説明

うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかん治療のためのコハク酸のコリン塩

本発明は式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩を含むことを特徴とする、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの治療のための医薬組成物及び方法に関する。好ましくは、薬学的に許容され得る塩が、式(II)のコハク酸のジコリン塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの予防又は治療のための医薬組成物及び方法に関する。より詳細には、本発明はうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの予防又は治療のための医薬組成物及び方法におけるモノコリンコハク酸塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ロシア特許公報2228174号はコハク酸のジコリン塩のインスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、及び脂質代謝異常の治療のための使用を開示している。ロシア特許公報2281765号はコハク酸のジコリン塩の脳虚血の治療のための使用を開示している。ロシア特許公報2281766号はコハク酸のジコリン塩の認知機能の改善のための使用を開示している。
【0003】
しかし、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの治療のためのコハク酸のコリン塩の使用に関する技術分野では公開又は開示がされていない。
【0004】
驚くことに、コハク酸のモノコリン及びジコリン塩がうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの治療に有用であることがわかった。
【0005】
本発明はコハク酸のコリン塩を用いた、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、及びてんかんの治療の組成物及び方法を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩の有効量をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんの治療の方法を提供する。
【0007】
【化1】

【0008】
本明細書中で用いられるところの「うつ病」という用語は、悲しい気分の持続及び/又は、大部分の活動における興味又は喜びの喪失によって典型的に特徴づけられる精神疾患を意味する。指定された化合物又はその薬学的に許容され得る塩を用いて治療されるのが好ましい場合があるうつ病の例として、大うつ病、単極性障害、又は臨床的うつ病としても知られる大うつ病性障害;大うつ病エピソード;非定型うつ病;抑うつ(気分);メランコリー型うつ病;精神病性うつ病;及び産褥後うつ状態を含むが限定されない。
【0009】
本明細書中で用いられるところの「不安」という用語は、不安障害を意味する。指定された化合物又はその薬学的に許容され得る塩を用いて治療されるのが好ましい場合がある不安障害の例として、パニック発作;広場恐怖症;急性ストレス障害;単一恐怖症;パニック障害;精神活性物質不安障害(psychoactive substance anxiety disorder);器質性不安傷害;強迫性障害;心的外傷後ストレス障害;全般性不安傷害;及び特定不能の不安障害を含むが限定されない。
【0010】
本明細書中で用いられるところの「統合失調症」という用語は、以下の、妄想、幻覚、解体した会話、ひどく解体した行動又は緊張病性の行動、又は陰性症状のうち少なくとも2つを含む精神障害を意味する。DSM−IV基準(APA,1994,Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(Fourth Edition),Washington, D.C.)、及びICD−10(the World Health Organization’s International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)を用いて患者は統合失調症と診断される場合がある。
【0011】
本明細書中で用いられるところの「睡眠障害」という用語は、多くの原因から生じる睡眠パターンの崩壊を意味する。指定された化合物又はその薬学的に許容され得る塩を用いて治療されるのが好ましい場合がある睡眠障害の例として、不眠症(例えば、一時的な、短期の、及び慢性の)、睡眠相後退症候群、催眠薬依存性睡眠障害、及び刺激剤依存性睡眠障害;覚醒状態保持の困難と関連した疾患、例えば睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、レストレス・レッグ症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、特発性過眠症、呼吸筋の筋力低下に関連した睡眠障害;通常の睡眠スケジュールに従うことの困難さと関連した疾患、例えば睡眠状態誤認、交代勤務睡眠障害、時差帯域移動症候群、又は不規則型睡眠覚醒障害;異常行動と関連した疾患、例えば夜驚症(すなわち睡眠時随伴症)及び睡眠時遊行症(すなわち夢中遊行症);及びその他疾患、例えば睡眠時歯ぎしり、線維筋痛症、及び悪夢を含むが限定されない。
【0012】
本明細書中で用いられるところの「てんかん」という用語は、再発性の被誘発性発作によって特徴づけられる脳機能の障害を意味する。
【0013】
本明細書中で用いられるところの「治療」という用語は、(a)当該疾患に罹患しやすくなっているが、まだその疾患を有すると診断されていない場合がある対象における疾患を未然に防ぐこと;(b)疾患を抑制する、すなわちその疾患の進行を抑えること;又は(c)疾患を緩和すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすことの目的のための哺乳動物の管理及び看護を意味する。
【0014】
本明細書中で用いられるところの、ブタン二酸とも名付けられている「コハク酸」という用語は、CAS登録番号110−15−6の式HOOCCHCHCOOHの化合物を意味する。
【0015】
本明細書中で用いられるところの、「薬学的に許容され得る塩」という用語は、無毒の塩基付加塩を意味する。本発明における薬学的に許容され得る塩は、本技術分野で周知の方法でコハク酸と薬学的に許容され得る有機又は無機塩基の反応によって調製される。当該塩基は、非毒性アルカリ金属及びアルカリ土類塩基(akaline earth bases)、例えば、カルシウム、リチウム、ナトリウム、及び水酸化カリウム;水酸化アンモニウム又は非毒性有機塩基、例えばトリエチルアミン、ブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び2−エチル−6−メチル−3−ヒドロキシピリジン、又はコリン塩基を含むが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の好ましい実施態様では、本発明の薬学的に許容され得る塩は式(II)のコハク酸ジコリン塩である。
【0017】
【化2】

【0018】
本明細書中で用いられるところの、「有効量」という用語は、それを必要とする対象のうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんの治療のために必要とされるコハク酸、又はその薬学的に許容され得る塩の用量を意味する。投与経路、賦形剤の使用、及び他の薬剤との共用の可能性に依存すると当業者によって認められた場合、有効量は変化する場合がある。
【0019】
好ましくは、本発明の方法における使用のための、式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩の有効量は、一日体重1kgあたり0.1〜100mgである。より好ましくは、本発明の方法における使用のための、式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩の有効量は、一日体重1kgあたり0.1〜10mgである。
【0020】
式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩は、様々な経路により哺乳動物に投与される場合がある。好ましくは、式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩は、様々な投薬形態の内、経口、経口腔粘膜、経舌下、経頬、経鼻、外用、非経口、眼内、筋肉内、皮下、静脈内、及び腹腔内投与から成る群から選ばれた経路により投与される。当該投与経路は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、溶液、水溶液、エアロゾル、エリクシル剤、シロップ、及び注射を含むが、これらに限定されない。
【0021】
好ましくは、式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩は、一日又は二日以上の間投与される。より好ましくは、式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩は、5〜7日の間、一日一回の治療単位で、2〜4週間の治療単位の間に休みがある状態で投与される。
【0022】
好ましくは、前記哺乳動物はヒトである。
【0023】
さらに、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんの予防又は治療用の医薬組成物を作成するための、式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0024】
【化3】

【0025】
さらに、本発明は、(a)式(I)のコハク酸のモノコリン塩又は(b)その薬学的に許容され得る塩、及び薬学的に許容され得る担体を含む、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんの予防又は治療のための医薬組成物を提供する。
【0026】
【化4】

【0027】
好ましくは、薬学的に許容され得る塩が、式(II)のコハク酸のジコリン塩である。
【0028】
【化5】

【0029】
本明細書中で用いられるところの、「薬学的に許容され得る担体」という用語は、身体の一つの器官又は一部分から、身体の別の器官又は別の一部へ化学薬剤を運搬するか、又は輸送することを含む、薬学的に許容され得る材料、組成物又は賦形薬(vehicle)、例えば液体又は固体充填剤(filler)、希釈剤、賦形剤、溶媒、又はカプセル化するための材料を意味する。薬学的に許容され得る担体として、役立つ場合があるいくつかの例は、糖、例えば乳糖、グルコース及びスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバター及び坐剤ワックス;油、例えばゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;エステル、例えばエチルオレアート及びエチルラウレート;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質不含水;等張性生理食塩水;リンガー液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬品の処方に使用される他の非毒性適合性物質を含む。
【0030】
本発明の組成物は、周知の成分を用いた既知の手順によって調製される。本発明の組成物は、任意の成分を含む場合がある。一般的に、当該任意の成分は、組成物の約0.0005質量%から約10.0質量%のレベル、好ましくは約0.005質量%から約1.0質量%のレベルで個別に用いられる。適切な任意の成分の例は、緩衝剤、潤滑剤、着色剤、担体等を含むが、限定されない。
【0031】
本発明の組成物は、様々な経路によって、投与される場合がある。当該経路は、経口、経口腔粘膜、経舌下、経頬、経鼻、外用、非経口、眼内、筋肉内、皮下、静脈内、及び腹腔内投与経路を含むが、限定されない。
【0032】
本発明を説明するために、以下の実施例を示す。この実施例は例示のためだけであり、いかなる場合であっても本発明の範囲を限定する意図はない。
【実施例1】
【0033】
本実施例は、式(I)又は(II)の化合物の調製を示す。
式(I)の化合物は、無溶媒、室温で、12.1gのコリン塩基と11.8gのコハク酸を混合することにより調製される。その結果生じる混合物は、雰囲気温度でアセトン内で溶解され、溶液はフィルターを介して濾過される。化合物(I)は、溶液からのアセトンのエバポレート(evaporating)により、イオン液体として回収される。D2O中の1H−NMR:2.41(9H,s),3.19(4H,s),3.49(2H,t),4.10(2H,t)。化学式:C9H19NO5。式(II)の化合物は、溶媒なし、雰囲気温度で、1.1gのコリン塩基と2.2gの化合物を混合することにより調製される。混合物は真空下で乾燥され、イソプロパノール−アセトンから再結晶化された。化合物(II)は白色の粉末として回収された。D2O中の1H−NMR:2.35(18H,s),3.15(4H,s),3.46(4H,t),4.00(4H,t)。
【実施例2】
【0034】
本実施例は、本発明の化合物がうつ病の治療に有効であることを示す。
本発明の化合物を用いた、うつ病の治療の影響が、(A)強制水泳試験及び(B)慢性ストレスうつ病モデルのげっ歯類において評価された。
(A)強制水泳試験において、単独飼育された、雄の若齢CD1マウスが用いられた。マウスは腹腔内注射で、生理食塩水(対照)又は25mg/kgの化合物(I)又は(II)を一日一回、7日間処理され、8日目に試験が行われた。参照群において、マウスは腹腔内注射で、10mg/kgのイミプラミンを水泳試験30分前に処理された。水位13cm(円筒の縁から7cm)の雰囲気温度の水で満たされた、直径17cmのガラスの円筒で、強制水泳試験が行われた。動物は6分の間記録された。最初の浮遊エピソード(floating episode)の潜時が、強制水泳行動の尺度として認められた。統計解析は、分散分析及び多重比較検定としてのMann−Whitney検定を用いて行われた。データは最初の浮遊エピソードの潜時の平均±標準誤差として表1に示された。
【0035】
【表1】

【0036】
(B)慢性ストレスうつ病モデルにおいて、単独飼育された、雄の若齢CD1マウスが用いられた。マウスは腹腔内注射で、生理食塩水(対照)又は25mg/kgの化合物(II)を一日一回、ストレスの前に7日間処理された。ストレス処置は10日間用いられた。参照群において、マウスは経口で、一日8mg/kgのイミプラミンを七日間受け、その後全10日のストレス処置のコースに入った。動物(群あたりn=20)はストレス処置の10日目においてスクロース嗜好性が試された。統計解析は、分散分析及び、多重比較検定としてのMann−Whitney検定を用いて行われた。データはスクロース嗜好性の百分率の平均±標準誤差として表2に示された。
【0037】
【表2】

【0038】
従って、本発明の化合物は、うつ病の治療に有用である。
【実施例3】
【0039】
本実施例は、本発明の化合物が不安の治療に有効であることを示す。
本発明の化合物を用いた、不安の治療の影響が、明暗選択試験のげっ歯類において評価された。実施例2のストレスを受けたマウスは、Crawley et al.,Pharmacol Biochem Behav 13,167−70(1980)によって説明される明暗選択箱の中で試された。動物は五分間、(i)明るい箱の中で過ごした総時間及び(ii)退出数を記録された。統計解析は、分散分析及び多重比較検定としてのMann−Whitney検定を用いて行われた。データは(i)明るい箱の中で過ごした総時間及び(ii)退出数の平均±標準誤差として表3に示された。
【0040】
【表3】

【0041】
従って、本発明の化合物は、不安の治療に有用である。
【実施例4】
【0042】
本実施例は、本発明の化合物が睡眠障害の治療に有効であることを示す。
本発明の化合物を用いた、睡眠障害(不眠症)の治療の影響が、不眠症のカフェイン誘発モデルにおいて評価された。ラットは腹腔内注射で、25mg/kgの化合物(II)又は生理食塩水(対照)を一日一回、7日間処理された。8日目において、10mg/kgのカフェインが対照ラットの賦形薬(vehicle)と比較して、有意に入眠潜時(SOL)を延長した。化合物IIを前処理されたラットにおいて、カフェインは賦形薬(vehicle)と比較して、SOLを延長しなかった。従って、本発明の化合物は、睡眠障害の治療に有用である。
【実施例5】
【0043】
本実施例は、本発明の化合物が統合失調症の治療に有効であることを示す。
本発明の化合物を用いた、統合失調症の治療の影響が、社会的隔離で育てられたラット(ISO)において評価された。ラットの隔離飼育は、統合失調症で観察されるのと似た、驚愕反射のPPI(プレパルス抑制)の欠損、及び他の行動的及び神経化学的変化を誘導する非損傷操作(non−lesion manipulation)である。Weiss IC and Feldon J,Psychopharmacology,2001,156:305− 326。Harte MK,et al,Schizophr.Res.2006,81:210−211。Swerdlow NR et al.,Arch Gen Psych.December,2006,63:1325−1335。ラットは腹腔内注射で、25mg/kgの化合物(II)又は生理食塩水(対照)を一日一回、7日間処理された。ラットは社会的隔離がなされ、100ミリ秒の潜時を有する80dBのプレパルス及び110dBのパルスの強さで、驚愕反応のプレパルス抑制が測定された。PPI比はプレパルス無しで送達された刺激への反応の大きさに対するプレパルス有りで送達された刺激への反応の大きさの減少(%)として計算された。統計解析は、分散分析及び多重比較検定としてのMann−Whitney検定を用いて行われた。データはプレパルス抑制の百分率の平均±標準誤差として表4に示された。
【0044】
【表4】

【0045】
従って、本発明の化合物は、動物モデルにおける統合失調症の治療に有用である。
【実施例6】
【0046】
本実施例は、本発明の化合物がてんかんの治療に有効であることを示す。
本発明の化合物を用いた、てんかんの治療の影響が、ペンチレンテトラゾールによって誘発された発作を有するラットにおいて評価された。Loscher et al, Epilepsy Res 1991, 8:171−189.マウスは腹腔内注射で、10mg/kgの化合物(II)又は生理食塩水(対照)を一日一回、7日間処理された。ペンチレンテトラゾールは投与された。化合物IIでの治療は、対照と比較して有意に発作を減少させた。
【実施例7】
【0047】
本実施例は、式(I)の化合物を含む注射処方を示す。
【0048】
【表5】

【0049】
式(I)の化合物を注射用の水に溶解して所望の体積とし、pH5.0になるまで0.4Mのリン酸2ナトリウムを加えた。このようにして、式(I)の化合物の濃度が5%の溶液を調製した。溶液を滅菌フィルター(0.2μm)に通して濾過し、アンプルに封入した。
【実施例8】
【0050】
本実施例は、式(II)の化合物を含む注射処方を示す。
【0051】
【表6】

【0052】
式(II)の化合物を注射用の水に溶解して所望の体積とし、pH5.0になるまで0.4Mのリン酸2ナトリウムを加えた。このようにして、式(II)の化合物の濃度が5%の溶液を調製した。溶液を滅菌フィルター(0.2μm)に通して濾過し、アンプルに封入した。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんを治療する方法。
【化1】

【請求項2】
薬学的に許容され得る塩が、式(II)のコハク酸のジコリン塩であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【化2】

【請求項3】
式(I)のコハク酸のモノコリン塩、又はその薬学的に許容され得る塩の有効量が、一日体重1kgあたり0.1〜100mgであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩が、経口、経口腔粘膜、経舌下、経頬、経鼻、外用、非経口、眼内、筋肉内、皮下、静脈内、及び腹腔内投与から成る群から選ばれた経路により投与されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩は、一日又は二日以上の間投与されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
それを必要とする哺乳動物におけるうつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかん治療用の医薬組成物を作成するための、式(I)のコハク酸のモノコリン塩又はその薬学的に許容され得る塩の使用。
【化3】

【請求項8】
薬学的に許容され得る塩が、式(II)のコハク酸のジコリン塩であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【化4】

【請求項9】
(a)式(I)のコハク酸のモノコリン塩又は(b)その薬学的に許容され得る塩、及び薬学的に許容され得る担体を含むことを特徴とする、うつ病、不安、統合失調症、睡眠障害、又はてんかんの治療のための医薬組成物。
【化5】

【請求項10】
前記組成物が、単位用量形態あたり1〜1000mgの式(I)のコハク酸のモノコリン塩を含むことを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容され得る塩が、式(II)のコハク酸のジコリン塩であることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
【化6】

【請求項12】
前記組成物が、経口、経口腔粘膜、経舌下、経頬、経鼻、外用、非経口、眼内、筋肉内、皮下、静脈内、及び腹腔内投与から成る群から選ばれた経路により投与されることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。


【公表番号】特表2012−509869(P2012−509869A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537388(P2011−537388)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/RU2008/000720
【国際公開番号】WO2010/062206
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(510069869)
【Fターム(参考)】