説明

めっき用バレル、めっき用トレイ、棒材移動用治具

【課題】シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材を傷つけずムラなくめっきすることができ、あわせて被めっき材の取り回しを極めて向上させることが可能なめっき用バレル、およびこれに用いるめっき用トレイ及び移動用治具を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係るめっき用バレル10の代表的な構成は、電解または非電解によりめっき処理を行う際に、被めっき材を内包して回転するためのバレルであって、複数の棒材を収納したトレイ20を着脱可能に保持するためのトレイ保持部15を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材(以下棒材という)を保持内包し、めっき液に浸漬して回転させながらめっき処理を施すためのバレル、およびこれに用いるトレイ、トレイに棒材を収納するための移動用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、多数の小型部品を同時にめっきする場合は、透液性を有するめっき用バレル内に部品を投入し、バレル全体をめっき液に浸漬し、バレルを回転させながらめっき処理を行っている。小型部品の例としては、各種金具や棒材、コネクタのような小型部品、さらに近年では電子チップのような極小の電子部品などが挙げられる。また、自転車のスポークやローラーシャフトのような棒材も同様の手法を用いてめっき処理を行っている。
【0003】
図7(a)に、従来の一般的なめっき用バレルの例を示す。図に示すバレル100は、複数の側板101及び開閉自在な蓋材102を備え、これら側板101と蓋材102とを互いに連結することにより多角筒状の胴部が構成される。胴部の両端は、端板103によって閉じられている。側板101、蓋材102、および端板103は、アクリル、PVC、又は、ポリプロピレン等の樹脂によって形成されている。また電解めっきに用いるものにおいては、端板103の中央部に設けられた回転軸から、胴部の内部まで電極104が挿入されている。
【0004】
側板101には、めっき液を流通させるための多数の穴101aが形成されている。穴101aの形成方法としては、線状の樹脂を編んだものや、板材を打ち抜き加工したもの、レーザー加工により穴を形成したものなどがある。穴101aは、被めっき材が落下しない大きさであること、およびめっき液がよく流通することが条件となる。特に、付着すべきめっきはめっき液に含まれていることから、めっき液の流通性は処理速度に直接的に影響するため、重要である。
【0005】
ところで被めっき材が棒材である場合、バレルを回転させるうちに棒材が大きく傾き、側板101と端板103との間で棒材が斜めに突っかかってしまう場合がある。するとバレル内での回転の流れを阻害するため、めっき処理に失敗するという問題がある。ここで図7(b)に示すように、従来からも、バレル100の内部を複数の室100aに分割した構成が提案されている(特許文献1参照)。このように複数の室100aに分割することにより、棒材が傾くほどの広さをなくし、上記のような不具合の発生を防止することが可能となる。
【特許文献1】特開平6−264298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、被めっき材が棒材である場合、特にローラーシャフトなどは、チップなどの電子部品に比べると重い。このため被めっき材同士がぶつかり合って傷ついてしまったり、他の被めっき材が載った部分のめっきが薄くなって層厚にムラができてしまったりする場合がある。
【0007】
そこで本発明は、シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材を傷つけずムラなくめっきすることができ、あわせて被めっき材の取り回しを極めて向上させることが可能なめっき用バレル、およびこれに用いるめっき用トレイ及び移動用治具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るめっき用バレルの代表的な構成は、電解または非電解によりめっき処理を行う際に、被めっき材を内包して回転するためのバレルであって、複数の棒材を収納したトレイを着脱可能に保持するためのトレイ保持部を備えたことを特徴とする。これにより、トレイに収納された被めっき材はぶつかり合うことがなく、かつめっき液の流通性も確保することができ、またバレルへの被めっき材の着脱も極めて簡便なものとすることができる。
【0009】
前記トレイ保持部を複数備え、それぞれのトレイ保持部に複数の前記トレイを保持しうることを特徴とする。これにより、めっき液の流通性の高いバレル外周部に被めっき材を配置することができ、またバレルに収納する被めっき材の数を増加させることができる。
【0010】
前記トレイ保持部は、前記トレイをバレルの側面から回転軸方向に挿抜可能であることを特徴とする。これにより、バレルの回転による遠心力に抗してトレイを保持する必要がないため、バレルに対するトレイの固定を簡易なものとすることができる。
【0011】
本発明に係るめっき用トレイの代表的な構成は、電解または非電解によりめっき処理を行う際に、被めっき材たる棒材を収納するためのトレイであって、外周をなす枠体と、収納される棒材と直交する方向に配置された桟と、前記桟に所定間隔で設けられた凹部とを備え、前記枠体は、前記凹部に収納された棒材の延長線上において該棒材の移動を規制することを特徴とする。これにより、複数の棒材を配列収納しつつ、めっき液の流通性を確保することができる。
【0012】
前記桟には、トレイの両面において同一の間隔で前記凹部を備え、複数のトレイを重ねた際にトレイの両面の前記凹部によって棒材を収納することを特徴とする。これにより、複数のトレイを積み重ねた際に、双方のトレイによって棒材を確実に保持することができる。
【0013】
トレイの一方の面にのみ凹部を備えた桟と、他方の面にのみ凹部を備えた桟とを備えたことを特徴とする。これにより、桟と棒材とが同一箇所に接触することを減少させることができ、めっきのムラを防止することができる。
【0014】
前記凹部は、前記桟の厚み方向に湾曲し、断面が棒材に向かって膨出したアール形状であることを特徴とする。これにより、桟と棒材との接触面積を大幅に減少させることができ、めっきのムラを防止することができる。
【0015】
前記枠体の内面には、収納される棒材と対応する位置に、該棒材の端部に向かって突出する突起を備えていることを特徴とする。これにより、棒材の端部において枠体と棒材との接触面積を大幅に減少させることができ、棒材端面のめっきのムラを防止することができる。
【0016】
本発明に係る棒材移動用治具の代表的な構成は、基材と、前記基材に配置され棒材を吸着する磁石であって、1本の棒材について離隔して配置された2以上の磁石を1組とし、所定間隔で複数組を配置した複数の磁石と、前記基材に対し前記磁石が棒材を吸着する方向に往復移動可能であって、該棒材を押圧して分離させるための分離部材と、を備えたことを特徴とする。これにより、複数本の棒材を配列した状態で吸着保持し、また簡単に分離させることができ、めっき用トレイへ簡単に棒材を収納することができる。
【0017】
前記基材は、前記磁石の吸着面と反対側に把手を備え、前記把手の近傍に、前記分離部材と連結された押圧部を配置したことを特徴とする。これにより、使用者は把手を持った状態で押圧部を操作することができ、分離部材により棒材を磁石から分離させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材を、傷つけずムラなくめっきすることができ、かつ被めっき材の取り回しを極めて向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る棒材めっき用バレル、棒材めっき用トレイ、棒材移動用治具の実施例について、図を用いて説明する。図1は本実施例に係るバレルの全体構成を説明する正面図および側面図、図2はトレイの着脱を説明する図、図3及び図4はトレイを説明する図、図5は移動用治具を説明する図、図6は移動用治具の使用態様を説明する図である。
【0020】
[バレルの説明]
図1に示すバレル10は、シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材(以下棒材2という)を保持内包し、めっき液に浸漬して回転させながらめっき処理を施すためのバレルである。バレル10は全体としてめっき処理装置本体に着脱可能になっており、主軸11を回転自在に軸支される。
【0021】
図1(a)に示すように、主軸11の両側端にほぼ円板状の端板13、14を備えている。また主軸11の一方の端にはギヤ12を備え、不図示のめっき処理装置本体のギヤと噛合して回転駆動力を伝達される。
【0022】
図1(b)に示すように、端板13、14の内面には、トレイ20を着脱可能に保持するためのトレイ保持部15が設けられている(トレイ20については、後に詳述する)。トレイ保持部15はリブ状の枠であって、端板13、14の外周に沿って複数(図では5カ所)設けられている。ひとつのトレイ保持部15においては、複数枚のトレイをあわせて保持することが可能となっている。トレイ保持部15はトレイ20の端部の四方を囲む枠であるが、バレル内側の3辺は固定であって、外周面側の一辺は着脱可能な固定具15aである。従って図2(a)に示すように、トレイ保持部15に複数枚のトレイ20を装着した後に固定具15aを取り付けることにより、トレイ20はバレル10に保持される。
【0023】
なお、トレイ20をバレル10の軸方向に挿抜可能とすることでもよい。すなわち図2(b)に示すように、ギヤ12と反対側の端板14に、トレイ保持部15の内周に合わせて開口14aを設けることでもよい。これにより、トレイ保持部15を構成する枠のうち外周側の一辺も端板13、14に固定とすることができる。従って、バレルの回転による遠心力に抗してトレイを保持する必要がないため、バレルに対するトレイの固定を簡易なものとすることができる。なお、トレイ20のずれを防止するためにネジや弾性部材、係止部材を用いることが望ましい。
【0024】
また図1(a)および(b)に示すように、それぞれのトレイ保持部15の間には、端板13と端板14を接続するようにフィン16が設けられている。フィン16はバレル10の構造材であるが、同時にめっき液を撹拌してめっき処理を促進する役割を有している。そのため、フィン16は半径方向に対して所定角度傾斜して配置されており(外周側がバレル10の回転方向に進行する方向の傾斜)、バレル10が回転することによりめっき液をバレル内部に導くよう構成されている。
【0025】
上記の如く、トレイに複数の棒材を収納し、このトレイをバレルに保持させてめっき処理を行うよう構成したことにより、トレイに収納された被めっき材はぶつかり合うことがなく、かつめっき液の流通性も確保することができ、またバレルへの被めっき材の着脱も極めて簡便なものとすることができる。
【0026】
また、トレイ保持部を複数備え、それぞれのトレイ保持部に複数のトレイを保持させることにより、めっき液の流通性の高いバレル外周部に棒材を配置することができ、またバレルに収納する棒材の数を増加させることができる。
【0027】
[トレイの説明]
トレイ20は本実施例において複数枚積層して用いるものであって(本実施例では6枚)、2枚のトレイの間に複数本の棒材2(本実施例では20本)を収納する構成となっている。すなわち本実施例においては、5つのトレイ保持部15それぞれにおいて20本×5段の棒材2を収納可能であることから、1つのバレル10で1回に500本の棒材2をめっき処理することが可能となっている。ただしこの数量はバレルの大きさと棒材2の軸径の関係によって適宜設定すべきであり、上記数値は一例に過ぎない。
【0028】
図3に示すように、トレイ20は、外周をなす枠体21と、収納される棒材2と直交する方向に配置された桟22とを備えている。桟22には凹部22aが所定間隔で設けられており、棒材2を上記間隔で配列可能となっている。ここで所定間隔とは、棒材2同士の間に1〜2mm程度の隙間があく間隔であることが望ましい。このように、枠体21と桟22、および桟22に設けられた凹部22aによってトレイ20を構成することにより、複数の棒材2を配列収納しつつ、めっき液の流通性を確保することができる。
【0029】
ここで図4(a)に示すように、凹部22aは、桟22の厚み方向に湾曲し、断面が棒材2に向かって膨出したアール形状に形成している。これにより桟22と棒材2との接点が点接触となり、桟22と棒材2との接触面積を大幅に減少させることができ、めっきのムラを防止することができる。
【0030】
本実施例においては、桟22の両面に同一の間隔で凹部22aを設けている。従って複数のトレイ20を重ねた際には、トレイ20の両面の凹部22aによってほぼ円形の孔が形成され、棒材2を安定して収納することが可能となっている。このとき、トレイ20の両面の凹部22aによって形成される円の内径は、収納する棒材2の外径よりも約1mm程度大きく設定することが好ましい。この隙間があまりに小さいとめっき液の流通を阻害するため好ましくなく、また隙間が大きいとトレイ20から棒材2が脱落するおそれが生じるからである。
【0031】
なお、桟22に設ける凹部22aの構成は、上記の構成に限られない。例えば図4(b)に示すように、トレイ20の一方の面にのみ凹部22aを備えた桟22と、他方の面にのみ凹部22aを備えた桟22とを備えることでもよい。これにより、これにより、桟と棒材とが同一箇所に接触することを減少させることができ、めっきのムラを防止することができる。また図4(c)に示すように、桟22の一方の面にのみ凹部22aを備えることでも良い。
【0032】
枠体はトレイ20の構造材であるが、凹部22aに収納された棒材2の延長線上において棒材2の移動を規制し、脱落を防止する役目を有している。図3に示すように、枠体21の内面には、収納される棒材2と対応する位置に、棒材2の端部に向かって突出する突起23を備えている。これにより、棒材の端部において枠体と棒材との接触面積を大幅に減少させることができ、棒材端面のめっきのムラを防止することができる。
【0033】
図3に示すように、枠体21の側面には切欠21aを有し、めっき液の流通を向上させるように構成されている。枠体21の一方の面の角部にはボス21bを設けており、他方の面の対応する位置には不図示の孔を設けている。従って複数枚のトレイ20を重ねた際には、これらボス21bと孔とが係合することにより、容易に位置決めすることができる。
【0034】
また、従来のめっき用バレルであれば、バレル内に被めっき材を格納してめっき処理をした後に、バレルごと洗浄し、バレルから被めっき材を取り出し、広げて乾燥させてから配列梱包して発送する必要があった。しかし本実施例に係るトレイを用いれば、めっき処理の前にトレイ20に棒材2を収納した後は、めっき処理、洗浄、梱包、発送に至るまで、被めっき材(棒材)をトレイ20に収納したまま段取りを進行させることができる。これは被めっき材の取り回しを極めて容易にするため、めっき処理に伴う一連の作業負担を大幅に軽減することができる。また被めっき材に傷が付くことを防止することもできるため、品質の向上をも図ることができる。
【0035】
[棒材移動用治具の説明]
ところで、上記バレル10およびトレイ20を用いる場合、トレイ20に棒材2を収納する作業が必要となる。ここで上記説明した如く、棒材2を収納すべき凹部22aは桟22に設けられているため、棒材2の軸方向において支持部(凹部22a)が不連続となっている。このため、手作業にてトレイ20に棒材2を流し込む場合、棒材2が斜めにはまってしまうと、転がしてずらそうとしても容易には凹部22aから棒材2が出てこず、作業性が必ずしも良いものではない。
【0036】
棒材を転がして配列しようとした場合、収納すべき凹部は連続した溝であるのがよく、かつ溝が浅いことが好ましい。そこで別部材として並べやすい溝を配列した治具(事前配列用治具と称する)を準備し、トレイ20に収納する前にあらかじめ棒材2を配列させることが考えられる。しかし、事前配列用治具から複数の棒材を配列された状態でトレイ20へ移動させる手段に問題がある。
【0037】
そこで本実施例では、図5に示すような移動用治具30を用いている。移動用治具30は、基材31と、基材31に配列され棒材2を吸着する磁石32と、棒材2を押圧して分離させるための2つの分離部材33とを備えている。
【0038】
基材31は本実施例において板状体であって、その幅は収納する状態に配列した棒材2の全体の幅よりも広い幅を有している。磁石32は、1本の棒材2について離隔して配置された2以上の磁石32(本実施例では2つ)を1組とし、所定間隔で複数組を配置している。複数組の磁石32の間隔は、トレイ20における棒材2の配列の間隔と一致している。
【0039】
分離部材33は磁石32から棒材2を引き離すものであって、基材31に対し磁石32が棒材2を吸着する方向に往復移動可能である。2つの分離部材33には基材31を貫通してそれぞれ押圧部34が接続されており、基材の反対面から押圧部34を押すことにより、分離部材33が棒材2を押圧するように移動させることができる。押圧部34はコイルバネなどの弾性部材34aによって、分離部材33が棒材2から離隔する方向に付勢されている。
【0040】
また基材31の磁石の吸着面と反対側には、2つの把手35が備えられている。把手35は押圧部34の近傍、さらに具体的には2つの押圧部34のそれぞれ外側に配置されている。従って、使用者は把手35を両手で持った状態で親指にて押圧部34を操作し、分離部材33により棒材2を磁石32から分離させることができる。
【0041】
上記構成の棒材移動用治具を用いてトレイ20内に棒材2を収納する際の手順について説明する。まず図6(a)に示すように、所定間隔で溝41が形成された事前配列用治具40を準備する。溝41は事前配列用治具40の全幅に亘って連続しており、かつトレイ20の凹部22aに比して浅く形成している。具体例としては、凹部22aは棒材2の直径の約半分程度の深さを有しているが、溝41は1/4〜1/6程度の深さでよい。これにより、事前配列用治具40では溝41に対して斜めに棒材2が乗ってしまった場合であっても、容易に転がして溝を乗り越えさせることができ、極めて簡単に棒材2を整列させることができる。
【0042】
そこで図6(b)に示すように、事前配列用治具40の溝41上に、棒材2を配列させる。そして全ての棒材2を配列させたところで、図6(c)に示すように移動用治具30を上から載置する。すると、移動用治具30の磁石32(図5参照)が棒材2を吸着保持する。これにより図6(d)に示すように、棒材2を移動用治具30と共に持ち上げることが可能となり、棒材2を事前配列用治具40からトレイ20へと移動させることができる。トレイ20に棒材2を載置した後は、使用者は把手35を持ったまま押圧部34を押圧することにより、分離部材33(図5参照)によって棒材2を磁石32から分離させることができる。これにより棒材2は配列された状態でトレイ20内部に残留し、極めて簡単に収納させることができる。
【0043】
なお、本実施例において基材31は板状体として説明したが、磁石32、分離部材33および押圧部34、把手35を支持することができればよく、例えばフレームなどの枠体であってもよい。また磁石の代わりに電磁石を用いることもでき、このとき分離部材を省略することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、シャフトやロッドなどの棒状の被めっき材をバレル内に保持内包して、めっき液に浸漬して回転させながら施すめっき処理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施例に係るバレルの全体構成を説明する正面図および側面図である。
【図2】トレイの着脱を説明する図である。
【図3】トレイを説明する図である。
【図4】トレイを説明する図である。
【図5】移動用治具を説明する図である。
【図6】移動用治具の使用態様を説明する図である。
【図7】従来のめっき用バレルを説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
2 …棒材
10 …バレル
11 …主軸
12 …ギヤ
13 …端板
14 …端板
14a …開口
15 …トレイ保持部
15a …固定具
16 …フィン
20 …トレイ
21 …枠体
21a …切欠
21b …ボス
22 …桟
22a …凹部
23 …突起
30 …移動用治具
31 …基材
32 …磁石
33 …分離部材
34 …押圧部
34a …弾性部材
35 …把手
40 …事前配列用治具
41 …溝
100 …バレル
100a …室
101 …側板
101a …穴
102 …蓋材
103 …端板
104 …電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解または非電解によりめっき処理を行う際に、被めっき材を内包して回転するためのバレルであって、
複数の棒材を収納したトレイを着脱可能に保持するためのトレイ保持部を備えたことを特徴とするめっき用バレル。
【請求項2】
前記トレイ保持部を複数備え、
それぞれのトレイ保持部に複数の前記トレイを保持しうることを特徴とする請求項1記載のめっき用バレル。
【請求項3】
前記トレイ保持部は、前記トレイをバレルの側面から回転軸方向に挿抜可能であることを特徴とする請求項1記載のめっき用バレル。
【請求項4】
電解または非電解によりめっき処理を行う際に、被めっき材たる棒材を収納するためのトレイであって、
外周をなす枠体と、
収納される棒材と直交する方向に配置された桟と、
前記桟に所定間隔で設けられた凹部とを備え、
前記枠体は、前記凹部に収納された棒材の延長線上において該棒材の移動を規制することを特徴とするめっき用トレイ。
【請求項5】
前記桟には、トレイの両面において同一の間隔で前記凹部を備え、複数のトレイを重ねた際にトレイの両面の前記凹部によって棒材を収納することを特徴とする請求項4記載のめっき用トレイ。
【請求項6】
トレイの一方の面にのみ凹部を備えた桟と、他方の面にのみ凹部を備えた桟とを備えたことを特徴とする請求項5記載のめっき用トレイ。
【請求項7】
前記凹部は、前記桟の厚み方向に湾曲し、断面が棒材に向かって膨出したアール形状であることを特徴とする請求項4記載のめっき用トレイ。
【請求項8】
前記枠体の内面には、収納される棒材と対応する位置に、該棒材の端部に向かって突出する突起を備えていることを特徴とする請求項4記載のめっき用トレイ。
【請求項9】
基材と、
前記基材に配置され棒材を吸着する磁石であって、1本の棒材について離隔して配置された2以上の磁石を1組とし、所定間隔で複数組を配置した複数の磁石と、
前記基材に対し前記磁石が棒材を吸着する方向に往復移動可能であって、該棒材を押圧して分離させるための分離部材と、を備えたことを特徴とする棒材移動用治具。
【請求項10】
前記基材は、
前記磁石の吸着面と反対側に把手を備え、
前記把手の近傍に、前記分離部材と連結された押圧部を配置したことを特徴とする請求項9記載の棒材移動用治具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−314822(P2007−314822A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143603(P2006−143603)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(390025232)城南樹脂工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】