説明

アクチュエータ機構及びシャッター機構

【課題】アクチュエータ機構及びシャッター機構を提供する。
【解決手段】一例では、アクチュエータ機構は、磁界を確立するための1つ又はそれよりも多くのコイル(4)と、磁界に依存する少なくとも1つの限界位置を有する回転永久磁石(8)と、永久磁石(8)に連結され、かつアクチュエータ機構に連結された部材を駆動する駆動部材(10)とを含む。別の例では、アクチュエータ機構は、加熱された時に収縮する形状記憶合金で作られた1つ又はそれよりも多くのワイヤ(104)と、ワイヤ(104)に連結され、かつアクチュエータ機構に接続された部材を駆動する駆動部材(113)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ機構に関し、これは、アクチュエータを含み、この手段により、機構自体の適切な動き又はアクチュエータ機構に結合された他の機構の適切な動きが達成される。本発明は、シャッター機構に関し、これは、アクチュエータ機構に適用され、かつ特定の例によれば、望ましい対象物を保護するために使用される。本発明はまた、光学器械又は何らかの他の対象物を保護するシャッター機構にも関する。本発明は、同じく光学器械を備えた電子装置、特に携帯電話のような移動端末のためのシャッター機構に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、カメラの光学器械及びレンズが、例えば、環境条件又は機械的影響に対する保護を必要とする移動端末、例えば、携帯電話に置かれている。レンズの汚れ又は損傷により画像品質が低下しないように、これらの影響に対して保護することが必要である。端末は、多くの場合に、手動的に移動可能なカバー又はシールドを備えているが、それらのサイズは、多くの場合に過度に大きくて、端末の構成及び設計を制限する。
【0003】
更に、従来のカメラにおいては、装置のスイッチが投入された時、又はそれが使用される時に作動する電気的又は機械的シャッター構成を使用することが公知である。カメラにおいては、シャッター構成の作動は、多くの場合にカメラのズーム装置の作動と連結され、その場合、光学器械の動きもシールドを開放する。
従来技術による装置は、使用法が面倒であるか、又はそれらのサイズが大き過ぎるので、通話特性とカメラ機能とを含む例えば携帯電話又は同様な携帯装置に使用するには適さない。装置の小さなサイズ、利用可能性、及び設計態様は、機能的なシャッター構成の構造を大いに制限する。従来のカメラに使用されている機構は、多くの場合に光学器械内に可動部がないので、携帯電話にも適さない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、例えば、移動端末の光学器械を保護する際に使用するのに十分なほど小さいシャッター機構に対する構成を定めることである。
本発明の構成は、薄く小型であり、装置に統合することができる。構成の一例によれば、それは、保護される開口の周りに、例えばリングの形状に構成され、この場合、保護すべき光学器械、つまり保護を必要とするレンズ又は他の対象物は、開口部に置かれる。この構成の様々な部品は、薄くて直径の小さな構造を可能にする方法で配置される。
【0005】
更に、本発明の目的は、シャッター機構の構成に適用することができるアクチュエータ機構を定めることである。アクチュエータ機構の目的は、例えばシャッター機構のためのより安定な制御された位置の1つを達成することである。アクチュエータ機構が安定位置を提供する時、例えば手動的な手又は指による又は振動による、例えば偶発的又は意図的なシャッター機構の動きは、望ましい程度まで防止される。更に、目的は、例えば給電が停止した状況において、この構成が移動する先の安定位置を提供することである。それらの安定位置により、例えばシャッター機構の作動は、正確であり、シャッター機構は、光学器械の前で部分的に動かない。本発明の目的は、機構を望ましい位置に係止することである。
【0006】
本発明の目的は、作動が正確であり、言い換えると、機構によって保護される手段が、すべて保護すべき対象物の上にあるか、又はそれから完全に離れているようなアクチュエータ機構及びシャッター機構を達成することである。更に、本発明の目的は、例えば手動的影響にも関わらず、正確に作動する機構である。更に、本発明の目的は、手動的な移動を許すが、必要に応じてその所定の限界位置にも留まる機構である。本発明の目的は、装置を制動することなく係止の手動的な使用及び開放を可能にすることであり、この場合、機構は、それが位置の変化に抵抗するが、有効な力が十分である場合はその変化を最終的に許すような方法で構成される。他方、本発明の目的は、例えばシャッターブレードの位置が手動的に変えられたとしても、その電気的作動が乱されず、かつ正常作動に復帰することができる構成である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態によるアクチュエータ機構及びこれを組み込んだシャッター機構を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態によるシャッター機構を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態によるシャッター機構を示す図である。
【図4a】本発明の第2の実施形態によるアクチュエータ機構を示す図である。
【図4b】本発明の第3の実施形態によるアクチュエータ機構を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態によるアクチュエータ機構及びこれを組み込んだシャッター機構を示す図である。
【図6】アクチュエータ機構及びこれを組み込んだシャッター機構の第1の安定位置を示す図である。
【図7】アクチュエータ機構及びこれを組み込んだシャッター機構の第2の安定位置を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施形態によるアクチュエータ機構を示す図である。
【図9】本発明の第6の実施形態によるアクチュエータ機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び5は、アクチュエータ機構を示している。アクチュエータ機構は、電子装置、好ましくは、カメラのレンズを保護するために使用される。カメラのレンズは、例えば、セルラーシステムに基づく携帯電話ネットワーク内で作動する携帯電話つまり移動式電話に取り付けることができる。
図1を参照すると、参照符号8は、永久磁石を示している。永久磁石8は、薄い円板であり、静止磁界を形成し、円板の異なる端部に置かれた2つの磁極(N極、S極)を含むようなものとして公知である。参照符号9は、永久磁石8の中心にある中心ピンを示しており、参照符号10は、永久磁石8内にある駆動ピンを示している。永久磁石8は、中心ピン9によって規定される回転軸の周りで回転する。駆動ピン10は、永久磁石8に取り付けられて、永久磁石8と共に回転する。駆動ピン10は、永久磁石8に取り付けられ、かつアクチュエータ機構に取り付けられた他の部品を移動させる駆動部材の一例である。駆動部材のより詳細な構成は、必要に応じて広範に変えることができる。
【0009】
参照符号4は、コイルを示しており、参照符号6は、コイル4によって確立される固定子を示している。図1の例においては、固定子6は、2つの相反する端部を有するリング状の閉磁路を形成する。永久磁石8は、固定子6の相反する端部間に置かれ、固定子6の各端部と永久磁石8の間の間隙によって隔てられる。参照符号15は、閉鎖されたつまり保護された開口を示しており、この開口は、固定子6の中心に置かれている。固定子6は、薄いプレートであり、その周りにコイル4が巻き付けられる。テーパ部分16が、固定子6内に切り込まれ、その幅が固定子6の幅を超えないように、かつ必要に応じてサイズを最小にするために、この切込み内にコイル4が収まる。コイル4は、磁路の観点から最適などこか他の場所に置くことができる。代替的に、コイルは、固定子の断面が最大である区域つまり永久磁石8に近い区域内に置かれる。できるだけ小さな固定子を目的とすることにより、この機構の重量を最適化すること、及びこの構成を軽量化することができる。アクチュエータ機構は、一定の半径を有する実質的に円形で薄い構成を形成する。閉鎖可能な開口15は、アクチュエータ機構の中心に置かれる。
【0010】
端子20及び21によって電流が供給される時、固定子6が確立され、その結果、永久磁石8及び駆動ピン10が所定の角度まで回転する。固定子6が確立された時、それは、固定子6の異なる端部に配置された2つの磁極(N極、S極)を含む磁界を形成する。磁界の方向とS及びN極の位置は、電流がコイル4に対して結合される方法、及び電流の方向に依存する。電流は、コイル4に対して2つの方式で接続することができ、この場合、2つの異なる方向の磁界が作り出され、かつ磁極の位置が変わる。固定子6と永久磁石8のS極(又はN極)が互いに隣接する場合には、それらは反撥し、従って、永久磁石8は、駆動ピン10を回転させることにより固定子6のS極が永久磁石8のN極と互いに隣接するように、中心ピン9の周りで回転する傾向がある。固定子6のS極と永久磁石8のN極は、互いに吸引し合う。固定子6は、例えば、強磁性体で作られ、これは、永久磁石8の磁界の影響により磁化される。強磁性体固定子6と永久磁石8の磁気相互作用の結果、給電が終了した時、永久磁石は、1つ又はそれよりも多くの安定位置を有する。この例においては、固定子6の磁界が永久磁石8を望ましい位置に留めておくので、シャッターブレード2の位置は、給電が終了した時でも安定している。
【0011】
参照符号2は、シャッターブレードを示しており、参照符号3は、シャッターブレード2内のピンを示している。シャッターブレード2は、ピン3によって規定される回転軸の周りで回転する。ピン3は、シャッターブレード2に取り付けられる。ピン3は、固定子6の開口内に収まり、開口内で回転可能である。ピン3の周りにはワッシャ11があり、このワッシャは、シャッターブレード2と固定子6の間に置かれる。ピン3は、ロックワッシャ12によってその定位置に係止され、このロックワッシャ12は、ピン3を係止して固定子6に着座する。ワッシャ11とロックワッシャ12は、固定子6の相反する側面上に着座する。
【0012】
参照符号7は、ベースプレートを示している。ベースプレート7は、固定子6の隣に置かれ、かつ開口15を閉鎖しない。ベースプレート7は、位置決めピンを備えており、この位置決めピンは、固定子6の孔内に収まる。ベースプレート7内にはワッシャ12の位置に開口があって、ロックワッシャ12が固定子6に隣接してこの開口内に着座する。ベースプレート7は、コイル4が存在している固定子6の区域まで広がることはなく、かつそれは、コイル4に隣接して着座しないので、アクチュエータ機構の厚みが増大することはない。ベースプレート7は、永久磁石8に隣接するまで広がり、その中に空所が形成され、永久磁石8は、この空所内で回転することができる。中心ピン9は、ワッシャ12内の開口まで延びている。
【0013】
永久磁石8は、磁石ホルダ1によってその定位置に閉じ込められる。永久磁石8は、ベースプレート7と磁石ホルダ1の間に着座する。磁石ホルダ1は、固定子6に取り付けられる。磁石ホルダ1は、位置決めピンを備えており、これが固定子6の孔内に収まる。中心ピン9は、磁石ホルダ1内の開口まで延びている。磁石ホルダ1は、コイル4が存在している固定子6の区域までは広がらない。磁石ホルダ1と駆動ピン10は、固定子6の同じ側面上に置かれ、磁石ホルダ1は、駆動ピン10の円弧状の動きを可能にする。磁石ホルダ1は、駆動ピン10の動きに対応する扇形開口を形成する。一例においては、扇形開口の縁部は、駆動ピン10の許された動きの限界点を規定して、永久磁石8を停止させる。この例では、磁石ホルダ1は、扇形開口を形成し、その角度は、中心ピンを中点として120°である。
【0014】
図4aによれば、ピン3は、中心ピン9及び扇形開口の中心線を通る線19上に置かれている。この中心線は、扇形開口を2つの等しい扇形(角度α1及びα2)に、つまりこの例では、2つの60°扇形に分割する。これらの角度は、選択された幾何学形状に応じて異なってもよい。この例では、角度αkは、16.8度であり、かつ距離hは、8mmである。駆動ピン10は、上述の中心線を横切ることにより中心ピン9とピン3との間で動く。シャッターブレード2と長い開口18は、中心ピン9とピン3との間で動く。シャッターブレード2内には、中心ピン9が滑り込む長い開口18がある。永久磁石8が回転すると、駆動ピン10は、長い開口18に沿って摺り、シャッターブレード2をピン3の周りで回転させる。この例では、長い開口18は、その一端で開いてフォークを形成しており、このフォークの幅は、駆動ピン10の幅に対応している。長い開口18の長さは、永久磁石8が1つの限界位置から別の限界位置まで動くことを可能にする。
【0015】
ピン3つまりシャッターブレード2の回転中心は、この構成の小型化又はこの機構の作動の観点により、それぞれの場合に最も適する他の地点に置くことができる。シャッターブレード2のサイズ及び望ましい移動経路は、駆動ピン10、開口18、及びピン3がそこに置かれる幾何学形状を限定する。ピン3は、最適化の観点から必要である場合には、固定子6以外の部品、例えば、ベースプレート7に取り付けることができる。
【0016】
図4bは、別の実施形態を示しており、これは、図4aの例と同様に作動するが、駆動ピン10が中心ピン9に対して永久磁石8の反対側で線19を超えて移動する。従って、フォークが中心ピン9を横切る。シャッターブレード2の形態は、ピン3が固定される位置、並びに中心ピン9の位置に応じて変化する。好ましくは、シャッターブレード2は、ピン3においてある一定の角度を形成し、この場合、ピン3が永久磁石8と開口15との間ではなく、永久磁石8の隣に置かれるので、構造は、より小さく作られる。図4bは、シャッターブレード2の代替的構造を示しており、開口18は、図4aにおけるように付加的分岐内ではなく、シャッターブレード2のフレーム内に置かれる。
【0017】
図1においては、シャッターブレード2は、永久磁石8の1つの限界位置において開口15を覆い、かつ永久磁石8の別の限界位置において開口15から離れる方向へ移動される。シャッターブレード2は、固定子6の隣に置かれるが、固定子6及びシャッターブレード2間には、それに沿ってシャッターブレード2が容易に摺る滑り台5がある。滑り台5は、固定子6に取り付けられる。この例においては、滑り台5は、摩擦の小さなプラスチック材料から成る。マスキングテープ13がベースプレート7及びコイル4上に取り付けられ、このテープは、リングのような形状に作られて開口15を自由にしておく。
【0018】
図2は、組み立てられた図1のアクチュエータ機構を示しており、そのシャッターブレード2は、その第1の限界位置にあって開口15を覆っている。図3は、アクチュエータ機構を示しており、シャッターブレード2は、第2の限界位置にあって、開口15を露出している。図2は、図1に示すリミットスイッチ14を含まない例を示しており、図3は、コイル4がいくつかの部分に分割された固定子6を示している。リミットスイッチ14は、固定子6に取り付けられる。リミットスイッチ14は、シャッターブレード2がその限界位置にある時にシャッターブレード2が1つのリミットスイッチ14を作動させ、かつ別のリミットスイッチを解放するように配置される。
【0019】
図3によれば、アクチュエータ機構は、1つ又はそれよりも多くのコイル4で構成することができ、同様に固定子6は、1つ又はそれよりも多くの部分から形成することができる。固定子6の各部分は、異なるコイル4の内側において永久磁石8に対して適切な位置に置くことができる。2つの端部を含む図1に示す固定子6は、2つの別々の部分で形成することができ、図1によれば、これら2つの部分は、永久磁石8の異なる側に置かれる。固定子6は、その内側に永久磁石8が置かれる形状17を有する。図1の固定子6は、2つ又はそれよりも多くの円弧状部分を互いに結合することによって作ることができる。形状17は、固定子6の磁極片として働き、この磁極片の形状は、形状17がその近くに置かれている永久磁石8の形状に対応している。この例では、固定子の断面は、磁極片において最大である。磁極片により、磁界は、固定子6の他の部分へと案内される。この例では、固定子6は、2つの磁極片、すなわち、固定子6の端部を含み、それらの間にいわゆるヨークと呼ばれる固定子6の残りの部分がある。固定子6の材料、サイズ、及び構造、永久磁石8と固定子6の間のエアスロット、磁極片の形状17及びそのサイズは、磁界の機能性の観点から最適化される。固定子は、磁極片において、例えば、ヨークのような固定子の残りの部分よりも厚く及び/又は広くすることができる。従って、特に磁束の密度及び材料の飽和が考慮に入れられる。
【0020】
図4を参照すると、中心ピン9、駆動ピン10、及びピン3の相互の位置も、手動的又は機械的影響を受けた場合にシャッターブレード2が如何に良くその位置に留まるかということに関して影響を有する。シャッターブレード2が、例えば指により手動的に動かされた場合又は振動による影響を受けた場合ですら、機械的な力、摩擦力、又は磁界の力がシャッターブレード2を定位置に保つことが重要である。摩擦力は、駆動ピン10と長い開口18との間で作用し、これらの摩擦力は、シャッターブレード2の回転及び長い開口18に沿った駆動ピン10の動きに抵抗する。更に、形状寸法の影響により、角度αkが小さければ小さいほど、シャッターブレード2を手動的に移動させるのに要する力は大きくなる。シャッターブレード2の限界位置の機械的係止は、中心ピン9、駆動ピン10、及びピン3が直角三角形を形成する状態、つまり角度αkが0°である状態で達成される。しかし、シャッターブレード2は、大きな力により構成が壊れることなく手動的に開放可能でなくてはならず、従って、角度αkは、0°よりも大きく、この例では、16−17°、より正確には16.8°である。角度αkは、開放するための機械的力をどれほど大きく規制することが望ましいかに応じて、適切に決定される。開放力は、シャッターブレードが磁力又はアクチュエータ機構の他の構成によって同時に影響を受けるか否かによっても影響される。
【0021】
唯1つ又は更に4つのコイルも磁界を確立するのに十分であり、これらのコイルは、永久磁石8がコイル4の磁界内にあるように、永久磁石8に対する適切な位置に置かれる。コイルを永久磁石8の近くに置くことが有利であり、かつ固定子6が使用され、固定子のサイズ及び構造が変化する場合にも、その直ぐ近くに置くことが有利である。固定子内の強磁性体材料の量は、コイルを永久磁石の近くに置くことによって最小にすることができる。コイル4に電流が供給される時、永久磁石8は、磁界の影響により望ましい位置へと回転し、これと同時にシャッターブレード2の位置を案内する。長い開口18と駆動ピン10の相互位置及び摩擦力は、電流がコイル4に供給されていない時及び磁界が存在していない時に、シャッターブレード2がどれほど良く異なる位置に留まるかを決める。これは、特に角度αkによって影響を受ける。
【0022】
永久磁石8は、機械的ブレーキ22によっても影響を受け、図4bによれば、この機械的ブレーキ22は、調節可能であり、永久磁石8の手動回転に抵抗する。ブレーキ22及び永久磁石8間の摩擦は、永久磁石8を回転させるのに要する力を形成する。この力は、例えば、所望時に永久磁石8を回転させる磁界によって生じる力よりも小さい。永久磁石8は、ブレーキ22により図2及び3に示すシャッター機構に抵抗する2つの安定位置を備えている。
【0023】
代替的に又はブレーキ22に加えて、駆動ピン10が長い開口18内で如何に容易に動くかに影響を及ぼすことができる。これは、駆動ピン10の材料及びパターン、及び開口18の表面によって影響を受けるが、開口18に1つ又はそれよりも多くの可撓性拘束器23を置くことも可能であり、これらの拘束器は、例えば、バネによって作られる。駆動ピン10を移動させる力、例えば、磁界によって引き起こされる力が十分に大きい場合には、拘束器23は、反対力を生じて撓む。他方、拘束器23は、その位置へと戻ろうとし、かつ駆動ピン10と同時に永久磁石8を望ましい位置、例えば、図2及び3の位置に維持する。拘束器23により、永久磁石8に、2つの安定位置つまりシャッターブレードの開放及び閉鎖位置を提供する。
【0024】
図4bは、一例としてバネ24をも示しており、このバネ24によって永久磁石8に1つの安定位置が提供され、永久磁石8は、コイル4に対する給電が停止した時この安定位置へと動く。バネ24は、磁界の影響により永久磁石8がそこから移動される出発位置へと永久磁石8を引き戻す。これは、例えば、シャッターブレード2の閉鎖位置である。バネ24又は拘束器23が使用される場合には、磁界を常時維持しておくことは必須要件ではない。
【0025】
シャッターブレード2は、好ましくは、カメラ内又は他の小型電子装置、特にカメラ機能を備えた電話機内にあるレンズのための可動保護として作動する。シャッターブレード2は、例えば、シャッターブレード2の背後で開口15に置かれたレンズの表面に対して機械的対象物及び影響がそれらの影響を及ぼすことができないように、開口15を遮蔽する。開口15を閉じるためのシャッターブレードの第1の限界位置は、強く安定な位置として定めることができ、かつ開口15を開放するためのシャッターブレードの第2の限界位置は、弱く安定な位置として定めることができる。シャッターブレードに影響する諸々の力は、シャッターブレードを開放するよりもそれを閉じる方が容易であるように構成される。これらの力は、この機構のブレーキ、バネ、拘束器、その他の機能に関連している。
【0026】
図5は、形状記憶合金を利用したアクチュエータ機構を示している。ワイヤ104は、温まると収縮する形状記憶合金で作られる。ワイヤ104は、これに電流を流すことによって温まる。形状記憶合金は、それ自体公知であり、かつそれらは、ワイヤ104の形状に作ることができる。このワイヤは、リングの形に置かれ、かつフレーム101をほぼ2回取り囲むほどの長さである。リング状構造は、特に有用であるが、リングの曲げが不要に摩擦を増してワイヤ104の動きを阻害しないことが保証される限り、他の形状も使用することができる。また、長円及び楕円形状も可能である。ワイヤ104の両端は、適切な地点からバネ107及び108に取り付けられ、これらのバネは、フレーム101に取り付けられる。バネ107及び108は、ワイヤ104を緊張させ、かつリングの方向へのワイヤ104の両端の動きを可能にする。フレーム101は、2つの端部を含む開放リングのような形状に作られ、これらの端部間にシャッターブレード103が置かれる。フレーム101の両端内にはスロットがあって、バネ107及び108は、これらのスロットに置かれる。フレーム101内にはバネ107及び108のための空洞があって、バネ107及び108は、この空洞内でフレーム101と共に動くことができる。ワイヤ104の第1の部分104aは、バネ108からワイヤホルダ113まで延びて、フレーム101内で開口116及びシャッターブレード103の周りのほぼ全体を取り囲む。ワイヤ104の第2の部分104bは、バネ107からワイヤホルダ113まで延びて、フレーム101内で開口116及びシャッターブレード103の周りのほぼ全体を取り囲む。ワイヤホルダ113は、ワイヤ104に取り付けられ、従って、ワイヤ104の動きは、ワイヤホルダ113をも移動し、ワイヤホルダ113は、その中央点が支持ピン110である円弧の形状に移動する。ワイヤホルダ113は、ワイヤに取り付けられ、かつアクチュエータ機構に取り付けられた他の部材を移動させる駆動部材の一例である。駆動部材のより詳細な構成は、必要に応じて更に広く変えることができる。
【0027】
ワイヤホルダ113は、シャッターブレード103に取り付けられる。この例では、ピン114がこの取付けのために使用される。シャッターブレード103は、支持ピン110及び軸受111によってベースプレート115に対して回転可能に取り付けられる。シャッターブレード103は、1つの限界位置から別の限界位置まで円弧状に移動する。閉鎖可能な開口116が、アクチュエータ機構の中心に置かれる。アクチュエータ機構の厚みを低減するために、リミットスイッチ109が、フレーム101に接してベースプレート115に取り付けられる。シャッターブレード103は、ベースプレート115の隣に置かれるが、両者間には滑り台106があって、シャッターブレード103は、この滑り台106に沿って容易に滑る。滑り台106は、ベースプレート115に取り付けられる。この例では、滑り台106は、摩擦の小さなプラスチック材料で作られる。
【0028】
シャッターブレード103は、双安定バネ105によって2つの限界位置において保持される。バネ105の双安定機能は、バネ105の第1の端部を止めピン102によってシャッターブレード103に取り付け、かつ他の端部を止めピン112によってベースプレート105及び/又はフレーム101に取り付けることによってもたらされる。バネ105の両端は、フォークを形成し、かつバネ105は、両端を連結するネジ部を含み、このネジ部は、両端を互いに引き離すこと及び両端を互いに近づけることの両方に抵抗する。
【0029】
図6は、組み立てられた図5のアクチュエータ機構を示しており、そのシャッターブレード103は、第1の限界位置にあって、開口116を覆っている。図7は、アクチュエータ機構を示しており、シャッターブレード103は、第2の限界位置にあって、開口116を露出している。リミットスイッチ109は、シャッターブレード103が限界位置にある時、シャッターブレード103が1つのリミットスイッチ109を作動させ、かつ別のリミットスイッチ109を解放するように置かれる。バネ105は、シャッターブレード103をそれらの位置へと回転させ、そこでシャッターブレード103の位置を維持し、かつ別の限界位置に向うシャッターブレード103の動きに抵抗する。
【0030】
形状記憶合金で作られたワイヤ104は、次のように作動する。電流は、端子117及び119間、又は端子118及び119間に供給される。この例では、端子119は、ワイヤホルダ113に結合される。図6の状態において、電流は、バネ107とワイヤホルダ113の間で流れ、ワイヤ部分104bを収縮させる。フレーム101は、ワイヤ104をリングの形状に保持して、リングの直径が減少するのを防止するので、ワイヤ部分104bがバネ107を引っ張る。フレーム101内にはいくつかの案内点があり、それらの案内点を通ってワイヤ104は曲がり、かつ案内点と案内点の間でワイヤ104は自由であるので、他の構成への熱伝導は殆どない。バネ107は、フレーム101に対して既に曲げられているので、それ以上曲がることはできず、従って、ワイヤ部分104bがワイヤホルダ113を引っ張る。ワイヤ部分104bの牽引力がバネ105の保持力に打ち勝って、シャッターブレード103の回転を達成する。この例では、シャッターブレード103は、図7によれば開口116から離れる方向へ動く。バネ105は、最終段階でシャッターブレード103の回転を助け、かつシャッターブレード103をその限界位置において保持する。給電が止むと、ワイヤ部分104bが冷えて、バネ107がワイヤを引っ張る時に長くなる。バネ107は、その力がワイヤ104に影響する時、ワイヤ104は今や長くなることができるので、もはやフレーム101に抗することなく動く。ワイヤ104がその最大長に到達する時、バネ107は、ワイヤ104を緊張した状態に保つ。ワイヤ104が伸張している間、ワイヤホルダ113の位置が動く。バネ107は、ワイヤ部分104bを緊張させて、フレーム101の周方向へワイヤ104を引っ張る。ワイヤ部分104bの長さは、ワイヤホルダ113の動きがバネ107をフレーム101に向けて引っ張るように選択され、かつワイヤ部分104aの長さは、ワイヤホルダ113の逆平行移動がバネ108をフレーム101から離れる方向へ引っ張るように選択される。
【0031】
図7の状況において、電流がバネ108とワイヤホルダ113との間で流れ、ワイヤ部分104aを収縮させる。ワイヤ部分104aは、バネ108を引っ張る。バネ108は、フレーム101に対して既に曲げられているので、それ以上曲がることはできず、従って、ワイヤ部分104aがワイヤホルダ113を引っ張る。ワイヤ部分104aの牽引力がバネ105の保持力に打ち勝って、シャッターブレード103の回転を達成する。この例では、シャッターブレード103が動いて、図6によれば開口116を覆う。バネ105は、最終段階でシャッターブレード103の回転を助け、かつシャッターブレード103をその限界位置において保持する。給電が止むと、ワイヤ部分104aは、冷えて、バネ108がワイヤを引っ張るから長くなる。バネ108の力がワイヤ104に影響する時、ワイヤ104は今や長くなることができるので、バネ108は、もはやフレーム101に抗することなく動く。ワイヤ104がその最大長に到達する時、バネ108は、ワイヤ104を緊張した状態に保つ。ワイヤ104が伸張している間、ワイヤホルダ113の位置が動く。バネ108は、ワイヤ部分104aを緊張させて、フレーム101の周方向へワイヤ104を引っ張る。
【0032】
図8は、上述の諸例及び図5の実施形態に対する代替物を示している。ワイヤ104の両端に取り付けられたバネ107及び108は、温められた時に収縮する形状記憶合金を利用したバネ120及び122で置換されている。この例においても、給電は、例えば、フレーム101又は図5の例による他の適切な地点に取り付けられたバネ120の端部121又はバネ122の端部123に対して行われる。作動は、主として図5の例に対応する。ワイヤ104とバネ120及び122とは、別々の部品として作られ、又はバネ120及び122は、ワイヤ104と一体的なアセンブリを形成する。バネ120及び122は、給電がワイヤ部分104aを通じて行われる場合にバネ120が緊張し、これと同時にバネ122がワイヤ104を緊張した状態に保ち、ワイヤホルダ113の位置が変わるような方法で作られ、かつ事前に緊張させられる。給電が終了する時、バネ122は、緊張した状態を保つ。これに対応して、給電がワイヤ部分104bを通じて行われる場合には、バネ122が緊張し、これと同時にバネ120がワイヤ104を緊張した状態に保ち、この場合もワイヤホルダ113の位置を変える。給電が終了する時、バネ120は、緊張した状態を保つ。シャッターブレード及び双安定バネの位置は、上述のように変化する。
バネ120及び122は、例えば、コイルバネであり、それらは、ワイヤ104を巻くか、又はワイヤ104に取り付けられた対応する材料を巻くことにより作られる。コイル以外のバネ120及び122の形状も可能である。
【0033】
図9は、上述の諸例とは更に別の代替物を示している。図示の代替物は、適切なフレームに取り付けることができる。この例による構造は、非常に小型で小さくなる。図8のワイヤ104は使用されず、温められた時に収縮する形状記憶合金を利用した2つのバネ124及び125のみが使用される。バネ124及び125の作動は、図8に示すバネ120及び122に対応するが、バネ124及び125は、1つ又はそれよりも多くの適切な駆動部材126に直接結合され、この駆動部材126は、例えば、取付け部材であり、それによってバネ124及び125は、例えば、駆動すべきシャッターブレードに取り付けられる。給電は、この例においても、バネ127の端部124又はバネ128の端部125に対して行われ、これらのバネ端部127及び128は、例えば、フレームに取り付けられる。これらのバネの各端部間には、電気回路の一部分として結合された駆動部材126を通じて電気回路が延びている。電気が供給されるバネは、収縮して別のバネを引っ張り、従って、駆動部材126を望ましい方向へ移動させる。別のバネに電気を供給することにより、駆動部材126は、反対方向へ移動される。シャッターブレード及び双安定バネの位置は、上述のように変化する。バネ124及び125は、例えばコイルバネであるが、上述のように作動する他の形状も可能である。
【0034】
アクチュエータ機構及びそれらの細部の以上の諸例は、シャッター機構の構造又は最適化及び機能性の観点により、必要に応じて組み合わせて実施することができる。従って、例えば図4a及び4bの構成は、図1の構成に適用可能であり、かつ例えば図8及び9の構成は、図5の構成に適用可能である。構成における異なる部品のより詳細な配置は、変えることができ、例えば、望ましい形状寸法又は小型サイズを達成するために最適化される。
本発明は、以上に示した諸例のみに限定されるわけではなく、特許請求の範囲内で変化させることができる。
【符号の説明】
【0035】
4 コイル
8 回転永久磁石
10 駆動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界を確立するための1つ又はそれよりも多くのコイルと、
前記磁界に依存する少なくとも1つの限界位置を有する回転永久磁石と、
前記永久磁石に連結され、かつアクチュエータ機構に連結された部材を駆動する駆動部材と、
を含むことを特徴とするアクチュエータ機構。
【請求項2】
摩擦により前記永久磁石に影響を及ぼし、該永久磁石の回転防止を目的とする1つ又はそれよりも多くのブレーキを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ機構。
【請求項3】
前記永久磁石に連結され、かつ該永久磁石の所定位置への復帰を目的とする1つ又はそれよりも多くのバネを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ機構。
【請求項4】
前記永久磁石を所定位置に保持することを目的とする1つ又はそれよりも多くの可撓性拘束器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ機構。
【請求項5】
前記1つ又はそれよりも多くのコイルが周りに置かれた1つ又はそれよりも多くの固定子を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ機構。
【請求項6】
固定子の磁界の2つの極性を定める2つの相反する端部を含む固定子と、
磁界を確立するために前記固定子の周りに巻かれた1つ又はそれよりも多くのコイルと、
前記2つの相反する端部の間に置かれ、かつ前記固定子の前記磁界に依存する少なくとも1つの限界位置を有する回転永久磁石と、
シャッターブレードが開口を閉じる第1の限界位置と、シャッターブレードが開口を露出する第2の限界位置とを有する回動シャッターブレードと、
前記回転永久磁石及び前記回動シャッターブレードを互いに連結させ、かつ該永久磁石による駆動によって該シャッターブレードを回動させる駆動部材と、
を含むことを特徴とするシャッター機構。
【請求項7】
前記回動シャッターブレードは、前記開口を通じて作用する機械的影響を防止することを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項8】
前記固定子は、中央部に前記開口を含む開放リングのような形状に作られることを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項9】
ベースプレート及び磁石ホルダが、前記固定子の相反する側に置かれ、前記永久磁石は、それらの間に回転可能に置かれていることを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項10】
前記シャッターブレードは、前記固定子に対して回転可能に連結され、該固定子及び前記永久磁石は、同じレベルに置かれ、該シャッターブレードは、該固定子及び該永久磁石と共に移動し、該シャッターブレードと該磁石ホルダは、同じレベルに置かれていることを特徴とする請求項9に記載のシャッター機構。
【請求項11】
前記ベースプレート、前記シャッターブレード、又は前記磁石ホルダは、前記コイルが巻かれたシャッターの区域まで延びないことを特徴とする請求項9に記載のシャッター機構。
【請求項12】
前記駆動部材は、前記永久磁石に連結された駆動ピンと、該駆動ピンが滑り込んだ前記シャッターブレードの長い開口とを含むことを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項13】
前記シャッターブレードの前記第1の限界位置は、強く安定であり、該シャッターブレードの前記第2の限界位置は、弱く安定であることを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項14】
前記シャッターブレードの前記第1の限界位置及び前記第2の限界位置を検出するための2つのリミットスイッチを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のシャッター機構。
【請求項15】
加熱された時に収縮する形状記憶合金で作られた1つ又はそれよりも多くのワイヤと、 前記ワイヤに連結され、かつアクチュエータ機構に接続された部材を駆動する駆動部材と、
を含むことを特徴とするアクチュエータ機構。
【請求項16】
前記ワイヤの相反する端部に置かれ、かつ該ワイヤを緊張させて該ワイヤを第1の限界位置から第2の限界位置まで回動させ、更に元へ戻す2つのバネを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ機構。
【請求項17】
バネに構成された2つの前記ワイヤを更に含み、
前記ワイヤの第1のものは、前記駆動部材を第1の方向へ移動し、該ワイヤの第2のものは、該駆動部材を第2の逆の方向へ移動させる、
ことを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ機構。
【請求項18】
前記2つのバネの少なくとも一方は、前記ワイヤと一体的に作られるか又は該ワイヤに取り付けられたバネを含むことを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ機構。
【請求項19】
前記2つのバネの少なくとも一方は、自分の位置に復帰するコイルバネ又は曲げ可能なワイヤであることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ機構。
【請求項20】
前記ワイヤを支持するフレームを更に含み、該ワイヤは、該フレームにより案内されて、第1の限界位置から第2の限界位置まで回動し、更に前記収縮により案内されて元へ戻ることを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ機構。
【請求項21】
前記部材に連結され、かつ該部材の第1の限界位置を維持する第1の位置と該部材の第2の限界位置を維持する第2の位置とを有する双安定バネを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ機構。
【請求項22】
前記駆動部材は、ワイヤホルダを含み、前記ワイヤは、該ワイヤが該ワイヤホルダに対して接線方向に入って出る時にその周りにループ状に巻かれることを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ機構。
【請求項23】
加熱された時に収縮する形状記憶合金で作られたワイヤと、
前記ワイヤを支持し、かつ該ワイヤを案内して該ワイヤが第1の限界位置から第2の限界位置まで回動し、更に該ワイヤが前記収縮により案内されて元の位置に戻るフレームと、
前記ワイヤの相反する端部に置かれ、かつ該ワイヤを緊張させて該ワイヤを前記第1の限界位置から前記第2の限界位置まで回動させ、更に元に戻す2つのバネと、
シャッターブレードが開口を閉じる第1の限界位置とシャッターブレードが開口を露出させる第2の限界位置とを有する回動シャッターブレードと、
前記回動するワイヤ及び前記回動シャッターブレードを互いに連結させ、かつ該ワイヤによる駆動によって該シャッターブレードを回動させる駆動部材と、
を含むことを特徴とするシャッター機構。
【請求項24】
前記シャッターブレードに連結され、かつ該シャッターブレードの前記第1の限界位置を維持する第1の位置と、該シャッターブレードの前記第2の限界位置を維持する第2の位置とを有する双安定バネを更に含むことを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項25】
前記フレームは、前記バネの取付及び移動のための溝及び空洞が形成されて2つの端部を含むリングのような形状に作られることを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項26】
前記駆動部材と前記シャッターブレードの前記回動する点とは、前記2つの端部の間に位置していることを特徴とする請求項25に記載のシャッター機構。
【請求項27】
前記フレームは、いくつかの案内点を含み、該案内点は、リングの形状に置かれ、前記ワイヤは、これを通して曲がることによって延び、かつ該ワイヤは、これらの間で自由に延びることを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項28】
前記ワイヤは、リング状に巻かれ、かつほぼ2回の完全巻回を含み、前記駆動部材は、該ワイヤの中央部に連結されていることを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項29】
中央部に開口を含み、かつ前記フレームが取り付けられ、前記シャッターブレードが回転可能に連結されたベースプレートを更に含むことを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項30】
給電のための端子が、各バネ及び駆動部材に連結されていることを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項31】
前記駆動部材は、ワイヤホルダを含み、前記ワイヤは、該ワイヤが該ワイヤホルダに対して接線方向に入って出る時にその周りにループ状に巻かれることを特徴とする請求項23に記載のシャッター機構。
【請求項32】
アクチュエータ機構における方法であって、
形状記憶合金で作られたワイヤを該ワイヤの長さを変化させることによって望ましい形状に支持する段階と、
前記ワイヤの両端に置かれたバネによりワイヤ緊張力を維持する段階と、
前記ワイヤの一端と該ワイヤの中央部の間に該ワイヤを収縮させる電流を通電する段階と、
前記ワイヤの長さの前記短縮の結果として、かつ一端をその位置に維持することにより、該ワイヤの前記中央部に取り付けられた駆動部材を移動する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
前記駆動部材を通じてシャッターブレードを回動させる段階を更に含み、
前記駆動部材は、前記回動する点の周りに回転する前記シャッターブレードに連結されている、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
形状記憶合金で作られたワイヤを該ワイヤの長さを変化させることによって望ましい形状に支持するための手段と、
前記ワイヤの両端に置かれたバネによりワイヤ緊張力を維持するための手段と、
前記ワイヤの一端と該ワイヤの中央部の間に該ワイヤを収縮させる電流を通電するための手段と、
前記ワイヤの長さの前記短縮の結果として、かつ一端をその位置に維持することにより、該ワイヤの前記中央部に取り付けられた駆動部材を移動するための手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項35】
前記駆動部材を通じてシャッターブレードを回動させるための手段を更に含み、
前記駆動部材は、前記回動する点の周りに回転する前記シャッターブレードに連結されている、
ことを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記ベースプレート、前記シャッターブレード、又は前記磁石ホルダは、前記コイルが巻かれたシャッターの区域まで延びていないことを特徴とする請求項10に記載のシャッター機構。

【図1】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−84015(P2013−84015A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−23570(P2013−23570)
【出願日】平成25年2月8日(2013.2.8)
【分割の表示】特願2009−504768(P2009−504768)の分割
【原出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】