説明

アプリケーションプログラムのルール準拠の実行を可能とする重量測定器及びシステム

【課題】アプリケーションプログラムのルール準拠の実行を可能とする重量測定器システムを提供する。
【解決手段】重量測定器12は、コンピュータ11への通信リンク53の確立のための、ネットワークインターフェイス54と、アプリケーションプログラム58の格納のためのメモリと、前記アプリケーションプログラム58の実行のためのプロセッサと、前記コンピュータをして、i.アプリケーションプログラム58の実行を監視し、ii.アプリケーションプログラム58の実行中に、アプリケーションプログラム58の実行が規定のルールセットに従って行われるかどうかを検証し、iii.規定のルールセットのルールの違反、または規定のルールセットへの非準拠が検出された場合、アプリケーションプログラム58の実行を中断させる手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量測定器、および重量測定器を有するシステム、および、重量測定器による実行のためのアプリケーションプログラムの作成に関する。特に対象とするものは、ネットワーク接続を介してネットワークおよびコンピュータにリンクされるか、あるいは、シリアルインターフェイス、USBまたはワイヤレス接続を介してコンピュータに直接リンクさせることができる、電子天秤および/または秤である。
【従来の技術】
【0002】
通常、天秤および/または秤は、研究、開発および製造で使用されるとき、使用可能にするために電源のみを必要とする、独立したデバイスとして実現される。
【0003】
ネットワークインターフェイスを有し、インターネットワークで動作することができる、電子天秤および/または秤がある。通常、このために、天秤または秤に単純なRS−232インターフェイスが取り付けられる。ネットワークへの接続によって提供される可能性は決して尽きない。ネットワークへの接続をますます使用するアプリケーションが、現在開発されている。
【0004】
研究所では、特に工業製造では、すべてのプロセスステップの正確な再現可能性を必要とする多数のプロセスがある。このため、正確かつ修正不可能な文書化は絶対必要である。多数の機関および会社は、それらの研究所または製造プラントにおけるプロセスの定義および文書化のためのそれら自体のルール(たとえば、「標準処理手順」と呼ばれる)を作成しているか、あるいは、たとえば標準または法的規制の形式において規定されるルールのセットを使用する。
【0005】
「標準処理手順」(SOP)の作成をサポートする、ソフトウェアベースの解決策の一例は、「Programmable Device with a Gravimetric Measuring Instrument, Method of Programming such a Device, and Software for Executing this Method」という名称の欧州特許出願第02100040.1号に記載されている。この出願は、2002年1月18日に、Mettler Toledo GmbHという会社の名義で提出された。
【0006】
あるSOPの定義を可能にするソフトウェアのさらなる例は、カナダのLabtronics Inc.という会社の「Balance Data System」(BDS)である。これは、秤および天秤の使用をサポートし、簡単にするソフトウェアである。このソフトウェアはプロセス中でユーザをガイドし、SOPが準拠されることを保証する。BDSの詳細は、たとえば、Labtronics Inc.の、出願時点でhttp://www.balanceinfo.com/bds.htmから注文することができる「BDS Balance Data System」という小冊子で見つけることができる。しかし、BDSに関して、BDSがインストールされるコンピュータと重量測定器の間のデータ通信が常にインストールされなければならないという欠点があり、その別法としては、測定器に接続するものを、BDSの最小限の部分がインストールされかつデータのための格納バッファとしての機能を果たすPDAなどのより簡素な計器とすることができ、このデータを次いで異なるルートを介してBDSコンピュータに移送する。BDSは、閉ざされた順次の手順の定義および実行のみを可能にし、したがって限られた柔軟性しか有していない。構成および応用に応じて、ユーザは別法としてコンピュータへ、かつ秤/天秤への入力を行わなければならず、これは妨げとなる。
【0007】
特に製薬、食品および化学分野、ならびに医療および保健分野では、規定の手順およびルールの厳守は重要である。ある状況では、たとえば、薬の認可または業界手順の認定は、各機関または会社が規定の手順およびルールの厳守を保証できるかどうかによって決まる。この点について重要である面は、少数の例を挙げると、使用管理(たとえば、使用権の割り当て)、アクセスのセキュリティ、ユーザの識別および認証、監査証跡(たとえば、すべての関連ステップの記録の形式におけるもの)、変更管理(たとえば、すべての変更の記録の形式におけるもの)、および中央データ記憶である。
【0008】
既知の例は、いわゆるタイトル21連邦規則集(CFR)パート11であり、これは米国および他の国々においてますます従われている。
たとえば、いわゆるラボラトリ情報管理システム(LIMS)があり、これによりすべてのステップおよびオペレーションを細部まで正確に文書化することができる。
【0009】
【特許文献1】「Programmable Device with a Gravimetric Measuring Instrument, Method of Programming such a Device, and Software for Executing this Method」という名称の欧州特許出願第02100040.1号
【0010】
【非特許文献1】Labtronics Inc.の、出願時点でhttp://www.balanceinfo.com/bds.htmから注文することができる「BDS Balance Data System」という小冊子
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一目的は、天秤、秤、および他の重量測定器のためのアプリケーションプログラムを作成し、および作成されたアプリケーションがルール準拠であるかどうかを検証する方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、アプリケーションプログラムのルール準拠の実行が可能である重量測定器を提供することである。
本発明のさらなる目的は、対応するソフトウェアおよびトータルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの目的は、本発明によれば、請求項1に記載の重量測定器によって果たされる。
【0014】
様々な有利な実施形態を従属請求項において述べる。
本発明の様々な利点を明細書においても述べ、あるいはこれらはその結果として生じる。
【0015】
本発明の詳細および利点を詳細に以下で、様々な例示的実施形態を参照することによって、かつ図面を参照することによって記載し、図面は本発明の開示の一体部分を形成する。
【発明の実施の形態】
【0016】
本発明を、多くの多様な測定器における、特に少なくとも1つの重量測定器(たとえば、検量セルの形式におけるもの)を有する実験器具において、質量の決定のために使用することができる。これらには、中でも、乾燥器および比較器、ならびに、生産ラインにおける検量モジュールなどの他の計器が含まれる。説明を簡単にするため、本発明を以下で主として電子天秤に関して記載するが、これが制限として解釈されるべきではない。
【0017】
「アプリケーションプログラム」という用語は、重量測定器(たとえば、電子天秤)によって実行され得る1つまたは複数のプロセスステップまたは、アクションを記載する表現の形式を意味すると理解される。プロセスステップが定義される言語は重要ではない。プロセスステップは、たとえば、スクリプトの形式において記載することができ、これが次いで、ステップ毎に天秤によって実行される前に、機械言語またはそのようなものの形式に変換される。しかし、この変換はまた、妥当性検査内でも行われ得る。
【0018】
本発明の第1の実施形態は、図1を見るとわかる。(トータル)システム10を図示し、これは3つの電子測定器4、12および14(たとえば、化学天秤、精密天秤、比較天秤、微量天秤または類似物)を有する。天秤12は、外部ネットワークインターフェイス13を介してネットワーク15およびコンピュータ11に接続される。天秤は、組み込みのネットワークインターフェイス(図1に図示せず)を所有し、これはネットワークインターフェイス13に類似の方法で構築することができる。組み込みのネットワークインターフェイスを有するコンピュータ2を介して、天秤4がネットワーク15に接続される。図示の実施例では、コンピュータ2はスクリーンの形式のディスプレイ3を有し、キーボードの形式の入力ユニット1を有する。天秤12は、ネットワークインターフェイス13を介してバーコードスキャナ19に接続される。天秤14は、バーコードスキャナ6と直接接続されている。コンピュータ11、測定器4、12、14、およびネットワークインターフェイスは、測定器4、12、14とコンピュータ11の間の通信リンクの確立が可能であるような方法で実現される。図示の実施例では、コンピュータ11はスクリーンの形式のディスプレイ9を有し、キーボードの形式の入力ユニット8を有する。
【0019】
コンピュータ11上で、ソフトウェアモジュール7を実行することが可能である。この目的のため、標準のオペレーティングシステムまたは専用のオペレーティングシステムが存在する可能性がある。前述のネットワークインターフェイスは、ネットワーク15を介してアプリケーションプログラムを受信し、天秤4および/または12および/または14を準備することができるような方法で実現される。このアプリケーションプログラムはコンピュータ11によってネットワークインターフェイスに伝送されるか、あるいはコンピュータ11から取り出される。
【0020】
記載したシステム10では、本発明によれば、アプリケーションプログラムのコンピュータ支援作成のための以下の方法を実行することができる。この方法のステップを図2Aおよび2Bにおいて流れ図として示す。この目的のため、ソフトウェアモジュール7がコンピュータ11によって開始され、実行される。この方法は、以下のステップを包含する。
【0021】
(1)表示デバイス9上でいくつかのアプリケーションモジュールの表現を、好ましくはグラフィカル要素の形式において行うステップ(図2Aのブロック20)。
【0022】
(2)入力デバイス8を用いた、第1のアプリケーションモジュールの選択を行うステップ(図2Aのブロック21)。
(3)入力デバイス8を用いた、第2のアプリケーションモジュールの選択を行うステップ(図2Aのブロック21)。この選択を数回繰り返すことができ、これを図2Aにおいて、ひし形22をループ23と組み合わせることによって表す。
【0023】
(4)第1のアプリケーションモジュールを第2のアプリケーションモジュールとリンクさせ(図2Aのブロック24)、また存在する場合はさらなるアプリケーションモジュールとリンクさせるステップ。このリンクは、たとえば、入力デバイス8を用いて行われる可能性があり、これは、第1のアプリケーションモジュールおよび第2のアプリケーションモジュール、および存在する場合はさらなるアプリケーションモジュールの時間的順序を決定する。
【0024】
(5)選択されたアプリケーションモジュールおよびリンクを、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムに変換するステップ(図2Aのブロック25)。この変換はコンピュータ11によって、ソフトウェアモジュール7の支援により実行される。
【0025】
ステップの後続のブロック(図2Bに表すもの)では、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムのコンピュータ支援妥当性検査(図2Bのブロック26)が続き、規定のルールのセットが妥当性検査に適用される。本発明によれば、この妥当性検査が成功して完了した場合に(図2Bのひし形27)(のみ)、アプリケーションプログラムが使用のためにリリースされる(図2Bのブロック29)。そうでない場合、アプリケーションプログラムのコンピュータ支援適合(図2Bのブロック28)が後に続き、この後に続いてコンピュータ支援妥当性検査(図2Bのブロック26)が改めて行われる。
【0026】
本発明による方法の一実施形態のさらなる詳細を、図3、4A、4Bおよび4Cに関して記載する。図3は、一実施例を参照することによって、いくつかのアプリケーションモジュール31.1〜31.12を表示デバイス9上で、たとえばグラフィカル要素の形式において、どのように表現することができるかを図示する。アプリケーションモジュール31.1〜31.12は、小さいピクトグラムの形式において表現されることが好ましい。この表現の形式は、一実施例として理解されたい。アプリケーションモジュールの指示は、たとえば記述的テキストなど、いかなる適切な形式においても行われ得ることは自明である。本明細書の範囲内で、かつ特許請求の範囲において、このようなテキストブロックも「グラフィカル要素」という用語に含まれる。
【0027】
ソフトウェアモジュール7は、プログラムウィンドウ30の表現をトリガする。プログラムウィンドウ30内で、ワークトップ33を表示することができる。ワークトップ33の下端に設けられるものは時間軸32であり、これは、アプリケーションモジュール31.1〜31.12を時間的順序の関係において設定できるようにするためである。
【0028】
アプリケーションモジュール31.1〜31.12は、以下のシステム/コンポーネント/ステップを表す。
31.1 検量ステップが重量測定器上で実行されるべきであることを指示する記号、
31.2 重量測定器(たとえば天秤)、
31.3 ワークステーションプリンタ、
31.4 ユーザが、たとえばユーザ識別(ID)およびパスワード(PW)を入力することによって、電子署名により自分自身を識別しなければならないことを指示する記号、
31.5 スマートカードまたはそのようなものを読み取るためのカードリーダ、
31.6 ネットワークプリンタ、
31.7 ルールセットに従って、電子文書の格納が行われることを指示する記号、
31.8 バーコードを読み取るための手動バーコードリーダ、
31.9 結果がスプレッドシートに転送されることを指示する記号、
31.10 結果が図の形式で表現されることを指示する記号、
31.11 計算/評価を実行するための評価ユニット、
31.12 データベース。
【0029】
図4A〜4Cの表現は、本発明の基礎をなす原理の説明を容易にするために非常に概略的である。
ソフトウェアモジュール7がワークトップ33をディスプレイ9上で表現した後、ユーザはコンピュータ11上で、1つまたは複数の様々なアプリケーションモジュール31.1〜31.12を選択し、これ/これらをワークトップ33上に配置することができる。このオペレーションは、たとえば、コンピュータマウスにより、単純なドラッグ・アンド・ドロップのアクションによって実行することができる。
【0030】
図4Aでは、アプリケーションモジュール31.4、31.8、31.2、31.12、31.1、31.11、31.7および31.6が配置された後の瞬間の状況を示す。次のステップのうち1つにおいて、アプリケーションモジュール31.4、31.8、31.2、31.12、31.1、31.11、31.7および31.6のリンクが行われる。アプリケーションモジュールのリンクは、たとえば、入力デバイス(コンピュータマウス)により実行することができる。本発明によれば、リンクは、様々なアプリケーションモジュールの時間的順序を互いに関して記述する。この目的のため、たとえば、時間軸32を設けて、アプリケーションモジュールを時間軸32に沿って配置することができる。また、たとえば、灰色の矢印によって表現されたリンクが連続的に時間的順序で付番されて、時間的順序を決定するようにされることも考えられる。
【0031】
図4Bでは、リンク41.1〜41.8を灰色の矢印として示す。リンク41.1〜41.8は、様々なアプリケーションモジュール31.4、31.8、31.2、31.12、31.1、31.11、31.7および31.6によって表現されたプロセスステップが実行されるべきである時間的順序を指定する。図示の順序がユーザによって、コンピュータ11に、ソフトウェアモジュール7と共に、以下のステップを実行するかあるいはその実行を支援するアプリケーションプログラムを生成させるために、組み立てられた。
【0032】
・ユーザ識別を要求する(アプリケーションモジュール31.4)。
・ユーザが自分のIDおよびPWを入力することによって自分自身を識別した後、ユーザは、手動バーコードリーダを用いて、検量される物質を正確に識別することを要求される(アプリケーションモジュール31.8)。この目的のため、たとえば、検量される物質のパッケージに対応するバーコードを提供することができ、これがバーコードリーダによって読み取られる。
【0033】
・天秤または秤に、検量される物質が載せられる(アプリケーションモジュール31.2)。
・検量ステップを実行する(アプリケーションモジュール31.1)。
【0034】
・検量される物質に関する物質情報をメモリから問い合わせる(アプリケーションモジュール31.12)。この問合せは、バーコードリーダが供給する情報を使用して行われる(リンク41.7)。
【0035】
・測定値を検量ステップから評価ユニットに転送する(アプリケーションモジュール31.11)。評価ユニットにもメモリからの物質情報が提供される(リンク41.8)。
【0036】
・評価ユニットが、規定の計算/評価ステップを実行し、結果をローカルプリンタに転送する(アプリケーションモジュール31.6)。
・加えて、結果が、それらの文書化を管理するシステムに転送される(アプリケーションモジュール31.7)。
【0037】
リンクが作成されたとき、本発明による方法の最初の部分が完了しており、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムが入手可能である。この妥当性検査されていないアプリケーションプログラムを、後の時間に妥当性検査に転送するために、一時的に格納することができる。さらなる処理を、アプリケーションプログラムの作成に関連して進めることもできる。
【0038】
本発明によれば、ユーザによって定義された方法のコンピュータ支援妥当性検査はまた、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムの作成の直後に行うことも可能である。妥当性検査されていないアプリケーションプログラムが妥当性検査される前に、これがあるプログラミングまたは機械言語から別のものに変換されることが考えられる。
【0039】
アプリケーションプログラムの妥当性検査は、規定されたルールセットの適用によって行われる。この妥当性検査の範囲内で、アプリケーションプログラムのすべての関連する局面が、ルールを参照することによって検証される。ユーザによって定義されたアプリケーションプログラムは、妥当性検査が成功裏に完了したときにのみ、使用のためにリリースされる。
【0040】
たとえば、ルールセットのルールのうち1つが満たされないために、妥当性検査がうまく進行しない場合、アプリケーションプログラムを適合させることができる。この適合は手動でも行うことができ、ソフトウェアモジュール7によって、アプリケーションモジュールおよび/またはそのリンクの配列を修正する可能性がユーザに提供される。この適合は、コンピュータ11の支援により行うこともできる。したがって、ソフトウェアモジュール7はスクリーン9上で、アプリケーションプログラムのどの局面がルールセットの違反を引き起こしているかを表示することができる。次いで、ユーザはこの時点で開始し、入力デバイスの支援によりコンピュータ支援の訂正を行うことができる。
【0041】
さらなる実施形態では、ソフトウェアモジュール7は、訂正についての提案を提供する。訂正についての提案を、たとえばグラフィカル手段によって示すことができる。これにより、手動の訂正がより容易になる。情報をテキストまたはオーディオ形式で出力させて、ユーザが自分のアプリケーションプログラムを訂正することをより容易にすることも可能である。
【0042】
訂正手順を、図4Cの実施例を参照することによって説明する。この実施例において使用されたルールセットは、実行されるすべてのプロセスステップが電子的に記録されなければならないことを規定する。ユーザが評価ユニット31.11とアプリケーションモジュール31.7の間のリンク41.5を用いて指定した、結果の単純な文書化は、十分ではない。したがって、図4Bによる、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムの妥当性検査はうまく進行しない。ソフトウェアモジュール7はこのときスクリーン9上の表示を変更して、ユーザにグラフィカルな支援を提供する。この実施例では、ソフトウェアモジュール7は、各アプリケーションモジュール31.4、31.8、31.12、31.2および31.1をアプリケーションモジュール31.7にリンクさせることを提案する。この提案は、点線の矢印42.1および42.2を表示することによって行われる。ユーザはこの提案された訂正を受け入れることも、あるいはさらに変更を行うこともできる。
【0043】
アプリケーションプログラムの適合の後、妥当性検査がコンピュータ11によって改めて実行される。
妥当性検査されていないアプリケーションプログラム50の妥当性検査51が成功裏に実行された場合(図5を参照)、ユーザによって定義されたアプリケーションプログラムを使用のためにリリースすることができる。このようなアプリケーションプログラムをここで、妥当性検査済アプリケーションプログラムとして示す。
【0044】
本発明によれば、重量測定器が妥当性検査済アプリケーションプログラム52のみを実行するべきであること、またはそうでなければ、曖昧でない指定により、好ましくは対応する記録を作成して、プログラムが妥当性検査されていないことを明らかにすることが、重要である。こうして、ルール準拠であるトータルシステムを作成することが可能である。
【0045】
アプリケーションプログラムを妥当性検査済アプリケーションプログラムとして指定する、様々な可能な方法がある。これを、フラグを設定するか、あるいは鍵を埋め込むことによって行うことができ、これを解釈する方法を、本発明による重量測定器は知っている。特に適切なものは、たとえば、Pretty Good Privacy(PGP)などの暗号化方法であり、ここではソフトウェアモジュール7は重量測定器の公開鍵を知っている。次いで、この鍵がソフトウェアモジュール7によって、妥当性検査済アプリケーションプログラムの暗号化のために使用される。重量測定器は、秘密のままである秘密鍵を有する。この秘密鍵により、重量測定器は、暗号化された妥当性検査済アプリケーションプログラムを解読し、次いでこれをステップ毎に実行することができる。
【0046】
ソフトウェアモジュール7をまた、妥当性検査が成功した場合にのみ機械可読形式への変換が行われるように、設計することもできる。この機械可読形式では、次いで妥当性検査済アプリケーションプログラムを重量測定器に転送することができる。この点についての「機械可読」は、重量測定器の(またはコンピュータの)プロセッサによって実行することができる、ある言語への変換が行われることを意味する。
【0047】
最初に述べたように、たとえば、タイトル21連邦規則集(CFR)パート11があり、これは米国で規則として、食品医薬品局(FDA)によって1997年に発行されたものである。21CFRパート11は、文書を電子的な形式で伝送するための規則、および、電子署名を法的拘束力のある形式において使用するための基準を定義する。21CFRは特に、製薬および保健産業に特に関する、優良臨床規範(GCP)、医薬品安全性試験実施基準(GLP)および優良製造規則(GMP)についての規則に関する。パート11は、FDAによって電子記録および電子署名に関連して規定された事項に関する。
【0048】
21CFRパート11を満足するシステムは、送信および格納にコストのかかる、紙の形式における通常の記録の代わりに、電子記録の使用および発行を可能にする。故意の操作および結果の変造の危険性も減る。データへの無許可のアクセスが防止され、対応する監査証跡が置かれる場合、記録を、それらの発信者まで遡って追跡することができる。
【0049】
21CFRパート11の満足を、重量測定器のみを用いて達成することはできない。会社または機関が21CFRパート11を完全に満足するために、電子記録を使用すること、および電子署名を導入することが重要である。実験または製造システム(本明細書ではトータルシステムと称する)において行われるすべてのプロセスが、21CFRパート11を十分に考慮に入れて、SOPにおいて規定されるべきである。部分的またはトータルシステムのすべてのユーザが、21CFRパート11の適用において十分にトレーニングされ、そのルールに従うことも必要である。
【0050】
重量測定器、および、その中で本発明によるこのような重量測定器が使用されるトータルシステムは共に、ルールセットによって規定されたルールを満足しなければならない。したがって、アプリケーションプログラムを作成するためのソフトウェアモジュール7は、妥当性検査においてルールセットを考慮して、妥当性検査済アプリケーションプログラムのみが使用されることを保証する。このような妥当性検査済アプリケーションプログラムは、ルール準拠(トータル)システムの第1のコンポーネントである。さらに、その上でアプリケーションプログラムが実行される重量測定器もルール準拠であることが重要である。
【0051】
その上で妥当性検査済アプリケーションプログラムが実行されるルール準拠の重量測定器は、それがそれだけで完備する場合、システムとしてルール準拠である。外側からの影響を回避するか、あるいは細部まで正確に規定して、操作を回避しなければならない。
【0052】
いくつかのサブシステムを有するトータルシステムでは、各サブシステム、これらのサブシステムの間の各接続、およびアプリケーションプログラムがルール準拠であるべきである。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、ルールセット60は、妥当性検査されていないアプリケーションプログラムの妥当性検査において使用され、これは、少なくとも以下の2つのルールモジュールを含む。すなわち、(1)電子記録61および(2)電子署名62であり、これらを図6に示す。ルールセット60はさらにルールモジュール63〜65を含むことができる。ルールセット60はソフトウェアモジュール7に、インターフェイス66を介して接続される。
【0054】
加えて、ルールセット60をナレッジベースによって増補することができ、妥当性検査が失敗した場合、ソフトウェアモジュール7によって訂正についての提案をユーザに行うために、ナレッジベースに問い合わせが行われる。
【0055】
ユーザの一意の識別および認証は、ルール準拠システムの重要なコンポーネントである。このようにしてのみ、ルール準拠システムを使用することができ、電子記録の生成、修正、格納および通信を安全にすることができる。またこのようにして、電子記録の保全性および機密性を規制することができる。
【0056】
本発明によれば、ルール準拠の重量測定器を使用する前のログインは、アプリケーションモジュールの1つであり、これは、アプリケーションプログラムの作成のための本質的な先行条件である。ログインアプリケーションモジュール31.4は、たとえば、ユーザ識別(ID)およびパスワード(PW)の入力を電子署名として規定することができる。ログインアプリケーションモジュール31.4の代わりに、ユーザが自分自身をシステムに対して識別できるようにするために、スマートカードまたはそのようなものをカードリーダにより使用することができる(アプリケーションモジュール31.5)。
【0057】
一実施形態では、ルールセットは、ユーザの管理についてのルールを含むことができる。この場合、様々なユーザについての情報を有するデータベースを設けることが通常である。ログインが試みられるとき、アプリケーションプログラムはこのデータベースにアクセスして、ログインを試みている人物がそうすることを許可されているかどうかを検証することができ、この人物がそのように許可されている場合、この人物がどのユーザのカテゴリに割り当てられるべきであるかを検証することができる。様々なカテゴリを指定することによって、ルール準拠システムを、無許可の介入に対して保護することができる。
【0058】
もう1つの実施形態では、妥当性検査済アプリケーションプログラムへの、あるいはルール準拠システムへの介入および/または修正が、ユーザが自分自身を電子署名によって(たとえば、IDおよびPWを入力することによって)識別する場合にのみ、可能にされる。この目的のため、介入および/または修正のために使用される専用アプリケーションモジュールを設けることができる。
【0059】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、いわゆる監査証跡アプリケーションモジュールが規定される。このモジュールの目的および目標は、安全な、コンピュータにより生成された、タイムスタンプ付きの検証証拠(監査証跡)を電子文書上で生成することである。このような監査証跡により、いかなるときにも、誰がいつ、どのようにルール準拠システムを使用したかを確証することが可能となる。また監査証跡を介入および/または修正に組み込んで、介入および/または修正をそれらの発生の後に再構築可能にすることもできる。
【0060】
本発明によれば、格納された電子文書の安全性および保全性が保証されなければならないアプリケーションがある。この目的のため、対応するデータベース・ルールモジュールを、ルールセットにおいて設けることができる。
【0061】
このデータベース・ルールモジュールは、たとえば、アプリケーションプログラムがコントロールするすべての重要なプロセスステップを専用データベースにおいて文書化しなければならないことを、規定することができる。アプリケーションモジュール31.7はこのようなモジュールである。すべてのステップが電子的形式において文書化され、データベースにおいてファイリングされる。データベースでは、これらを削除または変更することができない。ステップを記録する間に、監査証跡も置かれることが好ましい。
【0062】
本発明のさらなる実施形態では、セキュア通信リンクが、その上であるプロセスステップが本発明による妥当性検査済アプリケーションプログラムからの援助により実行される重量測定器と、データベースの間で必要とされる。セキュア通信リンクは、電子文書がたとえば天秤からデータベースに転送されている間に、それらの無許可の修正または置換が行われることを防止するために必要である。
【0063】
本発明の意味するセキュア通信リンクは、適用の分野およびルールセットにおける現在の規制に応じて、異なる形式を取ることができる。セキュア通信リンクのいくつかの実施例を、以下に記載する。
【0064】
・重量測定器とデータベースの間の通信のためのセキュア通信プロトコルの使用によって、通信をそれとして安全にすることができる。セキュア通信プロトコルは、伝送エラーの伝送を防止し、かつ/または外側からの操作に対して伝送を保護するプロトコルとして、定義される。
【0065】
・セキュア通信リンクはまた、各通信の前およびその間に、接続が不変であるかどうかについてチェックが行われることを意味することもできる。これらの処置は、重量測定器が電子文書化をすべてのステップにおいて実行し、ルールセットに従ってこれらの電子文書をデータベースの方向に送信するが、文書がデータベースに到着せず、したがって、通信リンクが中断されている/されたのでそこにファイリングすることができない状況を防止することを、援助することができる。
【0066】
・セキュア通信リンクはまた、重量測定器に一時メモリが装備されることを必要とすることもでき、通信リンクおよび/またはデータベースに問題が起こっている間、一時メモリに電子文書を保存することができる。一時メモリが満たされた場合、アプリケーションプログラムはすべてのステップの実行を中断して、ルールセットの違反の結果となる状況が起こらないようにするべきである。
【0067】
本発明のもう1つの実施形態では、電子文書56をファイリングするためのデータベース55が、図7のように中央管理に従属させられる。たとえば、このデータベース55が、認可された機関によってコントロールかつ管理されることが考えられる。天秤12からのこのようなデータベースへのデータの伝送は、セキュア通信リンク59(図7では、鍵の付いた灰色の両方向の矢印によって示す)を介して行うことができる。データがデータキャリア上に格納され、データキャリアが、データベース55を管理する機関に送られることによって、データが伝送されることも考えられる。ここでは、データをデータキャリアからデータベース55にコピーすることができる。このようなトータルシステムを図7に示す。入力デバイス8およびスクリーン9を有するコンピュータ11は、アプリケーションプログラム58を作成かつ妥当性検査するためのソフトウェアモジュール7を含む。さらに、図示の実施形態におけるコンピュータ11は、コントロールアプリケーション57を含む。コンピュータ11を、ネットワーク53およびネットワークインターフェイス54を介して、重量測定器12に接続させることができる。中央データベース55に、重量測定器12から、ネットワークインターフェイス54およびネットワーク53を介して到達することができる。アプリケーションプログラム58がコンピュータ11上に、ネットワーク53を介してロードされた後、アプリケーションプログラム58は様々なステップの実行をコントロールする。コントロールアプリケーション57は、ステップの実行および規定のルールセットへの準拠を監視する。
【0068】
本発明によるもう1つの実施形態では、トータルシステムがこのデータストアに、セキュアローカルデータストアおよびセキュアリンクを割り当てる。電子文書がこのデータストアにファイリングされると同時に、冗長な電子文書が同時にもう1つの(中央)データストアに伝送される。冗長な文書がそこで安全にファイリングされたとき、信号をローカルデータストアに送信して、そこで対応するデータを削除することができる。結果として、より新しいデータのためのスペースを作ることができる。
【0069】
本発明によれば、たとえば、方法は図4Cのようなプロセスステップにより進行することができる。この方法の目的は、外部または内部ネットワークインターフェイスおよびネットワーク15を介してコンピュータ11と通信するためにリンクさせることができる、周辺デバイスの有無にかかわらず、電子天秤4、12または14の自動使用のための手順を定義することである。指定されたプロセスステップの前、その間、またはその後に追加のステップを実行できることは、自明である。
【0070】
本発明のさらなる実施形態では、システムのネットワーク15は標準化バスである。この場合、標準の通信プロトコルを、ネットワークインターフェイスとコンピュータの間の通信のために使用することができる。これにより本発明の実施が容易になり、これは、標準のコンポーネントを(たとえばバスドライバとして)使用できるだけでなく、標準のソフトウェアも使用できるからである。イーサネットバスおよびIPベースのプロトコルを使用することが好ましい。バスを、ケーブルまたはガラスファイバにより、あるいはワイヤレスバスとして実現することができる。大変適切な方法は、たとえば、ブルートゥースによるワイヤレス接続、またはIEEE802.11b規格によるワイヤレスLANである。
【0071】
ネットワークインターフェイス13は、通信のセキュリティを保証する手段を含むことが好ましい。
本発明は特に、アプリケーションプログラムを用いて、プロセス・オペレーション、測定手順、または天秤上で実行される解析手順を定義するために適切である。この手順を、たとえば、開始キーが押された後に測定手順が開始する、インタラクティブな手順にすることができる。天秤12のディスプレイ16(図1を参照)上で、付随のテキストまたはピクトグラム(たとえば、音響および/または光信号によりサポートされたもの)を表示することができる。こうして、たとえば、ユーザに、表示テキストによって、検量される物質を天秤上に置くように促すことができる。
【0072】
本発明によれば、たとえば以下のデータを決定して出力することができる。すなわち、絶対重量、相対重量、温度、温度差、時間、日付、圧力、空気湿度などである。このデータのどれが実際に入手可能であるかは、使用中の天秤のタイプおよび装置、接続された周辺デバイスおよびそれらのセンサ、および使用中のアプリケーションプログラムによって決まることは、自明である。
【0073】
アプリケーションモジュールをある種類のテンプレート(サンプル)として提供できることが好ましい。次いで、ユーザは適切なテンプレートを選択し、テンプレートにより指定されるパラメータを表示させることができる。パラメータを手動で変更することができる。テンプレートがユーザの要件を満たすとき、次のアプリケーションモジュールを処理/適合させることができる。
【0074】
本発明のさらなる実施形態によれば、アプリケーションプログラムを、個々のモジュール(サブルーチン)から組み立てることができる。このようなモジュールのいくつかの実施例を以下に挙げる。このリストは請求項を完全にすることはなく、説明のためのものでしかない。
【0075】
・ドアを開く(天秤のドアが自動的に開かれる)、
・天秤に載せる(たとえば表示テキストとして、天秤に載せるようにプロンプトが与えられる)、
・「安定した重量を待機する」(これは、天秤が安定するまで待機するルーチンである)、
・風防を開くか、あるいは閉じる、
・リフトを上げるか、あるいは下げる、
・ボタンを定義する、
・テキストを表示する、
・表示を削除する、
・テキストをプリンタに出力する、
・テキストをコンピュータに送信する、
・ダイアログを開く、
・データフォーマットを定義する、
・その他。
【0076】
さらなる実施形態によれば、アプリケーションモジュールのいくつかについて、ある基本設定(デフォルト)が格納される。アプリケーションモジュールのアイコンをダブルクリックすることによって、これらの設定を表示して、必要な場合に変更できるようにすることができる。この実施形態では、これらのパラメータも妥当性検査中に検証して、ルールへの準拠を保証するようにするべきである。
【0077】
妥当性検査済アプリケーションプログラムの実行に、コントロールアプリケーション(たとえば、図7のコントロールアプリケーション57)を付随させることができる。コントロールアプリケーションはコンピュータ11にも、重量測定器4、12または14にも存在する。また、コントロールアプリケーションがコンピュータ2に存在し、これが重量測定器4に接続されることも考えられる。
【0078】
本発明によるコントロールプログラムは、以下の機能のうち1つまたは複数を有することができる。
・その上で妥当性検査済アプリケーションプログラムが実行される重量測定器が、仕様に対応するかどうかをチェックすること、
・重量測定器が使用のための準備ができているかどうかをチェックすること、
・ルールセットの規定に従って、個々のプロセスステップをそれらの実行について監視すること、
・プロセスの実行中に問題が起こった場合、緊急処置を開始かつ実行すること、
・問題が解決されるまで、プロセスを中断すること、
・問題が起こった場合、これらを文書化すること、など。
【0079】
コントロールアプリケーションおよびアプリケーションプログラムが互いに合致して、トラブルのない機能を保証することが好ましい。また、よい合致により、たとえば特に秤/天秤のための、かつ天秤に正確に合致したアプリケーションプログラムの使用により、天秤の全機能性を使用することができる。
【0080】
ユーザまたはカスタマは自分自身のアプリケーションを、プログラミングの特殊な知識なしに作成することができる。一旦定義され妥当性検査が行われた後、アプリケーションプログラムを保存して繰り返すことができる。
【0081】
図示かつ/または記載した実施形態のいかなる組み合わせも、これらの組み合わせが明示的に提示されない場合でも、本発明の範囲内に入る。すべての図における参照番号は、これらが常に詳細に説明されなくとも、常に同じ要素を示す。
【0082】
本発明のさらなる実施形態では、アプリケーションプログラムを作成するとき、ユーザがステップ毎に、選択リストを提供されることによって、あるいは、次に実行するためのステップがグラフィカル手段により強調表示されることによって、ガイドされる。
【0083】
本発明のさらなる実施形態では、アプリケーションプログラムの実行中の監視はまた、トータルシステムのネットワーク、および/または、たとえば周辺装置などの他のコンポーネントの監視も含む。
【0084】
本発明によれば、アプリケーションプログラムの作成は、時間系列、ループ(たとえば、あるプロセスステップの繰り返しのためのもの)およびパラメータを規定することができる方法で、行うことができる。この目的のため、本発明によるソフトウェアは、たとえば、メニューでコントロールされたインターフェイスおよびコマンドライン(コマンドプロンプト)を提供する。それを通じてデータまたは他の情報をインポートまたはエクスポートすることができるインターフェイスが存在する。
【0085】
したがって、たとえば、アプリケーションモジュールは、データを転送または準備するためのインターフェイスを有することができる。このようなインターフェイスが、このアプリケーションモジュールの各グラフィカル要素上にインターフェイスとしてグラフィカルに表現されることが好ましい。それぞれが1つのインターフェイスを有する2つのアプリケーションモジュールをリンクさせるとき、グラフィカルに表現されたインターフェイスを、たとえば、ポインティングデバイスを用いて、好ましくはコンピュータマウスを用いてリンクさせることができる。
【0086】
アプリケーションの作成に、たとえば、状況依存ヘルプ機能の形式におけるヘルプ機能を付随させることが好ましい。
さらなる実施形態では、インターフェイスが、共通して使用されるデータベース・フォーマット、ワークリストおよびスプレッドシートに提供される。
【0087】
本発明の利点は、大抵の複雑なアプリケーションでも、使いやすいドラッグ・アンド・ドロップの方法により作成できることである。本発明によるソフトウェアモジュール7の使用は直観的であり、学習しやすい。
【0088】
ソフトウェアモジュール7をモジュール式に構築することができ、さらなるアプリケーションモジュールをいつでもロードすることができ、あるいはより古いバージョンをより新しいリリースによって置き換えることができる。
【0089】
さらなる実施形態では、ルールセットは、標準の、あるいは、一般に標準として指定される事実上の標準の実施である。
本発明によれば、アプリケーションプログラムは、アプリケーションまたはアプレットの形式を取ることができる。
【0090】
本発明により、アプリケーションプログラムおよびそれらのコントロールの完全な定義が、重量測定器の実行中に可能となる。
標準手順を、その中でそれらが準備されるライブラリからロードすることができる。このような標準手順を、独自のアプリケーションを作成するために修正、あるいはこれに追加することができる。標準アプリケーションのライブラリをメーカによって入手可能にすることができ、あるいは、標準アプリケーションを重量測定器のユーザによって、あるいは、測定器が使用される会社または機関によって提供することができる。
【0091】
本発明により、ユーザは、すべての検量ステップを含む完全なアプリケーションを、単純なポイント・アンド・クリックのステップおよび対応するリンクにより作成することができる。各個々のアプリケーションモジュールを単純に追加、除去または置換することができる。
【0092】
本発明は、ラボラトリ情報管理システム(LIMS)またはこれらが使用される分野において、あるいは、すべてのステップおよびオペレーションを細部まで正確に文書化しなければならない製造環境において、特に有益である。
【0093】
本発明により、ユーザまたはオペレータは、すべてのステップが完全かつ正確に実行されること、およびこれらの実行が細部まで正確に電子的に文書化されることを保証することができる。
【0094】
本発明によれば、すべての入力および出力がソフトウェアでコントロールされることが好ましい。
本発明は、大変強力である、ある種類のプロセスエディタを使用可能にする。とりわけ、このプロセスエディタは、自動妥当性検査が実行されることを通じて特徴付けられる。
【0095】
本発明によれば、レポート構造を指定することができる。これは、たとえば、ルールセットの拡張を用いて行うことができる。レポート構造は、問題または特殊な状況がプロセス内に起こる場合に、レポーティングが行われるべきであるかどうか、いつ行われるべきか、何の形式において行われるべきかを定義することができる。たとえば、追加のシステムに通知されるか、あるいは監視員に知らされることを指定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明による第1のトータルシステムの図である。
【図2A】図2Aは、本発明による第1の方法の流れ図である。
【図2B】図2Bは、本発明による第1の方法の流れ図である。
【図3】本発明によるワークトップによる入力マスクの図である。
【図4A】図4Aは、本発明による図3のワークトップの図である。
【図4B】図4Bは、本発明による図3のワークトップの図である。
【図4C】図4Cは、本発明による図3のワークトップの図である。
【図5】本発明による方法の態様の図である。
【図6】本発明によるルールのセットの図である。
【図7】本発明による第2のトータルシステムの図である。
【符号の説明】
【0097】
2、11 コンピュータ
4、12、14 重量測定器
7 ソフトウェアモジュール
8 入力デバイス
9 表示デバイス
13、54 ネットワークインターフェイス
15、53 ネットワーク
31.1〜31.12 アプリケーションモジュール
41.1〜41.8 リンク
50、52、58 アプリケーションプログラム
55 データベース
56 電子文書
57 コントロールアプリケーション
59 セキュア通信リンク
60 ルールセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータへの通信を確立するためのインターフェイスと、
アプリケーションプログラムを格納するためのメモリと、
前記アプリケーションプログラムを実行するためのプロセッサと、
前記コンピュータをして、
i.前記アプリケーションプログラムの実行を監視し、
ii.前記アプリケーションプログラムの実行中に、当該アプリケーションプログラムの実行が規定のルールセットに従って行われているかどうかを検証し、および
iii.前記規定のルールセットに対するルール違反、または前記規定のルールセットへの非準拠が検出された場合、前記アプリケーションプログラムの実行を中断させる手段と、
を有する重量測定器。
【請求項2】
前記規定のルールセットを満足するアプリケーションプログラムのみが実行可能であり、かつ/または、前記アプリケーションプログラムがコンピュータによって使用のためにリリースされることを保証する、妥当性検査手段を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の重量測定器。
【請求項3】
前記アプリケーションプログラムがアプリケーションまたはアプレットの形式を取ることを特徴とする、請求項1に記載の重量測定器。
【請求項4】
前記アプリケーションプログラムが、重量測定器上で実行することができる測定プロセスとして定義されることを特徴とする、請求項1に記載の重量測定器。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−92488(P2010−92488A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247649(P2009−247649)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【分割の表示】特願2003−162177(P2003−162177)の分割
【原出願日】平成15年6月6日(2003.6.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】