説明

つまみダイヤル装置

【課題】つまみ部の前後位置が変わっても、つまみ部の発光面に見える光の強さが変わらないつまみダイヤル装置を提供する。
【解決手段】前後に開口する筒状をしたつまみ本体11の内部に、筒状をしてその前端面が前方に露出する発光面12aとなると共に後端面が前後方向に垂直な入射面12bとなる透光性を有する導光部材12を嵌入し、導光部材12の前端開口をつまみ蓋13にて閉塞してつまみ部1を構成し、本体部21に対して可動部22を後方に押し込む毎に前記可動部22が前方に位置する状態と後方に位置する状態とが交互に切り替わる保持部2の前記可動部22につまみ蓋13の後面を取り付け、操作軸31を回転自在に突出したロータリーエンコーダ3の前記操作軸31に保持部2を取り付け、導光部材12の入射面12bの後方に該入射面12bに略垂直に光を入射させる指向性を有する発光体4を配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つまみダイヤル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、つまみダイヤル装置が知られている(例えば特許文献1参照)。つまみダイヤル装置は、筒状をしたつまみ本体と、つまみ本体の内部に嵌入される筒状をしてその前端面が発光面となる透光性を有する導光部材と、でつまみ部の主体が構成され、本体部に対して可動部を押し込む毎に前記可動部が前方に位置する状態と後方に位置する状態とが交互に切り替わる保持部の可動部につまみ部を取り付け、導光部材に光を入射させる発光体を設けて構成される。
【0003】
そして、つまみ部を押し込んで点火させて、つまみ部をつまんで回転させてガス量の調節を行うもので、この際、様々な報知を行うべく、発光体を点灯させ、導光部材の発光面を発光させるものである。
【特許文献1】特開2005−196500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1に示される従来例においては、発光体は、導光部材の外周面より外方に離れた位置から前方斜め約45度の角度で導光部材の外周面に光を照射し、該外周面より導光部材内に入射した光は、導光部材の前後方向の一部において周方向に形成したローレットにて乱反射して、該乱反射した光が前端の発光面より見えるようになっている。
【0005】
ここで、つまみ部は前後に移動するものであり、導光部材はつまみ部の一部であるため前後に移動するが、導光部材の前後位置が変わると、導光部材に形成したローレットの発光体からの距離や照射角度が変わってしまうため、発光面に見える光の強さが変わってしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、つまみ部の前後位置が変わっても、つまみ部の発光面に見える光の強さが変わらないつまみダイヤル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係るつまみダイヤル装置Aは、前後に開口する筒状をしたつまみ本体11の内部に、筒状をしてその前端面が前方に露出する発光面12aとなると共に後端面が前後方向に垂直な入射面12bとなる透光性を有する導光部材12を嵌入し、導光部材12の前端開口をつまみ蓋13にて閉塞してつまみ部1を構成し、本体部21に対して可動部22を後方に押し込む毎に前記可動部22が前方に位置する状態と後方に位置する状態とが交互に切り替わる保持部2の前記可動部22につまみ蓋13の後面を取り付け、操作軸31を回転自在に突出したロータリーエンコーダ3の前記操作軸31に保持部2を取り付け、導光部材12の入射面12bの後方に該入射面12bに略垂直に光を入射させる指向性を有する発光体4を配設して成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、可動部22が前方に位置する状態となってつまみ部1が前位置にある場合と、可動部22が後方に位置する状態となってつまみ部1が後位置にある場合のいずれの場合でも、導光部材12の入射面12bが発光体4に対向しているため、発光体4からの光の入射面12bへの入射角度が変わらず、また、発光体4と入射面12bとの距離は変わるものの指向性の高い発光体4であるため入射面12bから入射する光量は殆ど変わらないため、つまみ部1の発光面12aに見える光の強さが変わらないものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、つまみ本体11の内面を反射面として成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、導光部材12の外面より漏出する光がつまみ本体11の内面で反射して導光部材12に再入射し、光の損失を防止することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、導光部材12の前端面にシボ加工を施して発光面12aを形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、乱反射して一様に光る発光面12aを容易に形成することができる。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、複数色の発光体4を各色毎に導光部材12の周方向に間隔をあけて配置して成ることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、複数種類の色の光を発光面12aに均一に光らせることが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、導光部材12の後端部をつまみ本体11の後端部よりも後方に位置させ、つまみ本体11の後端部及び導光部材12の後端部の外周面から外方に所定の距離をあけて筒状をしてその前端縁から内方に向けて前側の内フランジ51を突設し後端縁から内方に向けて後側の内フランジ52を突設した押圧部材5を配設し、つまみ本体11の後端部近傍の外周面に外フランジ11aを突設し、押圧部材5の後側の内フランジ52をつまみ本体11の外フランジ11aよりも後方に位置させて後側の内フランジ52と外フランジ11aとの間に圧縮した付勢部材53を装填して押圧部材5をつまみ本体11に対して後方に付勢し、前側の内フランジ51をつまみ本体11の外フランジ11aよりも前方に位置させて前側の内フランジ51と外フランジ11aとが当接して押圧部材5のつまみ本体11に対する後方への移動が規制され且つ前方に移動可能な状態で押圧部材5が導光部材12の後端よりも後方に位置し、保持部2の可動部22が前方に位置する状態で押圧部材5により後方に押圧されず且つ保持部2の可動部22が後方に位置する状態で押圧部材5により後方に押圧されるレバー71を有するスイッチ7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成とすることで、スイッチ7に過大な押し込み力がかかって損傷してしまうのが防止される。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、つまみ部が大きく突出する状態と小さく突出する状態とが切り替わって、つまみ部の前後位置が変わっても、つまみ部の発光面に見える光の強さが変わらないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。まず、本発明のつまみダイヤル装置Aを備える、キッチンキャビネットに組み込まれるドロップインタイプのガスこんろ8について概略説明する。
【0019】
ガスこんろ8は、図5に示すように、上方に開口する箱状をした筐体81と、筐体81の上方への開口を閉塞しガスこんろ8の天面部となるガラス製のトッププレート82と、で外殻が構成される。
【0020】
トッププレート82にはこんろバーナからなる加熱部83が複数設けてある。図5に示す実施形態では、加熱部83として、標準バーナ83a、小バーナ83b、高火力バーナ83cの計三個のこんろバーナが設けてある。図中の符号84は五徳である。
【0021】
ガスこんろ8内には図示しないグリルバーナを設けたグリル庫が設けてあり、グリル庫の前開口は、ガスこんろ8の前面に設けたグリル扉85によって開閉自在に閉塞される。
【0022】
また、各加熱部83には、被加熱物検知手段86が設けてある。被加熱物検知手段86は、五徳84に被加熱物が載置された状態にあるか否か、即ち、各こんろバーナ上に被加熱物が配置された状態にあるか否かを検知するものである。
【0023】
ガスこんろ8の前面部を構成する前面パネル87には、各加熱部83を操作するための本発明のつまみダイヤル装置Aからなる操作部88がそれぞれ設けてある。
【0024】
各操作部88は手動で操作されて対応するこんろバーナの点火及び消火の切り替えや火力調節を指令するものであり、これを受けて図示しない制御手段が各こんろバーナの点消火の切り替えや火力調節を行う。
【0025】
前面パネル87の各操作部88の下側には対応するこんろバーナの調理の設定を指令するための設定手段を構成する設定入力パネル89が設けてあり、この設定入力パネル89を操作することで、こんろバーナ毎に、調理タイマーモード、湯沸しモード、炊飯モード等の自動調理モードを設定できるようになっている。
【0026】
また、前面パネル87における向かって左側の部位には、グリルバーナの点火及び消火の切り替えや火力調整を指令するための設定入力パネル90が設けてある。
【0027】
上記設定入力パネル89、90によるモード設定なしの状態で調理を行う場合、前面に設けた電源スイッチ91をONにした後、操作部88や設定入力パネル90を押し操作して制御手段に点火の指令を送る。この指令を受けると制御手段は、図示しないがガス供給路の開閉弁を開き、且つ任意のこんろバーナ又はグリルバーナに対応する流量調整弁を所定開度で開くと共に点火プラグをスパークさせ、こんろバーナ又はグリルバーナを点火する。これにより、こんろバーナの炎により対応する五徳84上に載置した被加熱物を加熱したり、グリルバーナの炎によりグリル庫内の肉や魚を焼くことができる。
【0028】
ここで、上記ガスこんろ8の各操作部88の前面には当該操作部88が被加熱物を配置したこんろバーナに対応する操作部88であることを報知するための報知手段として発光面12aが設けてあり、以下に、操作部88としてのつまみダイヤル装置Aについて図1〜図4に基づいて説明する。
【0029】
つまみダイヤル装置Aは、図1、図2に示すように、つまみ部1と、つまみ部1を前後に移動自在に保持する保持部2と、ロータリーエンコーダ3と、発光体4とで主体が構成される。
【0030】
つまみ部1は、筒状をしたつまみ本体11と、つまみ本体11の内部に嵌入され前方に露出する前端面を発光面12aとする筒状をした導光部材12と、つまみ本体11(導光部材12)の前端開口を閉塞するつまみ蓋13と、で構成される。
【0031】
つまみ本体11は、略円筒状をしたもので、その外面を、使用者が指でつまんで回転させるためのつまみ面とするものである。本実施形態では、遮光性を有する合成樹脂等の材料で形成してある。また、つまみ本体11の内面を反射面とすることが好ましい。
【0032】
導光部材12は、透光性を有する合成樹脂等の材料からなる略円筒状をしたもので、外径を前記つまみ本体11の内径と略同じとし、長さはつまみ本体11の長さよりも長く形成して、導光部材12の後端部がつまみ本体11の後端よりも後方に突出するようにつまみ本体11の内部に嵌入される。この導光部材12は、前端面にシボ加工等の梨地状加工を施して、該前端面を光が乱反射して略均一に発光する発光面12aとすると共に、後端面を前後方向に垂直に形成して、該後端面を発光体4からの光が入射する入射面12bとするものである。発光面12aはつまみ本体11から前方に露出している。
【0033】
つまみ蓋13は、有蓋筒状をしたもので、本実施形態では遮光性を有する金属や合成樹脂等の材料で形成してあり、筒状の部分が導光部材12の前端部の内部に嵌入され、蓋の部分が導光部材12の前端の発光面12aの内部に位置して該発光面12aと略面一となる。
【0034】
上述した構成のつまみ部1は保持部2により前後に移動自在に保持され、前面パネル87に形成した貫通孔87aを介して前方に突出したり該前面パネル87と略面一となったりする。
【0035】
保持部2は、本体部21と可動部22とを備え、本体部21に対して可動部22を後方に押し込む毎に前記可動部22が前方に位置する状態と後方に位置する状態とが交互に切り替わるもので、例えばハート型カムを用いた既存の機構が好適に用いられるが、その他の機構であってもよく、機構の詳細な説明は省略する。
【0036】
本実施形態では基板部6が設けてある。基板部6は、ロータリーエンコーダ3と、発光体4と、スイッチ7と、を備えたもので、各つまみダイヤル装置A毎に別個に設けられる。本実施形態では、基板部6は、ガスこんろ8の筐体81に固定される支持板92の後側の面にビス等の固着具により取り付けられる。
【0037】
ロータリーエンコーダ3は、軸廻りに回転自在な操作軸31が支持板92に形成された貫通口92aを介して前方に突出していて、該操作軸31の一方向への回動操作に伴って二つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、また他方向への回動操作に伴って前記他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、異なる位相の二つのパルス信号を制御手段に出力するよう構成されている。つまり、ロータリーエンコーダ3はその二つの出力端子から上述した位相の異なるパルス信号を出力するものであり、このパルス信号に基づいて制御手段はステッピングモータの駆動を制御し、対応するこんろバーナへの燃料供給量、即ち火力を調節する。
【0038】
ロータリーエンコーダ3の操作軸31の先端部に、上記保持部2の本体部21が取り付けられる。保持部2の本体部21の後方側の面には、前記操作軸31の外形と略同様の嵌入孔23が穿設してあり、この嵌入孔23が前記操作軸31に被嵌されて取り付けられる。
【0039】
発光体4は、LEDが好適に用いられるが特に限定されない。本実施形態では、各つまみダイヤル装置A毎に、白色発光体4aと橙色発光体4bの発光色の異なる二種類の発光体4が各色毎に三個ずつ、両色で計六個の発光体4が基板部6の前方側の面に実装してある。この発光体4は、指向性を有しており、発する光が支持板92に形成された貫通口92bを介して、導光部材12の入射面12bから導光部材12内に入射されるように、入射面12bと対向する後方の位置に発光方向が前方となるように配置される。本実施形態では各色毎に三個の発光体4が導光部材12の円周方向に90°の間隔で配置してある。前記間隔は三個の場合には均等となる120°が好ましいが、90〜120°の範囲でも差支えない。これにより、複数色の発光体4を発光面12aに均一に光らせることが可能となる。
【0040】
スイッチ7は点消火用のスイッチであって、レバー71が支持板92に形成された貫通口92cを介して前方に突出していて、レバー71を後方に向けて押圧することでスイッチ7がOFFとなり、前方に戻ることでスイッチ7がONとなり、このON/OFFの切り替え情報が制御手段に伝達される。
【0041】
上述した保持部2には、つまみ部1が被嵌される。つまみ部1は、導光部材12が後方に開口していて、この開口を介して導光部材12の内部に保持部2が挿入され、導光部材12の内面と保持部2の外面とが互いにガイドとなって、つまみ部1が前後に移動する際につまみ蓋13の前面が前方を向く姿勢が維持される。そして、保持部2の可動部22となる軸の先端がつまみ蓋13の後面に取り付けられ、図3に示すように可動部22が後方に位置する状態と、図4に示すように可動部22が前方に位置する状態とが切り替わり、図3に示す可動部22が後方に位置する状態でつまみ部1の前端が前面パネル87と略面一となる後位置にある状態となり、図4に示す可動部22が前方に位置する状態でつまみ部1の前端が前面パネル87よりも前方に突出する前位置にある状態となる。前位置では、つまみ部1が後述する押圧部材5を介してスイッチ7のレバー71を後方に押圧せずONとなり、後位置では、押圧部材5がスイッチ7のレバー71を押圧してOFFとなる。
【0042】
押圧部材5は、つまみ部1の後端部の外周に配設される、合成樹脂等からなる筒状をしたものである。この押圧部材5は、つまみ部1の後半部の外周面となる、つまみ本体11の後端部の外周面及び導光部材12の後端部の外周面から外方に所定の距離をあけて、該つまみ部1に対して前後に移動自在となるように配置される。更に、押圧部材5の前端縁から内方に向けて前側の内フランジ51が突設してあると共に、つまみ本体11の後端部近傍の外周面に外フランジ11aが突設してあり、押圧部材5の前側の内フランジ51がつまみ本体11の外フランジ11aよりも前方に位置していて、前記前側の内フランジ51の後面が外フランジ11aの前面に当接することで、押圧部材5のつまみ本体11に対する後方への移動が規制される。前記規制された状態で、押圧部材5の後端部がつまみ部1の後端部(すなわち導光部材12の後端部)よりも後方に位置している。また、押圧部材5の後端縁から内方に向けて後側の内フランジ52が突設してあり、この後側の内フランジ52の前面とつまみ本体11の外フランジ11aの後面との間に付勢部材53が配設してある。本実施形態では、付勢部材53としてコイルばねを圧縮して前記両面間に装填し、押圧部材5をつまみ本体11に対して後方に付勢した状態としている。押圧部材5は、スイッチ7のレバー71の前方に配置される。
【0043】
この押圧部材5は、つまみ部1が前位置にある状態では、スイッチ7のレバー71から前方に離間している。そして、つまみ部1が前位置にある状態からつまみ部1を押し込んでいくと、押圧部材5は、つまみ部1の外フランジ11aから押し込み力を受ける付勢部材53を介して押し込み力を受け、つまみ部1と共に後方に移動してレバー71を押圧する。レバー71がストロークの後端に達すると、押圧部材5の後方への移動も規制され、つまみ部1が更に押し込まれても、つまみ部1の外フランジ11aが後方に移動して付勢部材53が圧縮されるのみで、押圧部材5は前記圧縮力以上の押し込み力を受けない。つまみ部1が更に押し込まれると、つまみ部1の後端縁(すなわち導光部材12の後端縁)が支持板92の前面に当接してつまみ部1の移動が規制される。この時、つまみ部1に加えられた押し込み力は上記付勢部材53の圧縮力を除いて全て支持板92にかかり、レバー71には押圧部材5を介して付勢部材53の圧縮力のみがかかるため、つまみ部1に過大な押し込み力がかかってもその大部分を支持板92が受けて、レバー71が過大な押し込み力により損傷してしまうのが防止される。
【0044】
つまみ部1の導光部材12は、その後端の入射面12bが発光体4の前方に位置しているため、つまみ部1が前位置にある場合でも後位置にある場合でも、発光体4から前方に指向性をもって発する光が前記入射面12bに入射されて導光部材12内を直進又は、直進及び反射により前方に進行し、前端の発光面12aにあたった光が散乱して前方に照射され、前方から見ると発光面12a全体が均一に光って見える。また、つまみ本体11の内面を反射面とすることで、導光部材12の外面より漏出する光がつまみ本体11の内面で反射して導光部材12に再入射し、光の損失を防止することができる。
【0045】
制御手段は、電源スイッチ91がONの状態にあるときには、こんろバーナ毎に設けた被加熱物検知手段86による検知を行い、被加熱物検知手段86による検知のパターン、すなわち、電源ONとしてから前記検知がなされるまでの時間や、検知がなされた後に検知がなくなって再び検知がなされたか、等のパターンに応じて、白色点灯、白色点滅、橙色点灯、橙色点滅、といった様々な発光パターンを実行して発光面12aを光らせる。
【0046】
上述した本発明のつまみダイヤル装置Aにあっては、つまみ部1が前位置にある場合でも後位置にある場合でも、発光体4から前方に指向性をもって発する光が殆ど前記入射面12bに入射されるため、いずれの場合でもつまみ部1の発光面12aに見える光の強さがほとんど変わらない。
【0047】
また導光部材12の後端部をつまみ本体11の後端よりも後方に位置させているのは、付勢部材53を配設する空間をつまみ部1と押圧部材5との間に確保する観点からは、つまみ本体11及び導光部材12を切り欠いて大きな空間を形成するのが好ましいが、導光部材12の断面積を大きくすると共に後端をできるだけ後方に位置させて発光体4からの距離を短くして発光面12aに至る光量を確保する必要があることから、つまみ本体11の後端部を削減したものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は周辺部材を含む本発明のつまみダイヤル装置の分解斜視図であり、(b)はつまみ部の斜視図である。
【図2】同上のつまみダイヤル装置の斜視図である。
【図3】同上のつまみダイヤル装置のつまみ部が後位置にある状態の断面図である。
【図4】同上のつまみダイヤル装置のつまみ部が前位置にある状態の断面図である。
【図5】同上のつまみダイヤル装置を備えたガスこんろの全体斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
A つまみダイヤル装置
1 つまみ部
11 つまみ本体
11a 外フランジ
12 導光部材
12a 発光面
12b 入射面
13 つまみ蓋
2 保持部
21 本体部
22 可動部
23 嵌入孔
3 ロータリーエンコーダ
31 操作軸
4 発光体
5 押圧部材
51 内フランジ(前側)
52 内フランジ(後側)
53 付勢部材
6 基板部
7 スイッチ
71 レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に開口する筒状をしたつまみ本体の内部に、筒状をしてその前端面が前方に露出する発光面となると共に後端面が前後方向に垂直な入射面となる透光性を有する導光部材を嵌入し、導光部材の前端開口をつまみ蓋にて閉塞してつまみ部を構成し、本体部に対して可動部を後方に押し込む毎に前記可動部が前方に位置する状態と後方に位置する状態とが交互に切り替わる保持部の前記可動部につまみ蓋の後面を取り付け、操作軸を回転自在に突出したロータリーエンコーダの前記操作軸に保持部を取り付け、導光部材の入射面の後方に該入射面に略垂直に光を入射させる指向性を有する発光体を配設して成ることを特徴とするつまみダイヤル装置。
【請求項2】
つまみ本体の内面を反射面として成ることを特徴とする請求項1記載のつまみダイヤル装置。
【請求項3】
導光部材の前端面にシボ加工を施して発光面を形成して成ることを特徴とする請求項1又は2記載のつまみダイヤル装置。
【請求項4】
複数色の発光体を各色毎に導光部材の周方向に間隔をあけて配置して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のつまみダイヤル装置。
【請求項5】
導光部材の後端部をつまみ本体の後端部よりも後方に位置させ、つまみ本体の後端部及び導光部材の後端部の外周面から外方に所定の距離をあけて筒状をしてその前端縁から内方に向けて前側の内フランジを突設し後端縁から内方に向けて後側の内フランジを突設した押圧部材を配設し、つまみ本体の後端部近傍の外周面に外フランジを突設し、押圧部材の後側の内フランジをつまみ本体の外フランジよりも後方に位置させて後側の内フランジと外フランジとの間に圧縮した付勢部材を装填して押圧部材をつまみ本体に対して後方に付勢し、前側の内フランジをつまみ本体の外フランジよりも前方に位置させて前側の内フランジと外フランジとが当接して押圧部材のつまみ本体に対する後方への移動が規制され且つ前方に移動可能な状態で押圧部材が導光部材の後端よりも後方に位置し、保持部の可動部が前方に位置する状態で押圧部材により後方に押圧されず且つ可動部が後方に位置する状態で押圧部材により後方に押圧されるレバーを有するスイッチを設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のつまみダイヤル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−67497(P2010−67497A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233408(P2008−233408)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】