説明

めっき装置のカソード電極装置のエッチング方法およびエッチング装置

【課題】ウエハまたは基板用のめっき装置で用いられるカソード電極装置の電極組立体に形成されためっき膜を安全にかつ効率的に除去する。
【解決手段】エッチング装置2は、筒状体111からなるカソードホルダであって、筒状体111の一端の外周部の少なくとも一部に沿って筒状体111の軸線と略直角に外側に延びる第1の突起113を有するカソードホルダ11の他端に面して設けられ、めっき装置のカソードを形成する電極15のエッチング装置で、底板23と、底板23に略直角にかつ底板23上を周って延びる側壁21と、側壁21の頂部の少なくとも一部に沿って内側に延びる第2の突起22とを備え、筒状体111が挿入できる開口を有するエッチング容器20を有している。側壁21は、電極15と底板23とが対向する向きで、第1の突起113が第2の突起22の上に置かれたときに、電極15と底板23との間に間隙Xが生じる高さを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はめっき装置、特にウエハまたは基板用のめっき装置で用いられるカソード電極装置のエッチング方法およびエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜磁気ヘッドその他の各種の電子部品の製造に用いられる薄膜形成技術の一つとして、Cu膜等の形成を主たる用途として電気めっき法が用いられるようになっており、半導体プロセスの一技術として注目されている。めっき法で例えばCu膜を形成する場合、一般的には、基板表面に導電性の膜をPVD(Physical Vapor Deposition)法等で形成し、その上にCuの薄い下地材をPVD法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成し、そこに電極を取り付けてCuめっきを行う。プラスのCuイオンが陰極である基板に到達すると、基板表面でCu+++2e→Cuの電気化学反応が生じ、Cuが基板表面に析出しCu薄膜が形成される。
【0003】
従来このような電気めっきを行うときは、陽極であるアノードをめっき槽内に設置し、被めっき物をウエハホルダで保持しながらアノードと対向する所定の位置に固定し、被めっき物にカソード電極装置を取り付けて、陰極を形成していた。
【0004】
図5には、従来のめっき装置のうちフェースアップ方式、すなわち、カソード電極装置が装置の下方から装着され、アノードと対向する方式のめっき装置の全体構成図の一例を示す。めっき槽31は内部にめっき液32を入れることのできる空間部を有している。めっき槽31はめっき液32をリザーバタンク(図示せず)から供給するめっき液供給ライン33と、めっき液32をリザーバタンクに戻すリターンライン34と、めっき液32が所定の液位を超えないようにするオーバーフローライン35とを有している。めっき槽31内にはアノード36がめっき槽31の天板を貫通する支持管37に吊られて固定・保持されている。アノード36は支持管37を介して電源装置38のプラス側に接続している。
【0005】
アノード36と対向するめっき槽31の底部には、略円形の開口40を有する枠体39が設けられており、カソード電極装置1が、開口40の周囲に沿って、枠体39に支持されて設けられている。カソード電極装置1は開口18を有し、電源装置38のマイナス側に接続している。ウエハまたは基板等である被めっき物41が、開口18の下方から、めっきが施される被めっき面42をめっき槽31の内部に向けて、ウエハホルダ43によって支持され、カソード電極装置1に装入されると、被めっき面42の外周がカソード電極装置1と接触し、被めっき面42に陰極の所定の電位状態が形成される。被めっき物41はこの状態でカソード電極装置1に固定される。
【0006】
図6には、カソード電極装置の概略断面図を示す。カソード電極装置1は、カソードホルダ11と、カソードホルダ11に支持された電極等を有している。カソードホルダ11は、略円筒状の側壁111を主要構造部とし、めっき槽31の内部空間と対向する側壁111の内側端部111aの側に段差部112が、反対側の外側端部111bの側に第1のフランジ113が形成されている。段差部112には、第1の電極12、パッキン13、スペーサ14、第2の電極15が、内側端部111aに向けてこの順に載置されており、これら全体(以下、電極組立体という場合もある。)は、内側端部111aから外側端部111bに向けて挿入される締結具16によって、カソードホルダ11に固定されている。また、第1の電極12、パッキン13、スペーサ14、第2の電極15はいずれも中央に孔を有する円板状の形状を有しており、これらが組み立てられると、前述の開口18(図5参照)が形成される。
【0007】
被めっき物41は、めっき槽31内部空間からみて第1の電極12の裏面に接触するように固定される。また、第1の電極12にはリード導体17が接続されており、第1の電極12はリード導体17を介して電源装置38(図5参照)につながっている。第1の電極12はこのように、被めっき物41に直接カソードの電位を供給する機能を果たす。パッキン13は絶縁性を有する弾性体(例えばゴム)であり、電極組立体を密着固定する。スペーサ14は同様に絶縁性を有しているが、より硬質の材料が用いられ、パッキン13の変形を均一に保ち、電極組立体をカソードホルダ11に対してまっすぐに配置させる。第2の電極15は、この電極にめっき膜を形成させることによって、被めっき物41に形成されるめっき膜の膜厚や膜厚分布を制御するために設けられ、締結具16によって、第1の電極12と電気的に接続されている。
【0008】
カソードホルダ11の第1のフランジ113は、めっき槽31への取付のための枠体39との取り合い部を構成する。第1のフランジ113の一方の面には、めっき液32がめっき槽31に充填されてるときの液漏れを防止するOリング115を装着するための溝114が設けられている。なお、第1のフランジ113は、シール性能が確保されれば側壁111の全周に沿って突起が形成されるフランジ形状である必要はなく、側壁111の一部に沿って側壁111の軸線と略直角に外側に延びる突起であってもよい。
【0009】
このような構成のめっき装置31を用いてめっきをおこなう場合、カソード電位状態にあり、かつアノード36と対向している第2の電極15にもめっき膜が形成され、締結具16の先端部もめっき膜で覆われる。一方、第1の電極12、第2の電極15やパッキン13は消耗品のため、定期的な交換が必要となり、そのためには、カソードホルダ11をめっき槽31から取外し、その後、電極組立体の分解をおこなう必要がある。ところが、締結具16の先端部がめっき膜で覆われていることから、そのままでは締結具16を緩めることができない。このため従来は、カソードホルダ11の第2の電極15側を上面にして、第2の電極15に硝酸等のエッチング用薬品を滴下して、締結具16を覆うめっき膜を除去していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような硝酸等の劇薬を直接滴下する作業方法は、エッチング用薬品が飛散して作業員にかかる可能性があるなど、作業安全上の問題があった。また、滴下したエッチング用薬品はそのまま流れてしまうので、めっき膜を除去するには大量のエッチング用薬品を用いる必要が生じ、エッチング用薬品使用量の点でも効率が悪かった。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みて、電極組立体が装着されたカソードホルダを分解する際に、電極組立体に形成されためっき膜を安全にかつ効率的に除去する方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のエッチング装置は、筒状体からなるカソードホルダであって、筒状体の一端の外周部の少なくとも一部に沿って筒状体の軸線と略直角に外側に延びる第1の突起を有するカソードホルダの他端に面して設けられ、めっき装置のカソードを形成する電極のエッチング装置である。そして、本発明のエッチング装置は、以上の課題を解決するため、底板と、底板に略直角にかつ底板上を周って延びる側壁と、側壁の頂部の少なくとも一部に沿って内側に延びる第2の突起とを備え、筒状体が挿入できる開口を有するエッチング容器を有し、側壁は、電極と底板とが対向する向きで、第1の突起が第2の突起の上に置かれたときに、電極と底板との間に間隙が生じる高さを有するように構成されている。
【0013】
このように構成されたエッチング装置においては、エッチング容器内にエッチング用薬品を注入することができるので、エッチング用薬品の飛散などの危険性が減少し、作業時の安全性が向上する。また、エッチング容器は、エッチングされる電極が下向きに装着され、その際電極とエッチング容器の底板との間に間隙が生じるような形状を有しているので、間隙を上回る液位となるまでエッチング用薬品を注入すれば、エッチング用薬品が電極の表面全域に有効に回りこみ、少量のエッチング用薬品で迅速・確実なエッチングが可能となる。
【0014】
エッチング容器は、底板に設けられたドレン開口と、底板の下方に設けられた支持脚とを有し、支持脚によって形成される空間部に、ドレン開口からつながるドレン管が設けられていてもよい。
【0015】
また、本発明のエッチング方法は、筒状体からなるカソードホルダであって、筒状体の一端の外周部の少なくとも一部に沿って筒状体の軸線と略直角に外側に延びる第1の突起を有するカソードホルダの他端に面して設けられ、めっき装置のカソードを形成する電極のエッチング方法であって、めっき工程の終了後に、電極が取り付けられたカソードホルダをめっき装置から取外す工程と、カソードホルダを上下逆転させる工程と、カソードホルダを、上面に開口を有し開口の周囲の少なくとも一部に沿って内側に延びる第2の突起が設けられたエッチング容器に、電極とエッチング容器の底板とが対向する向きで、電極と底板との間に間隙が生じるように、第1の突起を第2の突起の上に置いて装着する工程と、エッチング容器に、間隙を上回る液位となるまでエッチング用薬品を注入する工程とを有している。
【0016】
このようなエッチング方法においては、カソード電極装置を専用のエッチング容器に取付け、エッチング容器にエッチング用薬品を注入するので、エッチング用薬品の飛散などの危険性が減少し、作業時の安全性が向上する。また、エッチングされる電極を下に向け、電極とエッチング容器の底板との間に間隙が生じるように装着した上で、間隙を上回る液位となるまでエッチング用薬品を注入するので、エッチング用薬品が電極の表面全域に有効に回りこみ、少量のエッチング用薬品で迅速・確実なエッチングが可能となる。
【0017】
なお、注入工程は排気設備を有するドラフトチャンバ内でおこなうことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明のカソード電極装置のエッチング装置およびエッチング方法によれば、めっき膜の形成されたカソード電極装置を、電極を下に向けてエッチング容器に装着して、エッチング用薬品を注入するので、安全に電極のエッチングが可能となり、また、エッチング用薬品の使用量の削減も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を用いて、本発明のカソード電極装置のエッチング装置の詳細を説明する。図1は、カソード電極装置が装着されたエッチング装置の横断面図を、図2はエッチング容器の斜視図を示す。
【0020】
エッチング装置2は、たらい状のエッチング容器20と、エッチング容器20を支持する支持脚24と、ドレン管27、ドレン弁28とを有している。エッチング容器20は円筒状の側壁21と、側壁21の頂部から中心に向かって延びる第2のフランジ22と、ドレン開口26を備えた底板23とを有している。第2のフランジ22はカソードホルダ11の第1のフランジ113を引っ掛け、カソードホルダ11をエッチング容器20に固定する。ここで、第2のフランジ22は、上記目的を実現できればその一部が欠損していてもよく、また、より広くは、エッチング容器20は、側壁21の頂部の少なくとも一部に沿って内側に延びる突起を備え、その突起の内側にカソードホルダ11の側壁111が挿入できる開口が確保されていればよい。ただし、第1のフランジ113の代わりに側壁111の一部に沿って延びる突起が用いられる場合(背景技術の欄参照)には、突起同士が複雑な調整なしに容易に当接するように、エッチング容器20に設ける突起の位置や大きさを設定する必要がある。側壁21には、硝酸等のエッチング用薬品をエッチング容器20内に注入する際に生じる発熱による側壁21の変形を防止するために、エッチング容器20の中心に向かって延びる複数の補強リブ25が設けられている。補強リブ25には、第2のフランジ22や上記の突起の機能を持たせることもでき、この場合は第2のフランジ22や上記の突起は設けなくともよい。底板23は平坦形状でもよいが、エッチング用薬品の排出を容易にするため、ドレン開口26に向けた勾配が付けられていてもよい。なお、側壁21の形状はカソードホルダ11の形状に合せ、通常は円筒形であるが、カソードホルダ11が矩形断面その他の円形断面以外の断面を有する筒状体形状であるときは、それに合せた形状とすることができる。
【0021】
側壁21の高さYは、カソードホルダ11が、第1のフランジ113を第2のフランジ22の上に載置して、エッチング装置2に装着されたときに、第2の電極15の表面と底板23との間に所定の間隙Xが生ずるような寸法に設定されている。間隙Xを設ける理由は、もし間隙Xがないと、すなわち第2の電極15の表面が底板23と接触すると、エッチング用薬品が第2の電極15の表面に均一に回り込まず、回り込みにも時間がかかり作業効率が低下するためである。間隙Xはカソードホルダ11の大きさにもよるが、一例として、カソードホルダ11の側壁111の外径が200mm程度のときに、間隙Xは20mm程度である。なお、側壁21の高さYはカソードホルダ11の側壁111の高さに依存するが、側壁111の高さは、めっき槽31の枠体39の高さで決まり、通常は一定値をとるので、側壁21の高さYの異なるエッチング装置2を多数そろえる必要性は小さい。第2のフランジ22の内径Zは、カソードホルダ11のエッチング容器20への装着性を考慮して、カソードホルダ11の側壁111の外径より若干大きめに、また、カソードホルダ11の第1のフランジ113への固定のため、第1のフランジ113の外径より小さく設定される。
【0022】
エッチング容器20には耐腐食性、耐熱性が要求され、かつ安価であることが望ましい。このような観点から、エッチング容器20は塩化ビニールで製作されることが最も望ましいが、ステンレス鋼やチタン材を用いることも可能である。
【0023】
底板23に設けられたドレン開口26にはドレン管27が接続され、硝酸等のエッチング用薬品はドレン弁28を介して外部に排出される。ドレン管27は、使用済みのエッチング用薬品を集中的かつ容易に処理するため、例えば中和槽(図示せず)に接続されている。ドレン管27やドレン弁28も上述の理由によって塩化ビニール等で製作されることが望ましい。なお、エッチング容器20に支持脚24を設けた理由は、エッチング容器20自身の床や基礎への支持固定の目的の他、ドレン管27の配置スペースを確保するためである。
【0024】
次に、図3のフロー図にしたがって、本発明のエッチング装置2を用いたカソード電極装置1のエッチング方法を説明する。まず、カソード電極装置1と被めっき物41とをめっき槽31に取り付けてめっきをおこなった後、めっき液32を抜取り、被めっき物41を取り外した後に、カソード電極装置1をめっき槽31から取り外す(ステップ51)。このとき、第2の電極15の表面にはめっき膜が形成されている。次にカソード電極装置1を上下逆転させ、カソードホルダ11の第1のフランジ113をエッチング装置2の第2のフランジ22の上に置き、カソード電極装置1をエッチング装置2に装着する(ステップ52)。これによって、第2の電極15の表面とエッチング装置2の底板23の表面との間に間隙Xが形成される。この際、ドレン弁28は閉鎖しておく。次に、カソードホルダ11の内側に注入ホース29等の注入手段をセットし、またはエッチング用薬品を入れた容器から直接、エッチング容器20内に硝酸等のエッチング用薬品を注入する(ステップ53)。図4はこのときのエッチング装置の状態を示す説明図であり、エッチング用薬品Sは、第2の電極15の表面よりも上部に液位Tを有し、第2の電極15の表面は完全にエッチング用薬品Sに浸されている。所定時間後、必要に応じてめっき膜が除去されたことを目視等によって確認し、ドレン弁28を開放して、エッチング用薬品をエッチング容器20から排出させる(ステップ54)。その後、カソードホルダ11をエッチング容器20から取り出し、カソード電極装置1を上下逆転させ、第1の電極12、第2の電極15、およびパッキン13の交換や、スペーサ14のメンテナンスその他必要な点検作業をおこなう(ステップ55)。
【0025】
なお、注入する薬品量は、第2の電極15の表面が確実にエッチング用薬品で浸される量以上であれば特に制約はないが、第2の電極15に付着しているめっき膜の量や除去の程度等を考慮して適宜設定する。また、使用後のエッチング用薬品はCu成分を含有し、エッチング性能が低下しているので、毎回交換することが望ましいが、数回のエッチングを続けておこなうことも可能である。
【0026】
このように、本発明のエッチング方法によれば、エッチング対象であるカソード電極装置1を、第2の電極15を下に向けて専用のエッチング容器20に装着して、第2の電極15の表面が浸される程度の少量のエッチング用薬品をエッチング容器20に注入することによって、安全に第2の電極15のエッチングが可能となり、また、エッチング用薬品の使用量の削減も可能となる。
【0027】
また、エッチング作業は排気環境の整ったドラフトチャンバ(図示せず)内でおこなえば、エッチング用薬品が外部に漏れるおそれがさらに少なくなり、より安全にエッチング作業がおこなえる。さらに、ドレン配管27をドラフトチャンバに備えられた廃液回収手段に接続することによって、廃液回収を確実におこなうことができ、また、ドレン弁28以降の専用設備の設置も不要となる。
【0028】
なお、以上の説明においては、第1電極と第2電極とを有する電極集合体のエッチングを対象に説明したが、本発明がこのような対象に限定されないことは勿論であり、電極が1つしかない場合、フェースアップ方式以外のめっき装置の場合、その他カソード電極装置に付着しためっき膜を除去する必要のある場合に適用できる。
【0029】
また、エッチング装置の設置基数については特に制約はなく、複数基を設置することも可能である。めっき槽は工場設備によっては複数個が同じ場所に複数基併設されることもあり、同時にめっき工程がおこなわれる場合もあるので、エッチング装置を複数基設置すれば、めっき工程の後に複数のカソード電極装置を同時にエッチングすることも可能である。また、この場合でも個々のエッチング装置は独立して稼動できるので、必要な基数のみを稼動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のエッチング装置の、カソード電極装置が装着された状態での横断面図である。
【図2】図1に示すエッチング容器の斜視図である。
【図3】本発明のエッチング方法を示すフロー図である。
【図4】図3のフロー図のステップ53におけるエッチング装置の状況を示す説明図である。
【図5】めっき装置の全体構成を示す概念的側方図である。
【図6】めっき装置のカソード電源装置付近の概念的側方図である。
【符号の説明】
【0031】
1 カソード電極装置
11 カソードホルダ
111 側壁
113 第1のフランジ
12 第1の電極
13 パッキン
14 スペーサ
15 第2の電極
16 締結具
17 リード導体
18 開口
2 エッチング装置
20 エッチング容器
21 側壁
22 第2のフランジ
23 底板
24 支持脚
26 ドレン開口
27 ドレン管
28 ドレン弁
31 めっき槽
39 枠体
41 被めっき物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体からなるカソードホルダであって、該筒状体の一端の外周部の少なくとも一部に沿って該筒状体の軸線と略直角に外側に延びる第1の突起を有するカソードホルダの他端に面して設けられ、めっき装置のカソードを形成する電極のエッチング装置であって、
底板と、該底板に略直角にかつ該底板上を周って延びる側壁と、該側壁の頂部の少なくとも一部に沿って内側に延びる第2の突起とを備え、前記筒状体が挿入できる開口を有するエッチング容器を有し、
前記側壁は、前記電極と前記底板とが対向する向きで、前記第1の突起が前記第2の突起の上に置かれたときに、前記電極と前記底板との間に間隙が生じる高さを有する、エッチング装置。
【請求項2】
前記エッチング容器は、前記底板に設けられたドレン開口と、該底板の下方に設けられた支持脚とを有し、
該支持脚によって形成される空間部に、前記ドレン開口からつながるドレン管が設けられている、
請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
筒状体からなるカソードホルダであって、該筒状体の一端の外周部の少なくとも一部に沿って該筒状体の軸線と略直角に外側に延びる第1の突起を有するカソードホルダの他端に面して設けられ、めっき装置のカソードを形成する電極のエッチング方法であって、
めっき工程の終了後に、前記電極が取り付けられた前記カソードホルダを前記めっき装置から取外す工程と、
前記カソードホルダを上下逆転させる工程と、
前記カソードホルダを、上面に開口を有し該開口の周囲の少なくとも一部に沿って内側に延びる第2の突起が設けられたエッチング容器に、前記電極と該エッチング容器の底板とが対向する向きで、前記電極と前記底板との間に間隙が生じるように、前記第1の突起を前記第2の突起の上に置いて装着する工程と、
前記エッチング容器に、前記間隙を上回る液位となるまでエッチング用薬品を注入する工程とを有する、電極のエッチング方法。
【請求項4】
前記の注入工程は排気設備を有するドラフトチャンバ内でおこなう、請求項3に記載の電極のエッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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