おにぎり製造装置
【課題】 このおにぎり製造装置は,米飯を押し硬めることなく,あたかも人が手で握ったようなふっくらとした食感の良いおにぎりを製造する。
【解決手段】 このおにぎり製造装置は,おにぎり1個分の米飯塊aを供給コンベヤ7上に順次供給する定量米飯塊供給装置1,供給コンベア7上の米飯塊aを解し広げるローラ8,9を備えた解し広げ装置2,広げられた平らな米飯bに所定の具cを載せるロータリテーブル11上に設けられた具供給ステーション3,具載置米飯d上の具cを包み込むため具cの周辺の部分の米飯dを具cの上に折り込む米飯折込み装置4,具入り米飯eを所定の形状に成形するため接離可能な複数の成形型12から成る成形装置5,及び具入り米飯eを成形して構成されたおにぎりfを送り出す送出装置から構成されている。
【解決手段】 このおにぎり製造装置は,おにぎり1個分の米飯塊aを供給コンベヤ7上に順次供給する定量米飯塊供給装置1,供給コンベア7上の米飯塊aを解し広げるローラ8,9を備えた解し広げ装置2,広げられた平らな米飯bに所定の具cを載せるロータリテーブル11上に設けられた具供給ステーション3,具載置米飯d上の具cを包み込むため具cの周辺の部分の米飯dを具cの上に折り込む米飯折込み装置4,具入り米飯eを所定の形状に成形するため接離可能な複数の成形型12から成る成形装置5,及び具入り米飯eを成形して構成されたおにぎりfを送り出す送出装置から構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を包み込んだ米飯を,成形に当たって押し硬めることなく,あたかも人が手で握ったようなふっくらとした食感の良いおにぎりに形成することができるおにぎり製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,各コンビニエンスストアー, スーパー等のおにぎり販売区画で販売されているおにぎりを製造する場合には, 主として,おにぎりを成形するため成型円盤を用いたおにぎり製造装置が使用されている。おにぎり製造装置の各関連機械メーカーにおいても, 食感の良いおにぎりを製造することへの要望に応えるため装置そのものを如何に構成すれば良いかの検討が始められており, 現在では各種の特許文献が公開されている現状である。
【0003】
また,おにぎり製造装置として,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を米飯内に包み込んで,人手の握りによるおにぎりに近い品質のおにぎりを製造するものが知られている。該おにぎり製造装置は,周囲に成型孔を有すると共に間歇回動する成型円盤の周囲に前記成型孔の停止時に作動する米飯装置,具穴形成装置及び具供給部を順次設けたものであり,具供給部に引き続いて成型孔の下方位置に成型孔内の米飯を扛上する米飯リフターを設けると共に,該米飯リフターに対向して成型孔の上方位置に扛上された米飯の上端を中央部に寄せ集めて具穴を閉鎖する包み込み装置を設けたものである。該おにぎり製造装置は, 間欠的に回動する成型円盤の成型孔に定量の米飯を供給し,成型円盤の周囲に配設した成形ユニットにより, おにぎりを所定の形状に成形するものである(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,手作り感の高いおにぎり製造装置を製造可能にした食品成形装置が知られている。該食品成形装置は,所定量に計量された食材を下方に投下する供給部と,該供給部から投下された食材を中央成形型枠と,該中央成形型枠の左側に設けた左側成形型枠と,前記中央成形型枠の右側に設けた右側成形型枠とで受け止めると共に,前記左側成形型枠上の米飯と前記右側成形型枠上の米飯を中央成形型枠上に折り返して前記食材を所定形状に成形する成形部とを備えているものである。該食品成形装置において,左側成形型枠は,水平状態に突出させた左側回転軸に装着した左側支持型枠と左側押圧型枠とで構成され,右側成形型枠は,水平状態に突出させた右側回転軸に装着した右側支持型枠と右側押圧型枠とで構成され,左側回転軸及び右側回転軸の回転に基づいて左側押圧型枠及び右側押圧型枠を回転させ,それによって,左側押圧型枠と,右側押圧型枠と,中央成形型枠とで食材を所定形状に押圧成形するように構成したものである(例えば,特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3717900号公報
【特許文献2】特開2007−49937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで,本出願人に係る上記おにぎり製造装置では,成型円盤を用いるものであって,均一な品質のおにぎりを大量に製造する装置としては, 非常に優れた装置であるが,おにぎりの成形工程では, 米飯を成型孔内の周囲の壁と成型孔内で作動する上下の成形ユニットにより, 米飯が型内で全く逃げ場のない状態にして圧縮し成形するので, 出来上がったおにぎりが, 手で握ったおにぎりに比較して硬く,ふっくら感に欠ける傾向があった。また,上記のおにぎり製造装置では,米飯へ具を供給する作業が米飯に具穴を空け,該具穴の中に所定の具を人が手で供給しているので,具入れ作業に熟練を要し,具入れ作業の負担が大きくなっていた。また,上記おにぎり製造装置は,米飯の具穴に具を入れた具入り米飯を,成型円盤上に形成した成型孔内で一度に圧縮成形しているので,出来上がったおにぎりが硬く食感が良いとは言えないものであった。
【0006】
また,最近では,おにぎりを食する消費者も含め, おにぎり製造業界の関係者の声として「手作り感のあるふっくらとしたおにぎり」の製造を機械でできないかという声が強まっているのが現状である。そこで,本出願人は,上記の課題を考慮して, 人が手でおにぎりを握るときの動作を改めて細かく分析してみて, 特に,米飯上に所定の具を載せた後に, 具を米飯で包み込むように,米飯を折り込む時の動きと,米飯を所定形状に成形しておにぎりを成形する時の成形型の動きについては, 出来るだけ人の手の動きに近づけることにより,手作り感のあるふっくらとしたおにぎりを製造することができるのではないかとの結論に至った。
【0007】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を包み込んだ米飯を成形型によって押し硬めることなく,成形型によって具入り米飯を所定の形状のおにぎりに形作るように構成し,あたかも人が手で握ったようなふっくらとした食感の良いおにぎりを製造すると共に,おにぎりの形状を変更する場合には,所定の成形型に単に交換するのみで,おにぎりの形状を変更できるように構成し,また,具供給ステーションと予備成形装置とをロータリテーブルに設けることによって,おにぎりを高効率に製造して大量生産を可能にし,コストダウンを図ることができるおにぎり製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は,おにぎり1個分の予め決められた所定量の米飯塊を供給コンベヤ上に順次供給する定量米飯塊供給装置,走行状態の前記米飯塊上で転動して前記供給コンベア上の前記米飯塊を所定形状に解し広げて具載置部を備えた平らな米飯を形成する複数のローラを備えた解し広げ装置,前記平らな米飯の前記具載置部に所定の具をそれぞれ載置して具載置米飯を形成するための具供給ステーション,前記具載置米飯を所定の形状に予備成形する予備成形型を備えた予備成形装置,予備成形された前記具載置米飯上の前記具を前記米飯で包み込むため前記米飯内に前記具を折り込む米飯折込み装置,前記具が包み込まれた具入り米飯を成形コンベヤ上で予め決められた所定形状に成形するため前記具入り米飯に接離可能な複数の成形型から成る成形装置,及び前記具入り米飯を成形して構成されたおにぎりを送り出す送出装置から構成されていることを特徴とするおにぎり製造装置に関する。
【0009】
また,このおにぎり製造装置において,前記成形装置における前記成形型は,前記成形コンベヤ上で走行する前記具入り米飯に対して,走行方向の前面を成形する成形前面型,走行方向の後面を成形する成形後面型,及び走行方向の両側面を成形する一対の成形側面型から構成され,対向状態の前記成形前面型と前記成形後面型とが前記具入り米飯を位置決め保持して相対的に近接移動すると共に,前記一対の成形側面型が互いに対向して小刻みに接離しながら近接移動して前記具入り米飯を所定の形状のおにぎりに成形するものである。
【0010】
このおにぎり製造装置において,前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取るロータリテーブル上に設けられているものである。更に,前記定量米飯塊供給装置は前記供給コンベヤ上に前記米飯塊を2列ずつ順次供給し,前記予備成形装置における前記予備成形型は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に予備成形し,前記米飯折込み装置は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に折り込んで前記具入り米飯に成形するものである。
【0011】
また,前記米飯折込み装置は,前記ロータリテーブルの周辺に隣接して前記ロータリテーブルとほぼ同一面に設置された反転自在な折込み型と,前記ロータリテーブル上の前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上にスライドガイドに沿って移動させる寄せ型から成り,前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上に移動させた状態で前記折込み型を反転させて前記具の載置した半分の前記米飯上に折り込むことによって具入り米飯が形成されるものである。
【0012】
また,このおにぎり製造装置は,前記ロータリテーブルの進行方向において前記ロータリテーブル上の前記具入り米飯を1個ずつそれぞれ受け取る2列の成形コンベアが設置されており,前記成形装置は前記成形コンベヤ上にそれぞれ設けられているものである。
【0013】
或いは,このおにぎり製造装置において,前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取る具供給コンベヤ上に設けられているものである。更に,前記米飯折込み装置は,前記具供給コンベヤの端部に設置されたスライド自在なシャッタ,及び前記シャッタの下方に設置された互いに逆方向に回転する一対の折込みローラから成り,前記シャッタ上に送り込まれた前記具載置米飯を前記シャッタを引き込めることによって前記具載置米飯が落下して前記折込みローラ間を通過する際に前記具が前記米飯で折り込まれて前記具入り米飯に成形されて前記成形コンベヤ上に送り出されるものである。
【発明の効果】
【0014】
このおにぎり製造装置は,上記のように構成されているので,おにぎりが押し硬められることなく,おにぎりの中に入れられる具を米飯が包み込む状態がふっくらとした状態に成形でき,ふっくら感のあるおにぎりに製造することができる。即ち,このおにぎり製造装置は,具供給ステーションに送り込まれた解し広げられた具載置部が形成された平らな米飯上に所定の具を載置するだけの作業であり,米飯への具の供給作業が容易になり,作業者の負担を軽減することができ,特に,従来の成型円盤上に形成した成型孔内で一度に圧縮成形する工程に換えて,具載置米飯を予備成形すると共に具の米飯へ折り込む工程と,所定の形状へのおにぎりへの成形工程との2つの工程に分け, おにぎりの成形工程の動きを前後面型と両側面型とから成る成形型によってあたかも人が両手の平で米飯に具を包み込んで握る時と同じように, 成形型が細かい接離の往復運動を繰り返しながら所定の形状に成形し,それによって,出来上がったおにぎりが「ふっくら」とした食感の良いおにぎりになる。更に,このおにぎり製造装置は,おにぎりの形状の変更,例えば, 三角形, たわら形,丸形等の所望の形状に,成形型のみを単に交換するだけで容易に対応することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下,図面を参照して,この発明によるおにぎり製造装置の実施例を説明する。このおにぎり製造装置の実施例では,概して,図1に示す米飯を搬送するのにベルトコンベヤ即ちコンベヤを使用したコンベヤ式おにぎり製造装置と,図2に示す米飯を搬送するのにロータリテーブルを使用したロータリテーブル式おにぎり製造装置とについて説明している。従来の成型円盤を用いるおにぎり製造装置の場合には,おにぎりの形状を変更する場合に,成形型を変更する型換えの時に,成形円盤全体を交換していたが,この発明によるおにぎり製造装置は,複数の対になった成形型を用いる成形装置であり,おにぎりの形状を変更する場合には,成形型のみの交換で対応することができ,それ故に,おにぎりの成形型の交換が従来のものに比較して型換えがシンプルになり,おにぎりの形状変更を容易に行うことができ,また,おにぎりの多品種少量生産を要求されるおにぎり製造工場にとっては, 作業面のスペース上の問題, 費用面で大幅なコストダウンが可能になり,大きなメリットを発揮するものである。
【0016】
このおにぎり製造装置は,図1又は図2に示すように,概して,(A)米飯容器即ちホッパ44に収容される米飯を計量して所定量の米飯塊aを供給コンベヤ7上に供給する定量米飯供給装置1,(B)供給コンベヤ7上の米飯塊aを解しながら広げて具載置部gを備えた平らな米飯bに成形するローラ8,9から成る解し広げ装置2,(C)広げた平らな米飯b上に所定の具cを人の手で載置する具供給ステーション3B,3R(総称は3),(D)具cが載せられた具載置米飯dを該米飯で具cを包み込みながら折り込んで包み込む米飯折込み装置4B,4R(総称は4),(E)具入り米飯eを成形型12で所定の形状のおにぎりfに成形する成形装置5,及び(F)具入り米飯eを成形して完成したおにぎりfを搬出する送出コンベヤ28から成る送出装置(図示せず)から構成されている。
【0017】
このおにぎり製造装置の一実施例として,特に,図1を参照して,定量米飯供給装置1,解し広げ装置2,具供給ステーション3B,米飯折込み装置4B,及び成形装置5について説明する。
【0018】
図1,図8〜図11に示すように,定量米飯供給装置1は,おにぎりfの1個分の予め決められた所定量の米飯塊aを供給コンベヤ7上に順次に供給するものである。定量米飯供給装置1は,コンベヤ45によって米飯hが運び込まれるホッパ44,コンベヤ45からホッパ44に供給される米飯hを検出する米飯センサ47,及び予め決められた所定量の米飯塊aを計量して供給コンベヤ7に米飯塊aを供給するためホッパ44の下端部に設けられた対向状態の一対のシャッタ46を備えている。ホッパ44は,主として,前面プレート57,後面プレート58及び一対の米飯送りプレート48を備えている。一対の米飯送りプレート48は,ホッパ44から米飯hを送り出すため水平方向に接離可能で上下方向に上下動可能に作動される。米飯送りプレート48は,図10に示すように,カム50が回転作動することによってローラ52とレバー51を介して上昇・下降の動きを行っている。また,米飯送りプレート48の下降時には,米飯送りプレート48はカム50の回転作動で強制的に下降するが,米飯送りプレート48の上昇時には,米飯送りプレート48はばね49のばね力で上昇するように構成されている。また,一対の米飯送りプレート48の互いの開閉作動は,図11に示すように,一対のスライドブロック91がスライド軸53上を移動することによって行われている。米飯送りプレート48が閉じる時は,ばね54のばね力により達成され,また,米飯送りプレート48が開く時は,カム55,56(図10)の動きにより達成される。一対の米飯送りプレート48は,互いに離間した開放状態で上昇し,ホッパ44はコンベヤ45から送り込まれた米飯hを受け入れる。この時,シャッタ46はホッパ44の下端を閉鎖した状態である(図8)。次いで,一対の米飯送りプレート48は,互いに近接し,シャッタ46がホッパ44の下端を開放した状態で閉じて下降し,そこで,所定量の米飯hが下方に下降すると,一対のシャッタ46がホッパ44の下端を閉じて所定量の米飯hが切り離され,定量された米飯塊aとして供給コンベヤ7上に落下させられる(図9)。
【0019】
解し広げ装置2は,供給コンベヤ7上に供給された走行状態の米飯塊aを予め決められた所定形状に解して広げられた平らな米飯bに成形するための転動状態のローラ8と,ローラ8の後流に配置され且つ平らな米飯bに縦溝状の具載置部gを形成するための転動状態のローラ9とから構成されている(図3参照)。ローラ8は,進行方向の前後に2個配設されており,2個のローラ8によって米飯塊aが平らな米飯bに確実に成形されるようになっている。ローラ9は,平らな米飯bの中心に溝状の具載置部gを形成する機能を果たしている。具載置部gは,溝状であるので,具cが載置し易くなっている。具載置部gを備えた平らな米飯bは,図1に示すように,供給コンベヤ7から移送部材24の作動によって供給コンベヤ7の端部に隣接して設置された受プレート33に搬送され,次いで, 平らな米飯bは,受プレート33上から移送部材25の作動によって具供給コンベヤ10に搬送される。具供給コンベヤ10には,具供給ステーション3Bが設けられている。具供給ステーション3Bに送られた平らな米飯bは,具供給ステーション3Bで人の手作業により, 平らな米飯bの具載置部gに予め決められた所定の具cが載置される。
【0020】
具供給ステーション3において,平らな米飯bの具載置部gに具cが載置された具載置米飯dは, 具供給コンベヤ10によって運ばれ, 具供給コンベヤ10の先端で米飯センサ32により通過したことが検知される。米飯センサ32による具載置米飯dの検知信号により,具載置米飯dは,予備成形前型30と予備成形後型31とから成る予備成形装置6によって具cを具載置米飯dで包み込み易い所定の形状に予備成形される。まず,具供給コンベヤ10上の具載置米飯dが通過した後に,予備成形前型30が具載置コンベヤ10上の具載置米飯dの後面に向かって下降し, 予備成形前型30によって具載置米飯dを後押しして前方シャッタ21上に送りながら予備成形後型31に押し当てる。予備成形前型30は,エアシリンダ(図示せず)の作動によりレバー(図示せず)を介して具載置米飯dに対して上下動させられ,また,別のエアシリンダ(図示せず)の作動によりスライドガイド(図示せず)を介して予備成形後型31へと進行して具載置米飯dを移動させる。具載置米飯dに予備成形することにより具載置米飯dの周囲は, 具cを折込み易い所定の形状に予備成形される(図4参照, 所定形状は三角)。
【0021】
次いで,図5,図12,図13に示すように,予備成形された具載置米飯dは,その半分を具cを載置した側の半分へと折り込んで具入り米飯eに成形する。米飯折込み装置4Bでは, シャッタ21上の予備成形された米飯dは,シャッタ21が移動して一対の折込みローラ22,23の上面が開くことにより下方に落下する。その時, 一対の折込みローラ22,23の内向きの回転に補助されながら,具載置米飯dが具cを包み込むような状態で中心部から折れ曲がってシュート29に案内されて, 成形コンベヤ17上に落下する。シャッタ21の往復動は,エアシリンダ59の駆動で作動されるローラ60及びレバー61を介してガイド66に案内されて行われる。折込みローラ22,23は,フレーム90に固定された支持台89に設置されているモータ62の駆動で作動される。折込みローラ22,23は,モータ62によって回転するギヤ63,64,65を介して矢印のように互いに逆方向に回転し,具載置米飯dを巻き込んで具cを米飯で包み込んで具入り米飯eとしてシュート29に案内されて下方に落下させ,具入り米飯eを成形コンベヤ17(18,19)へと搬送される。
【0022】
次に,成形装置5を,図6,図7,図14〜図17を参照して説明する。具載置米飯dは米飯折込み装置4Bを通って具cが折り込まれた具入り米飯eに成形され,具入り米飯eは, 具供給コンベヤ10から成形コンベヤ17に運ばれ,成形コンベヤ17に設けられた成形装置5によって所定の形状のおにぎりfに最終成形される。成形装置5は,成形前面型13,成形後面型14,及び成形前面型13と成形後面型14との間に位置する一対の成形側面型15,16から成る成形型12から構成されている。成形装置5は,成形コンベヤ17を中心にして両側即ち左右に成形前面型13と成形後面型14を作動する同じ機構がフレーム75に設置されている。成形側面型15,16は,成形コンベヤ17を中心にして両側に分かれて設置されており,揺動装置85によって揺動する。揺動装置85は,図16及び図17に示すように,エアシリンダ80の駆動によりピン78を中心に揺動するレバー76を介してスライドレール77上を往復移動して開閉作動することによって成形側面型15,16を揺動させる。また,このおにぎり製造装置は,人が手で具入り米飯eを握る状態と同じ状態にするため,成形側面型15,16に細かく接離する状態の往復運動をさせており,その機構は図17に示している。成形側面型15,16は,モータ84の駆動によってギヤ82,83を回動させ,その動きはローラ81を介してレバー76からピン79を通じて揺動させられる。成形前面型13と成形後面型14とは,具入り米飯eを介して対向状態になって次いで成形前面型13が成形後面型14へと近づき具入り米飯eを位置決め保持するものであって,エアシリンダ67とラック68による直線往復運動を,ラック68に噛み合うピニオン69とピニオン69の回転で揺動するリンク70,71,72,73及びジョイントプレート74を介して円弧運動をするように構成されている。成形装置5における成形型12の動作は, 図6に示すように,具cが折り込まれた具入り米飯eが定位置に運ばれてくると, 成形後面型14が上方から下方へ移動して接移動し,具入り米飯eの保持し, 次いで,成形前面型13が上方から下方へ移動して, 成形前面型13と成形後面型14とによって具入り米飯eの前後の成形を行う。次いで,具入り米飯eの前後面が成形前面型13と成形後面型14とで位置決め保持されている具入り米飯eに対し, 図7に示すように,一対の成形側面型15,16が小刻みに接離しながら近接移動して,具入り米飯eの成形を行って,具入り米飯eを所定の形状のおにぎりfに成形する。具入り米飯eの本成形が終了して, 完成されたおにぎりfび成形されると,おにぎりfは, 成形前後面型13,14と成形側面型15,16から解放されて送出コンベヤ28への送出される。
【0023】
次に,このおにぎり製造装置の別の実施例を,特に図2を参照して説明する。このおにぎり製造装置は,主として,定量米飯供給装置1,解し広げ装置2,具供給ステーション3R,米飯折込み装置4R,及び成形装置5を有している。また,この実施例では,おにぎりfの多量生産のために,解し広げ装置2,具供給ステーション3R,米飯折込み装置4R,及び成形装置5が2列に構成されているが,必ずしも2列に限られる必要はなく,おにぎりfの製造効率に従って,1列,又は3列以上に構成されても良いことは勿論である。この実施例では,定量米飯供給装置1と成形装置5とは,上記実施例のものと実質的に同様であるので,これらの重複する説明は省略する。この実施例は,本体フレーム37上に設置されているロータリテーブル11を用いるものであり,本体フレーム37上には,ロータリテーブル11の他に,一対の成形コンベヤ18,19,これらの集合させるためのコンベヤ43が設置されている。ロータリテーブル11には,具供給ステーション3R,予備成形装置6,及び米飯折込み装置4Rが設置されている。
【0024】
この実施例の定量米飯供給装置1は,おにぎりfの1個分の予め決められた所定量の米飯塊aを2列にして供給コンベヤ7に送り込むものであり,そのために定量米飯供給装置1と供給コンベヤ7との間にコンベヤ39を組み込んでいる。定量米飯供給装置1からの米飯塊aをコンベヤ39上に供給し,コンベヤ39上の隣接する2個の米飯塊aをコンベヤ39から移送部材38によって一緒に供給コンベヤ7上に順次に送り込む。供給コンベヤ7上に移送された米飯塊aは,移送コンベヤ8に設置された解し広げ装置2によって所定の形状に解し広げられる。解し広げ装置2は,供給コンベヤ7上に2列に載置された走行状態の米飯塊aを予め決められた所定形状に解して広げて平らな米飯bに成形するため転動状態の一対のローラ8と,これらのローラ8の後流に配置された縦溝状の具載置部gを形成するため解して広げられた平らな米飯b上で転動状態の一対のローラ9から構成されている。解し広げ装置2によって解し広げられた2列の平らな米飯bは,供給コンベヤ7から移送部材24によって本体フレーム37に設置されているロータリテーブル11上へ一緒に送り込まれる。
【0025】
ロータリテーブル11には,具供給ステーション3R,予備成形装置6,及び米飯折込み装置4Rが設けられ,ロータリテーブル11は,米飯の2個を一回で受け入れて運ぶため,間欠的に回動している。具供給ステーション3Rに搬送された平らな米飯bには,人の手作業によって具載置部gに予め決められた所定の具cが供給され,具載置米飯dが形成される。隣接する2個の具載置米飯dは,予備成形装置6によって予備成形され,次いで,ロータリテーブル11上で米飯折込み装置4Rによって具cが具載置米飯dで一緒に包み込まれて具入り米飯eが形成される。予備成形装置6は,具載置米飯を受け入れる一対の底付き凹部36が形成された一対の予備成形型20から成る。予備成形型20は,一方の予備成形型20がロータリテーブル11上の具載置米飯dを凹部36に保持してロータリテーブル11の半径方向外向きに移動する寄せ型41を構成し,他方の予備成形型20は,寄せ型41で移動された具載置米飯dを凹部36で受け止める折込み型40を構成している。具載置米飯dは,寄せ型41で折込み型40の方へ移動させられる際に,具cを具載置米飯dで包み込み易い所定の形状に予備成形される。
【0026】
米飯折込み装置4Rは,特に,図18〜図20に示すように,ロータリテーブル11とほぼ同一面でロータリテーブル11の周辺においてフレーム87に設けられた折込み型40,及びロータリテーブル11上の具載置米飯dをロータリテーブル11の周辺へ移動させる寄せ型41を備えている。寄せ型41は,スライドガイド42に案内されてロータリテーブル11の半径方向外向き即ち周辺へと移動するように構成されている(図18)。折込み型40と寄せ型41とは,互いに対向して2個の具載置米飯dを受け入れる底付き凹部36が形成されている。寄せ型41の作動によって具cが載置されていない具載置米飯dの半分が折込み型40上に移動させられ(図19),次いで,フレーム87に設けられたエアシリンダ88が作動して折込み型40が反転軸86を中心にして反転し,折込み型40上の半分の具載置米飯dがロータリテーブル11上の具載置米飯d上に覆い被さって具入り米飯eに形成される(図20)。具入り米飯eは,ロータリテーブル11から1個ずつ順次受け取るため,ロータリテーブル11に隣接して設けられた2列の成形コンベア18,19上に移送部材26,27によってそれぞれ移送される。
【0027】
また,成形コンベア18,19上には,上記実施例と同様の成形装置5がそれぞれ設けられている。成形コンベア18,19上の成形装置5に移送された具入り米飯eは,上記実施例と同様に成形装置5によって所定の形状のおにぎりfにそれぞれ最終成形される。成形コンベア19上のおにぎりfは,移送部材34によってコンベヤ43に移送され,次いで,コンベヤ43から移送部材35によって成形コンベア18上に移送される。両方の成形型12によって具入り具入り米飯eが成形されておにぎりfは,成形コンベア18上に集められ,集められたおにぎりfは,成形コンベア18から送出コンベヤ28に送り込まれ,送出コンベヤ28で所定の場所へ送出される。
【産業上の利用可能性】
【0028】
このおにぎり製造装置は,例えば,具入りおにぎりを押し硬めることなく,ふっくらとした状態に成形しておにぎりを製造する営業用のおにぎり製造装置に適用して好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明によるおにぎり製造装置について,具供給ステーション及び予備成形型がコンベヤ上に設けられた一実施例を示す概略平面図である。
【図2】この発明によるおにぎり製造装置について,具供給ステーション及び予備成形型がロータリテーブル上に設けられた別の実施例を示す概略平面図である。
【図3】解し広げ装置を示す正面図である。
【図4】予備成形を示す概略説明図である。
【図5】米飯折込み装置を示す概略説明図である。
【図6】成形装置における成形側面型の概略説明図である。
【図7】成形装置における成形前面型と成形後面型の概略説明図である。
【図8】定量米飯供給装置の米飯送りプレートの開放時を示す説明図である。
【図9】定量米飯供給装置の米飯塊を送り出す状態を示す説明図である。
【図10】定量米飯供給装置を示す断面図である。
【図11】図10のA−A断面における定量米飯供給装置を示す断面図である。
【図12】図5の米飯折込み装置の具体的構造を示す正面図である。
【図13】図5の米飯折込み装置の具体的構造を示す側面図である。
【図14】図6の成形装置の具体的構造を示す側面図である。
【図15】図6の成形装置の具体的構造を示す正面図である。
【図16】図7の成形装置の具体的構造を示す平面図である。
【図17】成形装置における成形側面型の揺動運動を示す平面図である。
【図18】米飯折込み装置における折込み型の作動前の状態を示す側面図である。
【図19】米飯折込み装置における折込み型上に具載置米飯を移動させた状態を示す側面図である。
【図20】米飯折込み装置における折込み型を作動して具を米飯で包み込んだ状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 定量米飯供給装置
2 解し広げ装置
3B,3R 具供給ステーション
4B,4R 米飯折込み装置
5 成形装置
6 予備成形装置
7 供給コンベヤ
8,9 ローラ
10 具供給コンベヤ
11 ロータリテーブル
12 成形型
13 成形前面型
14 成形後面型
15,16 成形側面型
17,18,19 成形コンベヤ
21 シャッタ
22,23 折込みローラ
30 予備成形前型
31 予備成形後型
40 折込み型
41 寄せ型
a 米飯塊
b 平らな米飯
c 具
d 具載置米飯
e 具入り米飯
f おにぎり
g 具載置部
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を包み込んだ米飯を,成形に当たって押し硬めることなく,あたかも人が手で握ったようなふっくらとした食感の良いおにぎりに形成することができるおにぎり製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,各コンビニエンスストアー, スーパー等のおにぎり販売区画で販売されているおにぎりを製造する場合には, 主として,おにぎりを成形するため成型円盤を用いたおにぎり製造装置が使用されている。おにぎり製造装置の各関連機械メーカーにおいても, 食感の良いおにぎりを製造することへの要望に応えるため装置そのものを如何に構成すれば良いかの検討が始められており, 現在では各種の特許文献が公開されている現状である。
【0003】
また,おにぎり製造装置として,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を米飯内に包み込んで,人手の握りによるおにぎりに近い品質のおにぎりを製造するものが知られている。該おにぎり製造装置は,周囲に成型孔を有すると共に間歇回動する成型円盤の周囲に前記成型孔の停止時に作動する米飯装置,具穴形成装置及び具供給部を順次設けたものであり,具供給部に引き続いて成型孔の下方位置に成型孔内の米飯を扛上する米飯リフターを設けると共に,該米飯リフターに対向して成型孔の上方位置に扛上された米飯の上端を中央部に寄せ集めて具穴を閉鎖する包み込み装置を設けたものである。該おにぎり製造装置は, 間欠的に回動する成型円盤の成型孔に定量の米飯を供給し,成型円盤の周囲に配設した成形ユニットにより, おにぎりを所定の形状に成形するものである(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,手作り感の高いおにぎり製造装置を製造可能にした食品成形装置が知られている。該食品成形装置は,所定量に計量された食材を下方に投下する供給部と,該供給部から投下された食材を中央成形型枠と,該中央成形型枠の左側に設けた左側成形型枠と,前記中央成形型枠の右側に設けた右側成形型枠とで受け止めると共に,前記左側成形型枠上の米飯と前記右側成形型枠上の米飯を中央成形型枠上に折り返して前記食材を所定形状に成形する成形部とを備えているものである。該食品成形装置において,左側成形型枠は,水平状態に突出させた左側回転軸に装着した左側支持型枠と左側押圧型枠とで構成され,右側成形型枠は,水平状態に突出させた右側回転軸に装着した右側支持型枠と右側押圧型枠とで構成され,左側回転軸及び右側回転軸の回転に基づいて左側押圧型枠及び右側押圧型枠を回転させ,それによって,左側押圧型枠と,右側押圧型枠と,中央成形型枠とで食材を所定形状に押圧成形するように構成したものである(例えば,特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3717900号公報
【特許文献2】特開2007−49937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで,本出願人に係る上記おにぎり製造装置では,成型円盤を用いるものであって,均一な品質のおにぎりを大量に製造する装置としては, 非常に優れた装置であるが,おにぎりの成形工程では, 米飯を成型孔内の周囲の壁と成型孔内で作動する上下の成形ユニットにより, 米飯が型内で全く逃げ場のない状態にして圧縮し成形するので, 出来上がったおにぎりが, 手で握ったおにぎりに比較して硬く,ふっくら感に欠ける傾向があった。また,上記のおにぎり製造装置では,米飯へ具を供給する作業が米飯に具穴を空け,該具穴の中に所定の具を人が手で供給しているので,具入れ作業に熟練を要し,具入れ作業の負担が大きくなっていた。また,上記おにぎり製造装置は,米飯の具穴に具を入れた具入り米飯を,成型円盤上に形成した成型孔内で一度に圧縮成形しているので,出来上がったおにぎりが硬く食感が良いとは言えないものであった。
【0006】
また,最近では,おにぎりを食する消費者も含め, おにぎり製造業界の関係者の声として「手作り感のあるふっくらとしたおにぎり」の製造を機械でできないかという声が強まっているのが現状である。そこで,本出願人は,上記の課題を考慮して, 人が手でおにぎりを握るときの動作を改めて細かく分析してみて, 特に,米飯上に所定の具を載せた後に, 具を米飯で包み込むように,米飯を折り込む時の動きと,米飯を所定形状に成形しておにぎりを成形する時の成形型の動きについては, 出来るだけ人の手の動きに近づけることにより,手作り感のあるふっくらとしたおにぎりを製造することができるのではないかとの結論に至った。
【0007】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,梅干し,鮭,昆布,鰹節等の具を包み込んだ米飯を成形型によって押し硬めることなく,成形型によって具入り米飯を所定の形状のおにぎりに形作るように構成し,あたかも人が手で握ったようなふっくらとした食感の良いおにぎりを製造すると共に,おにぎりの形状を変更する場合には,所定の成形型に単に交換するのみで,おにぎりの形状を変更できるように構成し,また,具供給ステーションと予備成形装置とをロータリテーブルに設けることによって,おにぎりを高効率に製造して大量生産を可能にし,コストダウンを図ることができるおにぎり製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は,おにぎり1個分の予め決められた所定量の米飯塊を供給コンベヤ上に順次供給する定量米飯塊供給装置,走行状態の前記米飯塊上で転動して前記供給コンベア上の前記米飯塊を所定形状に解し広げて具載置部を備えた平らな米飯を形成する複数のローラを備えた解し広げ装置,前記平らな米飯の前記具載置部に所定の具をそれぞれ載置して具載置米飯を形成するための具供給ステーション,前記具載置米飯を所定の形状に予備成形する予備成形型を備えた予備成形装置,予備成形された前記具載置米飯上の前記具を前記米飯で包み込むため前記米飯内に前記具を折り込む米飯折込み装置,前記具が包み込まれた具入り米飯を成形コンベヤ上で予め決められた所定形状に成形するため前記具入り米飯に接離可能な複数の成形型から成る成形装置,及び前記具入り米飯を成形して構成されたおにぎりを送り出す送出装置から構成されていることを特徴とするおにぎり製造装置に関する。
【0009】
また,このおにぎり製造装置において,前記成形装置における前記成形型は,前記成形コンベヤ上で走行する前記具入り米飯に対して,走行方向の前面を成形する成形前面型,走行方向の後面を成形する成形後面型,及び走行方向の両側面を成形する一対の成形側面型から構成され,対向状態の前記成形前面型と前記成形後面型とが前記具入り米飯を位置決め保持して相対的に近接移動すると共に,前記一対の成形側面型が互いに対向して小刻みに接離しながら近接移動して前記具入り米飯を所定の形状のおにぎりに成形するものである。
【0010】
このおにぎり製造装置において,前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取るロータリテーブル上に設けられているものである。更に,前記定量米飯塊供給装置は前記供給コンベヤ上に前記米飯塊を2列ずつ順次供給し,前記予備成形装置における前記予備成形型は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に予備成形し,前記米飯折込み装置は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に折り込んで前記具入り米飯に成形するものである。
【0011】
また,前記米飯折込み装置は,前記ロータリテーブルの周辺に隣接して前記ロータリテーブルとほぼ同一面に設置された反転自在な折込み型と,前記ロータリテーブル上の前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上にスライドガイドに沿って移動させる寄せ型から成り,前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上に移動させた状態で前記折込み型を反転させて前記具の載置した半分の前記米飯上に折り込むことによって具入り米飯が形成されるものである。
【0012】
また,このおにぎり製造装置は,前記ロータリテーブルの進行方向において前記ロータリテーブル上の前記具入り米飯を1個ずつそれぞれ受け取る2列の成形コンベアが設置されており,前記成形装置は前記成形コンベヤ上にそれぞれ設けられているものである。
【0013】
或いは,このおにぎり製造装置において,前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取る具供給コンベヤ上に設けられているものである。更に,前記米飯折込み装置は,前記具供給コンベヤの端部に設置されたスライド自在なシャッタ,及び前記シャッタの下方に設置された互いに逆方向に回転する一対の折込みローラから成り,前記シャッタ上に送り込まれた前記具載置米飯を前記シャッタを引き込めることによって前記具載置米飯が落下して前記折込みローラ間を通過する際に前記具が前記米飯で折り込まれて前記具入り米飯に成形されて前記成形コンベヤ上に送り出されるものである。
【発明の効果】
【0014】
このおにぎり製造装置は,上記のように構成されているので,おにぎりが押し硬められることなく,おにぎりの中に入れられる具を米飯が包み込む状態がふっくらとした状態に成形でき,ふっくら感のあるおにぎりに製造することができる。即ち,このおにぎり製造装置は,具供給ステーションに送り込まれた解し広げられた具載置部が形成された平らな米飯上に所定の具を載置するだけの作業であり,米飯への具の供給作業が容易になり,作業者の負担を軽減することができ,特に,従来の成型円盤上に形成した成型孔内で一度に圧縮成形する工程に換えて,具載置米飯を予備成形すると共に具の米飯へ折り込む工程と,所定の形状へのおにぎりへの成形工程との2つの工程に分け, おにぎりの成形工程の動きを前後面型と両側面型とから成る成形型によってあたかも人が両手の平で米飯に具を包み込んで握る時と同じように, 成形型が細かい接離の往復運動を繰り返しながら所定の形状に成形し,それによって,出来上がったおにぎりが「ふっくら」とした食感の良いおにぎりになる。更に,このおにぎり製造装置は,おにぎりの形状の変更,例えば, 三角形, たわら形,丸形等の所望の形状に,成形型のみを単に交換するだけで容易に対応することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下,図面を参照して,この発明によるおにぎり製造装置の実施例を説明する。このおにぎり製造装置の実施例では,概して,図1に示す米飯を搬送するのにベルトコンベヤ即ちコンベヤを使用したコンベヤ式おにぎり製造装置と,図2に示す米飯を搬送するのにロータリテーブルを使用したロータリテーブル式おにぎり製造装置とについて説明している。従来の成型円盤を用いるおにぎり製造装置の場合には,おにぎりの形状を変更する場合に,成形型を変更する型換えの時に,成形円盤全体を交換していたが,この発明によるおにぎり製造装置は,複数の対になった成形型を用いる成形装置であり,おにぎりの形状を変更する場合には,成形型のみの交換で対応することができ,それ故に,おにぎりの成形型の交換が従来のものに比較して型換えがシンプルになり,おにぎりの形状変更を容易に行うことができ,また,おにぎりの多品種少量生産を要求されるおにぎり製造工場にとっては, 作業面のスペース上の問題, 費用面で大幅なコストダウンが可能になり,大きなメリットを発揮するものである。
【0016】
このおにぎり製造装置は,図1又は図2に示すように,概して,(A)米飯容器即ちホッパ44に収容される米飯を計量して所定量の米飯塊aを供給コンベヤ7上に供給する定量米飯供給装置1,(B)供給コンベヤ7上の米飯塊aを解しながら広げて具載置部gを備えた平らな米飯bに成形するローラ8,9から成る解し広げ装置2,(C)広げた平らな米飯b上に所定の具cを人の手で載置する具供給ステーション3B,3R(総称は3),(D)具cが載せられた具載置米飯dを該米飯で具cを包み込みながら折り込んで包み込む米飯折込み装置4B,4R(総称は4),(E)具入り米飯eを成形型12で所定の形状のおにぎりfに成形する成形装置5,及び(F)具入り米飯eを成形して完成したおにぎりfを搬出する送出コンベヤ28から成る送出装置(図示せず)から構成されている。
【0017】
このおにぎり製造装置の一実施例として,特に,図1を参照して,定量米飯供給装置1,解し広げ装置2,具供給ステーション3B,米飯折込み装置4B,及び成形装置5について説明する。
【0018】
図1,図8〜図11に示すように,定量米飯供給装置1は,おにぎりfの1個分の予め決められた所定量の米飯塊aを供給コンベヤ7上に順次に供給するものである。定量米飯供給装置1は,コンベヤ45によって米飯hが運び込まれるホッパ44,コンベヤ45からホッパ44に供給される米飯hを検出する米飯センサ47,及び予め決められた所定量の米飯塊aを計量して供給コンベヤ7に米飯塊aを供給するためホッパ44の下端部に設けられた対向状態の一対のシャッタ46を備えている。ホッパ44は,主として,前面プレート57,後面プレート58及び一対の米飯送りプレート48を備えている。一対の米飯送りプレート48は,ホッパ44から米飯hを送り出すため水平方向に接離可能で上下方向に上下動可能に作動される。米飯送りプレート48は,図10に示すように,カム50が回転作動することによってローラ52とレバー51を介して上昇・下降の動きを行っている。また,米飯送りプレート48の下降時には,米飯送りプレート48はカム50の回転作動で強制的に下降するが,米飯送りプレート48の上昇時には,米飯送りプレート48はばね49のばね力で上昇するように構成されている。また,一対の米飯送りプレート48の互いの開閉作動は,図11に示すように,一対のスライドブロック91がスライド軸53上を移動することによって行われている。米飯送りプレート48が閉じる時は,ばね54のばね力により達成され,また,米飯送りプレート48が開く時は,カム55,56(図10)の動きにより達成される。一対の米飯送りプレート48は,互いに離間した開放状態で上昇し,ホッパ44はコンベヤ45から送り込まれた米飯hを受け入れる。この時,シャッタ46はホッパ44の下端を閉鎖した状態である(図8)。次いで,一対の米飯送りプレート48は,互いに近接し,シャッタ46がホッパ44の下端を開放した状態で閉じて下降し,そこで,所定量の米飯hが下方に下降すると,一対のシャッタ46がホッパ44の下端を閉じて所定量の米飯hが切り離され,定量された米飯塊aとして供給コンベヤ7上に落下させられる(図9)。
【0019】
解し広げ装置2は,供給コンベヤ7上に供給された走行状態の米飯塊aを予め決められた所定形状に解して広げられた平らな米飯bに成形するための転動状態のローラ8と,ローラ8の後流に配置され且つ平らな米飯bに縦溝状の具載置部gを形成するための転動状態のローラ9とから構成されている(図3参照)。ローラ8は,進行方向の前後に2個配設されており,2個のローラ8によって米飯塊aが平らな米飯bに確実に成形されるようになっている。ローラ9は,平らな米飯bの中心に溝状の具載置部gを形成する機能を果たしている。具載置部gは,溝状であるので,具cが載置し易くなっている。具載置部gを備えた平らな米飯bは,図1に示すように,供給コンベヤ7から移送部材24の作動によって供給コンベヤ7の端部に隣接して設置された受プレート33に搬送され,次いで, 平らな米飯bは,受プレート33上から移送部材25の作動によって具供給コンベヤ10に搬送される。具供給コンベヤ10には,具供給ステーション3Bが設けられている。具供給ステーション3Bに送られた平らな米飯bは,具供給ステーション3Bで人の手作業により, 平らな米飯bの具載置部gに予め決められた所定の具cが載置される。
【0020】
具供給ステーション3において,平らな米飯bの具載置部gに具cが載置された具載置米飯dは, 具供給コンベヤ10によって運ばれ, 具供給コンベヤ10の先端で米飯センサ32により通過したことが検知される。米飯センサ32による具載置米飯dの検知信号により,具載置米飯dは,予備成形前型30と予備成形後型31とから成る予備成形装置6によって具cを具載置米飯dで包み込み易い所定の形状に予備成形される。まず,具供給コンベヤ10上の具載置米飯dが通過した後に,予備成形前型30が具載置コンベヤ10上の具載置米飯dの後面に向かって下降し, 予備成形前型30によって具載置米飯dを後押しして前方シャッタ21上に送りながら予備成形後型31に押し当てる。予備成形前型30は,エアシリンダ(図示せず)の作動によりレバー(図示せず)を介して具載置米飯dに対して上下動させられ,また,別のエアシリンダ(図示せず)の作動によりスライドガイド(図示せず)を介して予備成形後型31へと進行して具載置米飯dを移動させる。具載置米飯dに予備成形することにより具載置米飯dの周囲は, 具cを折込み易い所定の形状に予備成形される(図4参照, 所定形状は三角)。
【0021】
次いで,図5,図12,図13に示すように,予備成形された具載置米飯dは,その半分を具cを載置した側の半分へと折り込んで具入り米飯eに成形する。米飯折込み装置4Bでは, シャッタ21上の予備成形された米飯dは,シャッタ21が移動して一対の折込みローラ22,23の上面が開くことにより下方に落下する。その時, 一対の折込みローラ22,23の内向きの回転に補助されながら,具載置米飯dが具cを包み込むような状態で中心部から折れ曲がってシュート29に案内されて, 成形コンベヤ17上に落下する。シャッタ21の往復動は,エアシリンダ59の駆動で作動されるローラ60及びレバー61を介してガイド66に案内されて行われる。折込みローラ22,23は,フレーム90に固定された支持台89に設置されているモータ62の駆動で作動される。折込みローラ22,23は,モータ62によって回転するギヤ63,64,65を介して矢印のように互いに逆方向に回転し,具載置米飯dを巻き込んで具cを米飯で包み込んで具入り米飯eとしてシュート29に案内されて下方に落下させ,具入り米飯eを成形コンベヤ17(18,19)へと搬送される。
【0022】
次に,成形装置5を,図6,図7,図14〜図17を参照して説明する。具載置米飯dは米飯折込み装置4Bを通って具cが折り込まれた具入り米飯eに成形され,具入り米飯eは, 具供給コンベヤ10から成形コンベヤ17に運ばれ,成形コンベヤ17に設けられた成形装置5によって所定の形状のおにぎりfに最終成形される。成形装置5は,成形前面型13,成形後面型14,及び成形前面型13と成形後面型14との間に位置する一対の成形側面型15,16から成る成形型12から構成されている。成形装置5は,成形コンベヤ17を中心にして両側即ち左右に成形前面型13と成形後面型14を作動する同じ機構がフレーム75に設置されている。成形側面型15,16は,成形コンベヤ17を中心にして両側に分かれて設置されており,揺動装置85によって揺動する。揺動装置85は,図16及び図17に示すように,エアシリンダ80の駆動によりピン78を中心に揺動するレバー76を介してスライドレール77上を往復移動して開閉作動することによって成形側面型15,16を揺動させる。また,このおにぎり製造装置は,人が手で具入り米飯eを握る状態と同じ状態にするため,成形側面型15,16に細かく接離する状態の往復運動をさせており,その機構は図17に示している。成形側面型15,16は,モータ84の駆動によってギヤ82,83を回動させ,その動きはローラ81を介してレバー76からピン79を通じて揺動させられる。成形前面型13と成形後面型14とは,具入り米飯eを介して対向状態になって次いで成形前面型13が成形後面型14へと近づき具入り米飯eを位置決め保持するものであって,エアシリンダ67とラック68による直線往復運動を,ラック68に噛み合うピニオン69とピニオン69の回転で揺動するリンク70,71,72,73及びジョイントプレート74を介して円弧運動をするように構成されている。成形装置5における成形型12の動作は, 図6に示すように,具cが折り込まれた具入り米飯eが定位置に運ばれてくると, 成形後面型14が上方から下方へ移動して接移動し,具入り米飯eの保持し, 次いで,成形前面型13が上方から下方へ移動して, 成形前面型13と成形後面型14とによって具入り米飯eの前後の成形を行う。次いで,具入り米飯eの前後面が成形前面型13と成形後面型14とで位置決め保持されている具入り米飯eに対し, 図7に示すように,一対の成形側面型15,16が小刻みに接離しながら近接移動して,具入り米飯eの成形を行って,具入り米飯eを所定の形状のおにぎりfに成形する。具入り米飯eの本成形が終了して, 完成されたおにぎりfび成形されると,おにぎりfは, 成形前後面型13,14と成形側面型15,16から解放されて送出コンベヤ28への送出される。
【0023】
次に,このおにぎり製造装置の別の実施例を,特に図2を参照して説明する。このおにぎり製造装置は,主として,定量米飯供給装置1,解し広げ装置2,具供給ステーション3R,米飯折込み装置4R,及び成形装置5を有している。また,この実施例では,おにぎりfの多量生産のために,解し広げ装置2,具供給ステーション3R,米飯折込み装置4R,及び成形装置5が2列に構成されているが,必ずしも2列に限られる必要はなく,おにぎりfの製造効率に従って,1列,又は3列以上に構成されても良いことは勿論である。この実施例では,定量米飯供給装置1と成形装置5とは,上記実施例のものと実質的に同様であるので,これらの重複する説明は省略する。この実施例は,本体フレーム37上に設置されているロータリテーブル11を用いるものであり,本体フレーム37上には,ロータリテーブル11の他に,一対の成形コンベヤ18,19,これらの集合させるためのコンベヤ43が設置されている。ロータリテーブル11には,具供給ステーション3R,予備成形装置6,及び米飯折込み装置4Rが設置されている。
【0024】
この実施例の定量米飯供給装置1は,おにぎりfの1個分の予め決められた所定量の米飯塊aを2列にして供給コンベヤ7に送り込むものであり,そのために定量米飯供給装置1と供給コンベヤ7との間にコンベヤ39を組み込んでいる。定量米飯供給装置1からの米飯塊aをコンベヤ39上に供給し,コンベヤ39上の隣接する2個の米飯塊aをコンベヤ39から移送部材38によって一緒に供給コンベヤ7上に順次に送り込む。供給コンベヤ7上に移送された米飯塊aは,移送コンベヤ8に設置された解し広げ装置2によって所定の形状に解し広げられる。解し広げ装置2は,供給コンベヤ7上に2列に載置された走行状態の米飯塊aを予め決められた所定形状に解して広げて平らな米飯bに成形するため転動状態の一対のローラ8と,これらのローラ8の後流に配置された縦溝状の具載置部gを形成するため解して広げられた平らな米飯b上で転動状態の一対のローラ9から構成されている。解し広げ装置2によって解し広げられた2列の平らな米飯bは,供給コンベヤ7から移送部材24によって本体フレーム37に設置されているロータリテーブル11上へ一緒に送り込まれる。
【0025】
ロータリテーブル11には,具供給ステーション3R,予備成形装置6,及び米飯折込み装置4Rが設けられ,ロータリテーブル11は,米飯の2個を一回で受け入れて運ぶため,間欠的に回動している。具供給ステーション3Rに搬送された平らな米飯bには,人の手作業によって具載置部gに予め決められた所定の具cが供給され,具載置米飯dが形成される。隣接する2個の具載置米飯dは,予備成形装置6によって予備成形され,次いで,ロータリテーブル11上で米飯折込み装置4Rによって具cが具載置米飯dで一緒に包み込まれて具入り米飯eが形成される。予備成形装置6は,具載置米飯を受け入れる一対の底付き凹部36が形成された一対の予備成形型20から成る。予備成形型20は,一方の予備成形型20がロータリテーブル11上の具載置米飯dを凹部36に保持してロータリテーブル11の半径方向外向きに移動する寄せ型41を構成し,他方の予備成形型20は,寄せ型41で移動された具載置米飯dを凹部36で受け止める折込み型40を構成している。具載置米飯dは,寄せ型41で折込み型40の方へ移動させられる際に,具cを具載置米飯dで包み込み易い所定の形状に予備成形される。
【0026】
米飯折込み装置4Rは,特に,図18〜図20に示すように,ロータリテーブル11とほぼ同一面でロータリテーブル11の周辺においてフレーム87に設けられた折込み型40,及びロータリテーブル11上の具載置米飯dをロータリテーブル11の周辺へ移動させる寄せ型41を備えている。寄せ型41は,スライドガイド42に案内されてロータリテーブル11の半径方向外向き即ち周辺へと移動するように構成されている(図18)。折込み型40と寄せ型41とは,互いに対向して2個の具載置米飯dを受け入れる底付き凹部36が形成されている。寄せ型41の作動によって具cが載置されていない具載置米飯dの半分が折込み型40上に移動させられ(図19),次いで,フレーム87に設けられたエアシリンダ88が作動して折込み型40が反転軸86を中心にして反転し,折込み型40上の半分の具載置米飯dがロータリテーブル11上の具載置米飯d上に覆い被さって具入り米飯eに形成される(図20)。具入り米飯eは,ロータリテーブル11から1個ずつ順次受け取るため,ロータリテーブル11に隣接して設けられた2列の成形コンベア18,19上に移送部材26,27によってそれぞれ移送される。
【0027】
また,成形コンベア18,19上には,上記実施例と同様の成形装置5がそれぞれ設けられている。成形コンベア18,19上の成形装置5に移送された具入り米飯eは,上記実施例と同様に成形装置5によって所定の形状のおにぎりfにそれぞれ最終成形される。成形コンベア19上のおにぎりfは,移送部材34によってコンベヤ43に移送され,次いで,コンベヤ43から移送部材35によって成形コンベア18上に移送される。両方の成形型12によって具入り具入り米飯eが成形されておにぎりfは,成形コンベア18上に集められ,集められたおにぎりfは,成形コンベア18から送出コンベヤ28に送り込まれ,送出コンベヤ28で所定の場所へ送出される。
【産業上の利用可能性】
【0028】
このおにぎり製造装置は,例えば,具入りおにぎりを押し硬めることなく,ふっくらとした状態に成形しておにぎりを製造する営業用のおにぎり製造装置に適用して好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明によるおにぎり製造装置について,具供給ステーション及び予備成形型がコンベヤ上に設けられた一実施例を示す概略平面図である。
【図2】この発明によるおにぎり製造装置について,具供給ステーション及び予備成形型がロータリテーブル上に設けられた別の実施例を示す概略平面図である。
【図3】解し広げ装置を示す正面図である。
【図4】予備成形を示す概略説明図である。
【図5】米飯折込み装置を示す概略説明図である。
【図6】成形装置における成形側面型の概略説明図である。
【図7】成形装置における成形前面型と成形後面型の概略説明図である。
【図8】定量米飯供給装置の米飯送りプレートの開放時を示す説明図である。
【図9】定量米飯供給装置の米飯塊を送り出す状態を示す説明図である。
【図10】定量米飯供給装置を示す断面図である。
【図11】図10のA−A断面における定量米飯供給装置を示す断面図である。
【図12】図5の米飯折込み装置の具体的構造を示す正面図である。
【図13】図5の米飯折込み装置の具体的構造を示す側面図である。
【図14】図6の成形装置の具体的構造を示す側面図である。
【図15】図6の成形装置の具体的構造を示す正面図である。
【図16】図7の成形装置の具体的構造を示す平面図である。
【図17】成形装置における成形側面型の揺動運動を示す平面図である。
【図18】米飯折込み装置における折込み型の作動前の状態を示す側面図である。
【図19】米飯折込み装置における折込み型上に具載置米飯を移動させた状態を示す側面図である。
【図20】米飯折込み装置における折込み型を作動して具を米飯で包み込んだ状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 定量米飯供給装置
2 解し広げ装置
3B,3R 具供給ステーション
4B,4R 米飯折込み装置
5 成形装置
6 予備成形装置
7 供給コンベヤ
8,9 ローラ
10 具供給コンベヤ
11 ロータリテーブル
12 成形型
13 成形前面型
14 成形後面型
15,16 成形側面型
17,18,19 成形コンベヤ
21 シャッタ
22,23 折込みローラ
30 予備成形前型
31 予備成形後型
40 折込み型
41 寄せ型
a 米飯塊
b 平らな米飯
c 具
d 具載置米飯
e 具入り米飯
f おにぎり
g 具載置部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おにぎり1個分の予め決められた所定量の米飯塊を供給コンベヤ上に順次供給する定量米飯塊供給装置,走行状態の前記米飯塊上で転動して前記供給コンベア上の前記米飯塊を所定形状に解し広げて具載置部を備えた平らな米飯を形成する複数のローラを備えた解し広げ装置,前記平らな米飯の前記具載置部に所定の具をそれぞれ載置して具載置米飯を形成するための具供給ステーション,前記具載置米飯を所定の形状に予備成形する予備成形型を備えた予備成形装置,予備成形された前記具載置米飯上の前記具を前記米飯で包み込むため前記米飯内に前記具を折り込む米飯折込み装置,前記具が包み込まれた具入り米飯を成形コンベヤ上で予め決められた所定形状に成形するため前記具入り米飯に接離可能な複数の成形型から成る成形装置,及び前記具入り米飯を成形して構成されたおにぎりを送り出す送出装置から構成されていることを特徴とするおにぎり製造装置。
【請求項2】
前記成形装置における前記成形型は,前記成形コンベヤ上で走行する前記具入り米飯に対して,走行方向の前面を成形する成形前面型,走行方向の後面を成形する成形後面型,及び走行方向の両側面を成形する一対の成形側面型から構成され,対向状態の前記成形前面型と前記成形後面型とが前記具入り米飯を位置決め保持して相対的に近接移動すると共に,前記一対の成形側面型が互いに対向して小刻みに接離しながら近接移動して前記具入り米飯を所定の形状のおにぎりに成形することを特徴とする請求項1に記載のおにぎり製造装置。
【請求項3】
前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取るロータリテーブル上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のおにぎり製造装置。
【請求項4】
前記定量米飯塊供給装置は前記供給コンベヤ上に前記米飯塊を2列ずつ順次供給し,前記予備成形装置における前記予備成形型は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に予備成形し,前記米飯折込み装置は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に折り込んで前記具入り米飯に成形することを特徴とする請求項3に記載のおにぎり製造装置。
【請求項5】
前記米飯折込み装置は,前記ロータリテーブルの周辺に隣接して前記ロータリテーブルとほぼ同一面に設置された反転自在な折込み型と,前記ロータリテーブル上の前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上にスライドガイドに沿って移動させる寄せ型から成り,前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上に移動させた状態で前記折込み型を反転させて前記具の載置した半分の前記米飯上に折り込むことによって具入り米飯が形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のおにぎり製造装置。
【請求項6】
前記ロータリテーブルの進行方向において前記ロータリテーブル上の前記具入り米飯を1個ずつそれぞれ受け取る2列の成形コンベアが設置されており,前記成形装置は前記成形コンベヤ上にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のおにぎり製造装置。
【請求項7】
前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取る具供給コンベヤ上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のおにぎり製造装置。
【請求項8】
前記米飯折込み装置は,前記具供給コンベヤの端部に設置されたスライド自在なシャッタ,及び前記シャッタの下方に設置された互いに逆方向に回転する一対の折込みローラから成り,前記シャッタ上に送り込まれた前記具載置米飯を前記シャッタを引き込めることによって前記具載置米飯が落下して前記折込みローラ間を通過する際に前記具が前記米飯で折り込まれて前記具入り米飯に成形されて前記成形コンベヤ上に送り出されることを特徴とする請求項7に記載のおにぎり製造装置。
【請求項1】
おにぎり1個分の予め決められた所定量の米飯塊を供給コンベヤ上に順次供給する定量米飯塊供給装置,走行状態の前記米飯塊上で転動して前記供給コンベア上の前記米飯塊を所定形状に解し広げて具載置部を備えた平らな米飯を形成する複数のローラを備えた解し広げ装置,前記平らな米飯の前記具載置部に所定の具をそれぞれ載置して具載置米飯を形成するための具供給ステーション,前記具載置米飯を所定の形状に予備成形する予備成形型を備えた予備成形装置,予備成形された前記具載置米飯上の前記具を前記米飯で包み込むため前記米飯内に前記具を折り込む米飯折込み装置,前記具が包み込まれた具入り米飯を成形コンベヤ上で予め決められた所定形状に成形するため前記具入り米飯に接離可能な複数の成形型から成る成形装置,及び前記具入り米飯を成形して構成されたおにぎりを送り出す送出装置から構成されていることを特徴とするおにぎり製造装置。
【請求項2】
前記成形装置における前記成形型は,前記成形コンベヤ上で走行する前記具入り米飯に対して,走行方向の前面を成形する成形前面型,走行方向の後面を成形する成形後面型,及び走行方向の両側面を成形する一対の成形側面型から構成され,対向状態の前記成形前面型と前記成形後面型とが前記具入り米飯を位置決め保持して相対的に近接移動すると共に,前記一対の成形側面型が互いに対向して小刻みに接離しながら近接移動して前記具入り米飯を所定の形状のおにぎりに成形することを特徴とする請求項1に記載のおにぎり製造装置。
【請求項3】
前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取るロータリテーブル上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のおにぎり製造装置。
【請求項4】
前記定量米飯塊供給装置は前記供給コンベヤ上に前記米飯塊を2列ずつ順次供給し,前記予備成形装置における前記予備成形型は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に予備成形し,前記米飯折込み装置は前記ロータリテーブル上の隣接する2個の前記具載置米飯を同時に折り込んで前記具入り米飯に成形することを特徴とする請求項3に記載のおにぎり製造装置。
【請求項5】
前記米飯折込み装置は,前記ロータリテーブルの周辺に隣接して前記ロータリテーブルとほぼ同一面に設置された反転自在な折込み型と,前記ロータリテーブル上の前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上にスライドガイドに沿って移動させる寄せ型から成り,前記具載置米飯のほぼ半分を前記折込み型上に移動させた状態で前記折込み型を反転させて前記具の載置した半分の前記米飯上に折り込むことによって具入り米飯が形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のおにぎり製造装置。
【請求項6】
前記ロータリテーブルの進行方向において前記ロータリテーブル上の前記具入り米飯を1個ずつそれぞれ受け取る2列の成形コンベアが設置されており,前記成形装置は前記成形コンベヤ上にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のおにぎり製造装置。
【請求項7】
前記具供給ステーション及び前記予備成形装置は,前記供給コンベヤから送り込まれる前記平らな米飯を受け取る具供給コンベヤ上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のおにぎり製造装置。
【請求項8】
前記米飯折込み装置は,前記具供給コンベヤの端部に設置されたスライド自在なシャッタ,及び前記シャッタの下方に設置された互いに逆方向に回転する一対の折込みローラから成り,前記シャッタ上に送り込まれた前記具載置米飯を前記シャッタを引き込めることによって前記具載置米飯が落下して前記折込みローラ間を通過する際に前記具が前記米飯で折り込まれて前記具入り米飯に成形されて前記成形コンベヤ上に送り出されることを特徴とする請求項7に記載のおにぎり製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−65881(P2009−65881A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236200(P2007−236200)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(591165942)市川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(591165942)市川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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