説明

アクセス頻度見積り装置、方法、及びプログラム

【課題】コンテンツのアクセス数をより正確に推定するアクセス頻度見積り装置、方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるアクセス頻度見積装置は、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出する他サービス評価抽出部1と、新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出する関連コンテンツアクセス頻度抽出部2と、他サービス評価抽出部の評価結果と、関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する新規コンテンツアクセス頻度推定部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクセス頻度見積り装置、方法、及びプログラムに関し、特に新規コンテンツのアクセス頻度見積り装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの高性能化やネットワークの広帯域化に伴い、ユーザが自分の視聴したいときに高品質な映像コンテンツを取得して視聴できるVOD(Video on Demand)サービスが広まってきている。
【0003】
全てのユーザからの配信要求(アクセス)に対してデータセンタなどの中央拠点から配信を行うと、中央拠点から各ユーザ端末までの経路全てに大容量の映像トラヒックが発生する。その結果、広範囲のネットワークに高負荷を与えて他の通信に悪影響を与えてしまう。また、VODでは、インターネットのようなベストエフォートなネットワークを長距離にわたって使用する。そのため、通信経路上の輻輳によるスループットの著しい低下や遅延時間の上昇などの影響を受けやすく、従って視聴開始までの多大な待ち時間や視聴の途絶が発生してユーザの体感品質を著しく損ねるという恐れがあった。
【0004】
これに対し、一部のコンテンツを格納可能なプロキシサーバやエッジサーバといった分散拠点をユーザの通信端末近傍に設置して、当該分散拠点にアクセス頻度の高いコンテンツを配置する技術がある。このようなトラヒックをユーザ近傍に集約する階層的なコンテンツ配信システムを用いることにより、上記のような課題の緩和が図ることができる。さらに、このようなシステムでは、刻一刻と変動する各コンテンツのアクセス頻度に対し、分散拠点にないコンテンツのへの配信要求を受け取ったとき、または一定時間ごとに、適宜分散拠点に格納するコンテンツを入れ替える。これにより、さらにユーザが配信要求したコンテンツを分散拠点から配信できる確率(キャッシュヒット率)の維持・向上を図ることができる。
【0005】
しかし、この技術は各コンテンツへのアクセスを計測し、あるコンテンツへのアクセス頻度が高いと判断した後に分散拠点にコンテンツを配置する。そのため、新規に追加・公開され利用可能となる前のコンテンツのように、アクセス頻度が計測されていないコンテンツは分散拠点に配置されない。従って、公開直後の新規コンテンツへのアクセスの集中には対応できず、コンテンツを分散拠点から配信できる確率が低下してしまうという問題があった。
【0006】
特許文献1には、データ提供システムに関する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、新規にコンテンツを追加及び公開する際、分散拠点に全ての新規コンテンツを配置する。
【0007】
特許文献2には、コンテンツ分散保存システム、コンテンツ評価決定方法、配信装置、及び配信処理プログラムの技術が開示されている。特許文献2に記載の技術は、新規コンテンツと同じキーワードを持つ他のコンテンツのアクセス頻度をもとに新規コンテンツのアクセス頻度を推定し、推定されたアクセス頻度の高い一部の新規コンテンツのみを分散拠点に配置する。
【0008】
特許文献3には、録画済番組を処理する処理方法、処理装置及び処理プログラムに関する技術が開示されている。特許文献3に記載の技術は、記録媒体に記録された番組コンテンツを番組コンテンツの評価を示す番組関連データに基づき、録画済番組を評価し、当該番組コンテンツの評価に基づいて番組コンテンツに対する処理を決定するものである。
【0009】
特許文献4には、受信記録再生装置に関する技術が開示されている。特許文献4に記載の技術は、受信した番組のジャンル毎に、ユーザの視聴頻度を算出する視聴頻度算出手段と、外部操作に応じて入力される複数のジャンル情報と、その各ジャンルに対するユーザの嗜好度とから、嗜好情報を生成する嗜好情生成手段とを有する。そして、当該視聴頻度及び嗜好情報から、未視聴の記録番組のうち、再生される候補を複数選択するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−182629号公報
【特許文献2】特開2009−129161号公報
【特許文献3】特開2006−246005号公報
【特許文献4】特開2008−277958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載の技術は、新規コンテンツの追加・公開にあわせて全ての新規コンテンツを分散拠点に配置することで、公開直後の前記新規コンテンツへのアクセスの集中に対応している。しかしながら、新規コンテンツの将来のアクセス頻度を考慮していない。新規に追加・公開されるコンテンツは全てが将来高いアクセス頻度になるとは限らず、人気のないニッチなコンテンツや長期間にかけてアクセスが分散するコンテンツも多い。さらに、特許文献1に記載の技術では、アクセス頻度が高くなるコンテンツと低いままのコンテンツとを含むすべての新規コンテンツを分散拠点に配置するため、分散拠点の記憶容量の制限から既に配信中の人気コンテンツが削除されてしまい、却ってコンテンツを分散拠点から配信できる確率が低下する可能性がある。
【0012】
また、特許文献2に記載の技術は、同じキーワードを持つコンテンツをもとにしたアクセス頻度の推定は同じジャンルやシリーズもののタイトルなどの周辺のコンテンツの情報からの類推でしかなく、新規コンテンツそのものの情報は用いていない。そのため、推定結果の精度が低く、コンテンツを分散拠点から配信できる確率の向上効果が少ない。
【0013】
特許文献3に記載の技術は、番組関連情報から取得した、番組コンテンツに対する評価と視聴者自身の嗜好データを組み合わせ、そのデータに基づいて番組を評価するが、アクセス数を推定することはできない。
【0014】
特許文献4に記載の技術は、録画した番組を、視聴者のジャンルに対する嗜好を反映して番組の選択を行う。しかしながら特許文献4に記載の技術は、番組の視聴率等の評価を用いておらず、そのため、録画した番組の評価には適用しているが、アクセス数を推定する手段としては適さない。
【0015】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、コンテンツのアクセス数をより正確に推定するアクセス頻度見積り装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明にかかるアクセス頻度見積装置は、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出する他サービス評価抽出部と、新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出する関連コンテンツアクセス頻度抽出部と、他サービス評価抽出部の評価結果と、関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する新規コンテンツアクセス頻度推定部と、を備える。
【0017】
本発明にかかるアクセス頻度見積方法はコンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出し、新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、他サービス評価抽出部の評価結果と、関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する。
【0018】
本発明にかかるアクセス頻度見積プログラムは所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出し、新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、他サービス評価抽出部の評価結果と、関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
アクセス頻度をより正確に推定することができるアクセス頻度見積り装置、アクセス頻度見積り方法、及びアクセス頻度見積りプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態1にかかる本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置を詳細に示す図である。
【図3】実施の形態1にかかるアクセス頻度集計部4及びコンテンツ配置決定部5の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1にかかる、関連コンテンツアクセス頻度抽出部2の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかる本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置について説明する。図1は、本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置を示す図である。本実施の形態にかかるアクセス頻度見積り装置は、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出する他サービス評価抽出部1と、新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出する関連コンテンツアクセス頻度抽出部2と、他サービス評価抽出部の評価結果と、関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する新規コンテンツアクセス頻度推定部3とを備える。
【0022】
ここで、他サービスとは、当該コンテンツ配信サービス以外のサービス、例えば他社のコンテンツ配信サービス、テレビの放送、ラジオの放送、映画上映及びDVD(Digital Versatile Disc)の販売若しくは貸出等のあらゆるサービスを指す。また、他サービスでの評価とは、例えば、当該新規コンテンツがテレビで放映された際のテレビの視聴率、当該新規コンテンツが映画館で上映された際の興行収入または観客動員数、当該新規コンテンツのDVD等の映像記録メディアの売上若しくは貸出数、およびインターネットでのユーザの投票結果のランキング等であり、これらを複数組み合わせてもよい。
【0023】
本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置は、他サービスでの新規コンテンツの評価と、自配信サービスでの関連したコンテンツのアクセス数を組み合わせて、当該新規コンテンツのアクセス頻度を推定するため、より精度よく新規コンテンツのアクセス頻度が推定できる。
【0024】
本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置について、より詳細に説明する。図2は、本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置を詳細に示す図である。本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置は、通信端末にコンテンツを配信するための複数の分散拠点を有するコンテンツ配信システムにおいて用いられるものである。本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置は、他サービス評価抽出部1と、関連コンテンツアクセス頻度抽出部2と、新規コンテンツアクセス頻度推定部3とを有し、さらに、アクセス頻度集計部4と、コンテンツ配置決定部5と、ユーザのアクセス履歴の情報を有するアクセス履歴記録部6とを有するようにしてもよい。
【0025】
これにより、新規コンテンツアクセス頻度推定部3が推定したアクセス頻度と、現在配信されているコンテンツのアクセス数とに基づき、分散拠点に配置するコンテンツを決定することができ、よりユーザ実用に沿ったコンテンツの配置をすることができる。すなわち、本実施の形態では、新規のコンテンツのアクセス頻度を精度よく推定しているため、コンテンツを分散拠点に無駄なく配置することができ、その結果ユーザの視聴環境を向上させることができる。
【0026】
アクセス頻度集計部4は、アクセス履歴記録部6から取得した配信サービスへのアクセス履歴を読み出し、既に公開済みのコンテンツである現在自配信サービスにおいて配信されているコンテンツのアクセス頻度を集計する。
【0027】
ここで、アクセス頻度集計部6は、少なくともユーザがコンテンツを要求した時刻と要求されたコンテンツの識別情報とを含む、ユーザのアクセス履歴情報を、例えばアクセスログの形等で格納する。
【0028】
コンテンツ配置決定部5は、新規コンテンツアクセス頻度推定部3において推定された新規コンテンツのアクセス頻度と、アクセス頻度集計部4集計した自配信サービスで既に公開済みのコンテンツのアクセス頻度とを組み合わせて、分散拠点にキャッシュとして配置するコンテンツを決定する。
【0029】
ここでさらに、各構成について詳細に説明する。他サービス評価抽出部1は、ランキング取得部11と、コンテンツ対応付け部12とを有する。
【0030】
ランキング取得部11は、新規コンテンツが他サービスにおいて配信されていた場合に、ネットワークを介して他サービスにおける新規コンテンツの評価を取得する。
【0031】
ランキング取得部11は、具体的には、新規コンテンツを追加・公開する際に新規コンテンツの他サービスでの評価を抽出し、コンテンツ対応付け部12に通知する。ここで、他サービスでの評価の収集方法は、例えば当該新規コンテンツのランキング、又は興業収入等が掲載されているwebページを取得し、表構造の一覧を自動的に解析するか、雑誌掲載の情報も含めてオペレータが手動で入力し、入力を受付けて評価を作成するなどすればよい。
【0032】
コンテンツ対応付け部12は、ランキング取得部が取得した他サービスでの新規コンテンツの評価を、コンテンツ配信サービスのアクセス数に変換して仮新規コンテンツアクセス数を算出する。コンテンツ対応付け部12は、具体的には、ランキング取得部11によって収集された新規コンテンツの他サービスでの評価と自配信サービス内での識別情報との対応付けを行い、他サービスでの評価を調整して、新規コンテンツアクセス頻度推定部3に通知する。ここで、対応付けとは、例えばコンテンツのタイトルでマッチングをとることをいう。また、iEPGやGコードなどといった広く普及した共通のコンテンツ識別番号を用いてマッチングをとるようにしてもよい。
【0033】
次に、他サービスでの評価の大きさを調整する。調整の方法は、例えば他サービスでの売上等の合計値が、その時点での自配信サービスからの総アクセス数に等しくなるように、他サービスでの評価を数倍または数分の一に増減することにより調整する。また例えば、他サービスでの評価の合計値が、予め定められた一定の数値に等しくなるように、他サービスでの評価を数倍または数分の一に増減するなどしてもよい。
【0034】
具体的には、他サービスでの評価の例として挙げられている、映像記録メディアの売上、視聴率、観客動員数、ランキングサイトのユーザの投票結果は、どれも元からコンテンツ名と評価値(実数)との組み合わせになっている。この「評価値」は、絶対値の大きさは異なるが、複数のコンテンツが同一評価内で、他のコンテンツに対する相対的な評価関係である点で、本願の「評価」と同質のものとして扱うことができる。そのため、絶対値の大きさを揃えることにより、他サービスでの評価を、自配信サービスでの評価に変換し、仮の新規コンテンツのアクセス頻度を算出することができる。例えば、ある映画Aの観客動員数が1000人、映画Bの観客動員数が800人、映画Cの観客動員数が500人であり、当該コンテンツ配信サービスの最も人気のあるコンテンツのアクセス数が一時間当たり1000アクセスである場合を考える。この場合、映画Aの評価は、観客動員数1000人である。しかし、このままではアクセス数として用いることができないので、観客動員数1000人という評価を、1時間あたりのアクセス数が1000アクセスであると仮定して、新規コンテンツの仮アクセス数として算出する。同様に、映画B及び映画Cの観客動員数をアクセス数に換算し、それぞれ800アクセス及び500アクセスであるとして新規コンテンツの仮アクセス数として算出する。また、他サービスでの評価がランキングであった場合、例えば、ランキング1位の売上枚数や投票結果が1000、2位の売上枚数や投票結果が700、3位の売上枚数や投票結果が500であれば、この売上枚数や投票結果に応じて仮アクセス数を設定するようにしてもよい。このようにすれば、新規のコンテンツの外部の評価を、仮アクセス数として換算することができる。
【0035】
関連コンテンツアクセス頻度抽出部2は、新規コンテンツの自配信サービスでの同じジャンルの視聴傾向を抽出する関連ジャンル視聴傾向抽出部21と、新規コンテンツの同じシリーズのコンテンツの視聴傾向を抽出する関連シリーズ視聴傾向抽出部22とを有する。
【0036】
関連ジャンル視聴傾向抽出部21は、一定の間隔ごと、はユーザからのアクセスがあるごと、または新規コンテンツが追加・公開されるごとにアクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得する。そして、自配信サービスでの各ジャンルのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出する。
【0037】
関連ジャンル視聴傾向抽出部21は関連ジャンルアクセス頻度集計部23とジャンル補正係数算出部25とを有する。関連ジャンルアクセス頻度集計部23は各ジャンルの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から各ジャンルのアクセス頻度を抽出する。ジャンル補正係数算出部25は各ジャンルのアクセス頻度を分析してジャンル補正係数を算出する。
【0038】
ここで、ジャンル補正係数について説明する。コンテンツの配信サービスにおいては、当該コンテンツ配信サービスのコンテンツの種類や、配信する媒体の種類により、ユーザの視聴傾向が他のサービスとは異なる場合がある。例えば、ホラーに関連するコンテンツが他のジャンルに比べて多くアクセスされるコンテンツ配信サービスであれば、新規コンテンツを配信した際には、ホラーのジャンルの新規コンテンツの方が、他のジャンルのコンテンツより多くアクセスされることが推測できる。よって、こういった場合には、ホラーのジャンルの新規コンテンツが配信された場合の実際のアクセス数が、他のサービスの評価から換算したアクセス数よりも多くなり、結果、新規コンテンツのアクセス数を正確に推定することができない。よって、本実施の形態では、各ジャンルのアクセス頻度を分析したジャンル補正係数を算出する。
【0039】
ジャンル補正係数は、具体的には、例えば現時点に至る一定時間における各ジャンルの総アクセス数に比例した数値にするようにする。また例えば、各ジャンルの平均アクセス数に比例した数値に決定したり、各ジャンルの中で最もアクセス数が大きいコンテンツのアクセス数に比例した数値に決定したり、各ジャンルのコンテンツを視聴したユニークユーザ数に比例した数値に決定したりしてもよい。より具体的には、1時間当たりの各ジャンルのコンテンツの合計アクセス数が、「ホラー」が12000、「恋愛」10000、「コメディ」が9000である場合、当該コンテンツ配信サービスではホラー、恋愛、コメディの順にユーザに人気があることが推測できる。よって、ホラーの新規コンテンツは他のジャンルの新規コンテンツが配信された場合より、アクセス数が増えることが予測される。そこで、ジャンル毎の合計アクセス数に比例した値として、補正係数をホラー1.2、恋愛1.0、コメディ0.9として算出する。
【0040】
関連シリーズアクセス頻度集計部22は、一定の時間間隔ごと、またはユーザからのアクセスがあるごと、または新規コンテンツが追加・公開されるごとに、アクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得する。そして自配信サービスでの新規コンテンツの属する各シリーズのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出する。
【0041】
関連シリーズアクセス頻度集計部22は、関連シリーズアクセス頻度集計部24とシリーズ補正係数算出部26とを有する。関連シリーズアクセス頻度集計部24は新規コンテンツに関連するコンテンツの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から関連コンテンツのアクセス頻度を抽出する。ここでいうシリーズとは、連続ドラマの各放送回や、同一タイトルで毎週放送されるバラエティ番組・ワイドショー番組などや、同一タイトルの映画の続編や、スポーツや囲碁・将棋などの競技の特定の大会などといったまとまりを指す。
【0042】
シリーズ補正係数算出部26は関連コンテンツのアクセス頻度を分析して関連補正係数を算出する。上述したように、コンテンツ配信システムでのアクセス数が、他のサービスの評価と必ずしも一致しない場合がある。よって、新規コンテンツを配信する際、新規コンテンツのアクセス数を、他のサービスの評価から換算した仮アクセス数と関連するシリーズのコンテンツのアクセス数とを参考にすればより正確に推定することができる。具体的には、例えば現時点に至る一定時間における各シリーズの総アクセス数に比例した数値にするようにシリーズ補正係数を設定する。また例えば、各シリーズの平均アクセス数に比例した数値に決定したり、各シリーズの中で最もアクセス数が大きいコンテンツのアクセス数に比例した数値に決定したり、各シリーズのコンテンツを視聴したユニークユーザ数に比例した数値に決定したりするようにしてもよい。より具体的に説明すると、例えば、サッカーのA大会(例えば「第1回天皇杯」など)の1試合当たりの総アクセス数の平均が1500、将棋のB大会(例えば「第1期名人戦」)の1試合当たりの平均アクセス数が500、テレビドラマのタイトルC(例えば「第15回連続テレビ小説」)の一話あたりの平均総アクセス数が800であるとする。この場合、サッカーのシリーズ補正係数を1.5とし、将棋の補正係数を0.5とし、テレビドラマの補正係数を0.8として算出する。
【0043】
なお、ジャンル補正係数及びシリーズ補正係数は、アクセス数に比例した補正係数になるように、定数で除算または乗算して求める。ここでいう「定数」には特に限定はなく、ユーザが設定した一定値でも良いし、各アクセス数の最大値、最小値、平均値及び中央値等に設定するようにしてもよい。
【0044】
新規コンテンツアクセス頻度推定部3は、コンテンツ対応付け部12が算出した仮新規コンテンツアクセス数に、ジャンル補正係数及び関連補正係数のうち1以上を乗算し、新規コンテンツのアクセス頻度を推定する。具体的には、新規コンテンツアクセス頻度推定部3は、新規コンテンツを追加または公開する際に、コンテンツ対応付け部12から新規コンテンツの仮アクセス数を取得し、ジャンル補正係数記憶部23からジャンル補正係数を取得し、シリーズ補正係数記憶部24からシリーズ補正係数を取得し、これらを乗算して新規コンテンツのアクセス頻度を推定する。そして、当該推定したアクセス頻度をコンテンツ配置決定部5に通知する。なお、ジャンル補正係数とシリーズ補正係数に対して、それぞれの優先度合いに応じて重率をかけた上で新規コンテンツの他サービスでの評価に乗算したりするようにしてもよい。またジャンル補正係数とシリーズ補正係数に対してそれぞれの優先度合いに応じて重率をかけて足したものを新規コンテンツの他サービスでの評価に乗算するようにしてもよい。
【0045】
アクセス頻度集計部4は、一定の時間間隔ごと、またはユーザからのアクセスがあるごとにアクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得し、公開済みの各コンテンツの識別情報とアクセス頻度の対応関係を集計し、コンテンツ配置決定部5に通知する。ここで集計する際は、例えば現時点に至る一定時間における公開済みの各コンテンツへの総アクセス数をカウントし、一定時間で割ることにより求める。
【0046】
また、アクセス頻度集計の方法は、アクセス履歴の取得間隔に新たに発生したアクセス数に重率(この場合は、「平滑化係数」のことを示す。)をかけて現在のアクセス頻度に加算するようにしてもよい。これは、「指数移動平均」を計算する方法である。n番目の指数移動平均値をE(n)とし、平滑化係数をαとすると、n番目のアクセス履歴の取得間隔における指数移動平均値E(n)は、前回の指数移動平均値E(n−1)と、n番目のアクセス履歴の取得間隔におけるアクセス数の計測値M(n)と、平滑化係数α=0.0〜1.0)を用いて、
E(n)=α×M(n)+(1−α)×E(n−1)・・・(式1)
で計算される。これにより、過去の値の影響を残しつつ新しい計測値を反映していくことで,偶然あるアクセス履歴の取得間隔にアクセスが集中しても過敏に反応せず,且つアクセス頻度の増減に徐々に追従していくことができる。
【0047】
また、アクセス頻度集計の方法として、LRU(Least Recently Used)またはLFU(Least Frequently Used)といった従来のコンテンツ入替えアルゴリズムで用いられている評価指標をそのまま当てはめて利用するようにしてもよい。
【0048】
コンテンツ配置決定部5は、新規コンテンツアクセス頻度推定部3で推定された新規コンテンツのアクセス頻度とアクセス頻度集計部4で集計された公開済みコンテンツのアクセス頻度とを組合せて、分散拠点に配置するべきコンテンツを決定する。配置するコンテンツを決定する際は、例えば新規コンテンツのアクセス頻度と公開済みコンテンツのアクセス頻度の数値の大きさを調整した後で、アクセス頻度の大きい順に分散拠点に配置する。
【0049】
コンテンツ配置決定部5は、例えば新規コンテンツアクセス頻度推定部3が推定した全ての新規コンテンツのアクセス頻度、又はアクセス頻度集計部4から受け取った全ての公開済みコンテンツのアクセス頻度に、ある一定数をかけることによりコンテンツの配置を決定する。これにより、ユーザの新規コンテンツを重視するか、又は現在公開中のコンテンツを重視するか等の要望を、コンテンツの配置について反映させることができる。
【0050】
また、コンテンツの配置については、分散拠点に配置する新規コンテンツの数と公開済みコンテンツの数を予め定めておき、それぞれの配置数を満たすように新規コンテンツのアクセス頻度と公開済みコンテンツのアクセス頻度の大きい順に分散拠点に配置したり、新規コンテンツを分散拠点に配置するか否かの閾値を予め設定して、閾値を超える新規コンテンツを全て分散拠点に配置し、残った領域に公開済みコンテンツをアクセス頻度の大きい順に配置するなどしてもよい。
【0051】
本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置1は、他サービスアクセス頻度抽出部は新規コンテンツのTV放送時の視聴率やDVD等メディアでの売上といった他サービスでのアクセス頻度を抽出する。関連コンテンツアクセス頻度抽出部は新規コンテンツの自配信サービスでの同じジャンルやシリーズもののアクセス頻度といった関連コンテンツのアクセス頻度を抽出する。新規コンテンツアクセス頻度推定部は他サービスでの評価と関連コンテンツのアクセス頻度を組合せて新規コンテンツのアクセス頻度を推定することにより、より精度よく新規コンテンツのアクセス頻度を算出することができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、自配信サービスにおけるユーザの視聴傾向をジャンル若しくはシリーズ、又はその両方について係数として算出し、新規コンテンツそのものの評価と配信サービス特有の特定ジャンルなどに対するアクセスの偏りを加味し、アクセス頻度の推定を行う。それにより、より精度良くアクセス頻度の推定を行うことができる。
【0053】
以上のように、他のサービスにおけるコンテンツの人気と、自配信サービスにおけるユーザの視聴傾向とを加味したアクセス頻度の推定により、より効率的に分散拠点にコンテンツを配置することができ、ユーザ通信端末のキャッシュヒット率を向上させることができる。
【0054】
次に、本実施の形態にかかるアクセス頻度見積り装置の動作について説明する。図3は、アクセス頻度集計部4及びコンテンツ配置決定部5の動作を示すフローチャートである。まず、アクセス頻度集計部4は、一定の時間間隔ごと、又はユーザからのアクセスがあるごとに、アクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得し、公開済みの各コンテンツの識別情報とアクセス頻度の対応関係を集計し、コンテンツ配置決定部5に通知する(ステップS11)。
【0055】
次に、コンテンツ配置決定部5は、ユーザからのアクセスがあるごとに、アクセス頻度集計部4で集計された公開済みコンテンツのアクセス頻度を参照し、分散拠点に配置するべきコンテンツを決定する(ステップS12)。
【0056】
次に、関連コンテンツアクセス頻度抽出部2の動作について説明する。図4は、関連コンテンツアクセス頻度抽出部2の動作を示すフローチャートである。ジャンルアクセス頻度集計部23は、一定の時間間隔ごと、ユーザからのアクセスがあるごと、又は新規コンテンツが追加若しくは公開されるごとに、アクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得する。ジャンル補正係数算出部25は、自配信サービスでの各ジャンルのコンテンツに対するアクセス数や視聴ユーザ数の偏りを分析し、各ジャンルのコンテンツのアクセス頻度にかける補正係数を決定する(ステップS21)。
【0057】
ステップS21と並行して、シリーズアクセス頻度集計部24は、一定の時間間隔ごと、ユーザからのアクセスがあるごと、又は新規コンテンツが追加若しくは公開されるごとに、アクセス履歴記憶部6からアクセス履歴を取得する。シリーズ補正係数算出部26は、自配信サービスでの各シリーズのコンテンツに対するアクセス数や視聴ユーザ数の偏りを分析し、各シリーズのコンテンツのアクセス頻度にかける補正係数を決定する(ステップS22)。
【0058】
次に、新規コンテンツが追加された際の動作について説明する。図5は、本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置の動作を示すフローチャートである。ランキング取得部11は、新規コンテンツを追加・公開する際に、新規コンテンツの他サービスでのアクセス頻度の一覧を収集し、コンテンツ対応付け部12に通知する。コンテンツ対応付け部12は、ランキング取得部11によって収集された新規コンテンツの他サービスでのアクセス頻度と自配信サービス内での識別情報との対応付けを行い、新規コンテンツアクセス頻度推定部3に通知する(ステップS31)。
【0059】
次に、新規コンテンツアクセス頻度推定部3は、コンテンツ対応付け部12から新規コンテンツの他サービスでのアクセス頻度を取得し、ジャンル補正係数算出部25からジャンル補正係数を取得し、シリーズ補正係数算出部26からシリーズ補正係数を取得し、当該二つの補正係数をコンテンツ対応付け部12が算出した仮の新規コンテンツアクセス頻度に乗算して、新規コンテンツのアクセス頻度を推定し、コンテンツ配置決定部5に通知する(ステップS32)。
【0060】
次に、コンテンツ配置決定部5は、新規コンテンツアクセス頻度推定部3で推定された新規コンテンツのアクセス頻度とアクセス頻度集計部4で集計された公開済みコンテンツのアクセス頻度とを組合せて、分散拠点に配置するべきコンテンツを決定する(ステップS33)。以降、新規コンテンツが追加・公開されるごとにS31からS33のステップを繰り返す。
【0061】
本実施の形態にかかるアクセス頻度見積装置では、他サービスでのアクセス頻度と関連コンテンツのアクセス頻度を組合せて新規コンテンツのアクセス頻度を推定する。そのため、新規コンテンツそのものの評価と配信サービス特有の特定ジャンルなどに対するアクセスの偏りを加味したアクセス頻度の推定を精度良く行うことができ、従って、ユーザのコンテンツに対するキャッシュヒット率をより向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態にかかるアクセス頻度見積方法は、ユーザ近傍に分散拠点を有する階層的なコンテンツ配信システムにおける新規コンテンツ追加時のコンテンツ入替え装置や、追加・公開予定のコンテンツを含めた配信システムへのアクセス頻度を推定する見積り装置といった用途に適用できる。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0064】
また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。また、以下の図面に示す各装置の構成は、例えば記憶装置に読み込まれたプログラムをコンピュータ(PC(personal computer)や携帯端末装置等)上で実行することにより実現される。
【0065】
さらに、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又はな線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。 (付記1)
コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、前記コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出する他サービス評価抽出部と、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出する関連コンテンツアクセス頻度抽出部と、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定する新規コンテンツアクセス頻度推定部と、を備えることを特徴とするアクセス頻度見積装置。
(付記2)
通信端末にコンテンツを配信するための複数の分散拠点を有するものであって、
前記推定された新規コンテンツのアクセス頻度と、現在配信されているコンテンツのアクセス頻度とを組み合わせて、前記分散拠点に配置する前記コンテンツを決定するコンテンツ配置決定部とを更に有する付記1記載のアクセス頻度見積装置。
(付記3)
前記他サービス評価抽出部は、ランキング取得部と、コンテンツ対応付け部とを有し、
前記ランキング取得部は、前記新規コンテンツが前記他サービスにおいて配信されていた場合に、ネットワークを介して前記他サービスにおける前記新規コンテンツの評価を取得し、
前記コンテンツ対応付け部は、前記ランキング取得部が取得した前記新規コンテンツの評価を、前記コンテンツ配信サービスの前記アクセス数に変換して仮新規コンテンツアクセス数を算出する付記1又は2記載のアクセス頻度見積装置。
(付記4)
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、関連ジャンル視聴傾向抽出部を更に有し、
前記関連ジャンルアクセス頻度抽出部は、各ジャンルのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする付記1又は2に記載のアクセス頻度見積装置。
(付記5)
前記関連ジャンル視聴傾向抽出部は、ジャンルアクセス頻度集計部とジャンル補正係数算出部とを有し、
前記ジャンルアクセス頻度集計部は各ジャンルの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から各ジャンルのアクセス頻度を抽出し、
前記ジャンル補正係数算出部は、前記抽出した前記各ジャンルのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各ジャンルのユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるためのジャンル補正係数を算出する付記5記載のアクセス頻度見積装置。
(付記6)
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、関連コンテンツ視聴傾向抽出部を更に有し、
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、前記新規コンテンツの属する各シリーズのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする付記1乃至3に記載のアクセス頻度見積装置。
(付記7)
前記関連コンテンツ視聴傾向抽出部は、関連コンテンツアクセス頻度集計部と関連コンテンツ補正係数算出部とを有し、
前記コンテンツアクセス頻度集計部は前記新規コンテンツに関連するコンテンツの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から関連コンテンツのアクセス頻度を抽出し、
前記コンテンツ補正係数算出部は、前記抽出した前記関連コンテンツのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各シリーズのコンテンツに対するユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるための関連補正係数を算出する付記6記載のアクセス頻度見積装置。
(付記8)
前記新規コンテンツアクセス頻度推定部は、
前記コンテンツ対応付け部が算出した前記仮新規コンテンツアクセス数に、前記ジャンル補正係数及び前記関連補正係数のうち1以上を乗算して、前記コンテンツ配信サービスのユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させ、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定する付記5又は7記載のアクセス頻度見積装置。
(付記9)
コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、前記コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出し、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定するアクセス頻度見積方法。
(付記10)
通信端末にコンテンツを配信するための複数の分散拠点を有するものであって、
前記推定された新規コンテンツのアクセス頻度と、現在配信されているコンテンツのアクセス頻度とを組み合わせて、前記分散拠点に配置する前記コンテンツを決定する付記9記載のアクセス頻度見積方法。
(付記11)
前記他サービスでの評価を抽出する際、
前記新規コンテンツが前記他サービスにおいて配信されていた場合に、ネットワークを介して前記他サービスにおける前記新規コンテンツの評価を取得し、
前記ランキング取得部が取得した前記新規コンテンツの評価を、前記コンテンツ配信サービスの前記アクセス数に変換して仮新規コンテンツアクセス数を算出する付記9又は10記載のアクセス頻度見積方法。
(付記12)
前記関連ジャンルでのアクセス頻度を抽出する際は、各ジャンルのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする付記9又は10に記載のアクセス頻度見積方法。
(付記13)
前記関連ジャンルでのアクセス頻度を抽出する際は、
前記各ジャンルの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から各ジャンルのアクセス頻度を抽出し、
前記抽出した前記各ジャンルのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各シリーズのコンテンツに対するユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるためのジャンル補正係数を算出する付記12記載のアクセス頻度見積方法。
(付記14)
前記関連コンテンツのアクセス頻度を抽出する際、前記新規コンテンツの属する各シリーズのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする付記9乃至11に記載のアクセス頻度見積方法。
(付記15)
前記関連コンテンツのアクセス頻度を抽出する際、
前記新規コンテンツに関連するコンテンツの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から関連コンテンツのアクセス頻度を抽出し、
前記抽出した前記関連コンテンツのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各シリーズのコンテンツに対するユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるための関連補正係数を算出する付記6記載のアクセス頻度見積方法。
(付記16)
前記新規コンテンツアクセス頻度推定部は、
前記仮新規コンテンツアクセス数に、前記ジャンル補正係数及び前記関連補正係数のうち1以上を乗算して、前記コンテンツ配信サービスのユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させ、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定する付記14又は15記載のアクセス頻度見積方法。
(付記17)
所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出し、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定するアクセス頻度見積プログラム。
【符号の説明】
【0066】
1 他サービス評価抽出部
2 関連コンテンツアクセス頻度抽出部
3 新規コンテンツアクセス頻度推定部
4 アクセス頻度集計部
5 コンテンツ配置決定部
6 アクセス履歴記録部
11 ランキング取得部
12 コンテンツ対応付け部
21 関連ジャンル視聴傾向抽出部
22 関連シリーズ視聴傾向抽出部
23 関連ジャンルアクセス頻度集計部
24 関連シリーズアクセス頻度集計部
25 ジャンル補正係数算出部
26 シリーズ補正係数算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出して、前記コンテンツ配信サービスの仮のアクセス数を算出する他サービス評価抽出部と、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出する関連コンテンツアクセス頻度抽出部と、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定する新規コンテンツアクセス頻度推定部と、を備えることを特徴とするアクセス頻度見積装置。
【請求項2】
通信端末にコンテンツを配信するための複数の分散拠点を有するものであって、
前記推定された新規コンテンツのアクセス頻度と、現在配信されているコンテンツのアクセス頻度とを組み合わせて、前記分散拠点に配置する前記コンテンツを決定するコンテンツ配置決定部とを更に有する請求項1記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項3】
前記他サービス評価抽出部は、ランキング取得部と、コンテンツ対応付け部とを有し、
前記ランキング取得部は、前記新規コンテンツが前記他サービスにおいて配信されていた場合に、ネットワークを介して前記他サービスにおける前記新規コンテンツの評価を取得し、
前記コンテンツ対応付け部は、前記ランキング取得部が取得した前記新規コンテンツの評価を、前記コンテンツ配信サービスの前記アクセス数に変換して仮新規コンテンツアクセス数を算出する請求項1又は2記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項4】
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、関連ジャンル視聴傾向抽出部を更に有し、
前記関連ジャンルアクセス頻度抽出部は、各ジャンルのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項5】
前記関連ジャンル視聴傾向抽出部は、ジャンルアクセス頻度集計部とジャンル補正係数算出部とを有し、
前記ジャンルアクセス頻度集計部は各ジャンルの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から各ジャンルのアクセス頻度を抽出し、
前記ジャンル補正係数算出部は、前記抽出した前記各ジャンルのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各ジャンルのユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるためのジャンル補正係数を算出する請求項5記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項6】
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、関連コンテンツ視聴傾向抽出部を更に有し、
前記関連コンテンツアクセス頻度抽出部は、前記新規コンテンツの属する各シリーズのコンテンツに対するアクセス数及び視聴ユーザ数のうち1以上に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを算出することを特徴とする請求項1乃至3に記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項7】
前記関連コンテンツ視聴傾向抽出部は、関連コンテンツアクセス頻度集計部と関連コンテンツ補正係数算出部とを有し、
前記コンテンツアクセス頻度集計部は前記新規コンテンツに関連するコンテンツの視聴ユーザ数及びアクセス数のうち1以上から関連コンテンツのアクセス頻度を抽出し、
前記コンテンツ補正係数算出部は、前記抽出した前記関連コンテンツのアクセス頻度から、前記コンテンツ配信サービスの各シリーズのコンテンツに対するユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させるための関連補正係数を算出する請求項6記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項8】
前記新規コンテンツアクセス頻度推定部は、
前記コンテンツ対応付け部が算出した前記仮新規コンテンツアクセス数に、前記ジャンル補正係数及び前記関連補正係数のうち1以上を乗算して、前記コンテンツ配信サービスのユーザの視聴傾向を前記仮アクセス頻度に反映させ、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定する請求項5又は7記載のアクセス頻度見積装置。
【請求項9】
コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出し、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定するアクセス頻度見積方法。
【請求項10】
所定の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンテンツ配信サービスにおいて新たに配信が開始される新規コンテンツの、前記コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおける評価を抽出し、
前記新規コンテンツに関連したコンテンツのアクセス数に基づき、ユーザの視聴傾向の偏りを抽出し、
前記他サービス評価抽出部の評価結果と、前記関連コンテンツアクセス頻度解析部の解析結果とを組合せて、前記新規コンテンツのアクセス頻度を推定するアクセス頻度見積プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−49605(P2012−49605A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187006(P2010−187006)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】