説明

アブレッシブウォータージェットコンクリートハツリシステム

【課題】 この発明は従来切断にしか採用されていなかったアブレッシブジェットの概念を改良展開し、効率的にコンクリートがはつれるように開発された技術である。
【解決手段】超高圧高速流の周辺の空気が引きずられて起こる平行流を効果的に発生させて、アブレッシブを短い距離で超高圧水流の速度まで増速させる増速機構と周囲の空気の抵抗を最小限に抑制する平行空気流を作り出す増速平行管により目的を達成するノズルシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォータージェトシステムにおけるハツリシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンクリートウォータージェットハツリは水のみのノズルシステムを採用する方法しか無かった。また従来のアブレッシブウォータージェットは切断及びスリット加工目的にしか使われていなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウォータージェットを使用して土木建設等の現場においてコンハツリ、表面処理、削孔等の作業を行なう場合、従来は超高圧水工法を採用してきたが、何れも施工効率と作業単価の問題で、今日現在、限定された対象にしか採用されてない。この問題を解決する為に開発されたのが本発明である。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究重ねた結果本発明を完成するに至った。即ち、超高圧ウォータージェットハツリシステムは、ハツリ効率の点で在来の打撃工法の5〜8倍近いコストが掛かり、特別なケースでないと採用されていない。
また、従来の切断用超高圧アブレッシブ工法も効率と単価の問題であまり採用されていない。これはシングルノズルに対してベンチュリー効果を用いジェット水流の周囲にアブレッシブを吸引させる事からジェット水流の速度に増速出来るアブレッシブの割合は3%に満たない事が解析でわかった。当該効率を上げる為にジェット水流にアブレシブをほぼ100%効率よく混入する事に成功したものが本発明である。
ベンチュリー効果を採用しないでジェット水流の周囲の負圧を有効利用してアブレッシブを気液混合ジェット化させることにより、高効率のハツリ切削効果が確保された。
また、本発明によれば、ウォータージェットエネルギー密度の点から水圧を40MPA以下まで落とす事も可能になり普及に一番問題になるポンプコストの低価格化を実現出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
負圧式混気ジェット理論で効率良くコンクリートのはつる目的を達成するものである。
物性項目
(1)圧力 40MPA〜2500MPA
(2)水量 最大100L/min
(3)アブレッシブ供給量 最大5kg/min
(4)水馬力 最大500馬力
その他の特性
スラリーポンプを使用すると、容易に排水循環リサイクルシステムが組める。水ジェットより効率が向上するため全体システムの小型化が可能である。
【使用水量】
【0006】
250MPA場合最大100L/min、5MPAの場合で300L/minを使用する。その平均水量は作業場所における水処理・養生上、限りなく少水量の方が良い。
【研削材】
【0007】
本発明においては、最大粒度径100から500μの硅砂や柘榴石その他研削材を対象素材の硬さ・施工条件により使い分ける。
【実施例1】
【0008】
次に本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
圧力 250MPA
水量 19.1L/min
水馬力 250馬力
ノズル仕様 0.9mmφ×1個
研削助材 硅砂200μ以下
使用量 毎分1kg
試供体コンクリート強度 280kg
ハツリ能率 0.9m/300分・日
【実施例2】
【0009】
圧力 50MPA
水量 85.9L/min
水馬力 120馬力
ノズル仕様 1.6mmφ×3個
研掃助材 ガーネット200μ以下
使用量 毎分2kg
試供体コンクリート強度 280kg
ハツリ能率 0.4m/300分・日
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果は従来の超高圧水ハツリシステムのハツリ効率と比較すると以下の如く,確認できる。従来に対して180%近い効率を確保できる。

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】超高圧ノズルから噴射された超高圧水はノズルホルダーの周囲に開けられたアブレッシブ吸引孔からアブレツシブを吸引し且つ補助空気吸引孔から負圧調整空気を吸引する。そしてアブレッシブは整流増速管の中で超高圧水によりアブレッシブを効率的に増速され前方に混合高速流として噴射され効果的な仕事を達成する。。その際、補助空気流はともに増速され整流増速管の内外で外気とのベアリング効果を発生させ、当該超高圧混合流の直進性を補助する。
【符号の説明】
【0012】
▲1▼超高圧ノズル
▲2▼アブレッシブ吸引孔
▲3▼ノズルホルダー
▲4▼超高圧水流
▲5▼補助吸気吸引孔
▲6▼超高圧水供給パイプ
▲7▼整流増速管
▲8▼超高圧水・アブレッシブ混合流
▲9▼減速防止用並行空気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の天然ダイヤ、人工ダイヤ、サファ イア、セラミックないし超硬ベースに1個乃至それ以上のウォータジェットオリフィスを有するノズルを使用した圧力5MPAから300MPAのウォータージェットハツリ方法
【請求項2】
当該ジェット流にアブレッシブ研削材の粉末ないしスラリー平行相流にして増速させる事が出来る構造を有する。
【請求項3】
当該アブレッシブジェット流をコンクリートをハツル目的に利用する。

【図1】
image rotate