説明

アプリケーション配信システム

【課題】携帯情報端末がMFPの所望機能を使用できるアプリを有しない場合、MFP側のストレージ・リソース負担を抑えつつアプリを携帯情報端末に対し簡単操作で配信する。
【解決手段】画像形成装置は、提供可能な機能の一覧情報と、アプリの識別子とを対応付けて記憶した記憶手段と、情報端末に対し一覧情報と識別子とを提供する一覧情報提供手段とを有し、情報端末は、一覧情報と識別子とを取得する一覧情報取得手段と、一覧情報を表示する表示手段と、一覧情報から選択された機能のアプリの有無を判定する判定手段と、アプリ配信要求を送信する配信要求手段とを有し、アプリ配信サーバは、アプリ・プログラムと識別子とを対応付けて記憶しアプリ・プログラムをバージョン毎に記憶した記憶手段と、アプリ配信要求を受信する配信要求受信手段と、アプリの識別子と端末情報に基づき情報端末に適合するバージョンのアプリ・プログラムを配信する配信手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コピー、スキャナ、プリンタ、ファックスなどの複数の機能を一つの筐体内に収納した画像形成装置が知られている。現在の画像形成装置(MFP:Multi-Function Peripheral;以下MFPという)は、CPUの性能向上、メモリの大容量化、通信技術の高速化及びデジタル画像技術の高度化等、MFPに関連する技術の進化に伴い、単にデジタル複写機としての機能だけでなく、例えば、ネットワークやファクシミリ等で画像や文書などのデータの送受信を可能とし、ユーザ環境において様々な利用形態や機能を提供するものである。
【0003】
通常の場合、MFPは操作パネルを備えており、ユーザは操作パネルをタッチ操作するなどしてMFPを使用するが、近年、多機能携帯電話やタブレットデバイスなどの携帯情報端末が広く普及し、これに伴い携帯情報端末の無線機能を利用し、操作パネルに代え携帯情報端末でMFPを操作したいという要請がある。
【0004】
携帯情報端末からMFP(又はその他オフィス向け機器)を操作するためには、携帯情報端末側に搭載したブラウザアプリケーションやその他のアプリケーションから、Webサーバ機能或いはWeb対応API(Application Program Interface)を搭載したMFPに対しアクセスすることで実現可能となる。但し携帯情報端末が使いたいMFPと無線接続しても、携帯情報端末側にそのMFPの機能を使用するアプリケーション・プログラム(ソフトウエア)がなければその機能を使用できないので、予めMFPの機能を携帯情報端末から利用するためのアプリケーション・プログラムを携帯情報端末側にインストールしておく必要がある。
【0005】
ここで、MFPの全ての機能を使用できる完全版アプリケーションを携帯情報端末側に予めインストールしておけば、それ以降、携帯情報端末からMFPの全機能を使用できるものの、概して全機能を完全に使用するユーザは少なく、ほんの一部の使用したい機能のために完全版アプリケーションをインストールすることは、小型の携帯情報端末にとっては負担がかかる。とはいうものの、携帯情報端末がMFPと無線接続し、携帯情報端末側にこれから使用したい機能のアプリケーションがない場合には、都度その機能を使用できるアプリケーションをインストールすることになるが、MFPの機能に対してその機能を使用できる適切なアプリケーションを選択しなければならないので、ユーザにとってこの作業は煩雑である。
【0006】
これに関する技術として、例えば特許文献1には、画像処理装置と携帯端末とを備える画像処理システムにおいて、画像処理装置からアプリケーションをジョブ単位で携帯端末に送信し、携帯端末はそのアプリケーションを使用して画像処理装置を操作(例えばジョブの内容変更等)することが記載されている。これにより例えば、携帯端末が画像処理装置からエラー通知を受けたとき、携帯端末は画像処理装置からエラー解除の操作を行うためのアプリケーションをインストールし、画像処理装置の前に行かなくとも、無線通信を介して画像処理装置に接続し、エラー解除の操作を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の発明のようにMFPが携帯端末に対しアプリケーションを送信(配信)する場合、MFP側でアプリケーションを保持しておく必要がある。上述の如く近年のMFPは多機能化が進み、その機能を使用するためのアプリケーションは非常に多岐に渡る。従って限られたリソースしか持たないMFPに携帯情報端末向けの多様なアプリケーションを保持しておくとなると、MFP側のストレージデバイスのコストアップを招いたり、その分蓄積可能な文書量が低下するなどという問題があった。
【0008】
本発明では上記のような問題に鑑みて、携帯情報端末がMFPの所望の機能を使用できるアプリケーションを有しない場合、MFP側のストレージ・リソースの負担を抑えつつも、携帯情報端末に対し、ユーザが所望するアプリケーションを簡単な操作で配信できるアプリケーション配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係るアプリケーション配信システムは、画像形成装置と、画像形成装置を操作する情報端末と、画像形成装置を操作するためのアプリケーション・プログラムを情報端末に対し配信するアプリケーション配信サーバとがネットワークを介し接続されたアプリケーション配信システムであって、画像形成装置は、自装置が提供可能な機能の一覧情報と、前記機能を情報端末が使用するに必要なアプリケーションの識別子とを対応付けて記憶した記憶手段と、情報端末に対し、前記一覧情報と前記識別子とを提供する一覧情報提供手段と、を有し、情報端末は、画像形成装置から前記一覧情報と前記識別子とを取得する一覧情報取得手段と、前記一覧情報を表示する表示手段と、ユーザにより前記一覧情報の中から所望の機能が選択されると、選択された機能に対応付けられた識別子により特定されるアプリケーションのプログラムを情報端末が有するか否かを判定する判定手段と、前記アプリケーションのプログラムを情報端末が有しないと判定されたとき、前記アプリケーション配信サーバに対し、該アプリケーションの識別子と自端末の端末情報とを含むアプリケーション配信要求を送信する配信要求手段と、
を有し、アプリケーション配信サーバは、アプリケーション・プログラムと該アプリケーションの識別子とを対応付けて記憶するとともに、アプリケーション・プログラムをバージョン毎に記憶した記憶手段と、情報端末から前記アプリケーション配信要求を受信する配信要求受信手段と、前記アプリケーション配信要求に含まれる前記アプリケーションの識別子と前記端末情報とに基づき、前記情報端末に適合するバージョンのアプリケーション・プログラムを配信する配信手段と、を有する。
【0010】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯情報端末がMFPの所望の機能を使用できるアプリケーションを有しない場合、MFP側のストレージ・リソースの負担を抑えつつも、携帯情報端末に対し、ユーザが所望するアプリケーションを簡単な操作で配信できるアプリケーション配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のネットワーク構成図(その1)である。
【図2】本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のハードウェア構成の一例を示す。
【図3】本実施形態に係るMFP10、携帯情報端末20及びアプリケーション配信サーバ30の機能ブロック図の一例を示す。
【図4】本実施形態に係るアプリケーション機能リストの一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るアプリケーション・プログラムリストの一例を示す図である。
【図6】MFP10、携帯情報端末20、アプリケーション配信サーバ30間のアプリケーション配信処理を説明するフローチャートである。
【図7】携帯情報端末20の表示画面例(その1)を示す。
【図8】本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のネットワーク構成図(その2)である。
【図9】複数のMFPそれぞれが自身の機器情報、アプリケーション機能リストを送信する図を示す。
【図10】携帯情報端末20の表示画面例(その2)を示す。
【図11】携帯情報端末20の表示画面例(その3)を示す。
【図12】携帯情報端末20の表示画面例(その4)を示す。
【図13】携帯情報端末20の表示画面例(その5)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0014】
[概要]
本実施形態に係るアプリケーション配信システムは、MFP、携帯情報端末、アプリケーション配信サーバを含み構成される。携帯情報端末がMFPと接続した際、MFPは携帯情報端末上対応可能なアプリケーションリストを携帯情報端末に送信する。ユーザは携帯情報端末で受信したアプリケーションリストの情報を元に、使用したい所望の機能を選択すると、アプリケーション配信サーバから携帯情報端末に対し、その機能を使用できるアプリケーションが配信される。そして携帯情報端末は、配信されたアプリケーションを自端末にインストールすることにより、例えば無線通信を介してMFPに再度接続し、携帯情報端末からMFPの所望の機能を使用できるようになっている。以下詳しく説明する。
【0015】
[システム構成]
(ネットワーク構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたっての全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のネットワーク構成図(その1)である。図に示されるようにアプリケーション配信システム100は、MFP10、携帯情報端末20、アプリケーション配信サーバ30、無線LANアクセスポイント40が、LAN50及びWAN60などのネットワークを介して接続されている。
【0016】
MFP10は、上述の如くコピー、スキャナ、プリンタ、ファックスなどの複数の機能を一つの筐体内に収納した画像形成装置である。MFP10はLAN50内に複数台存在してもよい(MFP10−2等)。携帯情報端末20は、例えば多機能携帯電話やタブレットデバイス、PDA、ノートPC等々の携帯情報端末である。携帯情報端末20は無線LANアクセスポイント40と無線接続することで、LAN50の一員としてネットワークを形成している。
【0017】
アプリケーション配信サーバ30は、例えばインターネット網等のWAN60に接続され設置される。LAN50のネットワークとWAN60のネットワークは接続されており相互通信が可能である。
【0018】
なお本実施形態においては、携帯情報端末20は無線LAN通信を行うものとしているが、携帯情報端末20の通信については、Wi−FI(wireless fidelity)などのPC向けの無線規格ではなくとも、例えば携帯電話通信網を介した通信でもよく、この場合、携帯情報端末20がLAN50のネットワークとWAN60のネットワークと接続できればよい。
【0019】
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、本実施形態に係るアプリケーション配信システム100のハードウェア構成の一例を示す。
【0020】
MFP10は、装置全体動作を司るシステムコントローラ11、原稿画像を読み取ってデータ化するスキャナユニット12、印字データを紙に出力するプロッタユニット13、操作指示の受付及び情報を表示する操作パネル14からなる。またMFP10のシステムコントローラ11は、機器内部の情報を管理し制御するCPU15を備え、システムコントローラ用CPU制御プログラムとワークデータ格納用のROM/RAM16、システムコントローラ用CPUプログラムと画像データ格納用HDD17、LAN50へ接続される有線通信用I/F(Interface)18、スキャナユニット12とのインターフェースであるスキャナI/F12−2、プロッタユニット13とのインターフェースであるプロッタI/F13−2、操作パネル14とのインターフェースである操作パネルI/F14−2を備えている。
【0021】
携帯情報端末20は、端末内部の情報を管理し制御するとともにアプリケーションを実行するCPU21、無線LANアクセスポイント40と無線通信を行う無線通信用I/F22、CPU制御プログラムとワークデータを格納するROM/RAM23、MFP10の機能を使用するためのアプリケーションなどを格納するHDD24、操作指示の受付及び情報を表示する操作パネル25を備えている。
【0022】
アプリケーション配信サーバ30は、要求受付とアプリケーション・プログラム(ソフトウェア)の配布処理を実行するCPU31、WAN60へ接続される有線通信用I/F32、CPU制御プログラムとワークデータを格納するROM/RAM33、携帯情報端末20へ配信するアプリケーション・プログラムなどを格納する記憶装置34を備えている。
【0023】
無線LANアクセスポイント40は、無線通信用I/F及び有線通信用I/F(非図示)を備え、無線及び有線のプロトコル変換を行うことにより、LAN50内の無線及び有線を仲介する役割を担う。
【0024】
(機能)
次に、本実施形態に係るMFP10、携帯情報端末20及びアプリケーション配信サーバ30の主要機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係るMFP10、携帯情報端末20及びアプリケーション配信サーバ30の機能ブロック図の一例を示す。
【0025】
・MFP10
まずMFP10は、主要な機能として、記憶部101、一覧情報提供部102を有している。
【0026】
記憶部101は、自装置が提供可能な機能の一覧情報(後述のアプリケーション機能リストをいう)と、機能を情報端末が使用するに必要なアプリケーションの識別子とを対応付けて予め格納する。例えば上述のHDD17等により実現される。
【0027】
一覧情報提供部102は、携帯情報端末20に対し、自装置が提供可能な機能の一覧情報をアプリケーションの識別子とともに提供する。
【0028】
なおMFP10は画像形成装置であるので、図に示される機能部のほか、画像形成装置であれば当然に備える機能等々を含め、様々な機能を備えることはいうまでもない。
【0029】
・携帯情報端末20
次に携帯情報端末20は、主要な機能として、記憶部201、一覧情報取得部202、表示部203、判定部204、配信要求部205、インストール部206を有している。
【0030】
記憶部201は、携帯情報端末20にインストールされているアプリケーション・プログラム等を記憶する機能部である。例えば上述のHDD24等により実現される。ユーザが携帯情報端末20を操作して、MFP10上の所望の機能を使用するためには、その機能に対応したアプリケーション・プログラムのインストールが必要である。
【0031】
一覧情報取得部202は、MFP10が提供可能な機能の一覧情報をアプリケーションの識別子とともに取得する。
【0032】
表示部203は、取得したMFP10が提供可能な機能の一覧情報を表示する。例えば上述の操作パネル25等により実現され、これによりユーザはMFP10が提供可能な機能の一覧情報を視覚的に認識する。
【0033】
判定部204は、ユーザの操作パネル25からの操作により、MFP10が提供可能な機能の一覧情報の中から所望の機能が選択されると、選択された機能に対応付けられた識別子により特定されるアプリケーションのプログラムを携帯情報端末20が有するか否かを判定する。つまり記憶部201において、ユーザ所望の機能を使用できるアプリケーションのプログラムが携帯情報端末20に既にインストールされているか否かを判定する。
【0034】
配信要求部205は、アプリケーションのプログラムを携帯情報端末20が有しないと判定されたとき、アプリケーション配信サーバ30に対し、そのアプリケーションの識別子と自端末の端末情報(OS種別、OSバージョン、画面サイズ、処理能力等々)とを含むアプリケーション配信要求を送信する。即ちユーザ所望の機能を使用するためのアプリケーション・プログラムの配信を要求する。インストールされていない場合、ユーザ所望の機能を使用するためには、そのアプリケーション・プログラムが必要だからである。
【0035】
インストール部206は、配信要求によりアプリケーション配信サーバ30から配信されたアプリケーション・プログラムをインストールする。所望の機能を使用するためには、そのアプリケーション・プログラムのインストールが必要だからである。
【0036】
・アプリケーション配信サーバ30
次にアプリケーション配信サーバ30は、主要な機能として、記憶部301、配信要求受信部302、配信部303を有している。
【0037】
記憶部301は、携帯情報端末20へ配信するためのアプリケーション・プログラムを予め格納する。例えば上述の記憶装置34等により実現される。携帯情報端末20へ配信するアプリケーション・プログラムは、MFP10が提供する機能を使用するもの毎に複数格納されており、また同一アプリケーション・プログラムであっても複数のバージョンのものが格納される。また後述のアプリケーション・プログラムリストが保持されている。
【0038】
配信要求受信部302は、携帯情報端末20からアプリケーション配信要求を受信する。この配信要求を受けて、配信部303は携帯情報端末20に対しアプリケーション・プログラムを配信する。
【0039】
配信部303は、携帯情報端末20からのアプリケーション配信要求を受けて、その携帯情報端末20に適合するバージョンのアプリケーション・プログラムを配信する。具体的には、後述のアプリケーション・プログラムリストを参照のうえ、アプリケーションの識別子、携帯端末情報(OS種別、OSバージョン、画面サイズ、処理能力等々)に基づき、携帯情報端末20に適合するバージョンのアプリケーション・プログラムを配信するが、この点詳細は後述する。
【0040】
以上これらの機能は、実際にはMFP10、携帯情報端末20及びアプリケーション配信サーバ30の各CPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。
【0041】
(アプリケーション機能リスト)
図4は、本実施形態に係るアプリケーション機能リストの一例を示す図である。アプリケーション機能リストは、MFP10が提供可能な機能の一覧情報であり、上述の如くMFP10の記憶部101に予め格納しておく。
【0042】
具体的にアプリケーション機能リストは、MFP10が提供可能な機能毎に「機能名」、「機能説明」、「アプリケーション名」、「ID」、「最新ver」等の情報項目を保持する。
【0043】
「機能名」は、MFP10が提供可能な機能名を示す。例えば、MFP10は提供可能な機能の1つとして「スキャンtoクラウド」という名称の機能を有する。
【0044】
「機能説明」は、MFP10が提供可能な機能名に対し、その機能説明を示す。例えば、MFP10は提供可能な機能の1つとして「スキャンtoクラウド」という名称の機能を有するが、この機能説明は「スキャンしたデータをクラウドサーバへ自動的に蓄積させる機能です。」となっている。機能説明は機能名とともにユーザの携帯情報端末20に表示させるので、ユーザはその機能内容を認識できる。
【0045】
「アプリケーション名」は、MFP10が提供可能な機能名に対し、その機能を携帯情報端末20が使用するためのアプリケーション名を示す。例えば、MFP10は提供可能な機能の1つである「スキャンtoクラウド」という名称の機能を使用する必要なアプリケーション(名)は、「スキャンアプリ001」である。つまり携帯情報端末20が「スキャンtoクラウド」という名称の機能を使用するには、「スキャンアプリ001」というプリケーションのプログラムをインストールしている必要がある。
【0046】
「ID」は、アプリケーション名に対し、そのアプリケーションを特定(識別)するための識別子である。アプリケーション名毎に一意に振られるので、異なるアプリケーション名同士で重複することはない。
【0047】
「最新ver」は、そのアプリケーション名(又はID)のアプリケーション・プログラムの最新のバージョン番号を示す。例えば、「スキャンアプリ001」のアプリケーション・プログラムの最新バージョンは「1.00」である。
【0048】
以上、アプリケーション機能リストは、上述の如くMFP10の記憶部101に格納されるが、このリストはMFP10導入時(工場出荷時)に予め搭載されている。またMFP10導入の後、アプリケーション・プログラムの新規追加やバージョンアップ等に伴ってアップデートするようにする。
【0049】
(アプリケーション・プログラムリスト)
図5は、本実施形態に係るアプリケーション・プログラムリストの一例を示す図である。アプリケーション・プログラムリストは、アプリケーションの識別子、携帯端末情報(OS種別、OSバージョン、画面サイズ、処理能力等々)に基づき、携帯情報端末20に配信するアプリケーション・プログラムを特定させるリストである。本実施形態においては、要求された機能を使用できるアプリケーション・プログラムを配信する際、このリストを参照し、配信先の携帯情報端末20に適合するアプリケーション・プログラムを配信する。上述の如くアプリケーション配信サーバ30の記憶部301に予め格納しておく。
【0050】
具体的にアプリケーション・プログラムリストは、MFP10が提供可能な機能毎に「アプリケーション名」、「ID」、「ver」、「OS種類/ver」、「画面サイズ」、「処理性能」、「アプリケーション・プログラム」等の情報項目を保持する。
【0051】
「アプリケーション名」は、携帯情報端末20がMFP10使用するためのアプリケーション名を示す。また「ID」は、アプリケーション名に対し、そのアプリケーションを特定(識別)するための識別子である。図4の「アプリケーション名」、「ID」と対応している。
【0052】
「ver」は、そのアプリケーション名(又はID)のアプリケーション・プログラムのバージョン番号を示す。例えば、「スキャンアプリ001」のアプリケーション・プログラムは、「1.00」のみがある。「カスタマイズアプリA」のアプリケーション・プログラムは、「1.00」、「1.02」がある。なお慣例通り最新は数字が最上位のものと扱うので、この場合「1.02」が最新バージョンとなる。
【0053】
「OS種類/ver」は、携帯情報端末20のOS(Operating System)の種類と、OSのバージョンを示す。そのアプリケーション・プログラムを携帯情報端末20にインストールするにあたりプログラムの端末適合性を考慮するもので、携帯情報端末20のOSの種類とOSのバージョンに応じて、そのOSとバージョンに適合したアプリケーション・プログラムを配信するための情報として使用する。
【0054】
「画面サイズ」は、携帯情報端末20の画面サイズを示す。同様にプログラムの端末適合性を考慮するもので、携帯情報端末20の画面サイズに応じて、その画面サイズに適合したアプリケーション・プログラムを配信するための情報として使用する。
【0055】
「処理性能」は、携帯情報端末20の処理性能を示す。同様にプログラムの端末適合性を考慮するもので、携帯情報端末20の処理性能に応じて、その処理性能に適合したアプリケーション・プログラムを配信するための情報として使用する。
【0056】
「アプリケーション・プログラム」は、アプリケーション・プログラムの実体を示す。例えば、スキャンアプリ001のver1.00であって、携帯情報端末20の「OS種類/ver」はxS 1.x、「画面サイズ」は標準、「処理性能」は標準であるとき、携帯情報端末20に対し配信する「アプリケーション・プログラム」は、「\server/S001/app_1.00_xOS 1.x_s_s.exe」である。つまりアプリケーション・プログラムは、アプリケーション毎に複数バージョンが用意され、携帯情報端末20の端末情報毎にも複数用意されており、これらパラメータが決まれば、配信するアプリケーション・プログラム(実体)も一意に決まることになる。
【0057】
以上、アプリケーション・プログラムリストは、上述の如くアプリケーション配信サーバ30の記憶部301に格納されるが、このリストはアプリケーション・プログラムの新規追加やバージョンアップ等に伴ってアップデートするようにする。
【0058】
[情報処理1]
本実施形態に係るアプリケーション配信システム100の情報処理1について以下説明する。図6は、MFP10、携帯情報端末20、アプリケーション配信サーバ30間のアプリケーション配信処理を説明するフローチャートである。
【0059】
S1:まずユーザ操作により携帯情報端末20は、無線LANの接続が確立のうえ、同一ネットワーク上のLAN50に接続されているMFPを探索するアプリケーションを起動する。携帯情報端末20はこの探索アプリケーションを事前に搭載しておくものとする。
【0060】
S2:携帯情報端末20は、MFPを探索するアプリケーションにて、同一ネットワーク上のLAN50に接続され、アクセス可能なMFPを探索(検出)し、そのMFPへ接続する。ここでは、MFP10が探索され接続されたものとする。なおこの接続は、S3でMFP10が携帯情報端末20に対しアプリケーション機能リストを送信(提供)するためのトリガーであるので、少なくとも接続先のMFP10が携帯情報端末20(例えばアドレス等)を認識する限りでよい。
【0061】
S3:MFP10(一覧情報提供部102)は、携帯情報端末20に対し、自身の機器情報(例えば機器名、アドレス等)、上述のアプリケーション機能リストを送信(提供)する。
【0062】
S4:携帯情報端末20(一覧情報取得部202)は、機器情報、アプリケーション機能リストを取得する。そして携帯情報端末20(表示部203)は、MFP10が提供可能な機能の一覧情報を表示する。
【0063】
図7は、携帯情報端末20の表示画面例(その1)を示す。機器情報(MFP10)、アプリケーション機能リストのうち「機能名」、「機能説明」が携帯情報端末20の表示画面に表示されるので、ユーザはMFP10が提供可能な機能の一覧情報を視覚的に認識できる。
【0064】
S5:携帯情報端末20の画面上、ユーザのタッチ操作等により使用したい機能が選択されると、携帯情報端末20(判定部204)は、選択された機能に対応付けられた識別子により特定されるアプリケーションのプログラムを携帯情報端末20が有するか否かを判定する。つまり記憶部201において、ユーザ所望の機能を使用できるアプリケーションのプログラムが携帯情報端末20に既にインストールされているか否かを判定する。
【0065】
ここでは例えば、画面上の「スキャンtoクラウド」がタッチ操作されたものとする。また携帯情報端末20には「スキャンアプリ001」のアプリケーション・プログラムがインストールされていないものとする。判定部204は、「スキャンtoクラウド」が選択されると、アプリケーション機能リストから対応する「アプリケーション名」:スキャンアプリ001(又は「ID」:S001)を取得し、記憶部201において、同一アプリケーション名(又は同一ID)のアプリケーションのプログラムが携帯情報端末20に既にインストールされているか否かを判定し、ここでは判定結果として、インストールされていないとの判定を行う。なおインストールされている場合にはS9へ進めばよい。
【0066】
S6:携帯情報端末20(配信要求部205)は、アプリケーションのプログラムを携帯情報端末20が有しないと判定されたとき、アプリケーション配信サーバ30に対し、そのアプリケーションの識別子と自端末の端末情報(OS種別、OSバージョン、画面サイズ、処理能力等々)とを含むアプリケーション配信要求を送信する。即ちユーザ所望の機能を使用するためのアプリケーション・プログラムの配信を要求する。
【0067】
ここで、配信要求部205はアプリケーション配信要求において、そのアプリケーションの識別子と自端末の端末情報を含めて送信するが、ここでは例えば、「スキャンアプリ001」のアプリケーション・プログラムの配信を要求するので、アプリケーションの識別子として、「アプリケーション名」:スキャンアプリ001(又は「ID」:S001)を含める。また自端末の端末情報として、「OS種別」:xOS、OSバージョン:1.x、画面サイズ:標準、処理能力:標準を含めて送信する。
【0068】
なお携帯情報端末20は、アプリケーション配信要求を行うにあたって、アプリケーション配信サーバ30のアドレス(例えばWAN60上のIPアドレス)を認識している必要がある。このプリケーション配信サーバ30のアドレスは、勿論携帯情報端末20が予め保持しておいてもよいが、アプリケーション機能リストにプリケーション配信サーバ30のアドレスを付加(記載)しておけば、携帯情報端末20はアプリケーション機能リストを取得したと同時にアプリケーション配信要求先を認識することができる。
【0069】
S7:アプリケーション配信サーバ30(配信要求受信部302)は、携帯情報端末20からアプリケーション配信要求を受信する。そしてアプリケーション配信サーバ30(配信部303)は、この配信要求を受けて、携帯情報端末20に対しアプリケーション・プログラムを配信する。具体的に、アプリケーション・プログラムリストを参照のうえ、アプリケーションの識別子、携帯端末情報(OS種別、OSバージョン、画面サイズ、処理能力等々)に基づき、携帯情報端末20に適合するバージョン(但し最新のバージョン)のアプリケーション・プログラムを決定し配信する。
【0070】
ここでは例えば、「アプリケーション名」:スキャンアプリ001(又は「ID」:S001)、端末情報(「OS種別」:xOS、OSバージョン:1.x、画面サイズ:標準、処理能力:標準)なる配信要求を受信している。図5のアプリケーション・プログラムリストを参照すると、この条件に合致するアプリケーション・プログラムは、「\server/S001/app_1.00_xOS 1.x_s_s.exe」である(一行目)。従って配信要求受信部302は、携帯情報端末20に適合するアプリケーション・プログラムは「\server/S001/app_1.00_xOS 1.x_s_s.exe」であると決定し、これを携帯情報端末20に配信する。
【0071】
なお「スキャンアプリ001」の場合、アプリケーション・プログラムのバージョンは1.00のみであるので必然的に1.00のものが配信されるが、仮にこれ以上最新のバージョンのものがあればそちらが優先的に配信される。従って例えば「カスタマイズアプリA」の場合には、アプリケーション・プログラムのバージョンは1.00、1.02があるので、携帯情報端末20から特段のバージョン指定等がない限り、最新のバージョンである1.02が配信される。
【0072】
S8:携帯情報端末20(インストール部206)は、配信要求によりアプリケーション配信サーバ30から配信されたアプリケーション・プログラムを受信すると、これをインストールする。所望の機能を使用するためには、そのアプリケーション・プログラムのインストールが必要だからである。ここでは例えば、アプリケーション・プログラムは「\server/S001/app_1.00_xOS 1.x_s_s.exe」を受信しているので、これをインストールする。
【0073】
S9:携帯情報端末20は、このアプリケーション起動させてMFP10に接続を行い、この機能を使用することが可能となる。具体的に例えば、これ以降、「スキャンアプリ001」のアプリケーション・プログラムがインストールされたので、携帯情報端末20はこのアプリケーションを起動させてMFP10に接続を行い、「スキャンtoクラウド」の機能を使用することが可能となる。つまり、携帯情報端末20から無線LANを介して遠隔操作により、MFP10でスキャンしたデータをクラウドサーバへ自動的に蓄積させる操作を行うことができる。
【0074】
以上のように本実施形態に係るアプリケーション配信システム100においては、携帯情報端末20がMFP10の所望の機能を使用できるアプリケーションを有しない場合であっても、画面上から所望の機能を選択する簡単な操作でアプリケーション・プログラムを取得でき、そのアプリケーションによってMFP10の所望の機能を使用できる。またアプリケーション・プログラムは、アプリケーション配信サーバ30から配信されるので、MFP10はアプリケーション機能リストのみを保持すればよく、MFP10側のストレージ・リソースの負担を抑えつつも、携帯情報端末20に対し、ユーザが所望するアプリケーションを簡単な操作で配信することが可能となる。
【0075】
(変形例)
ここで変形例を説明する。上述のS5においては、携帯情報端末20(判定部204)は、記憶部201において、ユーザ所望の機能を使用できるアプリケーションのプログラムが携帯情報端末20に既にインストールされているか否かを判定した。本変形例では、携帯情報端末20において、このアプリケーション自体はインストールされているが、このインストールされているアプリケーションのバージョンが古い場合(最新バージョンではない場合)、最新バージョンをダウンロードするようにする。本変形例では、図6の以下S5〜S7について説明する(他のステップは同様である)。
【0076】
S5:今度は例えば、図5の画面上の「業務支援機能A」がタッチ操作されたものとする。また携帯情報端末20には「カスタマイズアプリA」のアプリケーション・プログラムはインストールされているものの、そのバージョンは1.00であるものとする。判定部204は、「業務支援機能A」が選択されると、アプリケーション機能リストから対応する「アプリケーション名」:カスタマイズアプリA(又は「ID」:C001)、及び「最新ver」:1.02を取得し、記憶部201において、同一アプリケーション名(又は同一ID)のアプリケーションであって、そのバージョンが1.02以上のプログラムが携帯情報端末20に既にインストールされているか否かを判定し、ここでは判定結果として、インストールされていないとの判定を行う。
【0077】
S6:携帯情報端末20(配信要求部205)は、アプリケーション配信要求において、そのアプリケーションの識別子と自端末の端末情報を含めてアプリケーション配信要求を送信する。ここでは例えば、「カスタマイズアプリA」のアプリケーション・プログラムの配信を要求するので、上述と同様、アプリケーションの識別子として、「アプリケーション名」:カスタマイズアプリA(又は「ID」:C001)を含める。また自端末の端末情報として、「OS種別」:xOS、OSバージョン:1.x、画面サイズ:標準、処理能力:標準を含めて送信する。
【0078】
S7:アプリケーション配信サーバ30(配信要求受信部302)は、携帯情報端末20から、例えば「アプリケーション名」:カスタマイズアプリA(又は「ID」:C001)、端末情報(「OS種別」:xOS、OSバージョン:2.x、画面サイズ:標準、処理能力:標準)なる配信要求を受信している。図5のアプリケーション・プログラムリストを参照すると、この条件に合致するアプリケーション・プログラムは、「\server/C001/app_1.02_xOS 2.x_s_s.exe」である従って配信要求受信部302は、携帯情報端末20に適合するアプリケーション・プログラムは「\server/C001/app_1.02_xOS 2.x_s_s.exe」であると決定し、これを携帯情報端末20に配信する。上述の如く配信要求受信部302は、「カスタマイズアプリA」の場合、アプリケーション・プログラムのバージョンは1.00、1.02があるので、携帯情報端末20から特段のバージョン指定等がない限り、最新のバージョンである1.02が配信される。
【0079】
以上、携帯情報端末20は、「カスタマイズアプリA」(ver1.00)自体はインストールされているが、このアプリケーションのバージョンは最新バージョンではないため、最新バージョンの「カスタマイズアプリA」(ver1.02)をダウンロードすることができる。
【0080】
[情報処理2]
本実施形態に係るアプリケーション配信システム100の情報処理2について以下説明する。上述の情報処理1では、LAN50上にMFP10が1台のみ探索され接続されていたものとして説明したが、本情報処理1においては、前提としてLAN50上にMFP10−1、MFP10−2、MFP10−3・・・といったように、MFP10が複数台探索され接続されていたものとする(図8)。再び上述の図6のS1〜4を参照しながら以下説明する。
【0081】
S1:まずユーザ操作により携帯情報端末20は、無線LANの接続が確立のうえ、同一ネットワーク上のLAN50に接続されているMFPを探索するアプリケーションを起動する。
【0082】
S2:携帯情報端末20は、MFPを探索するアプリケーションにて、同一ネットワーク上のLAN50に接続され、アクセス可能なMFPを探索(検出)し、そのMFPへ接続する。ここでは、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3の3台のMFPが探索され、これら3台の各MFPに接続されたものとする。
【0083】
S3:MFP10(一覧情報提供部102)は、携帯情報端末20に対し、自身の機器情報(例えば機器名、アドレス等)、上述のアプリケーション機能リストを送信(提供)する。ここでは3台のMFPが探索されているので、図9に示されるように、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3それぞれが、自身の機器情報、アプリケーション機能リストを送信する。またここで各MFPは、自身の機器情報として、機器名、アドレスに加え、設置場所を含めて送信する。
【0084】
S4:携帯情報端末20(一覧情報取得部202)は、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3それぞれから、機器情報、アプリケーション機能リストを取得する。そして携帯情報端末20(表示部203)は、MFPが複数台の場合、この中から使用対象のMFPを決定するため、まずユーザに対しMFP機器選択画面を表示する。
【0085】
図10は、携帯情報端末20の表示画面例(その2)を示す。MFP毎の機器情報のうち「機能名」、「設置場所」が携帯情報端末20の表示画面に表示される。つまり使用可能機器一覧画面が表示される。ユーザはタッチ操作等によりこの中から使用対象のMFPを選択し決定する。ここでは例えば、ユーザはタッチ操作によりこの中から「MFP10−1:3Fオフィス中央」を選択し決定する。
【0086】
図11は、携帯情報端末20の表示画面例(その3)を示す。機器情報(MFP10−1:3Fオフィス中央)、MFP10−1から受信したアプリケーション機能リストのうち「機能名」、「機能説明」が携帯情報端末20の表示画面に表示されるので、ユーザはMFP10−1が提供可能な機能の一覧情報を視覚的に認識できる。
【0087】
以上のように、複数のMFPがLAN50上にネットワーク接続されている環境においては、携帯情報端末20は所望のMFPに接続することが可能である。本実施形態2では、複数のMFPが探索され接続された場合、使用可能機器一覧画面を表示する。使用可能機器一覧画面では、「機器名」の他、「設置場所」も表示されるので、ユーザは自身のいる位置を確認し、例えば最も近傍の機器や自席に最も近傍の機器など使い勝手のよい機器を選択し使用することができる。
【0088】
なお、S4以降については上述の如くS5へ進み、判定部204によりアプリケーションの有無の判定が行われる。
【0089】
(変形例)
次にMFP10が複数台接続されている場合においての変形例を説明する。上述と同様、LAN50上にMFP10−1、MFP10−2、MFP10−3・・・といったように、MFP10が複数台接続されているものとする(図8)。再び上述の図6のS1〜4を参照しながら以下説明する。
【0090】
S1:まずユーザ操作により携帯情報端末20は、無線LANの接続が確立のうえ、同一ネットワーク上のLAN50に接続されているMFPを探索するアプリケーションを起動する。
【0091】
S2:携帯情報端末20は、MFPを探索するアプリケーションにて、同一ネットワーク上のLAN50に接続され、アクセス可能なMFPを探索(検出)し、そのMFPへ接続する。ここでは、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3の3台のMFPが探索され、これら3台の各MFPに接続されたものとする。
【0092】
S3:MFP10(一覧情報提供部102)は、携帯情報端末20に対し、自身の機器情報(例えば機器名、アドレス等)、上述のアプリケーション機能リストを送信(提供)する。ここでは3台のMFPが探索されているので、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3それぞれが、自身の機器情報、アプリケーション機能リストを送信する(図9)。またここで各MFPは、自身の機器情報として、機器名、アドレスに加え、設置場所を含めて送信する。
【0093】
S4:携帯情報端末20(一覧情報取得部202)は、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3それぞれから、機器情報、アプリケーション機能リストを取得する。そして携帯情報端末20(表示部203)は、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3が提供可能な機能の一覧情報を表示する。つまりここで表示される機能は、MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3が提供可能な機能のいわば最大公倍数である。
【0094】
図12は、携帯情報端末20の表示画面例(その4)を示す。MFP10−1、MFP10−2、MFP10−3がから受信したアプリケーション機能リストのうち提供しうる全ての「機能名」、「機能説明」が携帯情報端末20の表示画面に表示されるので、ユーザはLAN50上に接続されるMFPが提供可能な全機能の一覧情報を視覚的に認識できる。
【0095】
ここでは例えば、画面上の「スキャンtoクラウド」がタッチ操作されたものとする。「スキャンtoクラウド」が選択されると、「スキャンtoクラウド」が使用可能な機器一覧画面を表示する(図13)。
【0096】
図13は、携帯情報端末20の表示画面例(その5)を示す。図12で「スキャンtoクラウド」が選択されると、LAN50上に接続されるMFPのうち、「スキャンtoクラウド」が使用可能な機器一覧が表示される。例えば「MFP10−1:3Fオフィス中央」、「MFP10−2:3Fオフィス西側」が表示された場合、「スキャンtoクラウド」が使用可能な機器は、MFP10−1、MFP10−2であり、ユーザはタッチ操作によりこの中から使用したい方のMFPを選択し決定する。
【0097】
以上のように、複数のMFPがLAN50上にネットワーク接続されている環境においては、携帯情報端末20は所望のMFPに接続することが可能である。しかしユーザとしては使いたい機能がどの装置で実現可能か分からない場合がある。このため、ユーザに対しまず使用可能な全機能を提示する。ユーザが全機能の中から所望の機能を選択すると、その機能を使用可能な機器が提示されるので、ユーザは「設置場所」等の情報を参考にし、その機能を使用する機器を選択・決定させるようにする。このように、ユーザは使いたい機能がどの装置で実現可能か分からない場合でも、その機能を実現可能な機器を特定できるとともに、その機器の中から最も使い勝手のよい機器を選択し使用することができる。
【0098】
なお、S4以降については上述の如くS5へ進み、判定部204によりアプリケーションの有無の判定が行われる。
【0099】
[総括]
以上、本実施形態に係る広告配信システム100によれば、携帯情報端末がMFPの所望の機能を使用できるアプリケーションを有しない場合、MFP側のストレージ・リソースの負担を抑えつつも、携帯情報端末に対し、ユーザが所望するアプリケーションを簡単な操作で配信できるアプリケーション配信システム等を提供することが可能となる。
【0100】
各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【符号の説明】
【0101】
10 MFP
20 携帯情報端末
30 アプリケーション配信サーバ
40 無線LANアクセスポイント
50 LAN
60 WAN
100 アプリケーション配信システム
101 記憶部
102 一覧情報提供部
201 記憶部
202 一覧情報取得部
203 表示部
204 判定部
205 配信要求部
206 インストール部
301 記憶部
302 配信要求受信部
303 配信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特許4321566号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、画像形成装置を操作する情報端末と、画像形成装置を操作するためのアプリケーション・プログラムを情報端末に対し配信するアプリケーション配信サーバとがネットワークを介し接続されたアプリケーション配信システムであって、
画像形成装置は、
自装置が提供可能な機能の一覧情報と、前記機能を情報端末が使用するに必要なアプリケーションの識別子とを対応付けて記憶した記憶手段と、
情報端末に対し、前記一覧情報と前記識別子とを提供する一覧情報提供手段と、
を有し、
情報端末は、
画像形成装置から前記一覧情報と前記識別子とを取得する一覧情報取得手段と、
前記一覧情報を表示する表示手段と、
ユーザにより前記一覧情報の中から所望の機能が選択されると、選択された機能に対応付けられた識別子により特定されるアプリケーションのプログラムを情報端末が有するか否かを判定する判定手段と、
前記アプリケーションのプログラムを情報端末が有しないと判定されたとき、前記アプリケーション配信サーバに対し、該アプリケーションの識別子と自端末の端末情報とを含むアプリケーション配信要求を送信する配信要求手段と、
を有し、
アプリケーション配信サーバは、
アプリケーション・プログラムと該アプリケーションの識別子とを対応付けて記憶するとともに、アプリケーション・プログラムをバージョン毎に記憶した記憶手段と、
情報端末から前記アプリケーション配信要求を受信する配信要求受信手段と、
前記アプリケーション配信要求に含まれる前記アプリケーションの識別子と前記端末情報とに基づき、前記情報端末に適合するバージョンのアプリケーション・プログラムを配信する配信手段と、
を有することを特徴とするアプリケーション配信システム。
【請求項2】
前記アプリケーションの識別子には、該アプリケーションの最新バージョン情報が付され、
前記判定手段は、選択された機能に対応付けられた識別子により特定されるアプリケーションのプログラムであって、最新バージョンのプログラムを情報端末が有するか否かを判定し、
情報端末が前記特定されるアプリケーションのプログラムであって、最新バージョンのプログラムを有しないときは、該アプリケーションのプログラムを情報端末が有しないと判定すること、
を特徴とする請求項1記載のアプリケーション配信システム。
【請求項3】
複数の画像形成装置が前記ネットワークを介し接続され、
前記一覧情報取得手段は、複数の画像形成装置からそれぞれ前記一覧情報と前記識別子とに加え、画像形成装置の識別子及び設置場所を含む機器情報とを取得し、
前記表示手段は、前記複数の画像形成装置の機器一覧を、前記識別子及び設置場所を含む機器情報とともに表示し、
前記表示手段は、前記機器一覧の中から1の画像形成装置が選択されると、該1の画像形成装置から取得した前記一覧情報を表示すること、
を特徴とする請求項1又は2記載のアプリケーション配信システム。
【請求項4】
複数の画像形成装置が前記ネットワークを介し接続され、
前記一覧情報取得手段は、複数の画像形成装置からそれぞれ前記一覧情報と前記識別子とに加え、画像形成装置の識別子及び設置場所を含む機器情報とを取得し、
前記表示手段は、前記複数の画像形成装置から取得した前記一覧情報に基づき、該複数の画像形成装置が提供可能な全機能を表示し、
前記表示手段は、前記全機能の中から1の機能が選択されると、前記複数の画像形成装置の中から該1の機能を提供可能な画像形成装置の機器一覧を、前記識別子及び設置場所を含む機器情報とともに表示すること、
を特徴とする請求項1又は2記載のアプリケーション配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−27029(P2013−27029A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163380(P2011−163380)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】