説明

アッセイ情報管理方法及びデバイス

本発明は、アッセイ情報を、生物学的アッセイにおいて使用されるアッセイ消耗品と関連するための方法、デバイス及びシステムに関する。アッセイシステム及び関連した消耗品が提供され、ここでアッセイシステムは、アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から/アッセイ消耗品識別子に、情報を読み取り/消去/書き込みするように適合された読み取り装置を含む。様々な種類のアッセイ情報、さらにはアッセイシステムによるアッセイの実行においてこのような情報を使用する方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第61/271,873号(2009年7月27日出願)(その内容全体が参照により本明細書に加入される)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本教示は、アッセイ情報を生物学的アッセイにおいて使用されるアッセイ消耗品と関連付けるための方法、デバイス、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
アッセイを実行するための多数の方法及びシステムが開発されている。これらの方法及びシステムは、医療診断、獣医の検査、食物及び飲料の検査、環境モニタリング、製造品質管理、創薬及び基本的な科学的研究を含む種々の適用において必要なものである。生物学的アッセイにおいて使用される試薬及び他の消耗品の製造及び使用の間、試薬及び消耗品は典型的にはそれらを追跡するために製造者によりコード化されてラベルを付けられる。さらに、いずれか所定のアッセイの分析結果を理解するために無数の分析パラメーターを追跡しなければならず、しばしば製造者、利用者又はその両方により供給される種々の並行追跡システムからの入力を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
本発明は、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、該アッセイシステムは、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含む。一実施態様において、システムによるアッセイの実行前、実行中かつ/又は実行後に該システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整するために、該システムにより情報が使用される。
【0005】
特定の実施態様において、情報は、(i)アッセイ消耗品、(ii)消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイト、(iii)消耗品において使用されたか又は使用しようとする試薬及び/又はサンプル、並びに(iv)それらの組み合わせからなる群より選択される要素を識別するために使用される情報を含む。例えば情報は、消耗品内の第一の試験サイトと該消耗品内の異なる試験サイトとを区別するために使用される。一実施態様において、情報は、ロット識別情報;ロット固有分析パラメーター、製造過程情報、原材料情報、有効期限;較正データ;閾値情報;アッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置;製品安全データシート(Material Safety Data Sheet)(MSDS)情報、並びにその組み合わせからなる群より選択される消耗品情報である。
【0006】
情報はまた、アッセイ消耗品の少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置;サンプルについてアッセイ消耗品で得られたアッセイ結果;アッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるサンプル情報であってもよい。情報は、管理の連鎖の情報(chain of custody information)、例えばサンプルの管理、移送及び/又は分析に関する情報を含んでいてもよい。管理の連鎖の情報は、利用者識別;アッセイについての時間及び日付のスタンプ;アッセイ中のアッセイシステムの位置;アッセイ中のアッセイシステムの較正及びQC状況、アッセイの実行前及び実行後のアッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;サンプルについてのアッセイ結果;並びにそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、アッセイ消耗品の管理、移送及び/又は製造に関する情報を含んでいてもよい。なおさらに情報は、アッセイ消耗品の製造の間の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター;アッセイ消耗品の製造後及び/又は製造の間の工程間の該アッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される管理の連鎖の情報である。
【0007】
別の実施態様において、情報は、消耗品の種類及び構造;アッセイ消耗品と共に含まれるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される消耗品/試験サイト情報である。
【0008】
あるいは情報は、アッセイ中読み取り装置により適用されるアッセイパラメーター;アッセイ中読み取り装置により適用される工程の順序;アッセイ中使用すべきか又は添加すべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/又は量;アッセイ中読み取り装置により適用されかつ/又は測定される光の種類又は波長;アッセイ中読み取り装置により適用される温度;アッセイについてのインキュベーション時間;アッセイ中収集された生データに対して読み取り装置により適用される統計又は分析方法;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアッセイ過程情報である。さらなる実施態様において、アッセイは多段階アッセイであり、そしてアッセイ過程情報は該多段階アッセイの1つ又は複数の工程に関するものである。
【0009】
なおさらに、消耗品/試験サイト情報は、消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により予め行われたアッセイに関する情報;消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行おうとするアッセイに関する情報;並びにそれらの組み合わせを含む。
【0010】
情報はさらに、アッセイ消耗品証明に関する情報;システムにおけるアッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される消耗品セキュリティー情報を含んでいてもよい。
【0011】
1つ又はそれ以上のセンサー;アッセイ消耗品をシステム中に、及びシステムから輸送するための機構;アッセイ消耗品をシステム中の1つ若しくはそれ以上のセンサー及び/又は電気的、機械的若しくは流体のインターフェースと整列させ、かつ配向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び/又は識別するための機構、電子機器又はソフトウエア;1つ又はそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/又は分配するための機構からなる群より選択されるアッセイシステムの構成要素の操作を調整するために情報がシステムにより使用され得る。
【0012】
本発明はさらに、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、該アッセイシステムは、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含み;ここで該情報は、該消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行おうとするアッセイに関する情報;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される消耗品/試験サイト情報を含む。
【0013】
本発明はまた、アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、該アッセイシステムは、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含み;ここで該情報は、アッセイ消耗品証明に関する情報;システムにおけるアッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される消耗品セキュリティー情報を含む。
【0014】
なおさらに本発明は、多重化アッセイの実行において多重使用可能な(multiplex enabled)アッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムを考慮し、ここで該アッセイ消耗品は複数の試験サイトを含み、該試験サイト内で該多重化アッセイが行われ、そして該アッセイシステムは、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含む。
【0015】
本発明はまた、情報を含むアッセイ消耗品識別子を含むアッセイ消耗品を提供し、ここで該アッセイ消耗品は、(i)アッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含むアッセイ消耗品;及び(ii)1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を保持するように適合された容器からなる群より選択される。
【0016】
一実施態様において、本発明は、(i)アッセイのための複数の試験サイト、[ここで該試験サイトはそれぞれ複数の別個のアッセイドメインを含み、該ドメインはそれぞれ異なる被検体を測定するための試薬を含む];並びに(ii) (i)アッセイ消耗品、(ii)消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイト、(iii)消耗品において使用されたか、又は使用しようとする試薬及び/又はサンプル、並びに(iv)それらの組み合わせからなる群より選択される要素を識別するために使用される情報を含むアッセイ消耗品識別子を含む、多重使用可能なアッセイ消耗品を提供する。
【0017】
本発明はまた、アッセイシステムにおいてアッセイ消耗品を使用する方法を考慮し、ここで該アッセイ消耗品は消耗品識別子を含み、そして該アッセイシステムは、(i)該消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含み、該方法は、(a)該消耗品識別子から情報を読み取る工程;(b)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;及び(c)工程(b)で実行されたアッセイから生じた情報を該消耗品識別子に書き込む工程を含む。
【0018】
なおさらに、本発明はアッセイシステムにおいてアッセイ消耗品を使用する方法を提供し、ここで該アッセイ消耗品は消耗品識別子を含み、そして該アッセイシステムは、(i)該消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含み、該方法は、(a)該消耗品識別子から情報を読み取る工程;(b)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;(c)工程(b)で実行されたアッセイから生じた情報を該消耗品識別子に書き込む工程、及び(d)該アッセイ消耗品の使用を追跡することを含む。
【0019】
一実施態様において、本発明はアッセイ消耗品識別子及び複数の試験サイトを含むアッセイ消耗品の使用を追跡する方法を提供し、該方法は、(a)該アッセイ消耗品識別子から試験サイト利用情報を読み取ること;(b)該試験サイト利用情報に基づいて該消耗品における利用可能な試験サイトを識別すること;(c)該利用可能な試験サイトを使用してアッセイを行うこと;及び(d)該アッセイ識別子に更新された試験サイト利用情報を書き込むことを含む。
【0020】
さらに本発明は、アッセイ消耗品の製造を追跡する方法を提供し、ここで該アッセイ消耗品は識別子及び1つ又はそれ以上の構成要素部分を含み、そして該製造過程は、(i)該識別子から製造情報を読み取ること;(ii)該識別子から製造情報を消去すること;(iii)該識別子に製造情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置をそれぞれ含む1つ又はそれ以上の製造消耗品により行われる1つ又はそれ以上の操作を含み;該方法は、(a)該識別子を該消耗品の第一の構成要素に取り付けること;(b)該製造過程の操作を行うこと;(c)製造情報を該識別子に書き込むこと[ここで該製造情報は工程(b)において行われた操作に関する情報を含む];(d)該製造過程においてさらなる工程を行うこと;及び(e)製造情報を該識別子に書き込むこと[ここで該製造情報は、工程(d)において行われた操作に関する情報を含む]を含む。
【0021】
アッセイの実行においてアッセイカートリッジを使用するように構成されたアッセイシステムも提供され、該アッセイシステムは、以下の操作(i)アッセイ消耗品と関連する第一の消耗品識別子からカートリッジロット識別情報を読み取ること;(ii)さらなる消耗品識別子からロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)該ロット識別情報及びロット固有パラメーターを使用して、該システムによるアッセイの実行前、実行の間、かつ/又は実行後に該アッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整することを行うように適合された読み取り装置を含む。ロット固有パラメーターは、(i)アッセイ結果及び/又はアッセイ情報を解釈するために使用されるスキーマを決定するリビジョンレベル;(ii)カートリッジの種類;(iii)カートリッジの製造年;(iv)カートリッジのロット番号;(v)アッセイにおいて使用されるカートリッジ及び/又は試薬の有効期限;(vi)化学的交差反応性を説明するためのクロストーク補正マトリックス;(vi)カートリッジにおいて実行しようとするアッセイについての閾値;(vii)アッセイにおいて使用される内部ポジティブコントロールの範囲;(viii)カートリッジにおいて実行しようとする各アッセイについてのポジティブコントロールの範囲からなる群より選択され得る。
【0022】
なおさらに本発明は、アッセイの実行においてマルチウェルアッセイプレート、さらなるマルチウェルアッセイプレート及び1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックを使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、該アッセイシステムは、以下の操作(i)該1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックと関連する第一の消耗品識別子からチューブ位置情報を読み取ること;(ii)該さらなるマルチウェルアッセイプレートと関連するさらなる消耗品識別子からアッセイ情報及びロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)該システムによる該マルチウェルアッセイプレートでのアッセイの実行前、実行の間、及び/又は実行後に該位置情報及びロット固有パラメーターを使用して該アッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整すること;(iv)該さらなる消耗品識別子から情報を消去すること;並びに(v)該さらなる消耗品識別子に情報を書き込むことを行うように適合された読み取り装置を含む。
【0023】
種々の実施態様の詳細な説明
本明細書において別の定義がなければ、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈により別に要求されていなければ、単数形の用語は複数を含むものとし、かつ複数形は単数形を含むものとする。冠詞「a」及び「an」は本明細書において、その冠詞の文法上の目的語の1つ又は1つより多く(すなわち少なくとも1つ)を指す。例として、「要素(an element)」は1つの要素又は1つより多い要素を意味する。
【0024】
本発明のアッセイ消耗品及びシステムは、種々のデバイス及び構成を含む。一実施態様において、本発明のアッセイシステムは、アッセイ消耗品を使用して生物学的アッセイを実行できるアッセイ読み取り装置を含む。アッセイ消耗品は識別子(あるいは明細書の全体を通して識別子、消耗品識別子、又はアッセイ消耗品識別子と呼ばれる)を含み、そしてアッセイシステム、読み取り装置又はその構成要素は、識別子と相互作用する識別子コントローラーを含む。本明細書の以下に記載されるように、識別子はアッセイ消耗品に関する情報を含み、この情報には、限定されないが、消耗品が使用前にどのように製造され扱われたか、そして消耗品がアッセイシステムにおいてどのように使用されるかなどが含まれる。従って、本アッセイシステムはアッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されており、そしてアッセイシステムは(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;及び/又は(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むことより選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含む。この情報は、様々な操作、例えば生物学的アッセイのいずれかの局面を行うこと、アッセイ消耗品及び/若しくはアッセイシステムの使用及び/若しくは性能を追跡すること、情報が同じか若しくは異なるアッセイシステムにおいてその後の適用で評価され使用され得るようにそのアッセイ消耗品に特有の特定の情報をその消耗品と関連付けること、並びに/又はシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作をシステムによるアッセイの実行の前、実行の間、及び/若しくは実行後に調整することを行うためにシステムにより使用され得る。
【0025】
本発明により考慮されるアッセイシステムは、当該分野で公知のいずれかの種類の診断又は分析方法を実行するために使用される。このような分析方法としては、限定されないが、臨床的化学アッセイ(例えば、pH、イオン、ガス及び代謝物の測定)、血液学的測定、核酸増幅アッセイ(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びリガーゼ連鎖反応アッセイ)、イムノアッセイ(例えば、直接、サンドイッチ、及び/又は競合イムノアッセイ、並びに血清学的アッセイ)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、及び核酸ハイブリダイゼーションアッセイが挙げられる。このような分析方法において使用されるかもしれないいずれの生物学的試薬も上記システムにおいて使用され得、これらとしては、限定されないが、核酸、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA、プライマー、プローブ、抗体又はそのフラグメント、抗原、小分子、例えば薬物又はプロドラッグ、ストレプトアビジン、アビジン、及びビオチンが挙げられる。
【0026】
これらのシステムはポータブルであってもよく、例えば単独又は1つ若しくはそれ以上のさらなる構成要素、アッセイデバイス若しくはシステムと組み合わせて、手で持って操作できかつ/又は固定された実験室若しくは現場環境内で操作され得る。これらのシステムは、限定されないが、医学的、臨床的、法医学的、薬学的、環境、獣医学的、生物学的、化学的、農業、廃棄物管理、有害化学品、薬物の試験を含む、現場作業から実験室環境までの様々な適用において、広範な種々の産業において、及び防衛上の適用において、例えば生物兵器剤の検出のために使用され得る。本発明において使用されるアッセイシステム及び消耗品は、光学的、電気機械的、電波、電磁気的、比色分析、蛍光分析、化学発光、電気化学発光、放射化学的、核磁気共鳴、酵素的、蛍光、粒子計数及び細胞計数ベースの検出を含むがこれらに限定されないいずれかの適切な方法により目的の被検体を検出し得る。
【0027】
アッセイ消耗品は、アッセイ過程のうち1つ又はそれ以上の工程が実行されるデバイスを含み、このようなデバイスは、アッセイ測定が実行される1つ又はそれ以上の試験サイトを含んでいてもよい。一実施態様において、アッセイ消耗品はアッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含む。試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでいてもよく、ドメインのうち少なくとも2つは異なる被検体を測定するための試薬を含む。なおさらに、消耗品は複数の個々のアッセイのための複数の試験サイトを含んでいてもよい。あるいはアッセイ消耗品は、試薬を提供する構成要素又はアッセイを実行するためにシステムにより使用される他のアッセイ構成要素であり得る。例えば、アッセイ消耗品はアッセイ試薬を保持するための1つ又はそれ以上の区画を有する容器であり得る。アッセイ消耗品(又はその中の試験サイト)は単回使用(single use)であってもよく、又は再使用可能であってもよい。アッセイ消耗品は、1回の試験又は複数回の試験を(連続して、又は並行して)実行するように構成され得る。
【0028】
本明細書で使用される試験サイト(test site)は、サンプルを保持し、接触し、かつ/又は調べる、消耗品の領域を指す。試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含んでいてもよく、少なくとも2つのこのようなドメインは異なる被検体を測定するための試薬を含む。消耗品は、別個の体積(アリコート)の同じサンプル及び/又は別個の体積の異なるサンプルを保持し、接触し、又はそうでなければ調べ得る多数の試験サイトを含み得る。アッセイ消耗品のセクターは、その消耗品の2つ又はそれ以上の試験サイトの集団を指す。各試験サイトは、ある体積のサンプルの単回の測定又は複数回の測定(例えば、多重化アッセイ形式での多数の異なる被検体の測定)を実行するために使用され得る。適用の具体的な要件に依存して、多数の試験サイトを有する消耗品は、その試験サイトの全てを並行して使用するように、その試験サイトを異なる時点で(例えば、新しいサンプルがアッセイシステムに送達されるときに使用していない試験サイトを使用するように割り当てる)使用するように構成され得、又は両方の操作様式の組み合わせが可能にされ得る。
【0029】
アッセイ消耗品は診断適用において有用ないずれかの構造であり得、そしてその構造は特定のアッセイ形式又はデバイスにより使用される検出方法に左右され得る。本発明での使用に適したアッセイ消耗品の例としては、限定されないが、試験管、キュベット、フローセル、アッセイカートリッジ及びカセット(これはアッセイ処理のための一体化された流体工学(fluidics)を含み得る)、マルチウェルプレート、スライド、アッセイチップ、ラテラルフローデバイス(例えばストリップ試験)、フロースルーデバイス(例えばドットブロット)、ピペットチップ、生物学的試薬のための固相支持体などが挙げられる。特定の実施態様において、アッセイ消耗品中の試験サイトは、アッセイ消耗品中の区画、例えばウェル、チャンバー、チャネル、フローセルなどによって規定される。アッセイ消耗品及び/又は試験サイトは、1つ又はそれ以上の特定の検出方法論にしたがってアッセイの測定を行うために使用される1つ又はそれ以上の構成要素を含み得る。消耗品の機能及びアッセイシステムにより使用される検出様式に依存して、このような構成要素の例としては、限定されないが、ラテラルフローマトリックス、ろ過マトリックス、光の窓、センサー(例えば電気化学的センサー及び光学センサー)、結合反応のための固相支持体(例えば、コートスライド、チップ、ビーズ、ピン、コーティングされたろ過マトリックス又はラテラルフローマトリックス、チューブなど)、試薬(乾燥又は液体形態)、電極、被検体選択膜などが挙げられる。
【0030】
一実施態様において、アッセイ消耗品は、アッセイ媒体として従来のラテラルフロー試験ストリップ、例えばイムノアッセイ試験ストリップを組み込んだデバイスであってもよい。この例では、デバイスは識別子を含むように成形されるか、又はデバイス及び/又はアッセイ媒体の構造に変更を加えることなく識別子がデバイスに取り付けられる。一実施態様において、デバイスはアッセイを行う前、行う間、及び行った後に分析のために分析システム、すなわちアッセイシステム内に配置され、アッセイシステム内にあるか、アッセイシステムに取り付けられているか又はアッセイシステムに関連付けられている識別子コントローラーは、識別子に含まれるデータを読み取り、そしてそのデータをアッセイにおいて、又はシステムによりアッセイが完了された後に使用する。
【0031】
別の実施態様において、アッセイ消耗品及び付随するアッセイシステム又は読み取り装置は、多重アッセイを行うことができる。多重アッセイは、多数の測定が単一のサンプルに対して、例えばサンプルを多数の試験サイトにわたって分配することにより、及び/又は多重測定を個々の試験サイトの多量のサンプルに対して行うことにより行われるアッセイの種類である。多重測定には、限定されないが、(i)ある被検体についての測定の複数回の反復;(ii)特定の被検体の複数回の測定(すなわち、同じ被検体についての多数の同一でない測定、例えば、形式又は使用されるアッセイ試薬のアイデンティティが異なる測定);及び/又は(iii)多数の異なる被検体の測定が含まれ得る。1つの特定の実施態様において、アッセイ消耗品は、1つ又はそれ以上の試験サイトにおいて2つの異なる被検体についての少なくとも2つのアッセイを含む多重測定を行うように構成される。
【0032】
本発明は、試験サイトにおいて多重測定を行うための特定のアプローチに限定されず、多重測定を行うために開発された多数の技術のいずれかを使用し得る。本発明とともに使用され得る多重測定としては、限定されないが、(i)多数のセンサーの使用を含む多重測定;(ii)表面上の位置に基づいて区別可能な表面(例えばアレイ)上の個別のアッセイドメインを使用する多重測定;(iii)粒子特性、例えばサイズ、形状、色などに基づいて区別可能な粒子に被覆された試薬の使用を含む多重測定;(iv)光学特性(例えば吸光度又は発光スペクトル)に基づいて区別可能なアッセイシグナルを生じる多重測定、(v)アッセイシグナルの時間的特性(例えば、時間、頻度又はシグナルの位相)に基づく多重測定、及び/又は(vi)いくつかの他のアッセイ特徴に基づく多重測定が挙げられる。従って、多重化アッセイ結果の解釈は、多重化情報、例えば各試験サイトにおいて、及び試験サイト内で行われるアッセイのアイデンティティ、試験サイトにおいて行われるアッセイを区別するために使用され、かつ/又は特定のアッセイアイデンティティを対応するアッセイシグナルと結び付けるために使用されるアッセイ特徴(特定のセンサーのアイデンティティ、位置、及びアッセイドメインのアイデンティティなど)の使用を含み得る。
【0033】
一実施態様において、アッセイ試験サイトは複数の別個のアッセイドメインを含み、そして各ドメインは、異なる被検体を測定するための1つ又はそれ以上の試薬を含む。各アッセイドメインの位置、アイデンティティ、及び構成を含む多重化情報は、各ドメインにおいて生成されたアッセイシグナルを識別し、そしてそれを対応する被検体の存在又は量の決定に関連付ける(シグナル閾値及び/又は較正パラメーターのようなさらなるアッセイ情報の適用を含み得る過程)ために使用される。
【0034】
試験サイトは、複数の多重化測定を行うように構成されていてもよい(例えば、各ドメインが異なる被検体を測定するための試薬を含む複数の別個のアッセイドメインを含み得る)。一実施態様において、アッセイ消耗品は複数の試験サイトを含み得る。消耗品における1つ若しくはそれ以上の試験サイト、アッセイドメイン、及び/又は1つ若しくはそれ以上のセクターの正確な構成に関する情報は、アッセイ消耗品識別子に保存される情報に含まれていてもよい。この情報は、試験サイト、アッセイドメイン、及び/又は1つ若しくはそれ以上のセクターの位置及びアイデンティティ、さらには試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクター内の個々の測定の数、アイデンティティ及び差別化特徴を含む多重化情報(上記のとおり)(例えば、各試験サイト内のアッセイドメインの具体的な位置、アイデンティティ、及び/又はアッセイ試薬)を含み得る。さらに、アッセイ消耗品中の試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクターの使用はまた、アッセイシステムにおける消耗品の使用を追跡するために識別子に記録され得る。識別子はまた、アッセイ消耗品又はアッセイ消耗品の試験サイト、アッセイドメイン、及び/若しくはセクターについて使用しようとするアッセイ形式及び特定の処理工程に関する情報を含み得る。識別子はまた、アッセイが実行されて所定の試験サイト、アッセイドメイン及び/又はセクターにおけるアッセイの出力を分析し、そして場合により試験サイト、アッセイドメイン、及び/又はセクターにおける多重アッセイからの出力を合わせた結果をもたらす時点でシステムにより適用されるべき分析方法に関する情報も含み得る。
【0035】
試験サイトは、消耗品の形状及び/又はその消耗品を用いて実行されるアッセイの種類に依存していずれかの適切な構成で構成され得る。一実施態様において、試験サイトはアッセイ消耗品におけるウェル及び/又はチャンバーとして構成される。例えば、本発明のアッセイ消耗品はマルチウェルプレート(例えば、24ウェル、96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルのプレート)であり得、そしてプレートのウェルは、複数(例えば、2又はそれ以上、4又はそれ以上、7又はそれ以上、25又はそれ以上、64又はそれ以上、100又はそれ以上など)の別個のアッセイドメインをさらに含んでいてもよい。電極誘導発光測定(例えば、電気化学発光測定)を使用してアッセイ測定を実行することを可能にするように適合されたマルチドメインマルチウェルプレートが米国出願第10/238,391号(表題「Methods and Reader for Conducting Multiple Measurements on a Sample」、2002年9月10日出願、参照により本明細書に加入される)に記載されている。アッセイ消耗品中のドメイン、試験サイト及び/又はセクターの正確な構成、さらには各ドメイン、試験サイト及び/又はセクター並びにそのドメイン/試験サイト/セクターに結合された試薬の具体的なアイデンティティは、アッセイ消耗品識別子に保存された情報に含まれ得る。さらに、アッセイ消耗品における所定のドメイン、試験サイト、及び/又はセクターの使用もまた、アッセイシステムにおける消耗品の使用を追跡するために識別子に記録され得る。
【0036】
アッセイ消耗品は、多数の多様なアッセイにおいて使用することができ、この多様性により、関連した消耗品の様々な適切な構成がもたらされる。1つのアッセイ形式において、同じ被検体を試験サイト内の異なるアッセイドメインで測定し、これらの異なるアッセイドメインは、被検体の異なる特性又は活性を測定するために設計されている。アッセイ消耗品、試験サイト及び/又はアッセイドメインにおいて使用され得るアッセイ形式に関する情報もまたアッセイ消耗品識別子に保存され得る。識別子は、アッセイが実行されて所定の試験サイト及び/又はドメインにおけるアッセイの出力を分析し、そしてその出力を別の試験サイト及び/又はドメインにおけるアッセイと比較する時点でシステムにより適用されるべき分析方法に関する方法も含み得る。
【0037】
多重アッセイ消耗品及び読み取り装置の一例はU.S.2004/0022677(その開示は参照によりその全体が本明細書に加入される)に記載されている。このようなアッセイ消耗品は、1つ又はそれ以上のアッセイ測定を同時に又は連続して実行するための、1つ又はそれ以上、及び一実施態様では複数の試験サイト及び/又はアッセイドメインを含む。例えば、試験サイトはウェル及び/又はチャンバーとして構成され得る。これらの試験サイト及び/又はアッセイドメインは、試験サイト及び/又はアッセイドメインにおいて材料からの発光を誘導するための1つ又はそれ以上の電極を含む。アッセイ消耗品は、消耗品の例えば試験サイト、例えばウェル又はチャンバーに液体又は乾燥形態のアッセイ試薬をさらに含み得る。
【0038】
試験サイト及びアッセイドメインに加えて、アッセイ消耗品又はマルチウェルアッセイプレートは、いくつかのさらなる要素、例えばプレート上部、プレート底部、ウェル、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、及びアッセイ試薬を含み得る。プレートのウェルは、プレート上部における穴若しくは開口部により規定されても、又はプレートの表面上のくぼみ若しくは凹みとして規定されてもよい。プレートは任意のパターン又は構成で配置された任意のサイズ又は形状の任意の数のウェルを有し得、そして様々な異なる材料から構成され得る。本発明で使用され得る消耗品の例となる実施態様には、プレート及びウェルの数、サイズ、形状及び構成についての業界標準の形式が含まれ、例えば2次元アレイで構成されたウェルを有する96ウェル、384ウェル、及び1536ウェルのプレートである。他の形式としては、シングルウェルプレート、2ウェルプレート、6ウェルプレート、24ウェルプレート、及び6144ウェルプレートが挙げられ得る。マルチウェルアッセイプレートは1回使用されても複数回使用されてもよく、そしてプレートが使い捨てである適用によく適している。適切なアッセイプレートについての種々の構成が本発明において使用され得、これらとしては、限定されないが、米国出願第2004/0022677号の図11A、12A、13A、13B、14A、15及び16A(これらはそれぞれ参照により本明細書に加入される)に示されるものが挙げられる。上述のように、アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト、ドメイン、及び/又はセクターの具体的な構成及びアイデンティティは、アッセイ消耗品識別子に保存される情報に含まれ得る。
【0039】
この実施態様において、アッセイ消耗品は、アッセイ消耗品(例えばマルチウェルアッセイプレート)において、又はアッセイ消耗品上で実行されるアッセイにおいて、発光、例えば電極誘導発光又は電気化学発光を誘導して測定するために使用され得る読み取り装置において使用され得る。付随するアッセイシステムはまた、例えば電極において電流及び/又は電圧を誘導及び/又は測定することもできる。アッセイシステムは、例えば、1つ又はそれ以上の光検出器;光遮断ハウジング;アッセイプレートを読み取り装置中に、及び読み取り装置から(及び特に、光遮断ハウジング中に、及び光遮断ハウジングから)輸送するための機構;アッセイプレートを光検出器と、かつ/又は電気接触と整列させ、かつ配向を合わせるための機構;プレートを追跡及び識別するためのさらなる機構(例えばバーコードリーダー);プレート、発光を誘導するための1つ又はそれ以上の電気エネルギー源、並びに適切なデバイス、電子機器及び/又はソフトウェアへの電気配線を生成する機構を組み込んでいてもよい。アッセイ読み取り装置はまた、1つ又はそれ以上のマルチウェルアッセイプレートを貯蔵、積み重ね、移動及び/又は分配するための機構(例えば、プレートスタッカー及び/又はコンベヤー)を含み得る。アッセイシステムは、プレートの複数のセクター若しくは領域(すなわち、プレート内の複数の隣接するアッセイドメインの集団)から連続して、かつ/又はプレート全体から実質的に同時に、若しくは同時に、光を測定することによりマルチウェルアッセイプレートからの光を測定するように構成され得る。アッセイシステムはまた、システム内の特定の機能を制御するため、並びにデータの保存、分析及び提示において補助するためのさらなるマイクロプロセッサ及びコンピューターを組み込んでいてもよい。適切なアッセイシステムのための様々な構成が本発明において使用され得、これらとしては、限定されないが、米国出願第2004/0022677号の図17〜23に示されるもの(これらはそれぞれ参照により本明細書に加入される)が挙げられる。
【0040】
アッセイシステムにおけるさらなるマイクロプロセッサ及びコンピューターはまた、データ及びコマンドを識別子へ/識別子から種々のマイクロプロセッサ/コントローラーへとシステムを通じて転送することによりアッセイ消耗品識別子マイクロプロセッサ又はコントローラーと相互作用してアッセイシステム内で上に列挙される構成要素の種々の操作を行い得る。
【0041】
アッセイ消耗品(例えばマルチドメインマルチウェルプレート)及びアッセイシステムを使用する1つのアッセイ手順は、消耗品をシステムに挿入して、識別子コントローラーがその消耗品に取り付けられているか消耗品と関連付けられている識別子と相互作用することを可能にすることを含むだろう。あるいは消耗品パッケージングは、それらに取り付けられているかそれらと関連付けられている識別子を含み、そして消耗品がシステムに挿入される前に、消耗品パッケージングと関連付けられている識別子を識別子コントローラーと接触させる。システムは、識別子に保存されたアッセイ情報に基づいてアッセイを開始する前にアッセイパラメータを調整し得る。その後システムは、消耗品への適切な電気的、流体及び/又は光学的接続を生成し(消耗品及びシステム上の電気的、流体、及び/又は光学的なコネクタを利用する)、そして消耗品を使用してアッセイを実行する。消耗品をシステムに挿入する前に消耗品中にサンプルが導入され得る。あるいは、システムに消耗品が挿入された後にシステムの構成要素によりサンプルが導入される。アッセイはまた、消耗品に1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を加えることを含んでいてもよく、そしてそれらの種々のアッセイ試薬を加えるための指示が識別子に保存され得、そしてシステムはアッセイ消耗品識別子に保存された指示に従ってアッセイの前又はアッセイ中消耗品にそれらの試薬を加える。
【0042】
あるいは、アッセイ消耗品はカートリッジであり、そして消耗品は1つ又はそれ以上の流体構成要素、1つ又はそれ以上の検出構成要素、1つ又はそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、乾燥アッセイ試薬及び/又は液体アッセイ試薬、並びにそれらの組み合わせから選択される要素をさらに含む。カートリッジは、複数の別個のアッセイ試験サイト及び/又はドメインを含む少なくとも1つのアッセイセルをさらに含んでいてもよく、これらの試験サイト及び/又はドメインはそれぞれ異なる被検体を測定するための試薬を含む。
【0043】
本発明において使用され得るアッセイ消耗品カートリッジの例は、米国出願第2004/0189311号(その開示は参照によりその全体が本明細書により加入される)に記載される。そこに記載されるアッセイ消耗品は、1つ若しくはそれ以上の流体構成要素(例えば、区画、ウェル、チャンバー、流体導管、流体ポート/ベント、弁など)及び/又は1つ若しくはそれ以上の検出構成要素(例えば電極、電極接触、センサー(例えば電気化学的センサー、流体センサー、質量センサー、光学センサー、容量センサー、インピーダンスセンサー、光導波路など)、検出窓(例えば吸光度、光散乱、光屈折、光反射、蛍光、リン光、化学発光、電気化学発光などの測定のような、カートリッジにおけるサンプルに対する光学的測定を可能にするように構成される窓)など)を組み込んだアッセイカートリッジである。このような消耗品はまた、結合試薬、検出可能な標識、サンプル処理試薬、洗浄液、緩衝液などのようなアッセイを行うための試薬を含んでいてもよい。これらの試薬は、液体形態、固形形態で存在していても、かつ/又はカートリッジに存在する固相支持体の表面上に固定化されていてもよい。この実施態様において、消耗品はアッセイを行うために必要な全ての構成要素を含む。さらに、アッセイ消耗品は、消耗品を受け入れてその消耗品に対して特定の操作、例えば流体の移動の制御、動力供給、カートリッジに対する物理的測定の実行などを行うように適合された消耗品読み取り装置と関連して使用される。
【0044】
より詳細には、このようなアッセイ消耗品カートリッジは、複数のアッセイ測定を行うための1つ又はそれ以上のアッセイドメイン(例えば、アッセイ反応が起こり、そして/又は電気化学発光若しくは電極誘導発光シグナルのようなアッセイ依存性シグナルが誘導される、アッセイ試験サイト表面上の個別の位置)を含んでいてもよい1つ又はそれ以上のアッセイ試験サイト(例えば、ウェル、区画、チャンバー、導管、フローセルなど)を有する。この実施態様において、アッセイドメインは、電気化学発光又は電極誘導発光の測定に基づいたアッセイの実行を可能にするようにアッセイ電極(一実施態様において、アッセイ電極のアレイ、例えばアッセイ電極の1次元アレイ)上で支持される。アッセイドメインは、場合により電極上に付着された誘電体層により規定される。さらに、アッセイ消耗品は、「ポイント・オブ・ケア(point of care)」の臨床的測定における使用にそれらを適するようにする1つ又はそれ以上の特性、例えば小さいサイズ、低費用、廃棄可能性、多重検出、使いやすさなどを有し得る。
【0045】
アッセイ消耗品カートリッジは、アッセイ測定を行うために必要な電子的構成要素及び/又はアクティブな機械的構成要素、例えば1つ又はそれ以上の電気的エネルギー源、電流計、電位差計、光検出器、温度モニター又はコントローラー、ポンプ、弁などを含み得る。あるいは、電子的構成要素及び/又はアクティブな機械的構成要素のうちいくつか又は全てが別個のアッセイ読み取り装置内に配置される。読み取り装置はまた、消耗品を使用したアッセイを行うために適切な、アッセイ消耗品への電気的、流体及び/又は光学的な接続を有するだろう。このような配置を使用して、読み取り装置(より高価で複雑な構成要素を保持する)は再使用可能であるがアッセイ消耗品を低費用で使い捨てであるように設計することができる。
【0046】
アッセイ消耗品カートリッジ及びアッセイシステム、例えばアッセイ読み取り装置を使用するアッセイ手順は、識別子コントローラーがカートリッジに取り付けられているか又はカートリッジと関連付けられている識別子と相互作用することを可能にするために、読み取り装置にカートリッジを挿入することを含み得る。あるいは、カートリッジパッケージングはそれらに取り付けられているか又はそれらと関連付けられている識別子を含み、そしてカートリッジが読み取り装置に挿入される前に、カートリッジパッケージングの識別子を識別子コントローラーと接触させる。読み取り装置は、識別子に保存されているアッセイ情報に基づいて、アッセイを開始する前にアッセイパラメーターを調整し得る。その後、読み取り装置はカートリッジに対して適切な電気的、流体及び/又は光学的な接続を生成し(カートリッジ及び読み取り装置上の電気的、流体及び/又は光学的コネクタを利用する)、そしてカートリッジにおいてアッセイを実行する。サンプルはリーダーにカートリッジを挿入する前にカートリッジに導入され得る(is may be)。アッセイは1つ又はそれ以上のアッセイ試薬をカートリッジに加えることを含んでいてもよく、そしてそれらの種々のアッセイ試薬を加えることについての指示は識別子に保存され得、そして読み取り装置がアッセイ消耗品識別子に保存された指示にしたがってアッセイの前又はアッセイ中それらの試薬をカートリッジに加える。
【0047】
一実施態様において、カートリッジベースの生化学的検出システムは、光学的検出器を含むシステムハウジングを含み得、ここでこのシステムハウジングは、処理のためにアッセイ消耗品及び/又は光学的検出器を受け入れて位置決めするように適合され構成される。システムはさらに、以下の1つ又はそれ以上を含み得る支持サブシステムを含み得る:アッセイ試薬/アッセイ消耗品及び/又は廃棄物を貯蔵するための貯蔵サブシステム;サンプルの取り扱いのためのサンプル取得/前処理/貯蔵サブシステム;試薬、サンプル、廃棄物などを取り扱うため、及び流体入り口ラインを介して検出チャンバーに流体を供給するための流体取り扱いサブシステム;カートリッジの電気接触を電気的に接触させて、電気エネルギーを電極に供給するための電気的サブシステム;並びにシステム及びサブシステムの操作を制御及び連係させるため、及び光学的検出シグナルを取得、処理及び保存するためのコントロールサブシステム。アッセイ消耗品識別子に保存された情報は、アッセイ消耗品を使用するアッセイの実行前及び/又は実行の間に1つ又はそれ以上のアッセイシステム構成要素を制御又は調整するために使用される情報を含み得る。
【0048】
なおさらに、アッセイ消耗品は1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を保持する容器であってもよく、これには、限定されないが、アッセイの実行においてアッセイシステムにより使用される1つ又はそれ以上の緩衝液、希釈剤、及び/又は試薬が含まれる。アッセイ消耗品識別子は容器に取り付けられていてもよく、かつ/又は容器のパッケージングに取り付けられていてもよい。
【0049】
一実施態様において、アッセイ消耗品識別子は消耗品、その履歴及び/又はその使用に関する情報を保存するためのメモリを含む。一実施態様において、メモリは不揮発性メモリである。不揮発性メモリは保存された情報を電力がなくても保持することができるコンピューターメモリである。消耗品識別子において使用され得る不揮発性メモリの例としては、限定されないが、電子不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ及びフラッシュメモリ)、磁気メモリ(例えば、ハードディスク、フレキシブルディスクドライブ、及び磁気テープ)、光学メモリ(光ディスクドライブ)及びこれらのアプローチの混合(例えば光磁気メモリ)が挙げられる。
【0050】
一実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、紫外光に露光することにより消去することができるプログラマブルリードオンリーメモリの一種であるEPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)を含む。一旦消去されると、それは新しいデータ又は改変されたデータで再プログラミングすることができる。別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、電気的に消去することができ、そしてUV光に露光させることなく再プログラミングすることができる不揮発性電子メモリのクラスであるEEPROM(電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)を含む。EEPROMは1回より多く書き込み又はプログラムすることができ、そして選択的にプログラムすることができる(使用者は他のセルのプログラミングを消去することなく特定のセルの値を変更することができる)。従って、チップのプログラミングの残りを変更又は再インストールする必要なしに、データのセクションを消去及び置換することができる。
【0051】
別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子は、大きなブロックで消去及びプログラムされるEEPROM特定の種類であるフラッシュメモリを含む。フラッシュメモリは技術的にはEEPROMの一種であるが、用語「EEPROM」は一般的には具体的に小さいブロックで、典型的には何バイトかで消去可能な非フラッシュ(non-flash)EEPROMを指すために使用される。消去サイクルは遅いので、フラッシュメモリの消去で使用される大きなブロックサイズは、大量のデータを書き込む場合に従来のEEPROMに勝る大幅なスピードの利点をもたらす。
【0052】
別の実施態様において、アッセイ消耗品識別子はスマートカード、チップカード、又は集積回路カード(ICC)(集合的に「ICCs」と呼ばれる)を含む。これらはデータを処理及び保存することができる集積回路を埋め込んだ小さなカードである。ICCsの2つの広義のカテゴリーがある;i)不揮発性メモリ保存構成要素及び場合によりいくつかの特定のセキュリティロジックを含むが、マイクロプロセッサは含まない「メモリーカード」、並びにIi)不揮発性メモリ構成要素とマイクロプロセッサ構成要素を合わせてICCへ又はICCから読み取られる情報の処理を可能にした「マイクロプロセッサカード」。ICC電子部品は、典型的にはPVC又はABSのようなプラスチックから作製されているカード上に支持されている。カードは偽造を避けるための埋め込まれたホログラムを含み得る。接触型ICCsは導電性接触パッドを有する。読み取り装置に挿入された場合、ICC上の接触パッドは読み取り装置の電気的コネクタと接触し、読み取り装置とICCとの間の情報の転送が可能となり、例えば、読み取り装置がICC上の情報を読み取り、消去又は書き込みすることが可能となる。
【0053】
情報を転送する別の方法はRFID、すなわち無線識別(radio frequency identification)を介するものであり、これはバーコード識別と理論が似ている。RFIDでは、電磁スペクトルのRF部分における電磁結合又は静電結合がシグナルを伝送するために使用される。RFIDシステムはアンテナ及びトランシーバー(これらが無線を読み取ってその情報を処理デバイスに転送する)、並びにトランスポンダー、又はタグ(これはRF回路及び伝送しようとする情報を含む集積回路である)から構成される。
【0054】
識別はバーコードを読み取ることによっても達成することができる。RFIDとバーコード技術との間の重要な差異の1つは、バーコーディングが依存している見通し環境(line-of-sight)読み取りの必要がRFIDにはないことである。また、RFIDスキャニングはバーコードスキャニングよりも遠い距離で行うことができる。高周波RFIDシステム(850MHz〜950MHz及び2.4GHz〜2.5GHz)は90フィートより大きい伝送距離を提供するが、2.4GHz域における波長は水(人体)により吸収され、従って限界を有する。
【0055】
一実施態様において、本発明において使用される不揮発性メモリは、EEPROM、フラッシュメモリ、ICC及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。一実施態様において、不揮発性メモリはEEPROMである。代替の実施態様において、不揮発性メモリはRFIDである。
【0056】
さらなる代替の実施態様において、2つ又はそれ以上の不揮発性メモリ構成要素を本発明において使用してもよい。例えば、第一の識別子を含む第一のアッセイ消耗品をアッセイシステムにおいて使用し得、そしてさらなる識別子を含むさらなるアッセイ消耗品もアッセイシステムにおいて使用し得る。各識別子は同じか又は異なる種類のメモリを含んでいてよい。しかし、それぞれの異なる形態のメモリについて、別々の識別子コントローラーが存在するだろう。そして特定のアッセイ情報が1つの識別子に保存され得、そして他のアッセイ情報は同じか又は異なる種類のさらなる識別子に保存され得る。例えば、システムにおいて使用される1つのアッセイ消耗品は識別子としてEEPROM又はRFIDを含み得、一方でシステムは例えばバーコードを識別子として含むさらなるアッセイ消耗品を使用してもよい。アッセイシステムは第一の識別子、すなわちEEPROM又はRFIDとインターフェースで接続することができる識別子コントローラーを含み、そしてシステムはバーコードとインターフェースで接続するさらなるコントローラーをさらに含むだろう。
【0057】
本発明のアッセイシステムは、不揮発性メモリ及びアッセイシステムの他の構成要素の操作を制御する識別子コントローラーを含む。識別子コントローラーは場合により通信インターフェースで不揮発性メモリと接続したマイクロコントローラーを含み、これは従来のインターフェースアーキテクチャ及びI2C、2ラインシリアルバスプロトコルのようなプロトコルを組み込んでいてもよい。マイクロコントローラーは不揮発性メモリをアドレス指定し、そしてメモリに対して書き込み、読み取り及び消去の操作を行う。
【0058】
消耗品識別子は消耗品上に位置していてもよいし、別個の構成要素であってもよい。いずれの場合も、システムは各消耗品に対して固有の識別子を有するよう設計され得る。あるいはシステムは、1つの別個の消耗品識別子が複数の消耗品に関連する情報を保持するために使用されるように構成され得る。一例では、消耗品の各パッケージングは、パッケージング中の複数の消耗品に関する情報を保持する、パッケージングに備え付けられた(あるいは、パッケージング中に供給される)パッケージング固有識別子を有する。場合により、各消耗品はまた消耗品に取り付けられたさらなる特有の消耗品固有識別子を有する。この消耗品固有識別子は、主に消耗品を一意的に識別して、それをパッケージング固有識別子上の情報と関連付けるために使用される。この実施態様において、ロット情報内容及び/又はバーコードのような編集可能でない識別子が使用され得る。
【0059】
アッセイシステムの様々な構成要素は、単一ユニットに一緒に収納されても、別々に収納されてもよい。例えば、アッセイシステムは別々のユニットとしてアッセイ読み取り装置及び識別子コントローラーを含み得る。アッセイシステムは、アッセイ読み取り装置と識別子コントローラーとの間に直接、またあるいはアッセイシステムのさらなる構成要素を通じて間接的に通信(有線通信でも無線通信でもよい)を提供する。代替の実施態様において、識別子コントローラーはアッセイ読み取り装置内に収納される。このような実施態様において、アッセイ読み取り装置は、アッセイの実行の間の読み取り装置への消耗品の挿入により消耗品識別子と識別子コントローラーとの間の通信も可能となるように(例えば、消耗品が挿入されるポートが消耗品を処理し、かつ/又は読み取る構成要素を含み、そしてまた消耗品識別子と通信するための電気的接触又は無線送信機のような構成要素を含む)構成され得る。一例では、消耗品がアッセイシステム中にロードされるときに、コントローラーと識別子(例えば不揮発性メモリ)との間に電気的接触が生成される。その結果、コントローラーは識別子に対してアッセイ情報を読み取り、消去及び/又は書き込みすることができる。あるいは、アッセイ読み取り装置は、カートリッジを処理/読み取りするため、及び消耗品識別子と通信するための別々のポートを有し得る。利用者は、コントローラーが識別子と電気的接触を生じてコントローラーが不揮発性メモリに対してアッセイ情報を読み取り、消去及び/又は書き込みすることを可能にするように、アッセイ消耗品又はパッケージングをコントローラーポートに、又はコントローラーポートの近くに配置する。
【0060】
一実施態様において、識別子はRFIDタグ、バーコード、EPROM、及びEEPROMからなる群より選択される不揮発性メモリを含む。なおさらに、識別子はフラッシュメモリ及びICCからなる群より選択されるEEPROMを含んでいてもよい。
【0061】
識別子は、例えば製造過程の間に、又はアッセイシステムにおける使用前の別の時点にプログラムされる。識別子は、アッセイシステム、読み取り装置又はアッセイシステムの構成要素の操作を制御するために、アッセイ又は多段階アッセイの工程の前、間、又は後に使用される情報(本明細書では「アッセイ情報」と呼ぶ)を用いてプログラムされ得る。用語「アッセイ情報」は、特定のアッセイ若しくはアッセイ工程、アッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルを一意的に識別するため、又は特定のアッセイ、アッセイ工程、アッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルを他のアッセイ消耗品、消耗品ドメイン、生物学的試薬若しくはサンプルと区別するために使用されるいずれかの情報を含み得る。アッセイ情報は、消耗品情報、サンプル情報、管理の連鎖の情報、消耗品/試験サイト情報、アッセイ過程情報、消耗品セキュリティー情報及びそれらの組み合わせを含み得る。アッセイ情報の種類はそれぞれ以下により詳細に記載される。
【0062】
例えば、アッセイ情報は消耗品情報を含み得、これらとしては、限定されないが、ロット識別情報、ロット固有分析パラメーター、製造過程情報、原材料情報、有効期限、製品安全データシート(MSDS)情報、製品挿入物情報(すなわち、アッセイ消耗品に付随するであろう製品挿入物に含まれるか記載されるかもしれないいずれかの情報、例えばアッセイの種類、どのようにアッセイが行われるか、アッセイ消耗品、アッセイ試薬又はその両方の使用説明など)、アッセイ消耗品において又はアッセイ若しくは多段階アッセイの工程において使用される1つ又はそれ以上の試薬についての閾値及び/又は較正データ、並びにアッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置が挙げられる。
【0063】
消耗品識別子はまた、ロット識別情報、すなわちアッセイ消耗品の特定のロットを識別するために使用される情報を含んでいてもよく、これはロット固有分析パラメーターとは異なるものであり、例えばそのロットからの消耗品を用いてアッセイを実行するため、又はそのロットからの消耗品から生じたアッセイ結果を分析するためにシステムにより使用され得る所定のロットに特有のその情報を含む。一実施態様において、アッセイ消耗品がマルチウェルアッセイプレート又はカートリッジである場合、ロット固有分析パラメーターは、限定されないが以下を含んでいてもよい:(i)情報を解釈するために使用されるスキーマを決定するリビジョンレベル;(ii)消耗品の種類;(iii)製造日;(iv)ロット番号;(v)有効期限;(vi)化学的交差反応性を説明するためのクロストーク補正マトリックス;(vii)消耗品において実行しようとするアッセイ及び各内部ネガティブコントロールについての閾値;(viii)各内部ポジティブコントロールの範囲;(ix)カートリッジにおいて実行しようとする各アッセイについてのポジティブコントロールサンプルの範囲;(x)データのインテグリティを確実にするためのソフトウエアチェックサム;(xi)ウェル内(又は試験サイト内)コントロール許容範囲;(xii)アッセイ名及び/又は識別子;(xiii)読み取り装置及び消耗品の操作を検証するために使用されるネガティブ及びポジティブ品質コントロール材料を含む、アッセイ品質コントロールに関する情報;(xiv)主較正曲線(master calibration curve)のような較正情報;並びに(xv)アッセイリキャリブレータの数及び名称及び/又はアッセイキャリブレータ許容範囲。
【0064】
アッセイ情報は、サンプル情報、例えばアッセイ消耗品の少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置、サンプルについて該アッセイ消耗品で得られたアッセイ結果、並びにアッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになるサンプルのアイデンティティを含んでいてもよい。
【0065】
アッセイ情報はまた、管理の連鎖に関連するもの、例えばサンプル及び/又はアッセイ消耗品の管理、移送及び/又は分析に関する情報であってもよい。管理の連鎖の情報は、利用者識別、サンプル識別、アッセイについてのタイムスタンプ及び日付のスタンプ;アッセイの間の研究所におけるアッセイシステムの位置;アッセイ中のアッセイシステムの較正及びQC(品質コントロール)状況、アッセイの実行前及び実行後のアッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;所定のサンプルについてのアッセイ結果、さらにはアッセイがシステムにより処理される前、間又は後に利用者が作成した自由なテキストコメント入力から選択され得る。なおさらに、管理の連鎖の情報は、アッセイ消耗品の製造の間の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター、アッセイ消耗品の製造後、及び/又は製造の間の工程間のアッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件を含んでいてもよい。
【0066】
アッセイ情報はまた、消耗品/試験サイト情報、例えば消耗品の種類及び構造、アッセイ消耗品内に含まれるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ(例えば、構造、組成、配列濃度及び/又は起源)、並びにアッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティを含んでいてもよい。
【0067】
さらにアッセイ情報は、アッセイ中システム又は読み取り装置により適用されるはずの個々のアッセイパラメーターに関するアッセイ過程情報を含んでいたもよい。例えば、このようなアッセイ情報は、所定のアッセイについての工程の順序、アッセイの間又はアッセイの特定の工程の間に使用されるか加えられるはずであるアッセイ試薬、例えば、そのアッセイにおいて使用されるはずである緩衝液、希釈剤、及び/又はキャリブレータのアイデンティティ、濃度及び/又は量を含み得る。さらにアッセイ情報は、アッセイプロトコルにおける1つ又はそれ以上の工程(例えば、希釈工程又は試薬添加工程)がロット間の差異又は消耗品間の差異を説明するようにどのように調整され得るかということに関するデータを含み得る。加えられる希釈剤の量及び/又は希釈剤の性質はこのような差異に基づいて変更され得る。同様に、アッセイの実行中加えられるかもしれない所定の試薬の量、インキュベーション期間、及び/又はアッセイの1つ若しくはそれ以上の工程の温度も、ロット間差異又は消耗品間差異に依存し得る。
【0068】
アッセイ情報はまた、アッセイの間又は多段階アッセイの特定の工程の間にシステム又は読み取り装置により適用されかつ/又は測定されるべき光の種類又は波長;アッセイ中システム又は読み取り装置により適用されるべき温度;アッセイについてのインキュベーション時間;並びにアッセイ中収集された生データに対してシステム又は読み取り装置により適用されるべき統計又は分析方法を含み得る。
【0069】
さらなる実施態様において、情報は、消耗品/試験サイト情報、すなわち、消耗品の1つ又はそれ上の試験サイトで予め行われたアッセイに関する情報、及び消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により行おうとするアッセイに関する情報を含む。従って、一旦システムによりアッセイが実行されれば、コントローラーはアッセイの結果を識別子に書き込むために使用され得る。 このような情報としては、限定されないが、アッセイ中システムにより収集された生データ又は分析されたデータ(ここで分析されたデータは収集後に統計学的分析にかけられたデータであり、そして生データはこのような統計学的分析にかけられていないデータである)、所定のアッセイ中使用されるアッセイ消耗品内の試験サイト及び/又はドメインのリスト、アッセイ消耗品又は消耗品内の試験サイト及び/若しくはドメインで実行しようとする事象のスケジュール、アッセイにかけられていないアッセイデバイスの試験サイト及び/又はドメインのリスト、所定のアッセイ又はアッセイ工程中生じたアッセイエラー又はシステムエラー、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
さらに情報は、アッセイシステムの構成要素、例えば1つ又はそれ以上の光検出器、光遮断ハウジングを直接又は間接的に制御するデータ;アッセイ消耗品を読み取り装置中に、及び読み取り装置から輸送するための機構;アッセイ消耗品を読み取り装置における1つ又はそれ以上の光検出器及び/又は電気接触と整列させ、かつ配向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び識別するためのさらなる機構及び/又はデータ保存媒体;発光を誘導するための1つ又はそれ以上の電気エネルギー源;1つ又はそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/又は分配するための機構;消耗品からの光をアッセイの間に連続して、実質的に同時に、又は同時に、消耗品の複数の試験サイトから測定するための機構並びにそれらの組み合わせを含む。
【0071】
なおさらに、アッセイシステムにおける識別子/コントローラーは、例えば、正しいアッセイ消耗品がシステムにおいて使用されているということ(本明細書では「消耗品セキュリティー情報」と呼ばれる)を確認するためのセキュリティー機構として使用され得る。アッセイ情報は、その消耗品が指定された製造供給元により製造されたということを証明するためのデジタル署名を含んでいてもよい。一実施態様において、不適切なアッセイ消耗品がシステムに存在する場合(例えば偽造の消耗品又は別の点でアッセイシステムと不適合性である消耗品)、コントローラーはシステム、読み取り装置又はその構成要素を無効にする。さらに、またあるいは、識別子/コントローラーは、システムにおけるアッセイ消耗品の適切な配置、例えばアッセイ消耗品又はその一部のアッセイシステムにおける適切な配向を検出するために使用され得、その結果コントローラーはアッセイ消耗品が正しい配向に配置されるまでシステム、読み取り装置又はその構成要素を無効にするだろう。なおさらに、システムにおける識別子/コントローラーはまた、アッセイ消耗品又はアッセイ試験サイト及び/若しくはドメインにおける欠陥を検出するために使用され得、そしてコントローラーはそれに従ってシステム、読み取り装置又はその構成要素を無効にするだろう。例えば、アッセイ消耗品又はドメインにおける欠陥の性質に依存して、コントローラーはアッセイ消耗品のその全体での使用を拒否しても、アッセイ消耗品における試験サイト及び/若しくはドメイン、又は一組の試験サイト及び/若しくはドメインの使用を拒否するように読み取り装置に指示してもよい。一実施態様において、読み取り装置はアッセイ消耗品並びに/又はその中の試験サイト及び/若しくはドメインで診断的分析を行ってそれらにおける欠陥を識別し得、そしてコントローラーはその診断的分析の結果を消耗品の識別子に書き込む。消耗品が異なる読み取り装置で後で使用される場合、この診断的分析の結果はコントローラーにより読み取られ、それに従ってその消耗品又はその消耗品における試験サイト及び/又はドメインの使用を調整するために読み取り装置により使用される。さらなる実施態様において、アッセイ消耗品はその製造の間又は製造後に品質コントロール過程にかけられてもよく、そしてその品質コントロール分析の結果がアッセイ読み取り装置でアッセイ消耗品の利用者により後の使用及び/又は検証のために識別子に書き込まれ得る。
【0072】
アッセイ情報はまた、消耗品又はその試験サイト及び/若しくはドメイン又は生物学的試薬についての承認情報、例えば利用者が特定の消耗品又は生物学的試薬を特定のアッセイにおいて使用することが許可されている回数、及び存在する場合はその使用の際の制限、例えばその利用者の許可が研究目的のみであるかどうかを含めて、特定の利用者が特定の消耗品又は生物学的試薬を使用する有効な許可を有しているかどうかに関する情報を含み得る。このような情報はまた、特定の消耗品又は生物学的試薬がリコールを受けたかどうか、又は他の点で使用に不適切になっていないか若しくは無許可になっていないかどうかに関する検証情報を含み得る。リコール情報及び任意の最終リコールチェックの日付及び/又はタイムスタンプは識別子に書き込むことができる。
【0073】
アッセイ情報はさらに、例えばそれが由来する元のサンプルの識別又は元のサンプルから取り出された世代の数を含む、アッセイ消耗品、試験サイト及び/又はドメインにおいて使用される生物学的試薬の起源に関する情報をさらに含み得る。例えば、アッセイにおいて使用されるアッセイ試薬が抗体である場合、アッセイ情報は抗体が由来するハイブリドーマの識別、例えばそのハイブリドーマについてのATCC受入番号を含み得る。
【0074】
アッセイ情報は個々の操作がその消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬若しくはサンプルで行われるとき、例えば、消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター若しくは生物学的試薬の製造の間、又は消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター、若しくは生物学的試薬若しくはサンプルでアッセイ若しくは工程が行われつつある間の消耗品、試験サイト、ドメイン、セクター又は生物学的試薬若しくはサンプルに関する情報をさらに含み得る。例えば、アッセイ消耗品が複数のアッセイ試験サイト、ドメイン及び/又はセクターを含む場合、アッセイシステムはアッセイ消耗品の単一の試験サイト、ドメイン及び/又はセクターでアッセイ又は多段階アッセイの工程を行ってもよい。一旦そのアッセイ又はアッセイ工程がアッセイシステムにより完了されれば、コントローラーはアッセイの結果、例えばアッセイ又はアッセイ工程の間に生じた生データ又は分析されたデータを識別子に記録して、かつ/又はコントローラーはアッセイ消耗品のどの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターがアッセイ若しくはアッセイ工程の間に使用されたか、並びに/又はアッセイ消耗品のどの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターがまだ使用されていないかを記録する。アッセイ消耗品は、後の使用のため、並びに利用者が別の試験サイト、ドメイン、及び/若しくはセクターを使用する準備ができている場合に貯蔵されてもよく、コントローラーは、どの試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターが使用されたか、まだ使用されていないかを識別するためにアッセイ消耗品の識別子に保存されているアッセイ情報、並びに/又はそれらのアッセイの結果を読み取る。その後コントローラーは、アッセイシステム、読み取り装置又はその構成要素に、未使用の試験サイト、ドメイン及び/又はセクターでアッセイ又はアッセイ工程を実行するように指示し得る。
【0075】
さらに、所定のアッセイプロトコルは特定の種類の一組の消耗品を必要とするかもしれない。従って、利用者が特定のアッセイプロトコルにおける使用のために特定の種類のアッセイ消耗品、例えばマルチウェルアッセイプレートを入力した場合、システムにおいてそのアッセイプロトコルを行うために1つ又はそれ以上のさらなるアッセイ消耗品が必要とされるかもしれず、例えば1つ又はそれ以上の試薬がマルチウェルアッセイプレートでの使用に必要とされるかもしれない。必要な消耗品の各々がアッセイプロトコルについての消耗品要件に関する情報を有する消耗品識別子を含んでいてもよい。必要な消耗品の1つがアッセイシステムに投入され、そして識別子コントローラーがその消耗品についての消耗品識別子と相互作用する場合、システムはシステムに存在する構成要素の目録を作り、そして結果を消耗品識別子に保存されている消耗品要件と比較する。いずれかの必要な消耗品が存在しないか又は不十分な供給量で存在する場合、システムは必要な消耗品識別子に保存されている情報に基づいてそのアッセイプロトコルのために追加の必要な消耗品を投入するよう利用者に指示する。2つ又はそれ以上のアッセイ消耗品がシステムにおいて使用される場合、機器は各消耗品と関連付けられている識別子に保存された消耗品要件に基づいて第一のアッセイ消耗品及び任意の関連した消耗品を正確に識別する。システムはアッセイ消耗品及び関連した消耗品がサンプルのアッセイを実行する前にシステムにロードされていることを確認する。対応する関連消耗品を伴わずに第一のアッセイ消耗品のみがシステムにロードされた場合、機器が所定の時間内にシステム内に関連消耗品を確認しなければ、システムは利用者に関連消耗品をロードするよう指示を出す。不適合アッセイ消耗品が機器にロードされた場合、システムは利用者に通知する。アッセイの利用可能な適合するセット(例えばマルチウェルアッセイプレートと特定のアッセイのための所定の試薬)がない場合、システムはサンプルのアッセイを実行しない。システムはアッセイの開始前にアッセイ消耗品の期限切れを調べて、そしてシステム利用者に警告を出して期限切れの消耗品の使用を防止する。消耗品がサンプル吸引の前に期限切れになっていた場合、システムはそのサンプルを処理しない。部分的に使用されるアッセイ消耗品が異なる機器に設置された場合、消耗品の使用は次の利用可能な未使用ウェルで自動的に開始される。
【0076】
識別子はまた、所定のアッセイ消耗品がアッセイシステム中に存在する時間を追跡するために使用され得る。従って、アッセイ消耗品がアッセイシステム中に挿入されるか又はアッセイシステムと接触される場合、アッセイシステムにおいてタイマーが起動され、そして開始時間が識別子に記録される。消耗品又は消耗品内の試験サイト、ドメイン及び/若しくはセクターでアッセイがシステムによ開始されるときに、識別子に時間も記録される。機器、システム又はその構成要素が(例えば電源を切ったことにより)シャットダウンした場合、タイマーは止まり、そしてその時間が識別子に記録される。従って、タイマーが止まったときはいつでも、積算設置時間(onboard time)が識別子に記録される。
【0077】
種々の実施態様によれば、上記の運搬手段で(in the carriers)提供される生物学的サンプル又は試薬は、生物学的試薬を操作するように設計されたシステムとは別に使用許諾される。種々の実施態様において、アッセイシステム、読み取り装置又はその構成要素は、システムが生物学的試薬、消耗品又はシステムの利用者、製造者及び/若しくは使用許諾者により又はそれらを代表して操作されるコンピューターシステムと公開及び/又は非公開のネットワーク上で通信することを可能にするネットワークに接続される。種々の実施態様において、使用許諾されたシステムのみでの特定の生物学的分析のための、使用許諾された生物学的試薬、消耗品、又はシステムの使用に対して限定された使用許諾が与えられ得る。従って、システムは、例えば特定の利用者が有効な使用許諾を有する場合、特定の消耗品に関連付けられている識別子に含まれるデジタル署名に基づいて、生物学的試薬、消耗品又はシステムを証明し得る。種々の実施態様において、識別子はまた生物学的試薬を同じ証明での使用のために補充することができないように1回きりの使用を提供するようにプログラムされ得る。
【0078】
特定の実施態様において、生物学的試薬、消耗品又はシステムの利用者、製造者及び/若しくは使用許諾者により、又はそれらを代表して操作される公開又は非公開のデータネットワークへのアクセスを有するシステム、読み取り装置又はその構成要素により識別子が読み取られる場合、特定のアッセイ情報はアッセイシステムと通信され得、そしてアッセイシステム上の識別子/コントローラーを介してローカルで読み取り、書き込み又は消去され得る。例えば、リコール及び/又は使用許諾情報は、ネットワーク接続を介して利用可能なアッセイ情報の部分集合であり得るが、一方でさらなるアッセイ情報、例えばロット固有情報、有効期限、較正データ、消耗品固有情報、アッセイドメイン情報、アッセイ結果情報、消耗品セキュリティー情報、又はそれらの組み合わせは、ローカルで識別子に保存され得るか、そうでなければアッセイシステムでネットワーク接続を介して利用可能ではない。一実施態様において、リコール、使用許諾及び/又は消耗品セキュリティー情報はアッセイシステムでネットワーク接続を介して利用可能であり得、そして残りのアッセイ情報はローカルで識別子に保存される。アッセイシステム又は読み取り装置はシステムハードウエア、システムファームウエア、システムデータ収集及び制御ソフトウェア、並びに方法又は消耗品データを含む。種々の実施態様において、システムハードウエアは、電子制御及びデータ処理回路、例えばマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラー、メモリ、及び不揮発性記憶装置を含む。種々の実施態様において、システムハードウエアはまた、ロボット及びサンプルポンプのような生物学的試薬を操作するための物理的デバイスを含む。種々の実施態様において、システムファームウエアはシステムハードウエアと関連して基本的な操作を行うための下位コンピューターで読み取り可能な命令を含む。種々の実施態様において、システムファームウエアはシステムハードウエアでマイクロプロセッサでの操作を開始するためのマイクロプロセッサ命令を含む。
【0079】
システムデータ収集及び制御ソフトウェアは、システムファームウエアと相互作用してより詳細な操作(例えば特定の生物学的分析に関する可視発光情報を取得するために電荷結合素子(CCD)を操作すること)のためにシステムハードウエアを制御する上位ソフトウエアである。種々の実施態様において、データ収集及び制御ソフトウエアは、例えば以下の状態:(i)待機;(ii)実行;(iii)一時停止;及び(iv)エラーをもたらすソフトウエア実行型状態機械を含む。種々の実施態様において、状態機械が待機状態にある場合、それは汎用工作機械から命令を受けて特定のデータ収集又はシステム制御操作を行うことができる。種々の実施態様において、汎用コンピュータはTCP/IPソケット接続をシステムに対して開き、システムが待機状態であるかどうかを決定し、次いで命令及び/又はパラメーターの送信を開始する。種々の実施態様において、暗号化されたTCP/IP接続が例えばSSHプロトコルを使用して確立される。命令及び/又はパラメーターは、生物学的システムの動作を規定する、ASCIIエンコードされたヒトが読み取り可能な消耗品及び/又は方法の情報の形態であり得る。種々の実施態様において、消耗品及び/又は方法はASCIIテキストファイルの形態で保存される。種々の実施態様において、汎用コンピュータはFTPプロトコルを使用してASCIIテキストファイルをシステムに転送する。種々の他の実施態様において、方法及び/又は消耗品情報は識別子に保存され、そして識別子から読み取られる。方法及び/又は消耗品情報はASCIIテキストファイルの形態で識別子に保存され得るが、その情報は本教示から逸脱することなく他のデータ形式で表すことができるということが理解される。
【0080】
種々の実施態様によれば、消耗品、マクロ及び/又は方法の情報は、特定のデータ収集及びシステム制御操作を行うためにシステムデータ収集及び制御ソフトウエアにより使用され得るパラメータを含む。種々の実施態様において、方法及び/又は消耗品情報は、システムにより行おうとする操作の順序、又はデータ収集若しくは制御ソフトウエアと関連する使用のための制御パラメーターを含む。1つの特定の実施態様において、アッセイ消耗品は本明細書で上記のようなカートリッジである。カートリッジは、アッセイ情報、例えばロット情報及び/又はロット固有パラメーターを含む消耗品識別子、例えばメモリーカード(カートリッジ又は複数のカートリッジのセットのためのパッケージングを用いて供給される)と共に提供される。新しいロットのカートリッジからのカートリッジを使用してアッセイを実行する前に、利用者はメモリーカードを読み取り装置に挿入し、そしてアッセイ情報を読み取り装置の内部メモリにアップロードする。カートリッジはまた、カートリッジロット識別子が保存されているさらなる消耗品識別子、例えばバーコードを含む。アッセイの開始時に、読み取り装置はカートリッジをロードし、そしてその内部バーコード読み取り装置を使用してカートリッジバーコードからカートリッジロット識別子を読み取る。読み取り装置はそれがそのロット識別子について保存されたロット固有情報を有するか否かを決定する。次いで読み取り装置はその内部メモリに保存されているロット固有パラメーターから有効期限を読み取り、そして搭載時計が有効期限を過ぎている場合はそのカートリッジを拒絶する。読み取り装置はアッセイプロトコルを実行し、そしてロット固有パラメーターに基づいて結果を決定する。
【0081】
代替の実施態様において、アッセイシステムは複数の異なるアッセイ消耗品、例えば1つ若しくはそれ以上のマルチウェルアッセイプレート、1つ若しくはそれ以上のサンプルチューブラック、及び/又はアッセイ試薬のための容器を使用する。システムにおいて使用される特定の消耗品は、識別子と関連付けられていてもよく、そしてその他は関連付けられていないかもしれない。一実施態様において、各消耗品は識別子と関連付けられている。本発明の1つの特定の実施態様において、システムにおいて使用されるアッセイ消耗品は消耗品識別子としてEEPROM又はRFIDを含み、そしてアッセイシステムは対応するEEPROM又はRFIDコントローラーを含む。コントローラーは識別子に保存されているデータを検出してアップロードし、そしてシステムは場合により識別子からアップロードされたデータに基づいて1つ又はそれ以上のアッセイパラメーターを調整する。アッセイが完了すれば、識別子コントローラーはアッセイ又はシステムにおける消耗品の使用に関して識別子に情報を書き込む。読み取り可能な識別子を有していない消耗品を拒絶するように機器をプログラムする。
【0082】
システムは利用者に試薬識別子をスキャンするように指示を出し、そしてスキャンされた情報を記録する。システムはまた、利用者にコントロール、キャリブレータ、及び試薬の識別子をスキャンするように指示を出し、そしてスキャンされた情報を記録する。システムは停電又は予期せぬシャットダウンの場合に状態を維持できるように消耗品の状態を持続的に追跡する。システムは試薬瓶中の流体の体積を予測して試薬消費を予測する。システムは利用者に関する利用者識別を記録し、そしてそのアッセイ情報は識別子に書き込まれる。システムはまた、アッセイが識別子に対して実行された場合にタイムスタンプを記録し/読み取り、そして利用者がアッセイが処理される前、間又は後に自由なテキストコメントを入力及び変更することを可能にし、これは識別子にも書き込まれる。利用者は各サンプルについてサンプル識別を入力し、そしてそのアッセイ情報は識別子にも書き込まれる。
【0083】
さらなる実施態様において、アッセイシステムは複数の異なるアッセイ消耗品、例えば1つ若しくはそれ以上のマルチウェルアッセイプレート、1つ若しくはそれ以上のサンプルチューブラック、及び/又はアッセイ試薬のための容器を使用する。システムにおいて使用される単一のアッセイ消耗品は複数の消耗品識別子、例えば消耗品全体に関連する情報を含む第一の識別子と、その消耗品の構成要素に関連する情報を含む同じか又は異なる種類の1つ又はそれ上のさらなる消耗品識別子とを含んでいてもよい。例えば、アッセイ消耗品がサンプルチューブラックである場合、消耗品はラック全体に関して固有の情報、例えばラックについてのロット情報及び/又はロット固有パラメーターを含むEEPROM又はRFIDを含む。サンプルチューブラックはまた、個々のサンプルに固有の情報及び/又はラック内の位置、例えばラック中の所定の位置に存在するサンプルに関する情報を含む2つ又はそれ以上のさらなる識別子、例えばバーコードを含み得る。さらに、さらなる識別子はラック内の所定の位置におけるサンプル又は試薬の存在又は不在を識別するためにシステムにより使用され得、例えばさらなる識別子が曖昧でシステムにより読み取ることができない場合、サンプル又は試薬はラックに存在し、そしてさらなる識別子がシステムにより読み取られる場合、サンプル又は試薬は存在しない。
【0084】
アッセイシステムにより使用される消耗品識別子の種類のそれぞれについて、対応する識別子コントローラーが存在する。例えば、システムがEEPROM識別子を有するマルチウェルアッセイプレート及びバーコードを有するアッセイ試薬のための容器を使用する場合、システムはEEPROMコントローラー及びバーコードコントローラーを含む。各コントローラーが所定の識別子に保存されデータを検出しアップロードし、そしてシステムはその識別子からアップロードされたデータに基づいて1つ又はそれ上のアッセイパラメーターを場合により調整する。アッセイが完了すると、識別子コントローラーはシステムにおけるそのアッセイ又はその消耗品の使用に関して識別子に情報を書き込む。読み取り可能な識別子を有していない消耗品は拒絶するように機器をプログラムする。
【0085】
システムは利用者に試薬識別子をスキャンするよう指示を出し、そしてスキャンされた情報を記録する。システムは利用者にコントロール、キャリブレータ及び試薬の識別子をスキャンするよう指示を出し、そしてスキャンされた情報を記録する。停電又は予期せぬシャットダウンの場合に状態を維持できるようにシステムは消耗品の状態を持続的に追跡する。システムは試薬瓶中の流体の体積を予測して試薬消費量を予測する。
【0086】
1つの特定の実施態様において、本発明は、アッセイの実行においてアッセイカートリッジを使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、該アッセイシステムは、以下の操作(i)アッセイ消耗品と関連する第一の消耗品識別子からカートリッジロット識別情報を読み取ること;(ii)さらなる消耗品識別子からロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)該ロット識別情報及びロット固有パラメーターを使用して、該システムによるアッセイの実行前、実行の間、かつ/又は実行後に該アッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整することを行うように適合された読み取り装置を含む。この実施態様において、ロット固有パラメーターは、(i)アッセイ結果及び/又はアッセイ情報を解釈するために使用されるスキーマを決定するリビジョンレベル;(ii)カートリッジの種類;(iii)カートリッジの製造年;(iv)カートリッジのロット番号;(v)アッセイにおいて使用されるカートリッジ及び/又は試薬の有効期限;(vi)化学的交差反応性を説明するためのクロストーク補正マトリックス;(vi)カートリッジにおいて実行しようとするアッセイについての閾値;(vii)アッセイにおいて使用される内部ポジティブコントロールの範囲;(viii)カートリッジにおいて実行しようとする各アッセイについてのポジティブコントロールサンプルの範囲;並びに(ix)ソフトウエアチェックサムからなる群より選択される。第一の消耗品識別子は不揮発性メモリ、例えばRFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM及びEEPROMを含む。一実施態様において、不揮発性メモリはバーコードである。さらなる消耗品識別子もまた不揮発性メモリ、例えばRFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM及びEEPROMを含む。一実施態様において、さらなる消耗品識別子はICC、例えばメモリーカードである。
【0087】
従って、アッセイシステムにおけるアッセイ消耗品カートリッジ、例えばアッセイ読み取り装置を使用するアッセイ手順は、カートリッジを読み取り装置に挿入して識別子コントローラーがそのカートリッジに取り付けられているかカートリッジと関連付けられている識別子と相互作用することを可能にすることを含む。あるいは、カートリッジパッケージングは、それに取り付けられているかそれと関連付けられている識別子を含み、そしてカートリッジが読み取り装置に挿入される前に、カートリッジパッケージングの識別子を識別子コントローラーと接触させる。読み取り装置と関連付けられている識別子コントローラーは、第一の消耗品識別子からカートリッジロット識別情報を、さらには任意のさらなる消耗品識別子からロット固有パラメーターを読み取る。次いで読み取り装置はロット識別情報及びロット固有パラメーターを使用して、アッセイの実行前、実行の間、及び/又は実行後に読み取り装置により行われる1つ又はそれ以上の操作を調整する。各ロット固有パラメータに対して、読み取り装置はシステム、又はそれに応じて出力を調整し得る。その後、読み取り装置はカートリッジに対して適切な電気的、流体及び/又は光学的な接続を生成し(カートリッジ及び読み取り装置上の電気的、流体及び/又は光学的なコネクタを利用する)、そしてカートリッジにおいてアッセイを実行する。サンプルは読み取り装置にカートリッジを挿入する前にカートリッジに導入され得る。アッセイはまたカートリッジに1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を加えることを含み得、そしてそれらの種々のアッセイ試薬を加えるための指示が識別子に保存され得、そして読み取り装置はアッセイ消耗品識別子に保存された指示に従ってアッセイの前又は間にカートリッジにそれらの試薬を加える。
【0088】
別の特定の実施態様において、本発明は、アッセイの実行においてマルチウェルアッセイプレート、さらなるマルチウェルアッセイプレート(補助プレートと呼ばれる)及び1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックを使用するように構成されたアッセイシステムを提供し、ここでアッセイシステムは、以下の操作(i)1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックと関連する第一の消耗品識別子からチューブ位置情報を読み取ること;(ii)補助プレートと関連するさらなる消耗品識別子からアッセイ情報及びロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)マルチウェルアッセイプレート及び補助プレートを使用するアッセイの実行前、実行の間、及び/又は実行後にアッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整するために位置情報及びロット固有パラメーターを使用すること;(iv)消耗品識別子から情報を消去すること;並びに(v)消耗品識別子に情報を書き込むことのうち1つ又はそれ上を行うように適合された読み取り装置を含む。一実施態様において、アッセイ情報は、(i)製造者アイデンティティを確認するためのデジタル署名;(ii)マルチウェルアッセイプレート及び/又は補助プレートのロットコード;(iii)マルチウェルアッセイプレート及び/又は補助プレートの有効期限;(iv)マルチウェルアッセイプレート及び/又は補助プレートの種類;(v)補助プレートのシリアル化された識別(serialized identification);及び(vi)マルチウェルアッセイプレート及び/又は補助プレートについてのロット固有パラメーターからなる群より選択される。なおさらに、マルチウェルアッセイプレートのロット固有パラメータは、(i)ウェル内コントロール許容範囲;(ii)アッセイ名;(iii)アッセイ識別子;(iv)アッセイ閾値;(v)アッセイ品質コントロールの数及びアイデンティティ;(vi)アッセイ品質コントロール許容範囲;(vii)較正情報;(viii)アッセイキャリブレータの数及びアイデンティティ;(ix)アッセイキャリブレータ許容範囲;(x)マルチウェルアッセイプレートについての化学的クロストークマトリックス;並びに(xi)それらの組み合わせからなる群より選択される。第一の消耗品識別子は不揮発性メモリ、例えばRFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM、及びEEPROMを含み得る。一実施態様において、不揮発性メモリはバーコードである。さらなる消耗品識別子は不揮発性メモリ、例えばRFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM、及びEEPROMを含む。一実施態様において、さらなる消耗品識別子はEEPROM又はRFIDである。
【0089】
同時係属中の米国特許仮出願第61/271,874号(2009年7月27日出願(事件整理番号120000USPR00)、その開示は参照により本明細書に加入される)を参照する。一実施態様において、このようなアッセイシステムを使用する方法は、(a)サンプルチューブラックをサンプルラックサブアセンブリ中に導入すること;(b)サンプルラックサブアセンブリ上の識別子からサンプル及びアッセイ固有情報を読み取ること、並びに/又は利用者によりコンピューターユーザーインターフェースへ手動で入力されたサンプル及びアッセイ固有情報を読み取ること;(c)補助プレートを補助プレートアセンブリに導入すること;(d)補助プレート上の識別子からアッセイ固有情報を読み取ること;(e)装置の光遮断ハウジングのプレート導入開口部にアッセイ試験プレートを導入すること;(f)アッセイ試験プレート上の識別子からアッセイ固有情報を読み取ること;(g)プレート導入開口部の扉を密閉すること、(f)試験プレートを光検出器下の1つ又はそれ以上のウェルの位置に移動させること、(g)補助プレートの1つ若しくはそれ以上の補助ウェル中の試薬をピペット操作アームサブアセンブリを使用して再水和させること、及び/又は試験プレートの1つ若しくはそれ以上のウェルをピペット操作アームサブアセンブリを使用して前処理すること;(h)サンプルラックサブアセンブリのサンプルチューブからサンプル体積を採取して、そのサンプル体積をアッセイ試験プレートのウェルにピペット操作で入れること;(i)補助プレートからサンプル試薬を採取し、そしてそれらの試薬をアッセイ試験プレートのウェル中に分配すること;(j)1つ又はそれ以上のウェルからの発光を検出すること、(k)補助プレートのさらなる補助ウェルを使用して、試験プレートのさらなるウェルで前記の工程の1つ又はそれ以上を繰り返すこと;(j)使用した試験プレートをプレートエレベーターに移動させること;(k)プレートエレベーターを上昇させること;並びに(l)試験プレートをプレート導入開口部から取り出すことを含む。
【0090】
この方法はまた、場合により、i)補助プレートの補助ウェルにおいてサンプル及び/若しくは試薬を前処理し、そしてその前処理したサンプル及び/若しくは試薬をピペット操作により試験プレートの補助ウェルの1つに入れるか、若しくは補助ウェルから出すこと;ii)それぞれ補助プレート及び/若しくは試験プレートの補助ウェル及び/若しくはウェルの1つ若しくはそれ以上から封を取り除くこと、又はiii)該試験プレートウェルの1つ若しくはそれ以上において電極に電気エネルギーを印加すること(例えば電気化学発光を誘導するため)の1つ又はそれ以上を含む。
【0091】
アッセイ消耗品、例えばマルチドメインマルチウェルプレート及びアッセイシステムを使用する1つのアッセイ手順は、システムに消耗品を挿入して、消耗品に取り付けられているか消耗品と関連付けられている識別子と識別子コントローラーが相互作用することを可能にすることを含むだろう。あるいは、消耗品パッケージングはそれらに取り付けられているかそれらと関連付けられている識別子を含み、そして消耗品がシステムに挿入される前に、消耗品パッケージングと関連付けられている識別子が識別子コントローラーと接触される。システムは識別子に保存されているアッセイ情報に基づいて、アッセイを開始する前にアッセイパラメーターを調整し得る。その後、システムは消耗品に対して適切な電気的、流体及び/又は光学的接続を生成し(消耗品及びシステム上の電気的、流体及び/又は光学的コネクタを利用する)、そして消耗品を使用してアッセイを実行する。サンプルは、消耗品がシステムに挿入される前に消耗品中に導入され得る。あるいは、サンプルは消耗品がシステムに挿入された後にシステムの構成要素により導入される。アッセイはまた、1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を消耗品に加えることを含んでいてもよく、そしてそれらの種々のアッセイ試薬を加える指示は識別子に保存され得、そしてシステムはアッセイ消耗品識別子に保存された指示にしたがってそれらの試薬をアッセイの前又は間に消耗品に加える。
【0092】
本発明は本明細書中に記載される特定の実施態様による範囲に限定されない。実際に、本明細書に記載されるものに加えて本発明の様々な改変が前述の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。このような改変は特許請求の範囲内にあることが意図される。様々な刊行物が本明細書において引用され、それらの開示は参照によりそれらの全体として加入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項2】
前記情報が、前記システムによるアッセイの実行前、実行中及び/又は実行後該システムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整するために、該システムにより使用される、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項3】
前記アッセイ消耗品が、該アッセイについての少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含んでなる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項4】
前記試験サイトが、複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインのうち少なくとも2つが異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項5】
前記アッセイ消耗品が複数の個々のアッセイのための複数の試験サイトを含んでなる、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項6】
前記試験サイトが、前記アッセイ消耗品中のウェル及び/又はチャンバーである、請求項5に記載のアッセイシステム。
【請求項7】
前記アッセイ消耗品が、複数のウェルを含んでなり、そして該消耗品がプレート上部、プレート底部、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、乾燥アッセイ試薬及び/又は液体アッセイ試薬、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される要素をさらに含んでなる、請求項6に記載のアッセイシステム。
【請求項8】
前記アッセイ消耗品が、フローセルを含んでなる、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項9】
前記アッセイ消耗品が、カートリッジであり、そして該消耗品が1つ又はそれ以上の流体構成要素、1つ又はそれ以上の検出構成要素、1つ又はそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、乾燥アッセイ試薬及び/又は液体アッセイ試薬、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される要素をさらに含んでなる、請求項8に記載のアッセイシステム。
【請求項10】
前記カートリッジは、複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインのうち少なくとも2つは異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、少なくとも1つのアッセイセルを含んでなる、請求項9に記載のアッセイシステム。
【請求項11】
前記アッセイ消耗品が、1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を収容できる容器である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項12】
前記アッセイ消耗品識別子が、該アッセイ消耗品に取り付けられる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項13】
前記アッセイ消耗品識別子が、1つ又はそれ以上のアッセイ消耗品のためのパッケージングに取り付けられる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項14】
アッセイ消耗品識別子が不揮発性メモリを含んでなる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項15】
前記不揮発性メモリがRFIDタグ、バーコード、EPROM、及びEEPROMからなる群より選択される、請求項14に記載のアッセイシステム。
【請求項16】
前記不揮発性メモリが、フラッシュメモリ及びICCからなる群より選択されるEEPROMである、請求項15に記載のアッセイシステム。
【請求項17】
前記情報が、(i)前記アッセイ消耗品、(ii)該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイト、(iii)該消耗品に使用されているか、又は使用されることになる試薬及び/又はサンプル、並びに(iv)それらの組み合わせからなる群より選択される要素を識別するために使用される情報を含んでなる、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項18】
前記情報が、前記消耗品内の第一の試験サイトを該消耗品内の異なる試験サイトから区別するために使用される、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項19】
前記情報が、ロット識別情報;ロット固有分析パラメーター、製造過程情報、原材料情報、有効期限;較正データ;閾値情報;アッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置;製品安全データシート(MSDS)情報;並びにその組み合わせ;からなる群より選択される消耗品情報である、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項20】
前記情報が、アッセイ消耗品の前記少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置;該サンプルについて該アッセイ消耗品で得られたアッセイ結果;該アッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになる、サンプルのアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるサンプル情報である、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項21】
前記情報が、管理の連鎖の情報である、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項22】
前記管理の連鎖の情報が、前記サンプルの管理、移送及び/又は分析に関する情報を含む、請求項21に記載のアッセイシステム。
【請求項23】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の管理、移送及び/又は製造に関する管理の連鎖の情報である、請求項21に記載のアッセイシステム。
【請求項24】
前記管理の連鎖の情報が、利用者識別;前記アッセイについての時間及び日付のスタンプ;該アッセイ中の前記アッセイシステムの位置;該アッセイ中の該アッセイシステムの較正及びQC状況、該アッセイの実行前及び実行後の前記アッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;前記サンプルについてのアッセイ結果;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項21に記載のアッセイシステム。
【請求項25】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の製造中の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター;該アッセイ消耗品の製造後及び/又は製造中の工程間の該アッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される管理の連鎖の情報である、請求項21に記載のアッセイシステム。
【請求項26】
前記情報が、消耗品の種類及び構造;該アッセイ消耗品と共に含められるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;該アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品/試験サイト情報である、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項27】
前記情報が、アッセイ中読み取り装置により適用すべきアッセイパラメーター;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき工程の順序;該アッセイ中使用すべき又は添加すべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/又は量;該アッセイ中読み取り装置により適用すべきかつ/又は測定すべき光の種類又は波長;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき温度;該アッセイについてのインキュベーション時間;該アッセイ中収集された生データに対して読み取り装置により適用すべき統計又は分析方法;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択されるアッセイ過程情報である、請求項3に記載のアッセイシステム。
【請求項28】
前記アッセイが、多段階アッセイであり、そして該アッセイ過程情報が、該多段階アッセイの1つ又は複数の工程に関するものである、請求項27に記載のアッセイシステム。
【請求項29】
前記消耗品/試験サイト情報が、該消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置に予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行うべきアッセイに関する情報;並びにそれらの組み合わせ;を含んでなる、請求項26に記載のアッセイシステム。
【請求項30】
前記情報が、アッセイ消耗品証明に関する情報;前記システムにおける該アッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;該アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品セキュリティー情報である、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項31】
前記情報が、1つ又はそれ以上のセンサー;前記アッセイ消耗品を前記アッセイシステム中に、及び該システムから輸送するための機構;アッセイ消耗品を該システム中の該1つ若しくはそれ以上のセンサー及び/又は電気的、機械的若しくは流体のインターフェースと整列させ、かつ方向を合わせるための機構;アッセイ消耗品を追跡及び/又は識別するための機構、電子機器又はソフトウエア;1つ又はそれ以上の消耗品を貯蔵、積み重ね、移動及び/又は分配するための機構;からなる群より選択される該システムの構成要素の操作を調整するために、該システムにより使用される、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項32】
前記読み取り装置が、前記システムのハウジングに取り付けられる、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項33】
前記読み取り装置が、前記システムのハウジング内に位置している、請求項1に記載のアッセイシステム。
【請求項34】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなり;ここで該情報は、該消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行うべきアッセイに関する情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品/試験サイト情報を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項35】
前記消耗品/試験サイト情報が、消耗品の種類及び構造;該アッセイ消耗品と共に含まれるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;該アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される情報をさらに含んでなる、請求項34に記載のアッセイシステム。
【請求項36】
アッセイの実行においてアッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせからなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなり;ここで該情報は、アッセイ消耗品証明に関する情報;該システムにおける該アッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;該アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品セキュリティー情報を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項37】
多重化アッセイの実行において多重使用可能アッセイ消耗品を使用するように構成されたアッセイシステムであって、ここで該アッセイ消耗品は複数の試験サイトを含んでなり、該試験サイト内で該多重化アッセイが行われ、そして該アッセイシステムは、(i)該アッセイ消耗品と関連するアッセイ消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該アッセイ消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該アッセイ消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項38】
前記情報が(i)前記アッセイ消耗品、(ii)該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイト、(iii)該消耗品に使用されている、又は使用されることになる試薬及び/又はサンプル、並びに(iv)それらの組み合わせからなる群より選択される要素を識別するために使用される情報を含んでなる、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項39】
前記情報が、前記消耗品内の第一の試験サイトを該消耗品内の異なる試験サイトから区別するために使用される、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項40】
前記情報が、ロット識別情報;ロット固有分析パラメーター、製造過程情報、原材料情報、有効期限;較正データ;閾値情報;アッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置;製品安全データシート(MSDS)情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項41】
前記情報が、アッセイ消耗品の前記少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置;該サンプルについて該アッセイ消耗品で得られたアッセイ結果;該アッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになる、サンプルのアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択されるサンプル情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項42】
前記情報が、管理の連鎖の情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項43】
管理の連鎖の情報が、前記サンプルの管理、移送及び/又は分析に関する情報を含む、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項44】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の管理、移送及び/又は製造に関する管理の連鎖の情報である、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項45】
前記管理の連鎖の情報が、利用者識別;前記アッセイについての時間及び日付のスタンプ;該アッセイ中の前記アッセイシステムの位置;該アッセイ中の該アッセイシステムの較正及びQC状況、該アッセイの実行前及び実行後の前記アッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;前記サンプルについてのアッセイ結果;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項46】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の製造中の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター;該アッセイ消耗品の製造後及び/又は製造中の工程間の該アッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される管理の連鎖の情報である、請求項42に記載のアッセイシステム。
【請求項47】
前記情報が、消耗品の種類及び構造;該アッセイ消耗品と共に含められるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;該アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品/試験サイト情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項48】
前記情報が、アッセイ中読み取り装置により適用すべきアッセイパラメーター;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき工程の順序;該アッセイ中使用すべき又は添加すべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/又は量;該アッセイ中読み取り装置により適用すべきかつ/又は測定すべき光の種類又は波長;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき温度;該アッセイについてのインキュベーション時間;該アッセイ中収集された生データに対して読み取り装置により適用すべき統計又は分析方法;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択されるアッセイ過程情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項49】
前記アッセイが、多段階アッセイであり、そしてアッセイ過程情報が、該多段階アッセイの1つ又は複数の工程に関するものである、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項50】
前記消耗品/試験サイト情報が、該消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行うべきアッセイに関する情報;及びそれらの組み合わせ;を含んでなる、請求項47に記載のアッセイシステム。
【請求項51】
前記情報が、アッセイ消耗品証明に関する情報;前記システムにおける該アッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;該アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品セキュリティー情報である、請求項37に記載のアッセイシステム。
【請求項52】
情報を含んでなるアッセイ消耗品識別子を含んでなるアッセイ消耗品であって、(i)該アッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含んでなるアッセイ消耗品;及び(ii)1つ又はそれ以上のアッセイ試薬を保持するように適合された容器;からなる群より選択される、上記アッセイ消耗品。
【請求項53】
前記アッセイのための少なくとも1つのアッセイ試験サイトを含んでなり、そして該試験サイトが、複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインの少なくとも2つが異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、請求項52に記載のアッセイ消耗品。
【請求項54】
複数の個々のアッセイのための複数の試験サイトを含んでなる、請求項52に記載のアッセイ消耗品。
【請求項55】
前記試験サイトが、前記アッセイ消耗品におけるウェル及び/又はチャンバーである、請求項54に記載のアッセイ消耗品。
【請求項56】
複数のウェルを含んでなり、そしてプレート上部、プレート底部、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、乾燥アッセイ試薬及び/又は液体アッセイ試薬、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される要素をさらに含んでなる、請求項55に記載のアッセイ消耗品。
【請求項57】
フローセルを含んでなる、請求項54に記載のアッセイ消耗品。
【請求項58】
カートリッジであり、そして1つ又はそれ以上の流体構成要素、1つ又はそれ以上の検出構成要素、1つ又はそれ以上のアッセイセル、アッセイを行うための試薬、作用電極、対電極、参照電極、誘電材料、電気配線、乾燥アッセイ試薬又は液体アッセイ試薬、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される要素をさらに含んでなる、請求項57に記載のアッセイ消耗品。
【請求項59】
前記カートリッジが、複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインがそれぞれ、異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる、少なくとも1つのアッセイセルを含んでなる、請求項58に記載のアッセイ消耗品。
【請求項60】
前記アッセイ消耗品識別子が、アッセイ消耗品に取り付けられる、請求項52に記載のアッセイ消耗品。
【請求項61】
前記アッセイ消耗品識別子が、該アッセイ消耗品のためのパッケージに取り付けられる、請求項52に記載のアッセイ消耗品。
【請求項62】
アッセイ消耗品識別子が不揮発性メモリを含んでなる、請求項52に記載のアッセイ消耗品。
【請求項63】
前記不揮発性メモリが、RFIDタグ、バーコード、EPROM及びEEPROMからなる群より選択される、請求項62に記載のアッセイ消耗品。
【請求項64】
前記EEPROMが、フラッシュメモリ及びICCからなる群より選択される、請求項63に記載のアッセイ消耗品。
【請求項65】
(i)アッセイのための複数の試験サイト[ここで該試験サイトはそれぞれ複数の別個のアッセイドメインを含んでなり、該ドメインはそれぞれ異なる被検体を測定するための試薬を含んでなる];並びに(ii) (i)アッセイ消耗品、(ii)該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイト、(iii)消耗品において使用されているか、又は使用されることになる試薬及び/又はサンプル、及び(iv)それらの組み合わせからなる群より選択される要素を識別するために使用される情報を含んでなるアッセイ消耗品識別子;を含んでなる、多重使用可能なアッセイ消耗品。
【請求項66】
前記情報が、前記消耗品内の第一の試験サイトを該消耗品内の異なる試験サイトから区別するために使用される、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項67】
前記情報が、ロット識別情報;ロット固有分析パラメーター、製造過程情報、原材料情報、有効期限;較正データ;閾値情報;アッセイ消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイト内の個々のアッセイ試薬及び/又はサンプルの位置;製品安全データシート(MSDS)情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項68】
前記情報が、アッセイ消耗品の前記少なくとも1つの試験サイト内のサンプルの位置;該サンプルについて該アッセイ消耗品で得られたアッセイ結果;該アッセイ消耗品においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択されるサンプル情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項69】
前記情報が、管理の連鎖の情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項70】
前記管理の連鎖の情報が、前記サンプルの管理、移送及び/又は分析に関する情報を含んでなる、請求項69に記載のアッセイ消耗品。
【請求項71】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の管理、移送及び/又は製造に関する管理の連鎖の情報である、請求項69に記載のアッセイ消耗品。
【請求項72】
前記管理の連鎖の情報が、利用者識別;前記アッセイについての時間及び日付のスタンプ;該アッセイ中の前記アッセイシステムの位置;該アッセイ中の該アッセイシステムの較正及びQC状況、該アッセイの実行前及び実行後の前記アッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;前記サンプルについてのアッセイ結果;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項69に記載のアッセイ消耗品。
【請求項73】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の製造中の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター;該アッセイ消耗品の製造後及び/又は製造中の工程間の該アッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される管理の連鎖の情報である、請求項69に記載のアッセイ消耗品。
【請求項74】
前記情報が、消耗品の種類及び構造;該アッセイ消耗品と共に含められるアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;該アッセイ消耗品のアッセイ試験サイト内のアッセイ試薬の位置及びアイデンティティ;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品/試験サイト情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項75】
前記情報が、前記アッセイ中読み取り装置により適用すべきアッセイパラメーター;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき工程の順序;該アッセイ中使用すべき又は添加すべきアッセイ試薬のアイデンティティ、濃度及び/又は量;該アッセイ中読み取り装置により適用すべきかつ/又は測定すべき光の種類又は波長;該アッセイ中読み取り装置により適用すべき温度;該アッセイについてのインキュベーション時間;該アッセイ中収集された生データに対して読み取り装置により適用すべき統計又は分析方法;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択されるアッセイ過程情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項76】
前記アッセイが、多段階アッセイであり、そして該アッセイ過程情報が、該多段階アッセイの1つ又は複数の工程に関するものである、請求項75に記載のアッセイ消耗品。
【請求項77】
前記消耗品/試験サイト情報が、該消耗品の1つ又はそれ以上の試験サイトで読み取り装置により予め行われたアッセイに関する情報;該消耗品内の1つ又はそれ以上の試験サイトでアッセイ読み取り装置又はその構成要素により行うべきアッセイに関する情報;並びにそれらの組み合わせ;を含んでなる、請求項74に記載のアッセイ消耗品。
【請求項78】
前記情報が、アッセイ消耗品証明に関する情報;前記システムにおける該アッセイ消耗品の適切な配置及び/又は配向に関する情報;該アッセイ消耗品及び/又はその試験サイトにおける欠陥に関する情報;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される消耗品セキュリティー情報である、請求項65に記載のアッセイ消耗品。
【請求項79】
アッセイシステムにおいてアッセイ消耗品を使用する方法であって、ここで該アッセイ消耗品は消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムが、(i)該消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなり、該方法は、(a)該消耗品識別子から情報を読み取る工程;(b)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;及び(c)工程(b)で実行された該アッセイから生じた情報を該消耗品識別子に書き込む工程;を含んでなる、上記方法。
【請求項80】
アッセイシステムにおいてアッセイ消耗品を使用する方法であって、ここで該アッセイ消耗品は消耗品識別子を含んでなり、そして該アッセイシステムが、(i)該消耗品識別子から情報を読み取ること;(ii)該消耗品識別子から情報を消去すること;(iii)該消耗品識別子に情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置を含んでなり、該方法は、(a)該消耗品識別子から情報を読み取る工程;(b)該アッセイ消耗品を使用して該アッセイシステムにおいてアッセイを実行する工程;(c)工程(b)で実行されたアッセイから生じた情報を該消耗品識別子に書き込む工程、及び(d)該アッセイ消耗品の使用を追跡する工程;を含んでなる、上記方法。
【請求項81】
アッセイ消耗品識別子及び複数の試験サイトを含むアッセイ消耗品の使用を追跡する方法であって、(a)該アッセイ消耗品識別子から試験サイト利用情報を読み取る工程;(b)該試験サイト利用情報に基づいて該消耗品における利用可能な試験サイトを識別する工程;(c)該利用可能な試験サイトを使用してアッセイを行う工程;及び(d)該アッセイ識別子に更新された試験サイト利用情報を書き込む工程;を含んでなる、上記方法。
【請求項82】
前記情報が、管理の連鎖の情報;前記アッセイ消耗品又は1つ若しくはそれ以上の試験サイトにおいて得られたアッセイ結果;アッセイ消耗品又はその一部においてアッセイされているか、かつ/又はアッセイされることになるサンプルのアイデンティティ;からなる群より選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記情報が、前記サンプルの管理、移送及び/又は分析に関する情報を含んでなる管理の連鎖の情報である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の管理、移送及び/又は製造に関する情報を含んでなる管理の連鎖の情報である、請求項82に記載のアッセイシステム。
【請求項85】
前記管理の連鎖の情報が、利用者識別;前記アッセイについての時間及び日付のスタンプ;該アッセイ中の前記アッセイシステムの位置;該アッセイ中の該アッセイシステムの較正及びQC状況、該アッセイの実行前及び実行後の前記アッセイ消耗品についての管理及び/又は位置情報;前記サンプルについてのアッセイ結果;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項82に記載のアッセイシステム。
【請求項86】
前記情報が、前記アッセイ消耗品の製造中の1つ又はそれ以上の工程についての時間、日付、製造人員又は処理パラメーター;該アッセイ消耗品の製造後及び/又は製造中の工程間の該アッセイ消耗品についての管理、位置及び/又は貯蔵条件;並びにそれらの組み合わせ;からなる群より選択される管理の連鎖の情報である、請求項82に記載のアッセイシステム。
【請求項87】
アッセイ消耗品の製造を追跡する方法であって、ここで該アッセイ消耗品は識別子及び1つ又はそれ以上の構成要素部分を含んでなり、そして該製造過程は、(i)該識別子からの製造情報を読み取ること;(ii)該識別子から製造情報を消去すること;(iii)該識別子に製造情報を書き込むこと;及び(vi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される操作を行うように適合された読み取り装置をそれぞれ含んでなる1つ又はそれ以上の製造消耗品により行われる1つ又はそれ以上の操作を含み;該方法は、(a)該識別子を該消耗品の第一の構成要素に取り付ける工程;(b)該製造過程の操作を行う工程;(c)製造情報を該識別子に書き込む工程[ここで該製造情報は工程(b)において行われた操作に関する情報を含む];(d)該製造過程においてさらなる工程を行う工程;及び(e)製造情報を該識別子に書き込む工程[ここで該製造情報は、工程(d)において行われた操作に関する情報を含む];を含んでなる、上記方法。
【請求項88】
前記製造情報が、ロット固有情報;試薬有効期限;較正データ;閾値情報;アッセイ消耗品の試験サイト内の個々の試薬の位置;管理の連鎖の情報;及びそれらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
アッセイの実行においてアッセイカートリッジを使用するように構成されたアッセイシステムであって、以下の操作(i)アッセイ消耗品と関連する第一の消耗品識別子からカートリッジロット識別情報を読み取ること;(ii)さらなる消耗品識別子からロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)該ロット識別情報及び該ロット固有パラメーターを使用して、該システムによるアッセイの実行前、実行中、かつ/又は実行後に該アッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整することを行うように適合された読み取り装置を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項90】
前記ロット固有パラメーターが、(i)アッセイ結果及び/又はアッセイ情報を解釈するために使用されるスキーマを決定するリビジョンレベル;(ii)カートリッジの種類;(iii)カートリッジの製造年;(iv)カートリッジのロット番号;(v)該アッセイにおいて使用されるカートリッジ及び/又は試薬の有効期限;(vi)化学的交差反応性を説明するためのクロストーク補正マトリックス;(vi)該カートリッジにおいて実行すべきアッセイについての閾値;(vii)該アッセイにおいて使用される内部ポジティブコントロールの範囲;(viii)ポジティブコントロールサンプルについて、該カートリッジにおいて実行すべき各アッセイの範囲;並びに(ix)ソフトウエアチェックサム;からなる群より選択される、請求項89に記載のアッセイシステム。
【請求項91】
前記第一の消耗品識別子が、不揮発性メモリを含んでなる、請求項89に記載のアッセイシステム。
【請求項92】
前記不揮発性メモリが、RFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM、及びEEPROMからなる群より選択される、請求項91に記載のアッセイシステム。
【請求項93】
前記不揮発性メモリが、バーコードである、請求項92に記載のアッセイシステム。
【請求項94】
前記さらなる消耗品識別子が、不揮発性メモリを含んでなる、請求項89に記載のアッセイシステム。
【請求項95】
前記不揮発性メモリが、RFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM及びEEPROMからなる群より選択される、請求項94に記載のアッセイシステム。
【請求項96】
前記不揮発性メモリが、ICCである、請求項95に記載のアッセイシステム。
【請求項97】
前記ICCが、メモリーカードである、請求項96に記載のアッセイシステム。
【請求項98】
アッセイの実行においてマルチウェルアッセイプレート、さらなるマルチウェルアッセイプレート及び1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックを使用するように構成されたアッセイシステムであって、以下の操作(i)該1つ又はそれ以上のサンプルチューブラックと関連する第一の消耗品識別子からチューブ位置情報を読み取ること;(ii)該さらなるマルチウェルアッセイプレートと関連するさらなる消耗品識別子からアッセイ情報及びロット固有パラメーターを読み取ること;(iii)該システムによる該マルチウェルアッセイプレートでのアッセイの実行前、実行中、及び/又は実行後に該アッセイシステムにより行われる1つ又はそれ以上の操作を調整するために位置情報及び該ロット固有パラメーターを使用すること;(iv)該さらなる消耗品識別子から情報を消去すること;並びに(v)該さらなる消耗品識別子に情報を書き込むこと;を行うように適合された読み取り装置を含んでなる、上記アッセイシステム。
【請求項99】
前記アッセイ情報が、(i)製造者アイデンティティを確認するためのデジタル署名;(ii)前記マルチウェルアッセイプレートのロットコード;(iii)該マルチウェルアッセイプレートの有効期限;(iv)マルチウェルアッセイプレートの種類;(v)前記さらなるマルチウェルアッセイプレートのシリアル化された識別;及び(vi)該マルチウェルアッセイプレートについてのロット固有パラメーターからなる群より選択される、請求項89に記載のアッセイシステム。
【請求項100】
前記マルチウェルアッセイプレートについての前記ロット固有パラメーターが、(i)ウェル内コントロール許容範囲;(ii)アッセイ名;(iii)アッセイ識別子;(iv)アッセイ閾値;(v)アッセイ品質コントロールの数及びアイデンティティ;(vi)アッセイ品質コントロール許容範囲;(vii)較正情報;(viii)アッセイキャリブレータの数及びアイデンティティ;(ix)アッセイキャリブレータ許容範囲;(x)該マルチウェルアッセイプレートについての化学的クロストークマトリックス;並びに(xi)それらの組み合わせ;からなる群より選択される、請求項99に記載のアッセイシステム。
【請求項101】
前記第一の消耗品識別子が、不揮発性メモリを含んでなる、請求項98に記載のアッセイシステム。
【請求項102】
前記不揮発性メモリが、RFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM、及びEEPROMからなる群より選択される、請求項101に記載のアッセイシステム。
【請求項103】
前記不揮発性メモリが、バーコードである、請求項102に記載のアッセイシステム。
【請求項104】
前記さらなる消耗品識別子が、不揮発性メモリを含んでなる、請求項98に記載のアッセイシステム。
【請求項105】
前記不揮発性メモリが、RFIDタグ、バーコード、ICC、EPROM、及びEEPROMからなる群より選択される、請求項104に記載のアッセイシステム。
【請求項106】
前記不揮発性メモリが、EEPROMである、請求項105に記載のアッセイシステム。

【公表番号】特表2013−500495(P2013−500495A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522952(P2012−522952)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043335
【国際公開番号】WO2011/017082
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(505243216)メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】