説明

アブレイシブウォータージェット加工装置

【課題】作業効率を向上させ、作業者の労働環境を改善するとともに、製造コストを削減すること。
【解決手段】ワークを所望の形状に加工する際、アブレイシブが混入された超高圧水を噴射するアブレイシブノズルアッセンブリ14と、このアブレイシブノズルアッセンブリ14から噴射された前記超高圧水を回収するキャッチャーカップ15と、前記キャッチャーカップ15と前記ワークとの間隔を一定に保つように、前記アブレイシブノズルアッセンブリ14と前記キャッチャーカップ15との間隔を調整する間隔調整機構と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アブレイシブウォータージェット加工装置に関し、例えば、航空機の主翼の補強用部材として使用されるストリンガーを加工(製造)するアブレイシブウォータージェット加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここで、航空機の主翼の補強用部材として使用されるストリンガーとしては、例えば、特許文献1に開示された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−53851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、航空機の主翼の補強用部材として使用されるストリンガーを製造する場合、その翼端部を、例えば、図3や図4に示すような形状に加工し、その翼根部を、例えば、図6や図8に示すような形状に加工しなければならないことがある。しかしながら、炭素繊維強化プラスチックで作られたストリンガーは非常に硬く、一般的な切削加工、例えば、ドリル加工やミリング加工では加工性が非常に悪い。そこで、従来、翼端部や翼根部を加工する際には、まず、切取線上の所望の位置に所々ドリル等で穴を開け、つぎに、これらの穴を結ぶようにして、形状毎に用意されたガイド治具に沿ってサーキュラソー等を移動させて行っていた。
そのため、作業工程が増え、作業効率が悪いばかりでなく、サーキュラソーを移動させる際に周囲に炭素繊維強化プラスチックの粉が飛散して、作業者の労働環境を悪化させてしまうといった問題点があった。
また、ドリルの刃やサーキュラソーの歯が比較的短時間で切れなくなってしまうため、製造コストが嵩んでしまうといった問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、作業効率を向上させることができ、作業者の労働環境を改善することができるとともに、製造コストを削減することができるアブレイシブウォータージェット加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るアブレイシブウォータージェット加工装置は、ワークを所望の形状に加工する際、アブレイシブが混入された超高圧水を噴射するアブレイシブノズルアッセンブリと、このアブレイシブノズルアッセンブリから噴射された前記超高圧水を回収するキャッチャーカップと、前記キャッチャーカップと前記ワークとの間隔を一定に保つように、前記アブレイシブノズルアッセンブリと前記キャッチャーカップとの間隔を調整する間隔調整機構と、を備えている。
【0007】
本発明に係るアブレイシブウォータージェット加工装置によれば、切断部位の板厚が変化しても、切断部位の板厚の変化に応じてキャッチャーカップとワークとの間隔を一定に保つことができて、アブレイシブの含まれた超高圧水の回収を容易なものとすることができ、加工面をきれいに仕上げることができて、仕上げ処理を不要とすることができ、作業効率をさらに向上させることができる。
また、アブレイシブの含まれた超高圧水が取りこぼしなく回収されることとなるので、アブレイシブノズルアッセンブリおよびキャッチャーカップの移動速度(すなわち、切削速度)を一定に保つことができ、作業効率をさらに向上させることができる。
【0008】
本発明に係る各種部品の製造方法は、上記アブレイシブウォータージェット加工装置を用いて行うようにした。
【0009】
本発明に係る各種部品の製造方法によれば、長尺部材の一端部を所望の形状に加工する際、従来使用していた工具(ドリルやサーキュラソー等)およびガイド治具を使用せずに行われることになる。
これにより、作業効率を向上させることができ、作業者の労働環境を改善することができるとともに、製造コストを削減することができる。
また、本発明に係る各種部品の製造方法によれば、キャッチャーカップとワークとの距離、より詳しくは、キャッチャーカップの入口とワークの表面との距離が(略)一定に保たれる(維持される)ことになる。
これにより、アブレイシブの含まれた超高圧水の回収を容易なものとすることができ、加工面をきれいに仕上げることができて、仕上げ処理を不要とすることができ、作業効率をさらに向上させることができる。
さらに、本発明に係る各種部品の製造方法によれば、アブレイシブの含まれた超高圧水が取りこぼしなく回収されることとなる。
これにより、アブレイシブノズルアッセンブリおよびキャッチャーカップの移動速度(すなわち、切削速度)を一定に保つことができ、作業効率をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアブレイシブウォータージェット加工装置の製造方法によれば、作業効率を向上させることができ、作業者の労働環境を改善することができるとともに、製造コストを削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る各種部品の製造方法に用いられる6軸ロボットの全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る各種部品の製造方法により加工されるワークの正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る各種部品の製造方法により加工された各種部品の斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る各種部品の製造方法により加工された各種部品の斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る各種部品の製造方法により加工されるワークの正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る各種部品の製造方法により加工された各種部品の斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る各種部品の製造方法により加工されるワークの正面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る各種部品の製造方法により加工された各種部品の斜視図である。
【図9】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図10】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図11】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図12】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図13】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図14】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図15】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図16】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図17】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図18】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図19】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図20】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図21】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図22】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図23】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図24】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図25】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図26】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【図27】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図28】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図29】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図30】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、側方から見た側面図である。
【図31】本発明に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、上方から見た平面図である。
【図32】本発明の他の実施形態に係る各種部品の製造方法を説明するための図であって、正面から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る各種部品(例えば、ストリンガー(縦通材))の製造方法について、図1から図31を参照しながら説明する。
本発明に係る各種部品(以下、「ストリンガー」という。)の製造方法は、例えば、図1に示すような6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)1を用いて行われる。6軸ロボット1は、図1中に符号2,3,4,5,6,7で示す回転軸線まわりに回動する旋回台8、アーム9,10,11,12を有する産業用ロボットであり、バルブユニット13の先端部(アーム12が接続されている側と反対側の端部)には、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が取り付けられている。
【0013】
キャッチャーカップ15の入口15aと対向するアブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからは、アブレイシブ(研磨剤)が混入された超高圧水が噴射され、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aから噴射されたアブレイシブを含む超高圧水は、入口15aを介してキャッチャーカップ15に回収されるようになっている。また、アブレイシブノズルアッセンブリ14の先端部(出口14a側の端部)における高さ(縦方向(図1において上下方向)の長さ)寸法は、ストリンガーのサイズにより55mm〜24mmの間で設定され、幅(厚み方向(回転軸線7と直交する方向)の長さ)寸法は25mm〜10mmの間で設定されている。
【0014】
本発明に係るストリンガーの製造方法は、例えば、図2に示すような断面形状を呈する(例えば、航空機主翼翼長相当の長さを有する)ワーク(以下、「長尺部材」という。)の一端部(ストリンガーが航空機の主翼を構成するものである場合には翼端部)を、6軸ロボット1を用いて図3または図4に示すような形状に加工したり、例えば、図5に示すような断面形状を呈する(例えば、航空機主翼翼長相当の長さを有する)長尺部材の一端部(ストリンガーが航空機の主翼を構成するものである場合には翼根部)を、6軸ロボット1を用いて図6に示すような形状に加工したり、例えば、図7に示すような断面形状を呈する(例えば、航空機主翼翼長相当の長さを有する)長尺部材の一端部(ストリンガーが航空機の主翼を構成するものである場合には翼根部)を、6軸ロボット1を用いて図8に示すような形状に加工したりするものである。
【0015】
まずはじめに、図2に示す長尺部材21の一端部を、6軸ロボット1を用いて図3に示すような形状に加工して、ストリンガー22を製造する本発明の第1実施形態に係るストリンガーの製造方法について説明する。
長尺部材21は、例えば、炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできており、図2に示すように、キャップフランジ23と、ウェブ24と、キャップフランジ23よりも幅広のベースフランジ25とを備えるとともに、その断面視(正面視)形状が逆T字状を呈するように作製されている。キャップフランジ23、ウェブ24、ベースフランジ25はそれぞれ板状の部材であり、これらキャップフランジ23、ウェブ24、ベースフランジ25は、全体として一体物をなすように接合されている。
【0016】
長尺部材21を専用の治具(図示せず)に固定し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図9および図10に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ23の上方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ23の下方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材21の一側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材21の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ24側あるいは長尺部材21の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0017】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図9および図10に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を噴射させ、図11に一点鎖線で示すトリムライン(切取線:切断線)26に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図9および図10に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の一側方部、およびウェブ24の上端部が、平面視(上方から見て)矩形状に切り取られることになる。
【0018】
長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の一側方部、およびウェブ24の上端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図10および図12に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ23の上方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ23の下方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材21の他側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材21の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ24側あるいは長尺部材21の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0019】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図10および図12に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図13に一点鎖線で示すトリムライン27に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図10および図12に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の他側方部、およびウェブ24の上端部が、平面視(上方から見て)矩形状に切り取られることになる。
【0020】
長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の他側方部、およびウェブ24の上端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図14に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がウェブ24の他側方に位置し、キャッチャーカップ15がウェブ24の一側方に位置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材21の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の中心軸線が、キャップフランジ23の上面23aおよびベースフランジ25の下面25aと平行になるように配置する。
【0021】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図14に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図15に一点鎖線で示すトリムライン28に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図14に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するウェブ24が、側面視(側方から見て)略台形状に切り取られることになる。
そして、できあがったストリンガー22(図3参照)は、例えば、航空機の主翼を構成するストリンガーとして使用(利用)される。
【0022】
本実施形態に係るストリンガーの製造方法によれば、長尺部材21の一端部を所望の形状に加工する際、6軸ロボット1によって自動的に、かつ、従来使用していた工具(ドリルやサーキュラソー等)およびガイド治具を使用せずに行われることになる。
これにより、作業効率を向上させることができ、作業者の労働環境を改善することができるとともに、製造コストを削減することができる。
また、本実施形態に係るストリンガーの製造方法によれば、アブレイシブノズルアッセンブリ14と長尺部材21との距離、より詳しくは、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aと長尺部材21の表面との距離が(略)一定に保たれる(維持される)ことになる。
これにより、加工面をきれいに仕上げることができ、仕上げ処理を不要とすることができ、作業効率をさらに向上させることができる。
【0023】
つぎに、図2に示す長尺部材21の一端部を、6軸ロボット1を用いて図4に示すような形状に加工して、ストリンガー32を製造する本発明の第2実施形態に係るストリンガーの製造方法について説明する。
【0024】
上述した実施形態と同様、長尺部材21を専用の治具(図示せず)に固定し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図9および図16に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ23の上方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ23の下方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材21の一側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも長尺部材21の他端側に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ24側あるいは長尺部材21の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0025】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図9および図16に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を噴射させ、図11に一点鎖線で示すトリムライン26に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図9および図16に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の一側方部、およびウェブ24の上端部が、平面視(上方から見て)矩形状に切り取られることになる。
なお、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも長尺部材21の他端側に配置されていることにより、キャップフランジ23の切り口は、図4に示すように、斜め、すなわち、キャップフランジ23の上面23aの端が下面23bの端よりも長尺部材21の他端側に位置することになる。
【0026】
長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の一側方部、およびウェブ24の上端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図12および図16に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ23の上方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ23の下方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材21の他側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも長尺部材21の他端側に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ24側あるいは長尺部材21の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0027】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図12および図16に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図13に一点鎖線で示すトリムライン27に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図12および図16に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の他側方部、およびウェブ24の上端部が、平面視(上方から見て)矩形状に切り取られることになる。
【0028】
長尺部材21の一端部に位置するキャップフランジ23の他側方部、およびウェブ24の上端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図14に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がウェブ24の他側方に位置し、キャッチャーカップ15がウェブ24の一側方に位置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材21の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の中心軸線が、キャップフランジ23の上面23aおよびベースフランジ25の下面25aと平行になるように配置する。
【0029】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図14に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図17に一点鎖線で示すトリムライン33に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図14に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材21の一端部に位置するウェブ24が、側面視(側方から見て)略波形に切り取られることになる。
そして、できあがったストリンガー32(図4参照)は、例えば、航空機の主翼を構成するストリンガーとして使用(利用)される。
【0030】
本実施形態に係る作用効果は、上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0031】
つづいて、図5に示す長尺部材51の一端部を、6軸ロボット1を用いて図6に示すような形状に加工して、ストリンガー52を製造する本発明の第3実施形態に係るストリンガーの製造方法について説明する。
長尺部材51は、例えば、炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできており、図5に示すように、キャップフランジ53と、ウェブ54と、キャップフランジ53よりも若干幅広のベースフランジ55とを備えるとともに、その断面視(正面視)形状がI字状(またはH字状)を呈するように作製されている。キャップフランジ53、ウェブ54、ベースフランジ55はそれぞれ板状の部材であり、これらキャップフランジ53、ウェブ54、ベースフランジ55は、全体として一体物をなすように接合されている。
【0032】
上述した実施形態と同様、長尺部材51を専用の治具(図示せず)に固定し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図18に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がベースフランジ55の下方に位置し、キャッチャーカップ15がベースフランジ55の上方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材51の一側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材51の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ54側あるいは長尺部材51の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0033】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図18に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図19に一点鎖線で示すトリムライン57に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図18に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材51の一端部に位置するベースフランジ55の一側方部、およびウェブ54の下端部が、平面視(上方から見て)台形状に切り取られることになる。
【0034】
長尺部材51の一端部に位置するベースフランジ55の一側方部、およびウェブ54の下端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図20に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がベースフランジ55の下方に位置し、キャッチャーカップ15がベースフランジ55の上方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材51の他側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材51の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャッチャーカップ15よりも内側(ウェブ54側あるいは長尺部材51の中心軸線側)に位置するように配置する。
【0035】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図20に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図21に一点鎖線で示すトリムライン58に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図20に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材51の一端部に位置するベースフランジ55の他側方部、およびウェブ54の下端部が、平面視(上方から見て)台形状に切り取られることになる。
【0036】
長尺部材51の一端部に位置するベースフランジ55の切り取りが完了したら、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図22に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がウェブ24の他側方に位置し、キャッチャーカップ15がウェブ24の一側方に位置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材51の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の中心軸線が、キャップフランジ53の上面53aおよびベースフランジ55の下面55aと平行になるように配置する。
【0037】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図22に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を噴射させ、図23に一点鎖線で示すトリムライン56に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図22に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材51の一端部に位置するウェブ54が、側面視(側方から見て)U字形状に切り取られることになる。
【0038】
長尺部材51の一端部に位置するウェブ54の切り取りが完了したら、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図24に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ53の下方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ53の上方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材51の一側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材51の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の中心軸線が、ウェブ54の一側面54aおよび他側面54bと平行になるように配置する。
【0039】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図24に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図25に一点鎖線で示すトリムライン59,60に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図24に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材51の一端部に位置するキャップフランジ53の両角部が丸く切り取られることになる。
【0040】
長尺部材51の一端部に位置するキャップフランジ53の両角部の切り取りが完了したら、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を図26に示す状態に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14がキャップフランジ53の上方に位置し、キャッチャーカップ15がキャップフランジ53の下方に位置するようにしてアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を長尺部材51の一側方に配置するとともに、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が、長尺部材51の長手方向軸線と直交する面内に位置し、かつ、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の中心軸線が、ウェブ54の一側面54aおよび他側面54bと平行になるように配置する。
【0041】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図26に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図27に一点鎖線で示すトリムライン61に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図26に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材51の一端部に位置するキャップフランジ53の切り残し部分(突出部分)62が、平面視(上方から見て)台形状に切り取られることになる。
そして、できあがったストリンガー52(図6参照)は、例えば、航空機の主翼を構成するストリンガーとして使用(利用)される。
【0042】
本実施形態に係るストリンガーの製造方法によれば、キャップフランジ53よりも先にベースフランジ55が加工され、切断片がベースフランジ55上にたまることなく、下方に落ちていくことになる。そして、キャップフランジ53を加工する際に、ベースフランジ55上にたまった切断片によってアブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の動きが阻害されることがなくなる。
これにより、長尺部材51の加工を効率よく行うことができ、作業効率をさらに向上させることができる。
その他の作用効果は、上述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0043】
最後に、図7に示す長尺部材71の一端部を、6軸ロボット1を用いて図8に示すような形状に加工して、ストリンガー72を製造する本発明の第4実施形態に係るストリンガーの製造方法について説明する。
長尺部材71は、例えば、炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできており、図7に示すように、キャップフランジ73と、ウェブ74と、キャップフランジ53よりも若干幅狭のベースフランジ75とを備えるとともに、その断面視(正面視)形状がT字状(またはH字状)を呈するように作製されている。キャップフランジ73、ウェブ74、ベースフランジ75はそれぞれ板状の部材であり、これらキャップフランジ73、ウェブ74、ベースフランジ75は、全体として一体物をなすように接合されている。
【0044】
上述した実施形態と同様、長尺部材71を専用の治具(図示せず)に固定し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を、上述した第3実施形態と同様、図18に示す状態に配置する。
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図18に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図28に一点鎖線で示すトリムライン77に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図18に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材71の一端部に位置するベースフランジ75の一側方部、およびウェブ74の下端部が、平面視(上方から見て)台形状に切り取られることになる。
【0045】
長尺部材71の一端部に位置するベースフランジ75の一側方部、およびウェブ74の下端部の切り取りが完了したら、アブレイシブが含まれた超高圧水の噴射を中止し、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を、上述した第3実施形態と同様、図20に示す状態に配置する。
【0046】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図20に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図29に一点鎖線で示すトリムライン78に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図20に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材71の一端部に位置するベースフランジ75の他側方部、およびウェブ74の下端部が、平面視(上方から見て)台形状に切り取られることになる。
【0047】
長尺部材71の一端部に位置するベースフランジ75の切り取りが完了したら、上述した第3実施形態と同様、図22に示す状態に配置する。
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図22に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を噴射させ、図30に一点鎖線で示すトリムライン76に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図22に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材71の一端部に位置するウェブ74が、側面視(側方から見て)U字形状で、かつ、長尺部材71の他端側に、第3実施形態のところで説明したものよりも大きく(深く)切り取られることになる。
【0048】
長尺部材71の一端部に位置するウェブ74の切り取りが完了したら、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を、上述した第3実施形態と同様、図26に示す状態に配置する。
【0049】
アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が所定の位置に、すなわち、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15が図26に示す状態に配置されたら、アブレイシブノズルアッセンブリ14の出口14aからアブレイシブの含まれた超高圧水を再び噴射させ、図31に一点鎖線で示すトリムライン79に沿って、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15を移動させる。このとき、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15は、図26に示す状態を保ったまま移動させられる。この行程により、長尺部材71の一端部に位置するキャップフランジ73の両角部が丸く切り取られることになる。
そして、できあがったストリンガー72(図8参照)は、例えば、航空機の主翼を構成するストリンガーとして使用(利用)される。
【0050】
本実施形態に係る作用効果は、上述した第3実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0051】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更・変形が可能である。
また、上述した実施形態において、6軸ロボット1が、キャッチャーカップ15と長尺部材21,51,71との間隔を一定に保つように、例えば、図32中のL2とL3とが等しくなる(L2=L3となる)ように、アブレイシブノズルアッセンブリ14とキャッチャーカップ15との間隔を調整する間隔調整機構(図示せず)を備えているとさらに好適である。
間隔調整機構としては、図1中に白抜き矢印で示す方向に可動する、例えば、エアシリンダ(図示せず)等の直動機構を採用することができ、これにより、切断部位の板厚が変化しても、切断部位の板厚の変化に応じてキャッチャーカップ15と長尺部材21,51,71との間隔を一定に保つことができて、アブレイシブの含まれた超高圧水の回収を容易なものとすることができ、加工面をきれいに仕上げることができて、仕上げ処理を不要とすることができ、作業効率をさらに向上させることができる。また、アブレイシブの含まれた超高圧水が取りこぼしなく回収されることとなるので、アブレイシブノズルアッセンブリ14およびキャッチャーカップ15の移動速度(すなわち、切削速度)を一定に保つことができ、作業効率をさらに向上させることができる。
なお、間隔調整機構を備えていない場合には、図32中のL1が固定された状態となるため、図32中のL3がL2よりも大きくなり(L3>L2となり)、アブレイシブの含まれた超高圧水の回収率が悪くなって、飛散したアブレイシブによってワークが損傷してしまうことがある。
【符号の説明】
【0052】
1 6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)
12 アーム
14 アブレイシブノズルアッセンブリ
15 キャッチャーカップ
21 長尺部材(ワーク)
22 ストリンガー(各種部品)
23 キャップフランジ
24 ウェブ
25 ベースフランジ
32 ストリンガー(各種部品)
51 長尺部材(ワーク)
52 ストリンガー(各種部品)
53 キャップフランジ
54 ウェブ
55 ベースフランジ
62 切り残し部分
71 長尺部材(ワーク)
72 ストリンガー(各種部品)
73 キャップフランジ
74 ウェブ
75 ベースフランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを所望の形状に加工する際、アブレイシブが混入された超高圧水を噴射するアブレイシブノズルアッセンブリと、このアブレイシブノズルアッセンブリから噴射された前記超高圧水を回収するキャッチャーカップと、前記キャッチャーカップと前記ワークとの間隔を一定に保つように、前記アブレイシブノズルアッセンブリと前記キャッチャーカップとの間隔を調整する間隔調整機構と、を備えていることを特徴とするアブレイシブウォータージェット加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアブレイシブウォータージェット加工装置を用いて行うようにしたことを特徴とする各種部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−177887(P2011−177887A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89289(P2011−89289)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【分割の表示】特願2009−237334(P2009−237334)の分割
【原出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(597148633)株式会社フロージャパン (5)