説明

ひずみゲージセンサーを有するカテーテル

【課題】患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を備える医療用プローブを提供する。
【解決手段】プローブは、挿入管の遠位端の内部に収容され、かつ組織によって遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成された、弾性材のセンサー管を更に備える。プローブは、センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつセンサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージを更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に侵襲性医療装置に関し、特に人体器官に挿入することを目的としたプローブの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの診断及び治療技術では、カテーテルを心腔内に挿入し、心臓内壁に接触させる。そのような手技では、良好な接触を確実にするために、カテーテルの遠位端が心内膜に十分な圧力で係合することが一般的に重要である。しかしながら、過剰な圧力は、望ましくない心臓組織の損傷、更には心臓壁の穿孔を引き起こす可能性がある。
【0003】
例えば、高周波(RF)心内アブレーションでは、その遠位端に電極を有するカテーテルが、患者の血管系を通じて心腔内に挿入される。この電極は心内膜上の部位(又は複数の部位)に接触され、これら部位の心臓組織のアブレーションのために、高周波エネルギーがカテーテルを通して電極に加えられる。心臓組織に過剰な損傷を与えずに、所望の治療効果を達成するためには、アブレーション中の電極と心内膜間の適正な接触が必要である。
【0004】
一連の特許公報が、組織との接触を検知する、集積圧力センサーを有するカテーテルにつき開示している。一例として、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0100332号(Saurav et al.)には、組織アブレーションのための電極−組織接触を評価するシステム及び方法が記載されている。カテーテルシャフト内の電子機械的センサーは、カテーテルシャフトの遠位部分内の電極の運動量に対応する電気信号を生成する。出力機器は、電極と組織間の接触のレベルを評価するために、この電気信号を受け取る。
【0005】
上記説明は、当該分野における従来技術の一般的概略として示されており、この説明に含まれるいかなる情報も、本出願に対する先行技術を構成することを認めるものと解釈すべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管と、
弾性材を含み、挿入管の遠位端の内部に収容され、かつ組織によって遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管と、
センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつセンサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージと、を備える医療用プローブを提供する。
【0007】
典型的には、センサー管は、遠位端の内部で挿入管に固定して取り付けられ、センサー管の表面は、センサー管の外側の曲面を含んでもよい。
【0008】
一実施形態において、個別の信号は、遠位端の終端部にかかる圧力の大きさ及び方向を生成するように構成される。別の方法としては又はこれに加えて、個別の信号は、遠位端の終端部の偏向の大きさ及び方向を生成するように構成される。
【0009】
複数のひずみゲージは、センサー管の軸に対して対称的に配置されてもよく、更には、センサー管の表面の外周上に位置決めされてもよく、この外周はセンサー管に対して中央に位置している。
【0010】
開示された実施形態において、複数のひずみゲージはそれぞれのゲージ方向を有し、ゲージは、それぞれのゲージ方向がセンサー管の軸に対して平行であるようにセンサー管の表面に固定して取り付けられる。
【0011】
更に開示された実施形態において、プローブは、複数のひずみゲージの温度変化を補償するための信号を生成するように構成された少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージを含む。少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージは、ブロック−熱質量を有するブロック上に搭載されてもよく、センサー管は、ブロック−熱質量と等しいアセンブリ−管−熱質量を有してもよい。
【0012】
少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージは、ブロック上の、センサー管の変形に応答して変形しない位置に搭載されてもよい。
【0013】
少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージは、センサー管の軸に対して直交するように構成された温度補償型ひずみゲージ方向を有してもよい。
【0014】
本発明の開示された実施形態によると、
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
挿入管の遠位端の内部に弾性材を含み、かつ組織によって遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管を設置することと、
複数のひずみゲージをセンサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることと、ここで、このひずみゲージはセンサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、を含む、医療用プローブの製造方法が更に提供される。
【0015】
本発明の開示された実施形態によると、
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管、
弾性材を含み、挿入管の遠位端の内部に収容され、かつ組織によって遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管、及び
センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつセンサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージ、を備える医療用プローブと、
ひずみゲージからの個別の信号を受信し、応答して遠位端に加わる力の表示を提供するコンソールと、を備える、医学的処置を実施するための装置が更に提供される。
【0016】
本発明の開示された実施形態によると、
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
挿入管の遠位端の内部に弾性材を含み、かつ組織によって遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管を設置することと、
複数のひずみゲージをセンサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることと、ここで、このひずみゲージはセンサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、
コンソールにおいて個別の信号を受信することと、
コンソールにおいて、個別の信号の受信に応答して遠位端に加わる力の表示を提供することと、を含む、医学的処置を実施するための方法が更に提供される。
【0017】
本発明は、以下のより詳細な実施形態と、その図面の記述により、より完全に理解され得る:
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態によるカテーテルの操作の略図。
【図2A】本発明の実施形態による圧力検出アセンブリを示すカテーテルの概略切り欠き図。
【図2B】本発明の実施形態による圧力検出アセンブリの概略斜視図。
【図3A】本発明の実施形態による代替圧力検出アセンブリを示すカテーテルの概略切り欠き図。
【図3B】本発明の実施形態による代替圧力検出アセンブリの概略斜視図。
【図4】本発明の実施形態による更なる代替圧力検出アセンブリの概略斜視図。
【図5】本発明の実施形態による更なる別の代替圧力検出アセンブリの概略斜視図。
【0019】
(実施形態の詳細な説明)
概観
本発明の実施形態は、カテーテルなどの侵襲的プローブの新規設計を提供する。当該プローブは、患者の体腔内に挿入するのを目的とした可撓性挿入管を備え、挿入管の遠位端の内部には圧力検出アセンブリが設置される。アセンブリは、管の表面、典型的には外側の曲面、の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられた複数のひずみゲージを有する弾性材の管を備える。典型的には、3個以上のひずみゲージが表面に固定して取り付けられる。
【0020】
プローブの遠位端が体腔内の組織と係合するとき、この末端部にかかる力は、プローブを曲げ及び/又は圧縮させ、弾性材の管を変形させる。管に対する力の大きさ及び方向に応じて、管の変形は、ひずみゲージが取り付けられる管の表面の位置の拡張及び/又は収縮から成る。ひずみゲージは、ひずみゲージが取り付けられる管の位置の変形に応答した個別の信号を提供し、処理装置は、このひずみゲージ信号から、この末端部にかかる(力に起因する)圧力を計算する。処理装置は、この信号から末端部の偏向を計算することもできる。
【0021】
弾性管に取り付けられた複数のひずみゲージの組み合わせは、当該技術分野において既知の他の圧力検出装置よりも製造が簡単で安価な、信頼できる正確な圧力検出装置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態によるカテーテル20の操作の略図である。図1に例示されるように、カテーテル20の近位端は、カテーテルのオペレータによって制御される操作コンソール21に接続される。オペレータはまた、医学的処置を実行するためにカテーテルが使用されている間、制御機器(図示せず)を使用してカテーテルを操作する。コンソール21は、とりわけ、カテーテル20の遠位端にある要素からの信号を受信しかつ解析する処理装置(PU:processing unit)23を備える。要素及び信号解析は、以下により詳細に記載される。処理装置23は、メモリ25に格納されたソフトウェアを使用し、ソフトウェアは、典型的には、信号解析のため、並びにカテーテルの操作に関連するその他の機能を実行するための、ルック・アップ・テーブル27を含む。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でコンソール21にダウンロードされることができ、又は別の方法としては若しくはこれに加えて、磁気メモリ、光メモリ、又は電子メモリなどの有形媒体上に提供及び/又は格納されることができる。
【0023】
カテーテル20は、可撓性挿入管26を備える。図1の下部は、心臓内部のカテーテル20の可撓性挿入管26を示す、心臓22の心室の断面図を概略的に示す。カテーテルは、典型的には、大静脈又は大動脈などの血管を通して、経皮的に心臓に挿入される。管の遠位端24に固定して取り付けられた管26の終端部28は、心内膜組織30に係合する。典型的には、終端部28は、アブレーションに使用され得る電極を含む。しかしながら、終端部28が電極を含むことは必須条件ではなく、終端部はカメラ等の任意のその他の要素を含んでもよい。簡略化のため、以下の説明では、終端部28は電極を含むと仮定されており、当業者は、変更すべきところは変更して、この説明を他のタイプの終端部に適合させることが可能であろう。終端部28が心内膜に対して加える力は心内膜組織を局所的に変形させ、心内膜から終端部にかかる相殺力をもたらす。
【0024】
描写されている例では、終端部28は正面から心内膜に係合している。相殺力は、挿入管26の遠位端24をわずかに圧縮させる。あるいは(描かれていないが)、終端部は心内膜に傾斜して係合する。この場合、心内膜からの相殺力は管の遠位端24を曲げ、遠位端を圧縮する場合もある。以下により詳細に説明されるように、本発明の実施形態は、正面からの係合又は傾斜した係合に起因するいずれの種類の変形も測定し、測定値は、変形を引き起こす力、更には圧力、の方向及び大きさの表示を提供する。(測定値はまた、終端部28の偏向の表示を提供する)。
【0025】
圧力表示は、所望の結果を得るために終端部28が心内膜をしっかりと必要方向に圧迫しているが、望ましくない組織の損傷を引き起こすほど強くない又はそのような方向ではないことを確実にするために、カテーテル20のオペレータによって使用されてもよい。参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許出願第20090093806号(Govari et al.、2007年10月8日出願)は、同じような方法で圧力検出カテーテルを使用するシステムを記載している。カテーテル20は、かかるシステムにおいて使用されてもよい。
【0026】
偏向表示は、終端部28が正確に位置決めされたかどうかを判断するためにオペレータによって使用され得る。
【0027】
図2Aは、本発明の実施形態による、挿入管26の遠位端24に設置された圧力検出アセンブリ40を示しているカテーテル20の概略切り欠き図であり、図2Bは、本発明の実施形態による、圧力検出アセンブリの概略斜視図である。圧力検出アセンブリ40は、弾性材、典型的には金属材料の薄肉の管42を含み、管は、本明細書においてはセンサー管42とも呼ばれる。センサー管は、典型的には中空直円柱の形態であり、対称軸46を有する。管を形成している弾性材は、ニッケルチタン(Nitinol)などの超弾性合金を含んでもよい。心臓内用途では、管42は、全長約5mm、肉厚約0.1mm、及び外径約2mmであってもよい。あるいは、その他の用途では、センサー管42の寸法は、上で例示されたものより大きくても又は小さくてもよい。
【0028】
明確にするのを目的として、以下の説明では、軸46がx軸と平行であるように、センサー管42は、図2Aに示されるように一組の直交するxyz軸(x軸とy軸は紙面の平面にある)によって方向付けられ、かつこれらと整列していると仮定する。しかしながら、本発明の実施形態は、実質的にあらゆる配向で機能し得ることは理解されよう。
【0029】
複数のひずみゲージ44A、44B、44C、...は、センサー管42の表面48に固定して取り付けられる。以下の説明では、別段の表示がない限り、表面48は管42の外側の曲面を含むと仮定する。本明細書において、ひずみゲージ44A、44B、44C、...は、総称的にひずみゲージ44とも呼ばれ、ひずみ測定ゲージ44とも呼ばれる。
【0030】
典型的には、ひずみゲージ44は、一般に同じような種類である。多くの異なる種類のひずみゲージ、即ち、材料の変形量を表示するゲージは、当該技術分野において既知である。例えば、ひずみゲージ44は、それぞれ金属又は半導体の抵抗値変化によってひずみを表す金属箔ゲージ又は半導体ゲージ(後者はピエゾ抵抗効果を用いる)を含んでもよい。あるいは、ひずみゲージ44は、ひずみを表示することが可能なその他の装置を含んでもよく、例えば、ひずみに応答して結晶全体に発生した電位に従ってひずみを表す圧電性結晶、又は、光ファイバーに形成された回折格子の共振波長等の光ファイバーの特性の変化によってひずみを表す光ファイバーが挙げられる。光ファイバーの特性は、典型的には、光ファイバーを透過した放射線によって評価される。
【0031】
実施の形態及び特許請求の範囲において、ひずみゲージ及びひずみ測定ゲージといった用語は、ひずみを表示することが可能な上記で例示されたものなどの任意の装置を含むと仮定する。簡略化のため、別段の表示がない限り、以下の説明では、ひずみ測定ゲージ44は金属箔ゲージを含むと仮定する。
【0032】
ひずみゲージは、典型的には、本明細書ではゲージと関連して「ゲージ方向」と称される、特定方向のひずみを測定する。図では、特定ゲージのゲージ方向は、ゲージの符号に隣接した両方向矢印で表わされる。したがって、一例として、及び図2A及び図2Bに示されるように、ひずみゲージ44は共通整列しており、その結果それらのゲージ方向はx軸に対して平行である。しかしながら、ひずみゲージ44のゲージ方向が共通整列していることは必須条件ではなく、いくつかの実施形態ではゲージ方向は異なる。
【0033】
開示された実施形態の以下の説明では、センサー管42に対して対称的に配置された3個のひずみ測定ゲージ44A、44B、及び44Cが存在すると仮定する。センサー管に対するひずみゲージのこのような対称的な配置は、終端部28に加えられる圧力の大きさ及び方向、並びに、圧力の方向を問わない終端部の偏向の大きさ及び方向を判定しやすくすることは理解されよう。更に、開示された実施形態では、ひずみゲージ44A、44B、及び44Cは、管の外側表面の共通の外周50上で管42に固定して取り付けられる。共通の外周50は、典型的には、管42に対してほぼ中央に位置決めされ、YZ平面内に位置するように軸46に対して直交する。外周50を中央に位置決めすることにより、典型的には、ゲージ44から読み取られる終端部28に加わる所与の圧力の値が向上することは理解されよう。
【0034】
ゲージの取り付けは、シアノアクリレート系接着剤等の任意の従来の結合材料を使用して実施されてもよい。ゲージは、典型的には、外周50上に対称的に配置されるように、及びそれらのゲージ方向が上述の通りである、即ち、x軸に対して平行であるように、取り付けられる。
【0035】
しかしながら、本発明の他の実施形態では、複数のひずみ測定ゲージ44は2以上の任意の整数を含んでもよく、複数のゲージが管42に対して対称的に配置されることは必須条件ではない。非対称的な配置のひずみゲージを有する実施形態は、図5を参照して以下に記載される。
【0036】
各ひずみゲージ44は、典型的には、対応の配線によって処理装置23(図1)に接続される。図2Aでは、ゲージ44Bへの配線52及びゲージ44Cへの配線54が示されている。ひずみゲージ44への配線は、本明細書においては、総称的に配線55とも呼ばれる。ひずみゲージの種類に応じて、配線55は、典型的には、ツイストペアケーブル又は光ファイバーケーブルを含んでもよい。信号は、配線を介して、各ゲージのひずみを判定するために信号を解析するように構成された処理装置23に伝達される。
【0037】
カテーテルの挿入管26は、カテーテルの操作部分を取り囲む可撓性の管状の外側シース60を含む。操作部分は、導電性配線などの要素及び/若しくは流体運搬導管並びに/又はカテーテル20をガイドするためのプルワイヤを有する。簡略化のため、カテーテルのこれらの操作部分は図2Aに示されていない。シース60は、典型的には、金属ワイヤ等の強化要素が組成物中に含められたプラスチックの組成物を含む。
【0038】
圧力検出アセンブリ40は、シース60に固定して取り付けられる。一例として、取り付けは、2つの一般に類似したリング56、58によって実施されると仮定する。リング56、58は、センサー管42の外径と等しい内径と、シース60の内径と等しい外径とを有する。リング56、58は、典型的には、センサー管のそれぞれの末端部に位置決めされる。位置決めの間、アセンブリ40は、リング56、58の内周及び外周に接着剤又はセメントを塗布することによって、シース60に固定して取り付けられてもよい。リング56、58は、典型的には、アセンブリ40をシース60に取り付ける際に、アセンブリがシースに対して、即ち、遠位端24に対して対称的に配置されるように構成される。
【0039】
リング56、58は、アセンブリ40をシース60に固定して取り付ける1つの可能な方法である。リング56、58の代わりに、又はリング56、58に加えて、例えばアセンブリとシースとの間で複数のスペーサを使用するといったその他の取り付け方法を用いてもよいことは、当業者には理解されるであろう。全てのそのような方法は、本発明の範囲内に含まれると仮定する。
【0040】
アセンブリ40が遠位端24に固定して設置された時点で、カテーテルが上記のような侵襲的手技に使用される前に、アセンブリを較正してもよい。較正は、大きさ及び方向の両方で知られる力を、典型的には終端部28に加えることによって遠位端24に加えることを含む。以下の説明では、この既知の力は、この力が加えられる終端部28の実効面積を用いて、対応する既知の圧力に変換されると仮定する。加えられる既知の圧力は、正面からの圧力の範囲、並びに傾斜圧力の(大きさ及び方向の)範囲を含み、この圧力はセンサー管42の対応する変形を引き起こす。それぞれの既知の圧力に関して、センサー管に取り付けられたゲージ44によって生成されるひずみの測定値が記録され、カテーテル20の較正パラメータとして、例えばメモリ25のルック・アップ・テーブル27として格納される。
【0041】
加えられた既知の圧力は、終端部28の対応するそれぞれの偏向を生じさせる。偏向は、方向及び大きさの両方について測定されてもよく、一例として、カテーテル20の較正パラメータにも組み込まれると仮定する。
【0042】
上記較正手順、即ち、ルック・アップ・テーブルの生成は、アセンブリ40を較正するのに用いられることができる多くの方法の1つであることは理解されよう。
【0043】
アセンブリを較正するその他の方法は、当業者に良く知られている。例えば、圧力の大きさをゲージ44のひずみの値に関連付ける第1の関数と、圧力の方向をゲージ44のひずみの値に関連付ける第2の関数を定めてもよい。典型的には、両方の関数は、多項式の変数としてゲージ44のひずみの値、並びにひずみ値のより大きな累乗を有する多項式の形であり、各変数はそれぞれの係数で乗算される。終端部28の偏向に関しても同様の関数が定められてもよい。上記較正手順は、典型的には関数当てはめ法を適用することによって、それぞれの関数の係数の値を求めるために用いられる。
【0044】
較正で求めた等式及び係数値は、前記の較正パラメータとしてメモリ25に格納されてもよい。
【0045】
上述されたもののような全ての較正方法は、本発明の範囲内に含まれると仮定する。
【0046】
上記で例示されたような侵襲的手技の間、処理装置23は、ゲージ44のそれぞれで測定されたひずみの「生の」値を決定する。処理装置は、生のひずみ値から、終端部28に加わる圧力の大きさ及び方向の値、並びに終端部の偏向の大きさ及び方向の値を評価するために、メモリ25に格納された較正パラメータにアクセスする。決定値は、典型的にはコンソール21に表示されるグラフィック・ユーザー・インターフェースの一部として、カテーテル20のオペレータに提供されてもよい。
【0047】
処理装置23による圧力の大きさ及び方向の値及び偏向の大きさ及び方向の値の決定は、典型的には、平滑化及び/又はフィルタリングなどの生の値の演算が必要である。加えて、較正パラメータの種類によっては更なる演算が必要な場合があり、例えば、較正がルック・アップ・テーブル27を含む場合、処理装置23は、ゲージ44の測定されたひずみ値から、終端部28に加わる圧力の方向及び大きさ、及び/又は終端部の偏向の方向及び大きさを決定するために、補間法又は補外法などの演算を適用してもよい。このような演算は全て当業者には良く知られており、本発明の範囲内に含まれると仮定する。
【0048】
図3Aは、本発明の代替実施形態による、挿入管26の遠位端24内に設置された圧力検出アセンブリ140を示しているカテーテル20の概略切り欠き図であり、図3Bは、本発明の代替実施形態による、圧力検出アセンブリの概略斜視図である。以下に記載の違いは別として、アセンブリ140の操作はアセンブリ40(図2A及び図2B)の操作と概ね同様であり、両方のアセンブリ40及び140において同じ参照番号で示されている要素の構造及び操作は概ね同様である。
【0049】
ひずみゲージ44からの読取値は、ゲージの温度変化に敏感であり得る。その寸法が原因で、センサー管42は低熱質量を有するので、管の周囲の室温は、典型的には、ゲージ44の対応する温度変化を引き起こし、ゲージから読み取られる値の精度に影響を与える。アセンブリ140は、1個以上の温度補償型ひずみゲージ142をアセンブリの中に組み込むことによって、処理装置23がこれらの変化を補償するのを可能にする。典型的には、ゲージ142はゲージ44と同じ種類のゲージであり、配線55と同様の配線によってPU 23に接続される。簡略化のため、図3A及び図3Bには、配線のない温度補償型ゲージ142が1個だけ示されている。
【0050】
本明細書に記載の代替実施形態では、温度補償型ゲージ142は、典型的にセンサー管42とほぼ同じ熱質量を有するブロック144の上に搭載されていると仮定する。しかしながら、ブロック144は、管42とは大きく異なり、遠位端24が変形した場合に比較的曲がらないようにアセンブリ140において構成されかつ位置決めされる。加えて、温度補償型ゲージ142のゲージ方向は、典型的には、ゲージ44のゲージ方向に対して直交するように設定され、その結果、本明細書に記載の実施形態では、ゲージ142のゲージ方向は軸46に対して直交する。したがって、温度補償型ゲージ142はゲージ44とほぼ同じ温度変化を有するが、ゲージ44によって測定されるひずみに対応しない。
【0051】
一例として、ブロック144は、管42の内径と等しい外径を有する円盤と仮定する。ブロックは、例えば、図3A及び3Bに例示されるように、円盤の軸148が軸46と一致した状態でセンサー管の近位端に位置決めされることによって、センサー管42に固定して取り付けられてもよい。この構成は、温度補償型ゲージ142のゲージ方向がゲージ44のゲージ方向に対して直交するように、温度補償型ゲージ142を位置決めし易くする。典型的には、ブロック144は1つ以上の開口146を含み、この開口は、センサー管42に配線などの要素を通過させるのに用いられてもよい。更に、開口146の寸法は、ブロック144の熱質量が管42の熱質量とほぼ同じになるように調整されてもよい。
【0052】
アセンブリ140は、アセンブリ40に関して上記にて詳述されたように実質的に較正される。しかしながら、アセンブリ40を較正するために処理装置23によって使用されたひずみゲージ44からの「生の」値を用いるのではなく、処理装置は、典型的には、ひずみ測定ゲージ44と温度補償型ひずみゲージ142との間の差異の値を用いて、アセンブリ140の較正パラメータを生成する。上述のような手技の間にアセンブリ140の較正が実施された時点で、処理装置23は、典型的には、2種類のゲージとアセンブリ140の較正パラメータとの間の差分値を用いて、終端部28に加えられている圧力の大きさ及び方向、並びに終端部の偏向を判定する。
【0053】
図4は、本発明の更なる代替実施形態による圧力検出アセンブリ240の概略斜視図である。以下に記載の違いは別として、アセンブリ240の操作はアセンブリ140(図3A及び図3B)の操作と概ね同様であり、両方のアセンブリ140及び240において同じ参照番号で示されている要素の構造及び操作は概ね同様である。アセンブリ240は、アセンブリ140(図3A)に関して上述されたのと実質的に同様に、典型的にはカテーテル20の遠位端24内に設置される。
【0054】
アセンブリ140とは大きく異なり、アセンブリ240では、温度補償型ゲージ142はブロック144に搭載されず、ブロックはアセンブリ240の一部を形成しない。むしろ、アセンブリ240では、ゲージ142は、ゲージ44によって測定されるひずみにさらされないセンサー管42の領域に、又はこの領域近傍に搭載される。このような領域は、一例として、管がリング56、58(図3A及び図3B)によってシース60に固定して取り付けられるセンサー管42の末端部を含む。したがって、図4に例示された1つの温度補償型ゲージ142によって例示されるように、ゲージ142は、管の近位端の近くの、センサー管42の内側の曲面49上に搭載されてもよい。別の方法としては又はこれに加えて、少なくともいくつかのゲージ142は、センサー管の近位端の近くの、外側の曲面48上に搭載されてもよく、場合によっては、リングに凹所を設けることによってリング56又は58の下に搭載されてもよい。
【0055】
アセンブリ140と同様に、アセンブリ240では、温度補償型ゲージ142は、典型的にはそれらのゲージ方向がひずみゲージ44のゲージ方向に対して直交するように配向される。
【0056】
図5は、本発明の更なる別の代替実施形態による圧力検出アセンブリ340の概略斜視図である。以下に記載の違いは別として、アセンブリ340の操作はアセンブリ40(図2A及び図2B)の操作と概ね同様であり、両方のアセンブリ40及び340において同じ参照番号で示されている要素の構造及び操作は概ね同様である。アセンブリ340は、アセンブリ40(図2A)に関して上述されたのと実質的に同様に、典型的にはカテーテル20の遠位端24内に設置される。
【0057】
一例として、アセンブリ340では、ひずみ測定ゲージ44は5個のゲージ44D、44E、44F、44G、及び44Hを含むと仮定する。アセンブリ40とは大きく異なり、アセンブリ340では、5個のひずみゲージ44はセンサー管42の上に対称的に搭載されない。むしろ、ゲージ44D、44E、44F、44G、及び44Hは、管の上に非対称的な方法で搭載される。センサー管に対してゲージ44がこのように非対称的に配置されることにより、対照的な配置と比べて、ひずみゲージの位置決めをよりフレキシブルにすることができる。典型的には、ゲージ44は、外周に対して、外周50の両側に、即ち、軸46に対して平行な正又は負の方向に、均等に分布される。しかしながら、このような均等な分布の必要性はなく、いくつかの実施形態では不均等な分布が実施されてもよい。
【0058】
軸に対して直角に測定される、隣接するひずみゲージ44と軸46とによって範囲が定められる角度は、ほぼ等しくなるように設定されてもよい。角度の均一化は、圧力の方向に関係なく終端部28に加えられる圧力を判定するのを容易にし、並びに、圧力の方向に関係なく終端部の偏向を判定するのを容易にする。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、圧力が1つ以上の所定方向である場合は、終端部28に加えられる圧力、及び/又は終端部の偏向を測定することが望ましくあり得る。例えば、当該技術分野において既知のカテーテルは、カテーテルを1つ以上の特定の所定の方向に曲げるプルワイヤを有する。本発明の実施形態は、ゲージ44を適切に位置決めすることによって、所定方向への圧力及び偏向の測定を可能にする。
【0060】
例えば、ゲージ44E及び44Dは、それぞれ、管42の表面48上の位置342及び344に再配置されてもよく、この位置は、ゲージ44E、44F、及び44Dが表面48の線346上にあるように選択され、線346は軸46に対して平行である。ゲージのこのような配置は、典型的には、線346と軸46とを含む平面内にあると定義される遠位端24の所定方向への変形を、ゲージ44E及び44Dが再配置されていない場合よりも処理装置23がより正確に測定するのを可能にする。その結果として、終端部28に加わる圧力、及び/又は終端部28の偏向はより正確に測定されることができる。遠位端24の所定方向への変形を測定するための、管42上のゲージ44のその他の配置は当業者には明らかであり、そのような配置は全て本発明の範囲内であると仮定する。
【0061】
上記の特徴は、具体的に記載されていない方法と組み合わされてもよいことは理解されよう。第1の例として、アセンブリ140及び240を参照して記載されたもののような温度補償型ゲージは、アセンブリ340の中に組み込まれてもよい。第2の例として、アセンブリ340などのアセンブリの中のひずみ測定ゲージは、これらひずみ測定ゲージが、実質的に方向を問わない圧力、及びそれに加えて又は別の方法としては1つ以上の所定方向の圧力、を測定することができるように配設されてもよい。
【0062】
上述された実施形態は例示のために引用され、また本発明は、以上に特に示され記述されたものに限定されるものではないことが、したがって理解されるであろう。むしろ本発明の範囲は、以上に記述されたさまざまな特徴の結合及び副結合の両方とともに、当業者が前述の記述を読了後に思いつくであろう、先行技術に開示されていない、それらの変更と修正をも包含する。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管と、
弾性材を含み、前記挿入管の前記遠位端の内部に収容され、かつ前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管と、
前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつ前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージと、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記センサー管が、前記遠位端の内部で前記挿入管に固定して取り付けられる、実施態様1に記載のプローブ。
(3) 前記センサー管の前記表面が、前記センサー管の外側の曲面を含む、実施態様1に記載のプローブ。
(4) 前記個別の信号が、前記遠位端の終端部にかかる圧力の大きさ及び方向を生成するように構成される、実施態様1に記載のプローブ。
(5) 前記個別の信号が、前記遠位端の終端部の偏向の大きさ及び方向を生成するように構成される、実施態様1に記載のプローブ。
(6) 前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して対称的に配置される、実施態様1に記載のプローブ。
(7) 前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の前記表面の外周上に位置決めされ、前記外周が前記センサー管に対して中央に位置する、実施態様1に記載のプローブ。
(8) 前記複数のひずみゲージがそれぞれのゲージ方向を有し、前記ゲージが、前記それぞれのゲージ方向が前記センサー管の軸に対して平行であるように前記センサー管の前記表面に固定して取り付けられる、実施態様1に記載のプローブ。
(9) 前記複数のひずみゲージの温度変化を補償するための信号を生成するように構成された少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージを含む、実施態様1に記載のプローブ。
(10) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、ブロック−熱質量を有するブロック上に搭載され、前記センサー管が、前記ブロック−熱質量と等しいアセンブリ−管−熱質量を有する、実施態様9に記載のプローブ。
【0064】
(11) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記ブロック上の、前記センサー管の変形に応答して変形しない位置に搭載される、実施態様10に記載のプローブ。
(12) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して直交するように構成された温度補償型ひずみゲージ方向を有する、実施態様9に記載のプローブ。
(13) 患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
前記挿入管の前記遠位端の内部に弾性材を含むセンサー管を設置することであって、前記センサー管は、前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成される、ことと、
複数のひずみゲージを前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることであって、前記ひずみゲージは、前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、ことと、を含む、医療用プローブの製造方法。
(14) 前記センサー管が、前記遠位端の内部で前記挿入管に固定して取り付けられる、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記センサー管の前記表面が、前記センサー管の外側の曲面を含む、実施態様13に記載の方法。
(16) 前記個別の信号が、前記遠位端の終端部にかかる圧力の大きさ及び方向を生成するように構成される、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記個別の信号が、前記遠位端の終端部の偏向の大きさ及び方向を生成するように構成される、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して対称的に配置される、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の前記表面の外周上に位置決めされ、前記外周が前記センサー管に対して中央に位置する、実施態様13に記載の方法。
(20) 前記複数のひずみゲージがそれぞれのゲージ方向を有し、前記ゲージが、前記それぞれのゲージ方向が前記センサー管の軸に対して平行であるように前記センサー管の前記表面に固定して取り付けられる、実施態様13に記載の方法。
【0065】
(21) 前記複数のひずみゲージの温度変化を補償するための信号を生成するように構成された少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージを提供することを含む、実施態様13に記載の方法。
(22) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、ブロック−熱質量を有するブロック上に搭載され、前記センサー管が、前記ブロック−熱質量と等しいアセンブリ−管−熱質量を有する、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記ブロック上の、前記センサー管の変形に応答して変形しない位置に搭載される、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して直交するように構成された温度補償型ひずみゲージ方向を有する、実施態様21に記載の方法。
(25) 患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管、
弾性材を含み、前記挿入管の前記遠位端の内部に収容され、かつ前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管、及び、
前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつ前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージ、を備える、医療用プローブと、
前記ひずみゲージからの前記個別の信号を受信し、応答して前記遠位端に加わる前記力の表示を提供するコンソールと、を備える、医学的処置を実施するための装置。
(26) 患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
前記挿入管の前記遠位端の内部に弾性材を含むセンサー管を設置することであって、前記センサー管は、前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成される、ことと、
複数のひずみゲージを前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることであって、前記ひずみゲージは、前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、ことと、
コンソールにおいて前記個別の信号を受信することと、
前記コンソールにおいて、前記個別の信号を受信することに応答して前記遠位端に加わる前記力の表示を提供することと、を含む、医学的処置を実施するための方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管と、
弾性材を含み、前記挿入管の前記遠位端の内部に収容され、かつ前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管と、
前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつ前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージと、を備える、医療用プローブ。
【請求項2】
前記センサー管が、前記遠位端の内部で前記挿入管に固定して取り付けられる、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記センサー管の前記表面が、前記センサー管の外側の曲面を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項4】
前記個別の信号が、前記遠位端の終端部にかかる圧力の大きさ及び方向を生成するように構成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記個別の信号が、前記遠位端の終端部の偏向の大きさ及び方向を生成するように構成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して対称的に配置される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項7】
前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の前記表面の外周上に位置決めされ、前記外周が前記センサー管に対して中央に位置する、請求項1に記載のプローブ。
【請求項8】
前記複数のひずみゲージがそれぞれのゲージ方向を有し、前記ゲージが、前記それぞれのゲージ方向が前記センサー管の軸に対して平行であるように前記センサー管の前記表面に固定して取り付けられる、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
前記複数のひずみゲージの温度変化を補償するための信号を生成するように構成された少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージを含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項10】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、ブロック−熱質量を有するブロック上に搭載され、前記センサー管が、前記ブロック−熱質量と等しいアセンブリ−管−熱質量を有する、請求項9に記載のプローブ。
【請求項11】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記ブロック上の、前記センサー管の変形に応答して変形しない位置に搭載される、請求項10に記載のプローブ。
【請求項12】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して直交するように構成された温度補償型ひずみゲージ方向を有する、請求項9に記載のプローブ。
【請求項13】
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
前記挿入管の前記遠位端の内部に弾性材を含むセンサー管を設置することであって、前記センサー管は、前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成される、ことと、
複数のひずみゲージを前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることであって、前記ひずみゲージは、前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、ことと、を含む、医療用プローブの製造方法。
【請求項14】
前記センサー管が、前記遠位端の内部で前記挿入管に固定して取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記センサー管の前記表面が、前記センサー管の外側の曲面を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記個別の信号が、前記遠位端の終端部にかかる圧力の大きさ及び方向を生成するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記個別の信号が、前記遠位端の終端部の偏向の大きさ及び方向を生成するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して対称的に配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のひずみゲージが、前記センサー管の前記表面の外周上に位置決めされ、前記外周が前記センサー管に対して中央に位置する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のひずみゲージがそれぞれのゲージ方向を有し、前記ゲージが、前記それぞれのゲージ方向が前記センサー管の軸に対して平行であるように前記センサー管の前記表面に固定して取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のひずみゲージの温度変化を補償するための信号を生成するように構成された少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージを提供することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、ブロック−熱質量を有するブロック上に搭載され、前記センサー管が、前記ブロック−熱質量と等しいアセンブリ−管−熱質量を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記ブロック上の、前記センサー管の変形に応答して変形しない位置に搭載される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1個の温度補償型ひずみゲージが、前記センサー管の軸に対して直交するように構成された温度補償型ひずみゲージ方向を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管、
弾性材を含み、前記挿入管の前記遠位端の内部に収容され、かつ前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成されたセンサー管、及び、
前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けられ、かつ前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成された複数のひずみゲージ、を備える、医療用プローブと、
前記ひずみゲージからの前記個別の信号を受信し、応答して前記遠位端に加わる前記力の表示を提供するコンソールと、を備える、医学的処置を実施するための装置。
【請求項26】
患者の体腔内に挿入するのを目的とし、かつ前記体腔内の組織と接触するように構成された遠位端を有する可撓性挿入管を提供することと、
前記挿入管の前記遠位端の内部に弾性材を含むセンサー管を設置することであって、前記センサー管は、前記組織によって前記遠位端に加えられる力に応答して変形するように構成される、ことと、
複数のひずみゲージを前記センサー管の表面の異なるそれぞれの位置に固定して取り付けることであって、前記ひずみゲージは、前記センサー管の変形に応答して個別の信号を生成するように構成される、ことと、
コンソールにおいて前記個別の信号を受信することと、
前記コンソールにおいて、前記個別の信号を受信することに応答して前記遠位端に加わる前記力の表示を提供することと、を含む、医学的処置を実施するための方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−136170(P2011−136170A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−289420(P2010−289420)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(510322649)バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド (18)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
【住所又は居所原語表記】4 Hatnufah Street, P.O. Box 275, Yokneam 20692 Israel
【Fターム(参考)】