説明

ねじ継手およびねじ継手を封止する方法

【課題】シールのゴム部分が切り刻まれて、ガス漏れを防止するシールの能力を大幅に低下させることを回避すること。
【解決手段】ねじ継手200は、フランジ230と、ナット240と可撓性シール250とを含む。このフランジ230、ナット240および可撓性シール250は、それぞれの内側表面上にねじを有し、これらのねじは、ステム220の外側表面のねじに対する相補的な形状を有する。フランジ230は、ステム220が回転によってフランジを貫通して移動できるように構成される。ナット240および可撓性シール250は、回転によってステムに対して移動するように構成される。フランジ230は座ぐり穴280を有し、ナット240は溝270を有する。この可撓性シール250は、フランジ230内の座ぐり穴280を充填するように構成された第1の部分290と、ナット240の溝270を充填するように構成された第2の部分300とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題の実施形態は一般に、ねじ継手を介した流体の漏れを防止する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、天然ガス処理設備の一部分である図1に示す圧縮機では、天然ガスがチャンバ10内で圧縮される。ステム20が、フランジ30を通ってチャンバ10から突出する。このステム20はフランジ30にナット40によって固定される。
【0003】
構成部品がそれらの接触表面上の相補的なねじを使用して組み付けられる継手は、通常、ねじ継手と呼ばれる。ステム20、フランジ30およびナット40は、それらの外側表面または内側表面をねじが部分的に覆っており、ねじ継手を形成する。ナット40およびフランジ30の内側表面上のねじは、ステム20の外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する。ねじ同士が、異なる、相補的な形状を有するとき、それらは雄ねじ/雌ねじと呼ばれることがある。
【0004】
チャンバ10の内側の圧力はチャンバの外側の圧力より高いので、このねじ継手はガス漏れし易い。例えばチャンバ10の内側の圧力は、往復動するピストン60がフランジ30に向かって移動し、それによってチャンバ10の容積を減少させるとき、かなり増大する可能性がある。ステム20と、フランジ30と、ナット40との間に配置されるシール(図1に図示せず)が、チャンバ10の外側にガスが漏れるのを防止するまたは制限するために使用される。
【0005】
抽出される天然ガスは、大きな割合の硫化水素(H2S)を含有する可能性がある。硫化水素は天然に生じる物質であるが、硫化水素の割合の大きい空気を吸い込むことは有害である。したがって、大きな割合の硫化水素を含む天然ガスを処理するとき、天然ガスを確実に処理設備の内側で良好に封止することは、作業者の安全にとって重要になる。大きな割合の硫化水素を含む天然ガスがガス処理設備の外側に漏れた場合、作業者は設備の近くにいる間に中毒を起こす可能性がある。
【0006】
従来型のねじ継手100を図2に分解図で示す。このねじ継手100は図に示すように、軸160に沿って配置される、ステム120と、フランジ130と、ナット140と、シール150とを含む。
【0007】
組み立てられたねじ継手100の横断面を図3に示す。ステム120はフランジ130およびナット140と係合する。シール150がフランジ130とナット140の間に載置される。
【0008】
ねじ継手100のシール150を、軸160に対して直角な平面で見た図4に示す。このシール150は、平らな金属ワッシャである外側部分152と、外側部分152の内側リムに取り付けられるゴム部分154とを含む。このゴム部分154は、ゴムリング156と3つのゴムフラップ158を含む。ゴムフラップ158の各々は、弦とそれに対応する円弧との間のそれぞれの領域を覆う。これらの円弧は等しいものであり、ゴムリング156の円周上に等間隔で配置される。
【0009】
図5は、図3の一部分の拡大図である。ステム120と、フランジ130と、ナット140と、シール150とが組み立てられると、シール150の(簡略化のために図3にのみ印が付けられている)外側部分152が、フランジ130とナット140の間に位置決めされる。この構成では、ナット140に加えることができるトルクは比較的低い。
【0010】
これらのゴムフラップ158は、フランジ130の内側で、フランジがねじを有さない可能性のある部分内で、ステム120を覆うためのものである。図3で、ステム120が軸160に沿って右から左に前進するとき、このゴムフラップは、同じ方向に移動する傾向があり、切り刻まれる可能性がある。
【0011】
軸160に沿ってステム120が数回移動した後、シール150のゴム部分154が切り刻まれ、この切り刻みがガス漏れを防止するシール150の能力を大幅に低下させることが観察されている。したがって、このシール150はしばしば交換しなければならない。このシールの交換は、圧縮機の少なくとも部分的な分解を必要とし、したがってそれは、ガス処理設備の不稼動時間に追加される。
【0012】
このシール150が設計パラメータで動作する場合でさえ、相当なトルクをナット140に加えることができたときでも静合が確保されない場合、このシールの有効性は、天然ガスが大きな割合の硫化水素を有するとき、安全に使用するのには低すぎるものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7628429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、前述の問題点および欠点を回避するシステムおよび方法を提供することは望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
例示的な一実施形態によれば、ねじ継手は、フランジと、ナットと、可撓性シールとを含む。このフランジは、内側表面上のねじと座ぐり穴とを有し、このねじはステムの外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する。フランジは、ステムが回転によってフランジを貫通して移動できるように構成される。この例示的な実施形態のナットは、内側表面上のねじと溝とを有し、ナットのねじは、ステムの外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する。このナットは、回転によってステムに対して移動するように構成される。この例示的な実施形態の可撓性シールは、内側表面上にねじを有し、可撓性シールのねじは、ステムの外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する。この可撓性シールは、回転によってステムに対して移動するように構成され、フランジ内の座ぐり穴を充填するように構成された第1の部分と、ナットの溝を充填するように構成された第2の部分とを有する。
【0016】
別の例示的な実施形態によれば、ねじ継手を封止する方法が提供される。この方法は、外側表面上に第1のねじを有するステムを、内側表面上に第2のねじを有するフランジを貫通して移動させるステップを含み、この第2のねじは第1のねじに対する相補的な形状を有する。この方法は、内側表面上に第3のねじを有する可撓性シールを、可撓性シールの第1の部分がフランジ内の座ぐり穴を充填するまで、ステムに沿って、フランジに向かって移動させるステップも含み、この第3のねじは第1のねじに対する相補的な形状を有する。さらにこの方法は、内側表面上に第4のねじを有するナットを、可撓性シールの第2の部分がナットの内側の溝を充填するまで、ステムに沿って、フランジに向かって移動させるステップを含み、この第4のねじは第1のねじに対する相補的な形状を有する。この方法はさらに、可撓性シールの第2の部分がナットの内側の溝を充填した後、ナットに所定のトルクを加えるステップを含む。
【0017】
別の実施形態によれば、ねじ継手を封止するためのツーピースのシールナットは、ナットおよび可撓性シールを含む。このナットは、ステムを取り囲み、ステムに沿って移動するように構成され、溝を有する。可撓性シールは、ステムを保持するフランジの内側で、ステムを取り囲み、ステムに沿って移動するように構成され、フランジ内の座ぐり穴を充填するように構成された第1の部分と、ナット内の溝を充填するように構成された第2の部分とを有するように構成される。
【0018】
別の実施形態によれば、可撓性シールは、第1の部分と第2の部分を含む。この第1の部分は、ねじ切りされたステムを保持するフランジ内の座ぐり穴を充填するように構成される。第2の部分はナットの溝を充填するように構成され、第1の部分の直径と異なる直径を有する。これらの第1の部分および第2の部分は、ねじ切りされたステムに沿って可撓性シールが移動できるように構成された、内側孔の表面上のねじを有し、可撓性シールのこのねじは、ねじ切りされたステムの外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する。
【0019】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、1つまたは複数の実施形態を図示し、本説明と一緒にこれらの実施形態を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】天然ガス処理設備の一部である往復動圧縮機の概略線図である。
【図2】従来型のねじ継手の分解図である。
【図3】従来型のねじ継手の横断面の概略線図である。
【図4】従来型のねじ継手に使用される可撓性シールの概略線図である。
【図5】従来型のねじ継手の一部分の拡大図である。
【図6】ある実施形態によるねじ継手の分解図である。
【図7】ある実施形態によるねじ継手の横断面の概略線図である。
【図8】ある実施形態によるねじ継手の組立て方法の流れ線図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
例示的な実施形態の以下の説明では、添付の図面を参照する。異なる図面内の同じ参照番号は、同じまたは同様な要素を特定する。以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。簡単にするために、以下の実施形態は圧縮機のねじ継手の用語および構造に関して論じられる。しかし、次に論じる実施形態は圧縮機のねじ継手に限定されず、漏れのないねじ継手を形成する必要がある他のシステムにも適用可能である。
【0022】
本明細書を通して「一(one)実施形態」または「ある(an)実施形態」についての言及は、ある実施形態と関連して説明される特定の機構、構造、または特徴は、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所で、語句「一実施形態で」または「ある実施形態で」が現れても、必ずしも同じ実施形態を意味しない。さらに、これらの特定の機構、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態で任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0023】
図6は、一実施形態によるねじ継手200の分解図である。このねじ継手200は、天然ガスなどの流体の漏れを効果的に防止する。ステム220が高圧容器(例えば、図1のチャンバ10参照)からフランジ230を貫通して出てくる。このステム220は、高圧容器の内側に一端部を、高圧容器の外側に対向する端部を有する。このステム220およびフランジ230の他に、このねじ継手200は、ナット240と可撓性シール250とによって形成されるツーピースのシールナットも含むことができる。ねじ継手200の全ての構成部品は共通の軸260を有する。
【0024】
このフランジ230、ナット240および可撓性シール250は、それぞれのそれらの内側表面の少なくとも一部分にねじを有する。これらのねじは、ステム220の外側表面のねじに対する相補的な形状を有する。
【0025】
ナット240は、フランジ230に向かって組み立てられる端部上に内側の溝270を有する。フランジ230は、ナット240に向かって組み立てられる一端部に、フランジの内側の座ぐり穴280を有する。溝270の直径は、座ぐり穴280の直径より大きくすることができる。
【0026】
可撓性シール250は、フランジ230の座ぐり穴280の内側に部分的に嵌合し、ナット240の溝270の内側に部分的に嵌合するように構成される。具体的にはこの可撓性シール250は、座ぐり穴280を充填するような形状にされる第1の部分290と、溝270を充填するような形状にされる第2の部分300とを有する。この第1の部分290および第2の部分300は、異なる直径を有することができる。一応用例では、可撓性シール250のこの第1の部分290は、第2の部分300の外径より小さな外径を有する。
【0027】
この可撓性シール250は中央孔を有し、ねじ310がこの中央孔の周りの内側表面上に配置される。このねじ310は、ステム220上のねじに対する相補的な形状を有する。したがって、この可撓性シール250は、可撓性シール250および/またはステム220が軸260の周りを回転するとき、ステム220に対して軸260に沿って移動するように構成される。
【0028】
ねじ継手200の横断面を図7に示す。ステム220は、軸260に沿ってフランジ230およびナット240を通り抜ける。可撓性シール250は、ステム220の周りで、フランジ230とナット240との間に載置される。この可撓性シール250は、フランジ230の座ぐり穴280と、ナット240の溝270の内側に嵌合する。
【0029】
一応用例では、この可撓性シール250は、永久変形を受ける前にかなりの量の応力に耐えることができる材料から作ることができる。例えば、この可撓性シール250は全体を、ゴムまたはゴムのような弾力性および圧縮性を有する別のポリマーから作ることができる。この可撓性シール250用に使用される材料は、硫化水素(H2S)に起因する腐蝕に対し耐性があることもできる。
【0030】
ナット240および可撓性シール250は、ツーピースのシールナットを形成し、それにより、ねじ継手200がそこを介した流体の漏れを防止できるようになる。
【0031】
例えばガス処理設備内にこのねじ継手200を組み立てるために、軸260に沿って移動しフランジ230を貫通するように、ステム220が最初に回転される。次いで可撓性シール250が、可撓性シール250の第1の部分290がフランジ230の内側の座ぐり穴280の容積を充填するまで、ステム220上を前進するように回転される。一応用例では、この第1の部分290は、第2の部分300の直径より小さな外径を有する。
【0032】
次いでナット240が、可撓性シール250の第2の部分300がナット240の溝270を充填するまで、ステム220上をフランジ230に向かって前進するように回転される。
【0033】
次いで、所定のトルク値を有するトルクがナット240に加えられる。例えば、50.8mm(2インチ)の直径を有するステムに対して、1.085KN・m(800フィートポンド)のトルクが加えられ、63.5mm(2.5インチ)の直径を有するステムに対して、1.356KN・m(1000フィートポンド)のトルクが加えられる。
【0034】
ナット240は、実質的な長方形の側面から作られる、軸260に対して直角な横断面で6角形を形成する外側表面を有することができる。しかし、ナット240の外側表面はこの6角形の形状に限定されず、他の形状も有することができる。ナット240は金属または適切な代替品と考えられる他の複合材料から作ることができる。
【0035】
一実施形態ではこの可撓性シール250は、約75のデュロメータ値を有するポリマーから作ることができる。この可撓性シール250の長さは、この可撓性シールが所定のトルクを支持するのが可能であるように選ぶことができる。例えば、この長さは12.7mm(0.5インチ)であることができる。
【0036】
ナット240にトルクが加えられるとき、この可撓性シール250は、ステム220の周りに、かつ内側の溝270および座ぐり穴280の内側にしっかりと嵌合するように締め付けられる。溝270および座ぐり穴280の存在は、ナット240とフランジ230の外面間の可撓性シール250の変形を防止するので有利である。したがって、ナット240と可撓性シール250によって形成される、ねじ継手を封止するこのツーピースのナットは、そこを通る流体の漏れを防止する能力を高める。
【0037】
その上、可撓性シール250のために使用されるねじ310および特徴的な材料は、ステム220が回転し軸260に沿って移動するとき、ツーピースのねじ切りされたナットが、切り刻まれることによる損傷を受け難くする。
【0038】
様々な実施形態による、ねじ継手の構成部品の幾何学的形状は、以下の機構、すなわち(a)溝を有するナット、(b)座ぐり穴を有するフランジ、(c)ナットの溝内に嵌合する第1の部分と、フランジの座ぐり穴内に嵌合する第2の部分とを有する可撓性シール、(d)ねじを有する、可撓性シールの内側表面、のうちの少なくともいくつかを有する。これらの機構は、別々にまたは組み合わせで、そこを通る漏れを防止するのに既存のねじ継手より良好なねじ継手になる。座ぐり穴、溝および可撓性シールの寸法は、ナットに加えられる十分に高いトルクを許容するように選択される。可撓性シール用に適切な特性を有する材料を選ぶことによって、切り刻まれるのを遅らせ、または防止する。さらに、フランジ230およびナット240の外面に露出される可撓性シール250を持たないことによって、ナット240およびフランジ230に加えられるトルクは、可撓性シール250を損傷させることを少なくすることができる。
【0039】
図8は、ある実施形態による、ねじ継手を封止する方法の流れ線図を示す。S810で、この方法は、外側表面上に第1のねじを有するステム(例えば、220)を、内側表面上に第2のねじを有するフランジ(例えば、230)を貫通して移動させるステップを含む。この第2のねじは第1のねじに対する相補的な形状を有する。
【0040】
さらにS820で、この方法は、内側表面上に第3のねじを有する可撓性シール(例えば、250)を、可撓性シール(例えば、250)の第1の部分(例えば、290)がフランジ(例えば、230)内の座ぐり穴(例えば、280)を充填するまで、ステム(例えば、220)上を、フランジ(例えば、230)に向かって移動させるステップを含む。この第3のねじは第1のねじに対する相補的な形状を有する。
【0041】
S830で、この方法は、内側表面上に第4のねじを有するナット(例えば、240)を、可撓性シール(例えば、250)の第2の部分(例えば、300)がナット(例えば、240)の内側の溝(例えば、270)を充填するまで、ステム(例えば、220)上を、フランジ(例えば、230)に向かって移動させるステップを含む。第4のねじは第1のねじに対する相補的形状を有する。
【0042】
最後にS840で、この方法は、可撓性シール(例えば、250)の第2の部分(例えば、300)がナット(例えば、240)の内側の溝(例えば、270)を充填した後、ナット(例えば、240)に所定のトルクを加えるステップを含む。
【0043】
開示される例示的な実施形態は、従来型の方法、ねじ継手および可撓性シールより長いライフサイクルを有し、より良好に漏れを防止する、ねじ継手を封止する方法と、ねじ継手と、可撓性シールとを提供する。この説明は本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。それどころか、これらの例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲に含まれる代替、改変および均等物を包含するためのものである。さらに、例示的な実施形態の詳細な説明では、特許請求される発明の包括的な理解を与えるように多数の特定の詳細が記載されている。しかし当業者は、様々な実施形態をそのような特定の詳細なしで実施できることを理解するであろう。
【0044】
本例示的な実施形態の機構および要素がこれらの実施形態で特定の組み合わせで説明されているけれども、各機構または要素は、これらの実施形態の他の機構および要素なしで単独で使用することができ、または本明細書で開示される他の機構および要素との様々な組み合わせで、または組み合わせなしで使用することができる。
【0045】
本書は、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み入れられた方法を実施することを含めて、当業者なら誰でも本主題を実施することができるように、開示されている主題の例を使用している。本主題の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い付く他の例も含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0046】
10 チャンバ
200 ねじ継手
220 ステム
230 フランジ
240 ナット
250 可撓性シール
260 軸
270 溝
280 座ぐり穴
290 第1の部分
300 第2の部分
310 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステム(220)の外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する内側表面上のねじと座ぐり穴(280)とを有するフランジ(230)であって、回転によって前記ステム(220)がフランジ(230)を貫通して移動できるように構成されたフランジ(230)と、
前記ステム(220)の前記外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する内側表面上のねじと溝(270)とを有するナット(240)であって、回転によって前記ステム(220)に対して移動するように構成されたナット(240)と、
前記ステム(220)の前記外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する内側表面上のねじを有する可撓性シール(250)であって、回転によって前記ステム(220)に対して移動するように構成されており、前記フランジ(230)内の前記座ぐり穴(280)を充填するように構成された第1の部分(290)と、前記ナット(240)の前記溝(270)を充填するように構成された第2の部分(300)とを有する可撓性シール(250)と
を備える、ねじ継手(200)。
【請求項2】
前記可撓性シール(250)が、硫化水素(H2S)に起因する腐蝕に対して耐性のある材料から作られる、請求項1記載のねじ継手。
【請求項3】
前記可撓性シール(250)が約75のデュロメータ値を有するポリマーから作られる、請求項1記載のねじ継手。
【請求項4】
前記可撓性シール(250)の前記第1の部分(290)が、前記第2の部分(300)の外径より小さな外径を有する、請求項1記載のねじ継手。
【請求項5】
前記可撓性シールが前記溝(270)および前記座ぐり穴(280)内に完全に設けられる、請求項1記載のねじ継手。
【請求項6】
前記ナット(240)が金属または複合材料から作られる、請求項1記載のねじ継手。
【請求項7】
前記可撓性シール(250)が、前記フランジ(230)および前記ナット(240)によって覆われ、周囲に露出される外側表面を有さない、請求項1記載のねじ継手。
【請求項8】
前記ステム(220)の周りに形成されており、前記ステム(220)が、高圧力を有する流体を閉じ込める容器(10)の内側の第1の端部と前記容器(10)の外側の第2の端部とを有し、前記フランジ(230)が、前記容器(10)の内側に向かう1つの側面と、前記容器(10)の外側に向かう1つの側面とを有し、前記可撓性シール(250)および前記ナット(240)が前記容器(10)の外側の前記ステム(220)上に載置される、請求項1記載のねじ継手。
【請求項9】
外側表面上に第1のねじを有するステム(220)を、回転によって、内側表面上に第2のねじを有するフランジ(230)を貫通して移動させるステップ(S810)であって、前記第2のねじが前記第1のねじに対する相補的な形状を有するステップと、
内側表面上に第3のねじを有する可撓性シール(250)を、前記可撓性シール(250)の第1の部分(290)が前記フランジ(230)内の座ぐり穴(280)を充填するまで、回転によって、前記ステム(220)に沿って、前記フランジ(230)に向かって移動させるステップ(S820)であって、前記第3のねじが前記第1のねじに対する相補的な形状を有するステップと、
内側表面上に第4のねじを有するナット(240)を、前記可撓性シール(250)の第2の部分(300)が前記ナット(240)の内側の溝(270)を充填するまで、回転によって、前記ステム(220)に沿って、前記フランジ(230)に向かって移動させるステップ(S830)であって、前記第4のねじが前記第1のねじに対する相補的な形状を有するステップと、
前記可撓性シール(250)の前記第2の部分(300)が前記ナット(240)の内側の前記溝(270)を充填した後、前記ナット(240)に所定のトルクを加えるステップ(S840)とを含む、ねじ継手を封止する方法。
【請求項10】
外側表面上にねじを有するステム(220)を含むねじ継手を封止するためのツーピースのシールナットであって、
前記ステム(220)を取り囲み、前記ステム(220)に沿って移動するように構成されており、溝(270)を有するナット(240)と、
前記ステム(220)を保持するフランジ(230)の内側で、前記ステム(220)を取り囲み、前記ステム(220)に沿って移動するように構成されており、前記フランジ内の座ぐり穴(280)を充填するように構成された第1の部分(290)と、前記ナット(240)内の前記溝(270)を充填するように構成された第2の部分(300)とを有するように構成された可撓性シール(250)とを備える、ツーピースのシールナット。
【請求項11】
前記可撓性シール(250)と前記ナット(240)がそれぞれの内側表面上にねじを有し、前記可撓性シール(250)と前記ナット(240)の前記ねじが、前記ねじ切りされたステム(220)の外側表面上の前記ねじの形状に対する相補的な形状を有する、請求項10記載のツーピースのシールナット。
【請求項12】
前記可撓性シール(250)が、硫化水素(H2S)に起因する腐蝕に対し耐性のある材料から作られる、請求項10記載のツーピースのシールナット。
【請求項13】
前記可撓性シール(250)が、約75のデュロメータ値を有するポリマーから作られる、請求項10記載のツーピースのシールナット。
【請求項14】
前記可撓性シール(250)の前記第1の部分(290)が、前記第2の部分(300)の外径より小さな外径を有する、請求項10記載のツーピースのシールナット。
【請求項15】
ねじ切りされたステム(220)を保持するフランジ(230)内の座ぐり穴(280)を充填するように構成された第1の部分(290)と、
ナット(240)の溝(270)を充填するように構成されており、前記第1の部分(290)の直径と異なる直径を有する第2の部分(300)とを備え、
前記第1の部分(290)と前記第2の部分(300)が、内側孔の表面上に前記可撓性シール(250)が前記ねじ切りされたステム(220)に沿って移動できるように構成されたねじを有し、前記可撓性シール(250)の前記ねじが前記ねじ切りされたステム(220)の外側表面上のねじに対する相補的な形状を有する、可撓性シール(250)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−31994(P2012−31994A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160399(P2011−160399)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(505347503)ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ (112)
【Fターム(参考)】