説明

ねじマウントレンズ鏡筒

【課題】シフト調整と切り口合わせ調整を独立させて行うことができるねじマウントレンズ鏡筒を得る。
【解決手段】本発明のねじマウントレンズ鏡筒1は、カメラボディ100のねじマウント101に螺合されるねじマウント筒10;このねじマウント筒10に同軸に回転可能に支持されたシフトリング20;撮影レンズ34を支持し、シフトリング20に対して光軸直交方向に移動可能な鏡筒本体30;及びシフトリング20に対する鏡筒本体30の光軸直交方向の相対位置を調整するシフト調整ねじ(シフト調整機構)50;を備えたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラボディへの装着をねじマウントで行うねじマウントレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじマウントレンズ鏡筒は、例えば監視カメラなどのCCTV用カメラに用いられている。このねじマウントレンズ鏡筒では、レンズ鏡筒光軸をカメラボディ(CCD)光軸に一致させるシフト調整と、レンズ鏡筒のカメラボディに対する回転位置を調整する切り口合わせ調整とが必要である。切り口合わせ調整は、レンズ側ねじマウントとボディ側ねじマウントの相対回転位置が不定であることから、例えばレンズ鏡筒から出るレンズ側ケーブルやレンズ鏡筒に設けられた指標を特定の角度位置に位置させるための調整である。
【0003】
特許文献1は、シフト調整と切り口合わせ調整を可能としたねじマウントレンズ鏡筒を開示している。この装置では、カメラボディのカメラ側マウントに螺合されるレンズ側マウント枠にC字状の回転規制溝を穿設し、撮影レンズを保持するレンズ保持枠に回転規制ねじを設け、この回転規制ねじを回転規制溝に嵌め込んでレンズ保持枠をレンズ側マウント枠に対して相対回動させることにより切り口合わせ調整を行っている。また、レンズ保持枠に相対回転不能にマウントセットリングを固定し、このマウントセットリングに径方向に貫通した複数のシフトねじをレンズ側マウント枠に当接させて押し込むことにより、レンズ保持枠とマウントセットリングの結合体をレンズ側マウント枠に対して光軸直交方向に移動させてシフト調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−115757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来技術にあっては、レンズ保持枠をレンズ側マウント枠に対して相対回動させながら、マウントセットリングに径方向に貫通した複数のシフトねじをレンズ側マウント枠に当接させて押し込まなければならないため(シフト調整と切り口合わせ調整を同時に行わなければならないため)、両者の独立性が低く、作業が煩雑でかなりの熟練を要するという問題があった。また、シフト調整だけを行いたい場合、逆に切り口合わせ調整だけを行いたい場合に上手く対応できなかった。
【0006】
本発明は従って、シフト調整と切り口合わせ調整を独立させて行うことができるねじマウントレンズ鏡筒を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カメラボディのねじマウントにレンズ鏡筒側のねじマウントを螺合したとき、レンズ鏡筒側のねじマウントの軸は正しくカメラボディ(CCD)の受光面中心に一致しているとの前提の下に、レンズ鏡筒側のねじマウントに同軸に回転可能な環状部材(以下、シフトリング)を支持し、撮影レンズを支持した鏡筒本体とこのシフトリング(つまりはレンズ鏡筒側のねじマウント)との間に両者の光軸直交方向の相対位置を調整するシフト調整機構を設ければ、シフト調整後の鏡筒本体をシフトリングと一緒にねじマウントに対して相対回転させて切り口合わせ調整を行えるので、シフト調整と切り口合わせ調整を独立させることができるとの着眼に基づいてなされたものである。
【0008】
すなわち、本発明のねじマウントレンズ鏡筒は、カメラボディのねじマウントに螺合されるねじマウント筒;このねじマウント筒に同軸に回転可能に支持されたシフトリング;撮影レンズを支持し、上記シフトリングに対して光軸直交方向に移動可能な鏡筒本体;及び上記シフトリングに対する上記鏡筒本体の光軸直交方向の相対位置を調整するシフト調整機構;を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記鏡筒本体には、該鏡筒本体と同軸に、上記シフトリングの内周側にシフト調整用空間を保って位置するスリーブが設けられており、上記シフト調整機構は、このシフト調整用空間内において、上記シフトリングとスリーブとを光軸直交方向に相対移動させることが好ましい。
【0010】
上記シフト調整機構は具体的に、上記シフトリングに、円周方向に間隔をおいて螺合され、先端部が上記スリーブに当接する少なくとも3つのシフト調整ねじから構成することができる。シフト調整ねじをシフトリングの円周方向に90°間隔で4つ配置すれば、シフト調整を好適に行うことができる。また、上記スリーブに、上記シフトリングに螺合されたシフト調整ねじの先端押圧面が当接する周方向溝を形成すれば、シフト調整前にシフト調整ねじが緩んでいる場合であっても、シフト調整ねじ(シフトリング)がスリーブから外れて脱落するのを防止することができる。
【0011】
上記鏡筒本体とねじマウント筒との相対回転を防止するマウント固定リングをさらに設ければ、鏡筒本体(シフトリング)とねじマウント筒を相対回転させて鏡筒本体とカメラボディの回転位置を調整してからマウント固定リングを締め付けることで、切り口合わせ調整を完了することができる。具体的には、上記マウント固定リングは、上記鏡筒本体とねじマウント筒とを、上記スリーブとシフトリングを光軸方向に挟んだ状態で締め付けることにより、上記鏡筒本体とねじマウント筒との相対回転を防止することができる。
【0012】
上記マウント固定リングは、上記鏡筒本体とねじマウント筒とを、両者の間に更に所定の厚みの調整部材を光軸方向に挟んだ状態で締め付ける態様とすることができる。この調整部材は、上記鏡筒本体とスリーブとの間に挟まれた状態でスリーブと一緒に上記鏡筒本体に固定することができる。このように構成すれば、鏡筒本体とカメラボディ側の撮像面との距離が調整しやすくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シフト調整と切り口合わせ調整を独立させて行うことができるねじマウントレンズ鏡筒が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るねじマウントレンズ鏡筒を示す上半断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るねじマウントレンズ鏡筒を後方から見た分解斜視図である。
【図3】スリーブを鏡筒本体に固定し、ねじマウント筒をマウント固定リングに組み付けた状態を示す、図2に対応する分解斜視図である。
【図4】さらにシフトリングをスリーブに固定した状態を示す、図3に対応する分解斜視図である。
【図5】シフト調整完了前のねじマウントレンズ鏡筒を示す図である。
【図6】シフト調整完了後のねじマウントレンズ鏡筒を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ないし図6を用いて、本発明の一実施の形態に係るねじマウントレンズ鏡筒1を説明する。以下の説明中の前後方向は、図1ないし図4に示した矢印の方向を意味する。
【0016】
ねじマウントレンズ鏡筒1は、カメラボディ100のカメラ側マウント101に螺合されるレンズ側のねじマウント筒10を有する。ねじマウント筒10は、光軸Oを中心とするマウントねじ部11と、このマウントねじ部11より大径で光軸Oを中心とする筒状部12と、この筒状部12から外径側に延びる光軸Oに対して直交するフランジ部13とを有している。マウントねじ部11の雄ねじ11aは、カメラ側マウント101の雌ねじ101aに螺合及び着脱可能である。マウントねじ部11の雄ねじ11aとカメラ側マウント101の雌ねじ101aが螺合すると、ねじマウント筒10の軸は、カメラボディ100内に支持されたCCD(図示せず)の受光面中心Cと正しく一致する。
【0017】
ねじマウント筒10の筒状部12の内周面12aには、ねじマウント筒10と同軸に回転可能にシフトリング20が嵌まっている。すなわち、筒状部12の内周面12aの径とシフトリング20の外周面20aの径は、両者が最小のクリアランスで相対回動可能なように設定されており、筒状部12の内周面12aにシフトリング20の外周面20aを嵌めると、ねじマウント筒10とシフトリング20が同軸上に位置する。
【0018】
ねじマウント筒10の前方には、箱状の鏡筒本体30が位置している。鏡筒本体30内には、撮影レンズ(図1には保持環33に支持された撮影レンズ34を示した)、図示を省略したズーム機構、フォーカス機構、自動絞機構などの周知の要素が組み込まれている。鏡筒本体30は、ねじマウント筒10に向かって光軸Oと平行な方向に延びる突出筒状部31と、光軸Oと直交する方向に延びる光軸直交壁32とを有しており、光軸直交壁32のねじマウント筒10側の面には、突出筒状部31の外周に位置する筒状のスリーブ40が固定ねじ41によって固定されている。スリーブ40の前端面と光軸直交壁32の間には、調整用ワッシャ(調整部材)42が介在している。突出筒状部31の外周面31aの径とスリーブ40の内周面40aの径は、両者が最小のクリアランスで相対回動可能で、鏡筒本体30(撮影レンズ34を含む撮影光学系の光軸O)とスリーブ40が同軸上に位置するように設定されている。
【0019】
図1に示すように、シフトリング20の内周面20bとスリーブ40の外周面40bとの間には、環状のシフトスペース(シフト調整用空間)SSが設けられている。シフトリング20(つまりねじマウント筒10)は、スリーブ40(つまり鏡筒本体30)に対して、このシフトスペースSS内で光軸Oに直交する方向に移動調整可能である。シフトスペースSSの径方向幅は例えば0.5mm程度に設定されている。
【0020】
ねじマウント筒10の筒状部12には、周方向に90゜間隔で4つの径方向貫通孔14が穿設されている。シフトリング20には、この筒状部12の径方向貫通孔14に対応させて、周方向に90゜間隔で4つの貫通雌ねじ孔21が形成されている。各貫通雌ねじ孔21には、先端押圧面50gがスリーブ40の外周面40bに形成した環状凹部(周方向溝)40cに入り込むシフト調整ねじ(シフト調整機構)50が螺合されている。図1に示すように、シフト調整ねじ50は頂部に回転操作溝50vを有しており、この回転操作溝50vにドライバなどの工具を嵌めて回転させて螺合量を調整することにより、各貫通雌ねじ孔21からのシフト調整ねじ50の突出量を調整することができる。本実施の形態では、シフトリング20に螺合された4つのシフト調整ねじ50の各先端押圧面50gが環状凹部40cに当接することでスリーブ40(鏡筒本体30)が支持されている。
【0021】
したがって、ねじマウント筒10の筒状部12の内周面12aにシフトリング20の外周面20aを嵌め、4つの径方向貫通孔14と貫通雌ねじ孔21の周方向位置を一致させた状態で、径方向貫通孔14を介して挿入したドライバなどの工具で各シフト調整ねじ50の螺合量を調整することにより、シフトスペースSS内において、シフトリング20(ねじマウント筒10)とスリーブ40(鏡筒本体30)とを光軸Oに直交する方向に相対移動させることができる。
【0022】
ねじマウント筒10の外周には、鏡筒本体30とマウント筒10との相対回転位置を調整した後、両者を固定するマウント固定リング60が嵌まっている。このマウント固定リング60は、光軸Oと直交する方向に延びる光軸直交フランジ61の外周部と内周部に、それぞれ外周筒状部62と内周筒状部63を形成してなる。外周筒状部62には、鏡筒本体30に形成した雄ねじ部35に螺合する雌ねじ部62aが形成され、内周筒状部63には、マウント筒10のフランジ部13に接離する接離面63aが形成されている。
【0023】
マウント固定リング60は、その雌ねじ部62aを鏡筒本体30の雄ねじ部35に螺合させる前の状態では、ねじマウント筒10の筒状部12に対して自由に軸線方向に移動自在であり、雌ねじ62aを雄ねじ35に螺合させて締め付けると、内周筒状部63の接離面63aがねじマウント筒10のフランジ部13に強く接触し、ねじマウント筒10と鏡筒本体30との相対回転が防止される。
【0024】
筒状部12の外周には、円周方向に120°間隔で形成した3つの雌ねじ孔15が形成されており、筒状部12にマウント固定リング60を嵌合させた状態でこの3つの雌ねじ孔15に外れ防止ねじ(マウント固定リング外れ防止ねじ)16が螺合されて、マウント固定リング60の脱落が防止されている。
【0025】
以上のように構成されたねじマウントレンズ鏡筒1は、次のようにして製造及び設置する。
【0026】
(工場における製造)
ねじマウントレンズ鏡筒1を製造するときは、まず、図3に示すように、スリーブ40の前端面と鏡筒本体30の光軸直交壁32の間に調整用ワッシャ42を介在させた状態で、鏡筒本体30の突出筒状部31にスリーブ40を嵌めて両者を固定ねじ41で固定する。この状態では、突出筒状部31の外周面31aとスリーブ40の内周面40aとの嵌合関係により、鏡筒本体30(撮影レンズ34)とスリーブ40の同軸性が保証されている。
【0027】
一方、これとは別に、ねじマウント筒10の筒状部12に、シフトリング20を嵌める。すると、筒状部12の内周面12aとシフトリング20の外周面20aとの嵌合関係により、シフトリング20と筒状部12の同軸性が保証される。このとき、シフトリング20の4つの貫通雌ねじ孔21には、マウント筒10の径方向貫通孔14を通して、先端押圧面50gがスリーブ40の外周面40bより外周側に位置する程度に、4つのシフト調整ねじ50を螺合させておく。
【0028】
次いで、以上のねじマウント筒10とシフトリング20の仮結合体を鏡筒本体30側のスリーブ40の外周に嵌める。この嵌合状態では、シフトリング20の内周面20bとスリーブ40の外周面40bとの間には光軸Oに対する直交方向に環状のシフトスペースSSが存在する。この状態において、4つのシフト調整ねじ50をねじ込んで、その先端押圧面50gをスリーブ40の環状凹部40c内に進入させると、ねじマウント筒10とシフトリング20の仮結合体は、鏡筒本体30の突出筒状部31から抜け止められる。
【0029】
そして、貫通雌ねじ孔21に螺合された4つのシフト調整ねじ50の先端押圧面50gをスリーブ40の環状凹部40cに当接させた状態で、各シフト調整ねじ50の螺合量を調整すると、シフトリング20(ねじマウント筒10)に対するスリーブ40(鏡筒本体30)の偏芯量を調整することができる。ねじマウント筒10の軸はカメラボディ100内に支持されたCCD(図示せず)の受光面中心Cと正しく一致しているのであるから、この偏芯調整により、ねじマウント筒10と鏡筒本体30(撮影レンズ34)の光軸O(レンズ鏡筒光軸)と受光面中心Cとを正しく一致させるシフト調整を行うことができる。すなわち、光軸O(レンズ鏡筒光軸)と受光面中心Cがずれた状態(図5)から、光軸O(レンズ鏡筒光軸)と受光面中心Cが正しく一致した状態(図6)にするシフト調整が完了する。
【0030】
以上のシフト調整とは別に、マウント固定リング60をねじマウント筒10の筒状部12に嵌めた状態で、雌ねじ孔15に外れ防止ねじ16を螺合することにより、ねじマウント筒10とマウント固定リング60を仮組みする。この仮組は、どの段階で行ってもよい。
【0031】
(設置場所における設置)
例えば、ねじマウントレンズ鏡筒1を監視カメラとして設置場所に設置するときは、まずカメラボディ100のねじマウント101にねじマウント筒10のマウントねじ部11を螺合固定する。ねじマウントの性質上、このとき、鏡筒本体30から出るレンズ側ケーブルや鏡筒本体30に設けられた指標等で決まるレンズ鏡筒の上下は、カメラボディ100に対して特定の角度位置にはならない。そこで、この状態において、固定側のねじマウント筒10に対して、可動側のシフトリング20及び鏡筒本体30を相対回転させる。
【0032】
そして、鏡筒本体30から出るレンズ側ケーブルや鏡筒本体30に設けられた指標をカメラボディ100に対する特定の角度位置に位置させる切り口合わせ調整が終了したら、マウント固定リング60の雌ねじ部62aと鏡筒本体30の雄ねじ部35を完全に締め付けて、内周筒状部63の接離面63aをマウント筒10のフランジ部13(固定側)に密着させる。この状態では、切り口合わせが終了した鏡筒本体30のマウント筒10(カメラボディ100)に対する相対回転が防止される。以上により、設置場所における設置段階で、鏡筒本体30のカメラボディ100に対する回転位置を調整する切り口合わせ調整が完了する。
【0033】
以上のように、本発明のねじマウントレンズ鏡筒1は、カメラボディ100のねじマウント101に螺合されるねじマウント筒10と、このねじマウント筒10に同軸に回転可能に支持されたシフトリング20と、撮影レンズ34を支持し、シフトリング20に対して光軸直交方向に移動可能な鏡筒本体30と、シフトリング20に対する鏡筒本体30の光軸直交方向の相対位置を調整するシフト調整ねじ(シフト調整機構)50とを備えている。これにより、工場における製造段階でシフト調整ねじ(シフト調整機構)50によりシフト調整を完了し、設置場所における設置段階で、シフト調整後の鏡筒本体30をシフトリング20と一緒にねじマウント筒10に対して相対回転させて切り口合わせ調整を行えるので、シフト調整と切り口合わせ調整を独立させることができる。したがって従来のように、シフト調整と切り口合わせ調整の一方が他方に影響を与えることがなく、さほどの熟練を要することなく簡単な作業でシフト調整と切り口合わせ調整を行うことができる。
【0034】
以上の実施形態では、シフト調整ねじ50をシフトリング20の円周方向に90°間隔で4つ配置しているが、シフト調整ねじ50の数はこれに限定されず、シフトリング20の円周方向に少なくとも3つ配置すればよい。
【0035】
以上の実施形態では、シフト調整ねじ50の先端押圧面50gをスリーブ40の外周面40bに当接させてシフトリング20を支持している(シフト調整を行っている)が、スリーブ40を省略して、シフト調整ねじ50の先端押圧面50gを鏡筒本体30の突出筒状部31の外周面31a(または外周面31aに形成した環状凹部)に直接当接させる態様も可能である。
【0036】
以上の実施形態では、スリーブ40の前端面と鏡筒本体30の光軸直交壁32の間に調整用ワッシャ42を介在させているが、調整用ワッシャ42を省略して、スリーブ40の前端面を鏡筒本体30の光軸直交壁32に直接当接させる態様も可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ねじマウントレンズ鏡筒
10 ねじマウント筒
11 マウントねじ部
11a 雄ねじ
12 筒状部
12a 内周面
13 フランジ部
14 径方向貫通孔
15 雌ねじ孔
16 外れ防止ねじ(マウント固定リング外れ防止ねじ)
20 シフトリング
20a 外周面
20b 内周面
21 貫通雌ねじ孔
30 鏡筒本体
31 突出筒状部
31a 外周面
32 光軸直交壁
33 保持環
34 撮影レンズ
35 雄ねじ部
40 スリーブ
40a 内周面
40b 外周面
40c 環状凹部(周方向溝)
41 固定ねじ
42 調整用ワッシャ(調整部材)
50 シフト調整ねじ(シフト調整機構)
50v 回転操作溝
50g 先端押圧面
60 マウント固定リング
61 光軸直交フランジ
62 外周筒状部
62a 雌ねじ部
63 内周筒状部
63a 接離面
100 カメラボディ
101 カメラ側マウント
101a 雌ねじ
SS シフトスペース(シフト調整用空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディのねじマウントに螺合されるねじマウント筒;
このねじマウント筒に同軸に回転可能に支持されたシフトリング;
撮影レンズを支持し、上記シフトリングに対して光軸直交方向に移動可能な鏡筒本体;及び
上記シフトリングに対する上記鏡筒本体の光軸直交方向の相対位置を調整するシフト調整機構;
を備えたことを特徴とするねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記鏡筒本体には、該鏡筒本体と同軸に、上記シフトリングの内周側にシフト調整用空間を保って位置するスリーブが設けられており、
上記シフト調整機構は、このシフト調整用空間内において、上記シフトリングとスリーブとを光軸直交方向に相対移動させるねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項2記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記シフト調整機構は、上記シフトリングに、円周方向に間隔をおいて螺合され、先端部が上記スリーブに当接する少なくとも3つのシフト調整ねじからなるねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項3記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記シフト調整ねじは、上記シフトリングの円周方向に90°間隔で4つ配置されているねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項3または4記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記スリーブには、上記シフトリングに螺合されたシフト調整ねじの先端押圧面が当接する周方向溝が形成されているねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記鏡筒本体とねじマウント筒との相対回転を防止するマウント固定リングがさらに設けられているねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項7】
請求項6記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記マウント固定リングは、上記鏡筒本体とねじマウント筒とを、上記スリーブとシフトリングを光軸方向に挟んだ状態で締め付けることにより、上記鏡筒本体とねじマウント筒との相対回転を防止するねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項8】
請求項7記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記マウント固定リングは、上記鏡筒本体とねじマウント筒とを、両者の間に更に所定の厚みの調整部材を光軸方向に挟んだ状態で締め付けるねじマウントレンズ鏡筒。
【請求項9】
請求項8記載のねじマウントレンズ鏡筒において、
上記調整部材は、上記鏡筒本体とスリーブとの間に挟まれた状態で該スリーブと一緒に上記鏡筒本体に固定されるねじマウントレンズ鏡筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−13842(P2012−13842A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148963(P2010−148963)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】