説明

アキューム装置

【課題】複数列のアキュームコンベヤにアキュームした後、復帰する際に、上流側の処理装置(ボトル成形機)の運転を早く開始できるようにして効率よい運転を行うことができるようにしたアキューム装置の提供。
【解決手段】搬送コンベヤ10が一列で搬送してきたPETボトルを、払い出し手段45によって所定本数ずつ集合させて払い出し、分岐装置28を介して各アキュームコンベヤ12、14に順次送り込む。各アキュームコンベヤ12、14の下流側に払い出し手段77A、77Bが設けられ、所定本数ずつ集合させた容器群を払い出し、合流装置36で排出コンベヤ16上に合流させる。アキュームした後運転を再開したときに、各アキュームコンベヤ12、14から容器群を順次排出するので、どのアキュームコンベヤ12、14も空になっていないうちにアキュームコンベヤ12、14への供給を開始できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤによって搬送される容器を一時的に貯留するアキューム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、PETボトルの生産ラインとして、ボトル成形機で成形したPETボトルをエアコンベヤで搬送して、リンサー、フィラー、キャッパー等の容器処理装置に順次供給して、洗浄、充填、打栓等の各処理を行うものが従来から知られている。このようなボトル成形機を備えたラインでは、ボトル成形機の運転を開始する際に昇温作業に時間がかかるためなるべく停止させたくないので、ボトル成形機から前記処理装置までの搬送ラインを長くして、下流側の装置が停止した場合でも、ある程度容器を貯留できるような構成にしている。
【0003】
しかしながら、1本のコンベヤを長くして容器をアキュームする構成では、ある程度の数量の容器を貯留することは可能であるが、大量の容器を貯留するためには長大なコンベヤが必要となり現実的ではない。そこで、平行に配置された複数本のコンベヤと、上流側の1本のコンベヤから各平行コンベヤに分岐させる分岐装置と、各平行コンベヤから1本のコンベヤに合流させる合流装置とを備えたアキューム装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
前記特許文献1に記載されたアキューム装置は、並列して設けられた複数の単列コンベヤからなるアキュームコンベヤを備えており、下流側の容器処理装置が停止もしくは減速した場合には、上流側の容器処理装置に接続された第1コンベヤから導入手段を介して、前記アキュームコンベヤの各単列コンベヤに容器が導入され、その後、下流側の容器処理装置が通常運転に復帰して、下流側の容器処理装置に接続された第2コンベヤの滞留状態が解除されると、アキュームコンベヤ上の容器が、排出手段を介して第2コンベヤに排出されるようになっている。
【0005】
また、特許文献2に記載された発明に係る「不定数の物体を貯留する方法および装置」は、物体が一列になって出てくる上流側の処理機械と、物体を一列で入れる下流側の処理機械の間に、複数の各別独立の並列する貯溜列を配設している。この装置では、下流側の機械が停止すると、切換装置によって、上流側の処理機械から送られた上流列の流れを切り換えて、複数の貯溜列に順次移送する。最大の貯溜量としては、複数の貯溜列のすべてに壜が一杯に充填される。そして、下流側の処理機械の運転が再開されると、先ず、いずれかの貯溜列から収集通路へ物体を送り出す。その後、次々に異なった貯溜列を空にしていく。
【特許文献1】特開2000−72235号公報(第2−4頁、図1)
【特許文献2】特開平1−162624号公報(第6−7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記各特許文献に記載された従来のアキューム装置は、アキュームをする際には、1本のコンベヤに順次容器を搬送し、このコンベヤが満杯になると次のコンベヤに容器を搬送してアキュームを行う。そして、払い出し作業においては、先にアキュームされたコンベヤに貯留している容器をすべて払い出してから次のコンベヤに貯留している容器を払い出すようになっている。従来の装置は、アキュームされた順序に払い出しを行うため、コンベヤ1本に貯留されている容器を1単位として扱うので、1本のコンベヤにアキュームされている容器を払い出さないと、上流側の装置の運転を再開して容器の供給を行うことができないため、効率が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器を一列で搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの下流側に平行して配置され、それぞれ1列で容器を搬送する複数のアキュームコンベヤと、前記搬送コンベヤと複数のアキュームコンベヤとの間に配置され、搬送コンベヤといずれかのアキュームコンベヤとを接続する分岐手段と、前記アキュームコンベヤの下流側に配置されて、容器を一列で搬送する排出コンベヤと、前記アキュームコンベヤと排出コンベヤとの間に配置され、いずれかのアキュームコンベヤと排出コンベヤとを接続する合流手段と、前記搬送コンベヤの下流部と各アキュームコンベヤの下流部にそれぞれ配置され、これら各コンベヤを搬送される容器を所定本数の容器群に集合させて払い出す払い出し手段と、前記分岐手段および合流手段を制御する制御手段とを設け、アキュームコンベヤに容器を供給する際には、前記払い出し手段によって集合させた容器群を、前記分岐手段によって各アキュームコンベヤに順次振り分けるとともに、アキュームコンベヤから排出コンベヤに容器を排出する際には、各アキュームコンベヤに貯留されている容器群を、前記分岐手段によって振り分けられた順序で排出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
従来のアキューム装置では、コンベヤ全体を1つの単位として扱うので、アキュームされた順序で払い出す場合には、複数列のコンベヤのうちいずれかの列を完全に払い出した後でなければ運転を再開することができないが、本発明のアキューム装置は、所定本数の容器郡を1つの単位として扱うことにより、アキュームされた順序で払い出す場合でも複数列のコンベヤに貯留されている容器の量がある程度減少すれば運転を再開することができるので、運転を早く再開することができ、従来の装置に比較して効率的な運転を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
搬送コンベヤと、複数の平行なアキュームコンベヤと、排出コンベヤとを備え、搬送コンベヤによって一列で搬送されてきた容器を、払い出し手段によって所定本数の容器群に集合させて、分岐手段により各アキュームコンベヤに順次振り分けて供給し、アキュームコンベヤから排出コンベヤに容器を排出する際には、各アキュームコンベヤに貯留されている容器群を、前記分岐手段によって振り分けられた順序で排出するという構成で、アキューム後の運転再開時に、アキュームコンベヤが空にならないうちに搬送コンベヤからアキュームコンベヤへの容器の供給を可能にして、効率的な運転を行うという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るアキューム装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。この実施例は、ボトル成形機2でPETボトル4(後に説明する図5参照)を成形し、このPETボトル4をエアコンベヤによって搬送して、下流側に設けられた検査機6および図示しないリンサー、フィラー、キャッパー等に順次送り込んで各処理を行う容器処理ラインの、前記ボトル成形機2と検査機6との間に設けられたアキューム装置(全体として符号8で示す)に関するものである。
【0011】
このアキューム装置8は、ボトル成形機2で成形されたPETボトル4を一列で搬送する搬送コンベヤ10と、この搬送コンベヤ10の下流側に配置され、それぞれPETボトル4を一列で搬送する複数本(この実施例では2本)の平行なアキュームコンベヤ12、14と、これらアキュームコンベヤ12、14の下流側に配置され、PETボトル4を一列で搬送して検査機6に送り込む排出コンベヤ16とを備えている。この実施例では、これらのコンベヤ10、12、14、16は、図5に示すように、いずれもPETボトル4の首部4aに形成されたフランジ4bの下面側を支持する2本の平行なレール18、20と、このレール18、20に支持されているPETボトル4の首部4aにエアを吹き付けるエア噴射手段22を備えたエアコンベヤである。なお、この発明は、エアコンベヤに限らず、ボトルの底部を支持して搬送するコンベヤにも適用可能である。
【0012】
前記エアコンベヤの構成について図5により説明する。エアコンベヤ(搬送コンベヤ10、アキュームコンベヤ12、14および排出コンベヤ16)は、容器(この実施例ではPETボトル)4を支持する二本の平行な支持レール18、20を備えている。これらエアコンベヤ10、12、14、16によって搬送されるPETボトル4は、首部4aの外周にフランジ4bが形成されており、前記両支持レール18、20は、このPETボトル4の首部4aの外径よりもやや広く、かつ、フランジ4bの外径よりも狭い間隔で平行に配置されている。従って、各PETボトル4は前記フランジ4bの下面側をこれら二本の支持レール18、20に支持されて、吊り下げられた状態で搬送される。また、前記両支持レール18、20の下方には、これら支持レール18、20に吊り下げられて搬送されるPETボトル4の胴部4cを両側から支持する胴部ガイド23が配置されている。
【0013】
二本の支持レール18、20の上方には、両側の壁面24aおよび天面24bと、両壁面24aの下端部と前記支持レール18、20との間を接続する底面24cとから構成されたエアダクト24が配設されており、図示しないエア供給源からこのエアダクト24内に圧力エアが導入される。
【0014】
また、このエアダクト24の内部の、前記二本の支持レール18、20間に形成される間隙の上方には、前記PETボトル4の首部4aが通過できる大きさのエア通路26が形成されている。この首部4aが通過するエア通路26は、両側板26aと天板26bとから構成されており、これら両側板26aおよび天板26bには、所定の間隔で、進行方向前方側(下流側)を向いて開口する多数のエア吹き出し口26c、26dが設けられている。前記エアダクト24内に導入された圧力エアは、エア通路26に形成されたこれら吹き出し口26c、26dからPETボトル4の首部4aに向けて吹き付けられ、PETボトル4はこのエアの推進力によって、前記支持レール18、20上を滑りながら前方へ送られる。この実施例では、両側板26aおよび天板26bに形成されたエア吹き出し口26c、26dがエア噴射手段22を構成している。
【0015】
搬送コンベヤ10と2列の平行したアキュームコンベヤ12、14との接続部には、搬送コンベヤ10によって一列で搬送されてきたPETボトル4を、2列のアキュームコンベヤ12、14に振り分けて送り込むための分岐装置(分岐手段)28が設けられている(図2参照)。この分岐装置28は、各アキュームコンベヤ12、14の入口部12a、14aの方向とほぼ一致する方向を向いた2列の通路30、32を有するスライドベース34と、このスライドベース34を搬送コンベヤ10とアキュームコンベヤ12、14との接続部に対して直交する方向(図2の上下方向)に進退動させるエアシリンダ(図示せず)とを備えている。エアシリンダによってこのスライドベース34を進退動させることにより、いずれか一方の通路30または32が、搬送コンベヤ10と一方のアキュームコンベヤ12または14とを接続する。例えば、図2に示す状態では、図の下方の通路32が搬送コンベヤ10と図2の下方のアキュームコンベヤ14(以下、第2アキュームコンベヤと呼ぶ)とを接続する。また、スライドベース34をエアシリンダによって図2の下方へ移動させると、図2の上方の通路30が搬送コンベヤ10と図2の上方のアキュームコンベヤ12(以下、第1アキュームコンベヤと呼ぶ)とを接続する。
【0016】
アキュームコンベヤ12、14と排出コンベヤ16との接続部には、2列のアキュームコンベヤ12、14によって搬送されてきたPETボトル4を排出コンベヤ16上に合流させて1列で搬送するための合流装置(合流手段)36が設けられている(図3参照)。この合流装置36は、各アキュームコンベヤ12、14の出口部12b、14bの方向とほぼ一致する方向を向いた2列の通路38、40を有するスライドベース42と、このスライドベース42をアキュームコンベヤ12、14と排出コンベヤ16との接続部に対して直交する方向に進退動させるエアシリンダ(図示せず)とを備えている。エアシリンダによってこのスライドベース42を進退動させることにより、いずれか一方の通路38または40が、一方のアキュームコンベヤ12または14と排出コンベヤ16とを接続する。例えば、図3に示す状態では、図の下方の通路40が図3の下方の第2アキュームコンベヤ14と排出コンベヤ16とを接続する。また、スライドベース42をエアシリンダによって図3の下方へ移動させると、図3の上方の通路38が図3の上方の第1アキュームコンベヤ12と排出コンベヤ16とを接続する。
【0017】
前記分岐装置28および合流装置36は、後に説明するセンサーからの信号が入力される制御装置(図示せず)によってその作動が制御される。
【0018】
搬送コンベヤ10の下流部、つまり第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14へ分岐する分岐装置28の上流側に、所定の間隔をあけて配置された上流側ストッパー44および下流側ストッパー46の2つのストッパーを有する払い出し装置(払い出し手段)45が設けられている。これら2個所のストッパー44、46は、いずれも搬送コンベヤ10上を搬送されるPETボトル4を停止させるもので、これら上流側ストッパー44と下流側ストッパー46の開閉を制御することにより、搬送コンベヤ10上のPETボトル4を所定本数ずつ集合させた容器群として分岐装置28に払い出すことができる。これら両ストッパー44、46は、後に説明するセンサーからの信号により、図示しない制御装置が開閉を制御する。
【0019】
下流側のストッパ44は、図4に示すように、PETボトル4の搬送経路の両側に配置されて回動可能な一対の係合部材48、48を備えている。両側の係合部材48、48が、PETボトル4の搬送経路内に回動したときには(図4に実線で示す係合部材参照)、搬送コンベヤ10によって搬送されているPETボトル4の前面側に係合して停止させ、搬送経路の外側に回動したときには(図4に想像線で示す係合部材参照)、PETボトル4の通過を許容するようになっている。
【0020】
下流側ストッパー44の係合部材48、48は、図5に示すように、エアコンベヤである搬送コンベヤ10の両側に直立して配置された支持ロッド50、50の下部に固定されており、これら両支持ロッド50、50の回転によって所定角度回転し、搬送経路上のPETボトル4に係合する位置と、係合しない位置とに移動するようになっている。両側の係合部材48、48は、それぞれ上下一対の部材からなっており、これら両部材が一体として前述のように回動する。
【0021】
前記エアダクト24の天面24b上にロータリアクチュエータ52が取り付けられている。このロータリアクチュエータ52の回転軸52aに水平な回転プレート54の中心部が固定されており、この回転プレート54の両端に、それぞれ連結ロッド56、56を介してレバー58、58の一端が連結され(図6参照)、さらに、このレバー58、58の他端に前記二本の支持ロッド50、50がそれぞれ固定されている。ロータリアクチュエータ52が作動すると、連結ロッド56、56およびレバー58、58を介して前記支持ロッド50、50が逆方向に回転し、両係合部材48、48をPETボトル4に係合する位置と係合しない位置とに移動させる。
【0022】
搬送コンベヤ10に設けられた払い出し装置45の上流側ストッパー46は、図7および図8に示すように、PETボトル4の搬送経路の両側に配置された一対のグリップ部材60、60を有している。これらグリップ部材60、60は、進退動用エアシリンダー62、62のピストンロッド62a、62aに取り付けられ、これらエアシリンダー62、62の作動により搬送コンベヤ10方向に向けて進退動するようになっている。これら進退動用エアシリンダ62、62は、固定ブラケット61、61上に進退動可能に支持された型替え用エアシリンダ63、63に取り付けられており、処理する容器のサイズが変更になったときには、これら型替え用エアシリンダ63、63を作動させて進退動用エアシリンダ62を移動させることにより、前記グリップ部材60、60の位置を調整できるようになっている。
【0023】
前記グリップ部材60、60は、進退動用エアシリンダ62、62のピストンロッド62a、62aに連結された垂直なプレート64、64と、これら垂直プレート64、64の前面に取り付けられた、ゴム等の弾性体からなる複数(この実施例では5個)のパッド66、66を備えている。これら弾性体のパッド66、66は、内部が空洞の筒状をしており、前記PETボトル4等の容器を保持する際に、大きく変形することができるので、搬送されるPETボトル4の方向が不揃いな場合でも複数のPETボトル4を同時に把持することができる。
【0024】
また、各弾性体パッド66は、上下二つの部分に分かれており、これら二つの部分の中間に前記胴部ガイド23が配置されている。これら両側のグリップ部材60、60は、進退動用エアシリンダー62、62の作動により後退されたときには、前記搬送コンベヤ10によって搬送されているPETボトル4に接触しない位置に退避し、エアシリンダー62、62によって前進されたときには、搬送コンベヤ10によって搬送されてきたPETボトル4の両側に圧接されてこれらPETボトル4を停止させる。
【0025】
前記搬送コンベヤ10の下流部に設けられている払い出し手段45の上流側ストッパー46よりもやや上流寄りに、上流側ストッパー46の位置までPETボトル4が滞留していることを検出する第1センサー68が設けられている。また、分岐装置28には、この分岐装置28を通過するPETボトル4を検出する第2センサー70が設けられている。さらに、2本のアキュームコンベヤ12、14の上流端(分岐装置28の直後)にそれぞれ第3センサー72A、72Bが、そして、その下流側にそれぞれ第4センサー74A、74Bが設けられている。
【0026】
両アキュームコンベヤ12、14の下流部にそれぞれ払い出し手段77A、77Bが設けられている。これら両払い出し手段77A、77Bは、所定の間隔をあけて配置された一対のストッパー(下流側ストッパー76A、76Bおよび上流側ストッパー78A、78B)を備えている。これら各ストッパー76A、76B、78A、78Bは、いずれもアキュームコンベヤ12、14上を搬送されてきたPETボトル4に係合して停止させるもので、下流側のストッパー76A、76Bは、前記搬送コンベヤ10に設けられている払い出し手段45の下流側ストッパー44と、また、上流側のストッパー78A、78Bは、前記払い出し手段45の上流側ストッパー46と同一の構成を有している。なお、これら各ストッパー44、46、76A、76B、78A、78Bは、図4ないし図6に示す下流側ストッパー44および図7、図8に示す上流側ストッパー46と同一の構成に限定されるものではなく、エアコンベヤ(搬送コンベヤ10、アキュームコンベヤ12、14)上でPETボトル4を確実に停止させ、その後、集合したPETボトル4を解放できるものであればよい。
【0027】
前記両アキュームコンベヤ12、14の下流部に設けられている払い出し手段77A、77Bの上流側ストッパー78A、78Bよりも僅かに上流寄りに、第5センサー80A、80Bが設けられており、前記下流側ストッパー76A、76B、上流側ストッパー78A、78Bおよびこの第5センサー80A、80Bによって払い出し手段77A、77Bが構成されている。また、両アキュームコンベヤ12、14の下流側には、これら第1および第2のアキュームコンベヤ12、14によってそれぞれ搬送されてきたPETボトル4を、排出コンベヤ16上に合流させる合流装置36が配置されており、この合流装置36に第6センサー82が設けられている。
【0028】
さらに、排出コンベヤ16の上流端に第7センサー84が設けられ、その下流側の、検査機6よりもやや上流側に給びん不足センサー86が設けられている。この給びん不足センサー86は、この位置までPETボトル4が貯留されているときだけ検査機6を運転するように、検査機6の運転を制御する目的で設けられている。また、検査機6の下流側に満杯センサー88が設けられている。下流側の処理装置の停止等により、この満杯センサー88の位置までPETボトル4が滞留したときには、検査機6の運転を停止するようになっている。
【0029】
以上の構成に係るアキューム装置8の作動について、前記各図および図9ないし図15により説明する。なお、図9ないし図15中の太線は容器(PETボトル)4を示す。ボトル成形機2で成形されたPETボトル4は、搬送コンベヤ(エアコンベヤ)10によって搬送されて下流側の検査機6に向かう。このボトル成形機2と検査機6との間には、平行に配置した2列のアキュームコンベヤ(エアコンベヤ)12、14を有するアキューム装置8が設けられている。運転の開始時には、搬送コンベヤ10の下流側に設けられている払い出し手段45の下流側ストッパ44を閉じるとともに、上流側ストッパ46を開放しておく。下流側のストッパ44は、ロータリアクチュエータ52の作動により、連結ロッド56およびレバー58を介して支持ロッド50を回転させて、両係合部材48をPETボトル4の搬送経路内に移動させる(図4中に実線で示す係合部材48参照)。また、上流側ストッパ46は、両側の進退動用エアシリンダ62の作動により、両グリップ部材60、60を互いに離隔する方向に後退させておく。さらに、前記分岐装置28は、図示しないシリンダによりスライドベース34を図2の下方に移動させた状態にして、搬送コンベヤ10と第1アキュームコンベヤ12とを接続しておく。
【0030】
ボトル成形機2で成形されて搬送コンベヤ10によって間隔があけられて搬送されてきたPETボトル4は、前記下流側ストッパー44によって停止される。後続のPETボトル4もその後方に順次停止し、搬送コンベヤ10の下流部に滞留していく。下流側ストッパー44によって停止したPETボトル4が第1センサー68の位置まで滞留すると、これを検出した第1センサー68からの信号が図示しない制御装置に入力され、この制御装置からの指令により、上流側ストッパ46のグリップ部材60を閉じて搬送コンベヤ10によって搬送されてきたPETボトル4を停止させる。その後、下流側ストッパー44を開放して、この下流側ストッパ44と前記上流側ストッパー46との間に滞留していた一群のPETボトル4、つまり、払い出し装置45によって集合された容器群を、分岐装置28の第1通路30(図2の上方の通路)を介して第1アキュームコンベヤ12上に払い出す。
【0031】
分岐通路28には第2センサー70が設けられており、この第2センサー70が前記一群のPETボトル4の通過を検出すると(第2センサー70がオン状態からオフ状態になると)、払い出し装置45の下流側ストッパー44を閉じて上流側ストッパー46を開放し、これらストッパー44、46間に再びPETボトル4を貯留する。
【0032】
前記分岐通路28から第1アキュームコンベヤ12上に送り込まれた一群のPETボトル4が、第3センサー72Aを通過すると、この第3センサー72Aからの検出信号により、図示しない制御装置が分岐装置28のシリンダ(図示せず)を作動させて、スライドベース34を図2に示す位置に移動させて、第2通路32(図2の下方の通路)により搬送コンベヤ10を第2アキュームコンベヤ14に接続する。
【0033】
搬送コンベヤ10の下流部では、払い出し装置45の下流側ストッパー44に再びPETボトル4が貯留されており、そのPETボトル4が第1センサー68の位置まで達すると、上流側ストッパー46を閉じて後続のPETボトル4を停止させる。続いて下流側ストッパー44を開放して一群のPETボトル4を分岐装置28に送り込む。分岐装置28は、第2アキュームコンベヤ14側に切り換えられており、一群のPETボトル4は第2アキュームコンベヤ14に送り込まれる。分岐装置28に配置された第2センサー70がPETボトル4の通過を検出すると、前記払い出し装置45の下流側ストッパー44を閉じて上流側ストッパー46を開放する。そして、第2アキュームコンベヤ14の上流端に配置された第3センサー72Bが前記一群のPETボトル4の通過を検出すると、分岐装置28を再度第1アキュームコンベヤ12側に切り換える。この容器処理ラインが正常に運転されているときには、以上の動作を繰り返して、第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14に交互に、一群のPETボトル4を送り込んで搬送する。
【0034】
両アキュームコンベヤ12、14の下流側に設けられた合流装置36では、アキュームコンベヤ12、14からの払い出しを開始する時点では、両アキュームコンベヤ12、14の払い出し装置77A、77Bの下流側ストッパー76A、76Bを閉じて、上流側ストッパ78A、78Bを開放した状態になっている。また、合流装置36は、図示しないシリンダによりスライドベース42を図3の下方側に移動させて、上方の通路38により第1アキュームコンベヤ12を排出コンベヤ16に接続しておく。
【0035】
前述のように分岐装置36によって最初の一群のPETボトルは、第1アキュームコンベヤ12に送り込まれて搬送されており、その先頭のPETボトル4が払い出し装置77Aの下流側ストッパー76Aによって停止される。下流側ストッパー76Aで停止した一群のPETボトル4の後端が第5センサー80Aの位置まで達すると、上流側ストッパー78Aを閉じて後続のPETボトル4を停止させる。続いて、下流側ストッパー76Aを開放して、このストッパー76Aと上流側ストッパー78Aとの間に停止しているPETボトル4を、合流装置36の上方の通路38を介して排出コンベヤ16に払い出す。第1アキュームコンベヤ12から合流装置36を介して排出コンベヤ16に一群のPETボトル4が払い出される際に、合流装置36に設けられている第6センサー82が一群のPETボトル4の通過を検出すると(第6センサー82がオン状態からオフ状態になると)、前記第1アキュームコンベヤ12に設けられている払い出し装置77Aの下流側ストッパー76Aを閉じて上流側ストッパー78Aを開放する。
【0036】
排出コンベヤ16の上流端に設けられている第7センサー84が一群のPETボトル4の通過を検出すると、合流装置36が切り換えられて、図3の下方の通路40が第2アキュームコンベヤ14と排出コンベヤ16とを接続する。一方、第2アキュームコンベヤ14では、前記第1アキュームコンベヤ12から払い出された一群のPETボトル4の次に、前記搬送コンベヤ10から第2アキュームコンベヤ14に送り込まれた一群のPETボトル4が、払い出し装置77Bの下流側ストッパー76Bによって停止される。下流側ストッパー76Bによって停止されたPETボトル4が上流側ストッパー78Bの位置まで達したことを第5センサー80Bが検出すると、この上流側ストッパー78Bを閉じてPETボトル4を停止させる。
【0037】
次に、下流側ストッパー76Bを開放して、この下流側ストッパー76Bと上流側ストッパー78Bとの間に停止している一群のPETボトル4を、合流装置36の下方の通路40を介して排出コンベヤ16へ払い出す。合流装置36に設けられている第6センサー82が、一群のPETボトル4の通過を検出すると、第2アキュームコンベヤ14の払い出し装置77Bの下流側ストッパー76Bを閉じて上流側ストッパー78Bを開放する。合流装置36を介して排出コンベヤ16に払い出されたPETボトル4の通過を、第7センサー84が検出すると、合流装置36が切り換えられて、上方の通路38により第1アキュームコンベヤ12と排出コンベヤ16とが接続される。以上の動作を繰り返して、第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14に交互に送り込まれたPETボトル4を、これら両アキュームコンベヤ12、14から合流装置36を介して交互に排出コンベヤ16に払い出す(図9参照)。
【0038】
リンサー、フィラー、キャッパー等の下流側の処理装置が停止する等によりPETボトル4が滞留し、検査機6の下流側に設けられている満杯センサー88の位置まで到達したときには、検査機6内のPETボトル4を払い出した後、検査機6を停止させる。第1アキュームコンベヤ12および第2アキュームコンベヤ14から排出コンベヤ16への払い出しは、停止している前記検査機6から排出コンベヤ16の上流端に設けられている第7センサー84の位置までPETボトル4が滞留するまで行われる(図10参照)。なお、検査機6を停止させる場合に、必ずしも検査機6内のPETボトル4を払い出す必要はなく、検査機6内にPETボトル4がある状態で停止させても良い。
【0039】
ボトル成形機2は運転を継続し、搬送コンベヤ10の払い出し装置45と分岐装置28を介して第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14に交互にPETボトル4を払い出す。両アキュームコンベヤ12、14の払い出し装置77A、77Bの下流側ストッパー76A、76Bと上流側ストッパー78A、78Bはともに閉じており、これら両下流側ストッパー76A、76Bを先頭にして、2本のアキュームコンベヤ12、14にPETボトル4が貯留される。第1アキュームコンベヤ12上の第4センサー74Aまたは第2アキュームコンベヤ14上の第4センサー74Bの位置までPETボトル4が貯留されると(図11参照)、ボトル成形機2の払い出しを行った後、ボトル成形機2の運転を停止する。ボトル成形機2から払い出されたPETボトル4は、前記払い出し装置45および分岐装置28によって両アキュームコンベヤ12、14に交互に供給されてアキュームされ、第1アキュームコンベヤ12の第3センサー72Aまたは第2アキュームコンベヤ14の第3センサー74BまでPETボトル4が滞留すると、搬送コンベヤ10からのPETボトル4の供給を停止する(図12参照)。
【0040】
検査機6の下流側に滞留していたPETボトル4が流れ出して満杯センサ88がオフに切り替わると、検査機6の運転を開始する。両アキュームコンベヤ12、14から排出コンベヤ16への排出作業は、排出コンベヤ16の上流端に設けられている第7センサー84がオフに切り替わった後に再開する(図13参照)。なお、前記制御装置は、合流装置36の切り換え信号を記憶しており、前回排出したアキュームコンベヤ12または14と逆のアキュームコンベヤ14または12側を、合流装置36によって排出コンベヤ16に接続する。その後、合流装置36を切り換えつつ、第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14から交互に一群のPETボトル4を排出する。
【0041】
アキュームコンベヤ12、14へのPETボトル4の供給は、両アキュームコンベヤ12、14の上流端に設けられている第3センサー72A、72Bがともにオフに切り替わった後に開始される。アキューム時に図12に示すように搬送コンベヤ10上に滞留していたPETボトル4を、払い出し装置45によって払い出し、分岐装置28によって両アキュームコンベヤ12、14に交互に送り出す。制御装置は、PETボトル4が最後に振り分けられたアキュームコンベヤ12または14を記憶しており、そのアキュームコンベヤ12または14と逆のアキュームコンベヤ14または12に、分岐装置28を介して搬送コンベヤ10を接続する。
【0042】
第1アキュームコンベヤ12および第2アキュームコンベヤ14から、一群のPETボトル4が交互に排出コンベヤ16に払い出されて、両アキュームコンベヤ12、14の第4センサー74A、74Bがともにオフに切り替わると、ボトル成形機2に運転開始信号が入力され、運転準備が整った時点で運転を再開する(図14参照)。運転を再開した後は、前述のように搬送コンベヤ10の払い出し装置45および分岐装置28を介して、一群のPETボトル4を第1アキュームコンベヤ12と第2アキュームコンベヤ14に交互に送り込む(図15参照)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】アキューム装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】前記アキューム装置に設けられた分岐装置の平面図である。
【図3】前記アキューム装置に設けられた合流装置の平面図である。
【図4】搬送コンベヤに設けられた払い出し装置の下流側ストッパーの平面図である。
【図5】前記下流側ストッパの駆動およびエアコンベヤの構成を示す縦断面図である。
【図6】前記下流側ストッパの駆動部の平面図である。
【図7】前記搬送コンベヤに設けられた払い出し装置の下流側ストッパーの平面図である。
【図8】前記下流側ストッパの縦断面図である。
【図9】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、通常運転時を示す。
【図10】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、下流側が満杯になり検査機を停止した状態を示す。
【図11】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、アキューム時を示す。
【図12】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、ボトル成形機から容器を払い出した状態を示す。
【図13】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、アキューム時から復帰する状態を示す。
【図14】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、アキューム状態から復帰した後、ボトル成形機の運転準備を開始した状態を示す。
【図15】前記アキューム装置の作動を説明する図であり、ボトル成形機の運転を再開した状態を示す。
【符号の説明】
【0044】
4 物品(PETボトル)
10 搬送コンベヤ
12 アキュームコンベヤ(第1アキュームコンベヤ)
14 アキュームコンベヤ(第2アキュームコンベヤ)
16 排出コンベヤ
28 分岐手段(分岐装置)
36 合流手段(合流装置)
45 払い出し手段
77A 払い出し手段
77B 払い出し手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を一列で搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの下流側に平行して配置され、それぞれ1列で容器を搬送する複数のアキュームコンベヤと、前記搬送コンベヤと複数のアキュームコンベヤとの間に配置され、搬送コンベヤといずれかのアキュームコンベヤとを接続する分岐手段と、前記アキュームコンベヤの下流側に配置されて、容器を一列で搬送する排出コンベヤと、前記アキュームコンベヤと排出コンベヤとの間に配置され、いずれかのアキュームコンベヤと排出コンベヤとを接続する合流手段と、前記搬送コンベヤの下流部と各アキュームコンベヤの下流部にそれぞれ配置され、これら各コンベヤによって搬送される容器を所定本数の容器群に集合させて払い出す払い出し手段と、前記分岐手段および合流手段を制御する制御手段とを設け、アキュームコンベヤに容器を供給する際には、前記払い出し手段によって集合させた容器群を、前記分岐手段によって各アキュームコンベヤに順次振り分けるとともに、アキュームコンベヤから排出コンベヤに容器を排出する際には、各アキュームコンベヤに貯留されている容器群を、前記分岐手段によって振り分けられた順序で排出することを特徴とするアキューム装置。
【請求項2】
前記搬送コンベヤ、アキュームコンベヤおよび排出コンベヤは、容器に形成されたフランジの下面を支持するレールと、このレールに支持されている容器にエアを吹き付けるエア噴射手段とを備えたエアコンベヤであることを特徴とする請求項1に記載のアキューム装置。
【請求項3】
前記払い出し手段は、搬送される容器に係合して停止させる上流側ストッパーおよび下流側ストッパーと、上流側ストッパーの位置付近に容器が滞留したことを検出するセンサーとを備え、下流側ストッパーで容器を停止させた後、前記センサーが容器の滞留を検出したときに、上流側ストッパーを容器に係合させるとともに、下流側ストッパーを解除することにより、下流側ストッパーと上流側ストッパーとの間に貯留された容器を下流へ払い出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアキューム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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