説明

アウトレット及びその光配線方法

【課題】光ファイバケーブルを壁内からスムーズに導入して把持固定することができるアウトレット及びその光配線方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ収納プレート22とカバープレート23とからなるコンセントプレート21を備え、プレート前面側に電気的接続のための接続口が設けられ、プレート下方側にプレート面と平行な下方から光学的接続のための接続口が設けられ、壁面に配設されるアウトレットである。前記の光ファイバ収納プレート22に、壁内から導出される光ファイバケーブル31を締結部材で把持するケーブル把持片37を備え、該ケーブル把持片37のケーブル把持面はプレート面に対して傾斜させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に取り付けられて電気的及び光学的な信号等の授受を行なうアウトレット及びその光配線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等による情報通信の高速化、情報量の増大に加え、最近では双方向通信と大容量通信の光ネットワークの構築が進展し、一般家庭においても光ファイバを用いたデータ通信サービスFTTH(Fiber To The Home)が行なわれるようになってきた。このため、従来の導電線を用いた電話回線による情報通信に加えて、光ファイバケーブルを用いた情報通信も多くなっている。
【0003】
従来、電源線、電話線あるいはTV信号線等は、壁面に取り付けられたアウトレットを用いて、各種の電子機器を接続する形態がとられている。光ファイバケーブルが新たな通信手段として取入れられた場合においても、このようなアウトレットを用いて、情報機器との接続が簡単に行なえることが要望されている。しかし、光ファイバケーブルの場合は、ガラスファイバを用いているため、曲げ径等に制限があり、また、光ファイバ間の接続部に補強を要するなど、導電線により接続を行なう従来のアウトレットと比べて、その使用形態には大きな差がある。
【0004】
光ファイバケーブルを接続するためのアウトレットの一例として、例えば、特許文献1が知られている。図7は、該特許文献1で開示されているアウトレットの概略を説明する図である。このアウトレットのコンセントプレート1は、合成樹脂等で成形された光ファイバ収納プレート2とカバープレート3からなる。その前面のプレート面6には、電気的接続のための接続口、例えば、電話用ジャック4をコンセント穴5から露出するように取り付けて接続口が形成され、プレート前面方向から電話用プラグ7が接続される。コンセントプレート1の下方側には、光コネクタ接続アダプタ8の光学的接続口が下方に向くように取り付けられ、光コネクタプラグ9はプレート面6と平行な下方から接続口に挿入して接続される。
【0005】
図8は、前記光ファイバ収納プレート2の構成例を示し、固定用ねじ10によりコンセントボックス面等に取り付けられる。この状態で、壁内から引き出された単心又は多心の光ファイバケーブルを固定し、光ファイバケーブル内から露出させた光ファイバ心線11を収納処理できるように構成されている。光ファイバ収納プレート2は、底壁13と側壁12を一体成形して形成され、底壁13の中央部に円形状の環状壁13a、13bを一体に設けて、光ファイバ心線11がループ状に収納されるガイド部を形成している。
【0006】
側壁12及び円形状の環状壁13a、13bには、複数の光ファイバ押え片14a,14bが適宜の間隔をおいて一体に設けられている。環状壁13a内には電話用ジャック4のコンセント穴15が形成され、底壁13の中央部には、光ファイバケーブルを壁内から光ファイバ収納プレート2の前面に引き出す切欠穴16a,16bが形成されている。この切欠穴16a,16bに突き出るように、光ファイバ固定片17a,17bがそれぞれ底壁12と一体に設けられている。光ファイバ固定片17a又は17bで引き留め固定された光ファイバケーブルの露出された光ファイバ心線11は、その余長をループ状にして収納し、端部に光コネクタ18を取り付けて、光コネクタ接続アダプタ8に装着するように構成されている。
【特許文献1】特開2004−157263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1に開示のアウトレットでは、屋内に引き込まれたドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルなどの光ケーブルを光ファイバ固定片で把持した後、ケーブル内の光ファイバ心線を露出させ、所定長さの余長を確保し、その端部に光コネクタを取り付け、光コネクタ接続アダプタを介して外部への光学的接続口としている。このため、光ファイバ収納プレート内に余長を収納するスペース、また光ファイバ心線間を接続した場合、その接続部の収納スペース等を確保する必要がある。また、光ファイバ心線を露出させるためのケーブル外被の除去作業、光ファイバ接続作業等も必要であった。
【0008】
一方、近年、屋内配線用の光ケーブルに直接に光コネクタを取り付ける技術も開発されている。この光コネクタを上述のアウトレットの光配線に用いることにより、光ケーブルをアウトレットボックス内に直に引き込んで光コネクタに取り付けるので、光ファイバ心線間の接続の必要がなくなり、また、余長は壁内などの他の個所に収納することが可能となる。このため、アウトレット内における光ファイバの収納スペースは、必要最小限とすることができ、また光配線の作業量も軽減することができる。
【0009】
しかしながら、上述の屋内に敷設されるドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルは、通常、光ファイバ心線の両側にテンションメンバを配し、ケーブル外被が矩形断面となる形状のものが用いられる。このため、光ケーブルは腰が強く(剛性が有る)、しかも曲げ方向に指向性があるため、壁内からアウトレット内に光ケーブルを導入して把持する際に、無理な曲げや捻じれが生じ光ファイバ特性を低下させる恐れがあり、また、作業性がよくないという問題がある。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバケーブルを壁内からスムーズに導入して把持固定することができるアウトレット及びその光配線方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるアウトレットは、光ファイバ収納プレートとカバープレートとからなるコンセントプレートを備え、プレート前面側に電気的接続のための接続口が設けられ、プレート下方側にプレート面と平行な下方から光学的接続のための接続口が設けられ、壁面に配設されるアウトレットであって、前記の光ファイバ収納プレートに、壁内から導出される光ファイバケーブルを締結部材で把持するケーブル把持片を備え、該ケーブル把持片のケーブル把持面はプレート面に対して傾斜させている。
【0011】
前記のケーブル把持片のケーブル把持面は、プレート面に対して30度から60度の角度で傾斜していることが好ましく、また、ケーブル把持面に、光ファイバケーブルの軸方向と直交する方向に突条部を有していることが好ましい。また、ケーブル把持片に向き合うように、光ファイバケーブルの横方向の移動を防止する突起が設けられ、把持片は、斜め下方に延びるように設けられているのが好ましい。
【0012】
また、本発明によるアウトレットの光配線方法は、光ファイバ収納プレートとカバープレートとからなるコンセントプレートを備え、プレート前面側に電気的接続のための接続口を設け、プレート下方側にプレート面と平行な下方から光学的接続のための接続口を設け、壁面に配設されるアウトレットに外被断面が矩形状の光ファイバケーブルを壁内から導出して配線するアウトレット配線方法で、ファイバプレートに設けたケーブル把持片に、光ファイバケーブルの外面がプレート面に対して傾斜させ、且つ斜め下方から導出させて把持させるようにする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルのような外形が矩形状断面を有する光ケーブルを、壁内の穴からアウトレット内にスムーズに引き込んで把持し収納することができる。この結果、光ケーブル端に直接光コネクタを取り付けて、アウトレットの光配線を容易かつ作業性よく実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図により、本発明によるアウトレットの概略を説明する。図1はアウトレットの外観を示す図で、図中、21はコンセントプレート、22は光ファイバ収納プレート、23はカバープレート、24は電話用ジャック、25はコンセント穴、26はプレート面、27は電話用プラグ、28は光コネクタ接続アダプタ、29は光コネクタプラグを示す。
【0015】
本発明によるコンセントプレート21は、通常の電気的接続用のコンセントプレートに置き換えて使用されるもので、合成樹脂等で成形された光ファイバ収納プレート22とカバープレート23からなっている。その前面のプレート面26には、電気的接続のための接続口、例えば、電話用ジャック24をコンセント穴25から露出するように取り付けて接続口が形成され、プレート前面方向から電話用プラグ27が接続される。なお、コンセント穴25は複数個設けてもよく、また、電話用ジャック24を配設する以外に電源用コンセント、TV用アンテナ端子等を配設するようにしてもよく、これらを組み合わせる形態であってもよい。
【0016】
コンセントプレート21の下方側には、光コネクタ接続アダプタ28の接続口が下方に向くように取り付けられ、光コネクタプラグ29はプレート面と平行な下方から接続口に挿入して接続される。光コネクタプラグ29の接続コードが、所定値以下の曲げ径に曲げられるのを回避するには、光コネクタプラグ29をアウトレットの前面や上方及び横方向から接続する形態は好ましくない。このため、接続コードが下方に垂れるように接続する形態が望ましく、光学的接続の接続口が下向き、又は、下向きに傾斜した形態で光コネクタプラグ29が接続されるように構成する。
【0017】
図2及び図3は、光ファイバ収納プレートの構成例を説明する図である。図中、30は固定用穴、31は光ファイバケーブル、31aは光ファイバ心線、31bはテンションメンバ、31cはケーブル外被、31dは長辺面、31eは短辺面、32は側壁、32aはケーブル押え片、33は底壁、33aは逃げ穴、34はガイド壁、34aはケーブル押え片、35はコンセント穴、36は切欠穴、37はケーブル把持片、38は光コネクタを示す。その他の符号は、図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。
【0018】
図2の構成例は、2本の光ファイバケーブル31を同方向から引き出し、2連(2心用)の光コネクタ接続アダプタ28を用いて、2つの光接続口を1個所に設ける場合である。図2(A)に示すように、光ファイバ収納プレート22は、例えば、固定用穴30に固定用ねじを挿通して壁面に埋設された取り付け枠又はコンセントボックス等(図示せず)に取り付けられる。この状態で、壁内から引き出された光ファイバケーブル31を光ファイバ収納プレート22内に固定し、その端部に光コネクタ38を直接取り付けできるように構成されている。光ファイバ収納プレート22は、底壁33と外周の側壁32を一体成形して形成される。側壁32の内面は、角部がスムーズな円弧状の壁面となるように形成され、また、底壁33には円弧状のガイド壁34が一体成形で形成され、光ファイバケーブル31は所定の曲げ径以上で曲げられて収納保持される。
【0019】
側壁32及びガイド壁34には、複数のケーブル押え片32a及び34aが適宜の間隔をおいて一体に設けられ、光ファイバケーブル31が外に飛び出さないようにされる。ガイド壁34の内側には、コンセント穴35が形成され、コンセントボックス側に保持固定された電話用ジャック等が挿通される。また、底壁13には、光ファイバケーブル31を壁内から光ファイバ収納プレート22の前面に引き出す切欠穴36が形成されている。そして、この切欠穴36内に突き出るように、例えば、2本の光ファイバケーブル31を同方向から引き出し、これを引き留め固定する2つのケーブル把持片37がそれぞれ底壁33と一体に設けられている。
【0020】
壁内に配線された光ファイバケーブル31は、切欠穴36の部分から光ファイバ収納プレート22の前面に引き出され、前記のケーブル把持片37に締結部材で把持固定され、側壁32とガイド壁34によって形成された溝内に沿って所定の曲げ径以上で曲げられてケーブル方向が変換される。光ファイバケーブル31の端部には、光コネクタ38が取り付けられる。この光コネクタ38は、例えば、光ファイバケーブル31の先端部のケーブル外被を除去して、露出した光ファイバを直接フェルールに接着固定し、ケーブル外被部分をクランプで把持して、光ファイバケーブル31に直接に取り付けることができる構成のものが用いられる。そして、この光コネクタ38は、外部装置の光ファイバケーブルとの接続に用いられる光コネクタ接続アダプタ28に装着して、コンセントプレート21内に保持される。
【0021】
図2(B)は、カバープレートの一例を示す図である。上述の如く光ファイバ収納プレート22内に光ファイバケーブル31が引き込まれ、所定の配線が行われると、カバープレート23は光ファイバ収納プレート22の前面の開口部を塞ぐように着脱可能に嵌めこまれる。このカバープレート23はプラスチック等で成形され、電話用ジャック等を配設するコンセント穴25を有し、このコンセント穴25は、使用しない場合は切断容易な閉塞板25aにより閉塞された形状とされている。
【0022】
図2(C)は、屋内の光配線に用いられる光ファイバケーブル31の収納状態を示す図である。光ファイバケーブル31は、通常、光ファイバ心線31aの両側にテンションメンバ31bを配し、断面矩形状のケーブル外被31cで一体化した形状のものが用いられる。このため、光ファイバケーブル31は、剛性を有すると共にケーブルの長辺面31d側には曲げ易いが、短辺面31e側には曲げにくいという曲げ指向性を有している。この結果、壁内に配線された光ファイバケーブル31を、光ファイバ収納プレート22には、ケーブルの長辺面31dが側壁32に接し、短辺面31eが底壁33に接するように曲げられて収納される。
【0023】
図3の構成例は、2本の光ファイバケーブル31を異なる方向から引き出すと共に、2つの単心用の光コネクタ接続アダプタ28を用いて、光接続口を異なる2箇所に設ける場合である。光ファイバ収納プレート22は、基本的には図2で説明したのと同様で、図3(A)に示すように、壁内から引き出された光ファイバケーブル31を光ファイバ収納プレート22内に固定し、その端部に光コネクタ38を直接取り付けできるように構成されている。光ファイバ収納プレート22は、底壁33と外周の側壁32を一体成形して形成され、側壁32の内面は、角部がスムーズな円弧状の壁面となるように形成され、また、底壁33には円弧状のガイド壁34が一体成形され、光ファイバケーブル31は所定の曲げ径以上で曲げられて収納保持される。
【0024】
側壁32及びガイド壁34には、複数のケーブル押え片32a及び34aが適宜の間隔をおいて一体に設けられ、光ファイバケーブル31を所定の曲げ径以上で収納し、外に飛び出さないようにされる。ガイド壁34の内側には、コンセント穴35が形成され、コンセントボックス側に保持固定された電話用ジャック等が挿通される。また、底壁13には、光ファイバケーブル31を壁内から光ファイバ収納プレート22の前面に引き出す切欠穴36が形成されている。そして、この切欠穴36に突き出るように、例えば、2本の光ファイバケーブル31を異なる方向から引き出し、これを引き留め固定する2つのケーブル把持片37がそれぞれ底壁33と一体に設けられている。
【0025】
壁内に配線された光ファイバケーブル31は、切欠穴36の部分から光ファイバ収納プレート22の前面に異なる方向から引き出され、前記のケーブル把持片37に締結部材で把持固定され、互いに反対方向に向って側壁32とガイド壁34によって形成された溝内に沿って所定の曲げ径以上で曲げられてケーブル方向が変換される。光ファイバケーブル31の端部には、それぞれ図2で用いたのと同様な光コネクタ38が取り付けられる。そして、この光コネクタ38は、光ファイバ収納プレート22の下部両側に配された光コネクタ接続アダプタ28に装着して、コンセントプレート21内に保持される。
【0026】
しかし、この図3の構成例の場合は、光ファイバケーブルの引き出し方向が異なることから、図3(B)で示すように、光ファイバケーブルが交差する部分が生じる。このため、このケーブル交差部分では、光ファイバケーブルの逃げ穴33aを設けておくことが好ましい。この結果、ケーブル収納のための側壁32の高さは、図2の例と同様に、1本分の光ファイバケーブルを収納する高さとすることができる。
【0027】
光ファイバケーブル31を壁内から切欠穴36を通して光ファイバ収納プレート22内に引き出すに際して、図2(C)及び図3(B)で示したように、ケーブルの短辺面32e側を曲げる必要があるが、ケーブルの指向性のため、光ファイバケーブル31はその引き出し口で捻じれが生じる。また、光ファイバケーブル31は、上述したように剛性を有するため切欠穴36のエッジで損傷を受けやすくなり、作業性もよくない。
本発明は、このため、光ファイバ収納プレート22内に、光ファイバケーブル31を無理なく引き出す形状のケーブル把持片37を設けている。
【0028】
図4に示すように、本発明によるケーブル把持片37は、切欠穴36のエッジ部分からケーブル引き出し口に突き出るようにして形成される。ケーブル把持片37は、光ファイバケーブル31を把持するケーブル把持面37a、ケーブルの軸方向と直交する突条部37b、締結部材を係止する張出し部37cを有している。そして、ケーブル把持面37aは、プレート面と平行な底壁33の面に対して傾斜するように形成される。この傾斜角度θは、例えば、光ファイバケーブルが捻られる範囲である0度〜90度の中間角度45度に対して、±15度程度の30度〜60度とするのが好ましい。
【0029】
また、ケーブル把持片37に近接し、ケーブル把持面37cに向き合うように突起39を設けておくのが好ましい。この突起39を設けることにより、切欠穴36から光ファイバ収納プレート22内に引き込まれる光ファイバケーブル31を、ケーブル把持片37の近くに引き寄せて保持させることができる。この結果、光ファイバケーブル31をケーブル把持片37に締結部材で把持固定する作業を容易にすることができる。
【0030】
図5は、ケーブル把持片37に締結部材40で光ファイバケーブル31を把持固定させた状態を示す図である。光ファイバケーブル31は、切欠穴36に通じる壁内から引き出され、この段階でケーブル端部に図2で示した光コネクタ38を取り付けてもよい。この場合、ケーブル端部に取り付けた光コネクタ38を光コネクタ接続アダプタ28に装着し、光ファイバケーブル31を側壁32又はガイド壁34に沿わせると共に、ケーブル押え片32a,34aにて飛び出しを押える。次いで、光ファイバケーブル31の余長を切欠穴36から壁内の空間に押し込み、ケーブル引き出し部をケーブル把持片37に締結部材40で把持固定する。なお、光コネクタ38は、ケーブル引き出し部をケーブル把持片37に締結部材40で把持固定した後に、取り付けるようにしてもよい。
【0031】
ケーブル把持片37と締結部材40により、把持固定されたケーブル引き出し部は、底壁33の面に対して傾斜して固定され、光ファイバ収納プレート22には、比較的スムーズにケーブル長辺面31dを、底壁33に対して立てた状態で収納することができる。また、光ファイバケーブル31は、軸方向に直交するように設けられた突条37bにより、締結部材40を強く巻付けなくても軸方向の引き抜けを防止し、把持固定を確実にすることができる。
【0032】
また、光ファイバケーブル31は、真横方向又は真下方向から引き込むには、切欠穴36の真横方向又は真下方向の穴幅を大きくとる必要があり形状が大きくなる。このため、真横方向からでも、真下方向のいずれの方向からでも比較的スムーズに引き込むことが可能な斜め下方向から引き込むように構成するのが好ましい。したがって、ケーブル把持片37は、その方向が、光ファイバ収納プレート22に形成した切欠穴36に斜め下方に延びるように設けることが好ましい。
【0033】
図6は、コンセントプレートの下端側の形状例を示す図である。図6(A)は、光コネクタ接続アダプタ28をコンセントプレート21内に完全に収納し、外部からは見えないようにして見栄えをよくすることができる。図6(B)は、光コネクタ接続アダプタ28をコンセントプレート21から多少露出するように組付け、外部から光接続口の存在が判るように構成することもできる。いずれを使用するかは、部屋との調和、美観により選択的に用いることができる。また、通常、光接続口28aを、コンセントプレート21の下部に下向きに設ける場合、覗き込むことは稀であるが、小さい子供が誤って覗き込んだ場合に、光を直視しないように、光コネクタ接続アダプタ28にはシャッター板28bを有するものを用いることができる。
【0034】
また、光ファイバケーブルによる通信とは別に、光ファイバの断線等を監視するために、通信事業者が特定波長(例えば、1.65μmの波長)の光信号を送信することがある。このため、この監視光を遮断するためのフィルタを別に接続する必要があるが、光コネクタ接続アダプタ28に、この特定波長を遮断するフィルタ機能が内蔵されたものを用いることにより、フィルタの収納スペースも特に必要とせず、フィルタ接続のための手間も省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明によるコンセントプレートの一例を説明する図である。
【図2】本発明による光ファイバ収納プレートの構成例を説明する図である。
【図3】本発明による光ファイバ収納プレートの他の構成例を説明する図である。
【図4】本発明によるケーブル把持片の一例を説明する図である。
【図5】本発明によるケーブル把持の状態を説明する図である。
【図6】本発明で用いる光コネクタ接続アダプタの収納形態の一例を説明する図である。
【図7】従来技術のコンセントプレートの例を説明する図である。
【図8】従来技術の光ファイバ収納プレートの例を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
21…コンセントプレート、22…光ファイバ収納プレート、23…カバープレート、24…電話用ジャック、25…コンセント穴、25a…閉塞板、26…プレート面、27…電話用プラグ、28…光コネクタ接続アダプタ、29…光コネクタプラグ、30…固定用穴、31…光ファイバケーブル、31a…光ファイバ心線、31b…テンションメンバ、31c…ケーブル外被、31d…長辺面、31e…短辺面、32…側壁、32a…ケーブル押え片、33…底壁、33a…逃げ穴、34…ガイド壁、34a…ケーブル押え片、35…コンセント穴、36…切欠穴、37…ケーブル把持片、37a…ケーブル把持面、37b…突条部、37c…張出し部、38…光コネクタ、39…突起、40…締結部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ収納プレートとカバープレートとからなるコンセントプレートを備え、プレート前面側に電気的接続のための接続口が設けられ、プレート下方側にプレート面と平行な下方から光学的接続するための接続口が設けられ、壁面に配設されるアウトレットであって、
前記光ファイバ収納プレートに、壁内から導出される光ファイバケーブルを締結部材で把持するケーブル把持片を備え、該ケーブル把持片のケーブル把持面は前記プレート面に対して傾斜していることを特徴とするアウトレット。
【請求項2】
前記ケーブル把持片のケーブル把持面は、前記プレート面に対して30度から60度の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のアウトレット。
【請求項3】
前記ケーブル把持片のケーブル把持面に、前記光ファイバケーブルの軸方向と直交する方向に突条部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアウトレット。
【請求項4】
前記ケーブル把持片に向き合うように、前記光ファイバケーブルの横方向の移動を防止する突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアウトレット。
【請求項5】
前記ケーブル把持片は、斜め下方に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアウトレット。
【請求項6】
光ファイバ収納プレートとカバープレートとからなるコンセントプレートを備え、プレート前面側に電気的接続のための接続口を設け、プレート下方側にプレート面と平行な下方から光学的接続するための接続口を設け、壁面に配設されるアウトレットに外被断面が矩形状の光ファイバケーブルを前記壁内から導出して配線するアウトレットの光配線方法であって、
前記ファイブプレートに設けたケーブル把持片に、前記光ファイバケーブルの外面が前記プレート面に対して傾斜し、且つ斜め下方から導出させて把持させることを特徴とするアウトレットの光配線方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−170743(P2008−170743A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4030(P2007−4030)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【Fターム(参考)】