説明

アドレス帳サーバ及びこれを備えたデータ処理システム

【課題】画像データを処理して得られたアドレス帳データを、簡単な構成で、テーブル定義が互いに異なる複数のアドレス帳で利用可能にする。
【解決手段】テーブル70で、各個別アドレス帳ID(ADID)の列順が統一アドレス帳の列順と対応付けられている。個別アドレス帳データ要求にサーバが応答して、テーブル72を参照して、ログイン時に受信した装置IDから個別アドレス帳IDを決定し、この個別アドレス帳IDで列順変換テーブル70を参照して、統一アドレス帳の行データを、要求された個別アドレス帳の行データに変換する。行データを統一アドレス帳テーブルに追加する際に、対応する更新日時に現日時を書き込み、個別アドレス帳データ要求に応答して、テーブル72の対応する更新日時より新しい更新日時の行データを統一アドレス帳から読み出すとともにテーブル72の対応する更新日時を現日時で更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データをOCR処理し、テーブル定義が互いに異なるアドレス帳にそのデータを追加するアドレス帳サーバ及びこれを備えたデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1、2には、カメラ付携帯端末で名刺を撮像し、その画像データをサーバに送信し、サーバ側でOCR処理し、得られた文字列から会社名、住所、電話番号、FAX番号等を判別して行データを生成し、これをアドレス帳に追加し、この行データを、ユーザによる携帯端末での操作とサーバでの処理と編集する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−366563号公報
【特許文献2】特開2003−296353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記行データを、テーブル定義が互いに異なる複数のアドレス帳で利用することができない。サーバでこれら複数のアドレス帳を備え、このデータをそれぞれのテーブル定義のアドレス帳に保存すると、構成が複雑になり、ユーザにより選択されたアドレス帳のみに保存すると、利用性が低下する。
【0005】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、画像データを処理して得られたアドレス帳データを、簡単な構成で、テーブル定義が互いに異なる複数のアドレス帳で利用可能にするアドレス帳サーバ及びこれを備えたデータ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様では、画像データとともに受信したアドレス帳データ追加要求に応答して、該画像データに含まれる文字列を認識し、各文字列の項目を判別し、個別アドレス帳データ要求に応答して、テーブル定義が互いに異なる個別アドレス帳のうち要求された個別アドレス帳のデータを返信するアドレス帳サーバであって、
個別アドレス帳ID毎に個別アドレス帳の列順を統一アドレス帳の列順と対応付けた列順変換情報と、
該アドレス帳データ追加要求に応答して、該項目を統一アドレス帳の列名と対応付けた行データを該統一アドレス帳に追加し、個別アドレス帳IDに関係付けられた該個別アドレス帳データ要求に応答して、該列順変換情報を参照して、該行データを、要求された個別アドレス帳の行データに変換する情報処理手段とを有する。
【0007】
本発明によるアドレス帳サーバの第2態様では、第1態様において、装置IDと個別アドレス帳IDとを対応付けた装置・個別アドレス帳対応付情報をさらに有し、
該個別アドレス帳IDに関係した情報は装置IDであり、
該情報処理手段は、装置/個別アドレス帳対応付情報を参照して、受信した装置IDから個別アドレス帳IDを決定し、この個別アドレス帳IDで該列順変換情報を参照する。
【0008】
本発明によるアドレス帳サーバの第3態様では、第2態様において、該統一アドレス帳は更新日時の列を含み、
該装置・個別アドレス帳対応付情報にはさらに、装置ID毎に更新日時が対応付けられており、
該情報処理手段は、行データを該統一アドレス帳に追加する際に、対応する更新日時に現日時を書き込み、
該個別アドレス帳データ要求に応答して、該装置・個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時より新しい更新日時の行データを該統一アドレス帳から読み出し、該装置・個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時を現日時で更新する。
【発明の効果】
【0009】
上記第1態様の構成によれば、個別アドレス帳IDに関係付けられた個別アドレス帳データ要求に応答して、個別アドレス帳ID毎に個別アドレス帳の列順を統一アドレス帳の列順と対応付けた列順変換情報を参照して、統一アドレス帳の行データを、要求された個別アドレス帳の行データに変換するので、テーブル定義が互いに異なる複数の個別アドレス帳をサーバに備えることなく、画像データを処理して得られたアドレス帳データをこれら個別アドレス帳で利用することができるという効果を奏する。
【0010】
上記第2態様の構成によれば、装置/個別アドレス帳対応付情報を参照して、受信した装置IDから個別アドレス帳IDを決定し、この個別アドレス帳IDで該列順変換情報を参照するので、ログイン時の装置IDを使用できるとともにセキュリティを確保することができるという効果を奏する。
【0011】
上記第3態様の構成によれば、行データを該統一アドレス帳に追加する際に、対応する更新日時に現日時を書き込み、個別アドレス帳データ要求に応答して、該装置/個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時より新しい更新日時の行データを該統一アドレス帳から読み出すとともに該装置/個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時を現日時で更新するので、サーバ側に個別アドレス帳を備えることなくサーバ側の統一アドレス帳とクライアント側の個別アドレス帳との同期をとることが可能となるという効果を奏する。
【0012】
本発明の他の目的、特徴的な構成及び効果は、以下の説明を特許請求の範囲及び図面の記載と関係づけて読むことにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(A)は統一アドレス帳の列順と複数の個別アドレス帳の列順との対応関係を示す列順変換テーブルの説明図であり、(B)はどの装置がどのアドレス帳を備え何時更新されたかを示すテーブルの説明図である。
【図2】統一アドレス帳テーブル定義の列名と個別アドレス帳テーブル定義の列名との対応関係をXMLで示す列名対応関係データ説明図である。
【図3】テーブル定義が互いに異なる個別アドレス帳テーブル定義とこれらに基づき作成される統一アドレス帳テーブル定義とを示すテーブル定義説明図である。
【図4】(A)は統一アドレス帳テーブルの説明図であり、(B)はこのテーブルの最後の行を、個別アドレス帳テーブルの行に変換しCSV形式で表したものを示す個別アドレス帳行データ説明図である。
【図5】図3中の任意の個別アドレス帳テーブル定義ADRkと図2のXMLとを用いて図1(A)の列順変換テーブルの第k行のデータを生成するプログラムのフローチャートである。
【図6】サーバが携帯端末から画像データを受信してから統一アドレス帳に行データを追加するまでの処理を示すフローチャートである。
【図7】携帯端末、画像形成装置又はPCに対するユーザの操作及びサーバと携帯端末、画像形成装置又はPCとの間の通信を示す概略シーケンス図である。
【図8】本発明に係るアドレス帳データ処理システムの概略構成図である。
【図9】サーバのハードウェアの構成を示す概略ブロック図である。
【実施例1】
【0014】
図8は、本発明に係るアドレス帳データ処理システムの概略構成図である。
【0015】
このアドレス帳データ処理システムでは、N台の画像形成装置11〜1Nと、M台のPC21〜2Mと、サーバ30と、携帯端末用基地局40とが、ネットワーク50に結合されている。基地局40は、電波を介して携帯端末60と結合される。
【0016】
画像形成装置11〜1Nのそれぞれは、テーブル定義が互いに異なる複数のアドレス帳のうちのいずれかを備え、ファクシミリ送信、電子メール送信又はファイル送信にアドレス帳が利用される。一方、PC21〜2Mのそれぞれは、これらアドレス帳の1つ以上を備え、画像形成装置11〜1Nを介してファクシミリ送信等を行うのにアドレス帳が利用される。
【0017】
各アドレス帳への行データの追加又は編集は、画像形成装置11〜1N及びPC21〜2Mのそれぞれで行うことができる。また、カメラ付の携帯端末60で名刺61を撮像し、その画像ファイルを、基地局40を介しサーバ30に送信することにより、サーバ30に備えられた統一アドレス帳に行データが追加され、これを、各クライアントで受信して編集したり、編集したものの列順を変換して各個別アドレス帳に追加したりすることができる。
【0018】
図9は、サーバ30のハードウェアの構成を示す概略ブロック図である。
【0019】
サーバ30では、CPU31がインターフェイス32を介してメモリ33、補助記憶装置34、会話型入出力装置35及びネットワークインターフェイス36に結合されている。メモリ33及び補助記憶装置34は記憶手段を構成している。ブロック32は、説明の簡単化のために、CPU31と構成要素33〜36のそれぞれとの間のインターフェイスを1つに纏めて示したものであり、これにはチップセットが含まれている。
【0020】
補助記憶装置34には、汎用のオペレーティングシステム、Webサーバ、Webアプリケーション用ランタイム及びDBMS(データベース管理システム)と、以下にフローチャートに基づき説明する本実施例特有のWebアプリケーション及び以下に示す本実施例特有のテーブルを含むデータベースとが格納されている。
【0021】
図3は、テーブル定義が互いに異なる個別アドレス帳テーブル定義ADR1〜ADR3と、これらの各列名に対応した列を全て含むようにテーブルが定義された統一アドレス帳テーブル定義ADRとを示す。
【0022】
例えば統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名「宛名名称」は、個別アドレス帳テーブル定義ADR1の列名「宛名」、個別アドレス帳テーブル定義ADR2の列名「宛先名称」及び個別アドレス帳テーブル定義ADR3の列名「宛先名」に対応し、統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名「ファクス番号」は、個別アドレス帳テーブル定義ADR1の列名「ファックス」、個別アドレス帳テーブル定義ADR2の列名「ファックス番号」及び個別アドレス帳テーブル定義ADR3の列名「ファクシミリ」に対応している。
【0023】
図1(A)は、これらの対応関係を示す列順変換テーブル70であり、サーバ30に備えられている。列順変換テーブル70は、統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名を基準とし、個別アドレス帳テーブル定義ADR1〜ADR3の対応する列名の列番号を記入したものである。例えば個別アドレス帳ID(ADRID)がADR3の行には、その列名「宛先名」及び「ファクシミリ」の列番号0及び1がそれぞれ統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名「宛先名称」、「ファックス番号」の列に記入されている。空欄はNULLであり、対応する列名が無いことを意味する。
【0024】
図2は、統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名と個別アドレス帳テーブル定義ADR1〜ADR3の列名との対応関係を示す項目判定用XML71であり、サーバ30に備えられている。例えば、個別アドレス帳テーブル定義の「宛名」、「宛先名称」及び「宛先名」が統一アドレス帳テーブル定義ADRの列名「宛先名称」に対応している(同一項目である)ことを示している。
【0025】
図5は、図3中の任意の個別アドレス帳テーブル定義ADRkと図2の項目判定用XML71とを用いて図1(A)の列順変換テーブル70の第k行のデータを作成するプログラムのフローチャートである。以下、括弧内は図中のステップ識別符号である。
【0026】
(S0)範囲0〜nの各インデックスiについて、統一アドレス帳テーブル定義ADRの第i列の列名を配列要素URN(i)に代入する。
【0027】
(S1)範囲0〜mの各インデックスjについて、個別アドレス帳テーブル定義ADRkの第i列の列名を配列要素IRN(j)に代入する。
【0028】
(S2)iに初期値0を代入する。
【0029】
(S3)jに初期値0を代入する。
【0030】
(S4)項目判定用XML71を参照して、URN(i)とIRN(j)とが対応しているか否か(同一項目であるか否か)を判定し、対応していればステップS7へ進み、そうでなければステップS5へ進む。
【0031】
(S5)jを1だけインクリメントする。
【0032】
(S6)j>mであればステップS8へ進み、そうでなければステップS4へ戻る。
【0033】
(S7)列順変換テーブル70の第k行第i列RT(k,i)にjを代入する。
【0034】
(S8)iを1だけインクリメントする。
【0035】
(S9)i>nであれば図5の処理を終了し、そうでなければステップS3へ戻る。
【0036】
このような処理を各個別アドレス帳テーブル定義ADRkについて行うことにより、図1(A)の列順変換テーブル70が得られる。
【0037】
図4(A)は、統一アドレス帳テーブル定義ADRに基づく統一アドレス帳73を示し、これはサーバ30に備えられている。図6は、サーバ30が携帯端末60から画像データを受信したことに応答して開始され、この統一アドレス帳73に行データを追加するまでの処理を示すフローチャートである。
【0038】
(S10)この画像データに対し、OCR処理を行うことにより、画像データに含まれる各文字を認識する。
【0039】
(S11)文字間隔から文字列が行方向であるか列方向であるかを判別し、判別した行方向又は列方向の文字列が、統一アドレス帳テーブル定義ADRのどの列(項目)に対応するかを判別する。例えば、この文字列に「株式会社」が含まれていれば項目が「宛先名称」であると判別し、文字列に「FAX」と数字列が含まれていれば項目が「ファックス番号」であると判別し、文字列に都道府県名が含まれていれば項目が「住所」であると判別する。
【0040】
(S12)判別された項目の文字列を統一アドレス帳テーブル定義ADRの列に振り分けて行データを生成する。
【0041】
(S13)この行データを統一アドレス帳73に追加する。
【0042】
図1(B)は、どの装置がどのアドレス帳を備え、該装置に対しサーバが何時更新データを送信したかを示すテーブルであり、サーバ30に備えられている。
【0043】
図7は、携帯端末60、画像形成装置11又はPC21に対するユーザ80の操作と、サーバ30とクライアント(携帯端末60、画像形成装置11又はPC21)との間の通信とを示す概略シーケンス図である。図7では、複雑化を避けるため、サーバ30でのクライアントに対するログイン処理を図示省略している。以下、括弧内は図7中のシーケンス番号である。
【0044】
(1)ユーザ80は、携帯端末60を起動させる。
【0045】
(2)ユーザ80は、携帯端末60を操作して、名刺61を撮像する。
【0046】
(2.1)携帯端末60はこれに応答して、その画像ファイルを生成する。
【0047】
(3)ユーザ80は、携帯端末60を操作してブラウザを起動させ、統一アドレス帳73への行データ追加サービスを行うWeb頁のアドレスを指定する。
【0048】
(3.1)携帯端末60はこれに応答して、サーバ30にこのWeb頁を要求する。
【0049】
(3.1.1)サーバ30はこれに応答して、このWeb頁を生成し携帯端末60に送信する。これにより、このWeb頁が携帯端末60に表示される。
【0050】
(4)ユーザ80は、このWeb頁で上記画像ファイルを選択し、送信ボタンをクリックすることにより、行データ追加要求を行う。
【0051】
(4.1)サーバ30はこれに応答して、上述の図6の処理を行う。これにより、図4(A)の統一アドレス帳73に行データが追加される。この行データには、行番号(図4中のNo)及び更新日時が追加されており、更新日時はこの追加の日時である。
【0052】
(4.1.1)この行データが携帯端末60に送信されて表示される。
【0053】
サーバ30でのOCR処理において、誤認識が生じた場合、これを編集する必要がある。ユーザ80は、携帯端末60を操作してこれを編集することも可能であるが、図7では、より操作性の良いPC21を用いてこの編集を以下のように行う場合を示している。
【0054】
(5)ユーザ80は、PC21を起動させる。
【0055】
(6)ユーザ80はPC21を操作してブラウザを起動させ、編集Web頁のアドレスを指定する。
【0056】
(6.1)PC21はこれに応答して、サーバ30にこのWeb頁を要求する。
【0057】
(6.1.1)サーバ30はこれに応答して、このWeb頁を生成し、PC21に送信する。
【0058】
(7)ユーザ80は、このWeb頁で統一アドレス帳73のデータ範囲、例えば全行、所定日付以降の行又は行番号を指定する。
【0059】
(7.1)PC21はこれに応答して、サーバ30に前記範囲のデータを要求する。
【0060】
(7.1.1)サーバ30は、要求された範囲のデータを統一アドレス帳73から読み出し、これと編集用プログラムとを含むWeb頁を生成してPC21に送信する。
【0061】
(8、8.1)ユーザ80はPC21と対話的にWeb頁上のデータを編集する。
【0062】
(9)ユーザ80はPC21を操作して、このWeb頁上の送信ボタンをクリックすることにより更新を指示する。
【0063】
(9.1)PC21はこれに応答して、更新されたデータを更新要求とともにサーバ30に送信する。
【0064】
(9.1.1)サーバ30はこれに応答して、受信データで統一アドレス帳73の対応するデータを上書きして更新し、この際、更新日時をこの上書きの日時で書き換え、次いで更新が完了したことを示す情報をこの更新日時とともにPC21に送信する。
【0065】
次に、画像形成装置11に備えられたアドレス帳に、この更新されたデータを追加する場合を説明する。
【0066】
(10)ユーザ80は、画像形成装置11を起動させる。
【0067】
(11)ユーザ80は画像形成装置11の所定ボタンを押下することにより、自装置のアドレス帳へのデータ追加を指示する。自装置のIDは、この指示の前のログイン処理でサーバに送信されており、サーバでのセッション管理で例えばクッキーによりクライアントを識別できるので、この段階で装置IDをサーバへ送信する必要はない。
【0068】
(11.1)画像形成装置11はこれに応答して、例えばSOAPプロトコルにより、サーバ30に対しデータ追加のプロシージャをリモートコール(RPC)する。
【0069】
(11.1.1)サーバ30のこのプロシージャは、これに応答して、サーバ側個別アドレス帳更新情報72から前記装置IDに対応した個別アドレス帳ID(ADRID)及び更新日時を読み出し、次いで図4(A)の統一アドレス帳73から、この更新日時以降の更新日時をもつ行データを読み出し、次いでこの個別アドレス帳ID、例えばADR2の列データを列順変換テーブル70から読み出しこれに基づき、統一アドレス帳73から読み出した行データの列を並び替えることにより、個別アドレス帳テーブル定義ADRkの行データに変換し、次いで標準フォーマット、例えばCSVのフォーマットの行データにする。但し、行番号は削除する。図4(B)は、統一アドレス帳73のNo=0325の行を、行番号を除き個別アドレス帳ADR2の行データに変換しCSVフォーマットにしたものを示す。サーバ30は、個別アドレス帳更新情報72の上記装置IDの更新日時を現日時に書き換え、さらに、前記行データを戻り値として、SOAPプロトコルで画像形成装置11に返す。
【0070】
(11.2)画像形成装置11はこれに応答して、この行データを自装置のアドレス帳に追加する。この際、行番号は自動的に追加される。
【0071】
本実施例1によれば、ログイン時の装置IDとテーブル72とにより個別アドレス帳IDに関係付けられた個別アドレス帳データ要求にサーバ30が応答して、個別アドレス帳ID毎に個別アドレス帳の列順を統一アドレス帳73の列順と対応付けた列順変換テーブル70を参照して、統一アドレス帳73の行データを、要求された個別アドレス帳の行データに変換するので、テーブル定義が互いに異なる複数の個別アドレス帳をサーバ30に備えることなく、画像データを処理して得られたアドレス帳データをこれら個別アドレス帳で利用することができるという効果を奏する。
【0072】
また、サーバ側個別アドレス帳更新情報72を参照して、受信した装置IDから個別アドレス帳IDを決定し、この個別アドレス帳IDで列順変換テーブル70を参照するので、ログイン時の装置IDを使用できるとともにセキュリティを確保することができるという効果を奏する。
【0073】
さらに、行データを統一アドレス帳テーブル73に追加する際に、対応する更新日時に現日時を書き込み、個別アドレス帳データ要求に応答して、テーブル72の対応する更新日時より新しい更新日時の行データを統一アドレス帳73から読み出すとともにテーブル72の対応する更新日時を現日時で更新するので、サーバ30側に個別アドレス帳を備えることなくサーバ30側の統一アドレス帳73とクライアント側の個別アドレス帳との同期をとることが可能となるという効果を奏する。
【0074】
以上において、本発明の好適な実施例を説明したが、本発明には他にも種々の変形例が含まれ、各構成要素の機能を実現する他の構成を用いたもの、当業者であればこれらの構成又は機能から想到するであろう他の構成も、本発明に含まれる。
例えば、サーバ30はクラウドサーバであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
11 画像形成装置
21 PC
30 サーバ
31 CPU
32 インターフェイス
33 メモリ
34 補助記憶装置
35 会話型入出力装置
36 ネットワークインターフェイス
40 基地局
50 ネットワーク
60 携帯端末
61 名刺
70 列順変換テーブル
71 項目判定用XML
72 サーバ側個別アドレス帳更新情報
73 統一アドレス帳
74 行データ
80 ユーザ
ADR 統一アドレス帳テーブル定義
ADR1〜ADR3 個別アドレス帳テーブル定義

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データとともに受信したアドレス帳データ追加要求に応答して、該画像データに含まれる文字列を認識し、各文字列の項目を判別し、個別アドレス帳データ要求に応答して、テーブル定義が互いに異なる個別アドレス帳のうち要求された個別アドレス帳のデータを返信するアドレス帳サーバであって、
個別アドレス帳ID毎に個別アドレス帳の列順を統一アドレス帳の列順と対応付けた列順変換情報と、
該アドレス帳データ追加要求に応答して、該項目を統一アドレス帳の列名と対応付けた行データを該統一アドレス帳に追加し、個別アドレス帳IDに関係付けられた該個別アドレス帳データ要求に応答して、該列順変換情報を参照して、該行データを、要求された個別アドレス帳の行データに変換する情報処理手段と、
を有することを特徴とするアドレス帳サーバ。
【請求項2】
装置IDと個別アドレス帳IDとを対応付けた装置/個別アドレス帳対応付情報をさらに有し、
該個別アドレス帳IDに関係した情報は装置IDであり、
該情報処理手段は、装置/個別アドレス帳対応付情報を参照して、受信した装置IDから個別アドレス帳IDを決定し、この個別アドレス帳IDで該列順変換情報を参照する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアドレス帳サーバ。
【請求項3】
該統一アドレス帳は更新日時の列を含み、
該装置/個別アドレス帳対応付情報にはさらに、装置ID毎に更新日時が対応付けられており、
該情報処理手段は、行データを該統一アドレス帳に追加する際に、対応する更新日時に現日時を書き込み、
該個別アドレス帳データ要求に応答して、該装置/個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時より新しい更新日時の行データを該統一アドレス帳から読み出すとともに該装置/個別アドレス帳対応付情報の対応する更新日時を現日時で更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアドレス帳サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載のアドレス帳サーバと、
撮像して取得した画像データをアドレス帳データ追加要求とともに該アドレス帳サーバに送信するカメラ付端末と、
操作者の指示入力に応答して、個別アドレス帳データ要求を該アドレス帳サーバに送信し、返信された個別アドレス帳データを内蔵の個別アドレス帳に追加する画像形成装置と、
がネットワークに結合されていることを特徴とするアドレス帳データ処理システム。
【請求項5】
該サーバはクラウドサーバであることを特徴とする請求項4に記載のアドレス帳データ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−133621(P2012−133621A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285733(P2010−285733)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】