説明

アクティブセンサ、多点アクティブセンサ、配管劣化診断方法および配管劣化診断装置

【課題】プラントを稼動したまま配管を広い範囲にわたって短時間かつ低コストで検査することができる。
【解決手段】本発明のアクティブセンサ10は、配管60の外側に配置され、配管60の厚みを検出する。アクティブセンサ10は、配管60内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲でスイープすることができる発振器15と、配管60に取り付けられ、配管60内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサ11と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラントや火力発電プラントなどでの高温蒸気による配管減肉や、化学プラントやゴミ焼却プラントなどにおける配管腐食などの異常の有無を判定することができ、かつ異常部位を同定することができるアクティブセンサ、多点アクティブセンサ、配管劣化診断方法および配管劣化診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、定期検査時に、超音波探傷法やX線透過法などを用いることによって、配管の減肉や腐食を検査している。このうち超音波探傷法は、例えば配管などの表面に超音波を送受信する探触子を押し当て、配管の内部(管肉部)に各種周波数の超音波を伝搬させる。そして、配管の管肉部の欠陥や配管の裏面から反射して戻ってきた超音波を受信することによって、配管管肉部の状態を把握する。
【0003】
ここで、欠陥の位置は、超音波の送信から受信までに掛かる時間から測定して求められる。また、欠陥の大きさは、受信したエコーの高さ(反射して戻ってきた超音波の強度)やエコーの出現する範囲を測定することによって求められる。
【0004】
このような超音波探傷法は、原子力発電プラントにおいて、主に素材の板厚およびラミネーション(板の切口面に出る横切れ)を検出したり、溶接による溶融部と母材における溶込み不足や、熱影響部に発生するクラックを検出したりするため用いられている。また、この超音波探傷法は、原子炉圧力容器回りのノズル開口部、ブランチおよび配管継手を補強するための溶接肉盛に対しては、溶接肉盛部、溶融部および溶着肉盛部直下の母材に対して適用されている(非特許文献1参照)。
【0005】
他方、X線透過法では、断熱材を外さないまま配管減肉を検出することができる。このX線透過法においては、X線CTスキャナーなどで連続撮影して得たデータを、高性能のコンピューターを用いて高速画像処理することで、X線透過率の違いを断層映像とし、対象物全体の映像を映し出すことができる。
【0006】
最近では、赤(R)・緑(G)・青(B)の3原色で発光し、透過量に応じて発光割合の変わるシート状カラーシンチレータ(蛍光板)とCCDカメラとを組み合わせただけの簡便なシステムで、X線透過率の異なる物質を同時に撮影できる方法が知られており、火力・原子力発電所や石油、化学コンビナートでの配管減肉観察や異物混入検査に用いられている。
【非特許文献1】原子力と設計技術、大河出版、(1980)、p226〜250(内ヶ崎儀一郎ほか)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した超音波探傷法では、1000点以上で配管の厚みを測定する必要があり、定期検査中で対応することが困難である。また、このように配管の厚みを測定する際には、温度の制約からプラントを停止する必要があるため、稼働率が下がってしまう。
【0008】
他方、配管の断熱材の上からでも異常を透視できるX線法では、配管の厚みの分布を測定することはできるが、装置が高価なため、全面的な適用には至っていない。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、プラントを稼動したまま配管を広い範囲にわたって短時間に検査することができ、検査に掛かる時間と工数を大幅に縮小することができ、製造コストの安いアクティブセンサ、多点アクティブセンサ、配管劣化診断方法および配管劣化診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
配管の外側に配置され、配管の厚みを検出するアクティブセンサにおいて、
配管内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器と、
配管に取り付けられ、配管内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサと、
を備えたことを特徴とするアクティブセンサである。
【0011】
このような構成により、プラントを稼動したまま配管を簡易に検査することができ、検査に掛かる時間と工数を大幅に縮小することができ、製造コストの安い薄型のアクティブセンサを得ることができる。
【0012】
本発明は、
配管の外側もしくは内側に配置され、配管の厚みを検出するアクティブセンサにおいて、
配管内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器と、
配管に取り付けられ、配管内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサと、
を備えたことを特徴とするアクティブセンサである。
【0013】
このような構成により、プラントを稼動したまま配管を簡易に検査することができ、検査に掛かる時間と工数を大幅に縮小することができ、製造コストの安い薄型のアクティブセンサを得ることができる。
【0014】
本発明は、
上述のアクティブセンサを複数備え、
当該アクティブセンサが、リニア状またはマトリックス状に配置されていることを特徴とする多点アクティブセンサである。
【0015】
このような構成により、より広い領域において配管の厚みを測定しマッピングすることができ、精度良く配管の異常状態を検出することができる。
【0016】
本発明は、
上述の多点アクティブセンサを用いた配管劣化診断方法において、
少なくとも一つのアクティブセンサの発振器によって、配管内に振動波を入力する工程と、
少なくとも一つのアクティブセンサの光ファイバセンサによって、配管内に発生した振動波を検出する工程と、
発振器によって配管内に入力された振動波の周波数と、光ファイバセンサによって検出された当該周波数における振動波の振幅とによって、周波数と振動強度との関係を導いて、配管の厚みを算出する工程と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断方法である。
【0017】
このような構成により、より広い領域において配管の厚みを測定しマッピングすることができ、精度良く配管の劣化および異常状態を検出することができる。
【0018】
本発明は、
上述の多点アクティブセンサと、
各アクティブセンサに接続され、当該アクティブセンサの発振器によって配管内に入力された振動波の周波数と、当該アクティブセンサの光ファイバセンサによって検出された当該周波数における振動波の振幅とによって、周波数と振動強度との関係を導いて、配管の厚みを算出する波形解析手段と、
配管の劣化に関する判定閾値が収容された診断データベースと、
波形解析手段および診断データベースに接続され、波形解析手段によって算出された配管の厚みと、診断データベース内に収容された判定閾値とを照合して、配管の劣化および異常状態を診断する診断手段と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断装置である。
【0019】
このような構成により、業種や機種ごとに異なる配管のサイズや厚さに合わせて診断することができる。また、配管の厚みを算出し、配管の劣化および異常状態を診断するだけでなく、配管の寿命も判定することができる。
【0020】
本発明は、
上述の多点アクティブセンサを用いた配管劣化診断方法において、
少なくとも一つのアクティブセンサの光ファイバセンサによって、配管内で自然発生した振動波をパッシブに検出する工程と、
光ファイバセンサによって検出された配管内で自然発生した振動波を解析することによって、配管の厚みおよび異常状態を検出する工程と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断方法である。
【0021】
このような構成により、アクティブセンサの発振器によって配管内に振動波を入力することなく、配管の劣化および異常状態を検出することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、配管内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器と、配管に取り付けられ、配管内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサとを備えたアクティブセンサを用いることによって、プラントを稼動したまま配管を広い範囲にわたって短時間、低コストで検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
第1の実施の形態
以下、本発明に係るアクティブセンサの第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図8、図13(a)(b)および図14は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0024】
図1および図2に示すように、アクティブセンサ10は、配管60の外周(外側)に配置され、配管60の厚みを検出するために用いられる。アクティブセンサ10は、配管60内に振動波(超音波)を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器15と、発振器15の配管60側に取り付けられ、配管60内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサ11と、を備えている。
【0025】
また、図2に示すように、光ファイバセンサ11は、一対のポリイミドシート19u,19lの間に充填された高温接着剤12内に設けられている。また、図2の下方側に位置するポリイミドシート19lは、高温接着剤12によって配管60に取り付けられている。また、上方側に位置するポリイミドシート19uと発振器15との間には、発振器15の振動と試験対象である配管60内を伝搬する振動が結合しないように保持部材13が設けられている。なお、ポリイミドシート19lを高温接着剤12によって配管60に取り付ける代わりに、溶射によって、ポリイミドシート19lを配管60に取り付けてもよい。
【0026】
光ファイバセンサ11の大きさは、配管60内を伝搬する超音波の減衰などを考慮して、測定対象である配管60の板厚値と振動波長に応じて最適化することが好ましい。具体的には、光ファイバセンサ11の内側径は、光ファイバセンサ11が曲げによって断線しない最低限の大きさである5mm以上が好ましい。他方、光ファイバセンサ11の外側径は、配管60内部を伝搬する振動波の波長に基づいて最適化することが望ましく、内側径に配管60内部を伝搬する振動波の波長の1/2を加えた大きさ以下であることが好ましい。なお、光ファイバセンサ11の巻きターン数は50であることが標準である。
【0027】
図13(a)(b)は、光ファイバセンサ11が配管60上に接続された状態を表している。なお、この図13(a)(b)では発振器16は省略して、図示していない。また、図13(a)(b)中の波線は配管60内部を伝搬する振動波の波形状を表している。
【0028】
図13(a)に示すように、光ファイバセンサ11の外側径が、内側径に配管60内部を伝搬する振動波の波長の1/2を加えた大きさ以下からなる場合には、円形もしくは長円形の光ファイバセンサ11の整列したセンシング部11a(後述)内を伝播する振動波の振幅が全て同じ向きとなるため、大きな振動強度を得ることができる。これに対して、図13(b)に示すように、光ファイバセンサ11の外側径が、内側径に配管60内部を伝搬する振動波の波長の1/2を加えた大きさより大きくなる場合には、センシング部11a内を伝播する振動波の振幅には相反する向きの振動が加わるので、互いに相反する振幅によって振動方向が相殺されることとなり、振動強度が低下する。なお、図13(a)(b)において、11rは、光ファイバセンサ11が配置されている領域を示しており、光ファイバセンサ11の内側径と外側径との間の領域を示している。
【0029】
図14は、光ファイバセンサ11の外側径(図14では光ファイバセンサ外側径として示している)と、振動強度との関係を示したグラフ図である。ここで、試験体の厚みは5mmからなり、この試験体内を伝搬する振動波の波長は10.7mm(音速5800m/sec)からなり、光ファイバセンサ11の内側径は10mmからなっている。そして、光ファイバセンサ11の外側径が、光ファイバセンサ11の内側径(10mm)に振動波の波長の約1/2である5mmを足した15mmからなる場合には、十分な振動強度が得られているが、他方、光ファイバセンサ11の内側径に振動波長の1/2よりも大きな値を足した(15mmよりも大きくなる)場合には、振動強度が小さくなってしまっていることがわかる。
【0030】
上述した発振器15は、電磁石発振器からなっている。具体的には、図1および図2に示すように、発振器15は、配管表面60fの法線方向(図1の矢印A方向)に磁束を生成するよう配置された永久磁石16と、永久磁石16の光ファイバセンサ11側に設けられた電気コイル17とからなっている。なお、永久磁石16の光ファイバセンサ11側に電気コイル17を設けるのではなく、永久磁石16に電気コイル17を巻き付けてもよい。また、電気コイル17の代わりに、金属などの導電材料でコートされた光ファイバセンサの導電層を用いても良い。
【0031】
また、光ファイバセンサ11は、発振器15から配管60内に入力された振動波によって発生する、配管60の動的歪みを検出する光式振動センサ(Fiber-optic Doppler (FOD) sensor)からなっている(図3(a)乃至(d)参照)。このような光ファイバセンサ11を用いることによって、FODの原理で、ひずみや振動を光のドップラー効果としてとらえることができる。
【0032】
また、図1および図3に示すように、光ファイバセンサ11は、円形状に渦を巻いたセンシング部11aを有している。また、図1および図2に示すように、発振器15は、当該センシング部11aの中央に配置されている。
【0033】
この光ファイバセンサ11のセンシング部11aは、金、ニッケル、シリカ、ポリイミドなどの耐熱性コーティングや細管によって、耐熱処理が施されており、高温(300℃以上750℃程度)になる箇所であってもアクティブセンサ10を取り付けることができる。
【0034】
また、光ファイバセンサ11は、図3(d)に示すように、石英線などからなるコア41と、当該コア41を覆い、石英などからなるクラッド42とを有している。また、図3(a)に示すように、光ファイバセンサ11の一端には、光ファイバセンサ11内にレーザ光のような所定の波長の光を供給する光源5が連結されている。また、光ファイバセンサ11の他端には、光ファイバセンサ11内を通過した光から配管内に生じた動的ひずみを受けてドップラー効果による波長のズレを検出するための光検波器6が連結されている。
【0035】
また、上述のように、光ファイバセンサ11は光式振動センサからなっているため、光ファイバセンサ11が配管60中に生じたひずみ速度(εx;x方向のひずみ速度、εy;y方向のひずみ速度)に対応してひずむことによって、光源5から周波数f0で光ファイバセンサ11に入射した光Pが、光ファイバセンサ11のセンシング部11aのコア41内で反射を繰り返してドップラー効果を起こし(図3(d)参照)、周波数f0±fdで光検波器6へと出射する(図3(a)参照)。
【0036】
なお、図3(b)は光ファイバセンサ11のセンシング部11aの部分拡大図であり、図3(c)は図3(b)をさらに拡大した図であり、図3(d)は、光ファイバセンサ11のセンシング部11aのコア41内で光Pが繰り返し反射する様子を示した図である。
【0037】
周波数のずれfdは、具体的には以下の(式1)で示される。
【数1】

【0038】
また、図4(a)(b)に示すように、複数の上述したアクティブセンサ10をリニア状(直列)に配置することによって、多点アクティブセンサ20を得ることができる。各アクティブセンサ10は、可塑性および可撓性を有する連結部材22によって、互いに連結されている。なお、図4(a)は多点アクティブセンサ20を上方から見た平面図であり、図4(b)は多点アクティブセンサ20を側方から見た側方図である。
【0039】
具体的には、図4(a)に示すように、各アクティブセンサ10は、凸部23と凹部24とを有する連結部材22内に配置され、各連結部材22の凸部23が隣接する連結部材22の凹部24と嵌合することによって、各連結部材22は隣接する連結部材22に連結されている。
【0040】
図5(図1をあわせて参照方)において、多点アクティブセンサ20の各アクティブセンサ10の発振器15の電気コイル17には、電気コイル17に交流電流を供給する発振制御器32が接続されている。この発振制御器32は、供給する交流電流の周波数を走査することができるファンクションジェネレータ(図示せず)を有している。また、発振制御器32は、供給する電流の大きさを自在に調整することができる。
【0041】
また、図5に示すように、上述の多点アクティブセンサ20と、発振制御器32および光検波器6に接続され、配管60の厚みを算出する波形解析手段31と、配管60の劣化に関する判定閾値が収容された診断データベース33と、波形解析手段31および診断データベース33に接続され、波形解析手段31によって算出された配管60の厚みと、診断データベース33内に収容された判定閾値とを照合して、配管60の劣化を診断する診断手段35とから、配管劣化診断装置が構成されている。
【0042】
このうち、波形解析手段31は、多点アクティブセンサ20内のアクティブセンサ10の発振器15によって配管60内に入力された振動波の周波数と、当該アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって検出された当該周波数における振動波の振幅の実効値または振動波をフーリエ変換することによって得られた周波数スペクトル強度とから、周波数と振動強度との関係を導いて、配管60の厚みを算出する。
【0043】
また、各発振器15には、遠隔より任意にON/OFFを選択することができるスイッチング機構(図示せず)が接続されている。このため、多点アクティブセンサ20のうち作動させるアクティブセンサ10を自由に選択することができ、測定する配管60の位置を自由に選択することができる。
【0044】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0045】
最初に、アクティブセンサ10の発振器15によって配管60内に入力される振動波の周波数と、配管60の厚みとの関係について説明する。
【0046】
図6に示すように、配管60の厚みLと配管60内に入力される振動波の波長λの間に「λ=2L」の関係が成り立つとき、配管60内に入力された振動波(入射波)と、光ファイバセンサ11によって検出された振動波(反射波)とが共振し、共鳴波が観察される。ここで、共鳴波とは、入射波を止めた後(図6の時間T1以降)に観察される反射波のことを意味する。ここでT0は入射波を入力した時刻、T1は入射を止めた時刻をそれぞれ示している。
【0047】
このため、この波長λから逆算して、配管60の厚みLを計測することができる。すなわち、金属板の厚みをd、超音波の波長をλとすると、
【数2】

の条件を満たすときに超音波が共鳴する。これを超音波の周波数f を用いて書き直せば、以下の式(3)のようになり、共鳴周波数と音速が分かれば板厚を逆算することができる。
【数3】

例えば、15mm厚の鋼板からなる配管60を測定すると、周波数が200kHzからなる超音波を入力すると共鳴が起きる。
【0048】
また、直径200mmで厚みが5、7、10、15、20、25および30mmのSUS304の板上に巻き数50の光ファイバセンサ11を瞬間接着剤でSUS304(ステンレス鋼)表面に取り付けて、アンプで150Vp−pに増幅した正弦波を50kHzから500kHzまで1kHzきざみに発生させると、光ファイバセンサ11によって、各周波数に対応した共鳴波を検出することができる(図6参照)。
【0049】
そして、予め決めた所定時間内における共鳴波の強度(電圧値)を時間に対して積分することによって得られる数値を「振動強度」と定義すると、各周波数における振動強度を導くことができる(図6参照)。このようにして得られた各周波数における振動強度から、図7に示すような周波数と振動強度との関係が導き出すことができ、振動強度の最も強いときの周波数(図7で長丸で囲った箇所に対応する周波数)から共鳴周波数を導き出すことができる。なお、図8は、共鳴周波数とSUS304の板厚の逆数との関係を示したものであるが、この図8から、共鳴周波数とSUS304の板厚の逆数との間には、式(3)の関係が成立していることがわかる。
【0050】
次に、配管60の劣化や異常状態を診断する方法について説明する。
【0051】
まず、多点アクティブセンサ20のアクティブセンサ10の発振器15によって、配管60内に振動波が入力される。具体的には、発振制御器32によって、発振器15の電気コイル17に交流電流を流すことによって、永久磁石16に対してローレンツ力が加わり、配管60の厚み方向へ横波が入力される(図1および図5参照)。
【0052】
この交流電流は、発振制御器32のファンクションジェネレータを用いて周波数が変えられ、所望の周波数帯域で走査される。なお、ファンクションジェネレータに増幅器を接続して、入力波の周波数と強度の両方を自由に変えることができるようにしてもよい。
【0053】
なお、このような多点アクティブセンサ20は、建設時もしくは定期点検時に、エロージョンやコロージョンが発生しやすい配管60のエルボ部やオリフィス下流部に取付けられることが好ましい。
【0054】
次に、当該アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって、配管60内に発生した振動波が検出されて、光検波器6に送られる(図5参照)。ここで、発振器15は、センシング部11aの中央に配置されているので、配管60内で発生した振動波を感度よく検出することができる(図1および図2参照)。また、光ファイバセンサ11は光式振動センサからなっているため、0Hz(零は含まず)から数MHzまでの広い周波数帯域において高感度で検出することができる。
【0055】
次に、発振制御器32および光検波器6に接続された波形解析手段31によって、アクティブセンサ10の発振器15によって配管60内に入力された振動波の周波数と、当該アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって検出された当該周波数における振動波の振幅とによって、周波数と振動強度との関係を導く(図7参照)。その後、波形解析手段31は、周波数と振動強度との関係から、共鳴周波数を導き出して、式(3)または図8に示したグラフから配管60の厚みを算出する。
【0056】
次に、波形解析手段31によって算出された配管60の厚みと、診断データベース33内に収容された判定閾値とを照合して、配管60の劣化および配管60の異常状態が診断される。
【0057】
このように、診断データベース33内に収容された判定閾値を用いて、配管60の劣化を診断するため、業種や機種ごとに異なる配管60のサイズや厚さに合わせて診断することができる。また、配管60の厚みを算出し、配管60の劣化や異常状態を診断するだけでなく、配管60の寿命も判定することができる。
【0058】
上述のように、配管60の外周に多点アクティブセンサ20を取り付けておくことによって、配管60の断熱材をとり外すことなく、プラントを稼動したまま広い範囲にわたって短時間で、配管60の厚みを算出し、配管60の劣化および異常状態を診断することができる。このため、検査に掛かる時間と工数を大幅に縮小することができ、定期点検の短縮化と改良保全サービスの高度化を図ることができる。
【0059】
また、図4(a)(b)に示すように、多点アクティブセンサ20に含まれるアクティブセンサ10の各々は、可塑性および可撓性を有する連結部材22によって、互いに連結されている。このため、配管60の曲面部やエルボ部などに取り付けることができ、配管60が減肉しやすい箇所を検査することができる。
【0060】
なお、本実施の形態によるアクティブセンサ10は、電気コイル17と、永久磁石16と、光ファイバセンサ11とから製造することができるため、製造コストは非常に安い。
【0061】
なお、アクティブセンサ10の発振器15をより小型化することによってセンシング面積を抑えること、アクティブセンサ10間の距離を最適にすること、アクティブセンサ10間の接続を高めること、厚みを測定する際の分解能を高めること、接着剤12の耐熱性を向上させること、配管60のエルボ部におけるアクティブセンサ10の吸収度を向上させることなどが、多点アクティブセンサ20の長期信頼性に寄与する。
【0062】
また、小さく少ない電圧で駆動する発振器15を用い、かつ、短いFODゲージ長で検出する光ファイバセンサ11を用いることによって、実用性を向上させることができる。
【0063】
ところで、配管60の厚み計測の精度は、発振器15からの振動波のパワー(ファンクションジェネレータに接続された増幅器の能力)、永久磁石16の磁力、電気コイル17の巻き数と光ファイバセンサ11自体の感度(光ファイバセンサ11の巻き数)、耐熱性などによって決定される。
【0064】
また、上記では電磁石発振器からなる発振器15を用いて説明したが、これに限ることなく、圧電(ピエゾ)素子を有する圧電式発振器からなる発振器15を用いてもよい。このような圧電式発振器を用いることによって、低電力で強い発振を得ることができる。
【0065】
また、上記では円形状に渦を巻いたセンシング部11aを有する光ファイバセンサ11を用いて説明したが、これに限ることなく、長円形状に渦を巻いたセンシング部を有する光ファイバセンサ11を用いてもよい。このように、長円形状に渦を巻いたセンシング部を有する光ファイバセンサ11を用いることによって、光ファイバセンサ11に異方性を持たせることができる。
【0066】
変形例1
次に図9(a)−(c)により本発明の第1の実施の形態の変形例1について説明する。図9(a)−(c)に示す第1の実施の形態の変形例1は、複数のアクティブセンサ10がリニア状に配置された多点アクティブセンサ20を用いる代わりに、複数のアクティブセンサ10がマトリックス状に配置された多点アクティブセンサ20を用いたものである。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0067】
図9(a)−(c)に示す変形例1において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】
図9(b)に示すように、本実施の形態の多点アクティブセンサ20は、マトリックス状に配置された、複数のアクティブセンサ10を備えている。より具体的には、図9(b)に示すように、多点アクティブセンサ20には、100mm角のサイズの中に30mmφ程度のアクティブセンサ10が9個、3×3のマトリックス状に配置されている。
【0069】
また、図9(c)に示すように、本変形例1の多点アクティブセンサ20に含まれるアクティブセンサ10は、配管60の配管表面60fに取り付けられ、配管60内に振動波を入力する発振器15と、発振器15の周縁であって配管60の外面に取り付けられ、配管60内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサ11とを有している。なお、発振器15と光ファイバセンサ11は、耐熱性の接着剤12(または粘着剤)によって配管60の外面に取り付けられている。
【0070】
また、図9(b)(c)に示すように、各アクティブセンサ10は、シリコンシートからなる連結部材22aによって連結されている。また、連結部材22a上であって光ファイバセンサ11の周縁外方には、金属またはエンジニアリングプラスチックからなるケース29が設けられ、発振器15とケース29との間にはシリコン27が充填されている。
【0071】
このような多点アクティブセンサ20を用いることによって、より広い領域において、配管60の厚みを測定しマッピングすることができ、精度良く配管60の劣化や異常状態を検出することができる。
【0072】
なお、本変形例1では、配管60の外面に取り付けられた発振器15と、発振器15の周縁であって配管60の外面に取り付けられた光ファイバセンサ11とを有するアクティブセンサ10を用いて説明したが、これに限ることなく、第1の実施の形態で示したように、発振器15と、発振器15の配管60側に取り付けられた光ファイバセンサ11とを有するアクティブセンサ10を用いることもできる。
【0073】
また、逆に、第1の実施の形態のアクティブセンサ10として、本変形例1で示したような、配管60の外面に取り付けられた発振器15と、発振器15の周縁であって、配管60の外面に取り付けられた光ファイバセンサ11とを有するものを用いてもよい。
【0074】
変形例2
次に図10及び図11(a)(b)により本発明の第1の実施の形態の変形例2について説明する。図10及び図11(a)(b)に示す第1の実施の形態の変形例2は、配管表面60fの法線方向(図10の矢印A方向)に磁束を生成するよう配置された永久磁石16と、永久磁石16の光ファイバセンサ11側に設けられた電気コイル17とから発振器15を用いる代わりに、配管表面60fの法線方向(図10の矢印A方向)と直交する方向に磁束を生成するよう配置された一対の永久磁石16と、一対の永久磁石16の間に設けられた電気コイル17とからなる発振器15を用いたものである。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0075】
図10及び図11(a)(b)に示す変形例2において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図10および図11(a)(b)に示すように、本変形例の発振器15は、配管表面60fの法線と直交する方向に磁束を生成するよう配置された一対の永久磁石16と、一対の永久磁石16の間に設けられた電気コイル17とからなっている。このため、一対の永久磁石16の間に設けられた電気コイル17に発振制御器32から交流電流を流すことによって、配管表面60fの法線と直交する方向に磁束を生成するよう配置された一対の永久磁石16に対してローレンツ力を加えることができ、配管60の厚み方向へ縦波を入力することができる(図5および図10参照)。
【0077】
なお、図11(b)に示すように、永久磁石16とポリイミドシート19uとの間に保持部材13を設けてもよいし、また図11(a)に示すように、永久磁石16とポリイミドシート19uとの間に保持部材13を設けなくてもよい。
【0078】
第2の実施の形態
次に図12により本発明の第2の実施の形態について説明する。図12に示す第2の実施の形態において、波形解析手段31は、(1)高周波領域における突発挙動に着目した周波数解析機能(定常ノイズとの弁別)、(2)低周波領域における定在波の挙動観察機能(定常ノイズとの弁別)、および(3)ニューラルネットワークなどを利用した「定常」・「非定常」観測機能を有している。また、診断データベース33には、アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって検出される配管60内で何等かの原因で発生した振動波と照合するための、配管60の劣化および異常状態に関する情報が記録されている。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、実施の形態における構成は、第1の実施の形態に示す構成と同一である。
【0079】
図12に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】
まず、アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって、配管60内で何等かの原因で発生した振動波(原因として例えば、突発的に現れる衝撃による振動波や、定常では認められない異常状態で発生する振動波など)が、パッシブに検出される(図12参照)。
【0081】
次に、波形解析手段31の(1)高周波領域における突発挙動に着目した周波数解析機能(定常ノイズを弁別する機能)、(2)低周波領域における定在波の挙動観察機能(定常ノイズを弁別する機能)、および(3)ニューラルネットワークなどを利用した「定常」・「非定常」観測機能によって、配管60内で何等かの原因で発生した振動波の波形が解析される。
【0082】
次に、診断手段35が、アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって検出された振動波を、診断データベース33に予め記録された配管60の劣化および異常状態に関する情報と照合し解析することによって、配管60の劣化および異常状態を検出する(図5参照)。
【0083】
また、診断手段35は、第1の実施の形態に示したように、光ファイバセンサ11によって検出される振動波の振幅から導き出される共鳴周波数によって、配管60の厚みを診断することもできる。
【0084】
このため、本実施の形態による配管劣化診断装置によれば、上述した第1の実施の形態のように、アクティブセンサ10の発振器15によって配管60内に振動波を入力することなく、アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11は配管60内で何等かの原因で発生した振動波をパッシブに検出し、配管60の厚みや、配管60の劣化および異常状態を検出することができる。
【0085】
また、診断データベース33に予め記録された配管60の劣化および異常状態に関する情報を用いるため、業種や機種ごとに異なる配管60のサイズや厚さに合わせて診断することができる。また、配管60の厚みや、配管60の劣化および異常状態を検出するだけでなく、配管60の寿命も判定することもできる。
【0086】
本発明によれば、上述した第1の実施の形態(変形例1および変形例2も含む)に示したように、アクティブに、アクティブセンサ10の発振器15によって配管60内に振動波を入力した後、当該アクティブセンサ10の光ファイバセンサ11によって配管60内に発生した振動波を検出することもでき、かつ第2の実施の形態に示したように、パッシブに、振動波を入力することなく、配管60内で何等かの原因で発生した振動波を検出することができる。このため、配管60の劣化および異常状態を高い確率で検出することができる。
【0087】
ところで、上記の各実施の形態では、アクティブセンサ10が、配管60の外周(外側)に配置されている態様を用いて説明したが、これに限られることなく、アクティブセンサ10は配管60の内周(内側)に配置され、配管の厚みを検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるアクティブセンサを示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるアクティブセンサを示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による光ファイバセンサを示す構成図。
【図4】本発明の第1の実施の形態による多点アクティブセンサを示す平面図および側方図。
【図5】本発明の第1の実施の形態による配管劣化診断装置を示す構成図。
【図6】本発明の第1の実施の形態による配管劣化診断装置によって観察される入射波、反射波および共鳴波を示したグラフ図。
【図7】本発明の第1の実施の形態による配管劣化診断装置から得られる周波数と振動強度との関係を示したグラフ図。
【図8】本発明の第1の実施の形態による配管劣化診断装置から得られる板厚の逆数と共鳴周波数の関係を示したグラフ図。
【図9】本発明の第1の実施の形態の変形例1による多点アクティブセンサおよびアクティブセンサを示す構成図。
【図10】本発明の第1の実施の形態の変形例2によるアクティブセンサを示す斜視図。
【図11】本発明の第1の実施の形態の変形例2によるアクティブセンサを示す断面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態による多点アクティブセンサを示す構成図。
【図13】光ファイバセンサが配管上に接続された状態を表す断面図。
【図14】光ファイバセンサの外側径と、振動強度との関係を示したグラフ図。
【符号の説明】
【0089】
5 光源
6 光検波器
10 アクティブセンサ
15 発振器
11 光ファイバセンサ
11a センシング部
12 接着剤
13 保持部材
16 永久磁石
17 電気コイル
19u,19l ポリイミドシート
20 多点アクティブセンサ
22,22a 連結部材
27 シリコン
29 ケース
31 波形解析手段
32 発振制御器
33 診断データベース
35 診断手段
41 コア
42 クラッド
60 配管
60f 配管表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の外側に配置され、配管の厚みを検出するアクティブセンサにおいて、
配管内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器と、
配管に取り付けられ、配管内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサと、
を備えたことを特徴とするアクティブセンサ。
【請求項2】
配管の外側もしくは内側に配置され、配管の厚みを検出するアクティブセンサにおいて、
配管内に振動波を入力するとともに、当該振動波の周波数を所望の範囲で走査することができる発振器と、
配管に取り付けられ、配管内に発生した振動波を検出する光ファイバセンサと、
を備えたことを特徴とするアクティブセンサ。
【請求項3】
発振器は、配管表面の法線方向に磁束を生成するよう配置された永久磁石と、永久磁石の光ファイバセンサ側に設けられた電気コイルとを有することを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項4】
発振器は、配管表面の法線方向に磁束を生成するよう配置された永久磁石と、
永久磁石の光ファイバセンサ側に設けられた電気コイルと、電気コイルと光ファイバセンサとが直接接しない配置となるよう保持する保持部材とを有することを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項5】
発振器は、配管表面の法線と直交する方向に磁束を生成するよう配置された一対の永久磁石と、一対の永久磁石の間に設けられた電気コイルとを有することを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項6】
発振器は、配管表面の法線と直交する方向に磁束を生成するよう配置された一対の永久磁石と、一対の永久磁石の間に設けられ電気コイルと、一対の永久磁石および電気コイルと光ファイバセンサとが直接接しない配置となるように保持する保持部材とを有することを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項7】
発振器は、電磁石発振器または圧電式発振器からなることを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項8】
光ファイバセンサは、発振器から配管内に入力された振動波によって発生する、配管の動的歪みを検出する光式振動センサ(Fiber-optic Doppler (FOD) sensor)からなることを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項9】
光ファイバセンサは、円形状または長円形状に渦を巻いたセンシング部を有し、
発振器は、当該センシング部の中央に配置されたことを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項10】
光ファイバは、内側径が5mm以上からなり、外側径が内側径に配管内を伝搬する振動波の波長の1/2を加えた大きさ以下からなることを特徴とする請求項1記載のアクティブセンサ。
【請求項11】
光ファイバセンサのセンシング部は、耐熱処理が施されていることを特徴とする請求項9記載のアクティブセンサ。
【請求項12】
光ファイバセンサのセンシング部の表面に、導電性を有する材料が設けられていることを特徴とする請求項9記載のアクティブセンサ。
【請求項13】
請求項1記載のアクティブセンサを複数備え、
当該アクティブセンサは、リニア状またはマトリックス状に配置されていることを特徴とする多点アクティブセンサ。
【請求項14】
各アクティブセンサは、可塑性または可撓性を有する連結部材によって、互いに連結されていることを特徴とする請求項13記載の多点アクティブセンサ。
【請求項15】
請求項13記載の多点アクティブセンサを用いた配管劣化診断方法において、
少なくとも一つのアクティブセンサの発振器によって、配管内に振動波を入力する工程と、
少なくとも一つのアクティブセンサの光ファイバセンサによって、配管内に発生した振動波を検出する工程と、
発振器によって配管内に入力された振動波の周波数と、光ファイバセンサによって検出された当該周波数における振動波の振幅とによって、周波数と振動強度との関係を導いて、配管の厚みを算出する工程と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断方法。
【請求項16】
請求項13記載の多点アクティブセンサと、
各アクティブセンサに接続され、当該アクティブセンサの発振器によって配管内に入力された振動波の周波数と、当該アクティブセンサの光ファイバセンサによって検出された当該周波数における振動波の振幅とによって、周波数と振動強度との関係を導いて、配管の厚みを算出する波形解析手段と、
配管の劣化に関する判定閾値が収容された診断データベースと、
波形解析手段および診断データベースに接続され、波形解析手段によって算出された配管の厚みと、診断データベース内に収容された判定閾値とを照合して、配管の劣化および異常状態を診断する診断手段と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断装置。
【請求項17】
波形解析手段は、発振器によって配管内に入力された振動波の周波数と、光ファイバセンサによって検出された当該周波数における振動波の振幅の実効値または振動波をフーリエ変換することによって得られた周波数スペクトル強度とから、周波数と振動強度との関係を導いて、配管の厚みを算出することを特徴とする請求項16記載の配管劣化診断装置。
【請求項18】
請求項13記載の多点アクティブセンサを用いた配管劣化診断方法において、
少なくとも一つのアクティブセンサの光ファイバセンサによって、配管内で発生した振動波をパッシブに検出する工程と、
光ファイバセンサによって検出された配管内で発生した振動波を解析することによって、配管の劣化および異常状態を検出する工程と、
を備えたことを特徴とする配管劣化診断方法。
【請求項19】
各アクティブセンサの光ファイバセンサによって検出された振動波を、診断データベースに予め記録された配管の劣化に関する情報と照合し解析することによって、配管の劣化および異常状態を検出することを特徴とする請求項18記載の配管劣化診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−281559(P2008−281559A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103721(P2008−103721)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(504066081)株式会社レーザック (11)
【Fターム(参考)】