説明

アクチュエータデバイス

【課題】本発明は、ソレノイドの代替となり、動作時の音が無く、しかも小型・軽量で動
作が速く、3つの停止位置を有するアクチュエータデバイスを提供する。
【解決手段】軸12を中心に回動可能で、軸12を中にして一方側と他方側とに設けられた第1と第2の端部9d・9eを有する作動アーム9と、第1の端部9dと第1の固定部材3との間に直列に繋がれて架渡された第1のアクチュエータ素子10及び第1の弾性体6と、第2の端部9eと第2の固定部材5との間に直列に繋がれて架渡された第2のアクチュエータ素子11及び第2の弾性体7と、第1のアクチュエータ素子10に通電した状態と、第2のアクチュエータ素子11に通電した状態と、いずれにも通電しない状態に制御する制御手段100・200と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、オフィス、家庭などで使用される複写機、プリンター、FAXなどのOA機器の動作を制御するアクチュエータデバイス(actuator device:駆動器)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター、FAXなどのシート上に画像を作成する画像形成装置には、シートの搬送制御、各画像形成プロセスユニットの駆動、制御に数多くのアクチュエータを用いている。
【0003】
ソレノイドは、簡単な電気回路で動きを作り出し、制御するアクチュエータ素子であり、数多く使われている。ソレノイドはプランジャ型やフラッパ型などさまざまな形があるが、コイルに通電して発生する電磁力により鉄心(プランジャやフラッパ)を引きつけることにより運動を起こさせるものである。ソレノイドは、動作時間が短い利点があるが、鉄心が引きつけられることにより、動作時、突発音が発生し、装置全体の騒音レベルが上がってしまう原因になっている。また、コイルは銅線でできており、吸引力はそれに流す電流とコイルの巻数で決まる。
【0004】
そのため、ソレノイドの大きさ、重量等が必然的に決まってしまうものである。よって、吸引力を高くしたまま小型化するのは困難であり、電力も消費し、値段も高くなっていた。そして、ソレノイドはストローク開始時の吸引力が弱く、引きつけると強くなるので、必然的に大きなソレノイドを使う必要があった。また、ソレノイドは、通電による鉄心の吸引時の位置と、開放時の位置との2つの位置しか取れず、2つの被駆動部へ切り換えて駆動を伝達させようとする時など2つのソレノイドが必要となる。
【0005】
さて、近年、動作音のしない形状記憶合金などを用いたアクチュエータ素子が提案されている。形状記憶合金アクチュエータは通電して熱を発生させることにより形状回復力を発生させ、それによりレバー等を動かし、また通電を切って元の位置に戻すものである。しかも省電力である。
【0006】
しかし、通電を切って元に戻すには、このアクチュエータ素子が冷却されるまで時間がかかる。そのため動作速度を速くするための方策など種々の提案がなされている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−3850号公報
【特許文献2】特開2004−100537号公報
【特許文献3】特開2002−268748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、これらのアクチュエータはレバー等を2つの安定位置の間で動かすものであり、装置が複雑になり、コンパクトにならない。
【0009】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものである。その目的は、ソレノイドの代替となり、動作時の音が無く、しかも小型・軽量で動作が速く、3つの停止位置を有するアクチュエータデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係るアクチュエータデバイスの代表的な構成は、軸を中心に回動可能で、前記軸を中にして一方側と他方側とに設けられた第1の端部と第2の端部及び前記第1の端部と第2の端部との間に設けられた第3の端部を有する作動アームと、前記第1の端部と第1の固定部材との間に直列に繋がれて架渡された、通電されることで記憶している形状に収縮動作し、通電が断たれることで変形復元回復限界以内で延伸可能な第1のアクチュエータ素子及び第1の弾性体と、前記第2の端部と第2の固定部材との間に直列に繋がれて架渡された、通電されることで記憶している形状に収縮動作し、通電が断たれることで変形復元回復限界以内で延伸可能な第2のアクチュエータ素子及び第2の弾性体と、前記第3の端部と第3の固定部材との間に架渡された第3の弾性体と、前記第1のアクチュエータ素子に通電して前記作動アームを軸を中心に第1のアクチュエータ素子側である第1の位置に回動させた第1の動作状態と、前記第2のアクチュエータ素子に通電して前記作動アームを軸を中心に第2のアクチュエータ素子側である第2の位置に回動させた第2の動作状態と、前記第1のアクチュエータ素子と前記第2のアクチュエータ素子のいずれにも通電しないで前記作動アームを軸を中心に前記第1の位置と前記第2の位置との中間の第3の位置に回動させた第3の動作状態とに制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動作時の音が無く、しかも小型・軽量で動作が速く、3つの動作位置を有するアクチュエータデバイスを提供することができる。従って、このアクチュエータデバイスを搭載する装置本体の静音化、小型化、低消費電力化に貢献する。
【0012】
本発明は、2つの停止位置乃至3つの停止位置制御が必要なアクチュエータを用いる装置、例えば画像形成装置の給紙手段、搬送分岐手段、駆動切換手段における作動装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1におけるアクチュエータデバイスの外観斜視図である。
【図2】図1のF矢視図である。
【図3】蓋を取り外してケーシングの内部を見せたアクチュエータデバイスの斜視図である。
【図4】ケーシング内部のアクチュエータ機構の分解斜視図である。
【図5】初期状態時のアクチュエータ機構と制御系統のブロック図である。
【図6】作動アームが第1の位置に回動された状態時の図である。
【図7】作動アームが第2の位置に回動された状態時の図である。
【図8】作動アームが第2の位置に回動された状態時の斜視図である。
【図9】実施の形態2における初期状態時のアクチュエータ機構と制御系統のブロック図である。
【図10】作動アームが第1の位置に回動された状態時の図である。
【図11】作動アームが第2の位置に回動された状態時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は本実施の形態1におけるアクチュエータデバイス1の外観斜視図である。図2は図1のF矢視図である。図3は蓋2を取り外してケーシング17の内部を見せたアクチュエータデバイス1の斜視図である。図4はケーシング内部のアクチュエータ機構の分解斜視図である。
【0016】
アクチュエータデバイス(以下、デバイスと略記する)1は、内部にアクチュエータ機構を組み込んだケーシング17と、このケーシング17の上面開口部17aに対する蓋2を有している。蓋2はケーシング17の上面開口部17aに対してスナップフィット2a・17bにより着脱可能に装着されている。ケーシング17には、位置決め用の穴17cとビス穴など取り付け用の穴17dを具備させたフランジ17eが一体に形成されている。デバイス1はこのフランジ17eを介して画像形成装置等の主装置(不図示)の所定の配置個所に対して取り付けられる。
【0017】
ケーシング17は、上面側と長手方向一端側とがそれぞれ上面開口部17aと端面開口部17fとして開放された底浅の長方形状体である。端面開口部17fは、ケーシング17の上面開口部17aに対して蓋2が装着されていても開放されている。
【0018】
ケーシング17の底板17gの内面には、端面開口部17f寄りで、かつ底板短手方向(底板幅方向)の略中央部の位置に軸12が立設されている。この軸12に対して、金属製で導電性がある略十字形状の作動アーム9が回動可能に装着されている。すなわち、作動アーム9の十字の略中心部には穴部9aが設けられている。その穴部9aが軸12に対して遊嵌されて、作動アーム9が軸12を中心に回動可能に装着されている。また、作動アーム9はケーシング17に装着された蓋2との間で位置決め保持されている。
【0019】
略十字形状の作動アーム9の4つの腕部の内の1つの腕部9bは、画像形成装置等の主装置の被駆動部(不図示)に対して連結されて被駆動部を動かすための作用腕部として端面開口部17fからケーシング17の外方に突出している。9cはこの作用腕部9bに形成された、被駆動部と連結するための穴部である。
【0020】
また、上記の作用腕部9bに対して直交方向の2つの腕部のうちの、軸12を中にして一方側の腕部9dを第1の端部、他方側の腕部9eを第2の端部とする。また第1と第2の端部との間に向けられていて、作用腕部9bとは反対向きの腕部9fを第3の端部とする。そして、上記の第1の端部9d、第2の端部9e、第3の端部9fには、それぞれ、係止部としてのフック形状部9d1・9e1・9f1が形成されている。
【0021】
また、ケーシング17の長手方向他端側の側板17hには、側板長手に沿って所定の間隔を開けて3つの溝部17i・17j・17kが設けられている。そして、その各溝部に対して、それぞれ、第1の端子(第1の固定部材)3、第3の端子(第3の固定部材)4、第2の端子(第2の固定部材)5の3つの端子が嵌め込まれて位置決め固定されている。各端子3・4・5の位置決め固定は、各端子に設けた凹部と、各溝部及び蓋側とに設けた凸部との係合によりなされる。第1の端子3と第2の端子5は第3の端子4を中にしてその両側に位置している。
【0022】
第1の端子3は作動アーム9の第1の端部9dに対応する。第2の端子5は作動アーム9の第2の端部9eに対応する。第3の端子4は作動アーム9の第3の端部9fに対応する。第1乃至第3の各端子3・4・5は導電性金属製であり、ケーシング17から外方に突出させている外端部分3a・4a・5aはタブ端子形状を形成して、ファストン端子50(図5)などがコネクトできるようにしてある。金属は、例えば、銅、リン青銅、鉄、ステンレスなどである。
【0023】
また、各端子3・4・5のケーシング内側の内端部分3b・4b・5bには、それぞれ、係止部としてのフック形状部3c・4c・5cが形成されている。第3の端子4の内端部分4bの長さは、第1と第2の端子3・5の内端部分3b・5bの長さよりも長くしてある。そして、その第3の端子4の内端部分4bの途中部分は、ケーシング17の底板17gの内面に設けられた突起部17nに形成されている溝部17mに嵌め込まれて位置決め固定されている。
【0024】
そして、作動アーム9の第1の端部9dに形成されているフック形状部9d1と、第1の端子3のフック形状部3cとの間には、第1のアクチュエータ素子10と第1のバッファーバネ(第1の弾性体)6とが直列に繋がれて架渡(張設)されている。すなわち、第1のアクチュエータ素子10はその一端側の丸型端子18の穴部が作動アーム9のフック形状部9d1に引っ掛けられている。
【0025】
第1のアクチュエータ素子10と第1のバッファーバネ6は、アクチュエータ素子10の他端側の丸型端子19の穴部にバッファーバネ6の一端側フック部6aが引っ掛けられて連結されている。そして、第1のバッファーバネ6の他端側フック部6bが第1の端子3のフック形状部3cに引っ掛けられている。
【0026】
また、作動アーム9の第2の端部9eに形成されているフック形状部9e1と、第2の端子5のフック形状部5cとの間には、第2のアクチュエータ素子11と第2のバッファーバネ(第2の弾性体)7とが直列に繋がれて架渡されている。すなわち、第2のアクチュエータ素子11はその一端側の丸型端子20の穴部が作動アーム9のフック形状部9e1に引っ掛けられている。
【0027】
第2のアクチュエータ素子11と第2のバッファーバネ7は、アクチュエータ素子11の他端側の丸型端子21の穴部にバッファーバネ7の一端側フック部7aが引っ掛けられて連結されている。そして、第2のバッファーバネ7の他端側フック部7bが第2の端子5のフック形状部5cに引っ掛けられている。
【0028】
また、作動アーム9の第3の端部9fに形成されているフック形状部9f1と、第3の端子4のフック形状部4cとの間には、引張バネ(第3の弾性体)8が架渡されている。すなわち、引張バネ8はその一端側フック部8aが作動アーム9のフック形状部9f1に引っ掛けられており、他端側フック部8bが第3の端子4のフック形状部4cに引っ掛けられている。
【0029】
本実施の形態1で用いている第1と第2のアクチュエータ素子10・11はそれぞれ同じ特性を有する形状記憶素子である。詳しくはトキ・コーポレーションのバイオメタル(登録商標)を採用しており、針金状の形状記憶合金をスパイラルに捲回したスプリング形状になっている。その両端部に金属製で導電性がある丸型端子18・19、20・21を圧着してあり、形状記憶素子は変形復元回復限界以内で常温状態において延伸(延伸可能)している。
【0030】
そして、両端部の端子間は電気的に導通し、通電することで形状記憶素子が自身の抵抗で発熱する。70℃程度の温度上昇で材料が収縮動作をするので、形状記憶素子は伸ばされていた形状が密着捲き状態になるまで縮まっていく。この際の収縮力を利用して作動アーム9を動かすようにしたものである。
【0031】
第1のバッファーバネ6、第2のバッファーバネ7、引張バネ8は、何れも導電性のコイルスプリングである。第1のバッファーバネ6と第2のバッファーバネ7は同じバネ特性を有するものである。
【0032】
第1のアクチュエータ素子10と第1のバッファーバネ6は逆配置であってもよい。また、第2のアクチュエータ素子11と第2のバッファーバネ7も逆配置であってもよい。
【0033】
次に、上記デバイス1の動作について説明する。デバイス1の第1の端子3、第3の端子4、第2の端子5の外端部分3a・4a・5aには、図5のように、デバイス1と動作回路100とを電気的に連絡するためのファストン端子50がコネクトされる。動作回路100は、電源13と、制御回路(CPU)200で制御されるスイッチ16を有する。スイッチ16は、制御回路200により、可動接点20が、第1の切り換え状態と、第2の切り換え状態と、第3の切り換え状態とに制御される。
【0034】
第1の切り換え状態は、可動接点20が第1の固定接点21に対して電気的に接続する位置に移動された状態である。第2の切り換え状態は、可動接点20が第2の固定接点22に対して電気的に接続する位置に移動された状態である。第3の切り換え状態は、可動接点20が第3の固定接点23の位置に移動された状態である。第3の固定接点23は第1と第2の固定接点21と22との間のニュートラル接点(非通電用接点)である。
【0035】
電源13の一方の電極部は可動接点20に対して電気的に接続されている。電源13の他方の電極部はリード線24とファストン端子50を介して第3の端子4に対して電気的に接続されている。第1の固定接点21はリード線25とファストン端子50を介して第1の端子3に対して電気的に接続されている。第2の固定接点22はリード線26とファストン端子50を介して第2の端子5に対して電気的に接続されている。
【0036】
(1)図5は、スイッチ16が制御回路200により第3の切り換え状態にされていてデバイス1に対する通電がオフであり、かつ第1と第2のアクチュエータ素子10・11の温度は常温状態にあるときを示している。
【0037】
この状態時においては、第1と第2のアクチュエータ素子10・11の形状記憶素子はそれぞれ第1と第2のバッファーバネ6・7の引っ張り力にて変形復元回復限界以内で略同じ長さに延伸している。そして、第1のアクチュエータ素子10と第1のバッファーバネ6の長手軸線と、第2のアクチュエータ素子11と第2のバッファーバネ7の長手軸線と、引張バネ8の長手軸線はほぼ並行である。そのため、作動アーム9は引張バネ8によって作用腕部9bの長手方向がデバイス1の長手方向に略並行となっている回動角姿勢、すなわち図5において作用腕部9bが右方を向いている回動角姿勢に保持されている。
【0038】
この作動アーム9の回動角姿勢を第3の位置III或いは中立の位置とする。また、この図5のデバイス1の状態を初期状態(第3の動作状態)とする。従って、作用腕部9bに連結された主装置の被駆動部は、作動アーム9の第3の位置IIIに対応した作動状態に保持されている。
【0039】
(2)図5の初期状態において、スイッチ16が制御回路200により第1の切り換え状態された場合は、図6のように、可動接点20が第1の固定接点21に対して電気的に接続される。これにより、電源13→可動接点20→第1の固定接点21→リード線25→第1の端子3→第1のバッファーバネ6→第1のアクチュエータ素子10→作動アーム9→引張バネ8→第3の端子4→リード線24→電源13の回路が閉成される。すなわち、第1のアクチュエータ素子10に対する通電がなされる。第2のアクチュエータ素子11には通電されない。
【0040】
そして、通電状態にされた第1のアクチュエータ素子10の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇する。この温度上昇により、形状記憶素子は伸ばされていた形状が記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。そのため、作動アーム9が図6のように第2のアクチュエータ素子11と引張バネ8を引き伸ばしながら軸12を中心に第1のアクチュエータ素子側である反時計方向に回動して、図6において、作用腕部9bが右斜め上方を向いた回動角姿勢に保持さる。
【0041】
この作動アーム9の回動角姿勢を第1の位置Iとする。また、この図6のデバイス1の状態を第1の動作状態とする。従って、作用腕部9bに連結された主装置の被駆動部は、作動アーム9の第1の位置Iに対応した作動状態に保持される。
【0042】
(3)そして、図6において、第1の切り換え状態にあるスイッチ16が制御回路200により第3の切り換え状態に戻されると、第1のアクチュエータ素子10は非通電状態となる。そのため、形状記憶素子が温度の低下(自然冷却)とともに引張バネ8の引っ張り力により変形復元回復限界以内で伸びていく。
【0043】
これにより、作動アーム9は引張バネ8の引っ張り力により軸12を中心に時計方向に戻り回動して第1の位置Iから第3の位置IIIに戻る。すなわち、デバイス1は図5の初期状態に戻る。従って、作用腕部9bに連結された主装置の被駆動部は、作動アーム9の第1の位置Iに対応した作動状態から、第3の位置IIIに対応した作動状態に戻される。
【0044】
(4)また、図5の初期状態において、スイッチ16が制御回路200により第2の切り換え状態された場合は、図7のように、可動接点20が第2の固定接点22に対して電気的に接続される。これにより、電源13→可動接点20→第2の固定接点22→リード線26→第2の端子5→第2のバッファーバネ7→第2のアクチュエータ素子11→作動アーム9→引張バネ8→第3の端子4→リード線24→電源13の回路が閉成される。すなわち、第2のアクチュエータ素子11に対する通電がなされる。第1のアクチュエータ素子12には通電されない。
【0045】
そして、通電状態にされた第2のアクチュエータ素子11の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇する。この温度上昇により、形状記憶素子は伸ばされていた形状が記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。そのため、作動アーム9が図7・図8のように第1のアクチュエータ素子10の形状記憶素子と引張バネ8を引き伸ばしながら軸12を中心に第2のアクチュエータ素子側である時計方向に回動する。そして、作動アーム9は、作用腕部9bが図7において右斜め下方を向いた回動角姿勢に転換されて保持さる。
【0046】
この作動アーム9の回動角姿勢を第2の位置IIとする。また、この図7・図8の機構の状態を第2の動作状態とする。従って、作用腕部9bに連結された主装置の被駆動部は、作動アーム9の第2の位置IIに対応した作動状態に保持される。
【0047】
(5)そして、図7において、第2の切り換え状態にあるスイッチ16が制御回路200により第3の切り換え状態に戻されると、第2のアクチュエータ素子11は非通電状態となり、形状記憶素子が温度の低下とともに引張バネ8の引っ張り力により伸びていく。そのため、作動アーム9は引張バネ8の引っ張り力により軸12を中心に反時計方向に戻り回動して第2の位置IIから第3の位置IIIに戻る。すなわち、デバイス1は図5の初期状態に戻る。
【0048】
従って、作用腕部9bに連結された主装置の被駆動部は、作動アーム9の第2の位置IIに対応した作動状態から、第3の位置IIIに対応した作動状態に戻される。
【0049】
(6)また、図6において、第1の切り換え状態にあるスイッチ16が制御回路200により第2の切り換え状態に切り換えられた場合は、第1のアクチュエータ素子10は非通電状態となり、第2のアクチュエータ素子11は通電状態となる。通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇することで、伸ばされていた形状が、記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。
【0050】
この場合、非通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の自然冷却を待たず、従って第1のアクチュエータ素子10の伸びが充分もとにもどらないうちに第2のアクチュエータ素子11が収縮する。これにより、作動アーム9の第1の位置I(図6)から第3の位置III(図5)への戻し回動がより速くなされる。
【0051】
この時、第2のアクチュエータ素子11の収縮により強い力が第1のアクチュエータ素子10側に働くが、その力は第1のバッファーバネ6が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第1のアクチュエータ素子10のダメージをなくすことができる。すなわち第1のバッファーバネ6が第1のアクチュエータ素子10の延伸の遅延距離変動を吸収して伸びることで第1のアクチュエータ素子10のダメージをなくすことができる。
【0052】
そして、第1の位置Iから第3の位置IIIへ戻り回動した作動アーム9は、非通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の伸びが自然冷却とともにの充分もとに戻ることにより更に第3の位置IIIから第2の位置II(図7)に回動する。
【0053】
(7)また、図7において、第2の切り換え状態にあるスイッチ16が制御回路200により第1の切り換え状態に切り換えられた場合は、第2のアクチュエータ素子11は非通電状態となり、第1のアクチュエータ素子10は通電状態となる。通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇することで、伸ばされていた形状が、記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。
【0054】
この場合、非通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の自然冷却を待たず、従って第2のアクチュエータ素子11の伸びが充分もとにもどらないうち第1のアクチュエータ素子10が収縮する。これにより、作動アーム9の第2の位置II(図7)から第3の位置III(図5)への戻し回動がより速くなされる。
【0055】
この時、第1のアクチュエータ素子10の収縮により強い力が第2のアクチュエータ素子11側に働くが、その力は第2のバッファーバネ7が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第2のアクチュエータ素子11のダメージをなくすことができる。すなわち第2のバッファーバネ7が第2のアクチュエータ素子11の延伸の遅延距離変動を吸収して伸びることで第1のアクチュエータ素子10のダメージをなくすことができる。
【0056】
そして、第2の位置Iから第3の位置IIIへ戻り回動した作動アーム9は、非通電状態となった第2のアクチュエータ素子11伸びが自然冷却とともにの充分もとに戻ることにより更に第3の位置IIIから第1の位置I(図6)に回動する。
【0057】
本実施の形態においては、デバイス1の第3の動作状態は、第1と第2のアクチュエータ素子10と11のいずれにも通電しないで作動アーム9を軸12を中心に第1の位置Iと第2の位置IIとの中間の第3の位置IIIに回動させた状態である。制御回路100と動作回路100が、アクチュエータデバイス1を、第1の動作状態(図6)と、第2の動作状態(図7・図8)と、第3の動作状態(図5)とに制御する制御手段である。
【0058】
また、作動アーム9と第1の弾性体6と第1の固定部材3と第2の弾性体7と第2の固定部材5と第3の弾性体7と第3の固定部材5が導電性であり、第1のアクチュエータ素子10と第2とアクチュエータ素子11とに電流を流すための電路の役割を兼用している。
【0059】
以上のように、作動アーム9が第1の位置I、第2の位置II、第3の位置IIIの3ポジションで動くアクチュエータデバイス1の提供が可能となった。
【0060】
鉄心などの重い物が動作するのではなく、形状記憶素子の伸び縮みを利用しているので静かな動作が可能である。
【0061】
ここで、本実施の形態1のデバイス構成と特許文献1の特に図6・図7のデバイス構成の違いを述べる。
【0062】
本実施の形態1のデバイス構成は、アクチュエータ素子とバッファーバネが直列に繋がれていて、しかも導電性があり、バッファーバネにも電流が流れる回路を形成している。特許文献1はアクチュエータ素子とバネとの間に中間部材があり、バネには電流が流れず、中間部材や操作端部材にも電流が流れないようにしないと回路がショートしてしまう。図6・図7ではどちらの接点をつなげても図7の方向へしか操作端部材を回動できず、接点をはなして元に戻す時バネ力のバランスで図6の位置にもどすものである。
【0063】
それに対して、本実施の形態1のデバイス構成は、接点21と接点22で、傾く方向が違い、通電をしない時は中間位置にバネ力でもどる構成である。
【0064】
[実施の形態2]
図9乃至図11は本実施の形態2を示す図である。上述した実施の形態1におけるデバイス1及び動作回路100と同一の構成部材・部分には同一符号を付して再度の説明を省略する。
【0065】
この実施の形態2においては、動作回路100のスイッチ16(第1のスイッチ)の可動接点20と電源13を接続する電路27中に、制御回路200でオン/オフ切り換え制御される第2のスイッチ28が設けられている。その他のアクチュエータデバイス1の構成、及び動作回路100の構成は実施の形態1におけるデバイス1及び動作回路100の構成と同じである。
【0066】
(1)図9はデバイス1の初期状態を示しており、制御回路200により、第1のスイッチ16は第3の切り換え状態にされており、第2のスイッチ28はオフにされており、かつ第1と第2のアクチュエータ素子10・11の温度は常温状態にある。従って、作動アーム9は第3の位置(中立の位置)IIIに保持されている。
【0067】
ここで、デバイス1の初期状態において、第1と第2のスイッチ16・28は、第1と第2のアクチュエータ素子10・11の何れにも通電しない状態に制御されていればよい。従って、第2のスイッチ28はオンの状態に保持されていて、第1のスイッチ16が第3の切り換え状態にされている制御状態であってもよい。また、第1のスイッチ16は第1又は第2の切り換え状態に保持されていて、第2のスイッチ28がオフされている制御状態であってもよい。
【0068】
(2)図9の初期状態において、作動アーム9を第3の位置IIIから第1の位置Iに転換する場合には、制御回路200は、第1のアクチュエータ素子10に対して通電するように第1と第2のスイッチ16・28を制御する。すなわち、制御回路200は、図10のように、第1のスイッチ16を第1の切り換え状態に制御し、第2のスイッチ28をオンの状態に制御する。これにより第1のアクチュエータ素子10が収縮することで、作動アーム9が図9の第3の位置IIIから図10の第1の位置Iに転換されて保持さる。
【0069】
(3)そして、作動アーム9を第1の位置Iから第3の位置IIIに戻す場合には、制御回路200は、第1のアクチュエータ素子10に対する通電を断つように、第1と第2のスイッチ16・28を制御する。すなわち、制御回路200は、図10において、第1のスイッチ16を第3の切り換え状態に制御する。又は第2のスイッチ28をオフの状態に制御する。或いは第1のスイッチ16を第3の切り換え状態に制御し、第2のスイッチ28をオフの状態に制御する。
【0070】
これにより第1のアクチュエータ素子11は非通電状態となり、形状記憶素子が自然冷却とともに引張バネ8の引っ張り力により伸びていく。そのため、作動アーム9は引張バネ8の引っ張り力により軸12を中心に時計方向に戻り回動して第1の位置Iから第3の位置IIIに戻る。
【0071】
(4)図9の初期状態において、作動アーム9を第3の位置IIIから第2の位置IIに転換する場合には、制御回路200は、第2のアクチュエータ素子11に対して通電するように第1と第2のスイッチ16・28を制御する。すなわち、制御回路200は、図11のように、第1のスイッチ16を第2の切り換え状態に制御し、第2のスイッチ28をオンの状態に制御する。これにより第2のアクチュエータ素子11が収縮することで、作動アーム9が図9の第3の位置IIIから図11の第2の位置IIに転換されて保持さる。
【0072】
(5)そして、作動アーム9を第2の位置IIから第3の位置IIIに戻す場合には、制御回路200は、第2のアクチュエータ素子11に対する通電を断つように、第1と第2のスイッチ16・28を制御する。すなわち、制御回路200は、図11において、第1のスイッチ16を第3の切り換え状態に制御する。又は第2のスイッチ28をオフの状態に制御する。或いは第1のスイッチ16を第3の切り換え状態に制御し、第2のスイッチ28をオフの状態に制御する。
【0073】
これにより第2のアクチュエータ素子11は非通電状態となり、形状記憶素子が自然冷却とともに引張バネ8の引っ張り力により伸びていく。そのため、作動アーム9は引張バネ8の引っ張り力により軸12を中心に時計方向に戻り回動して第2の位置IIから第3の位置IIIに戻る。
【0074】
(6)また、図10において、第1の切り換え状態にある第1のスイッチ16が制御回路200により第2の切り換え状態に切り換えられた場合は、第1のアクチュエータ素子10は非通電状態となり、第2のアクチュエータ素子11は通電状態となる。通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇することで、伸ばされていた形状が、記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。
【0075】
この場合、非通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の自然冷却を待たず、従って第1のアクチュエータ素子10の伸びが充分もとにもどらないうち第2のアクチュエータ素子11が収縮する。これにより、作動アーム9の第1の位置I(図10)から第3の位置III(図9)への戻し回動がより速くなされる。この時、第2のアクチュエータ素子11の収縮により強い力が第1のアクチュエータ素子10側に働くが、その力は第1のバッファーバネ6が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第1のアクチュエータ素子10のダメージをなくすことができる。
【0076】
そして、第1の位置Iから第3の位置IIIへ戻り回動した作動アーム9は、非通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の伸びが自然冷却とともに充分もとに戻ることにより更に第3の位置IIIから第2の位置II(図11)に回動する。
【0077】
(7)また、図11において、第2の切り換え状態にある第1のスイッチ16が制御回路200により第1の切り換え状態に切り換えられた場合は、第2のアクチュエータ素子11は非通電状態となり、第1のアクチュエータ素子10は通電状態となる。通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の形状記憶素子は自身の抵抗で発熱して温度上昇することで、伸ばされていた形状が、記憶している密着捲き状態になるまで縮まって長さが短くなる。
【0078】
この場合、非通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の自然冷却を待たず、従って第2のアクチュエータ素子11の伸びが充分もとにもどらないうち第1のアクチュエータ素子10が収縮する。これにより、作動アーム9の第2の位置II(図11)から第3の位置III(図9)への戻し回動がより速くなされる。この時、第1のアクチュエータ素子10の収縮により強い力が第2のアクチュエータ素子11側に働くが、その力は第2のバッファーバネ7が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第2のアクチュエータ素子11のダメージをなくすことができる。
【0079】
そして、第2の位置Iから第3の位置IIIへ戻り回動した作動アーム9は、非通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の伸びが自然冷却とともに充分もとに戻ることにより更に第3の位置IIIから第1の位置I(図10)に回動する。
【0080】
[実施の形態3]
本実施の形態3は、実施の形態1又は実施の形態2において、作動アーム9の第1の位置Iから第3の位置IIIへの戻し、又は第2の位置IIから第3の位置IIIへの戻しをより速くするようにしたものである。
【0081】
制御手段100・200は、デバイス1を第1から第3の動作状態へ切り換えるときに、第1のアクチュエータ素子10に対する通電を断つとともに、第2のアクチュエータ素子11に対して一時的に所定時間通電した後に通電を断つ制御モードを有する。また、制御手段100・200は、デバイス1を第2から第3の動作状態へ切り換えるときに、第2のアクチュエータ素子11に対する通電を断つとともに第1のアクチュエータ素子10に対して一時的に所定時間通電した後に通電を断つ制御モードを有する。
【0082】
(1)第1の動作状態から第3の動作状態へ切り換え
実施の形態1又は2において、作動アーム9を第1の位置Iから第3の位置IIIへ戻すとき、制御回路200は、第1の切り換え状態にあるスイッチ16を一時的に所定時間第2の切り換え状態にしてから、第3の切り換え状態に戻すスイッチング制御をする。
【0083】
すなわち、非通電状態となった第1のアクチュエータ素子10の自然冷却を待たず、従って第1のアクチュエータ素子10の伸びが充分もとにもどらないうち第2のアクチュエータ素子11を収縮させるのである。これにより、作動アーム9の第1の位置Iから第3の位置IIIへの戻し回動がより速くなされる。
【0084】
この時、第2のアクチュエータ素子11の収縮により強い力が第1のアクチュエータ素子10側に働くが、その力は第1のバッファーバネ6が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第1のアクチュエータ素子10のダメージをなくすことができる。
【0085】
そして、所定時間後にスイッチ16が第2の切り換え状態から第3の切り換え状態に戻されることで第2のアクチュエータ素子11への通電が切られる。これにより、第1と第2のアクチュエータ素子10・11の伸びが自然冷却とともに充分もとに戻り、作動アーム9の第3の位置IIIへの戻し回動状態が保持される。
【0086】
(2))第2の動作状態から第3の動作状態へ切り換え
実施の形態1又は2において、作動アーム9を第2の位置IIから第3の位置IIIへ戻すとき、制御回路200は、第2の切り換え状態にあるスイッチ16を一時的に所定時間第1の切り換え状態にしてから、第3の切り換え状態に戻すスイッチング制御をする。
【0087】
すなわち、非通電状態となった第2のアクチュエータ素子11の自然冷却を待たず、従って第2のアクチュエータ素子11の伸びが充分もとにもどらないうち第1のアクチュエータ素子10を収縮させるのである。これにより、作動アーム9の第2の位置IIから第3の位置IIIへの戻し回動がより速くなされる。
【0088】
この時、第1のアクチュエータ素子10の収縮により強い力が第2のアクチュエータ素子11側に働くが、その力は第2のバッファーバネ7が伸びによる緩衝作用で吸収されて、第2のアクチュエータ素子11のダメージをなくすことができる。
【0089】
そして、所定時間後にスイッチ16が第1の切り換え状態から第3の切り換え状態に戻されることで第1のアクチュエータ素子10への通電が切られる。これにより、第1と第2のアクチュエータ素子10・11の伸びが自然冷却とともに充分もとに戻り、作動アーム9の第3の位置IIIへの戻し回動状態が保持される。
【0090】
以上のようにアクチェータ素子の自然冷却と引っ張りバネ8の力による戻りではなく、もう一方のアクチュエータ素子を有効利用して動作させるので高速応答が可能となる。
【0091】
ここで、実施形態2について、第2のスイッチ28は傾いた作動アームを早く戻すため一時的に反対側に作動アームを回動させる目的でほんの少しの間だけ反対側のアクチュエータ素子に電流を流しすぐに接点を開ける動作をする。スイッチ16だけだとスイッチの応答性にも関係するので、スイッチ28を設けて、これで回路を切ることで応答性を早めることができる構成である。このときスイッチ16は接点23が必ずしも必要ない構成である。
【0092】
また、実施の形態1乃至実施の形態3の電路構成に限られない。第1と第2のアクチュエータ素子10・11に対して電流を選択的に流し、あるいは両方に流さないように切り換えることができれば任意の電路構成にすることができる。また、第3の弾性体8は省略したアクチュエータ機構のデバイスにすることもできる。
【符号の説明】
【0093】
1…アクチュエータデバイス、2…蓋、3…第1の端子(導電端子)、4…第3の端子、5…第2の端子、6…第1のバッファーバネ、7…第2のバッファーバネ、8…引張バネ、9…作動アーム、10…第1のアクチュエータ素子、11…第2のアクチュエータ素子、12…回動軸、13…電源、16…スイッチ(第1のスイッチ)、20…可動接点、21…第1の固定接点、22…第2の固定接点、17…ケーシング、28…スイッチ(第2のスイッチ)、50…ファストン端子、100…動作回路、200…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心に回動可能で、前記軸を中にして一方側と他方側とに設けられた第1の端部と第2の端部及び前記第1の端部と第2の端部との間に設けられた第3の端部を有する作動アームと、
前記第1の端部と第1の固定部材との間に直列に繋がれて架渡された、通電されることで記憶している形状に収縮動作し、通電が断たれることで変形復元回復限界以内で延伸可能な第1のアクチュエータ素子及び第1の弾性体と、
前記第2の端部と第2の固定部材との間に直列に繋がれて架渡された、通電されることで記憶している形状に収縮動作し、通電が断たれることで変形復元回復限界以内で延伸可能な第2のアクチュエータ素子及び第2の弾性体と、
前記第3の端部と第3の固定部材との間に架渡された第3の弾性体と、
前記第1のアクチュエータ素子に通電して前記作動アームを軸を中心に第1のアクチュエータ素子側である第1の位置に回動させた第1の動作状態と、前記第2のアクチュエータ素子に通電して前記作動アームを軸を中心に第2のアクチュエータ素子側である第2の位置に回動させた第2の動作状態と、前記第1のアクチュエータ素子と前記第2のアクチュエータ素子のいずれにも通電しないで前記作動アームを軸を中心に前記第1の位置と前記第2の位置との中間の第3の位置に回動させた第3の動作状態とに制御する制御手段と、
を有することを特徴とするアクチュエータデバイス。
【請求項2】
前記作動アームと前記第1の弾性体と前記第1の固定部材と前記第2の弾性体と前記第2の固定部材と前記第3の弾性体と前記第3の固定部材が導電性であり、前記第1のアクチュエータ素子と前記第2のアクチュエータ素子とに電流を流すための電路の役割を兼用していることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータデバイス。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の動作状態から前記第3の動作状態へ切り換えるときに、前記第1のアクチュエータ素子に対する通電を断つとともに、前記第2のアクチュエータ素子に対して一時的に所定時間通電した後に通電を断つ制御モードと、前記第2の動作状態から前記第3の動作状態へ切り換えるときに、前記第2のアクチュエータ素子に対する通電を断つとともに前記第1のアクチュエータ素子に対して一時的に所定時間通電した後に通電を断つ制御モードと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−145227(P2012−145227A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−69110(P2012−69110)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【分割の表示】特願2008−4022(P2008−4022)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】