説明

アクチュエータ技術によって作動可能な少なくとも一つの接続要素を有するトランスミッション装置

【課題】
本発明は、少なくとも一つの電気的コンポーネント(5)を備えるアクチュエータ技術(6)によって作動可能な少なくとも一つの接続要素(3,4)を有するトランスミッション装置(1)であって、その際、電気的コンポーネント(5)がトランスミッション軸(7)と接続され、運転中にトランスミッション軸(7)の回転数で回転し、および電気的伝達装置(8)によってトランスミッション装置(1)の別のコンポーネントと相互作用関係にあり、およびその際、トランスミッション装置(1)のコンポーネント、および、トランスミッション軸(7)と接続される少なくとも一つの電気的コンポーネント(5)の間で、少なくとも電気的エネルギーが、伝達装置(8)によって誘導的に交換可能であるトランスミッション装置(1)に関する。発明に従い、電気的コンポーネント(5)によって、接続要素(3,4)を作動させるための液圧的作動圧力が発生可能であることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に詳細に定義される形式の、電気的コンポーネントを備えるアクチュエータ技術によって作動可能な少なくとも一つの接続要素を有するトランスミッション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実勢からは、トランスミッション装置の摩擦クラッチの自動的な作動のための多くの実施形が公知である。これらは例えば、ハウジングに固定されたトランスミッションコンポーネントと回転するクラッチの間の、エネルギーおよび情報の伝達の形式および方式に関して分類可能である。自動切換ギアにおいては、クラッチは、しばしば機械的に作動し、その際軸方向の力は通常、軸方向に摺動可能なクラッチエンゲージベアリングまたはクラッチリリースベアリングを用いて、ハウジングに固定された作動装置から、回転するクラッチへと伝達される。
【0003】
しかしその際、不利益であるのは、支承部の領域において回転数差が調整されなければならないこと、および各関係する軸方向力に応じて機械的損失が発生し、この損失が自動切換ギアの効率を損なってしまうことである。
【0004】
オートマチックギアのマルチディスククラッチは、通常、液圧作動装置によって望まれる状況で作動され、その際、このために通常はハウジング側に発生された液圧的圧力が、いわゆる回転オイルの供給によって、クラッチと共に回転する液圧シリンダーに供給される。
【0005】
このようなトランスミッション装置の運転中には、回転オイル供給のシール接触の各領域中に摩擦が発生し、この摩擦が、スリップモーメントとして、トランスミッション装置の効率を悪化させる。その上、シール接触の各領域中に発生する摩擦熱は、所定のリーク・フルードボリューム流によって取り除かれるが、しかしこれはトランスミッション装置の液圧ポンプの追加的なポンプ性能によってのみ供給可能である。しかしここでも、追加的に調達しなければならないポンプ性能は、トランスミッション装置の効率を損ない、このことは望まれていない。
【0006】
上述したスリップモーメントを減少させるために、トランスミッション装置の接続要素に、電磁的作動装置が付設される。この電磁的作動装置においては、通常、それぞれハウジング側に設けられる通電コイルが、その磁場によって、共に回転しかつ軸方向に可動なクラッチ部材を、望ましい状況へと動かす。
【0007】
接続要素またはクラッチの電磁的作動は、しかし望まれないほどの高い電流消費を特徴としており、この電流消費は、車両のドライブトレインの不都合な運転状態中において、車両の電源系に場合によっては著しい負荷をかける。
【0008】
少ない電流消費を特徴とするトランスミッション装置の接続要素の作動においては、マグネットや電気的機械などのような、トランスミッション軸と共に回転する電気的コントローラーが、ハウジングに固定された電源から、スリップリングを介して電力に応じて供給を受ける。
【0009】
電流供給のために設けられたスリップリングは、しかし、望まれないほど大きな設置空間要求を伴い、および連続する摩擦負荷のために短い耐用寿命しか有していない。
【0010】
特許文献1から、少なくとも一つの電気的コンポーネントを備えるアクチュエータ技術によって作動可能な、少なくとも一つの接続要素を有するトランスミッション装置が公知である。この電気的コンポーネントは、トランスミッション軸と接続されており、この電気的コンポーネントは、運転中にトランスミッション軸の回転数でもって回転し、および電気的な伝達装置によって、ハウジングに固定されて設けられる、トランスミッション装置の別のコンポーネントと相互作用関係にある。伝達装置によって電気的エネルギー及び/又はデータが、ハウジングに固定されて設けられる、トランスミッション装置のコンポーネントおよび、トランスミッション軸と接続される電気的コンポーネントの間で、誘導によって非接触式に交換可能である。
【0011】
しかし、アクチュエータ技術は構造上費用の係る構造を備えており、および高い設置空間要求を有している。このような設置空間要求は、トランスミッション装置内では、制限のもとでのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許出願公開 第10 2006 049 275 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
よって本発明の課題は、接続要素が、構造上簡単かつ設置空間の小さな形式および方式で高い効率を有して作動可能であるようなトランスミッション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有するトランスミッション装置によって解決される。
【0015】
少なくとも一つの電気的コンポーネントを備えるアクチュエータ技術によって作動可能な接続要素を有する本発明に従うトランスミッション装置においては、電気的コンポーネントが、トランスミッション軸と接続されており、運転中においてはトランスミッション軸の回転数でもって回転し、および電気的な伝達手段によって、トランスミッション装置の別のコンポーネントと相互作用関係にある。伝達装置によって、少なくとも電気的なエネルギーが、トランスミッション装置のコンポーネント、およびトランスミッション軸と接続される少なくとも一つの電気的コンポーネントの間で誘導的に交換可能であり、特に、位置固定の部材から回転する部材の方向へと伝達可能である。
【0016】
発明に従い、電気的コンポーネントによって、接続要素を作動するための液圧的作動圧力が発生可能である。接続要素の液圧的作動は、簡単な形式および方式で、アクチュエータ技術を構造上簡単かつ設置空間も少なく実施する可能性を提供する。というのは、接続要素を作動圧力でもって付勢する液圧的伝達経路は、基本的に、少なく設置空間しか必要としない液圧配管のみを有しており、この液圧配管は、すでに存在しているトランスミッション装置の構造要素を通りぬけて設けることが出来るからである。
【0017】
本発明に係るトランスミッション装置の構造上簡単かつコスト面で有利な改良形においては、電気的コンポーネントが、ポンプ装置を駆動する電気的機械を有している。これらは、更に有利な実施形において、電気的コンポーネントを、より少ないエネルギー消費およびより少ない設置空間要求ならびにより低いエネルギー要求で運転することができるように、トランスミッション設備を介して互いに接続されている。
【0018】
本発明に係るトランスミッション装置の同様に構造上簡単でコスト面でも有利な実施形は、ポンプ装置によって形成されており、このポンプ装置は、ピストン要素室内で軸方向に摺動可能な少なくとも一つのピストン要素を備えている。このピストン要素は、駆動力変換装置によって、接続要素のための作動圧力を提供する状況で作動可能である。駆動力変換装置の領域中では、電気的機械の回転駆動力が、ピストン要素の変換的駆動動作へと変換される。
【0019】
駆動力変換装置のコスト面で有利に製造可能であり、および設置空間も少ない実施形は、スピンドル・ナット構造を有している。
【0020】
アクチュエータ技術の電気的コンポーネントの熱的負荷を防止するために、本発明に係るトランスミッション装置の有利な実施形においては、少なくとも電気的コンポーネントと接続要素の間に、熱隔離装置が設けられている。
【0021】
本発明の更なる利点および有利な改良形は、特許請求の範囲の記載および図面に基づいて原則を記載した実施例より生じる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】発明に従うトランスミッション装置の部分長手方向断面図
【図2】図1のトランスミッション装置の簡略横断方向断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、トランスミッション入力側に設けられるデュアルクラッチ装置2を有する、説明されたトランスミッション装置1が部分断面図でもって表されている。デュアルクラッチ装置2は、第一の摩擦結合的な接続要素3と第二の摩擦結合的な接続要素4を有している。これらは電気的コンポーネント5を備えるアクエチュエータ技術6を介して、後に記載する形式および方式で作動可能である。
【0024】
内燃機関のトルクを、トランスミッション装置1の第一または第二の各エネルギー経路を介してトランスミッション入力からトランスミッション出口の方へと導くことができるように、詳細には図示されていない車両ドライブトレインの内燃機関のクランク軸28は、デュアルクラッチ技術2によって、第一のトランスミッション入力軸29または第二のトランスミッション入力軸30と交互に相互作用関係にもたらすことができる。内燃機関の回転整合性を減少するために、クランク軸28とトランスミッション軸7の間には、ねじれ振動緩衝装置31が設けられている。
【0025】
この場合に、電気的コンポーネント5は、二つの電気的機械5A,5Bを有しており、これらは、トランスミッション軸7によって回転不能に接続されており、運転中はトランスミッション軸7の回転数で回転し、および電気的な伝達装置8を介してトランスミッション装置1の別のコンポーネントと相互作用関係にある。つまり、好ましくはハウジングに固定されて設けられるトランスミッション装置1の部材、およびトランスミッション軸7に回転不能に接続される電気的機械5A,5Bの間のエネルギー伝達および制御信号伝達またはデータ伝達は、この場合、誘導に基づいて働く伝達装置8によって行われる。
【0026】
誘導的な伝達装置8を介して、電気的機械5Aおよび5Bの駆動に必要な駆動エネルギーも、必要な制御信号も、つまり目標値および現状値が、ハウジングに固定されたトランスミッション装置1の部材と、および好ましくはトランスミッション装置1の回転可能な別のトランスミッション要素と、非接触式に双方向で交換可能である。
【0027】
回転伝達部を意味する伝達装置8は、この場合、少ない設置空間でデュアルクラッチ装置2の内部に設けられる。その上、ハウジングに固定された、伝達装置8の部材8Aは、延長要素37を介して、ハウジングに固定された部材38内に支承されており、この部材の他方の端部が、支承装置39を介してデュアルクラッチ装置2内に支承されている。まず、延長要素37はセントラルホール40を有して形成され、このセントラルホール内では、詳細には図示されていない電気的接続線が、伝達装置8と電源系および制御装置の間に案内可能である。
【0028】
デュアルクラッチ装置2は、別の支承装置41を介してトランスミッション入力軸30に支承されるか、または図には詳細に表されていないトランスミッション装置の実施形においては、ハウジングに固定された部材に支承されている。追加的に、デュアルクラッチ装置は、図においては簡略的にのみ表されたパイロット支承部42によってクランク軸28に支承されている。
【0029】
図では詳細に表されていないトランスミッション装置の別の実施形においては、デュアルクラッチ装置の接続要素の作動は、各補正ばねによって補助されており、および接続要素は、ドライクラッチまたはオイル冷却クラッチとして形成される。その上、接続要素は、圧力の無い状態で、つまり作動圧力がゼロの状態で、接続要素が完全に開いているかまたは完全に閉じているよう、それぞれ設けられるという可能性が存在する。
【0030】
制御信号の誘導的な伝達の代替として、トランスミッション装置1の別の実施形では、制御信号が、容量性、光学式、または他の非接触の伝達路によって、トランスミッション装置7とともに回転するアクチュエータ技術の電気的コンポーネントと、ハウジングに固定されたトランスミッション装置1の部材、及び/又はアクチュエータ技術の電気的コンポーネントに対して回転数差を有して回転する、トランスミッション装置1の部材の間で伝達される。
【0031】
図2は、図1のトランスミッション装置1を、極めて簡略的に表した部分断面図である。これは、基本的に、アクチュエータ技術6のいくつかの構造要素のみを極めて簡略的に表している。図2からは、アクチュエータ技術6が、基本的に同一の二つの部分領域を有し、これらがそれぞれ、電気的機械5Aおよび5Bとポンプ装置9A,9Bを有し、これらが同様にトランスミッション軸7と回転不能に接続されていることがわかる。電気的機械5A,5Bおよびポンプ装置9Aおよび9Bの隣には、アクチュエータ技術の同じ構造の部材が、それぞれ、液圧フルードリザーバー10A,10Bおよび電気的機械5A,5Bに付設されており、およびトランスミッション軸7と回転不能に接続される電子モジュール11Aおよび11Bを形成する。
【0032】
アクチュエータ技術6は、この場合、ハウジングに固定されたエネルギー源から、つまり車両の電源系から、伝達装置8を介して電気的エネルギーを非接触式に供給される。追加的に、電子モジュール11Aおよび11Bが、デュアルクラッチ装置2の運転状態に応じた作動のために、電気的伝達装置8を介して制御装置(この場合トランスミッション装置1のトランスミッション制御装置)から、制御データおよび調整データを供給される。その際、データ交換は、双方向で、つまりアクチュエータ技術から出発して制御装置の方向へも行われる。
【0033】
電気的機械5A,5Bは、エンジン出力軸12A,12Bによって電気的機械5A,5Bに接続される歯車13A,13B(これら歯車はそれぞれポンプ歯車14A,14Bともかみ合っている)を介して、ポンプ装置9A,9Bと相互作用している。その際、歯車13A,13Bおよびポンプ歯車14A,14Bは、電気的機械5A,5Bおよびポンプ装置9A,9Bの間の各トランスミッション設備を意味する。
【0034】
ポンプ装置9A,9Bは、それぞれ、ピストン要素室17内で軸方向に摺動可能なピストン要素18A、18Bを備えており、これらはそれぞれ、図1においては詳細に表されている駆動力変換装置19に相当する駆動力変換装置19によって、接続要素3または接続要素4のための作動圧力を提供する状況で作動可能である。その際、駆動力変換装置19のうちの一つの領域中において、電気的機械5Aおよび5Bの各回転駆動力が、それぞれ、ピストン要素18Aまたはピストン要素18Bの変換的な駆動動作へと変換可能である。
【0035】
駆動力変換装置19は、この場合、スピンドル・ナット構造として形成され、その際、ポンプ歯車14A,14Bは、ピストン要素18A,18Bの内部でこれと同軸に設けられるスピンドル21とそれぞれ回転不能に接続される。ピストン要素18Aおよび18Bは、ポンプ装置9Aおよび9Bのスピンドル・ナット構造の各ナットを表している。スピンドル・ナット構造のセルフロック式のデザインによって、摩擦クラッチを電流無しで所定の伝達可能トルクに保持することが可能である。
【0036】
図においては、駆動力伝達装置19は、単にアクチュエータ技術6の、電気的機械5Aを有する部材のスピンドル21を意味しており、よって以下のアクチュエータ技術6の機能の説明においては、基本的にアクチュエータ駆動力変換装置19を有する、アクチュエータ技術の部材が指される。
【0037】
駆動力変換装置19のスピンドル21は、電気的機械5Aの回転駆動力が、ピストン要素室17の容量を小さくする第一の回転方向、およびこれと対向する、ピストン要素室17の容量を大きくする電気的機械5の第二の回転方向へと案内されるよう、ねじ山22を介してピストン要素18Aと相互作用する。ポンプ装置19Aのピストン要素室17は、この場合、デュアルクラッチ装置1の接続要素3のピストン圧力室と接続されている。同時に、第二の接続要素4を第一の接続要素3と同様の形式および方式で作動させることができるように、図には詳細に表されていないポンプ装置9Bのピストン要素室も、接続要素4のピストン圧力室24と接続されている。
【0038】
ポンプ装置9Aのピストン要素室17の縮小の際、またはポンプ装置9Bのピストン要素室の容量減少の際には、接続要素3または4のピストン圧力室23または24内の各圧力が高められる。これによって接続要素3および4の伝達能力は、接続要素3および4を介して基本的にトルクが案内されない完全に開かれた運転状態と、関係する各トルクが、トルク限界まで完全に伝達可能である、完全に閉じられた運転状態の間で望ましい状況に無段階に変更可能である。
【0039】
接続要素3,4の作動ピストン25,26の間には、一つの共通な圧力バランス室27が設けられている。この圧力バランス室は、ポンプ装置9A,9Bのピストン要素室17の隣で、液圧フルードリザーバー10A,10Bと接続されており、ピストン圧力室23または24から圧力バランス室27の方向へのリーク流に基づく圧力上昇であって、接続要素3または接続要素4の機能を損なう圧力上昇を簡単な形式および方式で防止する。
【0040】
デュアルクラッチ装置2は、セントラルプレート32を有して形成されており、このセントラルプレートは、第一の接続要素3および第二の接続要素4のためのストッパー要素を意味する。第一の接続要素3の作動ピストン25は、第一の接続要素の押圧プレート33と相互作用しており、およびピストン圧力室23内の適切な圧力で、押圧プレート33とセントラルプレート32の間に設けられる、第一の接続要素のライニングディスク34をセントラルプレート32に対して押さえつけ、第一の接続要素33の伝達能力を、トランスミッション装置1の存在する各運転状態に応じて、および対応する制御装置側の設定に応じて調節する。
【0041】
第二の接続要素4の作動ピストン26は、第二の接続要素4のピストン圧力室24内の適当な作動圧力において、相応する押圧力を押圧プレートに及ぼす。この押圧プレートは、セントラルプレート32と押圧プレート35の間に設けられる、第二の接続要素4のライニングディスク36をセントラルプレート32に対して押さえつけ、要求される各伝達能力を有する接続要素4を表す。
【0042】
第一の接続要素3も第二の接続要素4も関係する各作動力に応じて、またはこれと同等の作動値に応じて調整して作動される。その際、各関係する作動力を検出するために、それぞれ力センサーまたは圧力センサーが、アクチュエータ技術6の作動チェーンの中に設けられている。
【0043】
アクチュエータ技術のポンプ装置9Aおよび9Bのピストン要素室17は、ピストン要素室17の圧力の無い各運転状態において、液圧フルードが、液圧フルードリザーバー10A,10Bから、ピストン作動室17に流れ込むことが出来るように、付設される液圧フルードリザーバー10Aおよび10Bとそれぞれ接続される。
【0044】
本発明に係るトランスミッション装置は、ハウジングに固定された構造要素から回転する構造要素へのエネルギー伝達が、基本的にスリップモーメントや磨耗無く実施可能であるというメリットを有する。更に、本発明に係るトランスミッション装置は、コンパクトな構造を有する。というのは、接続要素の作動のために設けられるアクチュエータ技術が、接続要素自体の中、または接続要素が設けられるトランスミッション軸の中に統合されているからである。この実施形は、接続要素が、軸方向力無く外から内へと表すことを可能とする。
【0045】
更に、少ない設置空間でかつ構造上も簡単に実装される本発明に係るトランスミッション装置は、実践において公知の各トランスミッション装置に比較して、より良好な効率で運転可能である。これは特に、アクチュエータ技術が、一または複数の接続要素の作動の間のみ、エネルギーを供給されなければならないという結果を生む。アクチュエータ技術を介して調整された一または複数の接続要素の伝達能力を維持するために、基本的にエネルギーは費やされない。というのは、アクチュエータ技術の液圧的作動経路は、一つの閉じられたシステムを表しており、このシステムは、運転中にエネルギー効率のよい、いわゆるオンデマンドのエネルギー消費のみを必要としているからである。
【符号の説明】
【0046】
1 トランスミッション装置
2 デュアルクラッチ装置
3 摩擦結合的な第一の接続要素
4 摩擦結合的な第二の接続要素
5 アクチュエータ技術の電気的コンポーネント
5A, 5B 電気的機械
6 アクチュエータ技術
7 トランスミッション軸
8 電気的伝達装置
8A ハウジングに固定された、伝達装置の部材
9A, B ポンプ装置
10A, B 液圧フルードリザーバー
11A, B 電子モジュール
12A, B 電気的機械のエンジン出力軸
13A, B 歯車
14A, B ポンプ歯車
15, 16 トランスミッション設備
17 ピストン要素室
18A, B ピストン要素
19 駆動力変換装置、スピンドル・ナット構造
21 スピンドル
22 ねじ山
23, 24 ピストン圧力室
25, 26 作動ピストン
27 圧力バランス室
28 クランク軸
29 第一のトランスミッション入力軸
30 第二のトランスミッション入力軸
31 ねじれ振動緩衝装置
32 セントラルプレート
33 第一の接続要素の押圧プレート
34 第二の接続要素のライニングディスク
35 第二の接続要素の押圧プレート
36 第二の接続要素ライニングディスク
37 延長要素
38 ハウジングに固定された部材
39 支承装置
40 セントラルホール
41 別の支承装置
42 パイロット支承部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電気的コンポーネント(5)を備えるアクチュエータ技術(6)によって作動可能な少なくとも一つの接続要素(3,4)を有するトランスミッション装置(1)であって、その際、電気的コンポーネント(5)がトランスミッション軸(7)と接続され、運転中にトランスミッション軸(7)の回転数で回転し、および電気的伝達装置(8)によってトランスミッション装置(1)の別のコンポーネントと相互作用関係にあり、およびその際、トランスミッション装置(1)のコンポーネント、および、トランスミッション軸(7)と接続される少なくとも一つの電気的コンポーネント(5)の間で、少なくとも電気的エネルギーが、伝達装置(8)によって誘導的に交換可能であるトランスミッション装置(1)において、
電気的コンポーネント(5)によって、接続要素(3,4)を作動させるための液圧的作動圧力が発生可能であることを特徴とするトランスミッション装置。
【請求項2】
別のコンポーネントがハウジングに固定されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション装置。
【請求項3】
電気的コンポーネント(5)が、ポンプ装置(9A,9B)を駆動する電気的機械(5A,5B)を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のトランスミッション装置。
【請求項4】
ポンプ装置(9A,9B)が、トランスミッション設備(15,16)によって、電気的機械(5A,5B)と接続されていることを特徴とする請求項3に記載のトランスミッション装置。
【請求項5】
ポンプ装置(9A,9B)が、ピストン要素室(17)内で軸方向に摺動可能なピストン要素(18A,18B)を備え、このピストン要素が、駆動力変換装置(19)によって、接続要素(3,4)のための作動圧力を供給する状況で作動可能であり、前記駆動力変換装置の領域において、電気的機械(5A,5B)の回転駆動力が、ピストン要素(18A,18B)の変換的駆動動作へと変換可能であることを特徴とする請求項3または4に記載のトランスミッション装置。
【請求項6】
駆動力変換装置(19)がスピンドル・ナット構造として形成されていることを特徴とする請求項5に記載のトランスミッション装置。
【請求項7】
接続要素(3,4)のピストン圧力室(23,24)が、作動圧力でもって付勢可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。
【請求項8】
アクチュエータ技術(6)が、液圧フルードリザーバー(10A,10B)を備えており、このフルードリザーバーは、ピストン要素室(17)が少なくとも圧力を有さない運転状態の近傍にあるとき、ピストン要素室(17)と相互作用関係にもたらされることが可能であることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。
【請求項9】
液圧フルードリザーバー(10A,10B)が、接続要素(3,4)の圧力バランス室(27)と相互作用関係にもたらされることが可能であることを特徴とする請求項8に記載のトランスミッション装置。
【請求項10】
圧力バランス室(10A,10B)が、別の接続要素(3,4)に付設されていることを特徴とする請求項9に記載のトランスミッション装置。
【請求項11】
アクチュエータ技術が、力センサーまたは圧力センサーによって形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。
【請求項12】
伝達装置(8)が、接続要素(3,4)の内部に設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。
【請求項13】
別のコンポーネントと電気的コンポーネント(5)の間のデータの伝達が、誘導的に、容量性に、または光学的に行われることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。
【請求項14】
少なくとも電気的コンポーネントと接続要素の間に、熱隔離装置が設けられていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のトランスミッション装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−522949(P2012−522949A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503970(P2012−503970)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054182
【国際公開番号】WO2010/115772
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】