説明

おにぎりの具材供給装置

【課題】米飯搬送機構によって搬送した米飯に、例えば、昆布や鮭、おかか等の手に付着し易いフレーク状の具材を機械的に定量分割して自動供給できるようにする。
【解決手段】具材Qを撹拌しながら具材投入側に搬送するスクリュー羽根29を備えたスクリュー搬送部26と、具材圧縮用プレスヘッド33aおよび具材投入用プレスヘッド33bを昇降可能に配置した具材投入部31と、両プレスヘッド33a、33bそれぞれの真下で往復移動することで当該両プレスヘッド33a、33bに各対向する定量分割用の計量マスとして機能する具材投入孔36を形成した横スライド板35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎり製造において、おにぎりの具材、例えば、昆布や鮭、おかか等のフレーク状の供給困難な定量具材を、米飯搬送機構によって搬送された米飯に、コンスタントに且つ体裁良く自動供給できるようにしたおにぎりの具材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械によるおにぎり製造において、具材の供給は人為的作業によるところが多く、例えば、おにぎり成型用のターンテーブル上の米飯に具穴を設けて該具穴にフレーク状の具材を人が手で供給していた。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、ロータリーテーブル上に具供給ステーションを設け、該ロータリーテーブルによって搬送された平らな米飯上に、所定の具を人の手で載置するようにしたおにぎり製造装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−65881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1におけるおにぎり製造装置のように、人為的作業によって具材を供給する場合、梅干し等の固形具やツナマヨネーズ等の練り具と比較して、例えば、昆布や鮭、おかか等のフレーク状の具材は作業者の手(手袋)に付着し易く、且つ定量に分割し難いため、熟練された具入れ作業が要求されるのであった。
【0006】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、米飯搬送機構によって搬送された米飯に、例えば、昆布や鮭、おかか等の手に付着し易いフレーク状の具材を機械的に定量分割して自動供給させることができるおにぎりの具材供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、
米飯搬送機構によって搬送された米飯に、具材を定量分割して自動供給させるおにぎりの具材供給装置であって、
該装置は、具材を撹拌しながら具材投入側に搬送するスクリュー羽根を備えたスクリュー搬送部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドを昇降可能に配置させた具材投入部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドそれぞれの真下で往復移動させることで両プレスヘッドに各対向させる定量分割用の計量マスとして機能する具材投入孔を形成した横スライド板とを備え、
横スライド板の具材投入孔が具材圧縮用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材圧縮用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内で具材を所定の密度に圧縮させ、
横スライド板の具材投入孔が具材投入用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材投入用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内の具材を突き落とし、下方の米飯搬送機構によって搬送された米飯上に当該具材が載せられるものとしたことを特徴とする。
【0008】
スクリュー搬送部は、スクリュー羽根のトルク制御によって具材の密度調整が行えるようにしてある。
【0009】
具材投入部は、トルク制御によって具材圧縮用プレスヘッドの圧縮力が変更されることで、具材の密度調整が行えるようにしてある。
【0010】
具材供給装置には、米飯搬送機構によって具材投入位置まで搬送された米飯を検知するための検知センサを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、具材供給装置は、具材を撹拌しながら具材投入側に搬送するスクリュー羽根を備えたスクリュー搬送部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドを昇降可能に配置させた具材投入部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドそれぞれの真下で往復移動させることで両プレスヘッドに各対向させる定量分割用の計量マスとしての具材投入孔を形成した横スライド板とを備え、
横スライド板の具材投入孔が具材圧縮用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材圧縮用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内で具材を所定の密度に圧縮させ、
横スライド板の具材投入孔が具材投入用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材投入用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内の具材を突き落とし、下方の米飯搬送機構によって搬送された米飯上に当該具材が載せられるものとしたので、米飯搬送機構によって搬送された米飯に、例えば、昆布や鮭、おかか等の手に付着し易いフレーク状の具材を機械的に定量分割して自動供給させることができる。
【0012】
スクリュー搬送部は、スクリュー羽根のトルク制御によって具材の密度調整が行えるようにしてあるので、具材が固まり過ぎたり、緩み過ぎたりせずに、ほどよい密度となって次の具材投入部に送ることができる。
【0013】
具材投入部は、トルク制御によって具材圧縮用プレスヘッドの圧縮力が変更されることで、具材の密度調整が行えるようにしてあるので、具材が固まり過ぎたり、緩み過ぎたりせず、しかも形崩れせずにほどよい圧縮密度となって、搬送された米飯上に供給させることができる。
【0014】
具材供給装置には、米飯搬送機構によって具材投入位置まで搬送された米飯を検知するための検知センサを備えているので、おにぎり成形装置の米飯搬送機構との連携制御による具入れ作業の自動化制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を実施する一形態におけるおにぎり成形装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】同じくおにぎり成形装置における具材供給装置の一例を示す斜視図である。
【図3】同じく具材供給装置の具材搬送投入機構部の一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図4】同じく具材搬送投入機構部におけるスクリュー搬送部と具材投入部の一例を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図5】同じく(a)乃至(f)は具材搬送投入機構部による具材供給工程の一連の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明する。
本発明に係るおにぎり成形装置は、図1に示すように、キャスターによって移動可能とした台座1上に搬送コンベア2および計量コンベア3を直列に配置させ、該搬送コンベア2の上方後端側には、主計量部15aを備え、搬送コンベア2の上方前端側には、補助計量部15bを備えている。
【0017】
また、台座1の後側には、左右一対の縦レール16に沿って米飯R容器を昇降自在とするライスリフタ17が設けられており、このライスリフタ17にて米飯Rは上部の供給ホッパー18位置まで持ち上げられ、ライスリフタ17上端の反転部19を介して当該供給ホッパー18内に米飯Rが投入されるものとしてある。
【0018】
供給ホッパー18の下端開口側には、前後一対の解しローラと、中央の搬送ローラと、上側解しローラとによる分岐機構を介して米飯Rが振り分けられた後、主計量部15a、補助計量部15bそれぞれに投入される。そして、主計量部15aにより測定された米飯R重量の差分値に対応して調整された定量米飯Rが補助計量シャッタを介して搬送コンベア2に供給されるようにしてある。
【0019】
計量コンベア3の下方には、搬送コンベア2によって搬送し移載されたシート状米飯Rの全ての計量を行うためのロードセルを備えている。また、計量コンベア3の上方には、不図示のクランクリンク機構により、昇降可能と同時に当該計量コンベア3に沿って引き込み移動するシート状米飯移載供給部4が設けられ、計量コンベア3により前端位置まで搬送されてきた米飯Rを、計量コンベア3の前方に配置されている米飯搬送機構である例えば間欠回転可能なターンテーブルTの例えば合計8個の矩形状の載置面Sの一つに引き込ませるようにしてある。
【0020】
また、シート状米飯移載供給部4位置におけるターンテーブルT上には、下面に具穴形成用突起を備え、載置面Sの内径側に位置する縦長矩形状のガイド部に沿って昇降スライドする具穴成形器7が配されている。
【0021】
ターンテーブルTにおいてシート状米飯移載供給部4の位置と略直角な下流側位置には、シート状米飯Rの具穴に具材Qを供給するための具材供給装置20が配されている。
【0022】
すなわち、この具材供給装置20は、図2に示すように、キャスターKによって移動可能とした台座21上に具材搬送投入機構部22が設けられ、この上には具材供給ホッパー23が載せられている。また、具材搬送投入機構部22および具材供給ホッパー23の横には、不図示の駆動源を備えた制御部24が隣接配置されている。
【0023】
具材搬送投入機構部22は、図2、図3(a)乃至図3(c)、図4(a)、図4(b)に示すように、この上端開口部が具材供給ホッパー23の下端開口部に接続され、上端開口部は円弧面状の導入用底部25を介してスクリュー搬送部26に通じている。また、導入用底部25には、駆動源によって回転する回転軸27aに一体形成された略コ字枠状の撹拌羽根27が配置され、具材供給ホッパー23からの具材Qを撹拌しながらスクリュー搬送部26に送るように形成されている。
【0024】
尚、この撹拌羽根27は、図3(b)、図4(b)に示すように、コ字枠の中央枠片部分が導入用底部25の表面に摺接されており、この撹拌羽根27の回転によって、導入用底部25に付着する具材Qを掻き取る機能も備えている。
【0025】
スクリュー搬送部26には、図2、図3(a)、図3(c)、図4(a)に示すように、駆動部によって回転される水平回転軸28が上方の撹拌羽根27と並列に配置されており、この水平回転軸28には具材Qを撹拌しながら水平方向に搬送するためのスクリュー羽根29が付設されている。そして、この駆動部によるスクリュー羽根29のトルク制御、すなわち水平回転軸28の回転数制御によって具材Qの密度調整が行えるようにしてある。
【0026】
さらに、本機構には具材Qに対しスクリュー羽根29による圧縮が掛かり過ぎると水平回転軸28を回転させる駆動源が停止するように設定してある。
【0027】
スクリュー搬送部26の隣りには、水平回転軸28に沿って水平方向に開穿された連通部30を内部に有する具材投入部31が配置されている。すなわち、具材投入部31は、図2、図3(a)乃至図3(c)、図4(a)に示すように、連通部30に通じる後部側の縦穴32aに具材圧縮用プレスヘッド33aが挿入配置されており、該具材圧縮用プレスヘッド33aは、不図示の駆動源によって揺動する2連のクランクリンクアーム34aにより昇降駆動されるようになっている。
【0028】
これと並行に、連通部30に通じる前部側の縦穴32bに具材投入用プレスヘッド33bが挿入配置されており、該具材投入用プレスヘッド33bは、不図示の駆動源によって揺動する2連のクランクリンクアーム34bにより昇降駆動されるようになっている。また、この具材投入用プレスヘッド33bに対応して、連通部30の前部側下面には具材投入用連通孔30aが形成され、後述するように前方に移動したときの具材投入孔36と連通するようになっている。
【0029】
また、図2、図3(a)乃至図3(c)、図4(a)に示すように、スクリュー搬送部26の下面から、具材投入部31の下面にかけては、不図示の駆動源によって揺動する2連のクランクリンクアーム35aにより水平方向に往復スライド可能とした横スライド板35が配置されており、該横スライド板35の前側には、定量分割用の計量マスとして機能するための所定の容積を備えた具材投入孔36を備えている。
【0030】
この具材投入孔36は、横スライド板35が後退移動したときには、具材圧縮用プレスヘッド33aの真下に位置し、横スライド板35が前進移動したときには、具材投入用プレスヘッド33bの真下に位置するものとなっている。そして、具材投入孔36が具材圧縮用プレスヘッド33aの真下に位置したときには、当該具材圧縮用プレスヘッド33aが下降移動して具材投入孔36内で具材Qが所定の密度に圧縮されるようにしてある。
このとき、駆動部によるクランクリンクアーム34a駆動軸側のトルク制御によって具材圧縮用プレスヘッド33aの圧縮力が変更され、これによって具材Qの密度調整が好適に行えるようにしてある。
【0031】
また、横スライド板35が前進移動して具材投入孔36が具材投入用プレスヘッド33bの真下に位置し、連通部30の具材投入用連通孔30aと合致したときには、具材投入用プレスヘッド33bが下降移動し、具材投入孔36内の具材Qを具材投入用連通孔30aから突き落とし、下方のターンテーブルTの載置面S上にあるシート状米飯R上に、上記構成によって定量分割された具材Qが載せられるものとしている。すなわち、シート状米飯Rの上面中央に凹設された具穴に適量の具材Qが落下充填されるものとなっている。
【0032】
さらに、具材供給装置20には、ターンテーブルTの載置面S上にあるシート状米飯Rを検知するための検知センサを備えている。
【0033】
ターンテーブルTにおいてシート状米飯移載供給部4の位置から180°反対側にある下流側位置には、具穴に具材Qが充填されたシート状米飯Rをロードセル52を介して載置面Sごと浮かせて計量するフロート式最終計量部51を配してある。
【0034】
そして、ターンテーブルTにおいて、シート状米飯移載供給部4の位置から270°下流側位置には、不図示のリンク機構によって中央面を介して左右折込片を折り込み可能として成る折込板5が前後のゲート部を介して配置されている。そして、この折込板5を介して、円周上に沿って複数のおにぎり成形孔を周設して成る縦型成形テーブル6が間欠回転可能に配置されている。
【0035】
また、折込板5位置におけるターンテーブルT上には、略コ字枠状の折込挿入枠8が配され、さらに縦型成形テーブル6の一端側面には、当該縦型成形テーブル6の複数のおにぎり成形孔の内の一つに隣接するよう整列アームを備えた排出コンベア9が配されている。さらに、縦型成形テーブル6の他端側面には、折込挿入枠8の一端側面に設けた挿入型に対応する予備成形型10と、排出コンベア9に対応する排出型11と、縦型成形テーブル6のおにぎり成形孔を介して左右一対となった本成形型12とがそれぞれ配置されている。
【0036】
折込挿入枠8は、ターンテーブルTと折込板5との間を不図示のクランクリンク機構によって前後往復移動と同時に昇降可能としてあり、当該折込挿入枠8のコ字枠内側にターンテーブルT上のシート状米飯Rを保持させ、コ字枠一端側の押出片によりシート状米飯Rを押し出して折込板5位置まで移動させる。
【0037】
これと同時に、当該折込挿入枠8のコ字枠他端側外面に付設されている三角形状の押込型によって、折込板5上で三角形状に折り込まれているシート状米飯Rを縦型成形テーブル6のおにぎり成形孔に挿入した後に、折込挿入枠8はいったん上昇し、ターンテーブルT側に後退して元の載置面Sの位置に下降するようにしてある。
【0038】
次に、以上のように構成された具材供給装置についての使用、動作の一例について説明する。
先ず、ライスリフタ17にて米飯Rは上部の供給ホッパー18位置まで持ち上げられ、ライスリフタ17上端の反転部19を介して当該供給ホッパー18内に米飯Rが投入される。
【0039】
そして、供給ホッパー18の前後一対の解しローラと、中央の搬送ローラと、上側解しローラとによる分岐機構を介して米飯Rが振り分けられた後、主計量部15a、補助計量部15bそれぞれに投入される。
【0040】
シート状米飯Rは、搬送コンベア2によって補助計量部15bの位置まで搬送され、同時に、主計量部15aにより測定された米飯R重量の差分値に対応して調整された定量米飯Rが搬送コンベア2に供給される。
【0041】
シート状米飯Rは計量コンベア3に移載され、当該計量コンベア3におけるロードセルによって全計量が行われる。
【0042】
シート状米飯移載供給部4が下降し且つ前進移動して、計量コンベア3により前端位置まで搬送されてきた米飯Rを、計量コンベア3の前方に配置されている間欠回転可能なターンテーブルTの載置面Sの一つに引き込ませる。
【0043】
具穴成形器7がガイド部に沿って下降し、下面の具穴形成用突起によりシート状米飯Rに具穴が形成される。
【0044】
具穴形成後には、シート状米飯RはターンテーブルTによって具材供給装置20位置まで搬送され、そこで具穴に具材Qが落下充填される。
【0045】
この具材供給装置20では、先ず、図5(a)に示すように、検知センサによってターンテーブルTの載置面S上にあるシート状米飯Rが検知される。尚、具材供給装置20の具材供給ホッパー23には予め具材Qが投入されている。
【0046】
図5(b)に示すように、具材供給ホッパー23内の具材Qは具材搬送投入機構部22の導入用底部25に落下し、導入用底部25上で回転する撹拌羽根27によって具材Qを撹拌しながらスクリュー搬送部26に送られる。そして、スクリュー搬送部26内において、スクリュー羽根29により具材Qを撹拌しながら水平方向に搬送する。このとき、不図示の駆動部によるスクリュー羽根29のトルク制御によって具材Qの密度調整が行われる。そして、具材Qに対しスクリュー羽根29による圧縮が掛かり過ぎた場合、すなわちスクリュー羽根29の負荷が大きい場合には、水平回転軸28を回転させる駆動源がいったん停止される。
【0047】
図5(c)に示すように、スクリュー羽根29により搬送された具材Qは、隣の具材投入部31における連通部30内に送られる。このとき、横スライド板35は後退移動して具材投入孔36は具材圧縮用プレスヘッド33aの真下に位置しているため、具材Qは横スライド板35の具材投入孔36内に供給される。これと同時に、具材圧縮用プレスヘッド33aが下降移動して具材投入孔36内の具材Qは所定の密度に圧縮される。このとき、駆動部のトルク制御によって具材圧縮用プレスヘッド33aの圧縮力が変更され、これによって具材Qの密度調整が適切に行なわれる。
【0048】
図5(d)に示すように、具材Qの圧縮後、具材圧縮用プレスヘッド33aが上昇移動し、これに連動して横スライド板35が前進移動する。このとき、連通部30の後部側ではスクリュー羽根29により具材Qが供給されている。
【0049】
図5(e)に示すように、横スライド板35の前進移動によって具材投入孔36は、具材投入用プレスヘッド33bの真下に位置し、連通部30の具材投入用連通孔30aと合致する。このとき、具材投入用プレスヘッド33bが下降移動し、具材投入孔36内の具材Qを具材投入用連通孔30aから突き落とし、下方のターンテーブルTの載置面S上にあるシート状米飯Rの具穴に、上記工程によって定量分割された具材Qが落下充填される。
【0050】
図5(f)に示すように、具材Q投入後には、具材投入用プレスヘッド33bが上昇移動すると同時に横スライド板35が後退移動して元の状態に戻り、以後は同じ動作が繰り返される。
【0051】
シート状米飯RはターンテーブルTによってフロート式最終計量部51位置まで搬送され、具穴に具材Qが挿入されたシート状米飯Rをロードセル52を介して載置面Sごと浮かせて最終計量する。
【0052】
さらに、シート状米飯RはターンテーブルTによって折込板5位置まで搬送され、シート状米飯Rが折込挿入枠8のコ字枠内側に導入され、折込挿入枠8の前進移動によりシート状米飯Rが前側のゲート部を介して折込板5上に移載される。
【0053】
さらにターンテーブルTが回転して、他のシート状米飯Rが折込挿入枠8のコ字枠内側に導入される。
【0054】
リンク機構が作動し、折込板5の左右折込片が中央面を介して互いに内側へ折り込まれてシート状米飯Rを略三角形状に折り込む。
【0055】
折込成形後には、左右の折込片が開く。そして、クランクリンク機構の作動により、折込挿入枠8が前進して当該折込挿入枠8のコ字枠内側にターンテーブルT上のシート状米飯Rを保持させ、押出片により折込板5位置までシート状米飯Rを移動させる。
【0056】
これと同時に、折込挿入枠8のコ字枠外側の押込型がスライドすることによって、折込板5上で略三角形状に折り込まれているシート状米飯Rを縦型成形テーブル6のおにぎり成形孔に挿入する。
【0057】
折込挿入枠8が上昇してターンテーブルT側に後退し、元の載置面Sの位置に下降する。このとき、ターンテーブルT(載置面S)の回転により次のシート状米飯Rが待機している。
【0058】
シート状米飯Rが縦型成形テーブル6のおにぎり成形孔に挿入された際には、縦型成形テーブル6が予備成形位置まで回転し、予備成形型10により予備成形される。
【0059】
そして、縦型成形テーブル6が本成形位置まで回転し、本成形型12により本成形される。
【0060】
次いで、縦型成形テーブル6が排出位置まで回転し、本成形後のおにぎりは、排出型11によりおにぎり成形孔から排出コンベア9に排出される。
【0061】
排出されたおにぎりは搬出コンベア9によって搬送され、手作業で取り出された後、包装されるか、あるいはおにぎり包装工程まで自動搬送されてからそこで自動包装されて完成品となる。
【0062】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良変形等は本発明に包含されるものである。例えば、米飯搬送機構は、間欠回転可能なターンテーブルTに限らず、間欠直進可能な搬送コンベア等であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
T ターンテーブル
Q 具材
R 米飯
S 載置面
1 台座
2 搬送コンベア
3 計量コンベア
4 シート状米飯移載供給部
5 折込板
6 縦型成形テーブル
7 具穴成形器
8 折込挿入枠
9 排出コンベア
9a 整列アーム
10 予備成形型
11 排出型
12 本成形型
15a 主計量部
15b 補助計量部
16 縦レール
17 ライスリフタ
18 供給ホッパー
19 反転部
20 具材供給装置
21 台座
22 具材搬送投入機構部
23 具材供給ホッパー
24 制御部
25 導入用底部
26 スクリュー搬送部
27 撹拌羽根
27a 回転軸
28 水平回転軸
29 スクリュー羽根
30 連通部
31 具材投入部
32a 後部側の縦穴
32b 前部側の縦穴
33a 具材圧縮用プレスヘッド
33b 具材投入用プレスヘッド
34a、34b クランクリンクアーム
30a 具材投入用連通孔
35 横スライド板
35a クランクリンクアーム
36 具材投入孔
51 フロート式最終計量部
52 ロードセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯搬送機構によって搬送された米飯に、具材を定量分割して自動供給させるおにぎりの具材供給装置であって、
該装置は、具材を撹拌しながら具材投入側に搬送するスクリュー羽根を備えたスクリュー搬送部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドを昇降可能に配置させた具材投入部と、
具材圧縮用プレスヘッドおよび具材投入用プレスヘッドそれぞれの真下で往復移動させることで両プレスヘッドに各対向させる定量分割用の計量マスとして機能する具材投入孔を形成した横スライド板とを備え、
横スライド板の具材投入孔が具材圧縮用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材圧縮用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内で具材を所定の密度に圧縮させ、
横スライド板の具材投入孔が具材投入用プレスヘッドの真下に位置したときには、具材投入用プレスヘッドが下降移動して具材投入孔内の具材を突き落とし、下方の米飯搬送機構によって搬送された米飯上に当該具材が載せられるものとしたことを特徴とするおにぎりの具材供給装置。
【請求項2】
スクリュー搬送部は、スクリュー羽根のトルク制御によって具材の密度調整が行えるようにしてある請求項1記載のおにぎりの具材供給装置。
【請求項3】
具材投入部は、トルク制御によって具材圧縮用プレスヘッドの圧縮力が変更されることで、具材の密度調整が行えるようにしてある請求項1または2記載のおにぎりの具材供給装置。
【請求項4】
具材供給装置には、米飯搬送機構によって具材投入位置まで搬送された米飯を検知するための検知センサを備えている請求項1乃至3のいずれかに記載のおにぎりの具材供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−62107(P2011−62107A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214176(P2009−214176)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(591094262)鈴茂器工株式会社 (74)
【Fターム(参考)】