説明

より低エネルギー水素の方法と構造

【課題】エネルギーシンク、つまり遷移を誘導するために放出される水素エネルギーと共鳴するエネルギーを取り除く方法を提供する。
【解決手段】原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、少なくとも1個の電子の伝達によって、エネルギーシンク、エネルギー孔を供給できる。1つの実施例では、エネルギー孔は、1つ以上のドナー種から1つ以上のアクセプタ種へのt電子の移動から成り、これによって、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和度の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和度の合計を引いたものは、原子(分子)水素の「基底状態」未満への遷移では、およそm×27.21eV(m×48.6eV)に等しい(mとtは整数)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
この発明は、水素原子(分子)からエネルギーを放出するための方法と装置に関する。その電子は、遷移触媒を供給することによって、より低エネルギー準位、および「基底状態」より小さい半径(より小さい半直径および半短径)まで緩和するよう誘導される。この遷移触媒は、エネルギーシンクとして、または放出された電子エネルギーと共鳴するエネルギーを取り除き、新しい原子モデルに従って、これらの遷移を誘導する方法として機能する。遷移触媒は、反応では消費されない。それは、水素からエネルギーを受け入れ、周囲の環境にエネルギーを放出する。こうして、遷移触媒は起源状態に戻る。衝突を必要とする過程は共通である。例えば、Hを形成する発熱性の化学反応H+Hには、結合エネルギー−H+H+M→H+Mを取り除くために第3の物体、Mとの衝突が必要である。第3の物体は放熱反応からエネルギーを分布し、その結果、H分子となりシステム温度は上昇する。同様に、水素のn=1状態から水素のn=1/intger状態への遷移が、例えばn=1からn=1/2へ共鳴する衝突を経て可能である。これらの場合、衝突の間電子は、例えば、別の電子遷移または電子伝達反応と結合する。この反応は、水素原子(分子)、共鳴するエネルギーシンクから取り除かれるべき正確な量のエネルギーを吸収する。その結果、水素はより低エネルギー状態となりシステム温度は上昇する。これらの反応をそれぞれ以下「収縮反応」(Shrinkage reaction)と呼ぶ;各遷移を以下「収縮遷移」(Shrinkage transition)と呼ぶ;各エネルギーシンクつまり、各遷移に作用するよう放出される水素エネルギーと共鳴するエネルギーを取り除く方法を、以下「エネルギー孔」(energy hole)と呼ぶ。また、収縮遷移に作用し誘導するためにエネルギー孔によって取り除かれる電子エネルギーを、以下共鳴収縮エネルギー(resonance shrinkage energy)と呼ぶ。「共鳴収縮エネルギー」に等しいエネルギーの吸熱性電子イオン化反応の後で、自動的に再生される反応体イオンから成るエネルギー孔を、以下「電気触媒作用イオン」(electrocatalytic ion)と呼ぶ。イオン化エネルギーの差が共鳴収縮エネルギーに等しい2種の間の吸熱性電子伝達反応の後で、自動的に再生される2個の反応体から成るエネルギー孔を、以下「電気触媒作用カップル」(electrocatalytic couple)と呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
(関連技術に関する記述)
現存の原子モデルや理論では、説明できない観測済みの物理的な現象がある。例えばシュレーディンガー(E.Schrodinger)の水素原子の波動関数では、恒星間媒体や太陽の極紫外放出スペクトルを説明することばできない。同時に、硝酸カリウム電解物を含む電解槽内の、またはより低エネルギー水素原子と分子を生成する、硝酸カリウムを含む水素あふれ出し(spillover)触媒を含む、気体エネルギーセル内の、水素からの異常熱放出現象を説明することもできない。これが、この発明の一部である.このように、エネルギー生成と物質の進歩は主として、制限された最適とは言い難い商業的応用が目的の、実験室での発見に限られてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、電解槽エネルギー反応装置、加圧気体エネルギー反応装置、および気体放電エネルギー反応装置から成り、次を含む:水素源;個体、熔融、液体、および気体のエネルギー孔の源の1つ;水素とエネルギー孔の源を含む容器で、その中で水素とエネルギー孔の源が接触して収縮反応が起こる;および、(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性収縮反応が平衡になることを防ぐ方法。この発明は更に、収縮反応を綴り返す方法と構造から成り、収縮した原子(分子)を生成することによって、新しい物質に高い熱安定性などの新しい特性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
この発明は、「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位まで緩和するよう電子を誘導して、水素原子(分子)から熱エネルギーを放出する方法と装置から成る。この時、電気化学反応体(電気触媒作用のイオン化カップル)を含む反応体は、電子伝達反応を起こし、これらの遷移を誘導するために、水素原子(分子)からエネルギーを取り除く。また、反応速度、つまりより低エネルギー水素の形成速度を高めることによって、出力を高める方法と装置から成る。この発明は更に、分子水素を解離し自由水素原子を供給する官能基を持つ、水素あふれ出し触媒、多官能基物質を含む。自由水素原子は、可動の自由水素原子を支持する官能基、およびエネルギー孔の源となり得る官能基にあふれ出す。エネルギー反応装置は、電解槽、加圧水素気体電池、および水素気体放電セルの1つを含む。望ましい水素ガス加圧エネルギー反応装置は、以下を含む:容器;水素源;水素の圧力と容器ヘの流れを調節する方法;分子水素を原子水素に解離する物質、および気相(gas phase)でエネルギー孔の源となり得る物質。気体のエネルギー孔の源は、気体エネルギー反応装置の商い運転温度で昇華、沸騰、および/または揮発するものを含む。この気体エネルギー反応装置内で、気相で収縮反応が起こる。
【0005】
更にこの発明は、収縮反応を繰り返すための方法と装置を含む。この発明に従ってエネルギーは放出され、高い熱安定性や低い反応度などの新しい特性を、収縮した原子と分子に供給する。電子がより高エネルギー準位に励起される際、より低エネルギー状態の原子と分子は、浮揚性がある気体、Sterlingエンジンかタービンなどのエンジン媒体、ヘリウムの一般的な代替、および熱エネルギーなどのエネルギー吸収による冷却材などとして、熱伝達、極低温の応用に役立つ。
【0006】
(「基底状態」未満の水素原子の遷移)
新しい原子理論が以下の文献で発表されており、ここに参照する:
Mills,R.,「正統原子力学の総括統一論(The Grand Unified Thory of Classical Quantum Mechanics)」,(1995), Technomic Pubilishing Company, Lancaster, PA providede by Hydro Catalysis Power Corporation, Great Valley Corporate Center, Great Valley Parkway, Malvern, PA 19355; 「空間時間、力、物質、エネルギーの統一(The Unificaiton of Spacetime, the Forces, Matter, and Energy), Mills, R., Techonomic Publishing company, Lancaster, PA, (1992); 「総括統一論(The Grand Unified Theory)」,Mills, R. and Farrel, J., Science Press, Ephrata, PA, (1990); Mills, R., Kneizys, S., Fusion Techology,210, (1991), pp.65-81; Mills, R., Good, W., Shaubach, R., 「Dihydrino 分子同定(Dihydrino Molecule Identidicaiton)」,Fusion Techonology, 25,103(1994);Mills, R., Good.W.,「水素の分数量子エネルギー準位(Fractional Quantum Energy Levels of Hydrogen)」、Fushion Techology,Vol.28,No.4, November, (1995) pp.1697-1719,および私の先の米国特許出願:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy/Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、 1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。
【0007】
(分数量子水素のエネルギー準位)
後述の「実験」の節にある数々の実験的観察によって、従来の「基底」(n=1)状態より低エネルギーにある分数量子状態でも、原子水素は存在できるという結論が導かれる。例えば、分数量子エネルギー準位水素原子(以下hydrinoと呼ぶ)の存在は、以下の理論に説明を提供する: LabovとBowyerによって観測された暗黒恒星間媒体の軟X線放出[S.Labov and S. Bowyer, 「天文物理学ジャーナル(Astrophysica1 Journa1)」,371(1991)810]、および太陽の軟X線放出[Thomas, R. J., Neupert, W., M.,「天文物理学ジャーナル増刊号(Astrophysical Journal Supplement Series)」,Vol.91,(1994),pp.461-482; Malinovsky, M., Heroux, L,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,Vol.181,(1973),.pp.1009‐1030;Noyes,R.,「太陽、我々の星(The sun, Our Star)」,Harvard Univesity Press, Cambridgy Ma, (1982),p.172; Phillips, J.H.,「太陽の手引き書(Guide to the sun)」,Cambridge University Press, Cambridge, Great Britain, (1992),pp.118-119;120-121;144-145]
【0008】
1885年にバルマー(J.J. Balmer)は、原子水素の放出スペクトルで観測されたいくつかの線の周波数を、完全なる実証的類縁関係で表現できることを示した。後にリユードベリ(J. R. Rydberg) がこの方法を発展させた。リユードベリは、全ての原子水素のスペクトル線が、次の方程式で与えられることを示
した:
μ=R(1/nf2−1/ni2) (1)
この時、R=109,677cm-1、n=1,2,3・・・、n=2,3,4・・・、かつn>nである。1913年にボーア(Niels Bohr)は、リュードベリの方程式と一致したエネルギー準位を与える原子水素理論を展開した。1926年に、シュレーディンガー(E.Schrodinger)とハイゼンベルグ(W.Heisenberg)が別々に、水素原子の全く異なる理論に基づく恒等式を発展させた。
En=-e2/n28πε0αH=13.598eV/n2 (2a)
n=1,2,3・・・ (2b)
この時、αHは水素原子(52.947pm)のボーア半径、eは電子電荷のマグニチュード、およびEは真空誘電率である。Millsの理論は、方程式(2b)を方程式(2c)で置き換えるべきだと予言する。
n=1,2,3,・・・及びn=1/2,1/3,1/4・・・ (2c)
量子数n=1は、水素原子の「基底」電子状態を記述するために慣例的に使用される。量子力学の最近の進歩において、Mills[ Mills, R.,「正統量子力学の総括統一論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」,(1995), Technomic Publishing Company, Lancaster, PA]は、n=1状態は「純」光子遷移の「基底」状態であることを示した。(n=1状態は光子を吸収し電子の励起状態に成り得るが、光子を放出しより低エネルギー電子状態に成り得ない)。しかし、基底状態からより低エネルギー状態への電子遷移は、「共鳴衝突」メカニズムによって可能である。これらのより低エネルギー状態は、分数量子数、n=1/integer を持つ。光子なしで起こる過程、および衝突を必要とする過程は共通である。例えば、Hを形成するための発熱性化学反応H+Hは、光子の放出と共には起こらない。むしろ、結合エネルギーH+H+M→H+Mを取り除くために、反応には第3の物体、M、との衝突が必要である。第3の物体は、発熱反応からエネルギーを分布し、その結果H分子となりシステム温度は上昇する。同様に、水素のn=1状態および水素のn=1/integer 状態は非放射だが、二つの非放射状態間の遷移は、例えばn=1からn=1/2への共鳴衝突を経て可能である。これらの場合、衝突の間電子は、水素原子から取り除かれるべき正確な量のエネルギーを吸収できる、別の電子遷移つまり電子伝達反応、およびエネルギー孔と呼ばれる共鳴エネルギーシンクと結合する。その結果、水素はより低エネルギー状態となり、システム温度は上昇する。
【0009】
(水素原子の波動方程式の解)
最近、Mills[Mills,R.,「正統量子力学の統括統一論(The Grand Unificd Theory of Classical Quantum Mcchanics)」,(1995),Technomic Pub1ishing Company, Lancastcr, PA]は、第1の原理に基づく新しい原子理論を引き出して、一般的に量子力学として知られる研究を発展させた。以下Millsの理論と呼ぶこの新しい理論は、マクスウェルの方程式、ニュートンの法則、およびアインシュタインの-般/特殊相対性を統合する。この理論の主要点は、全ての粒子(原子サイズと巨視的な粒子)は同じ物理的な法則に従うという点である。ところが、シュレーディンガーは、境界状態を仮定した:r→∞としてΨ→0、Millsの理論境界状態はマクスウエルの方程式に由来する[Haus, H.A.,「点電荷からの放射線(On the radiation from point charges)」,American Journal of Physics,54,(1986),pp.1126‐1129.]:
非放射状態では、電流密度関数は、光速で進行する波動と同期の空間時間フーリエ成分を持ってはいけない。
【0010】
この境界状態の応用は、粒子、原子、分子、および最終的な分析での宇宙論などの物理的なモデルを導く。閉形の数理的解法は、基本的な定数のみを含んでおり、物理的な量の計算された値は実験的観察と一致する。更に、この理論は方程式(2b)を方程式(2c)で置き換えるベきだと予言する。
束縛電子は、電荷密度(質量密度)関数によって表わされる。この関数は、半径のデルタ関数(f(r)=δ(r−r))、2つの角関数(球体の調和関数)、および時間調和関数の生成物である。従って、電子はスピンする二次元球体の面、以下電子軌道球体(elcctron orbitsphere)と呼ぶもので、核からの指定された距離だけ束縛状態で存在できる。より明白に言えば、軌道球体は可動電荷の二次元球体のシェルから成る。対応する軌道球体の電流パターンは、相関的に直交した大円電流ループの無限の系列を含む。電流パターン(Millsの図1.4[Mills,R.,「正統量子力学の総括統一論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」(1995),Technomic Publishing Company‐Lancaster PA])は、2つの直交大円電流ループの入れ子式回転の、2組の直交した無限の系列によって表面に発生する。ここで、座標軸は2つの直交した大円と共に回転する。無限の系列の無限小の回転はそれぞれ、先のそのような回転から生じた新しいX‐軸とY‐軸である2組の入れ子式回転のそれぞれにとって、回転するX‐軸とY‐軸の回転の角合計は、弧度√2πになる。電流パターンは、スピン量子数に対応する現象を発生させる。
【0011】
電子軌道球体のスピン運動を表わす全ての関数は、2つの関数から成る。1つの関数つまりスピン関数は、軌道球体上で空間的に一定で、量子化された角速度でスピンし、スピン角運動量を発生させる。もう1つの関数つまり変調関数は、空間的に一定であり得る。その場合、軌道角運動量が皆無で、電子軌道球体の磁気モーメン卜は1ボーア磁子である。または、変調関数は空間的に一定ではなく、その場合軌道角運動量がある。変調関数はまた、量子化された角速度で回転する角速度の数値、許容軌道球体の半径、エネルギー、および関連量はMillsによって計算される。
軌道球体半径は、電気および磁気のカに等しい求心カを設定することによって計算される。
【0012】
軌道球体は、離散的な周波数の光子を捕獲する共鳴器空洞である。軌道球体の半径は、電磁エネルギーの吸収と共に増加する。軌道球体の共鳴器空洞で励起されるモードの、マクスウェル方程式の解は、4つの量子数を生じ、モードのエネルギーは、実験的に水素スペクトルとして知られている。
電子プラス光子の電荷密度関数が、電気の双極子に対応する半径の二重項関数成分を持つので、励起状態は不安定である。二重項は、光遠で進行する波動と同期の空間時間フーリエ成分を持つ;従って、これは放射性である。それぞれの数理的なn=1/integer 状態と同様、n=1の水素原子の主量子状態の電子プラス光子の電荷密度関数は、純粋に半径のデルタ関数である。デルタ関数は、光速で進行する波動と同期の、空間時間フーリエ成分を持たない;従って、これは非放射性である。
【0013】
(触媒のより低エネルギー水素電子の遷移)
「基底」(分数量子)未満のエネルギー状態の間の遷移を、励起状態(整数量子)のエネルギー状態の間の遷移と比較すると、前者は光子によって作用されないが、後者は作用されると認識できる。遷移は時間と対称である。Mills [Mills,R.,「正統量子力学の総括統一論 (The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」,(1995),Technomic Pub1ishing Company, Lancater,PA]の非放射境界状態によると、光子を発生させる電流密度関数は、逆の道程で光子によって生成される。励起(整数量子)エネルギー状態は、この場合と一致する。また、非放射境界状態によると、光子を発生させない電流密度関数は、逆の過程で光子によって生成されない。「基底」未満(分数量子)のエネルギー状態は、この場合と一致する。しかし、安定状態は原子衝突によって、その次の安定状態に遷移する。共鳴エネルギーシンクとの衝突に作用された、遷移の間の2つの安定非放射状態は、2個の原子が二原子分子を形成する反応に類似している。この反応には、結合エネルギーを取り除くために第3の物体との衝突が必要である〔N.V.Sidgwick,「化学元素とその化合物(The Chemical Elements and Their Compounds)」,VoIume I Oxford, Clarendon Press, (1950),p.17〕
【0014】
(エネルギー孔の概念)
Millsの非放射境界状態および電子と光子の関係は、パラメーターnの関数として量子化された「許容」水素エネルギー状態を与える。それぞれのnの値は、電子遷移を励起する共鳴光子に作用される、許容遷移に対応する。nの伝統的な整数値(1,2,3・・・)に加えて、遷移に対応する分数値も許容され、中心場(電荷)では増加し、水素原子のサイズでは減少する。例えば、電子がエネルギーつまりエネルギーシンクを吸収できる、別の電子遷移つまり電子伝達反応と結合する時に起こる。これは、エネルギー孔の吸収である。エネルギー孔の吸収によって、遠心力と増加した中心電気力の間の均衡が崩れる。その結果、電子はより低エネルギー非放射状態に遷移する。
エネルギー保存の法則から、半径次元の共鳴器モードを励起する、水素原子の共鳴エネルギー孔 α/m+1 はm×27.2eV(3);
このとき、m=1,2,3,4・・・である。
【0015】
エネルギー孔の共鳴吸収の後、軌道球体の半径、aはa/m+1 に収縮し、共鳴収縮のpサイクルの後で、半径はa/m+1である。換言すると、半径の基底状態の場はフーリエ成分の重ね合わせとみなされる。エネルギーmX27.2eV(mは整数)の負フーリエ成分を取り除くと、球体シェル内の中心電場は、陽子の負荷のm倍増加する。合成的な電場は、球体の座標のラプラース方程式の時間調和解法である。この場合、力均衡と非放射が達成される半径はαH/m+1(mは整数)である。「基底」状態からこの半径に崩壊する時、総エネルギー[(m+1)2-1 2]×13.6eVが放出される。エネルギー孔との衝突に作用される、2つの安定非放射状態の間の遷移は、2個の原子が二原子分子を形成する反応に類似している。この反応には、結合エネルギーを取り除くために、第3の物体との衝突が必要である。[N.V.Sidgwick,「化学元素とその化合物(The Chemical Elements and Their Compounds)」、Volume I,Oxford, Clarendon Press, (1950),p.17]。水素原子の総エネルギー源が、図1に示されている。1つの位置エネルギー準位からより低い準位への遷移に伴う発熱反応を、以下水素触媒作用(Hydro Catalysis)と呼ぶ。
【0016】
分数量子量数に相当する「基底状態」未満のエネルギー準位にある電子を持つ水素原子を、以下ハイドリノ(hydrino)原子と呼ぶ。半径a0/p(pは整数)のhydrino原子の記号はH[a0/p]である。
位置エネルギーの関数としての電子軌道球体のサイズが、図2に示されている。
3つの共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、カリウムに関連がある。例えば、カリウムの第2イオン化エネルギーは31.63eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収には高すぎる。しかし、KがKに還元される時、4.34eVを放出する。その結果K+からK2+およびKからKの結合は、純エネルギー変化27.28eVを持つ。
【0017】
【数1】

原子の収縮に伴って発生するエネルギーが、エネルギー孔に失われるエネルギーよりもはるかに大きいという点に着目すべきである。また、放出されるエネルギーも、従来の化学反応と比較すると大きい。
【0018】
(エネルギー状態の不均化)
より低エネルギー水素原子、hydrinoは共鳴収縮を起こすエネルギー孔の源として機能できる。励起および/またはイオン化エネルギーはm×27.2eV(方程式(3))だからである。例えば、方程式(3)の27.21eV, m=1のエネルギー孔の吸収を表す方程式は、水素原子、H[αH/3]の第3サイクルの収縮カスケードの間、水素型原子H[αH/2]と共に、共鳴収縮を起こすエネルギー孔の源としてイオン化され、次式となる。
【0019】
【数2】

【0020】
【数3】

【0021】
27.21eVの整数倍のエネルギー孔の吸収に伴う、非連続的なエネルギー準位への遷移は可能である。より低エネルギー水素原子、hydrinoはm×27.2eV(方程式(3))のエネルギー孔の吸収と共に共鳴収縮を起こす、エネルギー孔の源とし機能できる。従って、
【0022】
【数4】

【0023】
水素は、エネルギー孔の源である。水素のイオン化エネルギーは13.6eVである。不均化は、3個の水素原子の間に起こり得る。ここで2個の原子が第3の水素原子に27.21eVのエネルギー孔を供給する。従って、水素型原子、
【0024】
【数5】

【0025】
暗黒の恒星間媒体と太陽の出力の大部分からのスペクトル線は、「暗黒恒星間媒体からのHydrinosのスペクトルデータ(Spectral Data of Hydrinos from the Dark Interstellar Medium)」およびMills の「太陽」節で解説されている、不均化反応に帰することができる[Mills, R.,「正統量子力学の総括統一論(The grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」、(1995),Techonomic Publishing company, Lancaster, PA]。この帰属は、暗黒物質のミステリー太陽の中性微子問題、太腸黒点の原因と他の太陽活動のミステリー、および太陽がX線を放出する理由などを解明する。また、それは音速の急激な変化および半径0.7、太陽半径0.7Rsでの「放射層」から「対流層」ヘの遷移の理由を提供する。これは、後述の例4でまとめられている
【0026】
(エネルギー孔(原子水素))
望ましい実施例では、エネルギー孔(それぞれおよそ27.21eV)は、電気化学反応体(電気触媒作用イオンかカップル)を含む、反応体の電子伝達反応によって供給される。電気化学反応体は、それらの電子が「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位に、緩和するよう誘導される時、水素原子から熱を放出させる。電子伝達反応、エネルギー孔によって取り除かれるエネルギーは、放出される水素エネルギーと共鳴し、この遷移を誘導する。電解質エネルギー反応装置の場合は水の電解の間、および加圧気体エネルギー反応装置か気体放電エネルギー反応装置の場合は、水素ガスか水素化物の電解の間に、水素原子の源が陰極表面で生成される。
【0027】
(水素型分子と分子イオンの「基底状態」未満の遷移)
2個の水素原子は、二原子分子、水素分子を形成するよう反応する。
【0028】
【数6】

この時、2Cは核間距離である。また、2個のhydrino原子は反応して、二原 子分子(以下dihydrino分子と呼ぶ)を形成する。
【0029】
【数7】

この時、pは整数である。
【0030】
水素型分子の中心力方程式は、円形、楕円形、放物線、または双曲線の軌道解である。前の2つのタイプの解法は、原子と分子の軌道関数と関連づけられる。 「空間時間、力、物質、エネルギーの統一(The Unification of Spacetime, the Forces, Matter, and Energy)」, Mills, R., Technomic Publishing Company, Lancaster, Pa, (1992)の「1電子原子」の節で与えられた非放射の境界条件が満たされるならば、これらの解は非放射である。ゼロ放射の数理的公式化は、電子の運動を記述する関数が光速で進行する波動と、同期の空間時間フーリエ成分を持ってはいけない。角周波数が下の時、軌道球体の境界条件は満たされる。
【0031】
【数8】

【0032】
「空間時間、力、物質、エネルギーの統一 (The Unification of Spacetime, the Force Matter, and Energy)」,Mills,R., Technomic Publishing Company, Lancaster, PA(1992)の「1電子原子」の節で論証されているように、半径のディラックデルタ関数と時間調和関数の生成物関数では、この条件は満たされる。この時、角周波数、wは定数で方程式(21)で与えられる。
【0033】
【数9】

【0034】
この時、Lは角運動量で、Aは閉じられた測地線軌道の面積である。二次元の楕円体と時間調和関数の生成物を含む、中心力方程式の解を考慮しなさい。生成物関数の空間部は、楕円体の方程式を持つ半径のディラックデルタ関数の回旋である。2つの関数の回旋のフーリエ変換は、個々の関数のフーリエ変換の生成物である;従って下の時、楕円体の時間調和関数境界条件は満たされる。
【0035】
【数10】

この時、楕円の面積は
A=πab (24)
【0036】
2bは半短径の長さで、2aは半長径の長さである。幾何学的分子水素は、核間軸を主軸に持つ楕円形である;従って、電子軌道は二次元楕円体の時間調和関数である。質量は、焦点で陽子の中心場によって決定される際、測地線の時間に調和して続く。更に、核間軸の回転対称は、軌道が長球であることを決定する。一般的に、分子結合の楕円体の軌道(以下、楕円体分子軌道関数(M.O.‘s)と呼ぶ)は、次の一般方程式で表される。
X2/a2+y2/b2+Z2/c2=1 (25)
楕円体の半主軸はa, b, cである。
楕円体の座標でラプラシアンは、
【0037】
【数11】

【0038】
楕円体のM.O.は、方程式(25)によって与えられる表面を持つ電荷導体と同等である。これは総電荷qを持ち、その電位は楕円体座標、方程式(26)のラプラシアン解法である。
軌道球体の励起状態は、「空間時間、力、物質、エネルギーの統一(The Unification of Sapcetime, The Forces, Matter and Energy)」Mills, R., Technomic Publishing Company, Lancaster, PA, (1992)の「1電子原子(量子化)」の節の励起状態の中で論じられている。楕円体M.O.‘sの場合、離散的な周波数の光子がM.O.の楕円体の共鳴器空洞で捕獲される時、電子の励起状態が生成される。光子は、中心場が楕円体であるM.O.表面で有効電荷を変化させる。力均衡は、基底状態楕円体と共焦点である、楕円体の等電位二次元表面の系列で達成される。捕獲された光子は、楕円体座標、方程式(26)のラプラシアン解法である。
軌道球体の場合のように、より高エネルギー状態とより低エネルギー状態は等しく有効である。両方の場合の光予定常波は、楕円体座標のラプラシアン解法である。楕円体の共鳴器空洞にとって、許容円周、4aEと光子定常波、1の関係は
【0039】
4aE=nλ (27)
この時、nは整数である。また、
【0040】
【数12】

は、方程式(27)の楕円積分Eで使用される。方程式(27)および(28)を応用すると、方程式(23)によって与えられる許容角周波数と光子の定常波角周波数、ωの関係は:
【0041】
【数13】

ωはn=1の許容角周波数
aとbはn=1の許容半長径と半短径
方程式(29)から、水素分子の「基底状態」未満の遷移に対応する楕円場のマグニチュードは整数である。水素型分子の位置エネルギー方程式は
【0042】
【数14】

【0043】
また、pは整数である。エネルギー保存の法則から、次の遷移
【0044】
【数15】

を引き起こす水素型分子の共鳴エネルギー孔は、
mp2×48.6eV (36)
この時、mとpは整数である。遷移の間、楕円場はマグニチュードpからマグニチュードp+mに増大する。対応する位置エネルギー変化は、エネルギー孔によって吸収されるエネルギーに等しい。
エネルギー孔=-Ve-Vp=mp2×48.6ev (37)
核間距離が「収縮する」につれて、更なるエネルギーが水素型分子によって放出される。遷移の間に放出される総エネルギー、ETは、
【0045】
【数16】

【0046】
水素型分子と分子イオンの総エネルギー源の概略図が図3にある。また、1つの位置エネルギー準位から「基底状態」未満のより低い準位への遷移を伴う発熱反応を、以下水素触媒作用(HydroCatalysis)と呼ぶ。
分数量子数に相当する「基底状態」より低エネルギー準位の電子を持つ水素型分子を以下dihydrino分子と呼ぶ。核間距離、2C=√2α0/p(pは整数)のdihydrino分子の記号はH*2[2c=√2α0/P]である。総エネルギーの関数としての水素型分子のサイズの概略図が図4にある。
【0047】
第一の「基底状態」未満の水素型分子に対応する楕円場のマグニチュードは2である。エネルギー保存の法則から、核間距離2C=√2aを持つ水素分子が、核間距離2c=1/2 aを持つ第1の「基底状態」未満ヘ遷移するよう励起する水素分子の共鳴エネルギー孔は、方程式(30)と(31)で与えられる。この時、楕円場はマグニチュード1からマグニチュード2に増大する:
【0048】
【数17】

【0049】
換言すると、水素分子の楕円体の「基底状態」の場は、フーリエ成分の重ね合わせとみなされる。エネルギーの負フーリエ成分
m×48.6eV (42)
(mは整数)を取り除くと、楕円体のシェル内の陽電場は、それぞれの焦点で陽子の電荷のm倍増加する。合成的な電場は、楕円座標のラプラシアン時間調和解法である。核間距離2c’=√2a0を持つ水素分子は、「基底状態」未満の準位に遷移し、力均衡と非放射が達成されるための核間距離は2C’=√2a0/1+mである。「基底状態」からこの核間距離に崩壊する際、総エネルギー
【0050】
【数18】

が放出される。
【0051】
(エネルギー孔(分子水素))
望ましい実施例では、エネルギー孔、それぞれおよそ
m×48.6eVは、電気化学反応体(電気触媒作用イオンかカップル)を含む、反応体の電子伝達反応によって供給される。電気化学反応体によって、電子が「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位に緩和するよう誘導される際、熱が水素分子から放出される。電子伝達反応によって取り除かれるエネルギー、エネルギー孔は、この遷移を誘導するために放出される水素エネルギーと共鳴する。水素分子の源は、電解エネルギー反応装置の場合は水の電解の間、および加圧気体エネルギー反応装置か気体放電エネルギー反応装置の場合は、水素ガスか水素化物の電解の間に、陰極表面上で生成される。
【0052】
(エネルギー反応装置)
この発明は、電解槽エネルギー反応装置、加圧気体エネルギー反応装置、および気体放電エネルギー反応装置などから成り、次を合む:水素源;1つの個体、熔融、液体、および気体のエネルギー孔の源;水素とエネルギー孔の源を含む容器(中で水素とエネルギー孔の源との接触によって収縮反応が起こる);および発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐために、(分子の)より低エネルギー水素を取り除く方法。共鳴収縮エネルギーと釣り合うようにエネルギー孔を適合させることによって、収縮反応速度と純出力は増加する。概して、温度、水素ガスの圧力、電気触媒作用イオンかカップルを合むエネルギー孔の源を調節することによって、出力を最適化できる。エネルギー孔の源は、エネルギー孔、電気触媒作用イオンかカップルの対イオン、および収縮反応が起こる表面積を供給する。更にこの発明は、分子水素を解離する官能基を持つ多官能基物質から成り、水素あふれ出し触媒、自由水素原子を供給する。自由水素原子は、可動の自由水素原子を支持する官能基、およびエネルギー孔の源となり得る官能基にあふれ出す。
望ましい水素ガス加圧エネルギー反応装置は以下を含む:容器;水素源;水素の圧力と水素の容器ヘの流れを調節する方法;分子水素を原子水素に解離する物質、および気相でエネルギー孔の源であり得る物質。エネルギー孔の気体の源は、気体エネルギー反応装露の高い運転温度で昇華、沸騰、および/または揮発するものを含む。この反応装置内で、気相で収縮反応が起こる。
この発明の他の目的、特徴、特質、および関連要素の操作法や機能は、後述の説明およびそれに付随した図とその解説を考察すると明瞭になるだろう。これらは全て、この詳述に関連があり、参照番号はこれらの図の対応する部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
(現在望ましい実施例の詳細な説明)
(原子の触媒エネルギー孔の構造)
(単電子励起状態)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物の励起状態の連続体を含む励起状態の種ヘの、ある種の電子からの遷移によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種の電子の励起状態の遷移から成る。この時、アクセプタ種の遷移エネルギーは、およそm×27.21eV(mは整数)に等しい。
【0054】
(単電子伝達)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の電子伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から別の種ヘの電子伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーの合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーの電子親和カを引いたものは、およそm×27.21eV(mは整数)に等しい。
【0055】
(単電子伝達(2種))
3個の共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、カリウムに関連がある。例えば、カリウムの第2イオン化エネルギーは31.63eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、K+はKに還元される時、4.34eVを放出する。K+からK2+とK+とKの化合は、その結果、方程式(3)で純エネルギー変化、27.28eV;m=1を持つ。
【0056】
【数19】

【0057】
原子が収縮するにつれて放出されるエネルギーが、エネルギー孔に失われるエネルギーよりもはるかに大きい点に着目すべきである。また、放出されるエネルギーも、従来の化学反応に比較すると大きい。
ナトリウムがナトリウムイオンでは、およそ27.21eVの電気触媒作用反応は全く不可能である。例えば、42.15eVのエネルギーは、方程式(45)(KをNa+に置き替え)で与えられる反応の逆によって吸収される。
Na++Na++42.15eV→Na+Na2+ (47)
他のそれほど効率的でない触媒系は3個の共鳴器空洞の結合に依存する。例えば、パラジウムの第3のイオン化エネルギーは32.93eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、Li+はLiに還元される時、5.392eVを放出する。Pd2+からpd3+とLi+からLiの化合は、その結果、純エネルギー変化27.54eVを持つ。
【0058】
【数20】

【0059】
(単電子伝達(1種))
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオン化分子の化合物を含む関与している種から、真空エネルギー準位への電子のイオン化によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から真空エネルギー準位への電子のイオン化から成る。この時、電子ドナ一種のイオン化エネルギーはおよそm×27.21eV (mは整数)に等しい。
チタンは、第3のイオン化エネルギーが方程式(3)で27.49eV、m=1なので共鳴収縮を起こすことができる1個の触媒(電気触媒作用イオン)である。従って、p番目のサイクルの収縮カスケードは次式となる。
【0060】
【数21】

ルビジウムはまた触媒(電気触媒作用イオン)である。第2イオン化エネルギーは27.28eVである。
【0061】
【数22】

【0062】
およそm×27.2leV(mは整数)のエネルギー孔を供給する他の単電子伝達反応は、 私の先の米国特許出願に記述されており、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy/Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。
【0063】
(多電子伝達)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の多電子伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種ヘのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー一種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそm×27.2leV(mとtは整数)に等しい。
【0064】
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の多電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から別の種ヘのt電子の伝達から成る。この時、tの連続電子ドナー種の電子親和カおよび/またはイオン化エネルギーから、tの連続電子アクセプタのイオン化エネルギーおよび/または電子親和力を引いたものは、およそm×27.2leV(nとtは整数)に等しい。
望ましい実施例では、電子アクセプタ種はMnOx, AIOx, SiOxのような酸化物である。望ましい分子電子アクセプタは、酸素、O2である。
【0065】
(2電子伝達(1種))
1つの実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、原子、イオン、または分子から真空エネルギー準位ヘの2個の電子のイオン化に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計はおよそ27.2leVである。亜鉛は、第1と第2のイオン化エネルギーの合計が方程式(3)で、27.358eV、m=1なので、共鳴収縮を引き起こすことができる1個の触媒(電気触媒作用原子)である。従って、p番目のサイクルの収縮カスケードは次式となる。
【0066】
【数23】

【0067】
(2電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、1個の原子、イオン、または分子から別の原子か分子ヘの、2個の電子の伝達に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計から、関与している原子、イオン、および/または分子の2つの電子親和力の合計を引いたものは、およそ27.2leVである。原子から分子ヘの2個の電子の伝達に依存する触媒系は、パラジウムと酸素に関連がある。例えば、パラジウムの第1と第2のイオン化エネルギーは、それぞれ8.34eVとl9.43eVである。そして、酸素分子の第1と第2の電子親和力は、それぞれ0.45eVと0.l1eVである。2電子伝達の結果のエネルギー孔は、共鳴吸収に適当である。Pd2+とO2からO22−の化合は、その結果、27.21eVの純エネルギー変化を持つ。
【0068】
【数24】

O2に置き替えることのができる付加的な原子、分子、または化合物は、それぞれおよそ0.45eVと0.11eVの、第1と第2の電子親和力を持つものである。例えば、O2-を形成するOや、O22-を形成するO2を含む混合酸化物(MnOx, AIOx, SiOx)である。
【0069】
(2電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、1個の原子、イオン、または分子から別の原子、イオン、または分子への2個の電子の伝達に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計から、関与している原子、イオン、および/または分子の1つのイオン化エネルギーと1つの電子親和力の合計を引いたものは、およそ27.2leVである。原子からイオンへの2個の電子の伝達に依存する触媒系は、キセノンとリチウムに関連がある。例えばキセノンの第1と第2のイオン化エネルギーは、それぞれl2.l3eVと2l.2leVである。そして、リチウムの第1イオン化エネルギーと第1電子親和力は、それぞれ5.39eVと0.62eVである。2電子伝達の結果のエネルギー孔は、共鳴吸収に適当である。XeからXe2+とLi+からLi-の化合は、その結果、27.33eVの純エネルギー変化を持つ。
【0070】
【数25】

【0071】
(2電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、1個の原子、イオン、または分子から別の原子、イオン、または分子への2個の電子の伝達に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計から、関与している原子および/または分子の2つのイオン化エネルギーの合計を引いたものは、およそ27.2leVである。第1イオンから第2イオンヘの2個の電子の伝達に依存する触媒系は、銀(Ag+)と銀(Ag2+)に関連がある。例えば、銀の第2と第3のイオン化エネルギーは、それぞれ2l.49eVと34.83eVである。そして、銀の第2と第3のイオン化エネルギーは、それぞれ21.49eVと7.58eVである。2電子伝達の結果のエネルギー孔は、共鳴吸収に適当である。AgからAg3+とAg2+からAgの化合は、その結果、27.25eVの純エネルギー変化を持つ。
【0072】
【数26】

【0073】
(3電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、1個のイオンから別のイオンヘの3個の電子の伝達に依存する。この時、第1イオンの電子親和力と2つのイオン化エネルギーの合計から、第2イオンの3つのイオン化エネルギーの合計を引いたものは、およそ27.2leVである。1個のイオンから第2イオンへの3個の電子の伝達に依存する触媒系は、Li-とCr3+に関連がある。例えば、リチウムの電子親和力、第1イオン化エネルギー、および第2イオン化エネルギーはそれぞれ、0.62eV、5.392eV、および75.638eVである。そして、Cr3+の第3、第2、および第1のイオン化エネルギーはそれぞれ、30.96eV、16.50eV、および6.766eVである。3電子伝達の結果のエネルギー孔は、共鳴吸収に適当である。Li-からLi2+とCr3+からCrの化合は、その結果27.42eVの純エネルギー変化を持つ。
【0074】
【数27】

【0075】
(3電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、原子、イオン、または分子から別の原子、イオン、または分子ヘの3個の電子の伝達に依存する。この時、電子ドナー種の3つの連続イオン化エネルギーの合計から、電子アクセプタ種の3つの連続イオン化エネルギーの合計を引いたものは、およそ27.21eVである。原子からイオンへの3個の電子の伝達に依存する触媒系は、AgとCe3+に関連がある例えば、銀の第1、第2、および第3のイオン化エネルギーはそれぞれ、7.58eV、2l.49eV、および34.83eVである。そして、Ce3+ の第3、第2、および第1のイオン化エネルギーはそれぞれ20.20eV、10.85eVおよび5.47eVである。3電子伝達の結果のエネルギー孔は、共鳴吸収に適当である。AgからAg3+とCe3+からCeの化合は、その結果、27.38eVの純エネルギー変化を持つ。
【0076】
【数28】

【0077】
(付加的な触媒エネルギー孔の構造)
(単電子伝達)
更なる実施例では、水素原子の「基底状態」未満の電子遷移のために放出される、総エネルギーに等しいエネルギーのエネルギー孔は、原子、イオン、や分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から別の種への電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーの合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーか電子親和力を引いたものは、およそm/2 ×27.21eV(mは整数)に等しい。
【0078】
n=1からn=1/2への遷移に相当するm=3にとって、3個の共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、ヒ素とカルシウムに関連がある。例えば、カルシウムの第3のイオン化エネルギーは50.908eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、As+はAsに還元される時、9.81eVを放出する。 Ca2十からCa3+とAs+からAsの化合は、その結果、41.1eVの純エネルギー変化を持つ。
【0079】
【数29】

【0080】
(多電子伝達)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の多電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種へのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそm/2×27.21eV(mとtは整数)に等しい。
【0081】
(分子の触媒エネルギー孔構造)
(単電子励起状態)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、種から励起状態種への電子の遷移によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種の電子の励起状態の遷移から成る。この時、アクセプタ種の遷移エネルギーは、mp2×48.6eV(mとpは整数)である。
(単電子伝達)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む、関与している種の間の1個の電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から別の種への電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーの合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーか電子親和力を引いたものは、およそmp2×48.6eV(mとpは整数)に等しい。
【0082】
(単電子伝達(2種))
3個の共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、鉄とリチウムに関連がある。例えば、鉄の第4のイオン化エネルギーは54.8eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、Li+はLiに還元される時5.392eVを放出する。Fe3+からFe4+とLi+からLiの化合は、その結果、49.4eVの純エネルギー変化を持つ。
【0083】
【数30】

【0084】
分子が収縮するにつれて放出されるエネルギーが、エネルギー孔に失われるエネルギーよりもはるかに大きい点に着目すべきである。また、放出されるエネルギーも、従来の化学反応と比較すると大きい。
3個の共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、スカンジウムに関連がある。例えば、スカンジウムの第4のイオン化エネルギーは73.47eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、Sc3+はSc2+に還元される時、24.76eVを放出するSc3+からSc4+とSc3+からSc2+ の化合は、その結果、48.7eVの純エネルギー変化を持つ。
【0085】
【数31】

【0086】
3個の共鳴器空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、イットリウムに関連がある。例えば、ガリウムの第4のイオン化エネルギーは64.00eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、Pb2+はPb+に還元される時、15.03eVを放出する。Ga3+からBa4+とPb2+からPb+の化合は、その結果、48.97eVの純エネルギー変化を持つ。
【0087】
【数32】

【0088】
(単電子伝達(1種))
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種から、真空エネルギー準位への電子のイオン化によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から真空エネルギー準位への、電子のイオン化から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーは、およそmp2×48.6eV(mとpは整数)に等しい。
【0089】
(多電子伝達)
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、多電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種へのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電了儲和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそmp2×48.6eV(m、P、tは整数)に等しい。
【0090】
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、多電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つの種から別の種へのt電子の伝達から成る。この時電子ドナー種のtの連続電子親和力および/またはイオン化エネルギーから、電子アクセプタのtの連続イオン化エネルギーおよび/または電子親和力を引いたものは、およそmp2×48.6eV(m、P、tは整数)に等しい。
望ましい実施例で電子アクセプタ種は、MnOx, AlOx, SiOxのような酸化物である。望ましい分子電子アクセプタは、酸素、O2である
【0091】
(2電子伝達(1種))
1つの実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、原子、イオン、または分子から真空エネルギー準位への、2個の電子のイオン化に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計は、およそmp2×48.6eV(mとPは整数)である。
【0092】
(2電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、原子、イオン、または分子から別の原子か分子への、2個の電子の伝達に依存する。この時、2つのイオン化エネルギーの合計から、関与している原子、イオン、および/または分子の2つの電子親和力の合計を引いたものは、およそmp2×48.6eV(mとpは整数)である。
【0093】
(2電子伝達(2種))
他の実施例では、エネルギー孔を供給する触媒系は、原子、イオン、または分子から別の原子、イオン、または分子への2個の電子の伝達に依存する。この場合、2つのイオン化エネルギーの合計から、関与している原子、イオン、および/または分子の1つのイオン化エネルギーと1つの電子親和力の合計を引いたものはおよそmp2×48.6eV(mとpは整数)である。
(他のエネルギー孔)
他の実施例でエネルギー孔、それぞれ方程式(30)で与えられるおよそm×67.8eV
【0094】
【数33】

【0095】
は、電気化学反応体(電気触媒作用イオンかカップル)を含む、反応件の電子伝達反応によって供給される。この電気化学反応体は、それらの電子が、「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位に緩和するよう誘導される際、水素分子から熱を放出させる。電子伝達反応、エネルギー孔によって取り除かれるエネルギーは、放出される水素エネルギーと共鳴して、この遷移を誘導する。電解エネルギー反応装置の場合は水の電解の間、および加圧気体エネルギー反応装置か気体放電エネルギー反応装置の場合は、水素ガスか水素化物の電解の間に、水素分子の源が陰極表面で生成される。
【0096】
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、1つ以上の電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種へのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそmp2×48.6eV(mとtは整数)に等しい。
3個の共鳴器箱空洞の結合に依存する効率的な触媒系は、マグネシウムとストロンチウムに関連がある。例えば、マグネシウムの第3のイオン化エネルギーは80.143eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収にとって高すぎる。しかし、Sr2+はSrに還元される時、11.03eVを放出する。Mg2+からMg3+とSr2+からSrの化合は、その結果、69.1eVの純エネルギー変化を持つ。
【0097】
【数34】

【0098】
3個の共鳴器空洞の結合に依存する他の効率的な触媒系は、マグネシウムとカルシウムに関連がある。この場合、Ca2十はCa+に還元される時、11.871eVを放出する。Mg2+からMg3+とCa2+からCa+の化合は、その結果、68.2eVの純エネルギー変化を持つ。
【0099】
【数35】

【0100】
ここに参照した私の先の米国特許出願、通し番号08/107,357,1993年8月16日提出で理論付けられている、他の4つの実施例では、エネルギー孔はそれぞれおよそ次の通りである:
ゼロ次数振動を持つn×EteV(Etは方程式(38)で与えられる);
ゼロ次数振動を持つn×EteV(Etは方程式(43)で与えられる);
m×31.94eV(31.94eVは、米国特許出願通し蕃号08/107,357の方程式(222)(nとmは整数)で与えられる)
【0101】
【数36】

および
95.7eV(米国特許出願、通し番号08/107,357の方程式(254)および(222)の-Et zero order-Evib/2の差で与えられるゼロ次数振動を持つ、方程式(43)のm=1に対応する)
【0102】
【数37】

は、電気化学反応体(電気触媒作用イオンかカップル)を含む反応体の、電子伝達反応によって供給される。この電気化学反応体は、その電子が、「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位に緩和するよう誘導される際、水素分子から熱を放出させる。電子伝達反応、エネルギー孔によって取り除かれるエネルギーは、放出される水素エネルギーと共鳴し、この遷移を誘導する。電解エネルギー反応装置の場合は水の電解の間、および加圧気体エネルギー反応装置か気体放電エネルギー反応装置の場合は、水素ガスか水素化物の電解の間に、水素分子の源が陰極表面で生成される。
【0103】
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、1つ以上の電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種へのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそm×31.94eV(方程式(222))(mとtは整数)に等しい。
【0104】
エネルギー孔は、原子、イオン、分子、およびイオンや分子の化合物を含む関与している種の間の、1つ以上の電子の伝達によって供給される。1つの実施例でエネルギー孔は、1つ以上の種から1つ以上の種へのt電子の伝達から成る。この時、電子ドナー種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計から、電子アクセプタ種のイオン化エネルギーおよび/または電子親和力の合計を引いたものは、およそm×95.7eV(mとtは整数)に等しい。
(エネルギー反応装置)
この発明に従ったエネルギー反応装置50(図5)は、エネルギー反応混合物54、熱交換器60、および蒸気発生器62を持つ容器52で構成される。熱交換器60は、収縮反応によって放出された熱を吸収し、その時、収縮可能な物質から成る反応混合物が収縮する。交換器60から熱を吸収し蒸気を発生させる蒸気発生器62と、熱交換器は熱を交換する。更にエネルギー反応装置50は、蒸気発生器62から蒸気を受け取り、機械的な出力を出力発生器80に供給する、タービン70で構成される。出力発生器80は、蒸気エネルギーを電気エネルギーに変える。この電気エネルギーは、荷重90によって受け取られ、仕事を生成するか散逸する。
【0105】
エネルギー反応混合物54は、水素同位体原子の源か分子水素同位体の源、およびエネルギー孔の源58を含む、エネルギー放出物質56から成る。エネルギー孔の源58は、原子水素の「収縮」を引き起こすためにおよそm×27.21eV(mは整数)を、また分子水素の「収縮」を引き起こすためにおよそm×48.6eV(mは整数)を共鳴して取り除く。ここで、エネルギー孔の源と水素の接触によって収縮反応が起こる。収縮反応は、熱と収縮した原子および/または分子を放出する。
【0106】
水素源は、水素ガス、熱解離を含む水の解離、水の電解、水素化物からの水素、または金属一水素溶液からの水素であり得る。全ての実施例でエネルギー孔の源は、1つ以上の電気化学、化学、光化学、熱、遊離基、音波、核などの反応か、または光子か粒子の非弾性散乱反応であり得る。後の2つの場合、この発明のエネルギー反応装置は、上述のエネルギー孔を供給するための粒子源75bおよび/または光子源75aから成る。これらの場合エネルギー孔は、光子か粒子による誘導放出に相当する。加圧気体エネルギー(図7)と気体放電反応装置(図8)の望ましい実施例では、それぞれ、光子源75aが水素分子を水素原子に解離する。少なくとも1つのおよそm×27.21eV、m/2 ×27.21eV、または40.8eVのエネルギーの光子を生成する光子源は、水素原子が収縮反応を起こす際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。他の望ましい実施例では、少なくとも1つのおよそm×48.6eV、95.7eV、またはm×3l.94eVのエネルギーの光子を生成する光子源75aは、水素分子が収縮反応を起こす際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。全ての反応混合物において、電極のような選択された外部エネルギー装置75を使用して、静電位か電流(磁場)を供給し、エネルギー孔の共鳴吸収の活性化エネルギーを低下させる。他の実施例で混合物54は、更にエネルギー放出物質56の原子および/または分子を解離および/または吸収する表面か物質から成る。水素、重水素、または二重水素を解離および/または吸収するような表面か物質は、以下を含む:水素、化合物、合金、または遷移元素や内部遷移元素の混合物、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたGs炭素(黒鉛)。望ましい実施例では、水素原子を収縮するエネルギー孔の源は、触媒エネルギー孔物質58から成り、概しておよそm×27.21eVプラスマイナス1eVのエネルギー孔を供給する、電気触媒作用イオンとカップルから成る。望ましい実施例では、水素分子を収縮するエネルギー孔の源は、触媒エネルギー孔物質58から成り、概しておよそm×48.6eVプラスマイナス5eVのエネルギー孔を供給するものを含む、電気触媒作用イオンとカップルから成る。電気触媒作用イオンとカップルは、私の先の米国特許出願に記述された電気触媒件用イオンとカップルを含み、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy/Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt. 99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。
【0107】
更なる実施例は、以下を含むエネルギー孔の源を持つ容器52である:熔融、液体、気体、または個体状態の電気触媒作用イオンかカップル(エネルギー孔の源)、および水素化物や気体水素などの水素源。水素原子を収縮する反応装置の場合、実施例は更に分子水素を、以下を含む原子水素に解離する方法から成る:要素、化合物、合金、または逮移元素の混合物、内部遠移元素、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)か、光子源75で供給されるUV光を含む電磁放射線。
【0108】
この発明は、電解槽エネルギー反応装置、加圧気体エネルギー反応装置、および気体放電エネルギー反応装置などから成り、以下を含む:水素源;1つの個体、熔融、液体、および気体のエネルギー孔の源;中で水素とエネルギー孔の源の接触によって収縮反応が起こる、水素とエネルギー孔の源を含む容器;および(分子の)より低エネルギー水素を取り除いて、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐ方法。このエネルギー発明は更に、私の先の米国特許出願に記述されており、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy Matter Conversion Methods and Structures)、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出、および私の出版物、Mills,R., Kenizys, S.,Fusion Technology,210,(1991),pp.65−81;Mills, R., Good,W., Shaubach,R.,Dihydrino分子同定(Molecule Identification)」,Fusion Technology,25,103(1994);Mills, R., Good, W.,「水素の分数量子エネルギー準位(FractionalQuantum energy levels of Hydrogen)」,Fusion Technology,Vol.28,No.4,11月,(1995),PP.1697−1719。
【実施例】
【0109】
(電解エネルギー反応装置)
電解エネルギー反応装置は、私の先の米国特許出願に記述されており、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy / Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提山、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt・99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。この発明のエネルギー反応装置の望ましい実施例は、熔融電解槽を含む反応容器52(図5)を形成する電解槽から成る。電解槽100は、概ね図6に示されている。共鳴収縮エネルギーに等しいエネルギー孔を供給する、電気触媒作用イオンかカップルを持つ電解溶液102を通って、電流が流れる(ここに参照した、私の先の米国特許出願に記述されている、電気触媒作用イオンとカップルを含む)。このため、電源110で駆動される出力制御装置108によって、陽極104と陰極106に電圧がかかる。また振動装置112によって、超音波エネルギーか機械的エネルギーも、陰極106と電解溶液102に伝えられる。発熱器114によって、電解溶液102に熱を供給できる。圧力調整器116によって、電解槽100の圧力を制御し、槽を閉じることができる。反応装置は更に、(分子の)より低エネルギー水素を取り除いて、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐ、選択性通気弁のような方法101で構成される。
【0110】
望ましい実施例では、水素源121と水素の超過圧力を適用することによって、電解槽はゼロ電圧ギャップで作動する。ここでは、圧力制御装置122と116によって、超過圧力を制御できる。陰極106で水を水素と水酸化物に分解し、また陽極104で水素を陽子に酸化できる。電解槽エネルギー反応装置の実施例は、真空下のより低エネルギー水素を取り除く、逆の燃料電池幾何学を包括する。この実施例の望ましい陰極106には、変更された気体拡散層があり、第1のテフロン膜フィルタと第2のカーボン紙/テフロン膜フィルタの合成層を含む気体ルー卜方法から成る。更なる実施例は、容器100の上部で凝縮装置140との接続を除いて、閉じることができる反応容器を含む。セルを沸騰時に運転し、沸騰する電解質102から放出される蒸気を凝縮装置140で凝縮し、凝縮された水を容器100に戻すことができる。より低エネルギー状態の水素は、凝縮装置140の上部を通って流れる。1つの実施例で凝縮装置は、放出される電解ガスに接触する、水素/酸素の再結合器145を含む。水素と酸素は再結合され、結果として生じる水が容器100に戻る。電解生成された水素原子(分子)の電子を、「基底状態」より低エネルギー準位へ誘導遷移させる発熱反応から放出される熱、および電解発生する標準水素と酸素の再結合によって放出される熱は、凝縮装置140に接続した熱交換器60(図5)によって取り除かれる。
【0111】
外部の場がない真空では、水素原子(分子)が収縮遷移するよう誘導するエネルギー孔は、m×27.21eV(m×48.6eV)(mは整数)である。原子(分子)が真空と異なる媒体にある時、この共鳴収縮エネルギーを変更できる。例えば、応用電場や外部磁場発生器75によって供給される固有か応用磁場を持つ、電解水溶液102にある陰極106に吸収される水素原子(分子)がある。このような条件下で必要なエネルギー孔は、m×27.21eV(m×48.6eV)とはわずかに異なるかもしれない。従って、これらの条件下で運転する際、共鳴収縮エネルギーと共鳴するレドックス(電子伝達)エネルギーを有する、電気触媒作用イオンとカップル反応体を含むエネルギー孔の源を選択できる。1.4ボルトないし5ボルトの電圧範囲でセルが作動し、ニッケル陰極106を使用して水溶液102を電解する場合、K+/K+およびRb+(Fe3+/Li+およびSc3+/Sc3+)電気触媒作用イオンとカップルが、水素原子(分子)を収縮させる望ましい実施例である。
【0112】
陰極は水素原子(分子)を供給し、水素原子(分子)とエネルギー孔の源(電気触媒作用イオンかカップル)が接触している陰極表面で、収縮反応が起こる。従って、収縮反応は陰極の表面領域に依存する場合がある。一定の電流密度では、水素原子(分子)単位面積あたり一定の濃度を与えると、表面積が増加し収縮反応を起こすための反応体が増加する。更に、陰極の表面積の増加によって、電解効率を改良させる電解槽の抵抗が減少する。ニッケル陰極を含む電解槽の望ましい陰極は、高い表面領域、冷間引抜/加工された表面のような重圧硬化した表面、および多くの粒子境界などの特性を持つ。
【0113】
電解槽エネルギー反応装置の望ましい実施例では、エネルギー孔の源の陰極表面への冷間加工を含む方法によって機械的に、エネルギー孔の源を陰極に取り込むことができる;陰極表面へのエネルギー孔の源の融解や、陰極表面と接触しているエネルギー孔の源の溶液の溶媒蒸着などの方法によって熱的に、および電解沈着、イオン衝撃、真空沈着などの方法によって静電気的に、エネルギー孔の源を陰極に取り込むことができる。
【0114】
収縮反応速度は、陰極106の構成に依存する場合がある。水素原子(分子)は、収縮反応を経てエネルギーを生成する反応体である。従って、陰極は高い濃度の水素原子(分子)を効率的に供給しなければならない。陰極106は、要素、化合物、合金、または導体か半導体の混合物から成る。これは、遷移元素と化合物、アクチニドやランタニド元素と化合物、およびIIIB族とIVB族の元素と化合物を含む。遷移金属(元素)は、程度の差はあるが、金属(元素)によって水素ガスを原子に解離する。ニッケルやチタンは、容易に水素分子を解離するので、水素原子の収縮の望ましい実施例である。陰極は、吸収される水素原子(分子)のエネルギーを変更し、収縮反応エネルギーに影響を及ぼす。エネルギー孔と共鳴収縮エネルギーの問に、共鳴を供給する陰極物質を選択できる。水素原子の収縮に触媒作用を及ぼす対イオンとして、炭酸塩を持つK+/K電気触媒作用カップルの場合、陰極物質と反応速度の関係は次の通りである
Pt<pd<<ti,fe<ni
【0115】
これは、これらの物質が水素原子を吸収する時放出されるエネルギーの、反対の順番かもしれない。従って、この電気触媒作用カップルにとっては、電子エネルギーのわずかの摂動で、水素原子を弱く吸収する陰極を使用し、反応速度を高めることができる。
更に、媒体が磁化強磁性媒体のような非線形媒体の時、共鳴器空洞の結合と、それらの間のエネルギー伝達の強化を増強できる。従って、常磁性か強磁性の陰極、非線形磁化媒体は、水素原子の共鳴収縮エネルギーと電気触媒作用イオンかカップルを含むエネルギー孔の結合を増加し、反応速度を高める。あるいは、磁場発生器75で磁場を適用できる。陰極の磁場は、吸収される水素のエネルギーを変更し、付随的に共鳴収縮エネルギーを変更する。また磁場は、反応に伴う電子のエネルギー準位を変更し、電気触媒作用の反応(エネルギー孔)のエネルギーを摂動する。磁場の強度および陰極の磁気特性が選択され、磁場発生器75によって収縮反応速度一出力を最適化するよう応用される。望ましい強磁性陰極は、ニッケルである。
【0116】
ニッケル陰極を含む電解槽の陰極の望ましい清浄方法は、およそ0.57M X2CO3(XはK+を含む電解質のアルカリ陽イオン)を含む、塩基性の電解質溶液内で陰極に陽極処理を施し、約3%H2O2のような希薄溶液H2O2に陰極を浸すことだ。清浄方法の更なる実施例では、第1の陰極と同じ物質の第2の電極を持つ循環ボルト測定器(voltametry)が作動する。次に、陰極を蒸留水で十分に濯ぐ。陰極表面の有機物質は、電解的に生成される水素原子(分子)の電子を、「基底状態」より低エネルギー準位に遷移するよう誘導する、触媒反応を抑制する。この方法による清浄は、陰極表面から有機物質を取り除き、陰極表面に酸素原子を加える。陰極の陽極処理やH2O2での陰極の清浄によって、ニッケル表面などの金属(元素)表面を酸素原子でドーピングすると、出力は増加する。そのため、水素と分子水素との再結合は減少し、また吸収される水素の共鳴収縮エネルギーを、K+/K+(Sc3+/Sc3+)電気触媒件用カップルなどのエネルギー孔の源で供給されるエネルギー孔に適合させる、水素原子(分子)と金属(元素)の間の結合エネルギーも減少する。
【0117】
異なる陽極物質には、水を酸化させる、異なるオーバーポテンシャルがあり、オームの損失を引き起こすこともある。低いオーバーポテンシャルの陽極は効率を増加させる。望ましい陽極は、ニッケル、プラチナ、および白金チタンなどの次元的に安定した陽極である対イオンとして炭酸塩が使用される、K+/K+電気触媒作用カップルの場合、ニッケルが望ましい陽極であるニッケルはまた、塩基性溶液での使用にとっても、ニッケル陰極と共に望ましい陽極である。ニッケルは、プラチナと比較して安価であり、電解の間未加工のニッケルを陰極に電気メッキすることもできる。
【0118】
白金チタン陽極などの次元的に安定した陽極を清浄する望ましい方法は、約5分間陽極をおよそ3MHClに入れ、次に蒸留水で濯ぐことである。
水素原子収縮の場合、陰極106の表面の水素原子は水素ガスを形成し、この水素原子は陰極表面に気泡を形成する。これらの気泡は、水素原子と電気触媒作用イオンかカップルの間の境界層として機能する。陰極および/または電解溶液102を振動させたり、振動装置112で超音波を適用したりすることによって、境界を改善できる;および、電解溶液102に湿潤剤を加えて、水の表面張力を減少させ、気泡形成を防ぐ方法もある。表面の滑らかな陰極かワイヤ陰極の使用は、ガスの被着を防ぐ。また、出力制御装置108のオンオフ回路で供給される間欠電流は、周期的な水素原子の補給を供給する。この水素原子は水素ガス形成によって放散され、境界層の形成をもたらす過剰の水素ガス形成を防ぎながら溶液へ拡散される。
【0119】
収縮反応は温度に依存する場合がある。ほとんどの化学反応では、温度がそれぞれ10℃上昇する度に、反応速度が倍になる。温度の上昇によって、水素原子(分子)と電気触媒作用イオンかカップルの間の衝突速度が高まり、収縮反応速度が高まる。室温からの大きい温度エクスカーションで、エネルギー孔と共鳴収縮エネルギーが程度の違いに適合するよう、反応体の運動エネルギー分布を完全に変更できる。速度は、これらのエネルギーのコンホメーションや、共鳴の程度に比例し得る。収縮反応速度−エネルギー生成速度を最適化するよう、温度を調整できる。K+/K+電気触媒作用カップルの場合、望ましい実施例では、発熱器114で熱を適用して、室温より高い温度で反応させる
【0120】
収縮反応は、電流密度に依存する場合がある。電流密度の増加は、ある面では温度増加と同等である。衝突速度が高まると、反応体のエネルギーは、電流密度と共に増加する。つまり、反応体の衝突速度を高めることによって、速度を高めることができる;しかし、エネルギー孔や共鳴収縮エネルギーのコンホメーションで増加した反応体エネルギーの効果によって、速度が増減す場合がある。また、増加した電流は、オーム加熱によってより多くのエネルギーを放散し、水素原子の収縮の場合、水素気泡を形成するかもしれない。しかし、高い気体流は、いかなる水素ガス境界層をも減少させる気泡を除去する。過剰エネルギー生成を最適化するために、出力制御装置108で電流密度を調製できる。望ましい実施例では、電流密度は、1平方センチメートルあたり1ミリアンペアないし1000ミリアンペアの範囲にある。
【0121】
水の電解溶液102のpHは、収縮反応速度に影響を及ぼすことができる。電気触媒作用イオンかカップルが陽荷電の場合、pHの増加は、陰極でヒドロニウムの濃度を減少させる;従って、電気触媒件用イオンかカップルの陽イオンの濃度が増加する。反応体の濃度が増加すると反応速度も高まる。Rb+またはK+/K+(SC3+/SC3+)イオンかカップルの場合、望ましいpHは塩基性(7.1-14)である。
電解溶液102の電気触媒作用イオンかカップルの対イオンは、遷移状態のエネルギーを変更し、収縮反応速度に影響を及ぼすことができる。例えば、水素原子を持つK+/K+電気触媒作用カップルの遷移状態合成物は、プラス2の電荷を持ち、不利かもしれない3つの物体衝突を伴う。マイナス2に荷電したオキシアニオン(0xanion)は、2個のカリウムイオンを結合できる;こうして、より低エネルギーの中性の遷移状態合成物を供給する。その形成は二分衝突に依存し、非常に有利である。速度は、オキシアニオンを持つ合成物の一部としての、カリウムイオンの分離距離に依存する場合がある。分離距離が大きいほど、それらの間の電子の伝達が不利になる。カリウムイオンの近接並置は、速度を高めるだろう。K+/Kカップルを使用する場合、対イオンの反応速度の関係は次式となる。
OH-<Po3-4、HPO2-3<SO2-4<<Co2-3
【0122】
従って、プレーナーのマイナス2に荷電したオキシアニオンは、K+/K電気触媒作用カップルの対イオンとしてより望ましい。この陰イオンには、Kイオンの近接並置を供給する、Kの少なくとも2個の結合部位を持つ炭酸塩が含まれる。また、炭酸塩の対イオンは、電気触媒作用イオンのより望ましい対イオンである。
間欠電流、オンオフ、電解回路から成る出力制御装置108は、反応体エネルギーの最大限のコンホメーションを供給する時間の関数として、電場の最適化を提供し過剰熱を増加させるだろう。また、オームと電解の出力損失を最少にしながら、水素原子(分子)の最適な濃度を供給する。更に、水素原子の収縮の場合には、水素ガス境界層の形成を最少にする。周波数、デューティサイクル、ピーク電圧、ステップ波形、ピーク電涜、およびオフセット電圧は、オームと電解の出力損失を最少にしながら、最適な収縮反応速度と収縮反応出力を達成するよう調整される。対イオンとして炭酸塩、陰極としてニッケル陽極としてプラチナを持つK+/K電気触媒作用カップルを使用する場合、望ましい実施例では、次を持つ間欠方形波を使用できる:約1.4ボルトないし2.2ボルトのオフセット電圧;約1.5ボルトないし3.75ボルトのピーク電圧;陰極の表面積の1平方センチメートルあたり約1mAないし100mAのピーク電流;約5%ないし90%デューティサイクル;約1Hzないし1500Hzの範囲の周波数。
【0123】
収縮反応を繰り返すことによって、一層エネルギーが放出される。収縮した原子(分子)は、陰極格子に拡散する。陰極106を使用すると、水素原子(分子)の多重収縮反応が容易になる。1つの実施例で、電気触媒作用イオンかカップルに亀裂性で多孔性な陰極を使用することで、それは金属(元素)格子を含む格子に拡散した、収縮した原子(分子)に接触できる。更なる実施例で、電解の間水素原子(分子)を供給する物質の交互層の陰極を使用する。この物質には、遷移金属(元素)と電気触媒作用イオンかカップルが含まれる。例えば、周期的または反復的に拡散して、電気触媒作用イオンかカップルと接触する、収縮した水素原子(分子)がある。
【0124】
収縮反応は、媒体の誘電率に依存する場合がある。媒体の誘電率は陰極で電場を変更し、付随的に反応体のエネルギーを変更する。異なる誘電率の溶媒は、異なる溶媒和エネルギーを有する。溶媒の誘電率は、電解のためオーバーポテンシャルを低下させ、電解効率を改良する。エネルギー孔と共鳴収縮エネルギーのコンホメーションを最適化し、電解効率を最大にする電解溶液102に、水を含む溶媒を選択できる。
反応溶液内の水素の溶解度は、溶液上の水素圧に正比例する場合がある。圧力の上昇によって、陰極106での反応体水素原子(分子)の濃度が増し、その結果速度が高まる。しかし、水素原子の収縮の場合、これはまた水素ガス境界層の発達を助長する。圧力調整器116によって、水素圧を制御し収縮反応速度を最適化できる。
【0125】
望ましい実施例で電解槽の陰極106は、水素あふれ出し触媒を含む触媒作用物質から成る。これは、後述の「加圧気体エネルギー反応装置」の節で解説されている。他の実施例で陰極は、薄膜の伝導シェルから成る多重の空洞容器を含む。この場合、より低エネルギー水素は薄膜を通って拡散し、それぞれの容器内に集まり、その中で不均化反応を起こす。
少なくとも容器100(図6)と凝縮装置140(図6)と熱交換器60(図5)に存在する熱電対を使って、出熱をモニターできる0サーミスタをモニターし出力変更法を制御する、電算化されたモニタリングと制御システムによって出力を制御できる。
【0126】
(加圧気体エネルギー反応装置)
加圧気体エネルギー反応装置は、第1容器200(図7)から構成される。これは、以下を含む水素源を包含する:金属(元素)−水素溶液からの水素、水素化物からの水素、熱解離を含む水解離からの水素、水電解からの水素、または水素ガス。水素原子を収縮する反応装置の場合、反応装置は更に、以下を含む解離物質のような分子水素を原子水素に解離する方法から成る:要素、化合物、合金、または遷移元素や内部遷移元素の混合物、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)または光子源205によって供給されるUV光を含む電磁放射能。解離した水素原子(分子)は、電気触媒作用イオンとカップルを含む、熔敵液体、気体、または個体のエネルギー孔の源に接触する。これは、私の先の米国特許出願に記述されており、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy / Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。加圧気体エネルギー反応装置は更に、選択性通気弁のような、(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐ方法201から構成される。1つの実施例は、冷点でより低エネルギー水素通気弁を持つ、熱交換器60(図5)としての熱パイプがある。
【0127】
この発明の加圧気体エネルギー反応装置の望ましい実施例は、分子水素を原子水素に解離する物質から成る内部表面240を持つ、第1反応容器200で構成される。この物質は以下を含む:要素、化合物、合金、または遷移元素と内部遷移元素の混合物、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)。更なる実施例では、内部表面240は陽子導体で構成される。第1反応容器200を第2反応容器220内で密封できる。またそれは、圧力測定/制御法222と223によって制御される圧力下で、源221から水素を受け取る。望ましい実施例で水素圧は、10-3ないし100気圧の範囲にある。第1容器200の壁250は、水素透過性であり得る。外部表面245および/または外部容器220は、共鳴収縮エネルギーに等しいエネルギー孔の源を持つ。1つの実施例でエネルギー孔の源は、熔融、液体、または個体のエネルギー孔を含む混合物か溶液である。
他の実施例で電流は、エネルギー孔の源を持つ物質内を流れる。反応装置は更に、電流源225のような反応速度を制御する方法、および第1反応容器200と第2反応容器220を加熱する加熱法230を含む。望ましい実施例では、外部反応容器220は酸素を含み、内部表面240はニッケル、プラチナ、またはパラジウムの1つ以上のコーティングから成る。外部表面245は、1つ以上の銅、テルリウム、ヒ素、セシウム、プラチナ、またはパラジウム、およびCuOx,PtOx,PdOx,MnOx,,AlOx,SiOxなどの酸化物でコーティングされる。電気触媒作用イオンかカップルは、自動的に加熱法230や電流源225を含む再生方法によって再生される。
【0128】
他の実施例では、加圧気体エネルギー反応装置は、水素不浸透性の壁250を持つ、単一の反応容器200だけで構成される。水素原子を収縮する反応装置の場合、以下を含む1つ以上の水素解離物質で、内部表面240はコーティングされる:遷移元素と内部遷移元素、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)。この内部表面240は、以下を含む1つ以上のエネルギー孔の源を持つ:銅、テルリウム、ヒ素、セシウム、プラチナ、またはパラジウム、 およびCuOx,PtOx,PdOx,MnOx,AlOx、SiOxのような酸化物。他の実施例でエネルギー孔の源は、1個の光子か粒子の非弾性散乱反応であり得る。望ましい実施例では、光子源205はエネルギー孔を供給し、エネルギー孔は光子による誘導放出に対応する。水素原子を収縮する反応装置の場合、光子源205は水素分子を水素原子に解離する。少なくとも1つのおよそm×27.21eV, m/2 ×27.21eV、または40.8eVのエネルギーの光子を生成する光子源は、水素原子が収縮反応を起こす際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。他の望ましい実施例では、少なくとも1つのおよそm×48.6eV、95.7eV、またはm×31.94eVのエネルギーの光子を生成する光子源は、水素分子が収縮反応を起こす際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。
【0129】
加圧気体エネルギー反応装置のニッケル表面を含む、望ましい内部表面240と外部表面245は、高い表面領域、冷間引抜加工された表面のような重圧硬化した表面、および多くの粒子境界などの特性を持つ。
【0130】
加圧気体エネルギー反応装置の1つの実施例では、エネルギー孔の源の表面物質への冷間加工を含む方法によって機械的に、またエネルギー孔の源の表面物質(融合)への融解を含む方法によって熱的に、エネルギー孔の源が内部表面240と外部表面245に取り込まれる。更なる取り込み方法として、乾式含浸、表面物質(沈殿)と接触するエネルギー孔の源の溶液の蒸着、イオンの衝撃、真空沈着、含浸、浸出、および電解沈着や電気メッキを含む静電気の取り込みなどがある。ニッケルを含む内部表面240と外部表面245の望ましい清浄方法には、およそ0.57MK2CO3(XはK+を含む電解質のアルカリ陽イオン)を含む塩基性の電解溶液やH2O2の希薄溶液で、内部容器と外部容器を満たす方法がある。次に、内部容器と外部容器をそれぞれ、蒸留水で十分に濯ぐ。1つの実施例では次に、容器200か容器220の少なくとも1つを、およそ0.57MK2CO3溶液を含むエネルギー孔の溶液で満たすこともできる。
【0131】
更なる実施例では、収縮反応速度を高めるために、構成的および/または構造的な助触媒がエネルギー孔の源に放り込まれる。
加圧気体エネルギー反応装置の運転法の1つの実施例では、圧力制御法222で調節される圧力下で、源221から第1容器内に水素が導入される。水素原子を収縮する反応装置の場合、光子源205によって供給されるUV光を含む解離物質か電磁放射能によって、分子水素は原子水素に解離される。この解離された水素原子は、熔融、液体、気体、または個体のエネルギー孔の源に接触する。原子(分子)水素は、その電子がエネルギー孔によってより低エネルギー準位に遷移するよう誘導される際、エネルギーを放出する。代わりに、水素は内部表面240で解離し、第1容器200の壁250を通って拡散し、外部表面245上のエネルギー孔の源に接触するか、または水素原子か再結合した水素分子として熔融、液体、気体、または個体のエネルギー孔の源に接触する。原子(分子)水素は、その電子がエネルギー孔によってより低エネルギー準位に遷移するよう誘導される際、エネルギーを放出する。自動的にか加熱法230や電流源225を含む再生方法によって、電気触媒作用イオンかカップルを再生できる。(分子の)より低エネルギー水素を取り除く方法によって容器200および/または容器220から、(分子の)より低エネルギー水素を取り除くことができる。例えば、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐ、選択性通気弁法201がある。電流源225を持つ共鳴収縮エネルギーと等しいエネルギー孔の源を持つ物質に、電流を流して反応速度(出力)を制御できる。そして/あるいは、第1反応容器200と第2反応容器220を加熱法230によって加熱する。少なくとも第1容器200、第2容器220、および熱交換器60(図5)に存在する熱電対で、出力をモニターできる。サーミスタをモニターし出力変更法を制御する、電算化されたモニタリングや制御システムによって、出力を制御できる。方法201によって(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐことができる。
【0132】
水素原子を収縮するためのエネルギー孔の生成が可能な、1個の陽イオンから別の陽イオンへの電子の伝達に依存する、触媒系に関するこの発明の、触媒作用物質の調製法:
●陽イオンの酸化物と水素解離物質を混合する。
●反復的焼結および粉砕によって完全に混合する。

(セラミック触媒物質の例:Ni粉末のストロンチウム酸化ニオブ(SrNb2O6):)
セラミック触媒物質の調製法:Ni粉末のストロンチウム酸化ニオブ(SrNb206)、2.5kgのSrNb206を1.5kgの−300メッシュNi粉末に加える。物質を混合し均質混合物を生成する。1600℃のオーブンで、24時間大気で粉末を焼結またはか焼する。塊を取り除くために、物質を冷却し研摩する。160℃でもう24時間空気で物質を再焼結する。物質を室温に冷却し粉末化する。
【0133】
水素原子の収縮のためにエネルギー孔の生成が可能な、1個の陽イオンから別の陽イオンへの電子の伝達に依存する、触媒系に関するこの発明の触媒作用物質の調製法:
●溶媒に陽イオンのイオン塩を溶解する。望ましい実施例では、脱イオン脱塩水でイオン塩は0.3ないし0.5モルの濃度に溶解される。
●溶解された塩溶液で解離物質を一様に湿らせる。
●過剰溶液を排出する。
●オープンで望ましくは220℃の温度で、湿った解離物質を乾燥させる。
●乾燥した触媒物質を粉末に粉砕する。
【0134】
(イオン触媒物質の例:Ni粉末の炭酸カリウム(K2CO3))
イオン触媒作用物質の調製法:Ni粉末の炭酸カリウム(K2CO3)、500グラムの−300メッシュNi粉末に、1リットルの0.5MK2CO3水溶液を注ぐ。Ni粒子の周りのエア・ポケットを取り除くために、物質をかき混ぜる。過剰溶液を排出する。200℃のオープンで粉末を乾燥させる。必要ならば、塊を取り除くために物質を研摩する。
【0135】
(水素あふれ出し触媒)
望ましい実施例では、触媒作用の収縮反応のための水素原子の源は、水素あふれ出し触媒から成る。
この発明に従った水素あふれ出し触媒は以下から成る:
● 自由水素原子か陽子を形成する水素解離物質か方法(hydrogen dissociation material or means);
●可動の自由水素原子を支持し、水素原子か陽子の流れの経路か導管を提供する導管物質(conduit material)で、それに自由水素原子があふれ出る;
●収縮反応に触媒作用を及ぼすエネルギー孔の源(source of energy holes)、および随意に
●前の物質が混合物、化合物、または溶液として埋め込まれている補助物質(support material)。
このような水素解離物質は水素、重水素、または三重水素を解離する表面か物質を含む。また水素解離物質は以下を含む:要素、化合物、合金、または遷移元素や内部遷移元素の混合物、鉄、プラチナ、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)。可動の自由水素原子を支持し、水素原子流の経路か導管を提供するもので、それに自由水素原子があふれ出す導管物質は以下を含む:ニッケル、プラチナ、炭素、スズ、鉄、アルミニウム、および銅とそれらの化合物、混合物、または合金。実施例では、前の物質が混合物、化合物、または溶液として埋め込まれる補助物質は以下を含む:
【0136】
炭素、珪石、ニッケル、銅、チタニア、酸化亜鉛、Chromia、マグネシア、ジルコニア、アルミナ、珪石、アルミナ、およびゼオライト。実施例で他の成分の1つ以上は、電気メッキによって補助物質に沈着する。原子水素の「収縮」の原因となるエネルギー孔の源は、なるべくおよそm×27.21eV、および/または分子水素の「収縮」の原因となるものは、およそm×48.6eV(mは整数)である。これは、私の先の米国特許出願に記述されている電気触媒作用イオンとカップルを含み、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy/Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28目提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。あふれ出し触媒のエネルギー孔の対イオンは、以下を含む:「科学と物理学のハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)」,Robert C.Weast,Editor,58th Edition,CRC Press,West Palm Beach,Florida,(1974)pp.B61−B178に挙げられているもの、以下を含む有機的なイオン;安息香酸、フタレート、サリチル酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、およびアルキルカルボン酸、および以下を含む酸無水物を形成する酸の陰イオン:亜硫酸塩、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、亜硝酸カリウム、硝酸カリウム、過塩素酸塩、亜リン酸塩、水素亜リン酸塩、ジヒドロゲン亜リン酸塩、リン酸塩、水素リン酸塩、およびジヒドロゲンリン酸塩。他の実施例で陰イオンは、その酸と酸無水物と平衡になり得る。
【0137】
水素あふれ出し触媒の官能基は、別々の種として、または1つ以上の官能基を持つ混合物、溶液、化合物、または合金を含む化合物として別の官能基と結合される。例えば、1つの実施例では、水素解離物質およびエネルギー孔の源は、それぞれ均質の結晶を含む。それぞれの結晶は1個の成分を含み、これらの官能基は補助物質なしで導管物質と混合される。ところが、他の実施例では、水素解離物質とエネルギー孔の源は異質の結晶を含む。それぞれの結晶は、両方の成分を含み、異質の結晶は補助物質をコーティングする導管物質と混合される。第3の模範的な実施例では、エネルギー孔の源は導管物質に埋め込まれ、この結合した種は水素解離物質と混合される。この水素解離物質は、補助物質なしで、同じか異なる導管物質に埋め込まれる。
【0138】
この発明の水素あふれ出し触媒作用物質の調製法
●あふれ出し触媒の成分を初期湿り含浸法によって混合する。
●焼結によって成分を十分に混合する。
この発明の水素あふれ出し触媒作用物質の更なる調製法:
●水のような適切な溶剤に混合するために、成分を分解/分散させ、溶液や混合物を乾燥させる。
●溶剤を乾燥させて取り除く。そうしないと、湿った混合物、懸濁液、溶液が凍ったり溶剤が昇華したりする。
●焼結によって成分を十分に混合する。
【0139】
1個の陽イオンから別の陽イオンへの電子の伝達に依存する、水素原子の収縮のためのエネルギー孔の源から成る、この発明の水素あふれ出し触媒作用物質の初期湿り調製法:
●適切な重量の陽イオンのイオン塩を適切な量の溶剤で溶解する。望ましい実施例でイオン塩は、脱イオン脱塩水で溶解される。
●物質の気孔がちょうど満たされるように、溶かされた塩溶液で導管水素解離物質を一様に湿らすことによって、初期湿りの導管水素解離物質を調製する。必要な溶剤の総量は、適切な量であり得る。最終的な物質の陽イオンのイオン塩の重量パーセントは、適切な量の溶剤に溶かされた、陽イオンのイオン塩の適切な重量によって決定される。
●一定の湿り具合を保証するために、湿った物質を機械的に混合する。
●初期湿りの導管水素解離物質を、なるべく150℃のオープンで乾燥させる。実施例では、陽イオンの対イオンが、化学的になるべく酸化物に分解するまで物質を加熱する。
●エネルギー孔の物質の導管一水素解離の源から成る、乾いた物質を粉状に砕く。
●任意的に、乾いた粉状の物質と、導管物質と柿助物質が混合された粉末を含む、更なる水素解離物質を機械的に混合する。
(イオン水素あふれ出し触媒作用物質の例:1%―Pd-on-黒鉛炭素粉の重量比40%の硝酸カリウム(KNO3))
1キログラムのイオン水素あふれ出し触媒作用物質の調製法:1%−Pd−On一黒鉛炭素粉の重量比40%の硝酸カリウム(KNO3)、0.40kgのKNO3は1リットルのH20に溶かされる。初期湿りには、−300メッシュ黒鉛粉のグラムあたり1mlのH20が必要であり、また最終的な物質に重量比40%のKNO3含有量を達成するために、黒鉛炭素粉グラムあたり0.67グラムのKNO3が必要である。懸濁液が混合される際、水のKNO3溶液を0.6kgの1%一Pd−on一300−メッシュ黒鉛炭素粉にゆっくりと加える。次に懸濁液を気化皿に載せ、150℃のオーブンに1時間入れる。加熱によって、水が懸濁液から蒸発する。KNO3被覆1%一Pd−on一黒鉛炭素は、粉状になるまですり砕くことができる。
【0140】
1個の陽イオンから別の陽イオンへの電子の伝達に依存する、水素原子を収縮するためのエネルギー孔の源から成る、この発明の水素あふれ出し触媒作用物質の他の初期湿り調製法:
適切な重量の陽イオンのイオン塩を、適切な量の溶剤で溶解する。望ましい実施例では、イオン塩を脱イオン脱塩水で溶解する。
●物質の気孔がちょうど満たされるように、溶かされた塩溶液で一様に導管物質を湿らせることによって、初期湿りの導管物質を調製する。必要な溶剤の総量は、適切な量であり得る。最終的な物質の陽イオンのイオン塩の重量パーセントは、適切な量の溶剤で溶解された陽イオンのイオン塩の適切な重量によって決定される。一定の湿り具合を保証するために、湿った物質を機械的に混合する。
●なるべく150℃のオーブンで、初期湿りの導管物質を乾燥させる。実施例では、陽イオンの対イオンが化学的になるべく酸化物に分解するまで、物質を加熱できる。
【0141】
●導管物質とエネルギー孔の源からなる、乾いた物質を粉状に砕く。
●乾いた粉状の物質を、導管物質と補助物質を混合した粉末を含む水素解離物質と機械的に混合する。
(イオン水素あふれ出し触媒作用物質の例:重量比5%の1%-Pd-on-黒鉛炭素粉を持つ黒鉛炭素粉の重量比40%の硝酸カリウム(KNO3))
1キログラムのイオン水素あふれ出し触媒作用物質の調製法:重量比5%の1%−Pd−On一黒鉛炭素粉を持つ黒鉛炭素粉の重量比40%の硝酸カリウム(KNO3)、0.67kgのKNO3を1リットルのH20で溶解する。初期湿りは、一300メッシュ黒鉛粉のグラムあたり1mlのH20を必要とし、また最終的な物質の重量比40%のKNO3含有量を達成するために、黒鉛粉のグラムあたり0.40グラムのKNO3が必要である。懸濁液を混合する際、水のKNO3溶液を0.55kgの黒鉛粉にゆっくりと加える。次に懸濁液を気化皿に載せ、1時間150℃のオーブンに入れる。加熱によって水は懸濁液から蒸発する。KNO3一被覆黒鉛は、粉状になるまですり砕かれる。粉末の重量を測定できる。約50グラム(KNO3被覆黒鉛の重量の5%)の1%−Pd−On−−300一メッシュ黒鉛炭素粉は、KNO3被覆黒鉛炭素粉と混合できる。
【0142】
(模範的な触媒作用物質の使用法の例)
触媒作用物質を、加圧可能な容器200の中に入れる。容器内の大気汚染物質を取り除くために、容器をHe、Ar、またはNeなどの不活性ガスで洗い流すことができる。容器が概して20ないし140PSIGの水素で加圧されるまで、容器とその含有物を運転温度、概して100℃ないし400℃で加熱する。
実施例でエネルギー孔の源は、炭素層間に挿入されたカリウムイオン(K+/K+)やルビジウムイオン(Rb+)である。他の実施例では、エネルギー孔の源は、電気触媒作用イオンかカップルとその還元された金属形のアマルガムである。例えば、ルビジウムイオン(Rb)とルビジウム金属やカリウムイオン(K+/K+)とカリウム金属がある。
【0143】
実施例で水素原子の源は、熱いフィラメントや格子に水素ガス流を吹き付けることを含む、水素解離法である。このフィラメントや格子は、1800℃のような高温でTi、Ni、Fe、W、Au、Pt、Pdなどのフィラメントや格子を含む、熱い耐火性金属である。この分離法は水素イオンや水素原子を供給し、これらは原子の運動量によってエネルギー孔の源と接触する。あるいは、水素原子とイオンはあふれ出し触媒にスパッターする。加圧気体反応装置の1つの望ましい実施例では、圧力調整器222およびポンプ法223によって低圧力が維持され、分子水素への水素原子組換を最少にし、(分子の)より低エネルギー水素を取り除く。
【0144】
実施例で水素原子の源は、以下を含む水解離物質を水素原子と酸素に解離する水である:要素、化合物、合金、または遷移元素と内部遷移元素、鉄、白金、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)などの混合物。更なる実施例では、熱源と温度制御法230によって高温で水解離物質を維持できる。水素あふれ出し触媒を含む実施例では、水素源はニッケル、コバルト、鉄、または白金群金属などの改質物質上で再構成され得る天然ガスを含む炭化水素から、水素原子や二酸化炭素まである。更なる実施例では、熱源と温度制御法230によって、改質物質を高温で維持できる。他の実施例では、水素原子の源は金属水素化合物の分解から発生し侍る。この分解は、熱源と温度制御法230で、金属水素化物の温度を制御することによって制御され得る。他の実施例では、例えば、水素解離物質など他の物質で電気メッキする方法によって、水素化物をコーティングできる。
【0145】
望ましい実施例では、生成物阻害を防ぐために、収縮反応の生成物、(分子の)より低エネルギー水素を取り除くことができる。こうして、順エネルギー発生反応速度は高められる。より低エネルギー(分子)水素を取り除く1つの方法として、より低エネルギー水素のスキャベンジャを反応混合物に供給する方法がある。スキヤベンジャは生成物を/に吸収/反応し、より低エネルギー、水素、および結果として生じる種が反応混合物から取り除かれる。他の実施例では、触媒上で吸収されるより低エネルギー水素は、容器200を通って流れる、ヘリウムなどの不活性分子か原子との置換えによって取り除かれる。
【0146】
他の目的、特徴、触媒作用技術の特性、およびSatterfieldが記述したような関連要素の調製法、作用および機能がこの発明に応用されており、ここに参照する[Charles N.Satterfield,「産業上の不均質触媒作用(Heterogeneous
Catalysis in Industrial Practice)」,Second Edition,McGraw−Hill,Inc.,New York,(1991)水素原子の電子がより低エネルギー状態に遷移する触媒反応を利用して、エネルギーを放出するための加圧気体エネルギー反応装置に関するこの発明に、触媒作用技術を応用した。これは、断熱曲線反応装置、流動層反応装置、輸送ライン反応装置、「マルチ−管」反応装置、管や管を取り囲む触媒作用物質内の流体を含む熱交換法を持つリバース「マルチ−管」反応装置、触媒作用物質の流動層から成る「マルチ−管」反応装置やリバース「マルチ−管」反応装置などの使用を包括する。更には、エネルギー孔の溶媒化合された(solvated)源、水素あふれ出し触媒や水素ガスなど、浮遊した水素解離物質を含む実施例では、反応装置は、細流層反応装置、気泡カラム反応装置、懸濁液反応装置からなる。
【0147】
例えば、望ましい実施例では、流動層反応装置200は、水素あふれ出し触媒作用物質を含む:重量比5%の1%−Pd−On一黒鉛炭素粉を持つ黒鉛炭素粉の、重量比40%の硝酸カリウム(KNO3)。反応水素ガスは、なるべく約20ないし100mmの範囲の粒度を持つ、細かく分割された個体の触媒作用物質の層を通って上昇する。これは高度に撹拌され、流体の多くの特性を有している。低気圧分離符275は、層に粉体(fines)を返す。水素の圧力と流量率は、圧力および流量率制御法222によって制御される。なるべく大気圧かそれよりわずかに高い圧力で、対応する最高線形速度は60cm/s未満でもよい。
【0148】
(エネルギー孔の気体の源)
電気触媒作用および/または不均化反応によるエネルギー放出のための、望ましい水素ガスエネルギー反応装置の中で、水素原子の電子は、気相でより低エネルギー状態に遷移する。この反応装置は以下から構成される:真空か大気圧より大きな圧力を持つことが可能な容器200(図7);水素源221;圧力と水素の容器への流れを制御する方法222;気相の原子水素源、および気相のエネルギー孔の源。
【0149】
反応容器200は、セラミック、ステンレス、タングステン、アルミナ、IncoloyやInconel(耐熱合金)などの温度抵抗物質から成る真空か圧力容器から成る。
実施例では、気相の水素原子の源は、水素解離法である。これは、Ti、Ni、Fb、W、Au、Pt、Pdなどのフィラメントか格子を含む、熱い耐火性の金属のような熱いフィラメントか格子280に、1800℃のような高温で水素ガス流を吹き付ける方法を含む。解離法は、水素イオンばかりでなく水素原子も供給し、原子の運動量がそれらをエネルギー孔の源と接触させる。エネルギー孔の一気体の一源の気体反応装置の実施例では、圧力調製器222、圧力測定/ポンプ法223によって低圧が維持され、水素原子の分子水素への組換を最小にする。サーボループ285によって一定の抵抗で運転される、熱いフィラメントや格子で放散される出力を測定することによって、圧力を測定できる。このサーボループ285は、電圧/電流測定法、電源、および運転抵抗で、水素圧に対するフィラメントか格子の出力放散が構成されている、電圧/電流制御装置で構成される。他の実施例では、原子水素源は分子水素の解離によって水素原子を供給する、水素解離物質を1つ以上含む。この水素解離物質は、水素、重水素、または三重水素を解離するための表面か物質を含む。これは、以下のような水素あふれ出し物質を含む:炭素のパラジウムや白金と要素、化合物、合金、遷移元素と内部遷移元素の混合物、鉄、白金、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)が含まれる。1つの実施例では水素と水素化物の非平衡状態は、温度と水素圧を制御することによって維持され、気相で原子水素を供給する。他の実施例で原子水素源は、出口で1800ないし2000Kまで電子衝撃によって加熱される、タングステン毛細管で構成される。例えば、Bischlerが記述した原子水素源があり、ここに参照する[Bischler, U.; Bertel, B., J. Vac Sci. Technol., A.(1993),11(2)458−60]。更なる実施例では、水素収縮反応で放出されるエネルギーによって、タングステン毛細管を加熱できる。他の実施例で原子水素源は、帰納的に結合されたプラズマ流動管で構成される。例えば、Gardnerが記述したものがあり、ここに参照する[Gardner,W.L.,J.Vac.Sci.Technol.,A.(1995),13(3,Pt.1),763−6]。Gardnerのセンサで、水素解離断片を測定できる。
【0150】
エネルギー孔の源を、反応容器内のセラミックの舟形290のような、化学的に抵抗力がある開いた容器に入れることができる。あるいは、エネルギー孔の気体の源が、反応容器に移行できるよう連結する容器に入れることもできる。
エネルギー孔の気体の源は、気体エネルギー反応装置の高い運転温度で昇華、沸騰、および/または揮発するものを含む。この反応装置の中で、収縮反応が気相で起こる。例えば、RbNo3aとKNO3はそれぞれ、分解する温度よりはるかに低温で揮発する[C.J.Hardy,B.O.Field,J.Chem.Soc.,(1963),pp.5130-5134]。1つの実施例のイオン水素あふれ出し触媒作用物質:重量比5%の1%−Pd−on一黒鉛炭素粉を持つ、黒鉛炭素粉の重量比40%のカリウムかルビジウム硝酸塩は、カリウムかルビジウム硝酸塩が揮発性である温度で運転される。更なる生成物の不均化反応、より低エネルギー水素原子は、付加的熱エネルギーを放出する。
【0151】
望ましい実施例では、エネルギー孔の源はRbF, RbCl, RbBr, RbI, Rb2S2, RbOH, Rb2SO4,Rb2CO3, Rb3PO4,やKF, KCl, KBr, KI, K2S2, KOH, K2SO4, K2CO3, K3PO4, K2GeF4のような熱的に安定したルビジウムかカリウムの塩である。更に、原子水素の「収縮」を引き起こすおよそm×7.21eV(mは整数)、および/または分子水素の「収縮」を引き起こすおよそm×48.6eV(mは整教)の望ましいエネルギー孔の源は、電気触媒作用イオンとカップルを含む。これは、私の先の米国特許出願に記述されている電気触媒作用イオンとカップルを含み、ここに参照する:タイトル「エネルギー/物質転換法と構造(Energy/Matter Conversion Method and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628、1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。対イオンは次の書に挙げられているものを含み、ここに参照する[「化学と物理学のハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)」,Robert C.Weast,Editor,58th Edition,CRC Press,West Palm Beach,Florida,(1974)pp.B61−B178]。望ましい陰イオンは、水素還元と熱分解に安定し、またエネルギー反応装置の運転温度で揮発性であり得る。
【0152】
次に述べる化合物は、気体エネルギー反応装置内のエネルギー孔の望ましい気体の源である。より高い温度は、エネルギー孔の源のより高い蒸気圧をもたらし、反応速度を高める;しかし、総圧力の増加は、水素原子から水素分子への組換割合を増加する。次に述べるそれぞれの模範的な場合では、エネルギー反応装置の運転温度は、最適な反応速度を供給する温度であり得る。実施例でセル温度は、(最高の)エネルギー孔の源の融点より約50℃高い(2個の陽イオン−電気触媒作用カップルの間の電子移動から成る、エネルギー孔の場合)。水素圧を約200ミリトルで維持し、熱いフィラメントか格子280(図7)で分子水素を解離できる。
【0153】
(単一イオン触媒(電気触媒作用イオン):)
単一イオン触媒(電気触媒作用イオン)は、水素原子の収縮のためのエネルギー孔を生成できる。元素記号に続く番号(n)は、原子のn番目のイオン化エネルギーであることを示す。例えば、Rb+27.28eV=Rb2+十e(融点=(MP);沸点=(BP))。
触媒作用イオン n n番目のイオン化エネルギー
Mo2+ 3 27.16
Mol2
Ti2+ 3 27.49
TiCl2(MP=subl H2, BP= d475℃vac)
(TiCl4 / Ti metal
Rbl+ 2 27.28
RbNO3(MP=310℃,BP=subl))
Rb2S2(MP=420℃、BP=volat>850)
RbI(MP=647℃、BP=1300℃)
【0154】
(2イオン触媒(電気触媒作用カップル):)
2イオン触媒(電気触媒作用カップル)は、水素原子の収縮のためのエネルギー孔を生成できる。イオンに続く行の番号(n)は、原子のn番目のエネルギーであることを示す。例えば、K+31.63eV=K2++eand K+e=K+4.34eV(融点=(MP);沸点=(BP))。
【0155】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0156】
陰イオンを水素で還元できる実施例では、陰イオンは化学的に安定している。例えば、還元の生成物は陰イオンを安定させるために気体電池に加えられる。更なる実施例では、陰イオンを継続的か断続的に取り替えることができる。硝酸塩イオンの場合、生成物アンモニアを容器から取り除き、硝酸塩を酸化させ、セルに戻すことができる。1つの実施例では、容器からコンデンサーに収集することによって、生成物アンモニアを取り除いたり、912℃のような高温で、白金やイリジウムスクリーン上で硝酸塩に酸化させたりできる。更なる実施例では、気相の触媒作用の水素収縮反応を最適化する際、水素圧を減少させて、アンモニア反応への硝酸塩イオンを最小にできる。実施例では、熱いフィラメントや格子280(図7)上の分子水素の解離によって、水素原子は低圧を生じる。分子水素の低圧は、水素供給221、水素流動制御法222、水素圧測定/真空法223によって維持される。圧力測定/ポンプ法223によって、出口でポンプで排出される量に対する入口を通る供給を、制御装置222で調製することによって、水素圧を低圧に維持できる。硝酸塩の分解を最小にしながら、出力を最大にするよう圧力を調整できる。最適な水素圧は、約1トル未満のこともある。実施例で気相の水素原子の源は、水素ガス流を含む水素解離法であり得る。この水素ガス流は、Ti、Ni、Fe、W、Au、n、Pdなどのフィラメントか格子を含む、熱い耐火性の金属のような熱いフィラメントか格子280に、1800℃のような高温で吹き付けられる。フィラメントか格子上や、エネルギー孔の気体の源に、水素分子の源を導くことができる。水素原子の圧力と流動は、(硝酸塩イオンのような)エネルギー孔の源の対イオンの衝突が、熱いフィラメントか格子に接触するのを妨げる。こうして、フィラメントか格子上での陰イオンの熱分解や還元が防がれる。他の実施例では、格子電極287がフィラメントや格子を取り囲むことによって、陰電位が維持される。格子電極では、水素原子はフィラメントや格子から移行でき、陰イオンは熱いフィラメントや格子に接触できない。こうして、陰イオン(対イオン)の熱/化学破壊が防がれる。
【0157】
実施例でエネルギー孔の源は、気相で対の陽イオンー陰イオンを含む、電気触媒作用イオンか電気触媒作用カップルである。気相では、対の陽イオンー陰イオンは外部の源方法75(図5)によって解離される。この外部の源方法75は、例えば、粒子源75bおよび/または光子源75aおよび/または熱源、音のエネルギー、電場、または磁場を含む。望ましい実施例では、対の陽イオンー陰イオンは、熱源230によって熱的に解離されるか、光子源205(図7)によって光解離される。
【0158】
エネルギー孔の気体の源を持つ気体エネルギー反応装置の他の実施例では、エネルギー孔の源は細分化装置295で細分化され、エネルギー孔の気体の源を供給する。細分化装置の望ましい実施例では、舟形加熱法299のような加熱法で原子は沸騰、昇華、蒸発し、また気体の原子はイオン化して、エネルギー孔の源を形成する。このエネルギー孔の源には、ここに参照してある私の先の特許出願で記述した、電気触媒作用イオンか電気触媒作用カップルが含まれる。1つの実施例で原子は、加熱法230、熱いフィラメントか格子を含む水素原子源280、または帰納的に結合されたプラズマ流動管などによって熱的にイオン化される。例えば、気体エネルギーセル(図7)は舟形290内にルビジウムかカリウム金属を含む。舟形290では、加熱法230および/または299によって舟形の温度を制御することによって、蒸気圧が制御される。水素分子は、熱いフィラメントか格子280上で原子に解離される。気相のルビジウム(カリウム)金属は、同じか異なる熱いフィラメントか格子280によってRb(K)にイオン化される。Rb(K/K)電気触媒作用イオン(カップル)は、水素原子を収縮するエネルギー孔の源の役割を果たす。他の実施例では、熱いフィラメントか格子280は金属から成る。あるいは、エネルギー孔の源である陽イオンとして沸き立つ金属で、電気メッキすることもできる。例えば、Mo2+イオン(Mo2+電気触媒作用イオン)は、熱いモリブデンフィラメントか格子280からエネルギーセル200の気相に入る。また、熱いモリブデンフィラメントか格子280は、水素分子を水素原子に解離する。更なる例として、Ni2+とCu+イオン(Ni2+/Cu電気触媒作用カップル)は、熱いニッケル、熱い銅、熱いニッケル−銅合金フィラメント、または格子280などからエネルギーセル200の気相に入る。他の実施例では、図5の光子源75aと粒子源75bは、電子ビームも含めて、気相内の原子などの種をイオン化し、エネルギー孔の源を形成する。エネルギー孔の源には、ここに参照してある私の先の特許出願で記述した、電気触媒作用イオンや電気触媒作用カップルが含まれる。他の実施例では、揮発している反応体によって、原子かイオンが化学的にイオン化される。例えばイオン種は、原子かイオンを酸化か還元することによって、エネルギー孔の源を形成する。
【0159】
気相のエネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の源の量、および/または原子かより低エネルギー水素の濃度を制御することによって、気体エネルギー反応装置の出力を制御できる。反応装置内に存在する、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の揮発性の源の初期の量、および/または温度制御法230で反応装置の温度を制御することによって、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の気体の源の濃度を制御できる。温度制御法230によって、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の揮発性の源の蒸気圧が決定される。更に、反応装置温度は、触媒作用の水素収縮反応の速度を変えることによって、出力を制御する。原子水素源280が供給する原子水素量を制御することによって、原子水素の濃度を制御できる。例えば、気相の水素原子の量を制御するために、以下を制御することができる:熱いフィラメントか格子、電子衝撃によって加熱されるタングステン毛細管、あるいは帰納的に結合されたプラズマ流動管の上か中を通る水素の流動;帰納的に結合されたプラズマ流動管内に放散される出力;電子衝撃によって加熱される熱いフィラメントか格子、またはタングステン毛細管の温度;水素の圧力と非平衡状態で維持される水素化物の温度、およびポンプ法223でセルから「再一結合」水素を取り除く速度。収縮反応速度を制御する他の方法として、非反応的な気体源299で非反応的な気体の圧力を制御すること、非反応的な気体流動制御法232、および圧力測定とポンプ法223などがある。不活性ガスのような非反応的な気体は、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の源と水素原子の間の衝突や、より低エネルギー水素不同変化反応をもたらす衝突と競争する。不活性ガスには、He、Ne、Arが含まれる。このような反応非反応性「反応クエンチング」ガスには、更に二酸化炭素や窒素が含まれる。
【0160】
圧力測定法222と223で圧力をモニターしながら、水素値制御法222で水素をセルに締め出すことによって、水素の部分的圧力を更に制御できる。望ましい実施例では、気体エネルギー反応装置の加熱法230で、温度を制御することによって、水素圧を制御できる。この気体エネルギー反応装置は、更に以下のような金属水素化物や他の水素化物などの水素貯蔵法を含む:塩水の水素化物、チタン水素化物、バナジウム、ニオブ、およびタンタル水素化物、ジルコニウムとハフニウム水素化物、希土類水素化物、イットリウムとスカンジウム水素化物、遷移元素水素化物、金属間水素化物、およびそれらの合金。これは、Mueller、Blackledge, Libowitzらによる技術書に記述されており、ここに参照する[W.M.Mueller,J.P.Blackledge, and G.G−Libowitz,「金属水素化物(Metal Hydrides)」,Academic Press,New York,(1968),「金属間化合物の水素I(Hydrogen in Inter−metalic Compounds I),Edited by L・Schlapbach, Springer−Verlag,Berlin,and「金属間化合物の水素II(Hydrogen in Intermetalic Compounds II)」,Edited by L.Schlapbach,Springer-Verlag,Berlin」。セルの温度は、温度制御と測定法230によって制御され、水素貯蔵物質と平衡な水素の蒸気圧が、望ましい圧力となり得る。1つの実施例では、水素と水素化物の非平衡状態は、温度と水素圧を制御することによって維持され、原子水素を供給する。いくつかの実施例で、以下のような水素貯蔵法がある:希土類水素化物には約800℃の運転温度;ランタン水素化物には約700℃の運転温度;ガドリニウム水素化物には約750℃の運転温度;ネオジム水素化物には約750℃の運転温度;イットリウム水素化物には約800℃の運転温度;スカンジウム水素化物には約800℃の運転温度;イッテルビウム水素化物には約800−900℃の運転温度;チタン水素化物には約450℃の運転温度;セリウム水素化物には約950℃の運転温度;プラセオジム水素化物には約700℃の運転温度;ジルコニウムチタン(50%/50%)水素化物には約600℃の運転温度;Rb/RbHやK/KHなどのアルカリ金属/アルカリ金属水素化物混合物には約450℃の運転温度、およびBa/BaH2などのアルカリ土類金属/アルカリ土類水素化物混合物には約900−1000℃の運転温度。
【0161】
少なくとも容器200と熱交換器60(図5)の中では、熱電対で出熱をモニターできる。以下の方法で収縮反応速度をモニターできる:より低エネルギー水素遷移を経て放出された電子や光子の紫外線や電子分光学、より低エネルギー水素のX線光電子分光学(XPS)、および質量分光学、ラマンか赤外線分光学、および分子のより低エネルギー水素(dihydrino)のガスクロマトグラフィー。XPSの見地から、より低エネルギー水素原子と分子は、標準水素よりも高い結合エネルギー種と確認される。質量分光学の見地から、dihydrinoは、質量対電荷比2(m/e=2)の種と確認される。これは、電子銃エネルギーの関数として、イオン電流を記録することによって、標準水素より高い電離電位を持つ。dihydrinoは、以下のカラムを持つガスクロマトグラフィーによって低温で確認される:液体窒素温度で活性炭素(炭)カラム、Rt−アルミナカラムのようなオルソ水素からパラを分離するカラム、または液体窒素温度で標準水素がdihydrinoより高い程度で保たれるHayeSepカラム。ラマンか赤外線分光学の見地から、dihydrinoは、標準水素と比較するとより高い振動/回転エネルギー準位を持つ分子と確認される。電算化されたモニタリングと制御システムによって、出力を制御できる。これは、サーミスタ、スペクトロメーター、ガスクロマトグラフをモニターし、出力の変更方法を制御する。方法201によって(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐことができる。
【0162】
エネルギー孔の気体の源を持つ気体エネルギー反応装置の他の実施例では、炭化水素の燃焼のような熱分解反応によって、水素原子は生成される。この時、エネルギー孔の触媒作用の源は、水素原子と共に気相内に存在し得る。望ましい方法では、熱分解反応は内燃焼機関で起こる。燃料を持つ炭化水素か水素は、燃焼の間に蒸発(気体化)するエネルギー孔の源から成る。望ましい方法では、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の源は、以下のような熱的に安定したルビジウムかカリウムの塩である:
【0163】
RbF, RbCl, RbBr, RbI, Rb2S2, RbOH, Rb2SO4, および、
Kf, KCl, KBr, KI, K2S2, KOH, K2SO4, K2CO3, K3PO4, K2CeF4。電気触媒作用イオンかカップルの付加的な対イオンには、湿化/乳化剤を含む有機的な陰イオンがある。他の実施例では、燃料を有する炭化水素か水素は更に、乳化した電気触媒作用イオンかカップルを含む、混合物や溶媒化されたエネルギー孔の源として水を含む。熱分解反応の間、水は更なる水素原子の源の役割を果たす。水素原子の源は、エネルギー孔の源によって触媒作用を受ける収縮反応を起こす。エネルギー孔内で、水を水素と酸素に解離する物質から成るシリンダかピストンヘッドのような表面で、水は熱的/触媒作用的に水素原子に解離される。水解離物質は、以下を含む:要素、化合物、合金、または混合物か遷移元素と内部遷移元素、鉄、白金、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu,Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)。
【0164】
(気体エネルギー反応装置(気相水素収縮反応)の出力密度)
以下の方程式の番号は、Millsによるもの示す[Mi11s,R.,「正統量子力学の総括統合論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」,(1995),Technomic Publishing Company,Lancaster,PA]。共鳴収縮、方程式(5.22−5.30)、を引き起こす不均化反応の速度、rm.m2.pは、反応体と共鳴エネルギー伝達の効率の間の衝突速度に依存する。これは、速度定数、Km.m2.p、(方程式(5.47))の生成物、水素かhydrino原子の総数、NH、およびアクセプタhydrino原子によって供給される、ドナーhydrino原子からエネルギー孔への共鳴収縮エネルギーの伝達の効率、E(方程式(6.33))、によって与えられる。
【0165】
【数38】

【0166】
この時、rはドナーとアクセプタの間の距離、Jはドナーhydrino原子の共鳴収縮エネルギー分配とアクセプタhydrino原子によって供給される、エネルギー孔の分配の間の重なりの積分、ηは誘電率、およびK2はドナーとアクセプタ遷移モーメントの相互配向の関数である。より低エネルギー水素原子の電子遷移は、無放出エネルギー伝達によってのみ起こる;こうして、ドナーの蛍光の量子収率、 ψD、方程式(6.37)は1に等しい。共鳴収縮を引き起こす不均化反応の速度、rm.m2.pは、
【0167】
【数39】

【0168】
方程式(6.38)の因子1/2は、衝突の二重計算を修正する[Levine,I.,「物理化学(Physical Chemistry)」,McGraw-Hill Book Company,New York,(1978),PP.420−421]。出力 Pm.m2pは、遷移速度の生成物、方程式(6.38)、および不均化反応のエネルギー(方程式(.27))によって与えられる。
【0169】
【数40】

【0170】
この時、Vは体積である。気相の不均化反応にとって、エネルギー伝達効率は1である。方程式(6.39)への
E=1, P=2, m=1, m=2, V=1m3 N=3×1021, T=675K (6.40)
の置換えによって与えられる出力は
Pm,m’ ,P=1GW(1kW/cm3) (6.41)
水素のより低エネルギー状態への反応が、水素かhydrino原子を有するエネルギー孔の触媒作用の源の反応によって起こる場合、反応速度は、反応体と共鳴エネルギー伝達の効率の間の衝突速度に依存する。単位体積あたりのnH水素かhydrino原子を含む気体にとって、水素かhydrino原子/電気触媒作用イオンの単位体積あたりの衝突速度、ZH[αH/p] Catalyst単位体積あたりそれぞれ半径、αH/p と速度、VHとnC「電気一触媒作用」イオンを持ち、それぞれ半径、rcatalystと速度、VCを持つものは、Levineによって与えられている[Levine,I.,「物理化学(Physical Chemistry)」,McGraw−Hill Book Company,New York,(1978),PP.420−421]。
【0171】
【数41】

平均速度、Vavg,を温度、T、から計算できる[Bueche,F・J.,「科学者と技術者のための物理入門(Introduction to Physics for Scientists and Engineers)」,McGraw−Hi11 Book Company,New York,(1986),pp.261-265]。
【0172】
【数42】

【0173】
この時、Kはボルツマン定数である。方程式(5.44)の方程式(5.42)への置き換えによって、温度、T、に関して単位体積あたりの衝突速度は、ZH[αH/p] Catalystとなる。
【0174】
【数43】

共鳴収縮を引き起こす触媒反応の速度、rm.pは、体積あたりの衝突速度の生成物、ZH[αH/p] Catalyst、体積、V、および方程式(6.37)で与えられる共鳴エネルギー伝達の効率、Eによって与えられる。
【0175】
【数44】

出力、Pm.pは、遷移速度の生成物、方程式(6.45)、および遷移エネルギー、方程式(5.8)によって与えられる。
【0176】
【数45】

気相触媒作用の収縮反応で、その中のエネルギー孔の源が、水素かhydrino原子と共に、27.21eVのイオン化エネルギーを有する単一の陽イオンである場合、エネルギー伝達効率は1である。ルビジウム(Rb+)は、27.28eVの第2イオン化エネルギーを有する電気触媒作用イオンである。方程式(6.46)への
【0177】
【数46】

の置換えによる方程式(5.9)、(5.10)、および(5.8)で与えられる反応のための出力は次式となる。
【0178】
Pm.p.=55MW(55W/cm3) (6.48)
水素のより低エネルギー状態への触媒反応が表面で起こる場合、吸収された水素かhydrino原子と、電気触媒作用イオンの微分表面相互作用のために、エネルギー伝達効率は1未満である。次の時、
E=0.001 (6.49)
方程式(6.46)と(6.47)で与えられる出力は
Pm.p=55MW(55W/cm3) (6.50)
それほど効率的でない触媒系は、3個の共鳴器空洞の連結に依存する。例えば、電子移動は、水素かhydrino原子のためのエネルギー孔から成る2個の陽イオンの間で起こる。反応速度は、触媒作用の陽イオンと水素かhydrino原子の間の衝突速度か、それぞれの収縮反応に付随した電子伝達を持つ、共鳴エネルギー伝達の効率に依存する。共鳴収縮を引き起こす触媒反応の速度、rm.pは、単位体積あたりの衝突速度の生成物、ZH[αH/p] Catalyst、体積、V、および方程式(6.37)で与えられる共鳴エネルギー伝達の効率、Eeによって与えられる。この時、rは反応容器内の陽イオン間の平均距離から与えられる。
【0179】
【数47】

出力、Pm.pは、遷移速度の生成物、方程式(6.51)、および遷移エネルギー、方程式(5.8)で与えられる
【0180】
【数48】

3個の共鳴器空洞の連結器に依存する触媒系は、カリウムに関連がある。例えば、カリウムの第2イオン化エネルギーは、31.63eVである。このエネルギー孔は、明らかに共鳴吸収には高すぎる。しかし、KはKに還元される時、4.34eVを放出する。K+からK2+とK+からKの化合は、その結果、純エネルギー変化、27.28eVを持つ。カリウムイオンによる、水素かhydrino原子の気相の触媒作用の収縮反応の場合を、27.28eVのエネルギー孔を持つ電気触媒作用カップルとして考えなさい。エネルギー伝達効率は、方程式(6.37)で与えられる。この時、rは反応容器内の陽イオン間の平均距離から与えられる。K濃度が3×1022(K+/m3)の時、rはおよそ5×10-9mとなる。J=1、ψD=1、K2=1、TD=10−13sec(KH+の振動周波数に基づく)、および方程式(5.8)でm=1の時、エネルギー伝達効率、Ecは、およそ0.001である。方程式(6.52)への
E=0.001, P=1, m=1, V=1m3, NH=3×1022, Nc=3×1021,
mc=6.5×10-26Kg,rC=1.38×10-10m,T=675K (6.53)
の置換えによる方程式(5.13)、(5.14)、および(5.8)で与えられる反応のための出力は、次式となる。
Pm.p=300MW(300W/cm3) (6.54)
【0181】
(気体放電エネルギー反応装置)
気体放電エネルギー反応装置は、水素同位元素ガスで満たされた、グロー放出真空チャンバ300(図8)から成る。これは、オゾン発生器型コンデンサー、調節弁325を迫ってチャンバ300に水素を供給する水素源322、および陰極305と陽極320の間に電流を通す電圧と電流源330を含む。オゾン発生器型コンデンサー気体放電セルを含む1つの実施例では、ガラスかセラミックのmoietyなど誘電性の障壁で、電極の1つを遮蔽できる。望ましい実施例で、陰極は更に、原子水素に「収縮」を引き起こすおよそm×21eV(mは整数)のエネルギー孔の源、および/または分子水素に「収縮」を引き起こすおよそm×48.6eV(mは整数)のエネルギー孔の源から成る(私の先の米国特許出願に記述されている電気触媒作用イオンとカップルを含み、ここに参照するタイトル「エネルギー/物質転換方法と構造(Energy Matter Conversion Methods and Structures)」、通し番号08/467,051、1995年6月6日提出、一部継続出願、通し番号08/416,040、1995年4月3日提出、一部継続出願、通し番号08/107,357、1993年8月16日提出、一部継続出願、通し番号08/075,102(Dkt.99437)、1993年6月11日提出、一部継続出願、通し番号07/626,496、1990年12月12日提出、一部継続出願、通し番号07/345,628 1989年4月28日提出、一部継続出願、通し番号07/341,733、1989年4月21日提出。水素原子の収縮に望ましい陰極305は、パラジウム陰極であり、パラジウムから放出電流への電子電離によって、共鳴エネルギー孔が供給される。水素原子の収縮に望ましい第2の陰極305は、以下から成る:少なくとも1個のベリリウム、銅、白金、亜鉛、およびテルリウムを含む、放出電流への電子移動によるエネルギー孔の源、および光子源350で供給されるUV光を含む電磁放射線の源のような水素解離法、または以下を含む水素解離物質:遷移要素と内部遷移要素、鉄、白金、パラジウム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、チタン、Sc、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Hg Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Vb、Lu、Th、Pa、U、活性炭(炭素)、および層間に挿入されたCs炭素(黒鉛)。反応装置は更に、電子ドナー種から電子が伝達される際、放出電流に放散されるエネルギーを制御し、水素原子(分子)にエネルギー孔を供給する方法を含む。例えば、圧力制御装置325と電流(電圧)源330がある。気体放電エネルギー反応装置は更に、(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐ方法301を含む。例えば、選択性通気弁がある。
【0182】
気体放電エネルギー反応装置の他の実施例では、エネルギー孔の源は、非弾性の光子か粒子散乱反応の1つであり得る。望ましい実施例では、光子源350がエネルギー孔を供給し、そこではエネルギー孔は光子の誘導放出に一致する。水素原子を収縮する反応装置の場合、光子源350は水素分子を水素原子に解離する。少なくとも1つのおよそm×27.21eV、m/2×27.21eV、または48eVのエネルギーの光子を生成する光子源は、水素原子が収縮反応をする際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。他の望ましい実施例では、少なくとも1つのおよそm×48.6eV,95.7eV,またはm×31.94eVのエネルギーの光子を生成する光子源350は、水素分子が収縮反応をする際、エネルギーの誘導放出を引き起こす。
【0183】
他の実施例では、磁場ジェネレータ75(図5)で磁場を適用し、非線形の媒体であり得る気体イオンの磁化プラズマを生成できる。媒体が非線形であると、共鳴器空洞の連結、およびそれらの間のエネルギー伝達が強化される。このように、応用磁場強度を供給し調整することによって、反応速度(エネルギー孔、電気触媒作用イオンかカップルへの水素原子の共鳴収縮エネルギーの伝達)を、高めたり制御したりできる。
【0184】
気体放電エネルギー反応装置の運転法の1つの実施例では、源322の水素は、調節弁325を迫ってチャンバ300の中に導かれる。電流源330から、陰極305と陽極320の間に電流が流れる。この陰極は、原子水素の「収縮」を起こすおよそm×27.21eV(mは整数)のエネルギー孔の源と、分子水素の「収縮」を起こすおよそm×48.6eV(mは整数)のエネルギー孔の源から成る。これに、水素が接触する。望ましい実施例では、電子は陰極305にある電子ドナー種から放出電流に伝達され、水素原子(分子)にエネルギー孔を供給する。水素原子を収縮する反応装置の場合、陰極305の解離物質、または光子源350によって供給されるUV光を含む電磁放射線の源によって、分子水素を原子水素に解離できる。ここで解離した水素原子は、溶融、液体、気体、または個体状態のエネルギー孔の源に接触する。電子がより低エネルギー準位に遷移するようエネルギー孔によって誘導される際、原子(分子)水素はエネルギーを放出する。電子が電子ドナー種から伝達される際、放出電流に放散されるエネルギーは、水素原子(分子)の共鳴収縮エネルギーに等しい、エネルギー孔を供給するよう制御される。このために、源322の気体圧力は圧制御装置325によって、また電圧は電流(電圧)源330によって制御される。少なくとも陰極305、陽極320、および熱交換器60(図5)に存在する熱電対で、出熱をモニターできる。電算化されたモニタリングと制御システムによって、出力パワーを制御できる。これは、サーミスタをモニターし出力の変更法を制御する。方法301によって(分子の)より低エネルギー水素を取り除き、発熱性の収縮反応が平衡になることを防ぐことができる。
【0185】
気体放電エネルギー反応装置の他の実施例で、望ましい陰極305は、あふれ出し触媒を含む触媒作用物質から成る。これは、「加圧気体エネルギー反応装置」の節で解説してある。
他の実施例では、気体放電エネルギー反応装置は、エネルギー孔の気体の源から成る。ここでは収縮反応が気相で起こり、気体の水素原子が、分子水素ガスの放出によって供給される。更なる実施例では、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の気体の源を生成する放出電流によってエネルギー孔の気体の源を供給できる。この放出には、K/Kを形成するカリウム金属、Rbを形成するルビジウム金属、またはTi2+を形成するチタン金属などの中の放出がある。実施例には、水素同位元素ガスで満たされた、グロー放電チャンバ3が含まれる。エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の源が気相に昇華、沸騰、または揮発するような高温で、グロー放電セルを運転できる。実施例では、エネルギー孔(電気触媒作用イオンかカップル)の源の対イオンは、ルビジウム水素化物(Rb電気触媒作用イオン)および/またはカリウム水素化物(K/K電気触媒作用カップル)のような水素化物陰イオン(H-)であり得る。
【0186】
実施例でエネルギー孔の源は、気相の対の陽イオン−陰イオンから成る、電気触媒作用イオンか電気触媒作用カップルであり得る。例えば、粒子源75bおよび/または光子源75aおよび/または熱源、音響エネルギーT、電場、または磁場などを含む外部の源方法75(図5)によって、対の陽イオンー陰イオンは解離される。望ましい実施例では、対の陽イオンー陰イオンは熱源75(図)5によって熱的に解離されるか、光子源350(図8)によって光解離される。
【0187】
(冷却法)
この発明の更なる実施例には、この発明の電解槽(図6)、加圧水素気体電池(図7)、および水素気体放電セル(図8)などから成る、冷却法がある。ここで、標準水素源ではなく、より低エネルギー原子(分子)の水素源が供給される。より低エネルギー水素原子は、より高エネルギー状態に反応する。この時、次の方程式で与えられるような触媒作用の収縮反応の逆に応じて、熱エネルギーの吸収が伴う:(4−6);(7−9);(10−12);(13−15);(16−18);(48−50);(51−53);(54−56);(57−59);(60−62);(63−65);(66−68);(69−71);(72−74)および(75−77)。より低エネルギー水素分子は、より高エネルギー状態に反応する。この時、次の方程式で与えられるような触媒作用の収縮反応の逆に応じて、熱エネルギーの吸収が伴う:(78−80);(81-83);(84−86);(88−90)および(91-93)。この実施例で、方法101(図6)、201(図7)および301(図8)は、選択性通気弁のような標準水素を取り除く役割を果たし、吸熱反応が平衡になることを防ぐ。
【0188】
(少なくともより低エネルギー水素原子および/またはより低エネルギー水素を含む物質の合成)
この発明は更に、より低エネルギー水素原子を含む分子から成る。より低エネルギー水素は、周期表にあるいかなる原子や既知の有機的/無機的な分子、化合物、金属、非金属、または半導体と反応することによって、より低エネルギー水素原子や分子を含む有機的/無機的な分子、化合物、金属、非金属、または半導体を形成できる。より低エネルギー水素を持つ反応体は、中立原子、負/陽電荷の原子および分子イオン、および遊離基を含む。例えば、より低エネルギー水素を水か酸素と反応させ、より低エネルギー水素と酸素を含む分子を形成したり、単独でイオン化したヘリウムと反応させ、ヘリウムとより低エネルギー水素を含む分子を形成できる。また、より低エネルギー水素を、金属と反応させることもできる。電解槽エネルギー反応装置の1つの実施例では、陰極での運転中に生成されたより低エネルギー水素を、陰極と反応させることによって、それに組み入れることができる;こうして、金属のより低エネルギー水素物質が生成される。全てのこのような反応で、反応速度と生成物収量は、熱および/または圧力を適応することによって増加する。
【0189】
より低エネルギー水素分子(dihydrino)は、標準水素の燃焼によって、水素ガスから浄化される。酸素をサンプルと混合して浄化させ、サンプルを発火させることができる。dihydrinoの浄化法の第2の実施例では、サンプルは水素再結合器の上を流れ、気体流で標準水素と反応して水を形成する。第3の実施例では、より低エネルギー水素分子(dihydrino)は、この発明の電解質エネルギー反応装置の陰極に集められる。例えば陰極には、ニッケル陰極か炭素陰極を含む金属陰極がある。外部から加熱するか陰極に電流を流すことによって、標準水素が優先的に気体を放出する最初の温度まで、容器の中で陰極を加熱できる。標準水素をポンプで送り、次にdihydrino気体が放出され集められる2番目に高い温度まで、陰極を加熱できる。第4の実施例では、ガスクロマトグラフィーを含む低温ろ過(cryofiltration)によって、低温でガスサンプルを浄化する。ガスクロマトグラフィーは、例えば、液体窒素温度の活性化炭素(炭)カラム、Rt-Aluminaカラムのようにオルソ水素からパラを分離するカラム、または標準水素がdihydrinoより多く保たれる液体窒素温度のHayeSepカラムを持つものである。第5の実施例では、ガスサンプルは、低温蒸留(cryodistillation)によって浄化される。ここで標準水素は、液化され気体のより低エネルギー水素(dihydrino)から分離される。液体ヘリウム内での液化によって、dihydrinoを濃縮できる。
【0190】
(本論の実験的な検証)
(例1)
MillsおよびGoodによる記事[Mills,R.Good,W.,「水素の分数量子エネルギー準位(Fractional Quantum Energy Levels of Hydrogen)」,Fusion Technology. Vol.28,No.4,November,(1995),PP.1697−1719]には、以下が記述されている:正確で信頼できる熱測定法、流動熱量測定による、水の炭酸カリウムの電解中に放出される過剰熱の測定;X線光電子分光学(XPS)による、分数量子エネルギー準位−hydrinol内の、水素原子の実験的な同定;暗黒物質からの軟線の放出による、分数量子エネルギー準位一hydrino一内の、水素原子の実験的な同定;イオン化エネルギー測定性能を持つ高精度磁気セクター質量分光学による、分数量子エネルギー準位−dihydrino一分子内の、水素分子の実験的な同定、および概要。
【0191】
(概要:)
水素の分数量子エネルギー準位、およびより低エネルギー水素を生成する放熱反応を予測する完結した理論は他にもある[Mills,R.,「正統量子力学の総括統一論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics),(1995),Technomic Publishing Company,Lancaster,PA 右より提供:Hydro Catalysis Power Corporation,Great Valley Corporate Center,41 Great Va11ey Parkway,Malvern,PA 19355,R.Mills;「空間時間、力、物質、エネルギーの統一(The Unification of Spacetime,the Forces,Matter,and Energy),(Technomic Publishing Company,Lancaster,PA,1992)」。
【0192】
過剰な出力と熱は、水の炭酸カリウムの電解中に観測された。ニッケル陰極における水の炭酸カリウムのパルス電流電解の流動熱量測定は、単一セルデュワーで実行された。24.6ワットからの平均出力は、4.73ワットという平均人力パワー(電圧×電流)を5より大きい因子で越えた。実験の全期間に渡る総入力エネルギー(電圧×電流の積分)は5.72MJだった;ところが、総出力エネルギーは29.8MJだった。電解質を炭酸カリウムから炭酸ソーダに変えても、過剰な熱は観測されなかった。熱源は、電気触媒作用的な放熱反応に割り当てられ、これによって水素原子の電子は、従来の「基底状態」未満の量子化されたエネルギー準位に遷移するよう誘導される。これらのより低エネルギー状態は、分数量子数に相当する:n=1/2、1/3、1/4、・・・27.2eVのエネルギーシンクを供給する、対のカリウムイオン(K+/K+電気触媒作用カップル)が存在する時、これらのより低エネルギー状態への遷移が誘導される。
【0193】
n=1/2水素原子の同定で、H(n=1/2)が報告される。水の炭酸カリウム電解槽と水の炭酸ソーダ電解槽のニッケル陰極のサンプルが、XPSによって分析された。中心点が54.6eVである幅広いピークが、炭酸カリウムセルの場合にだけ存在した。H(n=1/2)の(真空での)結合エネルギーは54.6eVである。従って、理論上のH(n=1/2)の結合エネルギーと測定されたものと、見事に一致する。
H(n=1/8)に低められたhydrinoの更なる実験的な同定は、Mills他による別の説明に見られる。これはLabovとBowyer [S.Labov and S.Bowyer,「天体物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,371(1991)810 of the Extreme UV Center of the University of California,Berkeley]が観測した、暗黒の恒星間媒体の軟X線放出に関するものである。実験的なスペクトルと、提案された遷移の予測されたエネルギー値は、顕著に一致する。
【0194】
2個のH(n=1/2)原子の反応生成物、dihydrino分子は、質量分光学(Shrader Analytical & Consulting Laboratories)によって確認された。ニッケル陰極で軽水K2CO3電解質の電解の間に放出された、低温ろ過された(cryofiltered)気体の質量スペクトルによると、dihydrino分子、H2(n=1/2)が標準分子水素、H2(n=1)の15.46eVより高い電離エネルギー、約63eVを持つことが証明される。高精度(0.001AMU)の磁気セクター質量分光器による燃焼後の気体分析は、70eVで公称質量2の2つのピークと25eVで1つのピークの存在を示唆した。分子水素の同じ分析は、25eVで1つだけのピーク、70evで1つのピークを示唆する。70eVでの燃焼後のサンプルの場合では、水素分子イオンのピークとして1つのピーク、H+2(n=1)が割り当てられ、またわずかに大きい磁気モーメントを有するdihydrino分子のピークとして、1つのピーク、H+2(n=1/2)が割り当てられた。
【0195】
(例2)
「融合工学(Fusion Technology)」[Mills,R.,Good,W.,Shaubach,R.,「Dihydrino分子同定(Molecule Identification)」,25,103(1994)]の1994年1月版で、Mills他は、3セットの熱生成と「灰」同定のデータを再調査し提示
した。これには、Hydro Catalysis Power Corporation(実験 #1−#3)と
Thermacore、Inc.(実験#4−#14)の研究が含まれている。
【0196】
(概要:)
Mills他は、Mills理論を支持する実験証拠を報告している。この理論によると、放熱反応が起こると、その中で水素原子と重水素原子の電子が、「基底状態」未満の量子化された位置エネルギー準位まで緩和するよう、この遷移を誘導するエネルギー孔と共鳴するレドックスエネルギーのKとK、Pd2+とLi、またはPdとO2などの電気化学反応体によって誘導されるという。パルス電流の熱量測定、および水の炭酸カリウム(K/K電気触媒作用カップル)の連続的な電解が、ニッケル陰極で実行された。41ワットからの過剰出力は、電解電圧と電流の生成物によって与えられる総入力パワーを、8よりも大きい因子で越えた。放熱反応の「灰」は、「基底状態」未満のエネルギー電子を持つ原子であり、分子を形成すると予測される。予測された分子は、酸素との反応性の不足、低温ろ過(cryofiltration)による分子量水素からの分離、および質量分光器の分析などによって確認された。
【0197】
軽水K2CO3電解質(K/K電気触媒作用カップル)の電解中に放出される気体とニッケル陰極との燃焼は、不完全だった。不燃焼の気体を質量分光分析(Air Products & Chemicals、Inc.)することによって、主にm/e=2ピークをもたらす種が、水素とは異なるm/e=1からm/e=2への生産効率を持つに違いないということが論証された。また、不燃焼の気体のm/e=2ピークにおける更なる質量分光分析によって、dihydrino分子、H2(n=1/2)、がH2より高いイオン化エネルギーを有することが論証された。
【0198】
Mills他による未処理データの分析によると、China Lake海軍空軍戦センター兵器部(China Lake Naval Air Warfare Center Weapons Division)のMilesは、質量対電荷の比率が4で、標準分子量水素よりも高いイオン化電位を持つ種として、dideutrino分子を観測した。Milesは、質量分光学を使用して、過剰な出力生成電解槽(パラジウム陰極およびLiOD/D20電解質;27.54eVの電気触媒作用カップル)から放出される気体で、低温ろ過された(cryofiltered)ものを分析した[B.F.BUSH,J.J.LAGOWSKI,M.H.MILES,and G.S.OSTROM,「低温融合実験でのD2O電解のヘリウム生成(Helium Production During the Electrolysis of D20 in Cold Fusion Experiments)」,J.Electroanal.Chem 304,271(1991);M.H.MILES,B.F.BUSH,G.S.OSTROM,and J.J.LAGOWSKI,「低温融合実験での熱とヘリウム生成(Heat and Helium Production in Cold Fusion Experiments)」,Proc. Conf. The Science of Cold Fusion,Como,Italy,June 29−July 4,1991,P.363,T.BRESSANI,E.DELGIUDICE,and G.PREPARATA,Eds.,SIF(1991);M.H.MILES,R.A.HOLLINS,B.F.BUSH,J.J.LAGOWSKI,and R.E.J.MILES,「パラジウム陰極を使用したD2O と H2O電解の過剰熱とヘリウム生成の相関(Correlation of Excess Power and Helium Production During D20 and H20 Electrolysis Using Pa11adium Cathodes)」,J.Electroanal.mem.,346,99(1993);M.H.MILES and B.F.BUSH,「パラジウム陰極を使用したD2O電解の過剰熱とヘリウム生成の異常効果の探究(Search for Anomalous Effects Involving Excess Power and Helium During D2O Electrolysis Using Palladium Cathodes)」,Proc.3rd Int.Conf.Cold Fusion,Nagoya,Japan,October 21−25,1992,P 189]。
【0199】
片面が水素不浸透性金屑で、もう一方の面の表面が酸化コート(MnOx、AlOx、SiOx)で被覆されたパラジウムシートは、NTT実験室で装荷される重水素か水素だった。混合酸化物コート(Pd/O2電気触媒作用カップル)が存在する時にだけ、軽/重水素から熱が観測された。重水素(99.9%)装荷MnOx被覆パラジウムシートに電流が適用された時放出される気体を、高精度(.001AMU)の四極子(quadrapole)質量分光器によって分析すると、Mills他がdideutrino分子、D2(n=1/2)に割り当てた、D2ピークの大きな肩の存在が示唆される[E.YAMAGUCHI and T.MSHIOKA「重水素化パラジウムの核融合反応の直接証拠(Direct Evidence for Nuclear Fusion Reactions in Deuterated Palladium)」,Proc.3rd Int.Conf.CoId Fusion,Nagoya,Japan,October21−25,1992,P.179;E.YAMAGUCHI and T.NISHIOKA,「低エネルギーでの重水素化パラジウムからのヘリウム-4の生成(Helium−4 Production from Deuterated Palladium at Low Energies)」,NTT Basic Research Laboratories and IMRA Europe S.A.,Personal Communication(1992)]。
【0200】
(例3)
ペンシルバニア州立大学で、ストロンチウム酸化ニオブ(Nb3+/Sr2+電気触媒作用カップル)を含むニッケル酸化粉が存在する際の、流動する水素からの過剰な熱放出が、正確で信頼できる熱測定法によって測定された。この方法とは、電気出力信号への熱の熱電堆変換である[Phillips,J.「水素とサンプルPSU#1Aの反応の熱量測定的研究(Calorimetric Investigation of the Reaction of Hydrogen with Sample PSU#1)」,September 11,1994,機密レポートが右に提出され右より提供:Hydro Catalysis Power Corporation,Great valley Corporate Center,41 Great Valley Parkway,Malvern,PA19355]。触媒上を流動し高まる流動速度で増加する水素と共に、過剰な出力と熱が観測された。しかし、触媒/ニッケル酸化混合物上を流動するヘリウムか、単独のニッケル酸化上を流動する水素と共には、過剰出力は全く観測されなかった。図9に示されているように、約10ccのストロンチウム酸化ニオブを含む酸化ニッケル粉は、直ちに523Kで0.55Wの定常状態出力パワーを生成した。気体を水素からヘリウムに切替えると、出力は直ちに低下した。再び水素に切替えると、過剰な出力パワーは回復し、約4万秒時点で水素源シリンダが空になるまで増加し続けた。水素流が全くなくなると、出力パワーが0に落下した。
【0201】
熱源は電気触媒作用、放熱反応に割り当てられ、これによって水素原子の電子は従来の「基底状態」未満の量子化されたエネルギーレベルに遷移するよう誘導される。これらのより低エネルギー状態は、分数量子数に相当する:n=1/2、1/3、1/4・・・。27.2eVのエネルギーシンクを供給する、対のニオブとストロンチウムイオン(Nb3+/Sr2+電気触媒作用カップル)が存在する時、これらのより低エネルギー状態への遷移が誘導される。
【0202】
(例4)
「暗黒恒星間媒体からのHydrinosのスペクトルデータ(Spectral Data of Hydrinos from the Dark Interstellar Medium)」、およびMillsの「太陽の節[Mills,R.,「正統量子力学の総括統一論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」(1995),Technomic Pblishing Company,Lancaster,PA]の記事に、分数量子エネルギー準位−hydrino一における、暗黒物質と太陽からの軟X線の放出による水素原子の実験的な同定が記述されている;そして、以下の問題に解明を提供している:太陽中性微子問題、太陽コロナの温度の問題、水素911.8線を広げる問題、「放出ゾーン」から「対流ゾーン」への推移温度の問題、低温一酸化炭素雲の問題、星時代問題、太陽の自転問題、太陽フレア問題、および水素惑星のイオン化エネルギー源の問題。また、分数量子エネルギーレベル−hydrino−内の、水素原子の実験的な同定を記述している。これは、COBEによって得られたスピン/核超微細構造遷移エネルギーによるもので、他には満足のいく帰属が存在しない。
【0203】
(概要)
Millsの表1[Mills,R.,「正統量子力学の総括統一論(The Grand Unified Theory of Classical Quantum Mechanics)」(1995),Technomic Publishing Company、Lancaster,PA]に示されているように、Millsの理論から予測される、分数量子数に相当する「基底」状態未満の電子エネルギー準位への水素遷移は、恒星間空間の極紫外のバックグラウンドのスペクトル線と釣り合う。また、水素不均化反応は、イオン化水素、エネルギーに満ちた電子、および水素電離放射線を発生する。この帰属は、暗黒物質のアイデンティティの逆説を解明し、次のような多くの天体観測を説明付ける:拡散Hα放出が銀河中に偏在し、912Åよりも短い広範囲に渡る光流源が必要である[Labov,S.,Bowyer,S.,「極紫外バックグラウンドのスペクトル観測(Spectral Observations of the extreme Ultraviolet background)」,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,371,(1991),PP.810−819]。
【0204】
hydrino−H(n=1/8)への低下−の更なる実験的な同定は、暗黒恒星間の媒体の軟X線放出に関する、Millsによる他の説明に見られる。この軟X線放出は、カリフォルニア州立大学バークレー校の極紫外センター(Extreme UV Center)のLabovおよびBowyer[S.Labov and S.Bowyer,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,371(1991)810]によって観測された。実験的なスペクトルと提案された遷移での予測されるエネルギー値は、顕著に一致する。
【0205】
ppチェーンによる太陽熱エネルギー出力を説明するための、太陽熱中性微子の不足の逆説は、太陽出熱の大部分をより低エネルギー水素への遷移に割り当てることによって解決される。太陽の光球は6000Kである;ところが、放出されたX線を、高度にイオン化された重要素に割り当てることに基づくと、コロナの温度は106K以上である。光球の温度と相対的なコロナの過剰温度を説明付ける、既知の出力伝達メカニズムで満足できるものはない。逆説は、コロナと関連する電源の存在によって解決される。コロナを106K以上の温度で維持するエネルギーは、方程式(13−15)で与えられる、より低エネルギー水素の不均化反応によって放出されるものである。Millsの表2で、初期のより低エネルギー状態量子数pと半径α/pを持つhydrino原子から、初期のより低エネルギー状態量子数m、初期の半径α/m、および最終的な半径、αを持つhydrino原子によって触媒作用を受けた、より低エネルギー状態量子数、(p+m)と半径、α/(p+m)を持つ状態への遷移によって放出されたエネルギーは、1→1/2H遷移から1/9→1/10H遷移へのエネルギーの連続した順番で与えられる。計算された値と実験的なものとは、顕著に一致する。更に、表2の線の多くは、先の帰属が全くないか、満足できないものだった[Thomas,R.J.,Neupert,W.,M.,「天文物理学ジャーナル増刊号(Astrophysical Journal Supplement Series)」,Vol.91,(1994),PP.46-482;Malinovsky,M.,Heroux,L.,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,Vol.181,(1973),PP.1009−1030;Noyes,R.,「太陽、我々の星(The Sun,Our Star)」,Harvard University Press,Cambridge,MA(1982),P.172;Phillips,J.H.,「太陽の手引き書(Guide to the Sun)」,Cambridge University Press,Cambridge,Great Britain,(1992),pp.118−119;120−121;144−145]。計算された出力、4×1026Wは、観測された出力パワー、4×1026Wと釣り合う。
【0206】
太陽のHI911.8Å線の広がり(911.8Å to =600Å)は、HI911.8Å連続
体が発生する光球表面(T=6,000K)の熱電子エネルギーに基づくもの、およびヘリウム連続体、HeI504.3Å(HeI504.3Å to =530Å)と、HeII227.9Å(HeII227.9Åto =225Å)の相対的な幅に基づいて予測されるものの6倍である[Thomas,R.J., Neupert, W.,M.,「天文物理学ジャーナル増刊号(Astrophysical Journal Supplement Series)」,Vol.91,(1994),PP.461−482;Stix,M.,「太陽(The Sun)」,Springer−Verlag,Berlin,(1991),PP.351−356;Malinovsky,M.,Heroux,L.,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,Vol.181,(1973),PP.1009一1030;Noyes,R.,「太陽、我々の星(The Sun,Our Star)」,Harvard University Press,Cambridge,MA,(1982),P.172;Phillips,J.H.,「太陽の手引き書(Guide to the Sun)」,Cambridge University Press,Cambridge,Great Britain,(1992),PP.118−119; 120−121;144−145]。後者の線は、比例してはるかに狭い;しかし、遷移がよりエネルギーを有するので、対応する起源温度はより高い。更に、H911.8の紅炎スペクトルの連続体線は、静かな太陽スペクトルの同じ線の約1/2の幅である。しかし、温度は紅炎で10,000Kより高くなる。より高エネルギーへの水素の連続体線の過剰広がりという、異常スペクトルの特徴的問題は、反応体としての水素原子に関連がある、エネルギーを有する不均化反応への広がりメカニズムの帰属によって、解決できる。
【0207】
反応生成物、より低エネルギー水素は、太陽の中心に向かって拡散される時、「再イオン」化される。温度2×106Kでの音速と半径0.7太陽半径、0.7Rsでの「放出層」から「対流層」への遷移速度の突然の変化は、より低エネルギー水素の電離温度と釣り合う。
他の分光学的神秘は、4.7μmの波長での彩層の赤外吸収帯に関連している。この波長は、以前は一酸化炭素に割り当てられた。しかし、一酸化炭素が構成要素の炭素と酸素原子に分裂する温度より高温の観測領域では、その存在が信じ難かった。より低エネルギー水素の分子イオンの回転遷移によって広げられた温度に、広い4.7μmの特徴を割り当てることによって、この問題を解決できる。4.7μm吸収線の、J=0からJ=1のHx2[2C −3α0の回転遷移への割り当ては、低温一酸化炭素雲の問題に解決を提供する。
【0208】
星の進化のし方をモデルすると、宇宙の年齢より上の年齢が推定される星もある。Millsの理論によると、収縮期に星の進化が起きたように、現在の拡大への経過時間よりも年齢が上の星が存在すると予測される。
一般相対論は、現行の太陽モデルとhelioseismology(太陽表面の振動から、太陽内部の情報を得る学問)のデータに一致する、核の角運動量の損失という問題に解決を提供する。拡大する空間時間メカニズムへの光子運動量の伝達は、ゆっくりと回転する太陽核の太陽の自転問題に解決を提供する。
更なる星の不均化反応の証拠は、A星と呼ばれる若い星による極紫外線の放出である。たとえ天文学者には、そのような星がこれらの領域を加熱する能力を欠くと信じられているとしても、これらの星は、エネルギーを有し紫外線を放出する高層大気、つまりコロナを持つと思われる。
【0209】
多数の晩期型の星(特にdM星)は、可視X線波長で時々フレアを生じることが知られている。Extreme Ultraviolet Explorer(EUVE)Deep Survey望遠鏡によって、極度に著しいフレアが星AU Microscopii上に、無活動時よりも20倍大きな総計で観測された[Bowyer,S.,「科学(Science)」,Vol.263,(1994),pp.55−59]。満足できる帰属のない、極紫外の輝線が観測された。これらのスペクトル線は、Millsの表3に示された分数量子数に相当する、「基底」状態未満の電子エネルギー準位への水素遷移と釣り合う。より低エネルギーの水素遷移に割り当てられた線は、フレア活動の強度を著しく増加した。このデータは、太陽のフレアを生じる活動メカニズムとして、より低エネルギー水素の不均化反応と一致する。
【0210】
惑星の不均化反応の証拠として、木星、土星、および天王星による、太陽から吸収される量以上のエネルギーの放出がある。木星は気体水素の巨大な球である。土星と天王星もまた、大量な水素を含む。H+3は、赤外放出分光学によって、3個の惑星全てから検出される[J.Tennyson,「物理学の世界(Physics−World)」,July,(1995),PP.33−36]。水素の不均化反応は、電離電子、エネルギー、およびイオン化水素原子をもたらす。電離電子と陽子は、両方とも分子水素と反応して、H+3を生成できる。
より低エネルギーの水素のスピン/核超微細構造遷移エネルギーは、COBEによって得られるある種のスペクトル線と密接に釣り合う[E,L.Wright,et.al.,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,381,(1991),PP.200-209;J.C.Mather,et.al.,「天文物理学ジャーナル(Astrophysical Journal)」,420,(1994),PP.439−444]。これには、他に満足できる帰属が存在しない。
【0211】
(例5)
ペンシルバニア州立大学で、イオン水素のあふれ出し触媒作用物質が存在する時の、流動する水素からの過剰な熱放出が測定された:重量比5%の1%−Pd-on−黒鉛炭素を持つ黒鉛炭素粉(K/K電気触媒作用カップル)の重量比40%の硝酸カリウム(KNO3)の正確で信頼できる熱測定法による、電気出力信号への熱の熱電堆変換[Phillips,J.,Shim,H.,「K/CarbonとPd/Carbonの物理的混合物からの異常熱の付加的熱量測定の例(Additional Calorimetric Examples of Anomalous Heat from Physical Mixtures of K/Carbon and Pd/Carbon)」,January l,1996,機密レポートが右に提出され、右より提供:Hydro Catalysis Power Corporation,Great Valley Corporate Center,41 Great Valley Parkway,Malvern,PA19355]。過剰な出力と熱は、触媒上を流動する水素と共に観測された。しかし、触媒混合物上を流動するヘリウムと共には、過剰出力は全く観測されなかった。熱生成率は、再現可能に観測され、セルに入る全ての水素の水への変換から予測されたものよりも高かった。また観測された総エネルギーは、「既知の」化学反応から、セル内の全ての触媒作用物質が最低のエネルギー状態に変換されるとして、予測されたものの4倍よりも大きかった。こうして、従来の化学では説明できない「異常」熱、つまりマグニチュードと継続時間を持つ熱が再現可能に観測された。
【0212】
(例6)
エネルギー孔の気体の源を持つ加圧気体エネルギーセルからの過剰な熱が、Hydro Catalysis Power Corporationによって観測された[原稿進行中]。その際、モリブデンヨウ化物(MoI2)(Mo2+電気触媒作用イオン)に低圧水素が存在し、210℃のセル運転温度で揮発した。熱量計は、セルの周囲温度を運転温度に維持する、大きい対流オーブンの中に置かれた。セルは、2インチの厚さの成型セラミック断熱材に囲まれた、40ccステンレス圧容器で構成されている。セルは、2つ穴Buffalo腺のある真空のきついフランジで封をされた。このBuffalo腺は、タングステンワイヤが分子水素を解離するため、またType K熱電対のせん孔、および水素供給源と接続した1/4インチステンレス管に接続された、水素のための1/16インチの人口を供給する。フランジは、銅ガスケットで封をされる。容器の底には、ステンレス管に接続された1/4インチの真空ポートがあり、これにはセル、真空ポンプ、および真空計の間の弁がある。1グラム以下のMoI2触媒が、容器の中のセラミックの舟形に置かれた。触媒の蒸気圧は、運転温度210℃で約50ミリトルと推定された。約200ないし250ミリトルの水素圧は、出口でポンプで排出される量と対比した入口を通る供給を調整することによって、手動で制御された。出口では、出口管の圧力が真空計でモニターされる。それぞれの試験で、総圧(実験的にはMoI2圧力)は正確に250ミリトルとされた。
【0213】
セル温度とオーブンの周囲温度の差を測定し、その結果を、タングステンフィラメントによってセル内に出力を適用して発生させた、較正曲線と比較することによって、出力パワーが決定される。熱いタングステンワイヤ(=2000℃)上に水素が流されると、1g以下のMoI2を含む40ccステンレス反応容器から、0.3ワットの過剰出力が観測された。しかし、セル内にMoI2が全く存在しない時、熱いタングステンワイヤ上にヘリウムが流されたり、または熱いタングステンワイヤ上に水素が流されても、過剰出力は全く観測されなかった。熱生成率が再現可能に観測され、それは、セル内の全水素の水への変換から予測される率よりも高かった。また観測された総エネルギーは、「既知の」化学反応から、セル内の全触媒作用物質が最低のエネルギー状態に変換されるとして、予測されるものより30倍以上大きかった。こうして、従来の化学では説明できない「異常」熱、つまりマグニチュードと継続時間を持つ熱が、再現可能に観測された。
【0214】
反応装置の気体の含有量は、質量分析計でモニターされた。熱いフィラメント上に水素が流される場合、過剰なエネルギーが生成される時、より高い電離質量2種が観測できた;ところが、セル内にMoI2が全く存在しない時、熱いタングステンワイヤ上に水素が流される対照試験では、より高い電離質量2種は観測されなかった。より高い電離質量2種は、dihydrino分子に割り当てられた;
【0215】
【数49】

【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】図1は、水素原子の総エネルギー源の概略図である。
【図2】図2は、位置エネルギーの関数としての電子軌道球体のサイズの概略図である。
【図3】図3は、水素分子、H2[2C’=√2a0]、水素分子イオン、H2[2C’=√2a0] 、dihydrino分子、H*2[2C’=a0/√2]およびdihydrino分子イオン、H2[2C’=a0]の総エネルギー源の概略図である。
【図4】図4は、水素型分子、H2[2C=2a0/p]の総エネルギーの関数としてのサイズの概略図である。
【図5】図5は、発明に従ったエネルギー反応装置の概略図である。
【図6】図6は、この発明に従った電解槽エネルギー反応装置の概略図である。
【図7】図7は、この発明に従った加圧気体エネルギー反応装置の概略図である。
【図8】図8は、発明に従った気体放電エネルギー反応装置の概略図である。
【図9】図9は、ストロンチウム酸化ニオブ(Nb3+/Sr2+電気触媒作用カップル)を含む酸化ニッケル粉末が存在する時の、水素流からの過剰熱放出の筋である。これは、正確で信頼できる熱測定法、電気の出力信号ヘの熱の熱電堆変換による。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空又は大気圧より大きな圧力を持つことが可能な第1の容器;
水素原子の、n=1(ここで、nは前記自由水素原子中の電子のエネルギー状態である。)より低いエネルギー状態への遷移に触媒作用を及ぼすための気体の遷移触媒を形成するための有効量の物質;
気相の水素原子の源;
前記気体の遷移触媒を前記物質から形成するための手段;及び
前記水素原子がn=1より低いエネルギー状態へと遷移し、そしてエネルギーを放出する条件下で、前記気体の遷移触媒を前記容器内にて前記水素原子と接触させるための手段;
を有することを特徴とするセル。
【請求項2】
前記気体の遷移触媒は、前記水素原子がより低いエネルギー状態へと遷移するときに、前記水素原子から約27eVの複数倍を吸収するように適合されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項3】
前記気体の遷移触媒は、前記水素原子がより低いエネルギー状態へと遷移するときに、前記水素原子によって放出されたエネルギーに閲し共鳴吸収をなすように適合されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項4】
前記水素原子の源は、水素含有ガスと、前記水素含有ガスを解離するための手段とを含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項5】
前記水素原子の源は、熱いフィラメントと水素含有ガス流、熱い格子と水素含有ガス流、電子衝撃により1800〜2000Kに加熱されるタングステン毛細管と水素含有ガス流、非平衡状態下に維持された水素化物、及び帰納的に結合されたプラズマ流動管と水素含有ガス流、の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4のセル。
【請求項6】
前記水素原子の源は、水素含有ガス流と、前記水素含有ガス流を自由水素原子に解離するための第2の触媒とを含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項7】
前記水素解離触媒は、遷移元素の群から選択される少なくとも一つの元素、ランタニド、及び活性炭を含むことを特徴とする請求項6のセル。
【請求項8】
更に、前記遷移をなす前記水素原子からエネルギーを吸収するための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項9】
更に、n=1より低いエネルギー状態を有する分子水素を除去するための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項10】
更に、前記物質を収容するための舟形(ボート)又は第2の容器と、前記舟形又は第2の容器を前記第1の容器に接続するための手段とを有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項11】
前記舟形又は第2の容器は、更に、そこに収容された前記物質を加熱するための手段を有することを特徴とする請求項10のセル。
【請求項12】
前記気体の遷移触媒は、水素還元に抗するイオン化合物である請求項1のセル。
【請求項13】
前記物質は、加熱されたとき昇華、沸騰又は揮発するように適合されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項14】
前記物質は、ルビジウム又はカリウムの塩を含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項15】
前記物質は、
RbF, RbCl, RbBr, Rbl, Rb2S2, RbOH, Rb2SO4, Rb2CO3,及びR b3P04から成る群から選択されるルビジウムの塩を含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項16】
前記物質は、
KF, KCl, KBr.KI, K2S2, KOH, K2S04, K2CO3, K2PO4及びK2GeF4から成る群から選択されるカリウムの塩を含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項17】
前記物質は、前記物質が加熱されたとき、(Rb+)、(M02+)、及び(Ti2+)から成る群より選択された陽イオンの0より大きい蒸気圧を提供するように適合されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項18】
前記物質は、前記物質が加熱されたとき、0より大きい蒸気圧を有する対の陽イオンを提供するように適合され、
前記対の陽イオンは、 (Sn4+,Si4+)、(Pr3+, Ca2+)、(Sr2+,Cr2+),(Cr3+,Tb3+),(Sb3+,Co2+),(Bi3+,Ni2+),(Pd2+,In+),(La3+,Dy3+),(La3+,Ho3+), (K+,K+),(V3+,Pd2+), (Lu3+,Zn2+), (As3+, Ho3+), (Mo5+,Sn4+),(Sb3+,Cd2+),(Ag2+,Ag+),(La3+,Er3+),(V4+,B3+),(Fe3+,Ti3+),(Co2+,Ti+),(Bi3+,Zn2+), (As3+,Dy3+), (Ho3+,Mg2+), (K+,Rb+), (Cr3+,Pr3+), (Sr2+,Fe2+), (Ni2+,Cu+), (Sr2+,Mo2+), (Y3+,Zr4+), (Cd2+,Ba2+), (Ho3+,Pb2+), (Pd2+,Li+), (Eu3+,Mg2+), (Er3+,Mg2+), (Bi4+,Al3+), (Ca2+,Sm3+), (V3+,La3+), (Gd3+,Cr2+), (Mn2+,Ti+), (Yb3+,Fe2+), (Ni2+,Ag+), (Zn2+,Yb2+), (Se4+,Sn4+), (Sb3+,Bi2+),及び(Eu3+,Pb2+)
から成る群から選択されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項19】
前記物質は、イオンへと蒸発或いは揮発され得る塩を含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項20】
前記塩は、一つ以上の陽イオンと、ハロゲン化物、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩、水酸化物、及び硫化物から成る群から選択される少なくとも一つの陰イオンとを含むことを特徴とする請求項19のセル。
【請求項21】
前記物質から前記気体の遷移触媒を形成するための前記手段は、熱、電子ビームエネルギー、光子エネルギー、音エネルギー、電場、又は磁場、の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項22】
前記物質は、気体の原子を提供するべく適合され、前記遷移触媒を形成するための手段は、更に、前記気体の遷移触媒を形成するために前記気体の原子をイオン化するための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項23】
更に、前記物質を加熱するための手段を有し、前記物質は、前記物質が加熱されたとき気体の原子を提供するように適合され、そして前記遷移触媒を形成するための手段は、前記気体の原子をイオン化するための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項24】
前記物質は、活性時に前記気体の遷移触媒を形成するフィラメントを含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項25】
前記気体の遷移触媒を形成するための手段は、フィラメントを有し、そして前記物質は、前記フィラメントの上にコーティングされることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項26】
前記物質は、加熱されたとき気体の原子を提供するように適合され、そして前記遷移触媒を形成するための手段は、前記気体の原子をイオン化するための手段を有することを特徴とする請求項11のセル。
【請求項27】
前記物質は、イオンに蒸発或いは揮発され得る塩を含むことを特徴とする請求項10のセル。
【請求項28】
更に、非反応的な気体を含み、出力は、前記非反応的な気体の量を制御することによって制御されることを特徴とする請求項1のセル。
【請求項29】
前記水素原子の源は、炭化水素又は水を熱分解するための手段を含むことを特徴とする請求項1のセル。
【請求項30】
前記セルは、内燃機関シリンダを有することを特徴とする請求項29のセル。
【請求項31】
更に、前記セルの出力を制御するための手段を有し、前記出力制御手段は、前記気体の遷移触媒又は前記水素原子の量を制御するための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項32】
前記気体の遷移触媒の量を制御するための前記手段は、前記セルの温度を制御するための手段を有し、前記物質は、前記セルの温度に依存した蒸気圧を有するように適合されることを特徴とする請求項31のセル。
【請求項33】
更に、前記セルの出力を制御するための手頃を有し、前記出力制御手段は、前記舟形又は第2の容器内の温度を制御するための手段を有し、前記物質は、前記舟形又は第2の容器の温度に依存した蒸気圧を有するように適合されることを特徴とする請求項10のセル。
【請求項34】
前記水素原子の量は、前記水素原子の源からの水素原子の流れを制御することによって制御されることを特徴とする請求項31のセル。
【請求項35】
更に、前記セルの出力を制御するための手段を有し、前記出力制御手段は、前記熱いフィラメント、電子衝撃により加熱される前記タングステン毛細管、或いは、前記帰納的に結合されたプラズマ流動管の、少なくとも一つを通る前記水素含有ガスの流れを制御するための手段か、
前記帰納的に結合されたプラズマ流動管にて放散される出力を制御するための手段か、
前記熱いフィラメント、或いは電子衝撃により加熱されるタングステン毛細管の温度を制御するための手段か、又は、
水素の圧力及び非平衡状態下に維持された前記水素化物の温度を制御するための手段、
を有することを特徴とする請求項5のセル。
【請求項36】
更に、前記セルの出力を制御するための手段を有し、前記出力制御手段は、前記放出されたエネルギーの量をモニターするための手段を有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項37】
更に、前記セルの出力を制御するための手段を有し、前記出力制御手段は、サーミスタ、スペクトロメーター、又はガスクロマトグラフの少なくとも一つをモニターする電算化されたモニタリングと制御システムを有することを特徴とする請求項1のセル。
【請求項38】
水素原子からエネルギーを抽出する方法であって、
物質を揮発させ、気体の遷移触媒を形成する工程;
水素原子を提供する工程;及び
前記気体の遷移触媒を、前記水素原子がn=1より低いエネルギー状態へと遷移し、そしてエネルギーが前記水素原子から放出される条件下で、前記水素原子と接触させる工程、ここで、nは、自由水素原子中の電子のエネルギー状態であり、そして前記気体の遷移触媒は、n=1より低いエネルギー状態への水素の遷移に触媒作用を及ぼすための触媒である;
の各工程を有することを特徴とするエネルギー抽出方法。
【請求項39】
前記水素原子を提供する工程は、水素含有ガスを水素原子に解離するための工程を含むことを特徴とする請求項38の方法。
【請求項40】
前記水素原子を提供する工程は、熱いフィラメント上を通過させて水素含有ガスを流動させるか、熱い格子を通過させて水素含有ガスを流動させるか、電子衝撃により1800〜2000Kに加熱されるタングステン毛細管を通過して水素含有ガスを流動させるか、或いは、水素化物を非平衡状態下に維持するか、又は帰納的に結合されたプラズマ流動管を通過して水素含有ガスを流動さ凍るか、の少なくとも一つを行うことを特徴とする請求項38の方法。
【請求項41】
前記水素原子を提供する工程は、水素含有ガスを、前記水素含有ガス流を自由水素原子に解離するための第2の触媒と接触させることを含む請求項38の方法。
【請求項42】
前記気体の遷移触媒は、前記水素原子がより低いエネルギー状態へと遷移するときに、前記水素から約27eVの複数倍を吸収することを特徴とする請求項38の方法。
【請求項43】
前記気体の遷移触媒は、前記水素原子がより低いエネルギー状態へと遷移するときに、前記水素原子によって放出されたエネルギーに関し共鳴吸収をなすように適合されることを特徴とする請求項38の方法。
【請求項44】
更に、真空又は大気圧より大きな圧力を持つことが可能な容器を備えたセル内にて前記方法を実施する各工程を有することを特徴とする請求項38の方法。
【請求項45】
更に、前記セルの出力を制御する工程を有することを特徴とする請求項338の方法。
【請求項46】
前記セルの出力を制御する前記工程は、前記セルへの水素原子の流れを制御することを含むことを特徴とする請求項45の方法。
【請求項47】
更に、前記放出されたエネルギーを吸収する工程を有することを特徴とする請求項38の方法。
【請求項48】
更に、n=1より低いエネルギー状態を有する分子水素を除去する工程を有することを特徴とする請求項38の方法。
【請求項49】
物質を揮発させ、気体の遷移触媒を形成する前記工程は、気体の原子を形成するために前記物質を揮発させそして前記気体の原子をイオン化する工程を有することを特徴とする請求項38の方法。
【請求項50】
分数量子エネルギー準位水素原子(hydrinos)の作製方法であって、
物質を揮発させ、気体の遷移触媒を形成する工程;
水素原子を形成する工程;及び
前記気体の遷移触媒を、前記水素原子がn=1より低いエネルギー状態へと遷移し、そしてエネルギーが前記水素原子から放出され、それによって前記分数量子エネルギー準位水素原子を形成する条件下で、前記水素原子と接触させる工程、ここで、nは、自由水素原子中の電子のエネルギー状態であり、そして前記気体の遷移触媒は、n=1より低いエネルギー状態への水素の遷移に触媒作用を及ぼすための触媒である;
の各工程を有することを特徴とする分数量子エネルギー準位水素原子の作製方法。
【請求項51】
更に、前記分数量子エネルギー準位水素原子を集めそして浄化する工程を有することを特徴とする請求項50の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−201671(P2008−201671A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78173(P2008−78173)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【分割の表示】特願2003−8354(P2003−8354)の分割
【原出願日】平成8年5月31日(1996.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(501328751)ブラックライト パワー インコーポレーティド (9)
【Fターム(参考)】