アドレス情報管理システム、装置及びプログラム
【課題】IPアドレスの割り振り状況を視覚的に判別しやすくし、IPアドレスのプレフィックス単位での登録、更新、削除等を簡単な操作でユーザが行うようにする。
【解決手段】本発明のアドレス情報管理システムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスのプレフィックス単位での割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明のアドレス情報管理システムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスのプレフィックス単位での割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アドレス情報管理システム、装置及びプログラムに関し、例えば、IPアドレスの割り振り状況の表示や登録等の管理を行うアドレス情報管理システム、装置及びプログラムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、国、企業等の組織は、複数のサブネットワークからなるIPネットワークを構築する。IPネットワーク上に存在する通信端末、サーバ、通信機器等には、IPアドレスが割り振られているが、通信端末等の増大に伴い、IPアドレスの管理が煩雑となる。
【0003】
このような問題を解決する技術として特許文献1に開示される技術がある。特許文献1の記載技術は、各サブネットワークで使用されるIPアドレス及びそれに関連する情報が保存されたマスターテーブルを有し、IPアドレスの利用状況を検索することができる。IPアドレスの利用状況の検索は、検索指定された条件のセグメントに割り当てられているIPアドレスの一覧を表示するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の記載技術は、ネットワーク全体の各サブネットワークのIPアドレスのセグメント及びそれに関連する情報を保存したマスターテーブルを有するので、IPアドレスのセグメントの払い出しは可能であるが、空いているセグメントがどこなのかをユーザが把握することは困難であるという問題も生じ得る。
【0006】
また、IPアドレスの有効利用のため、不要セグメントの削除、セグメントの移動、セグメントの縮小などの作業が必要であるが、特許文献1に記載の技術は、セグメントのリストを表示するのみであるので、そのような用途において効率が悪いという問題も生じ得る。
【0007】
そのため、IPアドレスの割り振り状況を視覚的に判別しやすくし、IPアドレスのプレフィックス単位での登録、更新、削除等を簡単な操作でユーザが行うことができるアドレス情報管理システム、装置及びプログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、第1の本発明のアドレス情報管理システムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明のアドレス情報管理装置は、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置において、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第3の本発明のアドレス情報管理プログラムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置のアドレス情報管理プログラムにおいて、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段を備え、コンピュータを、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、IPアドレスの割り振り状況を視覚的に判別しやすくし、IPアドレスのプレフィックス単位での登録、更新、削除等を簡単な操作でユーザが行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態のブラウザ端末に表示されるマトリックス表示画面の全体画面例を示す図である。
【図2】第1の実施形態のマトリックスに表示されるIPアドレスのプレフィックスの関係を説明する説明図である。
【図3】第1の実施形態のIPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を説明する説明図である。
【図4】第1の実施形態のIPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態のマトリックス上でIPアドレス(プレフィックス)を割り振る場合を説明する説明図である。
【図6】第1の実施形態の詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する説明図であ
【図7】第1の実施形態の詳細情報の表示処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の領域削除処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の領域移動の処理を説明する説明図である。
【図10】第1の実施形態の領域移動の処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態のアドレス情報管理システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
本発明のアドレス情報管理システム、装置及びプログラムの第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
第1の実施形態では、IPv4のIPアドレスをセグメント単位で払い出す場合の実施形態を例示して説明する。しかし、IPアドレスはIPv4に限定されるものではなく、IPv6の場合にも本発明を適用することができる。
【0015】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図11は、第1の実施形態のアドレス情報管理システムの構成を示す構成図である。図11において、第1の実施形態のアドレス情報管理システムは、サーバ1、ブラウザ端末2を少なくとも有して構成される。
【0016】
ブラウザ端末2は、通信機能、ブラウザ機能を有する端末である。ブラウザ端末2は、サーバ1に対してIPアドレスの割り振り状況を表示する表示画面を要求し、サーバ1から受信した画面情報に基づく表示画面を表示部(図示しない)に表示するものである。また、ブラウザ端末2は、図示しない操作部(例えばマウス、キーボード等)を有しており、利用者の操作指示をサーバ1に与えるものである。ブラウザ端末2に表示される画面は、後述するようにマトリックス表示画面である。
【0017】
なお、図11では、1台のブラウザ端末2のみを示しているが、複数台のブラウザ端末2を有するものとしてもよい。
【0018】
利用者は、表示部に表示されるマトリックス表示画面を見て、現在利用されているIPアドレス空間や、またどのIPアドレス空間が現在利用されていないかを視覚的に判断したりすることができる。また、利用者は、操作部を用いてマトリックスの升目(マス目)又は行の指定等を行うことで、セグメントに割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での登録、変更、削除等を行うことができる。
【0019】
サーバ1は、IPネットワーク上に存在する通信装置のIPアドレスを管理するアドレス情報管理装置である。サーバ1は、ブラウザ端末2と接続しており、ブラウザ端末2に対してIPアドレスの管理情報を示す画面情報を与える。また、サーバ1は、ブラウザ端末2から受信した指示に応じて、セグメント単位でIPアドレスの払い出しを行い、セグメント毎に割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での管理を行うものである。
【0020】
なお、サーバ1は、例えば複数の拠点に構築されるサブネットワークからなるIPネットワーク上に存在しており、当該IPネットワーク上の通信装置と通信可能である。
【0021】
(A−1−2)表示画面の説明
次に、ブラウザ端末2の表示部に表示される表示画面について図面を参照しながら説明する。図1は、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス表示画面の全体画面例を示す図である。
【0022】
図1において、マトリックス表示画面は、行1−1、マトリックス1−2、表示領域移動ボタン1−3及び1−4、拡大表示変更ボタン1−5、縮小表示変更ボタン1−6を少なくとも有して構成される。
【0023】
行1−1は、マトリックス1−2の行であり、マトリックス1−2で表示されている1行のIPアドレス及びプレフィックスを示す。
【0024】
マトリックス1−2は、IPアドレス空間をマトリックス形式で示したものである。また、図1に例示するマトリックス1−2には、行1−1に表示されているIPアドレス空間のセグメントの割付状況が表示されている。
【0025】
例えば、図1に例示するマトリックス1−2は、「172.19.0.0」〜「172.19.31.255」までのIPアドレス空間を、32×32行列の升目(マス目)で表現している。行1−1は、例えば、「172.19.0.0/24」、「172.19.1.0/24」、…、「172.19.3.0/24」のように、各行のIPアドレス空間を示している。プレフィックスは「/24」であり、「/24」で区切った空間を1行の空間としている。例えば、第1行目は、「/24」で区切った、「172.19.0.0」〜「172.19.0.255」のIPアドレス空間を示す。
【0026】
なお、図1では、32×32行列で表現したマトリックス1−2を例示しているが、これに限定されるものではない。また行と列とが同数であってもよいし、同数でなくてもよいが、行あるいは列は2N個(Nは自然数)である必要がある。
【0027】
また、マトリックス1−2は、利用されているIPアドレスのセグメントと、空いているIPアドレスのセグメントとを一目で識別できるように色分けされている。例えば、図1の場合、空いているIPアドレスのセグメントを白色で示し、利用されているIPアドレスのセグメントを黒色(斜線)で示している。
【0028】
表示領域移動ボタン1−3及び1−4は、表示されているIPアドレス空間の表示領域を移動させるためのボタンである。表示領域移動ボタン1−3は、表示されているIPアドレス空間の小さい領域を表示するためのボタンであり、表示領域移動ボタン1−4は、IPアドレス空間の大きい領域を表示するためのボタンである。この表示領域指定1−3及び1−4の押下により、IPアドレスの割り振り領域を表示している領域の移動が可能となる。
【0029】
拡大表示変更ボタン1−5は、表示されているIPアドレス空間の拡大を行うためのボタンである。拡大表示変更ボタン1−5を押下すると、1行のプレフィックスの値を大きくすることができる。例えば、1行が「/24」の空間を表示している場合に、拡大表示変更ボタン1−5を押下すると、1行が「/25」の空間になる。
【0030】
縮小表示変更ボタン1−6は、表示されているIPアドレス空間の縮小を行うためのボタンである。縮小表示変更ボタン1−6を押下すると、1行のプレフィックスの値を小さくすることができる。例えば、1行が「/24」の空間を表示している場合に、縮小表示変更ボタン1−6を押下すると、1行が「/23」の空間となる。
【0031】
(A−1−3)サーバ1の内部構成
次に、図11を参照しながら、サーバ1の内部構成について説明する。
【0032】
図11に示すように、サーバ1は、制御部11、通信部14、データベース12を少なくとも有する。
【0033】
通信部11は、ブラウザ端末2との間で情報を送受信する処理部又は装置である。
【0034】
データベース12は、データベース用のアプリケーションプログラムを用いて構築され、IPアドレスの登録等の管理情報や、マトリックス表示画面に関する情報、ブラウザ端末2からの指示に対して処理を実行するプログラムなどを保存するものである。
【0035】
例えば、データベース12は、セグメント毎のIPアドレスの割り振り情報を保存するものである。データベース12は、マトリックス1−2上で割り振ったIPアドレスをセグメント毎に保存しており、IPアドレスの利用状況を保存することができる。また、データベース12は、マトリックス1−2のプレフィックスの値、マトリックス1−2上でIPアドレスを割り振ったセグメントンの名称や識別情報等も保存する。
【0036】
制御部11は、マトリックス上でプレフィックス単位に割り振ったIPアドレスの割り振り状況の表示や登録、削除、移動等の管理を行うサーバ1の機能を司るものである。
【0037】
制御部11の主な機能としては、IP/プレフィックス計算部13、IP重複判定部138、追加部134、詳細表示部135、削除部136、移動部137を少なくとも有する。さらに、IP/プレフィックス計算部13は、表示領域移動部131、拡大表示変更部132、縮小表示変更部133を少なくとも有する。
【0038】
IP/プレフィックス計算部13は、ブラウザ端末2に画面情報を与え、ブラウザ端末2からの操作指示を受け取ると、その操作指示に応じた処理を行うものである。
【0039】
表示領域移動部131は、表示領域移動ボタン1−3、1−4が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示させるIPアドレス空間の領域を移動するものである。表示領域移動部131は、表示領域移動ボタン1−3が押下されると、IPアドレス空間の小さい領域を表示するように移動し、表示領域移動ボタン1−4が押下されると、IPアドレス空間の大きい領域を表示するように移動する。
【0040】
拡大表示変更部132は、拡大表示変更ボタン1−5が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス1−2のプレフィックスの値を大きくするものである。
【0041】
縮小表示変更部133は、縮小表示変更ボタン1−6が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス1−2のプレフィックスの値を小さくするものである。
【0042】
追加部134は、セグメント単位のIPアドレス空間を登録するものである。追加部134は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について追加する旨を受け取り、この領域をセグメントに割り振るIPアドレス領域として登録する。
【0043】
詳細表示部135は、マトリックス1−2上の指定領域の詳細情報をブラウザ端末2に与えて表示するものである。
【0044】
削除部136は、セグメント単位のIPアドレス空間を削除するものである。削除部136は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について削除する旨を受け取り、この領域のIPアドレスのセグメントの登録を削除するものである。なお、削除部136は、マトリックス1−2上の指定されたセグメントのIPアドレス領域の全部を削除するようにしてもよいし、一部を削除するようにしてもよい。
【0045】
移動部137は、IPアドレスのセグメントの領域を別の領域に移動するものである。移動部137は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について移動する旨と移動先領域の指定を受けると、その移動先領域に選択された領域を移動させるものである。
【0046】
IP重複判定部138は、マトリックス上1−2でIPアドレスを割り振る際、データベース12に保存されているIPアドレスの利用状況を参照し、ブラウザ端末2から今回の割り振りに指定されたIPアドレス領域について重複がないか否かを判定するものである。また、重複してIPアドレスの割り振った場合、IP重複判定部138は、ブラウザ端末2に対して、正しく割り振りができてない旨を示すダイアログ等の表示させるものである。
【0047】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のアドレス情報管理処理の動作について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図2は、マトリックス1−2に表示されるIPアドレスのプレフィックスの関係を説明する説明図である。
【0049】
図2において、マトリックス1−2は、プレフィックスが「/24」の場合を表現している。従って、1行が「/24」のIPアドレス空間である。1行のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると図2のようになる。
【0050】
すなわち、図2において、1升は「/29」のIPアドレス空間を表現している。「/29」が横に2つ集まると、「/28」の大きさとなる。さらに、「/28」が横に2つ集まると「/27」となる。同様に考え、「/27」を2つ集めて「/26」、「/26」を2つ集めて「/25」、「/25」を2つ集めて「/24」となる。
【0051】
また、32×32行列の場合、1行は「/24」のIPアドレス空間を示すので、2行分の空間は「/23」のIPアドレス空間を示している。同様に、2行分の「/23」の空間が2つ集まると、「/22」のIPアドレス空間を示す。
【0052】
(A−2−1)IPアドレス空間の表示変更
拡大表示変更ボタン1−5及び縮小表示変更ボタン1−6により、マトリックス1−2の1升で表現するIPアドレス空間を変更することができる。
【0053】
以下では、図2を参照して、マトリックス1−2の1升で表現するIPアドレス空間の変更を行う処理を説明する。
【0054】
IPアドレスのプレフィックスの値を大きくする場合、利用者は拡大表現変更ボタン1−5を押下する。
【0055】
ブラウザ端末2からの拡大表示変更ボタン1−5の信号がサーバ1に与えられる。サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の拡大表示変更部132が、表示されているIPアドレス空間のプレフィックスの値を変更し、その変更したサイズの表示画面をブラウザ端末2に与える。
【0056】
例えば、図2の例では、プレフィックスが「/24」の場合を示す。拡大表現変更ボタン1−5を押下することで、プレフィックスが「/25」となる。これにより、1行が「/25」のIPアドレス空間となる。
【0057】
1行「/25」のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると、1升が「/30」のIPアドレス空間を表現することになり、2升が「/29」、4升が「/28」、…、32升が「/25」のIPアドレス空間を表現するものとなる。なお、プレフィックスの値が大きくなることは、1升で表現できるホスト数が減少することになるので、詳細な表示が可能となる。
【0058】
例えば、IPv4の場合に、32×32のマトリックス1−2全体で、「/19」を表現していたが、拡大表現変更ボタン1−5の1回の押下で、「/20」を表現することになる。すなわち、マトリックス1−2全体のホスト数は「8192」台から「4096」台を見せるように変更することができる。
【0059】
一方、IPアドレスのプレフィックスの値を小さくする場合、利用者は縮小表現変更ボタン1−6を押下する。
【0060】
この場合も、ブラウザ端末2からの縮小表示変更ボタン1−6の信号がサーバ1に与えられる。サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の縮小表示変更部133が、表示されているIPアドレス空間のプレフィックスの値を変更し、その変更したサイズの表示画面をブラウザ端末2に与える。
【0061】
例えば、図2の例では、プレフィックスが「/24」の場合、縮小表現変更ボタン1−6を押下することで、プレフィックスが「/23」となる。これにより、1行が「/23」のIPアドレス空間となる。
【0062】
1行「/23」のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると、1升が「/28」のIPアドレス空間を表現することになり、2升が「/27」、4升が「/26」、…、32升が「/23」のIPアドレス空間を表現するものとなる。なお、プレフィックスの値が小さくなることは、1升で表現できるホスト数が増大することになるので、広範囲の表示が可能となる。
【0063】
例えば、IPv4の場合に、32×32のマトリックス1−2全体で、「/19」を表現していたが、縮小表現変更ボタン1−6の1回の押下で、「/18」を表現することになる。すなわち、マトリックス1−2全体のホスト数は「8192」台から「16384」台を見せるように変更することができる。
【0064】
なお、拡大表示変更は、IPv4の場合には1升が「/31」、IPv6の場合には「/127」となるまで変更することができる。また、縮小表示変更は、IPv4、IPv6共に、マトリックス1−2の全体が「/1」となるまで変更することができる。この場合、マトリックス1−2上にはIPアドレスで表現できる空間がすべて表示されている状態である。
【0065】
(A−2−2)IPアドレスの登録処理
次に、新規にIPアドレスを割り振る場合の処理を、図3を参照しながら説明する。図3は、IPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を説明する説明図である。図4は、IPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を示すフローチャートである。
【0066】
図3において、利用者は、ブラウザ端末2に表示されたマトリックス1−2上で、割り振りたい領域3−1を選択して(S101)、セグメントに割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での登録を行う。
【0067】
ここで、割り振り領域の選択は、例えば、ブラウザ端末2の操作部(例えばマウスやキーボード等)でマトリックス1−2の領域で割り振りたい領域3−1を選択する。例えば、マウスで操作する場合、割り振りたい領域3−1の先頭の升から最終升まで左クリックを押下しながら選択する方法を適用することができる。
【0068】
また、新規登録の際には、ブラウザ端末2の表示画面に表示される追加ボタンを選択することで、選択した領域についての登録を行うことができる(S102)。
【0069】
例えば、マウスで操作する場合、マウスを右クリックすることで、「追加」メニュー3−1が表示されるようにし、この「追加」メニューを選択する方法を適用することができる。
【0070】
ブラウザ端末2は、利用者により選択された「追加」の旨及び選択された領域3−1をサーバ1に与え、サーバ1は、その追加領域情報を取得する(S103)。なお、「追加」ボタンの選択の際に、IPアドレスをプレフィックス単位で割り振るセグメントに関する情報の入力を行うようにしてもよく、そのとき、ブラウザ端末2は入力されたセグメントに関する情報もサーバ1に与える。
【0071】
サーバ1では、IP/プレフィクス計算部13の追加部134が、ブラウザ端末2から受け取った選択領域3−1のIPアドレスをプレフィックス単位でセグメントに割り振り、データベース12に保存する。
【0072】
ここで、追加部134が、追加できるIPアドレスは、1つのプレフィックスであることが必要であり、複数のプレフィックスに跨って割り振ることは許されない。つまり、プレフィックス単位でIPアドレスを割り振ることが必要である。
【0073】
そのため、IPアドレスをプレフィックス単位で割り振る場合には、割り振りたい領域(例えばマウス選択した領域)が正しいプレフィックスか否かを判別する必要がある。
【0074】
そこで、新規にIPアドレスをプレフィックス単位で割り振る際には、IP重複判定部138が、正しく領域指定されているか否かを判断する(S104)。
【0075】
ここで、IP重複判定部138による判定方法は、IPアドレス領域の割り振りがプレフィックス単位で行う必要があるので、正しく選択できているかを判断することができれば、種々の方法を適用することができる。
【0076】
第1の実施形態では、IP重複判定部138が、選択されたプレフィックスが次の2つの条件を満たす場合に正しいと判断し、そうでない場合に正しくないと判断する場合を例示する。
【0077】
(条件1)1行未満で、2Nマスのプレフィックスの場合、開始位置が下記の計算式を満たすこと(N、Mは自然数)
開始位置=2Nマス×M
(条件2)1行以上の場合、2N行すべてが選択されていること(Nは自然数)。さらに、下記の計算式を満たすこと
(開始位置のIPアドレスXOR((X>>P)<<P)==0)
X:IPv4の場合は、0xFFFF
IPv6の場合は、0xFFFFFFFFFFFFFFFF
P:IPv4の場合は、(32−プレフィックス)
IPv6の場合は、(128−プレフィックス)。
【0078】
なお、IP重複判定部138は、上記2つの条件に加えて、「マウスで塗っている領域に白以外の升が含まれていない」という条件も必要である。つまり、これは既に割り振られていないという条件である。
【0079】
図5は、マトリックス1−2上でIPアドレス(プレフィックス)を割り振る場合を示している。図5において、4−1〜4−5は正しいプレフィックスの選択を示しており、4−6〜4−9までは誤ったプレフィックスの選択を示している。
【0080】
例えば、図5において4−1は、第2升目から1升の領域を選択しており、プレフィックス単位で領域を選択するという条件を満たしている。また、4−2〜4−4の場合も、選択した領域をプレフィックス毎に選択しているので条件を満たしている。
【0081】
一方、4−6は、2升の領域を選択しているが、開始位置が第2升目であるから、プレフィックス単位で領域を選択しておらず整合が取れていない。従って、4−6の領域選択について、IP重複判定部138は正しくIPアドレス領域が選択されていないと判断する。
【0082】
IP重複判定部138により正しくプレフィックスが選択されていると判断されると、追加部134は、選択された領域をセグメントに割り振り、データベース12に保存する(S105)。
【0083】
一方、IP重複判定部138により正しくないと判断されると、正しくない旨のダイアログをブラウザ端末2に与え(S106)、ブラウザ端末2はそのダイアログを表示し(S107)、注意を喚起する。
【0084】
(A−2−3)詳細表示、削除及び移動
次に、マトリックス1−2上で選択された領域の詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する。
【0085】
図6は、詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する説明図である。図7は、詳細情報の表示処理を示すフローチャートである。図8は、領域削除処理を示すフローチャートである。
【0086】
上記のようにして、マトリックス1−2上でIPアドレスのプレフィックス単位で登録が行われると、追加部134は、プレフィックス単位で割り振られたIPアドレス領域を例えば黒く表示(斜線表示)し、割り振られていない領域を例えば白く表示するというように色分けする。これにより、利用者は、割り振られている領域か否かの判定が可能となる。
【0087】
また、利用者は、操作部(例えばマウス等)でマトリックス1−2の領域を選択等をすることができる。例えば、マトリックス1−2上の領域の選択は、選択領域の先頭升から最終升まで左クリックを押下しながら選択する。このとき、マウスにより選択された領域が塗られた状態となる。
【0088】
図7において、利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域5−1を選択し(S201)、「詳細」ボタン5−2を選択する(S202)。ブラウザ端末2は、選択された情報をサーバ1に与える。
【0089】
また、「詳細」ボタンの選択方法は、特に限定されず種々の方法を広く適用することができるが、例えば、マウスの右クリックにより「詳細」メニューが表示され、利用者が「詳細」メニューを選択する方法を適用できる。
【0090】
なお、ここでは、上述したマウスにより選択された領域が塗られていない状態で、既にIPアドレスがプレフィックス単位で割り振られている領域の選択がされて、右クリックされた場合を例示する。
【0091】
サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の詳細表示部135は、選択された領域の詳細情報をデータベース12から読み出し(S203)、その読み出した詳細情報をブラウザ端末2に送信する(S204)。これにより、ブラウザ端末2は、当該領域の詳細情報を表示することができる。ここで、詳細情報としては、選択された領域のIPアドレスやプレフィックス等の情報が適用できる。
【0092】
また、図8において、利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域5−1を選択し(S301)、「削除」ボタン5−2を選択する(S302)。ブラウザ端末2は、選択された情報をサーバ1に与える。
【0093】
例えば「削除」ボタンの選択方法は、「詳細」ボタンの場合と同様に、種々の方法を広く適用することができる。ここでは、マウスにより領域が塗られていない状態で、既に割り振られた領域を選択し、右クリックにより「削除」メニューを表示し、利用者が「削除」メニューを選択する方法を適用する。
【0094】
サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の削除部136は、データベース12を参照し、選択領域のIPアドレスがプレフィックス単位で割り振られているセグメントを解除する(S303)。
【0095】
次に、既に割り振られているIPアドレスの領域の移動処理を図9及び図10を参照して説明する。
【0096】
図9は、領域移動の処理を説明する説明図である。図10は、領域移動の処理を示すフローチャートである。
【0097】
利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域6−1を選択し(S401)、「移動」ボタン6−2を選択し(S402)、選択した領域の移動先である移動先領域6−3の選択を行う(S403)。
【0098】
ここで、「移動」ボタンの選択方法も、種々の方法を広く適用することができる。第1の実施形態では、マウスにより選択された領域が塗られている状態で、既にIPアドレスが割り振られている領域の選択がされている場合に、右クリックされると、図9に例示するように、「移動」メニューが表示される。利用者は、この「移動」メニューを選択するものとする。
【0099】
サーバ1は、ブラウザ端末2から領域移動に係る移動領域情報を取得すると(S404)、IP/プレフィックス計算部13の移動部137は、選択された既に割り振られている領域を移動先領域に移動する。
【0100】
このとき、IPアドレスの割り振りはプレフィックス単位で行うため、移動先領域が、正しいプレフィックスであるか否かの判定が必要となる。
【0101】
そこで、IP重複判定部138が、移動先領域について正しいプレフィックスであるか否かの判定を行う(S405)。なお、IP重複判定部138による判定方法は、新規登録(追加)処理の場合と同様の方法を適用することができる。
【0102】
そして、IP重複判定部138により正しくプレフィックスが選択されていると判断されると、移動部137は、選択された既に割り振られている領域を移動先領域に割り振り、データベース12に保存する(S406)。
【0103】
一方、IP重複判定部138により正しくないと判断されると、正しくない旨のダイアログをブラウザ端末2に与え(S407)、ブラウザ端末2はそのダイアログを表示し(S408)、注意を喚起する。
【0104】
このとき、移動部137は、図9において既に割り振られている領域6−1の升の数と、移動先領域6−3の升の数とを比較し、移動先領域6−3の方が小さい場合、割り振られているIPアドレスの数が減ることを意味する。その場合、移動部137は、警告ダイアログを表示することによりユーザ注意を喚起することも可能である。
【0105】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、マトリックスの表現を利用することにより、以下の効果を奏し、ユーザの利便性の向上が期待できる。
【0106】
(1)プレフィックス単位で割り振られた状況をマトリックス上の色分けで表現することにより、容易に空いている空間を把握することができる。
【0107】
(2)表示領域移動ボタン1−3、1−4により、マトリックス上に表示されているIPアドレス空間を変更することができるため、容易に状況を把握することができる。
【0108】
(3)拡大表示変更ボタン1−5、縮小表示変更ボタン1−6により、マトリックス上に表示されているプレフィックスの範囲を変更することができ、容易に詳細に把握することも全体を把握することもできる。
【0109】
(4)マトリックス上を操作部(例えばマウス)で割り振る領域を選択することで、容易にプレフィックス単位で割り振ることができる。
【0110】
(5)マトリックス上で既に割り振られている領域を右クリックすることで表示されるメニューにより、容易に詳細確認と削除を行うことができる。
【0111】
(6)マトリックス上で空いている領域を選択し、既に割り振られている領域を右クリックすることで表示されるメニューにより、容易に移動を行うことができる。
【0112】
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態では、表示画面がマトリックス表示である場合を例示したが、プレフィックス単位でIPアドレスの割り振りができれば、マトリックス表示でなくてもよい。
【0113】
上述した第1の実施形態において、サーバ1は、いわゆるソフトウェア処理により各種処理を実現するものである。例えば、サーバ1は、通常のサーバと同様に、CPU、ROM、RAM、EEPROM等をハードウェア構成とし、CPUが、ROMに格納される処理プログラムを読み出し、必要なデータを用いて処理プログラムを実行することで、上述した各種処理を実現することができる。
【0114】
上述した第1の実施形態では、サーバが物理的に1台の装置であるとして説明したが、第1の実施形態で説明したサーバの各種機能を実現することができれば、1台の装置である必要ななく、ネットワーク上に各種機能を実行する複数の装置が分散配置されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…サーバ、11…制御部、12…データベース、13…IP/プレフィックス計算部、131…表示領域移動部、132…拡大表示変更部、133…縮小表示変更部、134…追加部、135…詳細表示部、136…削除部、137…移動部、138…IP重複判定部、1−1…行、1−2…マトリックス、1−3及び1−4…表示領域移動ボタン、1−5…拡大表示変更ボタン、1−6…縮小表示変更ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アドレス情報管理システム、装置及びプログラムに関し、例えば、IPアドレスの割り振り状況の表示や登録等の管理を行うアドレス情報管理システム、装置及びプログラムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、国、企業等の組織は、複数のサブネットワークからなるIPネットワークを構築する。IPネットワーク上に存在する通信端末、サーバ、通信機器等には、IPアドレスが割り振られているが、通信端末等の増大に伴い、IPアドレスの管理が煩雑となる。
【0003】
このような問題を解決する技術として特許文献1に開示される技術がある。特許文献1の記載技術は、各サブネットワークで使用されるIPアドレス及びそれに関連する情報が保存されたマスターテーブルを有し、IPアドレスの利用状況を検索することができる。IPアドレスの利用状況の検索は、検索指定された条件のセグメントに割り当てられているIPアドレスの一覧を表示するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の記載技術は、ネットワーク全体の各サブネットワークのIPアドレスのセグメント及びそれに関連する情報を保存したマスターテーブルを有するので、IPアドレスのセグメントの払い出しは可能であるが、空いているセグメントがどこなのかをユーザが把握することは困難であるという問題も生じ得る。
【0006】
また、IPアドレスの有効利用のため、不要セグメントの削除、セグメントの移動、セグメントの縮小などの作業が必要であるが、特許文献1に記載の技術は、セグメントのリストを表示するのみであるので、そのような用途において効率が悪いという問題も生じ得る。
【0007】
そのため、IPアドレスの割り振り状況を視覚的に判別しやすくし、IPアドレスのプレフィックス単位での登録、更新、削除等を簡単な操作でユーザが行うことができるアドレス情報管理システム、装置及びプログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、第1の本発明のアドレス情報管理システムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明のアドレス情報管理装置は、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置において、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段と、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第3の本発明のアドレス情報管理プログラムは、ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置のアドレス情報管理プログラムにおいて、(1)IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段を備え、コンピュータを、(2)画面を端末に与えて表示させる画面表示手段、(3)端末から、マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後のIPアドレス空間を表現した画面に関する情報を記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、IPアドレスの割り振り状況を視覚的に判別しやすくし、IPアドレスのプレフィックス単位での登録、更新、削除等を簡単な操作でユーザが行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態のブラウザ端末に表示されるマトリックス表示画面の全体画面例を示す図である。
【図2】第1の実施形態のマトリックスに表示されるIPアドレスのプレフィックスの関係を説明する説明図である。
【図3】第1の実施形態のIPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を説明する説明図である。
【図4】第1の実施形態のIPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態のマトリックス上でIPアドレス(プレフィックス)を割り振る場合を説明する説明図である。
【図6】第1の実施形態の詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する説明図であ
【図7】第1の実施形態の詳細情報の表示処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の領域削除処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の領域移動の処理を説明する説明図である。
【図10】第1の実施形態の領域移動の処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態のアドレス情報管理システムの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
本発明のアドレス情報管理システム、装置及びプログラムの第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
第1の実施形態では、IPv4のIPアドレスをセグメント単位で払い出す場合の実施形態を例示して説明する。しかし、IPアドレスはIPv4に限定されるものではなく、IPv6の場合にも本発明を適用することができる。
【0015】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図11は、第1の実施形態のアドレス情報管理システムの構成を示す構成図である。図11において、第1の実施形態のアドレス情報管理システムは、サーバ1、ブラウザ端末2を少なくとも有して構成される。
【0016】
ブラウザ端末2は、通信機能、ブラウザ機能を有する端末である。ブラウザ端末2は、サーバ1に対してIPアドレスの割り振り状況を表示する表示画面を要求し、サーバ1から受信した画面情報に基づく表示画面を表示部(図示しない)に表示するものである。また、ブラウザ端末2は、図示しない操作部(例えばマウス、キーボード等)を有しており、利用者の操作指示をサーバ1に与えるものである。ブラウザ端末2に表示される画面は、後述するようにマトリックス表示画面である。
【0017】
なお、図11では、1台のブラウザ端末2のみを示しているが、複数台のブラウザ端末2を有するものとしてもよい。
【0018】
利用者は、表示部に表示されるマトリックス表示画面を見て、現在利用されているIPアドレス空間や、またどのIPアドレス空間が現在利用されていないかを視覚的に判断したりすることができる。また、利用者は、操作部を用いてマトリックスの升目(マス目)又は行の指定等を行うことで、セグメントに割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での登録、変更、削除等を行うことができる。
【0019】
サーバ1は、IPネットワーク上に存在する通信装置のIPアドレスを管理するアドレス情報管理装置である。サーバ1は、ブラウザ端末2と接続しており、ブラウザ端末2に対してIPアドレスの管理情報を示す画面情報を与える。また、サーバ1は、ブラウザ端末2から受信した指示に応じて、セグメント単位でIPアドレスの払い出しを行い、セグメント毎に割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での管理を行うものである。
【0020】
なお、サーバ1は、例えば複数の拠点に構築されるサブネットワークからなるIPネットワーク上に存在しており、当該IPネットワーク上の通信装置と通信可能である。
【0021】
(A−1−2)表示画面の説明
次に、ブラウザ端末2の表示部に表示される表示画面について図面を参照しながら説明する。図1は、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス表示画面の全体画面例を示す図である。
【0022】
図1において、マトリックス表示画面は、行1−1、マトリックス1−2、表示領域移動ボタン1−3及び1−4、拡大表示変更ボタン1−5、縮小表示変更ボタン1−6を少なくとも有して構成される。
【0023】
行1−1は、マトリックス1−2の行であり、マトリックス1−2で表示されている1行のIPアドレス及びプレフィックスを示す。
【0024】
マトリックス1−2は、IPアドレス空間をマトリックス形式で示したものである。また、図1に例示するマトリックス1−2には、行1−1に表示されているIPアドレス空間のセグメントの割付状況が表示されている。
【0025】
例えば、図1に例示するマトリックス1−2は、「172.19.0.0」〜「172.19.31.255」までのIPアドレス空間を、32×32行列の升目(マス目)で表現している。行1−1は、例えば、「172.19.0.0/24」、「172.19.1.0/24」、…、「172.19.3.0/24」のように、各行のIPアドレス空間を示している。プレフィックスは「/24」であり、「/24」で区切った空間を1行の空間としている。例えば、第1行目は、「/24」で区切った、「172.19.0.0」〜「172.19.0.255」のIPアドレス空間を示す。
【0026】
なお、図1では、32×32行列で表現したマトリックス1−2を例示しているが、これに限定されるものではない。また行と列とが同数であってもよいし、同数でなくてもよいが、行あるいは列は2N個(Nは自然数)である必要がある。
【0027】
また、マトリックス1−2は、利用されているIPアドレスのセグメントと、空いているIPアドレスのセグメントとを一目で識別できるように色分けされている。例えば、図1の場合、空いているIPアドレスのセグメントを白色で示し、利用されているIPアドレスのセグメントを黒色(斜線)で示している。
【0028】
表示領域移動ボタン1−3及び1−4は、表示されているIPアドレス空間の表示領域を移動させるためのボタンである。表示領域移動ボタン1−3は、表示されているIPアドレス空間の小さい領域を表示するためのボタンであり、表示領域移動ボタン1−4は、IPアドレス空間の大きい領域を表示するためのボタンである。この表示領域指定1−3及び1−4の押下により、IPアドレスの割り振り領域を表示している領域の移動が可能となる。
【0029】
拡大表示変更ボタン1−5は、表示されているIPアドレス空間の拡大を行うためのボタンである。拡大表示変更ボタン1−5を押下すると、1行のプレフィックスの値を大きくすることができる。例えば、1行が「/24」の空間を表示している場合に、拡大表示変更ボタン1−5を押下すると、1行が「/25」の空間になる。
【0030】
縮小表示変更ボタン1−6は、表示されているIPアドレス空間の縮小を行うためのボタンである。縮小表示変更ボタン1−6を押下すると、1行のプレフィックスの値を小さくすることができる。例えば、1行が「/24」の空間を表示している場合に、縮小表示変更ボタン1−6を押下すると、1行が「/23」の空間となる。
【0031】
(A−1−3)サーバ1の内部構成
次に、図11を参照しながら、サーバ1の内部構成について説明する。
【0032】
図11に示すように、サーバ1は、制御部11、通信部14、データベース12を少なくとも有する。
【0033】
通信部11は、ブラウザ端末2との間で情報を送受信する処理部又は装置である。
【0034】
データベース12は、データベース用のアプリケーションプログラムを用いて構築され、IPアドレスの登録等の管理情報や、マトリックス表示画面に関する情報、ブラウザ端末2からの指示に対して処理を実行するプログラムなどを保存するものである。
【0035】
例えば、データベース12は、セグメント毎のIPアドレスの割り振り情報を保存するものである。データベース12は、マトリックス1−2上で割り振ったIPアドレスをセグメント毎に保存しており、IPアドレスの利用状況を保存することができる。また、データベース12は、マトリックス1−2のプレフィックスの値、マトリックス1−2上でIPアドレスを割り振ったセグメントンの名称や識別情報等も保存する。
【0036】
制御部11は、マトリックス上でプレフィックス単位に割り振ったIPアドレスの割り振り状況の表示や登録、削除、移動等の管理を行うサーバ1の機能を司るものである。
【0037】
制御部11の主な機能としては、IP/プレフィックス計算部13、IP重複判定部138、追加部134、詳細表示部135、削除部136、移動部137を少なくとも有する。さらに、IP/プレフィックス計算部13は、表示領域移動部131、拡大表示変更部132、縮小表示変更部133を少なくとも有する。
【0038】
IP/プレフィックス計算部13は、ブラウザ端末2に画面情報を与え、ブラウザ端末2からの操作指示を受け取ると、その操作指示に応じた処理を行うものである。
【0039】
表示領域移動部131は、表示領域移動ボタン1−3、1−4が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示させるIPアドレス空間の領域を移動するものである。表示領域移動部131は、表示領域移動ボタン1−3が押下されると、IPアドレス空間の小さい領域を表示するように移動し、表示領域移動ボタン1−4が押下されると、IPアドレス空間の大きい領域を表示するように移動する。
【0040】
拡大表示変更部132は、拡大表示変更ボタン1−5が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス1−2のプレフィックスの値を大きくするものである。
【0041】
縮小表示変更部133は、縮小表示変更ボタン1−6が押下され、ブラウザ端末2からボタン押下の信号を受信すると、ブラウザ端末2に表示されるマトリックス1−2のプレフィックスの値を小さくするものである。
【0042】
追加部134は、セグメント単位のIPアドレス空間を登録するものである。追加部134は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について追加する旨を受け取り、この領域をセグメントに割り振るIPアドレス領域として登録する。
【0043】
詳細表示部135は、マトリックス1−2上の指定領域の詳細情報をブラウザ端末2に与えて表示するものである。
【0044】
削除部136は、セグメント単位のIPアドレス空間を削除するものである。削除部136は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について削除する旨を受け取り、この領域のIPアドレスのセグメントの登録を削除するものである。なお、削除部136は、マトリックス1−2上の指定されたセグメントのIPアドレス領域の全部を削除するようにしてもよいし、一部を削除するようにしてもよい。
【0045】
移動部137は、IPアドレスのセグメントの領域を別の領域に移動するものである。移動部137は、ブラウザ端末2からマトリックス1−2上で選択された領域について移動する旨と移動先領域の指定を受けると、その移動先領域に選択された領域を移動させるものである。
【0046】
IP重複判定部138は、マトリックス上1−2でIPアドレスを割り振る際、データベース12に保存されているIPアドレスの利用状況を参照し、ブラウザ端末2から今回の割り振りに指定されたIPアドレス領域について重複がないか否かを判定するものである。また、重複してIPアドレスの割り振った場合、IP重複判定部138は、ブラウザ端末2に対して、正しく割り振りができてない旨を示すダイアログ等の表示させるものである。
【0047】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のアドレス情報管理処理の動作について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図2は、マトリックス1−2に表示されるIPアドレスのプレフィックスの関係を説明する説明図である。
【0049】
図2において、マトリックス1−2は、プレフィックスが「/24」の場合を表現している。従って、1行が「/24」のIPアドレス空間である。1行のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると図2のようになる。
【0050】
すなわち、図2において、1升は「/29」のIPアドレス空間を表現している。「/29」が横に2つ集まると、「/28」の大きさとなる。さらに、「/28」が横に2つ集まると「/27」となる。同様に考え、「/27」を2つ集めて「/26」、「/26」を2つ集めて「/25」、「/25」を2つ集めて「/24」となる。
【0051】
また、32×32行列の場合、1行は「/24」のIPアドレス空間を示すので、2行分の空間は「/23」のIPアドレス空間を示している。同様に、2行分の「/23」の空間が2つ集まると、「/22」のIPアドレス空間を示す。
【0052】
(A−2−1)IPアドレス空間の表示変更
拡大表示変更ボタン1−5及び縮小表示変更ボタン1−6により、マトリックス1−2の1升で表現するIPアドレス空間を変更することができる。
【0053】
以下では、図2を参照して、マトリックス1−2の1升で表現するIPアドレス空間の変更を行う処理を説明する。
【0054】
IPアドレスのプレフィックスの値を大きくする場合、利用者は拡大表現変更ボタン1−5を押下する。
【0055】
ブラウザ端末2からの拡大表示変更ボタン1−5の信号がサーバ1に与えられる。サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の拡大表示変更部132が、表示されているIPアドレス空間のプレフィックスの値を変更し、その変更したサイズの表示画面をブラウザ端末2に与える。
【0056】
例えば、図2の例では、プレフィックスが「/24」の場合を示す。拡大表現変更ボタン1−5を押下することで、プレフィックスが「/25」となる。これにより、1行が「/25」のIPアドレス空間となる。
【0057】
1行「/25」のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると、1升が「/30」のIPアドレス空間を表現することになり、2升が「/29」、4升が「/28」、…、32升が「/25」のIPアドレス空間を表現するものとなる。なお、プレフィックスの値が大きくなることは、1升で表現できるホスト数が減少することになるので、詳細な表示が可能となる。
【0058】
例えば、IPv4の場合に、32×32のマトリックス1−2全体で、「/19」を表現していたが、拡大表現変更ボタン1−5の1回の押下で、「/20」を表現することになる。すなわち、マトリックス1−2全体のホスト数は「8192」台から「4096」台を見せるように変更することができる。
【0059】
一方、IPアドレスのプレフィックスの値を小さくする場合、利用者は縮小表現変更ボタン1−6を押下する。
【0060】
この場合も、ブラウザ端末2からの縮小表示変更ボタン1−6の信号がサーバ1に与えられる。サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の縮小表示変更部133が、表示されているIPアドレス空間のプレフィックスの値を変更し、その変更したサイズの表示画面をブラウザ端末2に与える。
【0061】
例えば、図2の例では、プレフィックスが「/24」の場合、縮小表現変更ボタン1−6を押下することで、プレフィックスが「/23」となる。これにより、1行が「/23」のIPアドレス空間となる。
【0062】
1行「/23」のIPアドレス空間をプレフィックス単位で区切ると、1升が「/28」のIPアドレス空間を表現することになり、2升が「/27」、4升が「/26」、…、32升が「/23」のIPアドレス空間を表現するものとなる。なお、プレフィックスの値が小さくなることは、1升で表現できるホスト数が増大することになるので、広範囲の表示が可能となる。
【0063】
例えば、IPv4の場合に、32×32のマトリックス1−2全体で、「/19」を表現していたが、縮小表現変更ボタン1−6の1回の押下で、「/18」を表現することになる。すなわち、マトリックス1−2全体のホスト数は「8192」台から「16384」台を見せるように変更することができる。
【0064】
なお、拡大表示変更は、IPv4の場合には1升が「/31」、IPv6の場合には「/127」となるまで変更することができる。また、縮小表示変更は、IPv4、IPv6共に、マトリックス1−2の全体が「/1」となるまで変更することができる。この場合、マトリックス1−2上にはIPアドレスで表現できる空間がすべて表示されている状態である。
【0065】
(A−2−2)IPアドレスの登録処理
次に、新規にIPアドレスを割り振る場合の処理を、図3を参照しながら説明する。図3は、IPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を説明する説明図である。図4は、IPアドレスのプレフィックス単位での新規登録処理を示すフローチャートである。
【0066】
図3において、利用者は、ブラウザ端末2に表示されたマトリックス1−2上で、割り振りたい領域3−1を選択して(S101)、セグメントに割り振るIPアドレスのプレフィックス単位での登録を行う。
【0067】
ここで、割り振り領域の選択は、例えば、ブラウザ端末2の操作部(例えばマウスやキーボード等)でマトリックス1−2の領域で割り振りたい領域3−1を選択する。例えば、マウスで操作する場合、割り振りたい領域3−1の先頭の升から最終升まで左クリックを押下しながら選択する方法を適用することができる。
【0068】
また、新規登録の際には、ブラウザ端末2の表示画面に表示される追加ボタンを選択することで、選択した領域についての登録を行うことができる(S102)。
【0069】
例えば、マウスで操作する場合、マウスを右クリックすることで、「追加」メニュー3−1が表示されるようにし、この「追加」メニューを選択する方法を適用することができる。
【0070】
ブラウザ端末2は、利用者により選択された「追加」の旨及び選択された領域3−1をサーバ1に与え、サーバ1は、その追加領域情報を取得する(S103)。なお、「追加」ボタンの選択の際に、IPアドレスをプレフィックス単位で割り振るセグメントに関する情報の入力を行うようにしてもよく、そのとき、ブラウザ端末2は入力されたセグメントに関する情報もサーバ1に与える。
【0071】
サーバ1では、IP/プレフィクス計算部13の追加部134が、ブラウザ端末2から受け取った選択領域3−1のIPアドレスをプレフィックス単位でセグメントに割り振り、データベース12に保存する。
【0072】
ここで、追加部134が、追加できるIPアドレスは、1つのプレフィックスであることが必要であり、複数のプレフィックスに跨って割り振ることは許されない。つまり、プレフィックス単位でIPアドレスを割り振ることが必要である。
【0073】
そのため、IPアドレスをプレフィックス単位で割り振る場合には、割り振りたい領域(例えばマウス選択した領域)が正しいプレフィックスか否かを判別する必要がある。
【0074】
そこで、新規にIPアドレスをプレフィックス単位で割り振る際には、IP重複判定部138が、正しく領域指定されているか否かを判断する(S104)。
【0075】
ここで、IP重複判定部138による判定方法は、IPアドレス領域の割り振りがプレフィックス単位で行う必要があるので、正しく選択できているかを判断することができれば、種々の方法を適用することができる。
【0076】
第1の実施形態では、IP重複判定部138が、選択されたプレフィックスが次の2つの条件を満たす場合に正しいと判断し、そうでない場合に正しくないと判断する場合を例示する。
【0077】
(条件1)1行未満で、2Nマスのプレフィックスの場合、開始位置が下記の計算式を満たすこと(N、Mは自然数)
開始位置=2Nマス×M
(条件2)1行以上の場合、2N行すべてが選択されていること(Nは自然数)。さらに、下記の計算式を満たすこと
(開始位置のIPアドレスXOR((X>>P)<<P)==0)
X:IPv4の場合は、0xFFFF
IPv6の場合は、0xFFFFFFFFFFFFFFFF
P:IPv4の場合は、(32−プレフィックス)
IPv6の場合は、(128−プレフィックス)。
【0078】
なお、IP重複判定部138は、上記2つの条件に加えて、「マウスで塗っている領域に白以外の升が含まれていない」という条件も必要である。つまり、これは既に割り振られていないという条件である。
【0079】
図5は、マトリックス1−2上でIPアドレス(プレフィックス)を割り振る場合を示している。図5において、4−1〜4−5は正しいプレフィックスの選択を示しており、4−6〜4−9までは誤ったプレフィックスの選択を示している。
【0080】
例えば、図5において4−1は、第2升目から1升の領域を選択しており、プレフィックス単位で領域を選択するという条件を満たしている。また、4−2〜4−4の場合も、選択した領域をプレフィックス毎に選択しているので条件を満たしている。
【0081】
一方、4−6は、2升の領域を選択しているが、開始位置が第2升目であるから、プレフィックス単位で領域を選択しておらず整合が取れていない。従って、4−6の領域選択について、IP重複判定部138は正しくIPアドレス領域が選択されていないと判断する。
【0082】
IP重複判定部138により正しくプレフィックスが選択されていると判断されると、追加部134は、選択された領域をセグメントに割り振り、データベース12に保存する(S105)。
【0083】
一方、IP重複判定部138により正しくないと判断されると、正しくない旨のダイアログをブラウザ端末2に与え(S106)、ブラウザ端末2はそのダイアログを表示し(S107)、注意を喚起する。
【0084】
(A−2−3)詳細表示、削除及び移動
次に、マトリックス1−2上で選択された領域の詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する。
【0085】
図6は、詳細情報の表示、領域削除の処理を説明する説明図である。図7は、詳細情報の表示処理を示すフローチャートである。図8は、領域削除処理を示すフローチャートである。
【0086】
上記のようにして、マトリックス1−2上でIPアドレスのプレフィックス単位で登録が行われると、追加部134は、プレフィックス単位で割り振られたIPアドレス領域を例えば黒く表示(斜線表示)し、割り振られていない領域を例えば白く表示するというように色分けする。これにより、利用者は、割り振られている領域か否かの判定が可能となる。
【0087】
また、利用者は、操作部(例えばマウス等)でマトリックス1−2の領域を選択等をすることができる。例えば、マトリックス1−2上の領域の選択は、選択領域の先頭升から最終升まで左クリックを押下しながら選択する。このとき、マウスにより選択された領域が塗られた状態となる。
【0088】
図7において、利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域5−1を選択し(S201)、「詳細」ボタン5−2を選択する(S202)。ブラウザ端末2は、選択された情報をサーバ1に与える。
【0089】
また、「詳細」ボタンの選択方法は、特に限定されず種々の方法を広く適用することができるが、例えば、マウスの右クリックにより「詳細」メニューが表示され、利用者が「詳細」メニューを選択する方法を適用できる。
【0090】
なお、ここでは、上述したマウスにより選択された領域が塗られていない状態で、既にIPアドレスがプレフィックス単位で割り振られている領域の選択がされて、右クリックされた場合を例示する。
【0091】
サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の詳細表示部135は、選択された領域の詳細情報をデータベース12から読み出し(S203)、その読み出した詳細情報をブラウザ端末2に送信する(S204)。これにより、ブラウザ端末2は、当該領域の詳細情報を表示することができる。ここで、詳細情報としては、選択された領域のIPアドレスやプレフィックス等の情報が適用できる。
【0092】
また、図8において、利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域5−1を選択し(S301)、「削除」ボタン5−2を選択する(S302)。ブラウザ端末2は、選択された情報をサーバ1に与える。
【0093】
例えば「削除」ボタンの選択方法は、「詳細」ボタンの場合と同様に、種々の方法を広く適用することができる。ここでは、マウスにより領域が塗られていない状態で、既に割り振られた領域を選択し、右クリックにより「削除」メニューを表示し、利用者が「削除」メニューを選択する方法を適用する。
【0094】
サーバ1では、IP/プレフィックス計算部13の削除部136は、データベース12を参照し、選択領域のIPアドレスがプレフィックス単位で割り振られているセグメントを解除する(S303)。
【0095】
次に、既に割り振られているIPアドレスの領域の移動処理を図9及び図10を参照して説明する。
【0096】
図9は、領域移動の処理を説明する説明図である。図10は、領域移動の処理を示すフローチャートである。
【0097】
利用者は、例えばマウス等の操作部で、マトリックス1−2上の領域6−1を選択し(S401)、「移動」ボタン6−2を選択し(S402)、選択した領域の移動先である移動先領域6−3の選択を行う(S403)。
【0098】
ここで、「移動」ボタンの選択方法も、種々の方法を広く適用することができる。第1の実施形態では、マウスにより選択された領域が塗られている状態で、既にIPアドレスが割り振られている領域の選択がされている場合に、右クリックされると、図9に例示するように、「移動」メニューが表示される。利用者は、この「移動」メニューを選択するものとする。
【0099】
サーバ1は、ブラウザ端末2から領域移動に係る移動領域情報を取得すると(S404)、IP/プレフィックス計算部13の移動部137は、選択された既に割り振られている領域を移動先領域に移動する。
【0100】
このとき、IPアドレスの割り振りはプレフィックス単位で行うため、移動先領域が、正しいプレフィックスであるか否かの判定が必要となる。
【0101】
そこで、IP重複判定部138が、移動先領域について正しいプレフィックスであるか否かの判定を行う(S405)。なお、IP重複判定部138による判定方法は、新規登録(追加)処理の場合と同様の方法を適用することができる。
【0102】
そして、IP重複判定部138により正しくプレフィックスが選択されていると判断されると、移動部137は、選択された既に割り振られている領域を移動先領域に割り振り、データベース12に保存する(S406)。
【0103】
一方、IP重複判定部138により正しくないと判断されると、正しくない旨のダイアログをブラウザ端末2に与え(S407)、ブラウザ端末2はそのダイアログを表示し(S408)、注意を喚起する。
【0104】
このとき、移動部137は、図9において既に割り振られている領域6−1の升の数と、移動先領域6−3の升の数とを比較し、移動先領域6−3の方が小さい場合、割り振られているIPアドレスの数が減ることを意味する。その場合、移動部137は、警告ダイアログを表示することによりユーザ注意を喚起することも可能である。
【0105】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、マトリックスの表現を利用することにより、以下の効果を奏し、ユーザの利便性の向上が期待できる。
【0106】
(1)プレフィックス単位で割り振られた状況をマトリックス上の色分けで表現することにより、容易に空いている空間を把握することができる。
【0107】
(2)表示領域移動ボタン1−3、1−4により、マトリックス上に表示されているIPアドレス空間を変更することができるため、容易に状況を把握することができる。
【0108】
(3)拡大表示変更ボタン1−5、縮小表示変更ボタン1−6により、マトリックス上に表示されているプレフィックスの範囲を変更することができ、容易に詳細に把握することも全体を把握することもできる。
【0109】
(4)マトリックス上を操作部(例えばマウス)で割り振る領域を選択することで、容易にプレフィックス単位で割り振ることができる。
【0110】
(5)マトリックス上で既に割り振られている領域を右クリックすることで表示されるメニューにより、容易に詳細確認と削除を行うことができる。
【0111】
(6)マトリックス上で空いている領域を選択し、既に割り振られている領域を右クリックすることで表示されるメニューにより、容易に移動を行うことができる。
【0112】
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態では、表示画面がマトリックス表示である場合を例示したが、プレフィックス単位でIPアドレスの割り振りができれば、マトリックス表示でなくてもよい。
【0113】
上述した第1の実施形態において、サーバ1は、いわゆるソフトウェア処理により各種処理を実現するものである。例えば、サーバ1は、通常のサーバと同様に、CPU、ROM、RAM、EEPROM等をハードウェア構成とし、CPUが、ROMに格納される処理プログラムを読み出し、必要なデータを用いて処理プログラムを実行することで、上述した各種処理を実現することができる。
【0114】
上述した第1の実施形態では、サーバが物理的に1台の装置であるとして説明したが、第1の実施形態で説明したサーバの各種機能を実現することができれば、1台の装置である必要ななく、ネットワーク上に各種機能を実行する複数の装置が分散配置されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…サーバ、11…制御部、12…データベース、13…IP/プレフィックス計算部、131…表示領域移動部、132…拡大表示変更部、133…縮小表示変更部、134…追加部、135…詳細表示部、136…削除部、137…移動部、138…IP重複判定部、1−1…行、1−2…マトリックス、1−3及び1−4…表示領域移動ボタン、1−5…拡大表示変更ボタン、1−6…縮小表示変更ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段と、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段と
を備えることを特徴とするアドレス情報管理システム。
【請求項2】
上記IPアドレス空間変更手段が、上記端末から表示領域の拡大指示又は縮小指示を受け取ると、上記マトリックスを構成する1要素のIPアドレス数を再計算するものであることを特徴とする請求項1に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項3】
上記IPアドレス空間変更手段が、上記端末から表示領域の移動指示を受け取ると、上記画面上の表示領域を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項4】
上記端末からプレフィックス単位で選択された領域について、割り振り指示、削除指示、詳細情報表示指示又は移動指示を受け取ると、上記選択された領域について、登録、削除、詳細情報表示又は移動先領域への移動を行う処理手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアドレス情報管理システム。
【請求項5】
IPアドレスを割り振る上記領域がプレフィックス単位で選択されているか否かを判定する判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項6】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置において、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段と、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段と
を備えることを特徴とするアドレス情報管理装置。
【請求項7】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置のアドレス情報管理プログラムにおいて、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段を備え、
コンピュータを、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段
として機能させることを特徴とするアドレス情報管理プログラム。
【請求項1】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理システムにおいて、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段と、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段と
を備えることを特徴とするアドレス情報管理システム。
【請求項2】
上記IPアドレス空間変更手段が、上記端末から表示領域の拡大指示又は縮小指示を受け取ると、上記マトリックスを構成する1要素のIPアドレス数を再計算するものであることを特徴とする請求項1に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項3】
上記IPアドレス空間変更手段が、上記端末から表示領域の移動指示を受け取ると、上記画面上の表示領域を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項4】
上記端末からプレフィックス単位で選択された領域について、割り振り指示、削除指示、詳細情報表示指示又は移動指示を受け取ると、上記選択された領域について、登録、削除、詳細情報表示又は移動先領域への移動を行う処理手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアドレス情報管理システム。
【請求項5】
IPアドレスを割り振る上記領域がプレフィックス単位で選択されているか否かを判定する判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のアドレス情報管理システム。
【請求項6】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置において、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段と、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段と、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段と
を備えることを特徴とするアドレス情報管理装置。
【請求項7】
ネットワークで使用されるIPアドレスを管理するものであって、IPアドレスの割り振り状況を端末に表示するアドレス情報管理装置のアドレス情報管理プログラムにおいて、
IPアドレス空間をマトリックス形式で表現し、プレフィックス単位で割り振ったIPアドレスの状況を表示する画面に関する情報を記憶する記憶手段を備え、
コンピュータを、
上記画面を上記端末に与えて表示させる画面表示手段、
上記端末から、上記マトリックス形式で表現したIPアドレス空間の変更指示を受けると、当該画面上のIPアドレス空間を変更し、変更後の上記IPアドレス空間を表現した上記画面に関する情報を上記記憶手段に記憶させるIPアドレス空間変更手段
として機能させることを特徴とするアドレス情報管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−70042(P2012−70042A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210655(P2010−210655)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
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