
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−デカン酸。
【0007】
本発明は、式IA:
【化2】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;あるいは
1およびR2は、それらが結合される炭素と一緒になって、3〜6員シクロアルキル環を形成し;
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
但し、R1が水素である場合、R2は水素ではない)
の化合物、およびこのような化合物の製薬上許容可能な塩にも関する。
【0008】
本発明は、式IA−1:
【化3】

(式中、Rは上記の式Iに関するのと同様に定義される)
の化合物、およびこのような化合物の製薬上許容可能な塩にも関する。
【0009】
本発明のその他の特定の実施形態としては、以下の式IAの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
3−アミノ−5−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
3−アミノ−5−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
【0010】
3−アミノ−5−メチル−8−フェニル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(3−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(4−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−8−o−トリル−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−8−m−トリル−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−8−p−トリル−オクタン酸;
3−アミノ−5−メチル−8−p−トリル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
【0011】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−8−フェニル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−8−フェニル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(3−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(3−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(4−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(4−トリフルオロ−フェニル)−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−8−o−トリル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−8−o−トリル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−8−m−トリル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−8−m−トリル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−8−p−トリル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−8−p−トリル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2,3−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2,3−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2,4−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2,4−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2,5−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2,5−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−(2,6−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸;および
(3S,5S)−3−アミノ−8−(2,6−ジフルオロ−フェニル)5−メチル−オクタン酸。
【0012】
本発明の好ましい化合物としては、式IA−2:
【化4】

(式中、R1、R2およびR3は上記の式Iに関するのと同様に定義される)
のものが挙げられる。
【0013】
本発明のさらに好ましい化合物の例は、R1が水素であり、R2がメチルであり、そしてR3が上記の式Iに関するのと同様に定義される式IA−2の化合物である。
【0014】
本発明の特定の実施形態の例は、以下の式IA−2の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩である:
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸;および
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸。
【0015】
本発明は、式IB:
【化5】

(式中、R3は上記と同様である)
の化合物、およびそれらの製薬上許容可能な塩にも関し、そして上記の化合物は、以下の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩から選択される:
3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−4,6−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−4,7−ジメチル−オクタン酸;
3−アミノ−4,8−ジメチル−ノナン酸;
3−アミノ−4,9−ジメチル−デカン酸;
3−アミノ−4−シクロプロピル−ペンタン酸;
3−アミノ−4−シクロブチル−ペンタン酸;
3−アミノ−4−シクロペンチル−ペンタン酸;
3−アミノ−4−シクロヘキシル−ペンタン酸;
3−アミノ−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
3−アミノ−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
3−アミノ−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
3−アミノ−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
3−アミノ−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
【0016】
3−アミノ−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−9−シクロプロピル−4−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロブチル−4−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロペンチル−4−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロヘキシル−4−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−4−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−4−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−4−メチル−デカン酸;
【0017】
(3R,4R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4,6−ジメチル−ヘプタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4,7−ジメチル−オクタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4,8−ジメチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4,9−ジメチル−デカン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−シクロプロピル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−シクロブチル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−シクロペンチル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−シクロヘキシル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
【0018】
(3R,4R)−3−アミノ−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;
【0019】
(3R,4R)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−9−シクロプロピル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−9−シクロブチル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−9−シクロペンチル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−9−シクロヘキシル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4R)−3−アミノ−4−メチル−デカン酸;
【0020】
(3R,4S)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4,6−ジメチル−ヘプタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4,7−ジメチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4,8−ジメチル−ノナン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4,9−ジメチル−デカン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−シクロプロピル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−シクロブチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−シクロペンチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−シクロヘキシル−ペンタン酸;
【0021】
(3R,4S)−3−アミノ−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−9−シクロプロピル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−9−シクロブチル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−9−シクロペンチル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−9−シクロヘキシル−4−メチル−ノナン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−メチル−オクタン酸;
(3R,4S)−3−アミノ−4−メチル−ノナン酸;および
(3R,4S)−3−アミノ−4−メチル−デカン酸。
【0022】
本発明は、式IC:
【化6】

(式中、R3は上記と同様である)
の化合物、およびそれらの製薬上許容可能な塩にも関し、上記化合物は、以下の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩から選択される:
3−アミノ−6−メチル−デカン酸;
3−アミノ−6−シクロプロピル−ヘプタン酸;
3−アミノ−6−シクロブチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−6−シクロペンチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−6−シクロヘキシル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−6−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−6−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−6−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−6−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−8−シクロプロピル−6−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロブチル−6−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロペンチル−6−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロヘキシル−6−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−9−シクロプロピル−6−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロブチル−6−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロペンチル−6−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−9−シクロヘキシル−6−メチル−ノナン酸;
3−アミノ−10−シクロプロピル−6−メチル−デカン酸;
3−アミノ−10−シクロブチル−6−メチル−デカン酸;
3−アミノ−10−シクロペンチル−6−メチル−デカン酸;
3−アミノ−10−シクロヘキシル−6−メチル−デカン酸;
【0023】
3−アミノ−6−イソプロピル−ヘプタン酸;
3−アミノ−6,8−ジメチル−ノナン酸;
3−アミノ−6,9−ジメチル−デカン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6−メチル−デカン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6−シクロプロピル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6−シクロブチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6−シクロペンチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−ヘプタン酸;
【0024】
(3S,6R)−3−アミノ−7−シクロプロピル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−7−シクロブチル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−7−シクロペンチル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−8−シクロプロピル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−8−シクロブチル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−8−シクロペンチル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−9−シクロプロピル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−9−シクロブチル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−9−シクロペンチル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−9−シクロヘキシル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−10−シクロプロピル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−10−シクロブチル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−10−シクロペンチル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−10−シクロヘキシル−6−メチル−デカン酸;
【0025】
(3S,6R)−3−アミノ−6−イソプロピル−ヘプタン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6,8−ジメチル−ノナン酸;
(3S,6R)−3−アミノ−6,9−ジメチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−メチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−シクロプロピル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−シクロブチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−シクロペンチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−ヘプタン酸;
【0026】
(3S,6S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−7−シクロブチル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−6−メチル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−8−シクロプロピル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−8−シクロブチル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−8−シクロペンチル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−6−メチル−オクタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−9−シクロプロピル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−9−シクロブチル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−9−シクロペンチル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−9−シクロヘキシル−6−メチル−ノナン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−10−シクロプロピル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−10−シクロブチル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−10−シクロペンチル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−10−シクロヘキシル−6−メチル−デカン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6−イソプロピル−ヘプタン酸;
(3S,6S)−3−アミノ−6,8−ジメチル−ノナン酸;および
(3S,6S)−3−アミノ−6,9−ジメチル−デカン酸。
【0027】
本発明は、式II:
【化7】

(式中、R1、R2およびR3は上記の式Iに関するものと同様である)
の化合物、およびこのような化合物の製薬上許容可能な塩にも関する。
【0028】
本発明の特定の実施形態の例は、以下の式Iの化合物およびその製薬上許容可能な塩:2−アミノメチル−4−プロピル−ヘプタン酸である。
【0029】
本発明は、式IIA:
【化8】

(式中、R3は、上記の式Iに関するものと同様である)
の化合物、およびこのような化合物の製薬上許容可能な塩にも関する。
【0030】
本発明のその他の特定の実施形態としては、以下の式Iの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−7−(4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−(3−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−7−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−7−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
【0031】
2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−(4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−(3−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
【0032】
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
【0033】
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−(4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−(3−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−4−メチル−ヘプタン酸;
【0034】
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−6−フェニルアミノ−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−7−フェニルアミノ−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−8−フェニルアミノ−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−4−エチル−ヘキサン酸;
【0035】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−エチル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−プロピル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−イソプロピル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−ブチル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−イソブチル−シクロプロピル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−[1−(4−メチル−ペンチル)−シクロプロピル]−プロピオン酸;
【0036】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロブチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−エチル−シクロブチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−プロピル−シクロブチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロペンチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−エチル−シクロペンチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−プロピル−シクロペンチル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロヘキシル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−エチル−シクロヘキシル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−3−(1−プロピル−シクロヘキシル)−プロピオン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−5−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−6−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−7−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−4−エチル−ノナン酸;
【0037】
2−アミノメチル−4−エチル−8−メチル−ノナン酸;
2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸;
2−アミノメチル−5−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−5−エチル−6−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロプロピル−5−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロブチル−5−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロペンチル−5−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−5−エチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−5−エチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−5−エチル−7−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−5−エチル−ノナン酸;
【0038】
2−アミノメチル−5−エチル−8−メチル−ノナン酸;
2−アミノメチル−4−シクロプロピル−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−メチル−シクロプロピル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−エチル−シクロプロピル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−シクロブチル−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−メチル−シクロブチル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−エチル−シクロブチル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−シクロペンチル−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−メチル−シクロペンチル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−エチル−シクロペンチル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−シクロヘキシル−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−メチル−シクロヘキシル)−酪酸;
2−アミノメチル−4−(1−エチル−シクロヘキシル)−酪酸;
【0039】
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−4−エチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−4−エチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−4−エチル−ヘキサン酸。
【0040】
本発明のその他の特定の実施形態としては、以下の式IIAの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
2−アミノメチル−4−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−ノナン酸;
2−アミノメチル−4−メチル−デカン酸;
【0041】
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ノナン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−デカン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ノナン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−デカン酸;
【0042】
2−アミノメチル−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
2−アミノメチル−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
2−アミノメチル−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
2−アミノメチル−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
2−アミノメチル−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸;
【0043】
(2R,4S)−2−アミノメチル−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸;
【0044】
(2R,4R)−2−アミノメチル−5−シクロプロピル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−5−シクロブチル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−5−シクロペンチル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−5−シクロヘキシル−4−メチル−ペンタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−シクロプロピル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−シクロブチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−シクロペンチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−8−シクロプロピル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−8−シクロブチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−8−シクロペンチル−4−メチル−オクタン酸;および
(2R,4R)−2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−4−メチル−オクタン酸。
【0045】
本発明は、式III:
【化9】

(式中、Rは上記の式Iに関するものと同様である)
の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩にも関する。
【0046】
本発明は、式IV:
【化10】

(式中、R1およびR3は上記の式Iの化合物と同様に定義される)
の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩にも関する。
【0047】
本発明のその他の特定の実施形態としては、以下の式IVの化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩が挙げられる:
2−アミノメチル−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
2−アミノメチル−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
【0048】
2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸;
2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;
2−アミノメチル−5−メチル−ノナン酸;
【0049】
(2R,6S)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6S)−2−アミノメチル−5−メチル−ノナン酸;
【0050】
(2R,6R)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸;
(2R,6R)−2−アミノメチル−5−メチル−ヘプタン酸;および
(2R,6R)−2−アミノメチル−5−メチル−ノナン酸。
【0051】
本発明は、治療的有効量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩、および製薬上許容可能な担体を含む製剤組成物にも関する。
【0052】
本発明は、哺乳類、例えばヒトにおける癲癇、失神発作、繊維筋痛、運動低下症、頭蓋性障害、のぼせ、本態性振顫、化学物質依存性および常用癖(例えばアルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、ヘロイン、幻覚剤、タバコ、吸入剤およびエーロゾル噴射剤、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシン誘導体、鎮静剤、催眠剤、ベンゾジアゼピンおよびその他の抗不安剤に対する依存性または常用癖)、ならびにこのような依存性または常用癖、耽溺性行動、例えば賭博に関連した離脱症候群;偏頭痛、痙縮、例えば筋痙縮、ならびに麻痺を伴う緊張低下症、関節炎、過敏性大腸症候群(IBS)、慢性疼痛、急性疼痛、神経障害性疼痛、血管性頭痛、洞性頭痛、炎症性障害(例えば慢性関節リウマチ、変形性関節炎、変形性関節炎疾患の疾患変容、軟骨損傷、乾癬)、多尿、月経前症候群、月経前不快性障害、耳鳴および胃損傷から選択される障害または症状の治療方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、治療的有効量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩を投与することを包含する方法にも関する。
【0053】
本発明は、哺乳類、例えばヒトにおける禁煙、中毒性物質および依存性からの離脱、食欲不振、癌、高齢および/または意志薄弱を有する蚊または蒙っている哺乳類における体重増加の促進のための方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、治療的有効量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩を投与することを包含する方法にも関する。
本発明は、急性脳損傷と呼ばれる神経変性障害を治療することも網羅する。これらの例としては、卒中、頭部外傷および窒息が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
卒中は大脳血管性疾患を指し、そして大脳血管性偶発事象(CVA)とも呼ばれ得るし、例としては、急性血栓塞栓性卒中が挙げられる。卒中は、病巣性および全般性虚血の両方を含む。さらにまた、一過性大脳虚血発作および大脳虚血に随伴するその他の大脳血管性問題、例えば頚動脈血管内膜切除またはその他の脳血管的または血管外科手法、あるいは診断的血管腫法、例えば大脳血管造影等を受けている患者に起こるものも含まれる。
【0055】
式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物は、頭部外傷、脊髄外傷または全身性無酸素症、低酸素症、低血糖症、低血圧症による損傷、ならびに脱臼整復、過融合および低酸素症からの手法中に認められる同様の損傷の治療にも有用である。それらは、心臓バイパス手術中に、頭蓋内出血の偶発性事象中に、周産期窒息において、心停止および癲癇重積において起こるニューロン損傷を防止するのにも有用である。
【0056】
本発明は、哺乳類、例えばヒトにおける、譫妄、痴呆、ならびに健忘性およびその他の認知性または神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆、アルツハイマー型の痴呆、記憶障害、血管性痴呆、ならびにHIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病のための、あるいは多数の病因のためのその他の痴呆;運動障害、例えば運動不能症、運動異常症、痙縮、ツレット症候群、スコット症候群、PALSYSおよび無動性硬直症候群;錐体外路運動障害、例えば薬剤誘導性運動障害、例えば神経弛緩薬誘導性急性異緊張症、神経弛緩薬誘導性急性静座不能、神経弛緩薬誘導性遅発性ジスキネシアおよび薬剤誘導性体位性振顫;ダウン症候群;脱髄性疾患、例えば多発性硬化症(MS)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)、末梢性神経障害、例えば糖尿病性および化学療法誘導性神経障害、ならびにヘルペス後神経痛、三叉神経痛、分節性または肋間神経痛およびその他の神経痛;ならびに急性または慢性脳血管性損傷のための大脳血管性障害、例えば脳梗塞、くも膜下出血または脳水腫からなる群から選択される障害または症状の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効な量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩を、上記哺乳類に投与することを包含する方法にも関する。
【0057】
認知は、繊維筋痛、アルツハイマー病およびパーキンソン病を有する患者において、治療的有効量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩を、このような治療を必要とする哺乳類に投与することにより、それに罹患している哺乳類、例えばヒトにおける睡眠を増強することによっても増強され得る。
【0058】
疼痛は、急性ならびに慢性疼痛を指す。急性疼痛は通常は持続時間が短く、そして交感神経系の活動型に関連する。例は、術後痛および異痛症である。慢性疼痛は通常は3〜6ヶ月持続する疼痛と定義され、例としては、体細胞原性疼痛および心因性疼痛が挙げられる。その他の疼痛は、侵害受容性である。
【0059】
本発明の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIVの化合物ならびにその製薬上許容可能な塩で治療され得る疼痛の型の例としては、柔組織および末梢性尊称、例えば急性外傷に起因する疼痛、変形性関節炎および慢性関節リウマチに関連した疼痛、筋肉骨格性疼痛、例えば外傷後に経験される疼痛;脊椎痛、歯痛、筋肉筋膜疼痛症候群、会陰切開痛、および熱傷に起因する疼痛;深部および内臓性疼痛、例えば心臓痛、筋肉痛、眼痛、口腔顔面性疼痛、例えば歯痛、腹痛、婦人科的疼痛、例えば月経困難症、分娩痛、および子宮内膜症に関連した疼痛;神経および根損傷に関連した疼痛、例えば末梢神経障害、例えば神経エントラップメントおよび上腕神経叢剥離、切断、末梢ニューロパシー、疼痛性チック、異型顔面神経痛、神経根損傷、三叉神経痛、神経障害性腰痛、HIV関連神経障害性疼痛、癌関連神経障害性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛およびクモ膜炎;しばしば癌疼痛と呼ばれる癌腫に関連した神経障害性および非神経障害性疼痛;中枢神経系疼痛、例えば脊髄または脳幹損傷のための疼痛;腰痛;座骨神経痛;幻肢痛、頭痛、例えば偏頭痛およびその他の血管性頭痛、急性または慢性緊張性頭痛、群発性頭痛、側頭下顎疼痛および上顎洞痛;強直性脊椎炎および通風に起因する疼痛;膀胱収縮増大により引き起こされる疼痛;術後痛;瘢痕痛;ならびに慢性非神経障害性疼痛、例えば繊維筋痛、HIV、リウマチおよび変形性関節炎に関連した疼痛、関節痛および筋肉痛、捻挫、挫傷および外傷、例えば骨折;ならびに術後痛が挙げられる。
【0060】
さらに他の疼痛は、末梢感覚神経の損傷または感染により引き起こされる。その例としては、末梢神経外傷、ヘルペスウイルス感染、真性糖尿病、繊維筋痛、灼熱痛、叢剥離、神経腫、四肢切断および血管炎による疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。神経障害性疼痛は、慢性アルコール中毒症、ヒト免疫不全ウイルス感染、甲状腺機能低下症、尿毒症またはビタミン欠乏症からの神経損傷によっても引き起こされる。神経障害性疼痛としては、神経損傷により引き起こされる疼痛、例えば糖尿病患者が蒙る疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
心因性疼痛は、腰痛、異型顔面痛および慢性頭痛のような器官起源を伴わずに起こるものである。
他の型の疼痛を以下に挙げる:炎症性疼痛、変形性関節炎疼痛、三叉神経痛、癌疼痛、糖尿病性神経障害、非安静脚症候群、急性ヘルペス性およびヘルペス後神経痛、灼熱痛、上腕神経叢剥離、後頭神経痛、通風、幻肢痛、熱傷およびその他の形態の神経痛、神経障害および特発性疼痛症候群。
【0062】
本発明の化合物は、うつ病の治療においても有用である。うつ病は、人格喪失に関連したストレスに派生する、または特発性起源の器官性疾患の結果であり得る。いくつかの形態のうつ病の家族性発生に対する強い傾向が認められるが、このことは、少なくともいくつかの形態のうつ病に関する機構的原因を示唆する。うつ病の診断は、主に、患者の気分の変化の定量によりなされる。これらの気分評価は一般に、医者により遂行されるか、あるいは確証評定尺度、例えばハミルトンうつ病評定尺度または簡易精神医学的評定尺度を用いて神経心理学者により定量される。うつ病を有する患者における気分変化の程度、例えば不眠症、集中困難、エネルギー欠如、無価値感および罪悪感を定量し、測定するために、多数のその他の尺度が開発されてきた。うつ病の診断ならびに全ての精神医学的診断のための基準は、アメリカ精神医学会により出版された(1994)DSM−IV−Rマニュアルと呼ばれるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (Fourth Edition)に収集されている。
【0063】
本発明は、哺乳類、例えばヒトにおける、気分障害、例えばうつ病、あるいは特に抑うつ障害、例えば単一偶発性または再発性大うつ病性障害、胸腺機能不全障害、抑うつ神経症および神経症性うつ病、昏迷性うつ病,例えば食欲不振、体重損失、不眠症、早起きおよび精神運動遅滞、非定型うつ病(または反応性うつ病)、例えば食欲増大、過剰睡眠、精神運動性激越または過敏、季節性情動障害および小児期うつ病;あるいは双極性障害または躁うつ病,例えば双極I型障害、双極II型障害および循環気質性障害;行動障害および分裂行動障害;不安障害、例えばパニック障害(広場恐怖症を伴うかまたは伴わない)、広場恐怖症(パニック障害歴なし)、特定の恐怖症、例えば特定動物恐怖症、飛行恐怖、社会的不安障害、社会的恐怖症、強迫性障害、ストレス障害、例えば外傷後ストレス障害および急性ストレス障害、ならびに全身性不安障害;境界人格障害;精神分裂病およびその他の精神病性障害、例えば分裂病型障害、分裂情動性障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害,妄想または幻覚を伴う精神病性障害、不安の精神病性エピソード、精神病に関連した不安、精神病性気分障害,例えば重症大うつ病性障害;精神病性障害に関連した気分障害、例えば双極性障害に関連した急性躁うつ病、精神分裂病に関連した気分障害;精神遅滞に関連した行動妨害、自閉性障害、および行動障害からなる群から選択される障害または症状の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物あるいはその製薬上許容可能な塩を上記の哺乳類に投与することを包含する方法にも関する。
【0064】
本発明の化合物は、睡眠障害の治療にも有用である。睡眠障害は、眠りに就くおよび/または眠っている能力に影響を及ぼすか、過剰睡眠に関与するか、あるいは睡眠に関連した異常行動を生じる妨害である。当該障害としては、例えば不眠症、薬剤関連不眠、過剰睡眠、睡眠発作、睡眠時無呼吸症候群、および睡眠時異常行動が挙げられる。
【0065】
本発明は、哺乳類、例えばヒトにおける、睡眠障害(例えば不眠症、薬剤関連不眠、REM睡眠障害、過剰睡眠、睡眠発作、睡眠−覚醒周期障害、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時異常行動、非安静脚症候群、時差ぼけ、周期性体肢運動障害および睡眠構築変容、ならびにシフト性仕事および不規則な仕事時間に関連した睡眠障害)からなる群から選択される障害または症状の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物あるいはその製薬上許容可能な塩を上記の哺乳類に投与することを包含する方法にも関する。
【0066】
式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIVの化合物は少なくとも1つのキラル中心を含有し、したがって異なるエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在し得る。本発明は、このような化合物のラセミ混合物としての、ならびに個々のエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、およびその混合物としての両方の、式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIVの化合物の全ての光学異性体、ならびに全ての立体異性体に、そしてそれぞれそれらを含有するかまたは用いる上記の全ての製剤組成物および治療方法に関する。個々の異性体は、既知の方法により、例えば最終生成物またはその中間体の調製における光学分割、光学的選択反応またはクロマトグラフィー的分離により生成され得る。本発明の化合物の個々のエナンチオマーは、種々の障害または症状の治療において、これらの化合物のラセミ混合物と比較して、利点を有し得る。
【0067】
本発明は、式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIVで列挙されたものと同一である同位体標識化合物も包含するが、しかし事実として、1つまたは複数の原子が、通常は現実に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられる。本発明の化合物に組入れられ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げられる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびに上記化合物の、または上記プロドラッグの製薬上許容可能な塩は、本発明の範囲内である。本発明のある種の同位体標識化合物、例えば放射性同位体、例えば3Hおよび14Cが組入れられるものは、薬剤および/または基質組織分布検定において有用である。トリチウム化、即ち3H、および炭素−14、即ち14C、同位体は、それらの調製の容易さおよび検出可能性のために特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えばジュウテリウム、即ち2Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えばin vivo半減期増大または投薬量要件低減に起因するある種の治療的利点をもたらし、それゆえ、いくつかの環境において選択され得る。本発明の式Iの同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般に、非同位体標識試薬の代わりに容易に利用可能な同位体標識試薬を置換することにより、スキームにおいて、および/または下記の実施例および調製物において開示された手法を実行することにより調製され得る。
【0068】
「アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、別記しない限り、直鎖、分枝鎖または環状部分またはそれらの組合せを有する飽和一価炭化水素を含む。「アルキル」基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3−エチルブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
「アルコキシ」という用語は、本明細書中で用いる場合、別記しない限り、「アルキル−O−」を意味し、この場合、「アルキル」は上記と同様である。「アルコキシ」基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
「治療する(treating)」という用語は、本明細書中で用いる場合、このような用語が当てはまる障害または症状の進行を防御し、逆転し、軽減し、抑制すること、あるいは障害または症状を防止すること、あるいはこのような症状または障害の1つまたは複数の症候を防止することを指す。「治療」という用語は、本明細書中で用いる場合、「治療する」が直前で定義されたような、治療するという行為を指す。
【0071】
アミノ酸は両性であるため、薬理学的に適合性の塩は、適切な無機または有機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、サリチル酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸およびアスコルビン酸の塩である。対応する水酸化物または炭酸塩から出発して、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムが生成される。第四級アンモニウムイオンを有する塩は、例えばテトラメチル−アンモニウムイオンを用いても調製され得る。
【0072】
経口投与薬剤の有効性は、粘膜上皮を横断する薬剤の効率的運搬ならびに腸−肝臓循環中のその安定性によっている。非経口投与後に有効であるが、しかし経口的には低有効性である、あるいはその血漿半減期が短すぎると考えられる薬剤は、プロドラッグ形態に化学修飾され得る。
【0073】
プロドラッグは、化学的に修飾された、そしてその作用部位で生物学的に不活性であり得るが、しかし1つまたは複数の酵素的またはその他のin vivoプロセスにより、親生物活性形態に分解されるかまたは修飾され得る薬剤である。
【0074】
この化学修飾薬剤またはプロドラッグは、親薬剤と異なる薬物動態プロフィールを有して、粘膜上皮を横断する吸収をより容易にし、塩生成および/または溶解性をより良好にし、全身性安定性改善(例えば血漿半減期増大のため)を可能にすべきである。これらの化学的修飾を以下に示す:
1)例えばエステラーゼまたはリパーゼにより切断され得るエステルまたはアミド誘導体。エステル誘導体に関しては、エステルは、既知の手段により薬剤分子のカルボン酸部分から誘導される。アミド誘導体に関しては、アミドは、既知の手段により薬剤分子のカルボン酸部分またはアミン部分から誘導され得る。
2)特異的または非特異的プロテイナーゼにより認識され得るペプチド。ペプチドは、既知の方法により、薬剤分子のアミンまたはカルボン酸部分とのアミド結合形成を介して薬剤分子に結合され得る。
3)プロドラッグ形態または修飾プロドラッグ形態の膜選択により作用部位で蓄積する誘導体。
4)1〜3の任意の組合せ。
【0075】
ある種の薬剤の経口吸収は「軟性」第四級塩の調製により増大され得る、ということを動物実験における最新の研究は示している。正規第四級塩、例えばR−N+(CH33と違って、加水分解時に活性薬剤を放出し得るため、第四級塩は、「軟性」第四級塩と呼ばれる。
【0076】
「軟性」第四級塩は、基礎薬剤またはその塩と比較して、有用な物理的特性を有する。水溶性は、他の塩、例えば塩酸塩と比較して増大され得るが、しかしさらに重要なのは、小腸からの薬剤の吸収増大が認められ得ることである。吸収増大は、おそらくは、「軟性」第四級塩が界面活性剤特性を有し、そして胆汁酸等とミセルおよび非イオン化イオン対を形成し得る(これが小腸上皮をより効率的に透過し得る)、という事実のためである。プロドラッグは、吸収後、迅速に加水分解されて、活性親薬剤を放出する。
【0077】
式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIVの化合物のプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。プロドラッグおよび軟性薬剤は、当該技術分野で既知である(Palomino E., Drugs of the Future, 1990; 15(4): 361-368)。最後の2つの引例は、参照により本明細書中で援用される。
本発明の化合物の中には、非溶媒和形態で、ならびに溶媒和形態で、例えば水和形態で存在し得るものもある。概して、溶媒和形態、例えば水和形態は、非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含されるよう意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
本発明の詳細な説明
本発明の化合物は、下記のように調製され得る。以下の反応スキームおよび考察において、構造式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIおよびIV、ならびにラジカルR1、R2、R3、R4、R5およびR6は、別記しない限り、上記と同様である。
【0079】
キラルおよびラセミβアミノ酸の調整に関しては、多様な方法が存在する。このような方法は、”Enantioselective Synthesis of β-Amino Acids”, Juaristi, Eusebio; Editor. USA, 1997, Wiley-VCH, New York, N.Y.に見出され得る。
下記の方法は、このような化合物の調製のために利用され得る方法を例示するものであり、範囲を限定してはいない。
【0080】
方法A
【化11】

Lazar, et al, Synth. Commun, 1998, 28(2), 219-224の手法に従って、式IAの化合物は、マロン酸および酢酸アンモニウムの存在下で、アルコール溶媒、例えばエタノール中の式1の化合物を加熱、還流することにより調製され得る。式1のアルデヒドは、当業者に周知の方法を用いて、市販物質から調製され得る。
【0081】
上記の方法により製造され得る化合物としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
3−アミノ−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
3−アミノ−6−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−6−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
3−アミノ−7−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
3−アミノ−7−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸。
【0082】
【化12】

【0083】
上記の方法Bに例示したように、βアミノ酸への合成アプローチとしてのα,β−不飽和系へのキラルアミン付加の使用は、従来記載されている(例えばS.G. Davies et al, J. Chem. Soc. Chem. Commun, 1153, 1993; S.G. Davies, Synlett, 1994, 117; Ishikawa et al, Synlett, 1998, 1291; Hawkins, J. Org. Chem., 1985, 51, 2820参照)。上記の方法Bを参照すると、式IAの化合物は、当業者に周知の条件を用いて、式7の対応する化合物から調製され得る(式中、PGは加水分解または水添分解により除去され得る適切なエステル保護基を表す)(適切な保護基の生成および除去に関する詳細な説明に関しては、T.W. Greene and P.G.M. Wuts., “Protective groups in organic synthesis”, Wiley, 1991参照)。例えばこの反応は、ほぼ室温から反応混合物のほぼ還流温度までの温度で、好ましくは還流温度で、適切な酸、例えば塩酸または硫酸を用いた処理により、あるいはほぼ室温からほぼ還流温度までの温度で、好ましくはほぼ室温で、適切な無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウムを用いた処理により、加水分解条件下で実行され得る。この反応は、好ましくは還流温度で塩酸を用いて実行される。しかしながらPGがt−ブチルである場合、反応は好ましくはトリフルオロ酢酸(TFA)中で実行される。PGが塩基性基である場合、加水分解は、当業者に周知の方法を用いて、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウムを用いて、塩基性条件下で実行され得る。
【0084】
式7の化合物は、当業者に周知の水添分解条件を用いて、式6の対応する化合物から調製され得る。例えばこの反応は、水素大気(約1〜5大気圧)下で、例えばメタノール、エタノールまたはテトラヒドロフランのような溶媒中のパラジウム金属触媒、例えば炭素上水酸化パラジウム、または炭素上パラジウムを用いて、あるいはラネーニッケルを用いて式6の化合物を処理して、式7の所望の化合物を生成することにより実行され得る。好ましくは反応は、水素の約1大気圧下で、エタノール中の炭素上パラジウムを用いて実行される。
【0085】
式6の化合物は、約−80℃〜約25℃の温度で、エチルエーテル、または好ましくはテトラヒドロフラン(THF)のような溶媒中の適切な塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミン、n−ブチルリチウム、あるいはリチウムまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドでの処理後、適切なアミン、例えば(R)−(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン、(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンを用いて式4の対応する化合物を処理し、次に式4の適切な化合物を付加することにより、調製され得る。アミンの窒素についての立体化学は、最終生成物の窒素についての立体化学を確定する。好ましくはこの反応は、Bull, Steven D.; Davies, Stephen G.;およびSmith, Andrew D., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2001, 22, 2931-2938により記載された方法に従って、約−78℃の温度で、テトラヒドロフラン中のn−ブチル−リチウムでの脱プロトン化後、(R)−(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン、(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンを用いて実行される。好ましくはこの反応は、Bull, Steven D.; Davies, Stephen G.;およびSmith, Andrew D., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2001, 22, 2931-2938により記載された方法に従って、約−78℃の温度で、テトラヒドロフラン中のn−ブチル−リチウムでの脱プロトン化後、(R)−(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンまたは(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンを用いて実行される。
【0086】
式4の化合物は、エーテルまたはTHFのような溶媒中で、適切な塩基、例えば水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミドまたはトリエチルアミンおよび塩化リチウムまたは臭化リチウムの存在下で、適切なリン酸エステルを用いてそれらを処理することにより、式3の対応する化合物から調製され得る。好ましくは式3の化合物は、ほぼ室温で、テトラヒドロフラン中の臭化リチウムおよびトリエチルアミンの存在下で、リン酸エステル(ALK=メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル等)と反応させられる。式3の化合物は、当業者に周知の方法を用いて、市販の物質から調製され得る。式3の化合物は1つまたは複数の立体中心を保有し得る、と理解される。上記の方法を用いて、特異的立体化学配置を有する化合物が調製され得る。
【0087】
この方法により製造され得る化合物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
(3S,5R)−3−アミノ−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−6−シクロプロピル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−6−シクロブチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−6−シクロペンチル−5−メチル−ヘキサン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−5−メチル−ヘキサン酸;
【0088】
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロプロピル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロブチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロペンチル−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−8−シクロヘキシル−5−メチル−オクタン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロブチル−5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−6−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘキサン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロブチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5,5−ジメチル−ヘプタン酸。
【0089】
【化13】

【0090】
キラルスクシネート類似体、例えば式11のものを得るための式10のもののようなイミドのジアステレオアルキル化は、β−アミノ酸を調製するための一アプローチとして従来記載されてきた(例えばEvans et al, J. Org. Chem., 1999, 64, 6411; Sibi and Deshpande, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1., 2000, 1461; Arvanitis et al, J. Chem. Soc. Perki Trans 1., 1998, 521参照)。
【0091】
構造式11の化合物は、例えばテトラヒドロフラン、エーテル等のような溶媒中の有機金属塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミド、あるいはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等とともに、適切に誘導されたエステル(上記のようなPG、LG=BrまたはIまたはCl)、例えばt−ブチルブロモアセテート、ベンジルブロモアセテートの存在下で、構造式10の化合物から調製され得る。反応は、マイナス78℃でのテトラヒドロフラン中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを用いて、そしてその結果生じた陰イオン中間体を−78℃〜−30℃で、t−ブチルブロモアセテートで処理することにより、実行され得る。
【0092】
式12の化合物は、約0℃〜ほぼ室温の温度で、水またはTHFのような溶媒中の水酸化リチウムおよび過酸化水素の存在下で、式11の対応する化合物を加水分解することにより調製され得る。好ましくはこの反応は、文献(Yuen-P-W., Kanter G.D., Taylor C.P., and Vartanian M.G., Bioorganic and Medicinal Chem. Lett., 1994; 4 (6): 823-826参照)に記載された方法に従って、約0℃で、水性テトラヒドロフラン中の過酸化水素および水酸化リチウムを用いて、実行され得る。
【0093】
約50℃から反応コンゴ物のほぼ還流温度までの温度で、適切な溶媒、例えばトルエン、ベンゼンまたはTHF中で、適切なアルコール、例えばt−ブタノール、ベンジルアルコールまたはp−メトキシベンジルアルコールの存在下での、ジフェニルホスホリルアジドによる式12の化合物の処理歯、式13(式中、R5はメチル、エチル、t−ブチル、ベンジルまたはp−メトキシベンジルである)の対応する化合物を生じる。R5は、用いられるアルコールの選択によっている。好ましくはこの反応は、還流条件下で、p−メトキシベンジルアルコールの存在下で、トルエン溶媒を用いて実行される。
【0094】
式13の化合物は、当業者に周知の条件を用いて、加水分解または水添分解により、式IAの所望の化合物に転化され得る(適切な保護基の生成および除去に関する詳細な説明に関しては、T.W. Greene and P.G.M. Wuts., “Protective groups in organic synthesis”, Wiley, 1991参照)。例えばこの反応は、ほぼ室温から反応混合物のほぼ還流温度までの温度で、好ましくは還流温度で、適切な酸、例えば塩酸または硫酸を用いた処理により、あるいはほぼ室温からほぼ還流温度までの温度で、好ましくはほぼ室温で、適切な無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウムを用いた処理により、加水分解条件下で実行され得る。この反応は、好ましくは還流温度で塩酸を用いて実行される。しかしながらPGがt−ブチルである場合、反応は好ましくはトリフルオロ酢酸(TFA)中で実行される。PGが塩基性基である場合、加水分解は、当業者に周知の方法を用いて、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウムを用いて、塩基性条件下で実行され得る。
【0095】
式10の化合物は、エーテル性溶媒、例えばTHF中で、トリメチルアセチルクロリドの存在下で、アミン塩基、例えばトリエチルアミンで式8の対応する化合物を処理し、次にこの反応により生成された中間体を[in situで]式9のキラルオキサゾリジノンで処理することにより、調製され得る。この方法に用いられ得るその他のオキサゾリドノンの例を以下に挙げる:(4S)−(−)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン;(S)−(−)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン;(4S,5R)−(−)−4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン;(R)−(+)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン;
(S)−(+)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン;(R)−(−)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン;(R)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン;および(4S,5R)−(+)−4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン;ならびに塩化リチウム。好ましくはこの反応は、文献手法(Ho G-J. and Mathre D.J., J. Org. Chem., 1995; 60: 2271-2273参照)に従って、約−20℃で、テトラヒドロフラン中で、トリメチルアセチルクロリドおよびトリエチルアミンで式8の酸を処理し、その後、このような反応で生成された中間体を、ほぼ室温で式9のオキサゾリジノンおよび塩化リチウムを用いて処理することにより、実行される。
【0096】
あるいは式10の化合物は、ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下で、ジクロロメタンのような溶媒中で、オキサリルクロリドでの式8の対応する化合物の処理から得られる酸塩化物で式9の対応する化合物を処理することにより調製され得る。式8の酸は、当業者に周知の方法を用いて、市販物質から調製され得る。これらの酸は、1つまたは複数のキラル中心を保有し得る。このような酸の合成における臭化シトロレニルおよびシトロネロールの使用は、本出願の実施例1、2および3に記載されている。
【0097】
上記の方法Cにより調製され得る化合物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−デカン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−デカン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−ノナン酸;
(3S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−デカン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5R)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロプロピル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロブチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロペンチル−5−メチル−ヘプタン酸;
(3S,5S)−3−アミノ−7−シクロヘキシル−5−メチル−ヘプタン酸。
【0098】
あるいは、以下の反応スキーム(方法D)を参照すると、式11の化合物は、適切な酸(例えばt−ブチルエステルが用いられる場合は、トリフルオロ酢酸(TFA))で処理されて、式14の対応する化合物を生じ、これは次に、クルチウス転位(この場合、R5は上記と同様である)に付されて、式15の対応する化合物を生じる(このアプローチの説明に関しては、Arvanitis et al, J. Chem. Soc. Perkin Trans 1., 1998, 521参照)。イミド基(式16の対応する化合物を生成するため)およびカルバメート基のさらなる加水分解は、式IIの所望のβアミノ酸を生じる。
【0099】
化合物16は、式12の化合物への式11の化合物の転化に関して上記されたのと同様に、化合物15から得られる。式17の化合物は、水素大気下で、エタノールまたはTHF中の炭素上パラジウムを用いて、強酸、例えば塩酸等、または強塩基、例えば水酸化ナトリウムまたはカリウムを用いた処理により、あるいはR5がベンジルまたはp−メトキシベンジルである場合には、水添分解条件により、式16の対応する化合物から調製され得る。式IIの生成物中にも存在する式11の化合物中のキラル中心についての立体化学を保存するこのアプローチは、本出願の実施例4に記載される。
【0100】
【化14】

【0101】
この方法により製造され得る化合物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ノナン酸;
(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−デカン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−オクタン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−ノナン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−4−メチル−デカン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロプロピル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロブチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロペンチル−4−メチル−ヘキサン酸;
(2R,4S)−2−アミノメチル−6−シクロヘキシル−4−メチル−ヘキサン酸。
【0102】
本発明の化合物を調製するために利用され得るα−置換βアミノ酸を合成するその他の代替的アプローチとしては、以下の方法Eに示されるようなJuaristi et al Tetrahedron Asymm., 7, (8), 1996, 2233およびSeebach et al, Eur. J. Org. Chem., 1999, 335により、あるいはArvanitis et al, J. Chem. Soc. Perkin Trans 1., 1998, 521により記載されたものが挙げられる。
【0103】
【化15】

【0104】
下記の方法Fは、式IIの化合物を調製する代替的方法を例示する。
【化16】

【0105】
ホフマン・ラ・ロッシュにより開示された方法(FR 1377736 19641106)に従って、式3の化合物は、還元および加水分解により、式2の不飽和シアノエステルから調製され得る。次に、シアノエステル2は、アルデヒド1とシアノ酢酸エステルとのKnoevenagel縮合により調製され得る(例えばPaine, J.B.; Woodward, R.B.; Dolphin, D., J. Org. Chem. 1976, 41, 2826)。式1のアルデヒドは、当業者に既知の方法により、市販物質から調製され得る。
【0106】
式IIIおよびIVの化合物は、当業者には明らかである方法Fのものと類似の手法を用いて調製され得る。式IIIの化合物を合成する場合、出発物質は方法Mにおける式1と類似の化合物であるべきであるが、しかしこの場合、式1中のカルボニル基に結合される水素はメチル基により置き換えられる。
【0107】
下記の方法Gに例示されるような、βアミノ酸を得るためのキラルイミンの使用は、以前に記載されている(例えばTang, T.P.; Ellman, J.A. J. Org. Chem. 1999, 64, 12-13参照)。
【化17】

【0108】
上記のスキームの最終段階は、スルホンアミドおよびエステル基の両方の加水分解である。この反応は一般に、約20℃〜約50℃の温度で、水またはジオキサン、あるいは水およびジオキサンの混合物のような溶媒中で、強酸、例えば塩酸、臭化水素酸または硫酸を用いて実行される。
【0109】
前述の実験の節で特定的に記載されていない本発明の化合物の調製は、当業者に明らかである上記の反応の組合せを用いて成し遂げられ得る。
上で考察されるかまたは例示された反応の各々において、圧力は、別記しない限り重要ではない。約0.5大気圧〜約5大気圧の圧力が一般的に許容可能であり、そして周囲圧、即ち約1大気圧が、便宜上選択される。
【0110】
上記反応スキーム中に示された式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、および中間体は、慣用的手法により、例えば再結晶化またはクロマトグラフィー的分離により、単離され、精製され得る。
カルシウムチャンネルのα2δ−サブユニットと結合する本発明の化合物の能力は、以下の結合検定を用いて確定され得る。
【0111】
3H]−ガバペンチンおよびブタ脳組織由来のα2δ−サブユニットを用いる放射性リガンド結合検定が用いられた(Gee, Nicolas S et al. “The novel anticonvulsant drug, gabapentin (Neurontin), binds to the α2δ subunit of a calcium channel”. J. Biol. Chem. (1996), 271(10), 5768-76参照)。本発明の化合物は、α2δタンパク質に対するナノモル〜マイクロモル親和性を有して、結合する。例えばR−3−アミノ−5,9−ジメチル−デカン酸は、527 nMの親和性でα2δタンパク質と結合し、(3S,5S)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸は1 uMの親和性で結合し、(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチルヘプタン酸は29 nMの親和性で結合し、2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸は83 nMの親和性で結合する。
【0112】
本発明の化合物のin vivo活性は、動物モデルにおいて確定され得る(例えばSluka, K., et al., “Unilateral Intramuscular Injections Of Acidic Saline Produce A Bilateral, Long-Lasting Hyperalgesia,” Muscle Nerve 24: 37-46 (2001); Dixon, W., “Efficient analysis of experimental observations,” Ann Rev Pharmacol Toxicol 20: 441-462, (1980); Randall L.O. and Selitto J.J., “A Method For Measurement Of Analgesic Activity On Inflamed Tissue,” Arch. Int. Pharmacodyn,; 4: 409-419, (1957); Hargreaves K., Dubner R., Brown F., Flores C., and Joris J. “A New And Sensitive Method For Measuring Thermal Nociception In Cutaneous Hyperalgesia,” Pain. 32: 77-88 (1988)(hyperalgesia)参照)。Vogel JR, Beer B, and Clody DE, “A Simple And Reliable Conflict Procedure For Testing Anti-Anxiety Agents,” Psychopharmacologia 21: 1-7 (1971)(anxiety)も参照されたい。
【0113】
本発明の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩は、経口、非経口(例えば皮下、静脈内、筋肉内、胸腔内および注入技法)、直腸、頬または鼻内経路により、哺乳類に投与され得る。
【0114】
本発明の新規の化合物は、前に示した経路のいずれかにより、単独で、あるいは製薬上許容可能な担体または希釈剤と組合せて、投与され、そしてこのような投与は、1回または多数回投与で実行され得る。特に本発明の新規の治療薬は、広範な種々の異なる剤形で投与され、即ちそれらは、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、硬質キャンディ、座薬、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏、水性懸濁液、注射溶液、エリキシル、シロップ等の形態で、種々の製薬上許容可能な不活性担体と組合せられ得る。このような担体としては、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒質および種々の非毒性有機溶媒等が挙げられる。さらに、経口製剤組成物は、適切に甘味付けされおよび/または風味付けされ得る。概して、本発明の新規の化合物の重量比は、約1:6〜約2:1、好ましくは約1:4〜約1:1の範囲である。
【0115】
経口投与に関しては、種々の賦形剤、例えば微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンを含有する錠剤が、種々の崩壊剤、例えばデンプン(好ましくはコーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン)、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩を伴って、粒状結合剤、例えばポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムと一緒に用いられ得る。さらに滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクはしばしば、錠剤成形目的のために非常に有用である。同様の種類の固体組成物は、ゼラチンカプセル中の充填剤としても用いられ得る。この文脈での好ましい物質としては、ラクトース、乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールも挙げられる。水性懸濁液および/またはエリキシルが経口投与のために望ましい場合、活性成分は、種々の甘味剤または風味剤、着色物質または染料、およびそのように所望される場合、乳化剤および/または沈殿防止剤も同様に、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびその種々の同様の組合せといった希釈剤と一緒に組合され得る。
【0116】
非経口投与に関しては、ゴマ油または落花生油中の、あるいは水性プロピレングリコール中の本発明の化合物の溶液が用いられ得る。水性溶液は、必要な場合、適切に緩衝(好ましくはpH8より高く)され、そして液体希釈剤が先ず等張にされるべきである。これらの水性溶液は、静脈内注射目的に適している。油性溶液は、関節内、筋肉内および皮下注射目的に適している。滅菌条件下での全てのこれらの溶液の調製は、当業者に周知の標準製剤技法により容易に成し遂げられる。
【0117】
鼻内投与又は吸入による投与に関しては、本発明の新規の化合物は、患者により搾り出されるかまたはポンプで押出されるポンプ噴霧容器から溶液または懸濁液の形態で、あるいは適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切なガスの使用を伴って加圧容器またはネブライザーからのエーロゾル噴霧体裁として送達されるのが便利である。加圧エーロゾルの場合、投薬量単位は、計測量を送達するための弁を提供することにより確定され得る。加圧容器またはネブライザーは、有効化合物の溶液または懸濁液を含入し得る。吸入器または散布器に用いるためのカプセルおよびカートリッジ(例えばゼラチン製)は、本発明の化合物および適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末ミックスを含有して処方され得る。平均的成人における上記のような症状の治療のための本発明の有効化合物の処方物は、好ましくは各計測用量またはエーロゾルの「パフ」が20 μg〜1000 μgの有効化合物を含有するよう、整えられる。エーロゾルによる全体的1日用量は、100 μg〜10 mgの範囲内である。投与は、1日数回、例えば2、3、4または8回であり、例えば毎回1、2または3用量を投与する。
【0118】
本発明の化合物は、広範な種々の経口および非経口剤形で調製され、投与され得る。したがって本発明の化合物は、注射により、即ち静脈内に、筋肉内に、皮内に、皮下に、十二指腸内にまたは腹腔内に投与され得る。さらにまた本発明の化合物は、吸入により、例えば鼻内に投与され得る。さらに本発明の化合物は、経皮的に投与され得る。以下の剤形が有効構成成分として、式I、IA、IA−1、IA−2、IB、IC、II、IIA、IIIまたはIVの化合物、あるいはこのような化合物の対応する製薬上許容可能な塩を含み得る、ということは当業者に明らかである。
【0119】
本発明の化合物からの製剤組成物に関しては、製薬上許容可能な担体は、固体または液体であり得る。固体形態調製物としては、粉末、錠剤、ピル、カプセル、カシェー剤、座薬および分散顆粒が挙げられる。固体担体は、希釈剤、風味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤または封入材料としても作用し得る1つまたは複数の物質であり得る。粉末では、担体は、微粉砕有効構成成分とともに混合物中に存在する微粉砕固体である。錠剤では、有効構成成分は、適切な割合で必要な結合特性を有する担体と混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
【0120】
粉末および錠剤は、好ましくは5または10〜約70%の有効化合物を含有する。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点蝋、ココアバター等である。「調製物」という用語は、他の担体を伴うまたは伴わない有効構成成分が、一担体に取り囲まれ、したがってそれと関連して存在するカプセルを提供する一担体としての封入材料を伴う有効化合物の処方物を含むよう意図される。同様に、カシェー剤およびロゼンジが包含される。錠剤、粉末、カプセル、ピル、カシェー剤およびロゼンジは、経口投与に適した固体剤形として用いられ得る。
【0121】
座薬の調製に関しては、低融点蝋、例えば脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物が先ず融解され、そして撹拌されると、有効構成成分がその中で均質に分散される。溶融均質混合物は次に、便利なサイズの金型中に注入され、冷却されて、それにより固化される。
【0122】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液および乳濁液、例えば水、プロピレングリコール水溶液が挙げられる。非経口注射に関しては、液体調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液で処方され得る。経口使用に適した水性溶液は、水中に有効構成成分を溶解し、そして所望により、適切な着色剤、風味剤、安定剤および増粘剤を付加することにより調製され得る。経口使用に適した水性懸濁液は、粘性物質、例えば天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびその他の周知の沈殿防止剤とともに、水中に微粉砕有効構成成分を分散することにより作製され得る。
【0123】
経口投与のための液体調製物に、使用直前に、転化されるよう意図された固体形態調製物も含まれる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。これらの調製物は、有効構成成分のほかに、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工および合成甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有し得る。
【0124】
製剤調製物は、好ましくは単位剤形である。このような形態では、調製物は、適量の有効成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装調製物であり、包装は、離散量の調製物、例えばパック入り錠剤、カプセルおよびバイアルまたはアンプル中の粉末を含有する。さらにまた、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェー剤またはロゼンジそれ自体であり得るし、あるいはそれは包装形態中の適正数のこれらのいずれかであり得る。
【0125】
単位用量調製物中の有効構成成分の量は、特定の用途および有効構成成分の効力によって、0.01 mgから1 gまで変更され、または調整され得る。医療用途では、薬剤は、例えば100または300 mgのカプセルとして、1日3回投与され得る。組成物は、所望により、他の相溶性治療薬も含有し得る。
【0126】
治療用途では、本発明の製薬方法に利用される化合物は、1日約0.1 gm〜約1 gの初期投薬量で投与される。しかしながら投薬量は、患者の要件、治療されている症状の重症度、ならびに用いられている化合物によって変更され得る。特定の状況のための適正投薬量の確定は、当該技術分野の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適用量未満であるより少ない投薬量で開始される。その後、当該環境下での最適作用が達成されるまで、投薬量は小増分で増大される。便宜上、総1日投薬量は、所望により、1日の間で分割され、投与され得る。
【0127】
以下の実施例は、本発明の化合物の調製を例示する。それらは範囲の限定であることを意味しない。融点は補正されない。NMRデータは、百万分の一部で報告され、そして試料溶媒からの重水素ロック信号と参照される。
【実施例】
【0128】
実施例
実施例1. 塩酸(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸
(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エン. THF(800 mL)中の臭化(S)−シトロネリル(50 g, 0.228 mol)に、0℃で、LiCl(4.3 g)を、その後CuCl2(6.8 g)を付加した。30分後、塩化メチルマグネシウム(THF中の3 M溶液152 mL、Aldrich)を付加し、溶液を室温に温めた。10時間後、溶液を0℃に冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液を注意深く付加した。その結果生じた2つの層を分離し、水性相をエーテルで抽出した。併合有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮して、(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エンを得た(32 g, 93%)。さらに精製せずに用いた。
【化18】

【0129】
(R)−4−メチル−ヘプタン酸. アセトン(433 mL)中の(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エン(20 g, 0.13 mol)に、H2SO4(33 mL)/H2O(146 mL)中のCrO3(39 g, 0.39 mol)の溶液を50分に亘って付加した。6時間後、H2SO4(22 mL)/H2O(100 mL)中のさらなる量のCrO3(26 g, 0.26 mol)を付加した。12時間後、溶液をブラインで洗浄し、そして溶液をエーテルで抽出した。併合有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(6:1〜2:1ヘキサン/EtOAcの勾配)により、(R)−4−メチル−ヘプタン酸を油として得た(12.1 g, 65%)。MS、m/z(相対強度):143[M−H、100%];
【化19】

【0130】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン. THF(500 mL)中の(R)−4−メチル−ヘプタン酸(19 g, 0.132 mol)およびトリエチルアミン(49.9 g, 0.494 mol)に、0℃で、塩化トリメチルアセチル(20 g, 0.17 mol)を付加した。1時間後、LiCl(7.1 g, 0.17 mol)を、その後、(4R,5S)−(+)−4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン(30 g, 0.17 mol)を付加した。混合物を室温に温め、16時間後、濾液を濾過により除去し、溶液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(7:1ヘキサン/EtOAc)により、(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オンを油として得た(31.5 g, 79%)。[α]D=+5.5(CHCl3中c1)。MS、m/z(相対強度):304[M+H、100%];
【化20】

【0131】
(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル. THF(200 mL)中の(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(12.1 g, 0.04 mol)に、−50℃で、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム(THF中の1 M溶液48 mL)を付加した。30分後、t−ブチルブロモアセテート(15.6 g, 0.08 mol)を付加した。溶液を−50℃で4時間撹拌し、次に室温に温めた。16時間後、塩化アンモニウムの飽和水溶液を付加し、2つの相を分離させた。水性相をエーテルで抽出し、併合有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(9:1ヘキサン/EtOAc)により、(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た(12 g, 72%)。[α]D=+30.2(CHCl3中c1)。
【化21】

【0132】
(S)−2−((R)−2−メチル−フェニル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル.2O(73 mL)およびTHF(244 mL)中の(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル(10.8 g, 0.025 mol)に、0℃で、LiOH(0.8 M溶液51.2 mL)およびH22(30%溶液14.6 mL)の予備混合溶液を付加した。4時間後、さらなる12.8 mLのLiOH(0.8 M溶液)および3.65 mLのH22(30%溶液)を付加した。30分後、亜硫酸水素ナトリウム(7 g)、亜硫酸ナトリウム(13 g)および水(60 mL)を付加し、その後、ヘキサン(100 mL)およびエーテル(100 mL)を付加した。2つの層を分離させて、水性層をエーテルで抽出した。併合有機相を濃縮して油とし、これをヘプタン(300 mL)中に溶解した。その結果生じた固体を濾し取り、濾液を乾燥(MgSO4)し、濃縮して、(S)−2−((R)−2−メチル−フェニル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル(6 g, 93%)を得て、これをさらに精製せずに直ちに用いた。MS、m/z(相対強度):257[M+H、100%]。
【0133】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステル. トルエン(200 mL)中の(S)−2−((R)−2−メチル−フェニル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル(6.0 g, 23.22 mmol)およびトリエチルアミン(3.64 mL, 26.19 mmol)の溶液を、アジ化ジフェニルホスホリル(5.0 mL, 23.22 mmol)で処理し、室温で0.5時間撹拌した。次に反応混合物を還流温度で3時間加熱し、短時間冷却後、ベンジルアルコールを付加し(7.2 mL, 69.7 mmol)、溶液をさらに3時間加熱した。反応混合物を冷却させた後、それをエチルエーテル(200 mL)で希釈し、併合有機相を飽和NaHCO3およびブラインで引き続いて洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。濃縮有機構成成分をクロマトグラフィー(MPLC)により精製し、8:1ヘキサン:酢酸エチルで溶離して、(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステルを得た(6.4 g, 75.8%)。MS:M+1:364.2, 308.2。
【化22】

【0134】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステル. THF(50 mL)中の(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステル(2.14 g, 5.88 mmol)の溶液を、Pd/C(0.2 g)および50 psiのH2で2時間処理した。次に反応混合物を濾過し、濃縮して真空で油とし、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステルを定量的収率で得た。MS:M+1:230.2, 174.1。
【化23】

【0135】
塩酸(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸. 6 NHCl(100 mL)中の(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸tert−ブチルエステル(2.59 g, 11.3 mmol)のスラリーを、還流下で18時間加熱し、冷却して、セライト上で濾過した。濾液を真空濃縮して、25 mLとし、その結果生じた結晶を収集し、乾燥して、塩酸(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、融点142.5〜142.7℃を得た(1.2 g, 50.56%)。濾液から、二次収穫量(0.91 g)を得た。C919NO2・HClに関する分析計算値:C:51.55、H:9.61、N:6.68、Cl:16.91。実測値:C:51.69、H:9.72、N:6.56、Cl:16.63。MS:M+1:174.1。
【化24】

【0136】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸塩酸塩. 30 mLのメチルtert−ブチルエーテル中に含入された5.3 gの2S−(2R−メチル−ペンチル)−コハク酸−4−tert−ブチルエステルを、室温で3.5 mLのトリエチルアミンと、その後6.4 gのアジ化ジフェニルホスホリルと反応させる。反応させて、発熱させて、45℃として、少なくとも4時間撹拌後、反応混合物を室温に冷却させて、放置すると、この間に相が分離した。下部層を廃棄し、上部層を水で、その後希塩酸溶液で洗浄する。次に上部層を10 mLの6 NHCl水溶液と併合し、45〜65℃で撹拌する。反応混合物を真空蒸留により約10〜14 mLに濃縮し、そして約5℃に冷却しながら結晶化させる。濾過により生成物を収集後、生成物をトルエンで洗浄して、トルエン中で再スラリー化する。生成物を真空下での加熱により乾燥して、2.9 g(67%)の白色結晶生成物を得る。生成物をHCl水溶液から再結晶化し得る。融点137℃。
【化25】

【0137】
実施例2. (3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸
メタンスルホン酸(S)−3,7−ジメチル−オクト−6−エニルエステル. CH2Cl2(800 mL)中のS−(−)−シトロネロール(42.8 g, 0.274 mol)およびトリエチルアミン(91 mL, 0.657 mol)に、0℃で、CH2Cl2(200 mL)中の塩化メタンスルホニル(26 mL, 0.329 mol)を付加した。0℃で2時間後、溶液を1 NHClで、次にブラインで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮して、表題化合物を油として得て(60.5 g, 94%)、これをさらに精製せずに用いた。MS、m/z(相対強度):139[100%], 143[100%]。
【化26】

【0138】
(R)−2,6−ジメチル−オクト−2−エン. THF(1 L)中のメタンスルホン酸(S)−3,7−ジメチル−オクト−6−エニルエステル(60 g, 0.256 mol)に、水素化リチウムアルミニウム(3.8 g, 0.128 mol)を付加した。7時間後、さらに3.8 gの水素化リチウムアルミニウムを付加して、溶液を室温に温めた。18時間後、さらに3.8 gの水素化リチウムアルミニウムを付加した。さらに21時間後、1 Nクエン酸を用いて反応を注意深くクエンチし、溶液をさらにブラインで希釈した。その結果生じた2つの相を分離させて、有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮して、表題化合物を油として得て、これをさらに精製せずに用いた。MS、m/z(相対強度):139[100%]。
【0139】
(R)−4−メチル−ヘキサン酸. (R)−4−メチル−ヘプタン酸の合成と同様の手法を用いて、当該酸を油として得た(9.3 g, 56%)。IR(フィルム)2963, 2931, 2877, 2675, 1107, 1461, 1414 cm-1;MS、m/z(相対強度):129[M−H、100%];
【化27】

【0140】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘキサノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン. (4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オンの合成と同様の手法を用いて、表題化合物を油として得た(35.7 g, 95%)。MS、m/z(相対強度):290[M+H、100%];
【化28】

【0141】
(3S,5R)−5−メチル−3−[1−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−メタノイル]−ヘプタン酸tert−ブチルエステル. (3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステルの調製と類似の手法に従って、表題化合物を油として得た(7.48 g; 31%)。IR(フィルム)2967, 2934, 1770, 1716, 1696, 1344, 1148, 1121, 1068, 1037, 947 cm-1;MS、m/z(相対強度):178[100%], 169[100%];[α]D=+21.6(CHCl3中c1)。
【0142】
(S)−2−((R)−2−メチル−ブチル)−コハク酸 4−tert−ブチルエステル.2O(53 mL)およびTHF(176 mL)中の(3S,5R)−5−メチル−3−[1−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−メタノイル]−ヘプタン酸tert−ブチルエステル(7.26 g, 0.018 mol)に、0℃で、LiOH(0.8 M溶液37 mL)およびH22(30%溶液10.57 mL)の予備混合溶液を付加し、溶液を室温に温めた。2時間後、亜硫酸水素ナトリウム(7 g)、亜硫酸ナトリウム(13 g)および水(60 mL)を付加し、2つの相を分離させて、水性層をエーテルで抽出した。併合有機相を濃縮して油とし、これをヘプタン(200 mL)中に溶解した。その結果生じた固体を濾し取り、濾液を乾燥(MgSO4)し、濃縮して、表題化合物を油として得て(4.4 g)、これをさらに精製せずに用いた。MS、m/z(相対強度):243[100%];
【化29】

【0143】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸 tert−ブチルエステル. (S)−2−((R)−2−メチル−ブチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステルで出発して、上記と同様に本化合物を調製して、(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸 tert−ブチルエステルを油として得た(収率73.3%)。
【化30】

【0144】
(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸 tert−ブチルエステル. (3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸 tert−ブチルエステルの代わりに(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸で出発して、上記と同様に本化合物を調製して、表題化合物を得た。
【化31】

【0145】
塩酸(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸. 3 NHCl(100 mL)中の(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸tert−ブチルエステル(1.44 g, 6.69 mmol)のスラリーを、還流下で3時間加熱し、冷却して、セライト上で熱濾過し、濃縮、乾燥した。その結果生じた固体をエチルエーテル中で粉砕して、塩酸(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸(0.95 g, 85%)を得た。融点126.3〜128.3℃。
【化32】

817NO2・HClに関する分析計算値:C:48.65、H:9.29、N:7.09、Cl:17.95。実測値:C:48.61、H:9.10、N:7.27、Cl:17.87。MS:M+1:160.2。
【0146】
実施例3. (3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸
(R)−4−メチル−オクタン酸. 塩化リチウム(0.39 g, 9.12 mmol)および塩化銅(I)(0.61 g, 4.56 mmol)を、周囲温度でTHF45 mL中に併合し、15分間撹拌後、0℃に冷却し、この時点で、臭化エチルマグネシウム(THF中1 M溶液、45 mL, 45 mmol)を付加した。臭化(S)−シトロネリル(5.0 g, 22.8 mmol)を滴下し、溶液を一晩撹拌しながら徐々に室温に温めた。飽和NH4Cl水溶液を注意深く付加することにより反応をクエンチし、Et2Oおよび飽和NH4Cl水溶液とともに30分間撹拌した。相を分離させて、有機相を乾燥し(MgSO4)、濃縮した。さらに精製せずに粗製(R)−2,6−ジメチル−デク−2−エンを用いた。アセトン50 mL中の(R)−2,6−ジメチル−デク−2−エン(3.8 g, 22.8 mmol)の溶液に、ジョーンズ試薬(H2SO4水溶液中2.7 M、40 mL, 108 mmol)を付加し、一晩撹拌しながら溶液を徐々に室温に温めた。混合物をEt2OおよびH2O間に分配し、相を分離させて、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(8:1ヘキサン:EtOAc)により精製して、表題化合物2.14 g(59%)を無色油として得た:LRMS:m/z156.9(M+);
【化33】

CrO3 26.7 g、H2SO4 23 mLを併合し、H2Oで希釈して100 mLとすることにより、ジョーンズ試薬を調製した。
【0147】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−オクタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン. CH2Cl2(25 mL)中の(R)−4−メチル−オクタン酸(2.14 g, 13.5 mmol)に、0℃で、3滴のDMFを付加し、その後、塩化オキサリル(1.42 mL,16.2 mmol)を付加して、激しい気体発生を生じた。溶液を直ちに周囲温度に温めて、30分間撹拌し、濃縮した。その間に、THF40 mL中のオキサゾリジノン(2.64 g, 14.9 mmol)の溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6 M溶液、9.3 mL, 14.9 mmol)を滴下した。混合物を10分間撹拌し、この時点で、THF10 mL中の当該酸を滴下した。反応物を−78℃で30分間撹拌し、次に直ちに周囲温度に暖めて、飽和NH4Clでクエンチした。混合物をEt2Oおよび飽和NH4Cl水溶液間に分配し、相を分離させて、有機相を乾燥し(MgSO4)、濃縮して、3.2 gの表題化合物を無色油として得た。LRMS:m/z318.2(M+);
【化34】

粗生成物をさらに精製せずに用いた。
【0148】
(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノナン酸tert−ブチルエステル. THF30 mL中のジイソプロピルピルアミン(1.8 mL, 12.6 mmol)の溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6 M溶液、7.6 mL, 12.1 mmol)を付加し、混合物を10分間撹拌し、この時点で、THF10 mL中の(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−オクタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(3.2 g, 10.1 mmol)を滴下した。溶液を30分間撹拌し、t−ブチルブロモアセテート(1.8 mL,12.1 mmol)を−50℃で迅速に滴下し、混合物を3時間掛けて徐々に10℃に温めた。混合物をEt2Oおよび飽和NH4Cl水溶液間に分配し、相を分離させ、有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(16:1〜8:1ヘキサン:EtOAc)により精製して、表題化合物2.65 g(61%)を無色結晶固体として得た。融点=84〜86℃。[α]D23+17.1(CHCl3中c=1.00):
【化35】

2537NO5に関する分析計算値:C:69.58、H:8.64、N:3.25。実測値:C:69.37、H:8.68、N:3.05。
【0149】
(S)−2−((R)−2−メチル−ヘキシル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル. THF20 mL中の(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノナン酸tert−ブチルエステル(2.65 g, 6.14 mmol)の溶液に、0℃で、H2O10 mL中のLiOH一水和物(1.0 g, 23.8 mmol)および過酸化水素(30重量%水溶液5.0 mL)の予備冷却(0℃)溶液を付加した。混合物を90分間激しく撹拌した後、周囲温度に暖めて、90分間撹拌した。10%NaHSO3(水溶液)の付加により反応をクエンチし、次にEt2Oで抽出した。相を分離させて、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濃縮した。表題化合物を精製せずに用いた。
【0150】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ノナン酸 tert−ブチルエステル. (S)−2−((R)−2−メチルフェニル)−コハク酸 4−tert−ブチルエステルの代わりに(S)−2−((R)−2−メチルヘキシル)−コハク酸 4−tert−ブチルエステルで出発して、上記と同様に、本化合物を調製して、表題化合物を油として得た(収率71.6%)。
【化36】

【0151】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸 tert−ブチルエステル. (3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸 tert−ブチルエステルの代わりに(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ノナン酸 tert−ブチルエステルで出発して、上記のようにこの化合物を調製した。収率=97%。
【化37】

【0152】
塩酸(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸. 3 NHCl(100 mL)中の(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸 tert−ブチルエステル(1.50 g, 6.16 mmol)の混合物を、還流下で3時間加熱し、セライト上で熱濾過して、30 mLに真空濃縮した。その結果生じた結晶を収集し、さらなる3 NHClで洗浄し、乾燥して、表題化合物を得た(融点142.5〜143.3℃)。濾液からさらなる収穫量1.03 g(70.4%)を得た。
【化38】

1021NO2・HClに関する分析計算値:C:53.68、H:9.91、N:6.26、Cl:15.85。実測値:C:53.89、H:10.11、N:6.13。MS:M+1:188.1。
【0153】
実施例4. (2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸
5R−メチル−3R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)オクタン酸. ジクロロメタン(150 mL)中の(3R,5R)−5−メチル−3−((4S,5R)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸 tert−ブチルエステル(3.9 g, 9.34 mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(7.21 mL, 93.4 mL)で処理し、周囲温度で18時間撹拌した。溶媒および試薬を真空除去後、その結果生じた残渣を100 mLのヘキサン中で粉砕して、表題化合物3.38 gを得た(100%)。融点142〜143℃。MS M+1=362.1。
【化39】

【0154】
[4R−メチル−2R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)ヘプチル]カルバミン酸ベンジルエステル. 5R−メチル−3R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)オクタン酸(1.98 g, 5.48 mmol)およびトリエチルアミン(0.92 mL, 6.57 mmol)の溶液を、ジフェニルホスホリルアジド(1.2 mL, 5.48 mmol)で処理し、周囲温度で30分間撹拌した後、3時間還流下で加熱した。短時間冷却後、反応混合物をベンジルアルコール(2.8 mL, 27.4 mmol)で処理し、還流下でさらに3時間加熱した。反応混合物を冷却し、エチルエーテル(150 mL)で希釈して、飽和NaHCO3およびブラインで続けて洗浄し、乾燥(MgSO4)して、真空濃縮して、油とした。クロマトグラフィー(MPLC、4:1ヘキサン:酢酸エチルで溶離)により、表題化合物を油として得た(2.0 g, 78.3%)。MS M+1=467.1。
【化40】

【0155】
2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチルヘプタン酸. 3:1THF:水(100 mL)中の[4R−メチル−2R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)ヘプチル]カルバミン酸ベンジルエステル(4.12 g, 8.83 mmol)の溶液を0℃に冷却し、そして0.8 NLiOH(17.5 mL, 14 mmol)および30%H22(4.94 mL, 44 mmol)の混合物で処理した。反応混合物を冷所で3時間撹拌した後、それを,水(30 mL)中のNaHSO3(2.37 g)およびNa2SO3(4.53 g)のスラリーでクエンチし、1時間撹拌した。反応混合物をエチルエーテル(200 mL)で希釈し、分配して、有機層をブラインで洗浄して、乾燥(MgSO4)した。濃縮有機抽出物をクロマトグラフィー処理(MPLC)し、酢酸エチルで溶離して、1.25 gの2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチルヘプタン酸を得た(46%)。MS M+1=308.1。
【化41】

【0156】
塩酸(2R,4R)−2−アミノ−4−メチル−ヘプタン酸. メタノール(50 mL)中の2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチルヘプタン酸(1.25 g, 4.07 mmol)およびPd/C(20%, 0.11 g)の混合物を、50 psiで18時間水素添加した。触媒を濾過により除去した後、溶媒を真空除去し、その結果生じた固体をエーテル中で粉砕して、塩酸(2S,4R)−2−アミノ−4−メチル−ヘプタン酸(0.28 g, 40%)を得た。融点226.3〜228.0℃。MS M+1=174.0。
【化42】

919NO2・0.1 H2Oに関する分析計算値:C:61.75、H:11.06、N:8.00。実測値:C:61.85、H:10.83、N:8.01。
【0157】
実施例5. 塩酸2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸
2−シアノ4,4−ジメチル−ヘプタ−2,6−ジエノン酸エチルエステル. トルエン170 mL中の2,2−ジメチル−ペント−4−エナル(5.0 g, 44 mmol)、シアノ酢酸エチルエステル(5.12 mL, 48 mmol)、ピペリジン(1.3 mL, 14 mmol)および酢酸(4.52 mL, 80 mmol)の溶液を、ディーン・スターク分離器を装備したフラスコ中で、還流下で18時間加熱した。数mLの水をトラップに収集した。反応物を冷却し、1 NHCl、NaHCO3およびブラインで引き続いて洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥して、濃縮し、油とした。この油をクロマトグラフィー処理し、ヘキサン中の20%EtOAcで溶離して、総量8.3 g(91%)の2つのものの組合せを得た。
【化43】

【0158】
塩酸2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸. 2−シアノ4,4−ジメチル−ヘプタ−2,6−ジエノン酸エチルエステル(5.88 g, 28 mmol)を、エタノール91 mLおよびHCl 6 mLの混合物中に溶解し、0.4 gのPtO2で処理した。反応を、室温で15時間、水素圧100 psi下で実行した。触媒を濾過し、濾液を濃縮して、3.8 gの所望の生成物2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸エチルエステルを油として得た。MS(APCI):216.2(M+1)+。この油を75 mLの6 NHCl中で18時間還流した。反応物を冷却する間に、沈殿が生じた。固体を濾過し、さらなるHCl溶液で洗浄し、エーテルで粉砕して、清浄表題化合物を得た。MS(APCI):188.1(M+1)+、186.1(M−1)+
【化44】

1021NO2・HClに関する分析計算値:C:53.68、H:9.91、N:6.26、Cl:15.85。実測値:C:53.83、H:10.15、N:6.22、Cl:15.40。MP:229.5〜231.0℃。
【0159】
実施例6. (S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸
3−(4,4−ジメチル−ヘプタノイル)−(R)−4−メチル−(S)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン. THF50 mL中の4,4−ジメチル−ヘプタン酸(1.58 g, 10 mmol)およびトリエチルアミン(4.6 mL)の溶液を0℃に冷却し、そして塩化2,2−ジメチル−プロピオニル(1.36 mL)で処理した。1時間後、4R−メチル−5S−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.95 g, 11 mmol)および塩化リチウム(0.47 g, 11 mmol)を付加し、混合物を18時間撹拌した。沈殿物を濾過し、さらなるTHFで十分に洗浄した。濾液を真空濃縮して、油状固体を得た。この固体を200 mLのEt2O中に溶解し、飽和NaHCO3、0.5 NHClおよび飽和NaClで引き続いて洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して、表題化合物を油として得た(3.0 g, 95%)。
【化45】

【0160】
5,5−ジメチル−(S)−3−((R)−4−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸 tert−ブチルエステル. 実施例1に従って,5.07 g(16 mmol)の3−(4,4−ジメチル−ヘプタノイル)−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、18 mL(1 N, 18 mmol)のNaHMDS溶液および4.72 mL(32 mmol)のブロモ−酢酸tert−ブチルエステルから、3.40 g(49.3%)の表題化合物を結晶固体として得た。
【化46】

【0161】
(S)−2−(2,2−ジメチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル. 実施例1に従って、3.4 g(7.9 mmol)の5,5−ジメチル−3−(4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル、16 mL(12.8 mmol)の0.8 NLiOHおよび4.5 mLの30%H22から、2.42 g(>100%)の表題化合物を油として得た。
【化47】

【0162】
(S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステル. 実施例1に従って、2.14 g(7.9 mmol)の2−(2,2−ジメチル−フェニル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル、1.7 mLのDPPA、1.1 mLのEt3Nおよび2.44 mLのBnOHから、1.63 g(2段階で54.8%)の表題化合物を油として得た。
【化48】

【0163】
(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステル. 実施例1に従って、1.63 gの3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステルおよび0.2 gの20%Pd/Cから、表題化合物を得た。
【化49】

【0164】
塩酸(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸. 実施例1に従って、3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステルを3 N HClで処理して、286 mgの表題化合物を固体として得た。
【化50】

1021NO2・HClに関する分析計算値:C:53.17、H:9.92、N:6.20、Cl:15.69。実測値:C:53.19、H:10.00、N:6.08、Cl:15.25。α=+20°(MeOH)。MP:194.2〜195.2℃。
【0165】
実施例7. 2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸
2−シアノ−3−(1−メチル−シクロプロピル)−アクリル酸エチルエステル. 50 mLのCH2Cl2中の1−メチルシクロプロパン−メタノール(Aldrich, 1.13 mL, 11.6 mmol)に、天然アルミナ(2.5 g)を、次にPCC(2.5 g, 11.6 mmol)を付加し、コンゴ物を周囲温度で3時間撹拌した。混合物を真空下でシリカゲルの1 cmプラグを通して濾過し、Et2Oですすいだ。濾液を約5 mLの総容積に濃縮した。残渣に、THF(10 mL)、シアノ酢酸エチル(1.2 mL, 11.3 mmol)、ピペリジン(5滴)、そして最後に酢酸(5滴)を付加した。全体を周囲温度で一晩撹拌し、次にEt2Oおよび飽和NaHCO3水溶液間に分配した。相を分離させて、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー処理(10→15%EtOAc/ヘキサン)により、0.53 g(25%)のエステルを無色油として得たが、これは、放置すると結晶化した。融点35〜37℃。
【化51】

1013NO2に関する分析計算値:C:67.02、H:7.31、N:7.82。実測値:C:66.86、H:7.47、N:7.70。
【0166】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸エチルエステル. 16 mLのEtOH:THF(1:1)中の2−シアノ−3−(1−メチル−シクロプロピル)−アクリル酸エチルエステル(0.45 g, 2.51 mmol)に、RaNi(0.4 g)を付加し、混合物をパー振盪器中で48 psiで15.5時間水素添加した。次にパールマン触媒(0.5 g)を付加し、水素添加をさらに15時間継続した。混合物を濾過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー処理(2→3→4→5→6→8%MeOH/CH2Cl2)により、0.25 g(54%)のアミノエステルを無色油として得た。
【化52】

【0167】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸. 10 mLのメタノール中の2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸エチルエステル(0.25 g, 1.35 mmol)の溶液に、0℃で、10%NaOH水溶液(10 mL)を付加した。混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次に濃縮して、メタノールを除去した。残渣を0℃に冷却し、濃HClでpH2の酸性にした。周囲温度に暖めた後、混合物をDOWEX−50WX8−100イオン交換樹脂上に載せて、リトマスで中性になるまで、H2Oで溶離した。5%NH4OH水溶液(100 mL)を用いて溶離を継続し、アルカリ性分画を濃縮して、0.15 g(71%)のアミノ酸を無色固体として得た。
【化53】

【0168】
実施例8. (3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸
(5S)−5−メチル−オクタ−2,6−ジエノン酸tert−ブチルエステル. トルエン30 mL中の(S)−3−メチル−ヘキス−4−エノン酸エチルエステル(1.0 g, 6.4 mmol)の溶液に、−78℃で、DIBAH(THF中1.0 M, 6.4 mL)を5分間掛けて滴下した。混合物を−78℃で45分間撹拌し、この時点で、5滴のメタノールを付加すると、激しいH2発生を生じた。気体発生が観察されなくなるまで、メタノールを付加した(約5 mL)。この時点で冷浴を除去し、約5 mLの飽和Na++酒石酸塩水溶液を付加した。混合物が室温に達したら、さらなる飽和Na++酒石酸塩水溶液およびEt2Oを付加し、相がほとんど透明になるまで(約1時間)、撹拌を継続した。相を分離させ、有機相をブラインで洗浄して、乾燥(MgSO4)し、揮発性事象のために総容積約10 mLに濃縮した。粗製混合物を、上記の方法により10 mmolのエステルから調製されたアルデヒドの付加的バッチと併合し、全体を精製せずに用いた。25 mLのTHF中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)の懸濁液に、t−ブチル−P,P−ジメチルホスホノアセテート(3.0 mL, 15 mmol)を1時間掛けて滴下して、H2の発生を制御下に置いた。付加完了後、トルエン中の粗製アルデヒド(総量約20 mL)を迅速に滴下し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物をEt2Oおよび飽和NH4Cl水溶液間に分配し、相を分離させて、有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー処理(0→3→5%EtOAc/ヘキサン)により、1.0 g(29%、2段階)の不飽和エステルを淡黄色油として得た。
【化54】

*(S)−3−メチル−ヘキス−4−エノン酸エチルエステルは、文献プロトコール[Hill, R.K.; Soman, R.; Sawada, S., J. Org. Chem., 1972, 37, 3737]に従って、トリエチルオルトアセテートを用いたジョンソン・クライゼン転位により、(S)−トランス−3−ペンテン−2−オールから調製した[Liang, J.; Hoard, D.W.; Van Khau, V.; Martinelli, M.J.; Moher, E.D.; Moore, R.E.; Tius, M.A. J. Org. Chem., 1999, 64, 1459]。
【0169】
(3R,5S)−3−[ベンジル−(1−フェニル−エチル)−アミノ]−5−メチル−オクト−6−エノン酸 tert−ブチルエステル. 9.0 mLのTHF中の(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン(0.60 mL, 2.85 mmol)の溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6 M, 1.6 mL)を迅速に滴下して、深桃色を生じた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、この時点で、1.0 mLのTHF中の(5S)−5−メチル−オクタ−2,6−ジエノン酸tert−ブチルエステル(0.5 g, 2.38 mmol)を徐々に滴下して、淡褐色を生じたが、これは3時間経つと暗色になった。混合物を−78℃で3時間撹拌し、次に飽和NH4Cl水溶液でクエンチした。混合物を室温に暖めさせて、一晩撹拌し、次にEtOAcおよび飽和NH4Cl水溶液間に分配した。相を濃縮し、有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー処理(3→5%EtOAc/ヘキサン)により、0.52 g(52%)のアミノエステルを黄色油として得た。
【化55】

【0170】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸. 50 mLのMeOH中の(3R,5S)−3−[ベンジル−(1−フェニル−エチル)−アミノ]−5−メチル−オクト−6−エノン酸 tert−ブチルエステル(0.92 g, 2.18 mmol)の溶液に、20%Pd/C(0.20 g)を付加し、混合物をパー振盪器中で48 psiで23時間水素添加した。混合物を濾過し、濃縮した。10 mLのCH2Cl2中の粗製アミノエステルに、1.0 mLのトリフルオロ酢酸を付加し、溶液をを周囲温度で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を最小量のH2O中に溶解し、DOWEX−50WX8−100イオン交換樹脂上に載せた。リトマスで中世になるまでカラムをH2Oで溶離し、次に5%NH4OH水溶液(100 mL)を用いて溶離を継続した。アルカリ性分画を濃縮して、0.25 g(66%、2段階)のアミノ酸をオフホワイト色固体として得た。
【化56】

【0171】
実施例9. 2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸の手法と同様の手法を用いて、6−メチル−1−ヘプタノール m/z202.1(M+)から2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を調製した。
【0172】
2−アミノメチル−4,8−ジメチル−ノナン酸
(R)−2,6−ジメチルヘプタン−1−オール. マグネシウム・ターニング(2.04 g, 84 mmol)およびヨウ素の結晶を、1−ブロモ−3−メチルブタン(0.3 mL、正味)の付加のために、5 mLTHF中に懸濁した。グリニャール精製を開始するために、混合物を加熱した。残りの1−ブロモ−3−メチルブタン(8.63 mL, 72 mmol)をTHF(60 mL)中に希釈し、滴下した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、−5℃に冷却した。THF(50 mL)中の塩化銅(1.21 g, 9 mmol)およびLiCl(0.76 g, 18 mmol)の溶液を、温度を0℃より低く保持しながら、滴下した。その結果生じた混合物を20分間撹拌し、THF(20 mL)中の(R)−3−ブロモ−2−メチルプロパノールを、温度を0℃より低く保持しながら、滴下した。混合物を一晩で徐々に周囲温度に到達させた。水酸化アンモニウムおよび水で、反応混合物をクエンチした。混合物をEtOAcで希釈し、3×20 mLのEtOAcで抽出した。有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濾過し、濃縮した。残留油をシリカゲルクロマトグラフィー(90/10のヘキサン/EtOAc)により精製して、2.67 gの(R)−2,6−ジメチルヘプタン−1−オールを得た。
【0173】
(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン. CH2Cl2中の支持トリフェニルホスフィン(6.55 g, 19.67 mmol)の混合物に、ヨウ素(4.99 g, 19.67 mmol)およびイミダゾール(1.33 g, 19.67 mmol)を付加した。混合物を周囲温度に暖めて、1時間撹拌し、CH2Cl2(5 mL)中の(R)−2,6−ジメチルヘプタン−1−オールの滴下のために、0℃に冷却した。混合物を周囲温度に到達させて、1時間撹拌し、この時点で、それをセライトのパッドに通して濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄した。濾液を濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン(2.44 g)を得た。
【0174】
(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステル. THF(8 mL)中のジイソプロピルアミン(0.827 mL, 5.9 mmol)に、−78℃で、nBuLi(ペンタン中の2.6 M溶液2.65 mL)を付加した。溶液を−78℃で30分間撹拌した後、酢酸t−ブチル(0.8 mL, 5.9 mmol)を付加した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、次にTHF(1 mL)中の(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン(0.3 g, 1.18 mmol)およびHMPA(1.5 mL)を付加した。反応物を−78℃で撹拌して、一晩で徐々に周囲温度に到達させた後、35℃に加熱して、反応を完了させた。塩化アンモニウム(飽和水溶液)の付加により反応をクエンチし、混合物をEtOAc(2×10 mL)で抽出した。有機物を併合し、水で洗浄して、乾燥(MgSO4)し、濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(98/2のヘキサン/EtOAc)により、0.25 gの(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステルを得た。
【0175】
(4R)−4,8−ジメチルノナン酸. 25 mLのCH2Cl2中の(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステルを、TFA(6 mL)で処理した。混合物を一晩で周囲温度に到達させ、撹拌した。溶媒を回転蒸発により除去し、混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(95/5のヘキサン/EtOAc)により精製して、0.962 gの(4R)−4,8−ジメチルノナン酸を得た。m/z185(M−)。
【0176】
3−(4R,8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン. (4R,5S)−4−メチル−3−(R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−オキサゾリジン−2−オンと同様の手法を用いて、3−(4R,8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.35 g)を得た。m/z346.5(M+)。
【0177】
[4R,8−ジメチル−2R−(4R−メチル−2−オキソ−5R−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノニル]−カルバミン酸ベンジルエステル. CH2Cl2(12 mL)およびTiCl4(CH2Cl2中の1 M溶液3.04 mL)中の3−(4(R),8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.05 g, 3.04 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.55 mL, 3.19 mmol)を−20℃で付加した。その結果生じた暗赤色溶液を−20℃で30分間撹拌した後、CH2Cl2(3.5 mL)およびTiCl4(3.34 mL)中のN−メトキシメチルベンジルカルバメート(0.652 g, 3.34 mmol)の溶液を付加した。混合物を0℃で4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液の付加により、反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2(3×15 mL)で抽出した。有機物を併合し、1 NHClで洗浄し、NaOHで中和した後、ブラインで洗浄した。有機物を乾燥(MgSO4)し、濾過して、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(95/5のヘキサン/EtOAc)により精製して、0.555 gの[4R,8−ジメチル−2R−(4R−メチル−2−オキソ−5R−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノニル]−カルバミン酸ベンジルエステルを得た。
【0178】
2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸. (S)−2((R)−2−メチル=ペンチル)コハク酸t−ブチルエステルの手法と同様の手法を用いて、0.198 gの2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸を得た。
【0179】
2−アミノメチル−4,8−ジメチルノナン酸. 2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸(0.148 g, 0.566 mmol)を、20%Pd/Cの存在下で水素で処理して、濾過およびシリカゲルクロマトグラフィー(85/15のCH2Cl2/MeOH)による精製後に、0.082 gの2−アミノメチル−4,8−ジメチルノナン酸を得た。m/z216.3(M+)。
【0180】
実施例10. 2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸
2,2,6−トリメチル−ヘプタン酸メチルエステル. THF(22 mL)中のジイソプロピルアミン(1.54 mL, 11.03 mmol)に、−78℃で、nBuLi(ヘキサン中の1.6 M溶液6.89 mL)を付加した。溶液を−78℃で30分間撹拌した後、イソ酪酸メチル(0.97 mL, 8.48 mmol)を付加した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、次にTHF(6 mL)中の1−ヨード−4−メチルペンタン(1.8 g, 8.48 mmol)およびDMPU(0.55 mL, 4.24 mmol)を付加した。反応物を−78℃で撹拌して、16時間掛けて徐々に周囲温度に到達させた。塩化アンモニウム(飽和水溶液)の付加により反応をクエンチし、混合物をEtOAc(2×10 mL)で抽出した。有機物を併合し、水で洗浄して、乾燥(MgSO4)し、濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(99/1のヘキサン/EtOAc)により、1.57 gの2,2,6−トリメチルヘプタン酸メチルエステルを得た。
【0181】
2,2,6−トリメチルヘプタン−1−オール. 2,2,6−トリメチルヘプタン酸メチルエステル(1.97 g, 10.6 mmol)をトルエン(65 mL)中に取り、−78℃に冷却した。DiBALH(トルエン中1 N溶液12.7 mL)を滴下した。45分後、1.5 mLのDiBALHを付加した。2時間後、−78℃で15 mLのMeOHを付加することにより、反応をクエンチした。混合物を周囲温度に暖めて、次に10 mLの1 NHClの付加のために再び−78℃に冷却した。混合物をEtOAc(3×15 mL)で抽出した。併合有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過して、濃縮した。残留油をシリカゲルクロマトグラフィー(95/5のヘキサン/EtOAc)により精製して、2,2,6−トリメチル−ヘプタン−1−オール(0.88 g)を得た。m/z159(M+)。
【0182】
2,2,6−トリメチル−ヘプタナール. クロロクロム酸ピリジニウム(PCC、4.17 g, 19.4 mmol)をCH2Cl2中の中性アルミナ(14.6 g)と併合し、周囲温度で15分間撹拌した。アルコールをCH2Cl2中に希釈し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。溶液をシリカのパッドを通して濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄した。濾液を蒸発させて、1.05 gのm/z157(M+)2,2,6−ヘプタナールを得て、これをさらに精製せずに続行した。
【0183】
2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エノン酸ベンジルエステル. トルエン(50 mL)中の2,2,6−トリメチル−ヘプタナール(1.05 g, 6.73 mmol)、ピペリジン(0.19 mL, 2.01 mmol)およびシアノ酢酸ベンジル(1.29 g, 7.4 mmol)の混合物に、氷酢酸(0.72 g, 12.1 mmol)を付加した。フラスコにディーン・スタークとラップを装備し、混合物を還流下で18時間加熱した。混合物を冷却し、希HClで処理して、層を分離させた。有機物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で、その後ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濾過し、濃縮した。残留油をシリカゲルクロマトグラフィー(98/2のヘキサン/EtOAc)により精製して、1.3 gの2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エノン酸ベンジルエステルを得た。m/z314(M+)。
【0184】
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸. THF(50 mL)中の2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エノン酸ベンジルエステル(1.3 g, 4.14 mmol)を、20%Pd/Cの存在下で水素で処理して、シアン酸およびシアノメチルエステルの混合物を得た。混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、278 mgの80105×41-1-2を得た。次に酸を、MeOH/NH4OH中のラネーNiの存在下で水素で処理して、0.16 gの2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸を得た。m/z230.3(M+)。
【0185】
実施例11. 2−アミノメチル−4−エチル−オクタン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸の手法と同様の手法を用いて、2−エチルヘキサナールから2−アミノメチル−4−エチル−オクタン酸を調製した。m/z202.1(M+)。
【0186】
実施例12. 2−アミノメチル−4−エチル−8−メチル−ノナン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸の手法と同様の手法を用いて、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルシクロプロピルカルボキシレートから2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を調製した。m/z230.2(M+)。
【0187】
実施例13. 3−アミノ−2−[1−(4−メチル−ペンチル)−シクロプロピルメチル]−プロピオン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸の手法と同様の手法を用いて、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルシクロプロピルカルボキシレートから2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を調製した。m/z228.2(M+)。
【0188】
実施例14. 2−アミノメチル−4−エチル−ヘキサン酸
2−アミノメチル−4,8−ジメチル−ノナン酸の手法と同様の手法を用いて、4−エチルヘキサン酸から2−アミノメチル−4−エチル−ヘキサン酸を調製した。m/z174.1。
【0189】
実施例15. 3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸
2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミド. (S)−(−)−2−メチル−2−プロパンスルホンアミド(500 mg, 4.1 mmol)、4−メチル−2−ヘキサノン(470 mg, 4.1 mmol)およびチタン(IV)エトキシド(1.7 mL, 8.3 mmol)の溶液を、18時間還流、加熱した。反応混合物を、迅速に撹拌しながら20 mLブライン中に注ぎ入れた。その結果生じた溶液をセライトを通して濾過し、有機層を分離させた。水性層を酢酸エチル(2×20 mL)で抽出した。併合有機物を乾燥(MgSO4)し、濾過して、濃縮した。その結果生じた油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、575 mgの2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミドを黄色油として得た。
【0190】
3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステル. THF(6 mL)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1 M溶液5.1mL)の−78℃溶液に、酢酸メチル(0.41 mL, 5.1 mmol)を滴下した。20分間撹拌後、THF(3 mL)中のクロロチタントリイソプロポキシド(2.5 mL, 10 mmol)の溶液を滴下した。1時間後、THF(3 mL)中の2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミド(560 mg, 2.6 mmol)を−78℃で滴下した。反応物を−78℃で5時間撹拌し、次に10 mLの塩化アンモニウムの付加によりクエンチして、室温に暖めた。混合物を10 mLの水で希釈して、濾過した。水性層を酢酸エチル(2×20 mL)で抽出した。併合有機物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、濾過し、濃縮した。その結果生じた油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、360 mgの3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステルを得た。
【0191】
3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸. 3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステル(360 mg, 1.2 mmol)を6 NHCl(2 mL)およびジオキサン(2 mL)中に溶解し、100℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈して、EtOAc(15 mL)で抽出した。有機物をイオン交換クロマトグラフィーにより精製して3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸(270 mg)を得て、次にシリカゲルクロマトグラフィー(70:25:5のCH2Cl2/MeOH/NH4OH)により再精製して、203 mgの3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸を白色固体として得た。m/z174(C919NO2+H)。
【0192】
実施例16. 3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ノナン酸
3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸の手法と同様の手法を用いて、3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ノナン酸を調製した。m/z202.1(C1123NO2+H)。
【0193】
実施例17. 3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−オクタン酸
3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸の手法と同様の手法を用いて、3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ノナン酸を調製した。m/z188.1(C1021NO2+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癲癇、禁煙、中毒性物質および依存性からの離脱、痙縮、筋痙縮、麻痺を伴う緊張低下症、ヘルペス感染後神経痛、慢性頭痛、腰痛、外科的疼痛、軟骨損傷、変形性関節炎の疾患変性の治療方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、治療的有効量の式I:
【化1】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;あるいは
1およびR2は、それらが結合される炭素と一緒になって、3〜6員シクロアルキル環を形成し;
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
4は、水素、または(C1〜C6)アルキル(1〜5個のフッ素原子で任意に置換される)であり;
5は、水素、または(C1〜C6)アルキル(1〜5個のフッ素原子で任意に置換される)であり;そして
6は、水素または(C1〜C6)アルキルである)
の化合物、またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩を投与することを包含する方法。
【請求項2】
哺乳類、例えばヒトにおける睡眠を増強することによる神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病および繊維筋痛における認知の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の請求項1記載の化合物またはその製薬上許容可能な塩を前記哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項3】
哺乳類、例えばヒトにおける睡眠障害、例えば非安静脚症候群、時差ぼけ、周期性体肢運動障害および睡眠構築変容からなる群から選択される障害または症状の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の請求項1記載の化合物またはその製薬上許容可能な塩を前記哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項4】
哺乳類、例えばヒトにおける食欲不振、癌、高齢および/または意志薄弱から選択される障害または症状を有する哺乳類における体重増加の促進方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の請求項1記載の化合物またはその製薬上許容可能な塩を前記哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項5】
哺乳類、例えばヒトにおける社会的不安障害および飛ぶことに対する恐怖から選択される障害または症状の治療方法であって、このような障害または症状を治療するのに有効である量の請求項1記載の化合物またはその製薬上許容可能な塩を前記哺乳類に投与することを包含する方法。
【請求項6】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式IA:
【化2】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;そして
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
但し、R1が水素である場合、R2は水素ではない)
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式II:
【化3】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;そして
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
但し、R1が水素である場合、R2は水素ではない)
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式IA−1:
【化4】

(式中、R3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る))
を有する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式IIA:
【化5】

(式中、R3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る))
を有する、請求項7記載の方法。
【請求項10】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式IA−2:
【化6】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;
2は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;そして
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から独立して選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る);
但し、R1が水素である場合、R2は水素ではない)
を有する、請求項6記載の方法。
【請求項11】
化合物またはその製薬上許容可能な塩が、式III:
【化7】

(式中、R3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る))
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
化合物またはこのような化合物の製薬上許容可能な塩が、式IV:
【化8】

(式中、R1は、水素、または1〜5個のフッ素原子で任意に置換される(C1〜C6)アルキルであり;そして
3は、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1〜C3)アルキル、フェニル−N(H)−、またはピリジル−N(H)−であり(ここで、前記アルキル部分は各々、1〜5個のフッ素原子で、好ましくは0〜3個のフッ素原子で任意に置換され得るし、そして前記フェニルおよび前記ピリジル、ならびに前記フェニル−(C1〜C3)アルキルおよび前記ピリジル−(C1〜C3)アルキルのフェニルおよびピリジル部分は、それぞれ、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1〜C3)アルキルアミノ、(C1〜C3)アルキル(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)、および(C1〜C3)アルコキシ(1〜3個のフッ素原子で任意に置換される)から選択される1〜3個の置換基で、好ましくは0〜2個の置換基で任意に置換され得る))
を有する、請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2007−506726(P2007−506726A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527499(P2006−527499)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002978
【国際公開番号】WO2005/030184
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】