説明

へそ凹部清浄剤

【課題】へそのゴマ等の汚れを、へそ凹部の内面に傷を付けることなく、容易に除去することができるへそ凹部清浄剤、それを用いたへそ凹部清浄方法を提供すること。
【解決手段】へそ凹部清浄剤は、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含む。水溶性ポリマーと吸水剤との重量比(前者:後者)は100:1〜1:5であることが好ましい。水溶性ポリマーはポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンであり、吸水剤は高吸収性ポリマーであることが好ましい。このへそ凹部清浄剤を用いたへそ凹部清浄方法は、へそ凹部清浄剤と含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給し、該清浄剤が乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、へそ凹部から取り出すことからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、へそ凹部の汚れ(へそのゴマ等)を除去するのに用いるへそ凹部清浄剤、及びそれを用いたへそ凹部清浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所謂へそ出しルックやへそピアスが一般化し、また水着を外出着として着用する流行もあり、へそを露出する機会が増えている。へそ凹部に所謂へそのゴマが溜っていると見栄えが悪く、またへそ凹部に細菌が繁殖して臭いを発するため、見栄え向上や防臭上、へそのゴマの除去(へそ掃除)が行われている。
【0003】
へそのゴマの除去は、一般的には、指の爪で引っ掻いたり、オイルを付けた綿棒で掻き出したりすることにより行われている。しかし、指の爪で引っ掻いたり、綿棒で掻き出したりすると、へそ凹部の内表面を傷付け易い。また、へそ凹部のすぐ下に位置する腹膜が刺激を受け、腹部に痛みが発生し易い。
【0004】
特許文献1には、へその垢掃除の際に生じる痛みや不快感を伴わず、手間をかけずにきれいに掃除するためのへその垢掃除用具として、軟膏を付けた絆創膏状のパッチからなるへその垢掃除用具が記載されている。この垢掃除用具は、これでへそを覆うことによって、へその垢をふやかすものである。しかし、結局はふやけた垢を綿棒等で除去する必要があるので、上述した不都合が生じやすい。
【0005】
本出願人は先に、2液混合硬化型シリコーンゴム組成物からなる、へそのゴマや耳垢等の汚れを除去するための身体凹部清浄剤を提案した(特許文献2参照)。この身体凹部清浄剤によれば、へそのゴマや耳垢等の汚れを、へそ凹部や耳腔の内表面を傷付けることなく容易に除去することができる。しかし、この組成物は、特殊な薬剤を用いるため、高価である。また、反応性に影響を与えるので、他の成分の配合に制限がある。
【0006】
【特許文献1】特開2006−314750号公報
【特許文献2】特開2004−339201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記の特許文献2において提案された材料以外の有効なへそ凹部清浄システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤を提供するものである。
【0009】
また本発明は、前記のへそ凹部清浄剤と含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給し、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、へそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【0010】
また本発明は、前記のへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体を含水揮発性媒体で湿潤させ、湿潤状態の該支持体をへそ凹部に挿入し、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、前記のへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入し、へそ凹部に挿入された状態の該支持体を含水揮発性媒体で湿潤させ、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、吸水剤が担持された液保持性の支持体を、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物で湿潤させ、湿潤状態の該支持体をへそ凹部に挿入し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【0013】
更に本発明は、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給した後、吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入した後、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のへそ凹部清浄剤及びへそ凹部清浄方法によれば、へそのゴマ等のへそ凹部の汚れを、へそ凹部の内表面を傷付けることなく、作業性よくかつ簡便に除去することができる。特に、液保持性の支持体を併用することで、前記の清浄剤を欠損なくきれいに取り出すことが可能となる。また、汎用性の原材料の組み合わせであることから、安価であるうえ、性能の向上を始めとして高付加価値化も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のへそ凹部清浄剤は、その構成成分として、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤の2成分を含んでいる。へそ凹部清浄剤がこれら2成分からなる場合には、該清浄剤は固体の粉粒体状の形態となっている。
【0017】
へそ凹部清浄剤を構成する一成分である皮膜形成性の水溶性ポリマーは、これを含水揮発性媒体に溶解させてなる溶液をキャストし、該含水揮発性媒体を揮発除去させることで皮膜の形成が可能なポリマーである。このようなポリマーを含むへそ凹部清浄剤をへそ凹部に供給して該ポリマーの皮膜を形成することで、へそ凹部内の汚れを該皮膜に付着させることが可能となる。かかる皮膜形成性水溶性ポリマーとしては、天然、半合成又は合成の高分子化合物で、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両イオン性のいずれでも良い。具体的には、天然あるいは半合成のものとしては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸Na、コンドロイチン硫酸Na、アルギン酸、アルギン酸Na、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルアミロース、コーンスターチ、小麦デンプン、寒天、ふのり、カゼイン、にかわ、プルラン、デキストラン、トラガントゴム、アラビアゴム、ノニオン変性グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、可溶性デンプン、カルボキシデンプン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられるが、合成系のものがより好ましい。合成系のものとしては下記のモノマー(1)〜(4)の1種又は2種以上を重合させたもの又はこれらのモノマーと酢酸ビニル等の脂肪族カルボン酸のビニルエステル、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、アルキルビニルエーテル等の他のモノマーとの共重合体、更にこれらの重合体の混合物が挙げられる。
【0018】
(1)非イオン性:ポリエチレングリコールモノメタクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルメタクリレート等。ビニルアルコールユニットは酢酸ビニルを共重合後、加水分解によってアセチル基を除去することで導入できる。
【0019】
(2)アニオン性:アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MA)、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸モノマー又はそれらの無水物又はそれらの塩;スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)等の不飽和スルホン酸モノマー又はこれらの塩;ビニルホスホン酸、アシッド・ホスホキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和リン酸モノマー。
【0020】
(3)カチオン性:ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAAm)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMAAm)等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類;ジメチルアミノスチレン(DMASt)、ジメチルアミノメチルスチレン(DMAMSt)等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;又はこれらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、硫酸ジアルキル等の公知の四級化剤を用いて四級化したもの。
【0021】
(4)両イオン性:N−(3−スルホプロピル)−N−アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−メタクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン。
【0022】
さらに、ラジカル重合以外の方法から得られるポリマーとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリオキサゾリン等が挙げられる。
【0023】
これらの皮膜形成性水溶性ポリマーのうち、特にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。
【0024】
これらのポリマーの重量平均分子量は1万〜150万、特に10万〜100万であることが好ましい。
【0025】
皮膜形成性の水溶性ポリマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
皮膜形成性の水溶性ポリマーとして、固形粉末化粧料に用いられるシリコーン系のポリマーを用いることもできる。例えばポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン(特開平5−112423号公報第10頁10行〜第10頁20行、特開平7−133352号公報第11頁25行〜第11頁40行及び特開平10−95705号公報第17頁11行〜第17頁26行)、ビニル・シリコーンブロックポリマー(特開平11−100307号公報第6頁27行〜第6頁41行)などが挙げられる。
【0027】
へそ凹部清浄剤を構成する一成分である吸水剤としては、水を吸収して保持し得る物質である。吸水剤は、皮膜形成性の水溶性ポリマーが含水揮発性媒体に溶解してなる液から水を奪い、該ポリマーの皮膜形成を促進させるために用いられる。そのような物質の例としては、高吸収性ポリマーが挙げられる。高吸収性ポリマーとしては、例えば自重の20倍以上の液体を吸収・保持できかつゲル化し得るものが好ましい。形状は特に問わず、球状、塊状、ブドウ状、粉末状又は繊維状である。その大きさは好ましくは1〜1000μm、好ましくは10〜500μmである。そのような高吸収性ポリマーの例としては、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の架橋重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩をグラフトしたでんぷん並びにポリビニルアルコール等の重合体を挙げることができる。架橋ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合せしめた架橋共重合体も好ましく使用し得る。
【0028】
へそ凹部清浄剤における皮膜形成性の水溶性ポリマーと、吸水剤との重量比(前者:後者)は、100:1〜1:5、特に10:1〜1:2、とりわけ2:1〜1:1であることが、該ポリマーの皮膜を短時間で形成し得る点から好ましい。吸水剤が多いほど、乾燥速度が速まる点で好ましい。しかし、吸水剤が過度に多くなると皮膜がもろくなって固化体を一体に抜き出せなくなることがある。吸水剤が少ない場合、特にへその奥部において乾燥が不十分となり、汚れを同伴除去することができない場合がある。
【0029】
へそ凹部清浄剤は、上述の2成分に加えて含水揮発性媒体を含んでいてもよい。へそ凹部清浄剤が含水揮発性媒体を含む場合、該清浄剤は液体の状態になっている。含水揮発性媒体は、皮膜形成性の水溶性ポリマーを溶解させるために用いられるものである。含水揮発性媒体としては、例えば水やアルコール水溶液などが挙げられる。アルコール水溶液を用いる場合、特にエタノール、イソプロピルアルコールなどの低沸点アルコールの水溶液が好ましい。そのアルコール濃度は0.01〜15重量%、特に0.1〜10重量%であることが好ましい。
【0030】
含水揮発性媒体は、皮膜形成性の水溶性ポリマー1重量部に対して3〜30重量部、特に5〜10重量部配合されることが、適用時には適度な流動性を示しつつ、該ポリマーの皮膜を短時間で形成し得る点から好ましい。含水揮発性媒体と吸水剤とは、使用直前まで分離されていることが必要である。そして、均一に混合しあうのに充分な時間的余裕をもって使用直前に両者を混合するか、あるいはいずれか一方を先にへそ凹部に導入した後、次いで他方をへそ凹部に導入する。吸水剤は、吸水速度が異なるグレードがいくつか入手できる。吸水剤を先にへそ凹部に導入する場合や、吸水剤と含水揮発性媒体とを混合してからへそ凹部に導入する場合には、へそ凹部で水溶性ポリマーが充分に溶解し、該水溶性ポリマーが汚れと馴染む程度の時間を与えることが肝要である。
【0031】
へそ凹部清浄剤は、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤に加えて、又は皮膜形成性の水溶性ポリマー、吸水剤及び含水揮発性媒体に加えて、液保持性の支持体を更に含んでいてもよい。液保持性の支持体は、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を担持するために用いられるものであり、好ましくは前記した含水揮発性媒体によって完全に濡れて、例えば繊維の表面や毛管に液を蓄える性質を有するものである。液保持性の支持体の使用により、該ポリマーから形成された皮膜を保持し、へそ凹部内の汚れを該皮膜とともにへそ凹部から一体として取り出すことが容易となる。
【0032】
液保持性の支持体としては、繊維材料やスポンジ等の可撓性多孔質体などが用いられる。繊維材料としては、例えば、パルプ、コットン等の天然セルロース繊維、レーヨン等の再生セルロース繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート等の合成繊維などが挙げられる。特に吸水性の高い繊維であるパルプ、コットン等の天然セルロース繊維、レーヨン等の再生セルロース繊維、ポリアクリレート繊維などが好ましく用いられる。
【0033】
液保持性の支持体として繊維材料を用いる場合には、該繊維材料は塊状体や、成形体の形態であり得る。塊状体としては、例えば綿球や綿栓等が挙げられる。成形体としては、例えば湿式法又は乾式法で製造された不織布や紙、該不織布や紙の三次元成形物、湿式法又は乾式法で製造されたパルプモールド成形物、織物、該織物の三次元成形物、二次元又は三次元に編成された編成物などが挙げられる。成形体が三次元の形状のものである場合、該成形体は、へそ凹部の拡開が可能な形状を有することが、へそ凹部清浄剤を簡便かつ確実にへそ凹部内に供給し得る点から好ましい。拡開可能な形状としては、例えば略回転楕円体状のものが挙げられる。
【0034】
本発明の一実施形態として、吸水剤が液保持性の支持体を兼ねる場合が存在する。具体例としては、表面でアクリル酸を重合し、ポリアクリル酸を固定化した繊維、ポリアクリル酸を湿式紡糸したそれ自身が高吸水性樹脂からなる繊維、吸水性樹脂を表面に固定化した繊維、アクリル繊維の表面のみを加水分解によってアクリル酸塩に変換した繊維、繊維化可能なポリマーと吸水剤とを共押し出しした繊維、及びそれらを含む不織布や織布が挙げられる。かかる繊維の具体例としては東洋紡社のランシール(登録商標)、モイスケア(登録商標)などが挙げられる。これらの繊維を利用すると、吸水剤、支持体、水溶性ポリマーが均一に混合できることから、簡便に、短時間で、均質な皮膜を形成し、汚れと共に一体として剥離することができる。
【0035】
液保持性の支持体は、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤の合計量に対して10〜1000重量%、特に20〜200重量%の割合で用いられることが好ましい。
【0036】
へそ凹部清浄剤には、上述した各種成分の他に、例えばグリセリン、殺菌剤、潤滑剤、香料、界面活性剤、等を必要に応じて少量配合してもよい。グリセリンは、保湿剤及び皮膜形成性の水溶性ポリマーの可塑剤として用いられるものである。殺菌剤としては、トリクロサン、銀ゼオライト(シナネン)等が挙げられる。潤滑剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。香料としては、ティートリー、グレープフルーツ等の精油が挙げられる。
【0037】
次に、上述のへそ凹部清浄剤を用いたへそ凹部清浄方法について図面を参照しながら説明する。なお、本清浄方法に用いられるへそ凹部清浄剤の成分や、配合割合等については、上述の説明が適宜適用される。
【0038】
図1には、へそ凹部清浄方法の第1の実施形態が示されている。本実施形態においては、へそ凹部清浄剤として皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むものを用いる。先ず、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤と、含水揮発性媒体とを使用直前にすばやく混合し、該媒体中へ該ポリマーが溶解した混合物を得る。図1(a)に示すように、この混合物10を、へそ凹部N内に供給する。なお図1(a)中、符号Dはへそ凹部N内の汚れ(へそのゴマ)を示す。混合物10のへそ凹部N内への供給には、同図に示すように、例えばスポイト状の注入容器11を用いることができる。また、混合物10をへそ凹部N内へ供給するに先立ち、へそ凹部Nの開口部を拡開する拡開具を用い、へそ凹部Nの開口部を拡開して、混合物10の供給を容易にしてもよい。そのような拡開具としては、例えば本出願人の先の出願に係る特開2004−339201号公報の図2及び図5ないし図8、又は特開2005−304593号公報の図1に示すものが挙げられる。
【0039】
へそ凹部N内に混合物10を供給することで、へそ凹部Nの内面には該混合物10からなる湿潤膜12が形成される。このとき、へそ凹部から気泡を除去し、汚れとの馴染をよくさせるために、へそ周辺を軽く揉んでも良い。この湿潤膜12は、へそ凹部N内の汚れDを取り込む。次に図1(b)に示すように、へそ凹部N内に繊維材料からなる塊状体13を挿入する。この挿入によって、図1(c)に示すように、へそ凹部N内は塊状体13で満たされる。塊状体13は液保持性のものなので、へそ凹部N内に充填された該塊状体13は、へそ凹部N内に供給された混合物10の一部を吸液して保持する。
【0040】
図1(c)に示す状態下に所定時間放置することで、へそ凹部N内に供給された混合物10中の含水揮発性媒体が揮発除去され、水溶性ポリマーからなる皮膜が形成される。この場合、混合物10中には吸水剤も含まれているので、該吸水剤の吸水作用によって含水揮発性媒体の除去が促進され、水溶性ポリマーからなる皮膜の形成が短時間(例えば1〜20分)で完了する。しかも、形成された皮膜の強度が十分に高いものとなる。このように、吸水剤の使用は、へそ凹部などの表面に露出していない深い部分における水溶性ポリマーの皮膜形成に極めて効果的である。
【0041】
形成された皮膜は、へそ凹部Nの内面と塊状体13との間に存在している。皮膜は、へそ凹部Nの内面に密着して、へそ凹部N内の汚れDを取り込んだ状態になっている。また皮膜は、塊状体13を構成する繊維と結合し、該塊状体13に支持された状態になっている。
【0042】
水溶性ポリマーが乾燥固化して、該ポリマーの固化体からなる皮膜が形成されたら、図1(d)に示すように、塊状体13とともに該皮膜をへそ凹部Nから取り出す。このとき、皮膜に付着しているへそ凹部の汚れDが皮膜に同伴された状態でへそ凹部Nから取り出される。水溶性ポリマーの皮膜は、その形成のされ方によってはその強度が十分でない場合があるが、該皮膜を塊状体13に支持させることで、該皮膜の全体を首尾よくへそ凹部Nから取り出すことができる。したがって、該皮膜の破断片がへそ凹部N内に残存することが防止される。
【0043】
このように、本実施形態に従いへそ掃除を行うと、へそ凹部Nから汚れDを容易に除去することができる。この操作は、爪で引っ掻いたり、綿棒で掻き出したりする操作に比して、へそ凹部Nの内面に傷を付けたり、腹膜に刺激を与えたりすることがない。しかも、へそ掃除に用いられる上述の材料は、汎用性の原材料の組み合わせであることから、安価であるうえ、性能の向上を始めとして高付加価値化が可能となる。
【0044】
次に、へそ凹部清浄方法の第2ないし第7の実施形態を、図2ないし図8を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態に関し特に説明しない点については、先に説明した第1の実施形態に関する説明が適宜適用される。また図2ないし図8において、図1と同じ部材には同じ符号を付してある。
【0045】
図2に示す第2の実施形態は、液保持性の支持体として用いられる部材が第1の実施形態と相違する。詳細には、液保持性の支持体として、繊維材料の三次元成形体14が用いられる。この三次元成形体14は、へそ凹部Nの拡開が可能な形状を有するものである。この三次元成形体14を用いたへそ凹部清浄方法は次のとおりである。
【0046】
図2(a)に示すへそ凹部Nへのへそ凹部清浄剤の供給方法は、図1(a)と同様である。次に図2(b)に示すように、へそ凹部N内に繊維材料からなる三次元成形体14を挿入する。この挿入によって、図2(c)に示すように、へそ凹部N内は三次元成形体14で満たされる。三次元成形体14は液保持性のものなので、へそ凹部N内に充填された該三次元成形体14は、へそ凹部N内に供給された混合物10の一部を吸液して保持する。
【0047】
図2(c)に示す状態下に所定時間放置することで、へそ凹部N内に供給された混合物10中の含水揮発性媒体が揮発除去され、また吸水剤の作用によって、水溶性ポリマーからなる皮膜が形成される。水溶性ポリマーの固化体からなる皮膜が形成されたら、図2(d)に示すように、三次元成形体14とともに該皮膜をへそ凹部Nから取り出す。このとき、皮膜に付着しているへそ凹部の汚れDが皮膜に同伴された状態でへそ凹部Nから取り出される。皮膜を三次元成形体14に支持させることで、該皮膜の全体を首尾よくへそ凹部Nから取り出すことができ、該皮膜の破断片がへそ凹部N内に残存することが防止される。
【0048】
図3(a)及び(b)には、三次元成形体14の例が示されている。図3(a)に示す三次元成形体14は、上に凸の放物線状の断面形状を有する山形の挿入部14aと、挿入部14aの底部から水平方向外方へ延出したフランジ部14bとを有する形状のものである。挿入部14aは、三次元成形体14のうち、へそ凹部N内に挿入される部位である。フランジ部14bは、挿入部14aのへそ凹部Nへの過度の挿入を規制する部位である。
【0049】
図3(b)に示す三次元成形体14も、挿入部14aとフランジ部14bとを有する。図3(b)に示す三次元成形体14は、さらに、挿入部14aの頂部に透孔14cを有する。透孔14cは、後述する図8に示す実施形態において、含水揮発性媒体を、へそ凹部Nの内面に円滑に供給するためのものである。透孔14cに加え、図3(b)に示す三次元成形体14は、挿入部14aの側面に、該挿入部14aの高さ方向へ延びる凹面部14dを有する。挿入部14aをその高さ方向に沿ってみたとき、凹面部14dは、互いに90度ずつ離間した位置に合計4カ所形成されている。凹面部14dは、三次元成形体14のへそ凹部Nへの挿入を容易にするためのものである。
【0050】
図4には、へそ凹部清浄方法の第3の実施形態が示されている。これまで説明してきた第1及び第2の実施形態においては、繊維材料からなる支持体を用いて、水溶性ポリマーの皮膜をへそ凹部から取り出したが、該皮膜の強度が十分に高い場合には、該支持体を使用する必要はない。本実施形態は、そのような場合の例である。詳細には、図4(a)に示すへそ凹部Nへのへそ凹部清浄剤の供給方法は、図1(a)と同様である。へそ凹部Nの内面には該混合物10からなる湿潤膜12が形成される。この湿潤膜12は、へそ凹部N内の汚れDを取り込む。図1(a)に示す状態下に所定時間放置することで、湿潤膜12中の含水揮発性媒体が揮発除去され、また吸水剤の作用によって、水溶性ポリマーからなる皮膜が形成される。形成された皮膜は、へそ凹部Nの内面に密着して、へそ凹部N内の汚れDを取り込んだ状態になっている。
【0051】
水溶性ポリマーの固化体からなる皮膜が形成されたら、図4(b)に示すように、該皮膜をへそ凹部Nから取り出す。このとき、皮膜に付着しているへそ凹部の汚れDが皮膜に同伴された状態でへそ凹部Nから取り出される。
【0052】
図5には、へそ凹部清浄方法の第4の実施形態が示されている。本実施形態においては、皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体を用いる点が、これまでの実施形態と異なる。
【0053】
詳細には、図5(a)に示す繊維材料の塊状体13’からなる支持体には、予め皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持されている。しかし、含水揮発性媒体は塊状体13’には予め含浸されていない。該清浄剤を繊維材料に担持させるためには、例えば支持体を水溶性ポリマーの溶液に浸して引き上げて乾燥する時に、乾燥寸前に高吸水性ポリマーをまぶす方法によって製造することができる。この塊状体13’に含水揮発性媒体15を吸収させて、該塊状体13’を湿潤状態にする。それによって、皮膜形成性の水溶性ポリマーが含水揮発性媒体中に溶解する。また、吸水剤が分散する。
【0054】
含水揮発性媒体15によって湿潤状態になった塊状体13’は、図5(b)に示すように、へそ凹部N内に挿入される。へそ凹部N内に挿入された塊状体13’からは、水溶性ポリマー及び吸水剤を含む含水揮発性媒体がにじみ出て、へそ凹部Nの内面を湿潤させる。それによって、へそ凹部Nの内面には、水溶性ポリマー及び吸水剤を含む含水揮発性媒体からなる湿潤膜が形成される。
【0055】
図5(c)に示す状態下に所定時間放置することで、前記の湿潤膜から含水揮発性媒体が揮発除去され、また吸水剤の作用によって、水溶性ポリマーからなる皮膜が形成される。形成された皮膜は、へそ凹部Nの内面に密着して、へそ凹部N内の汚れDを取り込んだ状態になっている。また皮膜は、塊状体13’を構成する繊維と結合し、該塊状体13’に支持された状態になっている。水溶性ポリマーの固化体からなる皮膜が形成されたら、図5(d)に示すように、塊状体13’とともに該皮膜をへそ凹部Nから取り出す。このとき、皮膜に付着しているへそ凹部の汚れDが皮膜に同伴された状態でへそ凹部Nから取り出される。
【0056】
図6に示す第5の実施形態は、液保持性の支持体として用いられる部材が第4の実施形態と相違する。それ以外は、第4の実施形態と同様である。本実施形態においては、液保持性の支持体として、第2の実施形態で用いられた支持体と同様の形状を有する繊維材料の三次元成形体が用いられる。この三次元成形体には、予め皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持されている。しかし、含水揮発性媒体は三次元成形体には予め含浸されていない。該清浄剤の担持方法は、第4の実施形態と同様である。図6(a)に示すように、へそ凹部清浄剤が担持された状態の三次元成形体14’に含水揮発性媒体15を吸収させて、該三次元成形体14’を湿潤状態にする。
【0057】
含水揮発性媒体15によって湿潤状態になった三次元成形体14’は、図6(b)に示すように、へそ凹部N内に挿入される。この挿入によって、三次元成形体14’から、水溶性ポリマー及び吸水剤を含む含水揮発性媒体がにじみ出て、へそ凹部Nの内面を湿潤させる。それによって、へそ凹部Nの内面には、水溶性ポリマー及び吸水剤を含む含水揮発性媒体からなる湿潤膜が形成される。
【0058】
図6(c)に示す状態下に所定時間放置することで、前記の湿潤膜から含水揮発性媒体が揮発除去され、また吸水剤の作用によって、水溶性ポリマーからなる皮膜が形成される。皮膜が形成されたら、図6(d)に示すように、三次元成形体14’とともに該皮膜をへそ凹部Nから取り出す。このとき、皮膜に付着しているへそ凹部の汚れDが皮膜に同伴された状態でへそ凹部Nから取り出される。
【0059】
図5及び図6に示す実施形態の変形例として、図7及び図8に示す第6及び第7の実施形態が挙げられる。図5及び図6に示す実施形態においては、水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体を、含水揮発性媒体で湿潤させたが、図7及び図8に示す実施形態においては、水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体を、へそ凹部N内に挿入した後に、含水揮発性媒体で湿潤させる。
【0060】
具体的には、水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持された繊維材料の塊状体13’をへそ凹部N内に挿入するか(図7(a))、又は水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤が担持された繊維材料の三次元成形体14’をへそ凹部N内に挿入する(図8(a))。この状態下に、塊状体13’に含水揮発性媒体15を吸収させて該塊状体13’を湿潤させるか(図7(b))、又は三次元成形体14’に含水揮発性媒体15を吸収させて該三次元成形体14’を湿潤させる(図8(b))。なお、図8(b)の場合には、三次元成形体として、図3(b)に示す、頂部に透孔を有するものを用いると、含水揮発性媒体15による湿潤が円滑に行われるので好ましい。その後は、図5(c)及び(d)に示す操作と同様の操作を行うか(第6の実施形態の場合)、又は図6(c)及び(d)に示す操作と同様の操作を行う(第7の実施形態の場合)。
【0061】
へそ凹部清浄方法のその他の実施形態として、以下の(イ)、(ロ)及び(ハ)の実施形態が挙げられる。
(イ)吸水剤が担持された液保持性の支持体を、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物で湿潤させる。次いで、湿潤状態の該支持体をへそ凹部に挿入する。該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出す。
(ロ)皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給する。その後、吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入する。該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出す。
(ハ)吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入する。その後、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給する。該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出す。
これら(イ)、(ロ)及び(ハ)の方法によれば、吸水剤が既に担持されているので、事前に混合する手間が不要となる。また、吸水剤が均一に担持されたものが得られるので、皮膜の乾燥が均質となり、きれいに汚れを除去することができるという利点がある。
【0062】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1ないし図8に示す実施形態においては、液保持性の支持体として繊維材料からなるものを用いたが、これに代えて、スポンジ等の可撓性多孔質体を用いてもよい。
【実施例】
【0063】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0064】
〔実施例1〕
重量平均分子量10万のポリビニルアルコール(ケン化度86.5−89%、日本合成化学社製)を、グリセリンを1%含む水に溶かして、最終濃度が11.5%になるように調整し、ポリマー水溶液を得た。スポイトを使って、このポリマー水溶液0.14gを時計皿にのせ、そこへアクリル系吸水ポリマー(日本触媒社製)0.016gをのせてヘラで手早く(約10秒で)均一に混ぜた。この後、この混合物をへそ凹部に塗りつけ、更にガーゼ4cm×4cm(0.10g、日本薬局方、滅菌ガーゼ、タイプIIIケーパインNo.7164、1層分)を貼り付けた。15分間放置後に、ガーゼを引っ張って剥がすと、へその汚れは皮膜とともにきれいに取れた。へそ凹部への剤の残留は認められなかった。
【0065】
〔比較例1〕
アクリル系吸水ポリマーを混合せずに実施例1と同じポリマー水溶液を0.016gへそに塗りつけた後、30分放置し、生成した皮膜を剥がそうとしたが、皮膜が破断してしまい、きれいに取り出すことができなかった。
【0066】
〔実施例2〕
重量平均分子量36万のポリビニルピロリドン(K値92.1、GAF社製)を、エタノール5gを含む水75gに溶解し、最終濃度が20%になるように調整した。スポイトを使って、このポリマー水溶液0.14gを時計皿にのせ、そこへアクリル系吸水ポリマー(日本触媒社製)0.016gをのせてヘラで手早く(約10秒で)均一に混ぜた。この混合物を、液保持性のウレタンスポンジ支持体(3M社製のM型を、直径1センチ、高さ1センチの円柱状に切り出し加工したもの)0.02gに含浸させたのち、40℃で一昼夜かけて陰圧にて乾燥し、水溶性ポリマー及び吸水剤が担持された液保持性の支持体を得た。この水溶性ポリマー及び吸水剤が担持された液保持性の支持体に水0.05gを吸わせ、素早くへそ凹部に差し込み、軽くマッサージするようにへその汚れと馴染ませた。そのままの状態で放置15分後、支持体を取り出すと、へその汚れがきれいに取れた。
【0067】
〔実施例3〕
重量平均分子量36万のポリビニルピロリドン(K値92.1、GAF社製)を水に溶解し20%水溶液を調製した。吸水性繊維からなる不織布(東洋紡社製吸水繊維、ランシール、5.6dtex、50g/m2、5cm×5cm)に、前記ポリマー水溶液0.14gを直径約1cmの円状に塗りつけ、すばやくへそ凹部に挿し込み、軽くマッサージするようにへその汚れと馴染ませた。15分放置後、吸水性繊維の不織布を剥がした時、フィルムが欠落することなく、ひとかたまりにきれいに剥がすことができ、汚れもきれいに除去できた。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明のへそ凹部清浄方法の第1の実施形態の手順を示す模式図である。
【図2】本発明のへそ凹部清浄方法の第2の実施形態の手順を示す模式図である。
【図3】繊維材料の三次元成形体からなる支持体を示す斜視図である。
【図4】本発明のへそ凹部清浄方法の第3の実施形態の手順を示す模式図である。
【図5】本発明のへそ凹部清浄方法の第4の実施形態の手順を示す模式図である。
【図6】本発明のへそ凹部清浄方法の第5の実施形態の手順を示す模式図である。
【図7】本発明のへそ凹部清浄方法の第6の実施形態の手順を示す模式図である。
【図8】本発明のへそ凹部清浄方法の第7の実施形態の手順を示す模式図である。
【符号の説明】
【0069】
10 皮膜形成性の水溶性ポリマー吸水剤及び含水揮発性媒体を含む混合物
11 注入容器
12 湿潤膜
13 繊維材料の塊状体
14 繊維材料の三次元成形体
15 含水揮発性媒体
N へそ凹部
D へそ凹部内の汚れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膜形成性の水溶性ポリマー及び吸水剤を含むへそ凹部清浄剤。
【請求項2】
前記水溶性ポリマーと前記吸水剤との重量比(前者:後者)が100:1〜1:5である請求項1記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項3】
含水揮発性媒体を更に含む請求項1又は2記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項4】
液保持性の支持体を更に含む請求項1ないし3のいずれかに記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項5】
前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンであり、前記吸水剤が高吸収性ポリマーである請求項1ないし4のいずれかに記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項6】
前記支持体が繊維材料又は多孔質体からなる請求項4記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項7】
前記支持体が、繊維材料からなる塊状体であるか、又は繊維材料からなりかつへそ凹部の拡開が可能な形状を有する成形体である請求項6記載のへそ凹部清浄剤。
【請求項8】
前記吸水剤が前記支持体を兼ねる請求項4記載のへそ凹部清浄剤
【請求項9】
請求項1記載のへそ凹部清浄剤と含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給し、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、へそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。
【請求項10】
前記混合物をへそ凹部に供給した後、液保持性の支持体をへそ凹部に挿入し、前記清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出す請求項9記載のへそ凹部清浄方法。
【請求項11】
請求項1記載のへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体を含水揮発性媒体で湿潤させ、湿潤状態の該支持体をへそ凹部に挿入し、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。
【請求項12】
請求項1記載のへそ凹部清浄剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入し、へそ凹部に挿入された状態の該支持体を含水揮発性媒体で湿潤させ、該清浄剤中の前記水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。
【請求項13】
皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給した後、吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。
【請求項14】
吸水剤が担持された液保持性の支持体を、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物で湿潤させ、湿潤状態の該支持体をへそ凹部に挿入し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。
【請求項15】
吸水剤が担持された液保持性の支持体をへそ凹部に挿入した後、皮膜形成性の水溶性ポリマーと含水揮発性媒体との混合物をへそ凹部に供給し、該水溶性ポリマーが乾燥固化した後、その固化体からなる皮膜をへそ凹部内の汚れを同伴させた状態で、該支持体ごとへそ凹部から取り出すへそ凹部清浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−149580(P2009−149580A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330062(P2007−330062)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】