説明

アップリンクプロトコル変更をサポートするための方法および装置

【課題】アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートするための方法および装置。
【解決手段】アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートするための方法および装置は、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを再構成することを含む。ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスがフラッシュされ、MAC−e/esリセットが実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース6(R6)システムでは、確認応答モード(AM、acknowledged mode)における無線リンク制御(RLC)レイヤは、固定のプロトコルデータユニット(PDU)サイズを使用して動作する。加えて、基地局中の媒体アクセス制御高速(MAC−hs)レイヤ、およびワイヤレス送受信ユニット(WTRU)中の媒体アクセス制御(MAC)は、上位レイヤからのサービスデータユニット(SDU)のセグメント化をサポートしない。これらの制限の結果、特に高速パケットアクセス(HSPA)がより高いデータレートへと進化するのに伴い、性能が制限されることがある。
【0003】
より高いデータレートを達成し、プロトコルオーバヘッドおよびパディングを削減するために、3GPP規格のリリース7では、レイヤ2(L2)プロトコルに対するいくつかの新しい機能が導入された。導入された概念の中には、ダウンリンクにおける、フレキシブルRLC PDUサイズ、およびMACセグメント化がある。アップリンクにおけるL2動作を拡張させることもまた提案された。提案された拡張は、例えば、フレキシブルRLC PDUサイズに対するサポートの導入、MACセグメント化に対するサポートの導入、古いプロトコルフォーマットと新しいプロトコルフォーマットとの間の円滑な移行を可能にすること、および、CELL_DCH、CELL_FACH、CELL_PCH、URA_PCHの間のシームレスな状態遷移をサポートすること(例えばCELL_FACH UL送信の潜在的な拡張に依存する)を対象とする。
【0004】
図1に、3GPP規格のリリース7に記載のものなどの、拡張個別チャネル(E−DCH)の使用を伴う従来のプロトコルアーキテクチャ100(例えばMACレイヤ以下のレイヤを含む)を示す。E−DCHの使用に特有のMACサブレイヤは、MAC−esおよびMAC−eサブレイヤである。潜在的に、L2プロトコルの改良は、RLCサブレイヤ(図1には示さず)、MAC−esおよびMAC−eサブレイヤを拡張させることによって達成することができる。基地局中ではMAC−eサブレイヤのみが終端することに留意されたい。
【0005】
改良型L2拡張MAC−e/esエンティティは、MAC−i/isエンティティと呼ぶことができる。改良型L2の機能は、CELL_DCHにおけるE−DCH送信、またはCELL_FACHにおけるE−DCH送信に使用することができる。後者はE−RACH送信とも呼ばれる。
【0006】
改良型アップリンク(UL)レイヤ2プロトコルなどの新しい機能をシステム中に配置することは通常、システム全体で一度に実施することができないので、しばらくの間は、新しい機能をサポートしない基地局によってカバーされるエリアが存在することになる。これらの基地局が、新しい機能をサポートする無線ネットワークコントローラ(RNC)によって制御される無線ネットワークサブシステムの一部であったとしても、そうなる場合がある。これらのレガシー基地局は、新しい機能を実施する基地局(拡張基地局)に隣接することになるので、拡張基地局によってカバーされるエリア内で通信を開始して、レガシー基地局によってカバーされるエリア内に移動するWTRUが存在することになる。
【0007】
したがって、レガシー基地局によってカバーされるエリアにWTRUが移動する際に円滑な移行を提供しながら、拡張基地局によってカバーされるエリアにおけるアップリンクプロトコルをサポートするための方法および装置を提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【0008】
アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートするための方法および装置を開示する。この方法は、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを再構成することを含む。ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスがフラッシュされ、MAC−e/esリセットが実施される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面と共に例として提供する以下の記述から、より詳細な理解が得られる。
【図1】従来のプロトコルアーキテクチャを示す図である。
【図2】WTRUおよび複数のノードBを含む、例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
【図3】図2のWTRUおよびノードBの例示的な機能ブロック図である。
【図4】MACリセットを実施する方法の流れ図である。
【図5】E−DCHプロトコルアーキテクチャを示す図である。
【図6】MAC PDU生成の例示的な図である。
【図7】代替的MAC PDU生成の例示的な図である。
【図8】別の代替的MAC PDU生成の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で言及する用語「ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)」は、ユーザ端末(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、セルラー電話機、PDA(personal digital assistant)、コンピュータ、または、ワイヤレス環境で動作できる他のタイプのユーザデバイスを含むが、これらに限定されない。また、用語「基地局」は、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または、ワイヤレス環境で動作できる他のタイプのインタフェース接続デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0011】
図2に、WTRU210ならびに複数のノードB220(2201および2202)を含む、例示的なワイヤレス通信システム200を示す。図2に示すように、WTRU210はノードB2201と通信する。図2に示す例では、WTRU210は、ノードB2201との通信からノードB2202との通信に移行することができ、ノードB2201は拡張ノードB(例えば3GPP規格リリース8のノードB)であり、ノードB2202は、アクティブセットに追加された非拡張ノードB(例えばリリース6または7)である。図2にはWTRU210およびノードB220の例示的な構成が示してあるが、ワイヤレスおよび有線デバイスの任意の組合せがワイヤレス通信システム200に含まれてよいことに留意されたい。例えば、無線ネットワークコントローラ(RNC、図示せず)がワイヤレス通信システム200に含まれ、1つまたは複数のノードB220と通信してもよい。
【0012】
図3は、図2のワイヤレス通信システム200のWTRU210およびノードB220の例示的な機能ブロック図300である。図3に示すように、WTRU210はノードB220と通信する。
【0013】
通常のWTRU中に見ることのできるコンポーネントに加えて、WTRU210は、プロセッサ215、受信機216、送信機217、およびアンテナ218を備える。受信機216および送信機217は、プロセッサ215と通信する。アンテナ218は、受信機216と送信機217の両方と通信して、ワイヤレスデータの送受信を容易にする。WTRU210のプロセッサ215は、ULプロトコルをサポートするように構成される。
【0014】
通常のノードB中に見ることのできるコンポーネントに加えて、ノードB220は、プロセッサ225、受信機226、送信機227、およびアンテナ228を備える。受信機226および送信機227は、プロセッサ225と通信する。アンテナ228は、受信機226と送信機227の両方と通信して、ワイヤレスデータの送受信を容易にする。ノードB220のプロセッサ225は、ULプロトコルをサポートするように構成される。
【0015】
WTRU210が拡張UL L2サービング無線ネットワークコントローラ(SRNC)に接続されている間にレガシーノードB220によって動作できるようにするためのいくつかの方法について、以下に述べる。このようにして、WTRU210は、SRNCがR8のSRNCである場合に、レガシー(例えばR6、R7)ノードB220に接続されている間に拡張L2プロトコルを利用可能とすることができる。加えて、拡張L2プロトコルをサポートするエリアとサポートしないエリアとの間でWTRU210が移行する際に円滑な移行を提供することのできる方法、ならびにデータを回復する方法についても以下に述べる。
【0016】
加えて、以下に述べるいくつかの方法はULコンテキストを参照するが、これらの方法は、例えばノードBの機能とRNCの機能とが1つのノード中に存在できる場合などの、コラプスト(collapsed)アーキテクチャがある場合のダウンリンク(DL)にも適用可能である。用語「MAC−i/is」エンティティは、UL L2改良を伴う拡張MAC−e/esエンティティを指す。したがって、以下の記述全体を通して、MAC−i/isとMAC−e/esは交換可能に使用することができる。
【0017】
非拡張ノードB220がアクティブセットに追加された場合、拡張L2プロトコルで動作しているWTRU210はまた、再び従来のL2プロトコルでの動作を用いることができる。反対に、アクティブセット中の全てのノードB220が拡張ノードBである場合は、従来のL2プロトコルで動作しているWTRU210は、拡張L2プロトコルを使用して動作したいと望む場合には何らかの再構成機能を実施する必要がある場合がある。
【0018】
一例では、MACプロトコルが拡張プロトコルと非拡張プロトコルとの間で変化するとき、どんなハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスもフラッシュされる。加えて、完全なMAC−e/esリセットを実施することができる。MAC−e/esリセットは、RRC再構成メッセージ(すなわち無線ベアラ再構成、トランスポートチャネル再構成など)等の無線リソース制御(RRC)メッセージを介して、またはアクティブセット更新メッセージを介してシグナリングすることができる。
【0019】
図4は、MACリセットを実施する方法400の流れ図である。ステップ410で、MACプロトコルは、拡張プロトコルに、または拡張プロトコルから変化する。例えば、MACプロトコルは、アクティブセット中の全てのノードBが拡張ノードBであるときに非拡張プロトコルから拡張プロトコルに変化する場合があり、アクティブセットに非拡張ノードBが追加されたときに拡張プロトコルから非拡張プロトコルに変化する場合がある。
【0020】
MACプロトコルが変化したとき(ステップ410)、MAC−e/esリセットをトリガすることができる(ステップ420)。これが行われると、HARQプロセスがフラッシュされ(ステップ430)、E−DCHにマッピングされる全ての論理チャネルについて状態変数CURRENT_TSNが0に設定され(ステップ440)、残りのセグメントもセグメント化バッファまたはエンティティから廃棄される(ステップ450)。
【0021】
前述のように、RRCシグナリングを利用して、WTRU210にL2プロトコル変更を通知することができる。これを達成するために、以下のメッセージの1つまたは複数を利用して再構成をシグナリングすることができる。
・アクティブセット更新(Active Set Update):以下の構成情報要素(IE)または情報の1つまたは複数をアクティブセット更新メッセージに追加することができる。
− 必要とされるときに固定RLC PDUとフレキシブルRLC PDUとの間で変更するようWTRU210に警告する「RLC情報」。
− 拡張MAC−e/esと通常のMAC−e/esとの間の変更。これは、このメッセージ内で、E−DCH情報または再構成済みリンクの一部としてシグナリングされるべきである。
− MAC−e/esリセットインジケータ。
− 無線ベアラ(RB)マッピング情報。
− 「再構成するRB情報」IE−新しいプロトコルによって再構成する全ての無線ベアラのリスト。IE「再構成するRB情報」は、RLC情報やRBマッピング情報など、上に挙げた他の情報要素のいくつかを含んでもよい。
・再構成メッセージ(Reconfiguration Message)(無線ベアラ/トランスポートチャネル再構成):アクティブセット更新の後に、レイヤ2プロトコルパラメータを更新するRRC再構成メッセージが続くことができる。あるいは、レイヤ2の再構成は、アクティブセット更新なしにRRC再構成メッセージによって直接シグナリングすることもできる。固定からフレキシブルへのUL RLCプロトコルの変更は、このメッセージ中でシグナリングすることができる。加えて、IE「RLC情報」を、RLCプロトコルのどのバージョンがアップリンクに使用されているか(例えば固定またはフレキシブル)を示すように修正することもできる。RRCメッセージはまた、拡張MAC−e/esが使用されているか古いMAC−e/esが使用されているかもシグナリングすべきである。
【0022】
拡張L2プロトコルからの、および拡張L2プロトコルへの再構成を処理する方式の1つは、図2のワイヤレス通信システム200などのワイヤレス通信システム中のデバイスのサブレイヤにおける動作およびインタフェースを利用することである。したがって、図5にE−DCHプロトコルアーキテクチャ500を示す。プロトコルアーキテクチャ500は、WTRU210、ノードB220、DRNC230およびSRNC240を含む。
【0023】
MAC−eサブレイヤは、プロトコルアーキテクチャ500中で、図1のような従来のアーキテクチャのMAC−eサブレイヤから変化していない。セグメント化および/または論理チャネル多重化などの拡張MAC機能は、図5で「MAC−ees」と呼ばれる拡張MAC−esサブレイヤによって完全にサポートされる。これにより、WTRU210およびSRNC240は、レガシーノードB220によって拡張機能を使用することができる。
【0024】
アダプテーションサブレイヤ(すなわち図5のMAC−eアダプテーションサブレイヤ)が、MAC−eesとMAC−eとの間に挿入され、WTRU210とSRNC240の両方の中に1つのアダプテーションサブレイヤが存在する。WTRU210側のアダプテーションサブレイヤは、レガシーノードBによって正しく処理できるMAC−e PDUを構築する。この構築については、図5に示すレイヤまたはサブレイヤ、ならびに図6、図7および図8のMAC PDU生成図を参照しながらより詳細に後述する。レガシーノードB220は、MAC−eesから生成されたデータをMAC−e PDU内で受け取り、これをレガシーMAC−es PDUとして認識する。ノードB220は、これらをレガシーMAC−es PDUとして相応に処理する。MAC−es PDUは、SRNC240に転送され、ここでもやはり最初にレガシーMAC−es PDUとして処理される。しかし、E−DCHフレームプロトコルを使用して送信されたこれらのMAC−es PDUは、その後、SRNC240中のアダプテーションサブレイヤによって処理され、このアダプテーションサブレイヤは、MAC−es PDUをMAC−ees PDUに変換する。
【0025】
したがって、WTRU210は、非拡張ノードB220がアクティブセットに追加されたときに、レガシーL2プロトコル(すなわち古いMAC−e/esおよび固定RLC PDUサイズ)に切り替える必要はない。SRNC240がR8のSRNC240である(すなわちMAC−eesおよびMAC−eアダプテーションサブレイヤを含む)限り、WTRU210は、拡張L2プロトコルを用いて動作することができる。論理チャネル識別およびMAC−ees機能は、いくつかの方式で処理することができる。
【0026】
例えば、一実施形態では、サービス品質(QoS)特性の点から見た論理チャネルインデックスの意味は、MAC−eサブレイヤにおいて維持される。このことは、MAC−eサブレイヤにおける論理チャネル#nの意味が、それよりも上のレイヤにおける論理チャネル#nと同じであることを意味する。このようにして、ノードB220は、WTRU210をその種々の論理チャネルのQoSに従って正しくスケジュールすることができる。さらに、ノードB220は、MAC−e PDUからMAC−es PDUへの逆多重化を実施し、Iubインタフェースを介してこれらをSRNCに転送する。
【0027】
図6に、MAC PDU生成の例示的な図600を示す。MAC−ees、アダプテーションファンクション、およびMAC−eレイヤのそれぞれの異なる機能が、全て図6に示されている。MAC−eesサブレイヤの機能は、以下を含む。WTRU210側では、所与の論理チャネルからの、または場合によっては所与のMAC−dフローからのMAC−ees SDU(またはMAC−d PDU)は、この送信のためのこの論理チャネル(またはMAC−dフロー)の利用可能ビット数にちょうど収まるように連結および/またはセグメント化される。得られたデータは、MAC−eesヘッダに加えて、MAC−ees PDUを形成する。MAC−eesヘッダは、各並べ替えPDUにつき、以下の情報を含む。
− SRNCにおける並べ替えを補助するのに使用される送信シーケンス番号(TSN)フィールド。
− MAC−ees PDUの最初と最後の部分がセグメントであるか完全なPDUであるか(MAC−ehsと同様にして)を示すのに使用されるセグメント化記述(SD)フィールド。
− 各MAC−ees SDUまたはそのセグメントの長さを示すフィールド(例えば、各セグメントのバイト数を示す長さインジケータ(LI))。
【0028】
論理チャネル識別(identity)は、MAC−eesヘッダから省略して、3GPP規格のリリース6/7におけるようにMAC−eヘッダのデータ記述インジケータ(DDI)フィールドによって示すことができる。しかし、各MAC−ees SDU(もしくはそのセグメント)または各MAC−eesごとに論理チャネル識別があってもよい。
【0029】
アダプテーションファンクションの機能は、以下を含む。WTRU210側では、このサブレイヤは、各並べ替えPDUにつき、ヘッダを含めてこのMAC−ees PDUのサイズ以上のサイズである仮想MAC−es PDUサイズを表す、DDIとNフィールドの組合せを決定する。アダプテーションサブレイヤは、MAC−ees PDUの実際のサイズ(TSNフィールドのサイズを引いたサイズ)にできるだけ近いサイズを表す組合せを選択する。
【0030】
例えば、MAC−ees PDUのサイズが3100ビットであり、320ビットのMAC−d PDUサイズを有する対応する論理チャネルにマッピングされるDDI値が存在する場合、アダプテーションファンクションは、N=10を有するこのDDIを選択することができる。DDIとNの適切な組合せが見つかると、アダプテーションサブレイヤは、各MAC−ees PDUに、その拡張サイズをDDIとNの組合せに対応する仮想MAC−es PDUのサイズと一致させる必要数のパディングビットを付加する。述べた例では、アダプテーションサブレイヤは、106ビット(すなわち320×10−3100+6)を付加することが必要となり、それにより、TSNの6ビットを除いた拡張MAC−ees PDUのサイズは、サイズ320ビットの10個のMAC−es SDUからなるMAC−es PDUのサイズと一致する。
【0031】
また、アダプテーションレイヤは、どんなパディングもMAC−ees PDUに追加しないことを選択することもできる。この追加は、事前定義済みのサイズセットの組合せの1つと同一サイズのMAC−ees PDUをMAC−eesサブレイヤが生成するよう制限することによって回避することができる。しかし、十分なデータが利用可能でない場合は、アダプテーションファンクションは、MAC−ees PDUにパディングを追加する。選択されるMAC−ees PDUサイズは、その論理チャネルに対する最大許容ビット数または利用可能ビット数にできるだけ近いように選択される。セグメント化する能力、またはフレキシブルRLC PDUサイズを送るようRLCに要求する能力により、これを達成することができる。
【0032】
WTRU210のMAC−eサブレイヤは、各MAC−es PDUについての選択されたDDIおよびNの値と、必要数のパディングビットで拡張されたMAC−ees PDUと、任意選択でDDIおよび/またはスケジューリング情報フィールドとからなる、MAC−e PDUを構築する。異なる論理チャネル(すなわちMAC−es PDU)をMAC−e PDUに多重化することが、MAC−eレイヤで維持されることに留意されたい。
【0033】
したがって、図6に示すように、MAC−e PDUのMAC−eヘッダ部分は、MAC−eペイロードに付加されるDDIおよびNフィールドを含む。MAC−ees PDUヘッダとペイロードとが含まれる適応済みMAC−es PDUから、MAC−eペイロードが形成される。
【0034】
ノードB220側では、MAC−eサブレイヤが、従来のワイヤレス通信システムにおけるのと同様にしてMAC−e PDUを処理する。すなわち、各MAC−e PDUはMAC−es PDUに逆多重化され、これらはE−DCHフレームプロトコルを使用して送信され、Iubを介して各MAC−es PDUのDDIおよびNフィールドが渡される。レガシーノードB220中のMAC−eサブレイヤは、パディングビットを認識していないので、拡張された各MAC−ees PDUをR6/R7のMAC−es PDUとして処理する。
【0035】
ネットワーク側では、前述の動作が概して逆になる。例えば、異なるMAC−ees PDUが逆多重化され、データは、それぞれの論理チャネル(またはMAC−dフロー)に対応する並べ替え、分解、および再組み立てエンティティにルーティングされる。分解および再組み立てエンティティの出力におけるMAC−ees SDUは、上位レイヤに送られる。
【0036】
例えば、SRNC240は、MAC−es PDUをそれぞれのMAC−dフロー上で受け取り、SRNC240中の再配信機能レイヤが、DDIフィールドに基づいてこれらを正しい論理チャネルフローに送る。あるいは、DDIフィールドが利用されずMAC−eesヘッダが論理チャネル識別(LCH−ID)を含む場合は、キュー配信機能がLCH−IDフィールドに基づいてPDUをルーティングすることができる。
【0037】
SRNC240側のアダプテーションサブレイヤは、MAC−es PDUからMAC−ees PDUを抽出する。これは、MAC−ees PDUが事前定義済みサイズの1つにちょうど収まるようにするために追加されたパディングビットがあればそれらを除去することによって行われる。パディングビットの除去は、個々のMAC−ees SDUまたはセグメントの長さ(例えばLIフィールド中の)を示すMAC−eesヘッダフィールドを読み取ることによって行うことができる。あるいは、適切な数のパディングビットの除去は、MAC−eesサブレイヤ中で実施される。この時点で、MAC−ees PDUを、MAC−eesサブレイヤにルーティングすることができる。SRNC240中のMAC−eesサブレイヤに到達すると、MAC−ees PDUのヘッダを利用して、MAC−ees PDUを並べ替えおよび分解してMAC−ees SDUおよびそれらのセグメントにすることができる。
【0038】
パディングビットの除去は、分解/再組み立てプロセスの一部として並べ替えの前または後に行うことができることに留意されたい。また、アダプテーションサブレイヤを用いた効率的な動作を容易にするために、論理チャネルごとのDDI値を、パディングビット数が最小限になるようにして設計することができることに留意されたい。
【0039】
図6の代替として、必ずしも論理チャネルインデックスがMAC−eと他のサブレイヤとの間で識別可能である必要はない。異なるDDI値を異なるペイロードサイズにマッピングするのを容易にする目的で、MAC−eサブレイヤにおける異なる論理チャネルを定義することができる。WTRU210側からは、DDIマッピングおよびNの値を使用して、WTRU210がノードB220に対して指し示すことができる可能なサイズのセットを増大させる。より具体的には、DDI*Nは、MAC−es PDUの総サイズ、あるいはMAC−ees PDUの総サイズ(すなわち共に多重化された全ての並べ替えPDUのサイズ)をもたらすことになる。
【0040】
したがって、DDIフィールドの6ビットがWTRU210によって使用されて、より大きい可能サイズセットがもたらされる。R8ノードB220は、DDIフィールドがMAC−ees PDUサイズのセットに対応することを認識しており、DDIを論理チャネル、MAC−dフロー、およびMAC−d PDUサイズに関連付けないことがわかっている。しかし、R7ノードB220はDDIフィールドを異なる仕方で解釈し、R7ノードB220は、そのDDIフィールドの論理チャネルおよびMAC−dフローも考慮するように構成されている可能性がある。しかし、MAC−es PDUがDDIおよびNフィールドと共にIubフレームを介して転送されても、SRNC240は、提供されたDDIおよびNフィールドを無視し、受け取ったPDUを相応に処理する。
【0041】
図7に、代替的MAC PDU生成の例示的な図700を示す。図7では、MAC−eesサブレイヤの機能は以下を含む。WTRU210側では、所与の論理チャネル(または場合によっては所与のMAC−dフロー)からのMAC−ees SDU(またはMAC−d PDU)が、この送信のためのこの論理チャネル(またはMAC−dフロー)の利用可能ビット数にちょうど収まるように連結および/またはセグメント化される。この操作の結果は、「並べ替えPDU」と呼ばれる。加えて、MAC−eesサブレイヤは、異なる論理チャネル(またはMAC−dフロー)からの並べ替えPDUを共に多重化し、その結果にMAC−eesヘッダを付加して、MAC−ees PDUを形成する。MAC−eesヘッダは、各並べ替えPDUにつき、以下の情報を含む。
− SRNCにおける並べ替えを補助するのに使用される送信シーケンス番号(TSN)フィールド。
− 並べ替えPDUの最初と最後の部分がセグメントであるか完全なPDUであるか(MAC−ehsと同様にして)を示すのに使用されるセグメント化記述(SD)フィールド。
− 各MAC−ees SDUまたはそのセグメントの長さを示すフィールド(例えば、各セグメントのバイト数を示す長さインジケータ(LI))。
− 各MAC−ees SDU(もしくはそのセグメント)についての、または場合によっては各並べ替えPDUのみについての、論理チャネル識別。
【0042】
WTRU210側で、アダプテーションサブレイヤは、図6で利用した方式と同様にして、得られたMAC−ees PDUについて、このMAC−ees PDUのサイズ以上のサイズである仮想MAC−es PDUサイズを表すDDIとNフィールドの組合せを決定する。1つの違いは、MAC−e PDU中にMAC−ees PDUは1つしかなく、したがって1つのDDIおよびNフィールドのみがMAC−e PDUに組み込まれることになる点である。アダプテーションファンクションはまた、パディングビット数が確実に最小限になるようにする。
【0043】
WTRU210のMAC−eサブレイヤは、MAC−ees PDUについての選択されたDDIおよびNの値と、必要数のパディングビットで拡張されたMAC−ees PDUと、任意選択でDDI(DDI2)、スケジューリング情報(SI)フィールド、および/またはパディングビットとからなる、MAC−e PDUを構築する。この動作では、MAC−eヘッダは、DDIおよびNフィールドと、任意選択で追加のDDIフィールド(例えばDDI2)とを含むことになる。MAC−eペイロード部分は、MAC−es PDU(これは、MAC−ees PDUと、任意のパディングビットとを含む)と、任意選択でSIフィールドとを含むことになる。
【0044】
この場合もやはり、ノードB220側では、MAC−eサブレイヤが従来の方式でMAC−e PDUを処理することができる。すなわち、DDIおよびNフィールドは1つしかないので、MAC−e PDUからMAC−es PDUが抽出され、次いでIubフレームプロトコルを介して送信される。この場合もやはり、MAC−eサブレイヤは、MAC−es PDU中のパディングビットを認識していないので、MAC−es PDUが複数の論理チャネルからのデータを含むことを認識していない。
【0045】
SRNC240側では概して逆の動作が実施される。例えば、異なる並べ替えPDUが逆多重化され、データは、それぞれの論理チャネル(またはMAC−dフロー)に対応する並べ替え、分解および再組み立てエンティティにルーティングされる。分解および再組み立てエンティティの出力におけるMAC−ees SDUは、上位レイヤに送られる。
【0046】
SRNC240側のアダプテーションサブレイヤは、MAC−es PDUからMAC−ees PDUを抽出する。これは、MAC−ees PDUが事前定義済みサイズの1つにちょうど収まるようにするために追加されたパディングビットを除去することによって行われる。パディングビットの除去は、個々の並べ替えPDU、MAC−ees SDU、または各並べ替えPDU内のセグメントの長さを示すMAC−eesヘッダフィールドを読み取ることによって行うことができる。次いで、MAC−ees PDUをMAC−eesサブレイヤにルーティングすることができ、そこでMAC−ees PDUのヘッダを使用してMAC−ees PDUを元の並べ替えPDUに逆多重化する。次いで、並べ替えPDUを正しい並べ替えフローにルーティングすることができ、そこで並べ替え、分解、または再組み立てが実施される。
【0047】
あるいは、適切な数のパディングビットの除去は、MAC−eesサブレイヤ中で実施してもよい。これは、MAC−es PDUから並べ替えPDUへの逆多重化が実施されるときに行うことができる。この場合もやはり、アダプテーションサブレイヤを用いた効率的な動作を容易にするために、論理チャネルごとのDDI値を、パディングビット数が最小限になるようにして設計することができることに留意されたい。
【0048】
図8に、別の代替的MAC PDU生成の例示的な図800を示す。このようにして、図6で上述したMAC−ees PDUか図7で上述したMAC−ees PDUかどうかにかかわらず、MAC−ees PDUの長さが、いくつかのDDIおよびNフィールド(例えばDDI1...DDIK、およびN1...NK)を使用して記述される。DDI値は、いくつかのベース値(例えば1、10、1000、10000など)からなり、種々のベースとNフィールドの組合せが、MAC−es PDUまたは送信されているデータの全長を示すことができる。全てのDDI*Nフィールドの合計が、MAC−ees PDUの総サイズをもたらす。例えば、PDUのサイズが23040ビットである場合、対応するDDIおよびNフィールドは、(DDI1インデックス=10000、N1=2)、(DDI2インデックス=1000、N2=3)、および(DDI3インデックス=10、N3=4)となる。この例では、MAC−eヘッダはこの場合、DDI1/N1...DDIK/NKフィールドと、任意の追加のDDI(例えばDDI2)フィールドとを含み、MAC−eペイロード部分は、この場合もやはり、MAC−ees PDUと、任意のパディングまたはSIフィールドとを含む。
【0049】
ネットワーク側では、レガシーノードB220はこの場合、上で使用されているのと同じベースで構成されなければならない。後方互換性を確実にし、ノードB220が同じ論理チャネルに属する複数のDDIフィールドを受け取る場合を回避するために、ネットワークは、全てのDDIベースが異なる論理チャネルに属するように構成することができる(すなわち、ベースDDI=10は論理チャネル1に向けて構成され、DDI=1000は論理チャネル2に向けて構成され、以下同様となる)。これは、ノードBアプリケーションパート(NBAP)シグナリングを介して行うことができる。あるいは、複数のDDIベースは、同じ論理チャネルおよびMAC−dフローの一部とすることもできる。
【0050】
ノードB220は、MAC−e PDUを受け取ると、各DDIおよびNフィールドがMAC−es PDUに属すると仮定することができ、MAC−e PDUを多くのセグメントに逆多重化またはフラグメント化することができる。セグメントはSRNC240に送られ、SRNC240中のアダプテーションレイヤは、セグメント化された全てのデータをMAC−ees PDUに再組み立てする。MAC−ees PDUは、MAC−eesサブレイヤに送られて処理される。
【0051】
レガシーノードB220がR8アクティブセットに追加され、それにより全てのノードBがR8ノードB220になったときは、WTRU210およびR8ノードB220は、MAC−eヘッダフォーマットを変更し、アダプテーションサブレイヤ機能を開始し、MAC−eヘッダをレガシーMAC−eプロトコルとして解釈し始める。
【0052】
R8のMAC−eフォーマットが静的であり、レガシーMAC−eフォーマットと同じである場合がある。これは、図5、6、7、および8で上述したオプションのうちの1つを使用して達成することができ、この場合、アダプテーションレイヤは、WTRU210がR8のSRNC240に接続されているときは常に存在するエンティティになる。
【0053】
しかし、R8のMAC−eフォーマットが、レガシーノードB220がアクティブセットに追加されたときまたはその逆のときに使用されるものと異なる場合は、MAC−eプロトコル挙動の変更に対処する方法が必要とされることがある。例えば、アクティブセット更新が行われ、R8ノードB220のみを含むアクティブセットにレガシーノードB220が追加されたときまたはその逆のとき、WTRU210およびノードBは、この変更を知らされなければならない。特に、全てのR8ノードB220は、この変更を知らされることが必要になる。
【0054】
WTRU210には、RRCアクティブセット更新メッセージを介してMAC−eヘッダの変更を通知することができ、あるいはWTRU210は、R7/R6ノードB220が追加されたことを暗黙的に検出することができる。WTRU210がこの指示(indication)を受け取ったとき、または変更を検出したとき、WTRU210は、所与のアクティブ化時またはハンドオーバ時に、アクティブセット更新プロシージャの一部として、以下のステップの1つまたは組合せを実施することができる。
・R8のMAC−eフォーマットによるMAC−e PDUを含むHARQプロセスをフラッシュする。
・MAC−e/esリセットを実施する(すなわち、TSNをリセットし、HARQプロセスをフラッシュし、セグメント化エンティティまたはバッファ中のどんな残りのセグメントも廃棄する)。
・すでにHARQプロセス中にある古いMAC−e PDUを抽出し、新しいMAC−eフォーマットを使用してそれらを再生成する。
・MAC−eアダプテーションレイヤをアクティブ化/非アクティブ化し、新しいMAC−eフォーマットを使用して開始する。
【0055】
加えて、すでにアクティブセット中にあるノードB220は、WTRU210が新しいMAC−eヘッダフォーマットを使用し始める時点で、同じフォーマットを解釈し始める。このフォーマット変更は、NBAPシグナリングプロシージャを介してシグナリングすることができ、プロトコルの変更は、WTRU210とノードB220の両方の中で所与のアクティブ化時に行うことができる。
【0056】
さらに別の実施形態では、非拡張セルが拡張アクティブセットに追加されたとき、WTRU210は、半フレキシブルRLC PDUモードでの動作を継続または開始することができる。半フレキシブルAM RLCモードは、種々のサイズだが固定サイズセット内であるRLC PDUをWTRU210が生成できるようにするモードである。
【0057】
非拡張セルがアクティブセットに追加され、かつWTRU210が拡張SRNC240に接続されたままである間、ネットワークは、論理チャネルエンティティを、半フレキシブルRLC PDUモードを使用して動作を開始するように構成する。ネットワークは、確認応答モード(AM)で使用できるRLC PDUサイズのセット、およびそれらに対応するDDIフィールドをシグナリングする。RLCは、構成済みセットから選択されたサイズのRLC PDUを生成することが許可され、送信時の直前またはそれよりも前にRLC PDUを生成することができる。
【0058】
RLCによって選択されるサイズは、以下の基準の1つまたは組合せに基づくことができる。
・拡張アップリンクトランスポートフォーマットコンビネーション(E−TFC)選択:MACは、構成済みセットから選択されたサイズのN個のPDUを送信するようRLCに要求する。RLCは、構成済みサイズの1つにちょうど収まる場合は、要求されたサイズのPDUを生成する。
・RLCは、1つの最大RLC PDUサイズで構成される。十分な利用可能なデータがある場合は、RLC PDUは最大サイズに設定される。最大RLC PDUサイズを満たすのに十分なデータが利用可能でない場合は、構成済みセットから次に小さいRLC PDUサイズが選択され、それにより、利用可能なデータは最小限のパディングが追加されて送信される。
・MACは、毎TTIに、RLC PDUのサイズをRLCに伝える。
・MACは、最初にRLC PDUサイズを要求する。RLC PDUは、MACが要求を変更するまで、要求されたサイズのRLC PDUを継続的に生成する。
・絶対最大RLC PDUサイズおよび最小RLC PDUサイズを構成することができる。
【0059】
半フレキシブルRLC PDUでは、WTRU210は、選択されたE−TFCに適合することができ、しかもなお、構成済みセットからのRLC PDUのサイズと、同じサイズのRLC PDUの数と(すなわちDDIおよびNフィールド)を示すことのできる同じ非拡張MACヘッダを使用することができる。
【0060】
しかし、現在の非拡張MACは、1つの論理チャネルからの同じサイズのMAC SDUのみをMAC−es PDU中に含むという制限を有する。したがって、MACは1つまたは複数のプロシージャを実施することができる。
【0061】
例えば、MACは、1つのMAC−es PDU中で、同じサイズのRLC PDUだけしか許可しない場合がある。これは、RLCが異なるサイズのRLC PDUを生成するかまたはMACに送ることを、制限することになる。この結果、再送されるRLC PDUのサイズが、初めて送信されているRLC PDUのサイズとは異なるというシナリオになる可能性がある。送信側はこの場合、このTTIで再送RLC PDUを送信し、次のTTIを待機して次のRLC PDUを送信することしかできない。あるいは、RLC PDUは、待機して、所与のTTIで、再送が行われておりTB中にまだ利用可能なスペースがある場合は、再送RLC PDUと同じサイズの1つまたは複数の新しいRLC PDUを生成することができる。任意選択で、この規則に次のような制限を適用することができる。すなわち、再送RLC PDUがMACによって要求されたサイズよりも大きくても、RLCは、MACによって要求されたサイズよりも大きいサイズのRLC PDUを生成することが許可されない。
【0062】
また、MACは、1つのTTI中で、種々のサイズのRLC PDUをサポートすることができる。これは、同じ論理チャネルに対応するが異なるDDIフィールドを有するいくつかのMAC−es PDUを生成することによって行うことができる。
【0063】
非拡張ノードB220がアクティブセットに追加され、送信側が半フレキシブルRLC PDUモードで構成されているとき、MACプロトコルは、非拡張ノードB220がMAC−e PDUを復号できることになるように、変化しなければならない。したがって、MAC構成を実施することができる。
【0064】
一例では、MACは、非拡張MACとして動作するように構成される。したがって、現在のリリース6のMAC−esおよびMAC−eヘッダフォーマットが使用され、MACはセグメント化能力を有さなくてよい。
【0065】
あるいは、MACは、現在の非拡張MAC−eヘッダフォーマットを使用するように構成することができるが、セグメント化を実施する能力を有する。これによりMACは、選択されたトランスポートブロックサイズよりも大きいサイズのRLC再送を処理することができる。古いMAC−eヘッダフォーマットと共にセグメント化をサポートするために、WTRU210は、構成済みRLC PDUサイズセットの1つと等価なサイズのセグメントを生成するだけでよい。MAC−esヘッダは、TSNおよびSIの値をシグナリングし、一方MAC−eは、DDIおよびNの値をシグナリングすることになる。
【0066】
残りのセグメントがDDIサイズの1つよりも小さいかまたはぴったり収まらない場合は、パディングを使用して、PDUを次に小さいDDI値に合わせて完成させることができる。あるいは、全てのセグメントのサイズがDDI値の1つと一致する結果となる可能なセグメント化の組合せがない場合は、MACはRLC PDUをセグメント化しなくてよい。
【0067】
セグメント化が実施される場合にMAC中でのパディングが許可される場合、MAC−esヘッダは、パディングビットが追加されたことをネットワークにシグナリングしなければならない。これは、MAC−esヘッダフォーマットに追加ビットを加えることによって、またこのビットが設定された場合に、どこでセグメントが終了してパディングビットが追加されているかを示す別のフィールドを加えることによって、行うことができる。任意選択で、受信側(すなわちノードB220およびRNC)は、MAC−esがセグメントを含むことがわかっている場合にのみ、パディングビットインジケータが存在するかどうかチェックするだけでよい。受信MAC−es側には、パディングビット除去およびセグメント再組み立ての機能が導入される。
【0068】
フレキシブルから半フレキシブルへの、またはその逆の構成変更、および固定から半フレキシブルへの、またはその逆の構成変更、およびMACの変更は、前述の方式の1つを使用してシグナリングすることができる。
【0069】
加えて、前述の方法のいくつかは、データの損失を引き起こす可能性がある。したがって、データ損失を引き起こすかもしれないイベントが発生したときは、データ回復が有益な場合がある。例えば、以下のプロシージャのいずれかの結果、データ回復動作が必要になる場合がある。
・WTRU210が拡張から非拡張L2プロトコルに移動する。
・SRNSが変更される。
【0070】
・MAC−i/isリセットまたは再構成を指示するハンドオーバが実施される。
・CELL_DCHまたはCELL_FACHにおけるMAC−i/isリセットが実施される。
・MAC−i/isリセットが実施される。
・CELL_FACHにおけるE−DCHリソースが、ノードB220からの明示的な指示を介して解放済みであり、WTRU210が、MAC−i/isリセットを実施する必要なしにMAC−i/isセグメント化エンティティからセグメントを廃棄しなければならない。
・CELL_FACHからCELL_DCHへの移行時であって、MAC−i/isリセットが実施されるか、またはWTRU210がHARQプロセスをフラッシュすることが必要とされる。
・WTRU210がMAC−i/isエンティティのセグメント化エンティティ中のセグメントを廃棄することが必要とされる。
【0071】
前述のシナリオの1つが発生したとき、MACは、MACによって首尾よくまたは完全に送信されなかったデータをRLCが回復できるように、RLCと通信する。MACは、失敗したRLC PDUをRLCに通知することができる。
【0072】
例えば、MACのセグメント化バッファ/エンティティの1つに、セグメントが記憶されている。前述のシナリオでは、セグメント化エンティティ中のセグメントは廃棄されることになり、したがって、このセグメントなしでは、RLC PDUは首尾よく送信/再組み立てされない場合がある。このため、RLCエンティティがAM RLCエンティティに対応する場合は、MACは、RLC PDUに属するセグメントが全く送信されなかったことを、対応するRLCエンティティに通知する。次いでRLCは、この指示を受け取ると再送をトリガして、データのより早い回復を可能にすることができる。また、セグメントがUM RLCエンティティに対応する場合は、MACは、失敗したPDUをRLCに通知することができ、UM RLCエンティティは、RLC SDUを、および対応するSDUに関連する他のどんなPDUも、廃棄することができる。
【0073】
加えて、セグメントがSRBに対応する場合またはCCCHメッセージに属する場合は、MACは、廃棄されたセグメントをRRCレイヤに通知することができる。これによりRRCは、RRCプロシージャタイマが失効するのを待機する必要なしに、メッセージを回復して再送することができる。
【0074】
データを回復する別の方式は、送信されたが確認応答されなかったデータを含むHARQプロセスに関連する。このシナリオでは、MACは、そのHARQバッファ中の全てのPDUをRLCに通知する。
【0075】
上記のデータ回復方法をサポートするには、MAC−i/isリセットプロシージャを修正し、それにより、記憶済みセグメントの廃棄前にMAC−i/isエンティティが、そのバッファに記憶されているセグメントおよびそれが属するRLC PDUを、対応するRLCに通知するようにすればよい。述べたデータ回復方法はMAC−e/esエンティティにも適用されることにも留意されたい。
【0076】
本発明の特徴および要素を特定の組合せで上述しているが、各特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独で、または、他の特徴および要素ありもしくはなしで様々な組合せで、使用することができる。本明細書で提供した方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行されるためにコンピュータ可読記憶媒体に組み入れられた、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェア中で実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクや取外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、および、CD−ROMディスクやディジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体を含む。
【0077】
適切なプロセッサは、例えば、DSPコア、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他のタイプの集積回路(IC)、および/または状態機械に関連する、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサを含む。
【0078】
ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)、ユーザ端末(UE)、端末、基地局、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または任意のホストコンピュータ中で使用するために、ソフトウェアと共にプロセッサを使用して無線周波数トランシーバを実現することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオホン、スピーカホン、振動デバイス、スピーカ、マイクロホン、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、ブルートゥースモジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニット、有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット、ディジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)もしくは超広帯域(UWB)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェア中で実現されるモジュールと共に使用することができる。
【0079】
実施形態
1.アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートする方法。
2.媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを再構成することをさらに含む、実施形態1の方法。
3.ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスをフラッシュすることをさらに含む、上記実施形態のいずれかにおける方法。
4.MAC−e/esリセットを実施することをさらに含む、上記実施形態のいずれかにおける方法。
5.MAC−e/esリセットをシグナリングすることをさらに含む、上記実施形態のいずれかにおける方法。
6.MAC−e/esリセットが無線リソースコントローラ(RRC)シグナリングを介してシグナリングされる、上記実施形態のいずれかにおける方法。
7.MAC−e/esリセットがアクティブセット更新メッセージを介してシグナリングされる、上記実施形態のいずれかにおける方法。
8.媒体アクセス制御(MAC)−e/esリセットを実施する方法。
9.ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスをフラッシュすることをさらに含む、実施形態8の方法。
10.拡張個別チャネル(E−DCH)にマッピングされる全ての論理チャネルについて状態変数CURRENT_TSNを0に設定することをさらに含む、実施形態8〜9のいずれかにおける方法。
11.セグメント化エンティティ中に残っているセグメントを廃棄することをさらに含む、実施形態8〜10のいずれかにおける方法。
12.失敗したRLCパケットデータユニット(PDU)を無線リンクコントローラ(RLC)に通知することをさらに含む、実施形態8〜11のいずれかにおける方法。
13.失敗したRLC PDUを廃棄することをさらに含む、実施形態8〜12のいずれかにおける方法。
14.失敗したRLC PDUを再送することをさらに含む、実施形態8〜13のいずれかにおける方法。
15.RLC PDUを再送後に廃棄することをさらに含む、実施形態8〜14のいずれかにおける方法。
16.HARQバッファ中に存在するPDUをRLCに通知することをさらに含む、実施形態8〜15のいずれかにおける方法。
17.上記のいずれかの実施形態における方法を実施するように構成されたワイヤレス送受信ユニット(WTRU)。
18.受信機をさらに備える、実施形態17のWTRU。
19.送信機をさらに備える、実施形態17〜18のいずれかにおけるWTRU。
20.受信機および送信機と通信するプロセッサをさらに備える、実施形態17〜19のいずれかにおけるWTRU。
21.プロセッサが媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを再構成するように構成された、実施形態17〜20のいずれかにおけるWTRU。
22.プロセッサがハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスをフラッシュするように構成された、実施形態17〜21のいずれかにおけるWTRU。
23.プロセッサがMAC−e/esリセットを実施するように構成された、実施形態17〜22のいずれかにおけるWTRU。
24.プロセッサが、拡張個別チャネル(E−DCH)にマッピングされる全ての論理チャネルについて状態変数CURRENT_TSNを0に設定するように構成された、実施形態17〜23のいずれかにおけるWTRU。
25.プロセッサが、セグメント化エンティティ中に残っているセグメントを廃棄するように構成された、実施形態17〜24のいずれかにおけるWTRU。
26.プロセッサが、失敗したRLCパケットデータユニット(PDU)を無線リンクコントローラ(RLC)に通知するように構成された、実施形態17〜25のいずれかにおけるWTRU。
27.プロセッサが、失敗したRLC PDUを再送するように構成された、実施形態17〜26のいずれかにおけるWTRU。
28.プロセッサがRLC PDUを再送後に廃棄するように構成された、実施形態17〜27のいずれかにおけるWTRU。
29.プロセッサが、HARQバッファ中に存在するPDUをRLCに通知するように構成された、実施形態17〜28のいずれかにおけるWTRU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体アクセス制御(MAC)リセットを実施するワイヤレス送受信ユニット(WTRU)であって、
MAC−e/esリセットインジケータを受信し、
前記MAC−e/esリセットインジケータに応じて、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスをフラッシュし、MAC−i/isが構成される時にセグメント化エンティティに記憶されたセグメントを廃棄する
ように構成されたプロセッサを備えることを特徴とするWTRU。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記MAC−e/esリセットインジケータを、無線リソースコントローラ(RRC)シグナリングを介して受信するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記MAC−e/esリセットインジケータは、RRC再構成メッセージに含まれることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記MAC−e/esリセットインジケータは、アクティブセット更新メッセージに含まれることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項5】
前記セグメント化エンティティは、MACパケットデータユニット(PDU)セグメントを記憶するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項6】
媒体アクセス制御(MAC)リセットを実施する方法であって、
MAC−e/esリセットインジケータを受信するステップと、
前記MAC−e/esリセットインジケータに応じて、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスをフラッシュするステップと、
MAC−i/isが構成される時にセグメント化エンティティに記憶されたセグメントを廃棄するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
拡張個別チャネル(E−DCH)にマッピングされる論理チャネルについて状態変数を0に設定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
失敗したRLCパケットデータユニット(PDU)を無線リンクコントローラ(RLC)に通知するステップと、
前記失敗したRLC PDUを廃棄するステップと、
前記失敗したRLC PDUを再送するステップと、
前記RLC PDUを再送後に廃棄するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
HARQバッファ中に存在するPDUを前記RLCに通知するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記MAC−e/esリセットインジケータは、RRC再構成メッセージまたはアクティブセット更新メッセージのうちの少なくとも一つに受信されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートするワイヤレス送受信ユニット(WTRU)であって、
MAC(媒体アクセス制御)−es/eからMAC−is/iへの、またはMAC−is/iからMAC−e/esへの変更を示すMACプロトコル変更インジケータを受信し、
前記MACプロトコル変更インジケータに応じて、MACリセットインジケータがTRUEに設定されることを検証し、
MACリセットを実施する
ように構成されたプロセッサを備えることを特徴とするWTRU。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記MACリセットインジケータを、無線リソースコントローラ(RRC)シグナリングを介して受信するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項13】
前記プロセッサは、拡張個別チャネル(E−DCH)にマッピングされる論理チャネルについて状態変数を0に設定するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項14】
前記プロセッサは、拡張MACプロトコルが構成される時にセグメント化エンティティに記憶されたセグメントを廃棄するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記MACリセットインジケータがTRUEに設定される時に前記MACリセットを実施するように構成されたことを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項16】
アップリンク(UL)プロトコル変更をサポートする方法であって、
MAC(媒体アクセス制御)−es/eからMAC−is/iへの、またはMAC−is/iからMAC−e/esへのMACプロトコル変更を処理するステップと、
MACリセットインジケータがTRUEに設定されることを検証するステップと、
MACリセットを実施するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記MACリセットインジケータは、無線リソースコントローラ(RRC)シグナリングを介して受信されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
拡張個別チャネル(E−DCH)にマッピングされる論理チャネルについて状態変数を0に設定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
拡張MACプロトコルが構成される時にセグメント化エンティティに記憶されたセグメントを廃棄するステップをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記MACリセットインジケータがTRUEに設定される時に前記MACリセットが実施されることを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−17239(P2013−17239A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224219(P2012−224219)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2010−527099(P2010−527099)の分割
【原出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】