アクセサリーの着脱自在な被服
【課題】アクセサリーを取り付けない場合には元々の被服の意匠性を維持し、アクセサリーを取り付ける場合にはアクセサリーを紛失する心配のない被服を提供する。
【解決手段】着用状態で裾部等の鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体2と、上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされたあて布3と、前記開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が前記フックがあて布と被服本体との間に固着されて下端が自由にされたフック14とを備え、前記フックが、布製のリボンに金属製のリングを通して当該リボンを二つ折りにした後、合わせられた両端を上端としていることを特徴とする。
【解決手段】着用状態で裾部等の鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体2と、上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされたあて布3と、前記開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が前記フックがあて布と被服本体との間に固着されて下端が自由にされたフック14とを備え、前記フックが、布製のリボンに金属製のリングを通して当該リボンを二つ折りにした後、合わせられた両端を上端としていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセサリーの着脱自在な被服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクセサリーを被服に着脱自在にする手段として、被服に直接孔を設ける、もしくは孔を有する布片を被服の表面に縫い付けるなどしておき、その孔にアクセサリーの留め具を引っかける方法(特許文献1)、又はアクセサリーの留め具に粘着剤を塗布しておき、粘着剤を介して被服に付着させる方法(特許文献2)が知られている。
【特許文献1】実用新案登録第3032253号公報
【特許文献2】特開2006-295859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の技術では、アクセサリーを取り付けない場合にも孔が露出してしまって被服の意匠性を損なう。また、特許文献2に記載の技術では、着脱を繰り返す間に粘着力が低下してしまい、アクセサリーを紛失するおそれがある。
それ故、この発明の課題は、アクセサリーを取り付けない場合には元々の被服の意匠性を維持し、アクセサリーを取り付ける場合にはアクセサリーを紛失する心配のない被服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その課題を解決するために、この発明の被服は、着用状態で鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体と、フックとを備えることを特徴とする。
被服本体とは、洋服の上着、ズボン、コート、セーター類、シャツ類、羽織、はかま、帽子などを含む概念である。鉛直方向下向きの開口部とは通常、裾部であって、上着であれば胴部の裾、袖の裾であってよい。また、被服本体がポケットを有する場合は裾部に限らず、ポケットの下端に開口部が形成されていても良い。この発明の被服は、更にあて布を備え、あて布の上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、フックが被服本体とあて布との間に固着されていても良い。フックは、開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が固着されて下端が自由にされている。フックは、被服本体の裏面に上端が縫い付けられることにより固着されていても良いし、あて布やポケットを有する場合は、あて布やポケット布における被服本体側の面、又はあて布やポケット布と被服本体との縫合部に縫い付けられることにより固着されていても良い。
【0005】
この被服によれば、アクセサリーのストラップ、アジャスターなどの留め具をフックに引っかけるか結びつけることにより、アクセサリーをしっかり取り付けることができる。アクセサリーは、裾部などの開口部より下にはみ出して外観に現れ、取り付けていないときとは異なった意匠を実現し、享受することができる。あて布が備えられているときはフックや留め具と人の皮膚との間にはあて布が存在するので、皮膚が傷つくことはない。
一方、フックが開口部よりはみ出ていないので、アクセサリーを取り付けていない状態の被服の外観は、アクセサリー取り付けのための加工を施していない被服単体のそれと同じである。従って元々の被服の意匠性が維持される。
前記フックは組紐やリボンのように丈夫な繊維、合皮からなっていてもよいし金属製であってもよく、またこれらの組み合わせでもよい。形状は円形、馬蹄形などのように環状をなしているのが、アクセサリーを確実に取り付けることができるので好ましい。
【発明の効果】
【0006】
アクセサリーを取り付けない場合は取り付け用の孔が外観に現れないので、取り付け時に意外性のある意匠を実現することができる。留め具をフックに固定して取り付けるので、アクセサリーを紛失する心配がない。従って、一つの被服で異なる意匠を長く享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−実施形態1−
この発明の被服の実施形態を図1〜図5とともに説明する。図1は第一の実施形態の被服であるTシャツを示す正面図、図2は図1のA部拡大図、図3は被服の一部を下方から眺めた斜視図、図4は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図5は被服の要部断面図である。
被服1は、ほぼ円筒状の胴部、胴部の上端に首孔及び上端付近両側に袖を有する正面視T字状の布製被服本体2と、あて布3と、フック4とを備え、図1及び図2ではアクセサリーPも示されている。
【0008】
あて布3は、被服本体2と同じ生地からなり、胴部の内径とほぼ同じ外径を有する平面視円形をなし、上端が全周に亘って被服本体2の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、裾部よりはみ出ることのない程度の長さを有する。フック4は、堅い金属製で馬蹄形をなし、湾曲部を下にしたとき両端があて布3における被服本体2側の面に図略の糸で縫い付けられて下端が自由にされている。フック4の馬蹄形は、あて布3よりもはるかに小さい面積を有し、被服1を正面から眺めたときは被服本体2に覆われ、裏返して眺めたときはあて布3に覆われていて、あて布3を捲らない限りいずれからも見えない。
【0009】
この実施形態の被服によれば、アクセサリーPを取り付けていない状態では、あて布3もフック4も外観に現れないので、通常のTシャツと同じ意匠性を有する。そして、アクセサリーPを取り付けるときは、アクセサリーPのストラップの端をフック4に係らせてぶら下げる。これにより、異なった意匠を実現できるうえ、取り付け部が見えないので、周囲の他人に意外感を覚えさせて楽しむことができる。また、フック4及びアクセサリーPのストラップと人体との間にはあて布が存在するので、着心地は通常のTシャツと変わらないし、皮膚が傷つくこともない。
【0010】
−実施形態2−
この発明の被服のもう一つの実施形態を図6〜図8とともに説明する。図6は第二の実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図7は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図8は被服の要部断面図である。
この実施形態の被服11では、フック4があて布3の被服本体2との縫合部分に縫い付けられている。従って、フック4をあて布3と同時に被服本体2に固定することができる。
尚、あて布3に代えて図9に示すように裾部よりはみ出る長いあて布13を用い、あて布の表面にも模様や柄を施しても良い。また、図10に示すようにフック4を縫い付ける部分だけに当てる程度の著しく短いあて布33であってもよい。実施形態1においても同様である。
【0011】
−実施形態3−
この発明の被服の更にもう一つの実施形態を図11〜図13とともに説明する。図11は第三の実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図12は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図13は被服の要部断面図である。
この実施形態の被服31では、あて布23が合皮製であって、被服本体2の胴部内径よりもはるかに小さい幅の長方形を二つ折りにして被服本体2の裾部に近い裏面に縫い付けられている。従って、あて布23のコストを節約することができる。
【0012】
−実施形態4−
図14は、この発明の第四の実施形態の被服であるTシャツの要部断面図である。この実施形態では、あて布に代えて被服本体2の裾部の折り返しを往復させ、上端の折り返し点の内側にフック4を固着させている。あて布を別体で用意する必要がないので、量産性に優れている。
【0013】
−実施形態5−
図15は、この発明の第五の実施形態の被服であるTシャツの要部断面図である。この実施形態ではあて布を用いることなく、被服本体2の裾部裏面にフック4が縫い付けられている。最も低コストで生産可能である。
【0014】
−実施形態6−
第六の実施形態は、これまでの実施形態と異なり、被服本体2の裾部ではなくポケットの下端に開口部が形成されて、その内側にフック4が固着されている。図16は第六の実施形態に係る被服であるTシャツを示す正面図、図17は図16のB部拡大斜視図、図18は同じくB部の別の状態を示す斜視図、図19は要部断面図である。
被服71は、被服本体2の左胸相当部分の表面に形成されたポケット5を有する。ポケット5は、ポケット布の左右端及び下端が被服本体2に縫合されることにより、上向きに開口した通常の収納空間を形成している他、下端の縫合部を下端縁よりも1〜2cm程度上に位置させることにより、下向きに開口した浅い空間をも形成している。フック4は、上端がポケット布5と被服本体2との間に挟まれて、両者の縫合時に一緒に縫い付けられ、下端が前記浅い空間内で自由にされている。アクセサリーを胸の位置に取り付けることができるので、アクセサリーの存在が強調される。
【0015】
−実施形態7−
第七の実施形態は、これまでの実施形態と異なり、フックが金属製ではなく組紐で作られている。図20はこの発明の第七実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図21は要部断面図である。
被服81は、被服本体2とフック43とを備える。フック43は、多数のループ状に編まれた組紐からなり、被服本体2の裾部に近い裏面に全周に亘って縫い付けられている。ループが多数形成されているので、アクセサリーを好みの箇所に取り付けることができる。
【0016】
−実施形態8−
第八の実施形態は、フックが布製のリボンと金属製のリングとの組み合わせからなる。図22はこの発明の第八実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図23は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図24は要部断面図である。
被服91は、被服本体2とあて布3とフック14とを備える。フック14は、肉厚0.5mm程度の金属製のリング14aを幅4〜5mm程度の布製のリボン14bに通してリボン14bを二つ折りにした後、合わせられた両端があて布3と一緒に被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられることにより、固定されている。ミシン針がリング14aに触れないので、折れる心配がなく、量産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1の被服であるTシャツを示す正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】上記被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図4】図3と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図5】実施形態1の被服の要部断面図である。
【図6】実施形態2の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図7】図6と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図8】実施形態2の被服の要部断面図である。
【図9】実施形態2の被服の変形例の要部断面図である。
【図10】実施形態2の被服のもう一つの変形例の要部断面図である。
【図11】実施形態3の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図12】図11と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図13】実施形態3の被服の要部断面図である。
【図14】実施形態4の被服の要部断面図である。
【図15】実施形態5の被服の要部断面図である。
【図16】実施形態6の被服であるTシャツを示す正面図である。
【図17】図16のB部拡大斜視図である。
【図18】同じく別の状態を示す斜視図である。
【図19】実施形態6の被服の要部断面図である。
【図20】実施形態7の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図21】実施形態7の被服の要部断面図である。
【図22】実施形態8の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図23】図22と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図24】実施形態8の被服の要部断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1、11、31、71、81、91 被服
2 被服本体
3、23、33 あて布
4、43、14 フック
5 ポケット布
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセサリーの着脱自在な被服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクセサリーを被服に着脱自在にする手段として、被服に直接孔を設ける、もしくは孔を有する布片を被服の表面に縫い付けるなどしておき、その孔にアクセサリーの留め具を引っかける方法(特許文献1)、又はアクセサリーの留め具に粘着剤を塗布しておき、粘着剤を介して被服に付着させる方法(特許文献2)が知られている。
【特許文献1】実用新案登録第3032253号公報
【特許文献2】特開2006-295859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の技術では、アクセサリーを取り付けない場合にも孔が露出してしまって被服の意匠性を損なう。また、特許文献2に記載の技術では、着脱を繰り返す間に粘着力が低下してしまい、アクセサリーを紛失するおそれがある。
それ故、この発明の課題は、アクセサリーを取り付けない場合には元々の被服の意匠性を維持し、アクセサリーを取り付ける場合にはアクセサリーを紛失する心配のない被服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その課題を解決するために、この発明の被服は、着用状態で鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体と、フックとを備えることを特徴とする。
被服本体とは、洋服の上着、ズボン、コート、セーター類、シャツ類、羽織、はかま、帽子などを含む概念である。鉛直方向下向きの開口部とは通常、裾部であって、上着であれば胴部の裾、袖の裾であってよい。また、被服本体がポケットを有する場合は裾部に限らず、ポケットの下端に開口部が形成されていても良い。この発明の被服は、更にあて布を備え、あて布の上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、フックが被服本体とあて布との間に固着されていても良い。フックは、開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が固着されて下端が自由にされている。フックは、被服本体の裏面に上端が縫い付けられることにより固着されていても良いし、あて布やポケットを有する場合は、あて布やポケット布における被服本体側の面、又はあて布やポケット布と被服本体との縫合部に縫い付けられることにより固着されていても良い。
【0005】
この被服によれば、アクセサリーのストラップ、アジャスターなどの留め具をフックに引っかけるか結びつけることにより、アクセサリーをしっかり取り付けることができる。アクセサリーは、裾部などの開口部より下にはみ出して外観に現れ、取り付けていないときとは異なった意匠を実現し、享受することができる。あて布が備えられているときはフックや留め具と人の皮膚との間にはあて布が存在するので、皮膚が傷つくことはない。
一方、フックが開口部よりはみ出ていないので、アクセサリーを取り付けていない状態の被服の外観は、アクセサリー取り付けのための加工を施していない被服単体のそれと同じである。従って元々の被服の意匠性が維持される。
前記フックは組紐やリボンのように丈夫な繊維、合皮からなっていてもよいし金属製であってもよく、またこれらの組み合わせでもよい。形状は円形、馬蹄形などのように環状をなしているのが、アクセサリーを確実に取り付けることができるので好ましい。
【発明の効果】
【0006】
アクセサリーを取り付けない場合は取り付け用の孔が外観に現れないので、取り付け時に意外性のある意匠を実現することができる。留め具をフックに固定して取り付けるので、アクセサリーを紛失する心配がない。従って、一つの被服で異なる意匠を長く享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−実施形態1−
この発明の被服の実施形態を図1〜図5とともに説明する。図1は第一の実施形態の被服であるTシャツを示す正面図、図2は図1のA部拡大図、図3は被服の一部を下方から眺めた斜視図、図4は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図5は被服の要部断面図である。
被服1は、ほぼ円筒状の胴部、胴部の上端に首孔及び上端付近両側に袖を有する正面視T字状の布製被服本体2と、あて布3と、フック4とを備え、図1及び図2ではアクセサリーPも示されている。
【0008】
あて布3は、被服本体2と同じ生地からなり、胴部の内径とほぼ同じ外径を有する平面視円形をなし、上端が全周に亘って被服本体2の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、裾部よりはみ出ることのない程度の長さを有する。フック4は、堅い金属製で馬蹄形をなし、湾曲部を下にしたとき両端があて布3における被服本体2側の面に図略の糸で縫い付けられて下端が自由にされている。フック4の馬蹄形は、あて布3よりもはるかに小さい面積を有し、被服1を正面から眺めたときは被服本体2に覆われ、裏返して眺めたときはあて布3に覆われていて、あて布3を捲らない限りいずれからも見えない。
【0009】
この実施形態の被服によれば、アクセサリーPを取り付けていない状態では、あて布3もフック4も外観に現れないので、通常のTシャツと同じ意匠性を有する。そして、アクセサリーPを取り付けるときは、アクセサリーPのストラップの端をフック4に係らせてぶら下げる。これにより、異なった意匠を実現できるうえ、取り付け部が見えないので、周囲の他人に意外感を覚えさせて楽しむことができる。また、フック4及びアクセサリーPのストラップと人体との間にはあて布が存在するので、着心地は通常のTシャツと変わらないし、皮膚が傷つくこともない。
【0010】
−実施形態2−
この発明の被服のもう一つの実施形態を図6〜図8とともに説明する。図6は第二の実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図7は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図8は被服の要部断面図である。
この実施形態の被服11では、フック4があて布3の被服本体2との縫合部分に縫い付けられている。従って、フック4をあて布3と同時に被服本体2に固定することができる。
尚、あて布3に代えて図9に示すように裾部よりはみ出る長いあて布13を用い、あて布の表面にも模様や柄を施しても良い。また、図10に示すようにフック4を縫い付ける部分だけに当てる程度の著しく短いあて布33であってもよい。実施形態1においても同様である。
【0011】
−実施形態3−
この発明の被服の更にもう一つの実施形態を図11〜図13とともに説明する。図11は第三の実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図12は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図13は被服の要部断面図である。
この実施形態の被服31では、あて布23が合皮製であって、被服本体2の胴部内径よりもはるかに小さい幅の長方形を二つ折りにして被服本体2の裾部に近い裏面に縫い付けられている。従って、あて布23のコストを節約することができる。
【0012】
−実施形態4−
図14は、この発明の第四の実施形態の被服であるTシャツの要部断面図である。この実施形態では、あて布に代えて被服本体2の裾部の折り返しを往復させ、上端の折り返し点の内側にフック4を固着させている。あて布を別体で用意する必要がないので、量産性に優れている。
【0013】
−実施形態5−
図15は、この発明の第五の実施形態の被服であるTシャツの要部断面図である。この実施形態ではあて布を用いることなく、被服本体2の裾部裏面にフック4が縫い付けられている。最も低コストで生産可能である。
【0014】
−実施形態6−
第六の実施形態は、これまでの実施形態と異なり、被服本体2の裾部ではなくポケットの下端に開口部が形成されて、その内側にフック4が固着されている。図16は第六の実施形態に係る被服であるTシャツを示す正面図、図17は図16のB部拡大斜視図、図18は同じくB部の別の状態を示す斜視図、図19は要部断面図である。
被服71は、被服本体2の左胸相当部分の表面に形成されたポケット5を有する。ポケット5は、ポケット布の左右端及び下端が被服本体2に縫合されることにより、上向きに開口した通常の収納空間を形成している他、下端の縫合部を下端縁よりも1〜2cm程度上に位置させることにより、下向きに開口した浅い空間をも形成している。フック4は、上端がポケット布5と被服本体2との間に挟まれて、両者の縫合時に一緒に縫い付けられ、下端が前記浅い空間内で自由にされている。アクセサリーを胸の位置に取り付けることができるので、アクセサリーの存在が強調される。
【0015】
−実施形態7−
第七の実施形態は、これまでの実施形態と異なり、フックが金属製ではなく組紐で作られている。図20はこの発明の第七実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図21は要部断面図である。
被服81は、被服本体2とフック43とを備える。フック43は、多数のループ状に編まれた組紐からなり、被服本体2の裾部に近い裏面に全周に亘って縫い付けられている。ループが多数形成されているので、アクセサリーを好みの箇所に取り付けることができる。
【0016】
−実施形態8−
第八の実施形態は、フックが布製のリボンと金属製のリングとの組み合わせからなる。図22はこの発明の第八実施形態の被服であるTシャツの一部を下方から眺めた斜視図、図23は同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図、図24は要部断面図である。
被服91は、被服本体2とあて布3とフック14とを備える。フック14は、肉厚0.5mm程度の金属製のリング14aを幅4〜5mm程度の布製のリボン14bに通してリボン14bを二つ折りにした後、合わせられた両端があて布3と一緒に被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられることにより、固定されている。ミシン針がリング14aに触れないので、折れる心配がなく、量産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1の被服であるTシャツを示す正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】上記被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図4】図3と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図5】実施形態1の被服の要部断面図である。
【図6】実施形態2の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図7】図6と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図8】実施形態2の被服の要部断面図である。
【図9】実施形態2の被服の変形例の要部断面図である。
【図10】実施形態2の被服のもう一つの変形例の要部断面図である。
【図11】実施形態3の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図12】図11と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図13】実施形態3の被服の要部断面図である。
【図14】実施形態4の被服の要部断面図である。
【図15】実施形態5の被服の要部断面図である。
【図16】実施形態6の被服であるTシャツを示す正面図である。
【図17】図16のB部拡大斜視図である。
【図18】同じく別の状態を示す斜視図である。
【図19】実施形態6の被服の要部断面図である。
【図20】実施形態7の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図21】実施形態7の被服の要部断面図である。
【図22】実施形態8の被服の一部を下方から眺めた斜視図である。
【図23】図22と同じ箇所であて布を捲った状態の斜視図である。
【図24】実施形態8の被服の要部断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1、11、31、71、81、91 被服
2 被服本体
3、23、33 あて布
4、43、14 フック
5 ポケット布
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用状態で鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体と、
前記開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が固着されて下端が自由にされたフックと
を備えることを特徴とするアクセサリーの着脱自在な被服。
【請求項2】
更に、あて布を備え、前記開口部が被服本体の裾部であって、前記あて布の上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、前記フックがあて布と被服本体との間に固着されている請求項1に記載の被服。
【請求項3】
前記フックが、布製のリボンに金属製のリングを通して当該リボンを二つ折りにした後、合わせられた両端を上端として前記あて布と被服本体との間に固着されている請求項2に記載の被服。
【請求項4】
前記被服本体が表面又は裏面に縫い付けられたポケット布を有し、前記開口部がポケット布の下端に形成されている請求項1に記載の被服。
【請求項1】
着用状態で鉛直方向下向きの開口部が形成された被服本体と、
前記開口部の内側に開口部よりもはみ出ないように上端が固着されて下端が自由にされたフックと
を備えることを特徴とするアクセサリーの着脱自在な被服。
【請求項2】
更に、あて布を備え、前記開口部が被服本体の裾部であって、前記あて布の上端が被服本体の裾部に近い裏面に縫い付けられて下端が自由にされ、前記フックがあて布と被服本体との間に固着されている請求項1に記載の被服。
【請求項3】
前記フックが、布製のリボンに金属製のリングを通して当該リボンを二つ折りにした後、合わせられた両端を上端として前記あて布と被服本体との間に固着されている請求項2に記載の被服。
【請求項4】
前記被服本体が表面又は裏面に縫い付けられたポケット布を有し、前記開口部がポケット布の下端に形成されている請求項1に記載の被服。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−126858(P2010−126858A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305192(P2008−305192)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(507004495)株式会社アートライン (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(507004495)株式会社アートライン (1)
【Fターム(参考)】
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