説明

アミノプラスト樹脂組成物

【課題】ホルムアルデヒドを含まず、バインダーとして有用な樹脂組成物、およびかかる樹脂組成物で処理された基材を提供する。
【解決手段】a)メラミン、 b)R−CHO(式中、Rはジアルコキシメチル基、1,3−ジオキソラン−2−イル基、1,3−ジオキサン−2−イル基を表す。)で表される少なくとも1種のアルデヒド、 c)グリオキシル酸である架橋剤、および d)2個以上の水酸基を有する少なくとも1種の多価アルコールの反応生成物を含む樹脂組成物。 上記の樹脂組成物を各種の基材に塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に樹脂を、詳細には、アミノプラスト樹脂を、またバインダーとしてのその使用を対象としている。
【背景技術】
【0002】
アミノプラスト樹脂の中でもとりわけ、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、幅広い産業用途がある。その特徴である引張り強度および撥水性のため、セルロース系材料、ガラス繊維、高分子材料およびこれらの複合ブレンド用のバインダーとしてその使用が注目されている。フェノール樹脂またはアミノプラスト樹脂の代替物として使用されるホルムアルデヒドを含まない樹脂が、規制および健康問題の点から望ましい。それに呼応して、産業界は、ホルムアルデヒド含有樹脂の機能的利点に匹敵するアミノプラスト樹脂を提案しようと試みてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの適用においてメラミン、ホルムアルデヒド樹脂のような性能を示し、例えば従来の樹脂に匹敵する引張り強度を示す、ホルムアルデヒドを含まない熱硬化性組成物が必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によると、本発明は、ホルムアルデヒドを含まず、
a)メラミン、
b)式(1)の少なくとも1つのアルデヒド、
【0005】
【化3】

(式中、Rはジアルコキシメチル基、4位および/または5位が1個または複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキソラン−2−イル基、または4,5および/または6位が1個または複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキサン−2−イル基を表す。)
c)グリオキシル酸である架橋剤、および
d)2個以上の水酸基を有する少なくとも1つの多価アルコール
の反応生成物を含む樹脂組成物、を含んでいる。
【0006】
もう1つの態様によると、本発明は、前述の樹脂組成物を含むバインダーを含む。
【0007】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、本明細書で開示するバインダーで基材を処理する方法と、そのように作製され処理された基材の両方を含む。
【0008】
ある場合において、本発明の樹脂組成物は、それが塗布される基材に、強化された引張り強度、剛性および/または撥水性を与えることができ、それにより各種材料用のバインダーとしての可能性ある能力を示している。
【0009】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の説明をその実施例と共に吟味することによって明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一態様において、本発明は、ホルムアルデヒドを含まず、
a)メラミン、
b)式(1)の少なくとも1つのアルデヒド、
【0011】
【化4】

(式中、Rはジアルコキシメチル基、4位および/または5位が1個または複数のアルキル基で場合によっては置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基、または4,5および/または6位が1個または複数のアルキル基で場合によっては置換されている1,3−ジオキサン−2−イル基を表す。)
c)架橋剤がグリオキシル酸である、架橋剤、および
d)2つ以上の水酸基を有する少なくとも1種の多価アルコール
の反応生成物を含む樹脂組成物を対象としている。
【0012】
アルコキシという用語は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ、n−ブロポキシまたは2−メチルプロポキシの各基を表している。一例として、ジアルコキシメチル基のアルコキシは、メトキシ基である。
【0013】
アルキルという用語は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、2−メチルプロピルの各基を表している。
【0014】
式(1)のアルデヒドは、ジメトキシアセトアルデヒド、ジエトキシアセトアルデヒド、ジブトキシアセトアルデヒド、2−ホルミル−1,3−ジオキソランまたは5,5ジメチル−2−ホルミル−1,3−ジオキサンおよびこれらの混合物から選択することができる。一例として、式(1)のアルデヒドは、ジメトキシアセトアルデヒドである。
【0015】
本発明に適した多価アルコールには、これらだけには限らないが、ジアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、グリセリン、アルコキシ化グリセリン、ポリビニルアルコール、デキストロース(ならびにデキストロースのオリゴマーおよび誘導体)、マルトース、マルトデキストリン、ブドウ糖、スターチ、スターチの加水分解生成物などのスターチ誘導体、ポリグリシドール、多糖(および誘導体)およびこれらの混合物が含まれる。一例として、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロポキシル化グリセリン、ポリビニルアルコール、デキストロース、マルトース、マルトデキストリン、ブドウ糖およびこれらの混合物が使用される。一例として、多価アルコールは、デキストロースまたはDブドウ糖とマルトースとマルトデキストリンの混合物すなわちコーンシロップである。
【0016】
一態様において、反応生成物は、式(1)のアルデヒドをメラミンに対して約1〜約6のモル比で含む。もう1つの態様では、反応生成物は、式(1)のアルデヒドをメラミンに対して約2〜約4のモル比で含む。一態様では、反応生成物は、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.01〜約0.5のモル比で含む。もう一つの態様において、反応生成物は、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.05〜約0.2のモル比で含む。さらなる態様において、反応生成物は、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.06〜約0.1のモル比で含む。さらに、一態様の反応生成物は、多価アルコールをメラミンに対して約0.05〜約0.5のモル比で含む。別の態様において、反応生成物は、多価アルコールをメラミンに対して約0.1〜約0.3のモル比で含む。
【0017】
もう1つの態様によれば、本発明は、メラミンおよび水溶液状態の少なくとも1種の式(1)のアルデヒドをアルカリ触媒と共に、約8〜約10の塩基性pH、約20〜約100℃の温度で攪拌しながら縮合することを特徴とする、本発明の樹脂を調製する方法を提供する。次いで、pH約4.5と約6の間で、温度約20℃〜約100℃で、約0.5〜約12時間操作しながら、グリオキシル酸および少なくとも1種の多価アルコールを添加する。
【0018】
第1段階中に、メラミンを少なくとも1種の式(1)のアルデヒドと、メラミン/式(1)のアルデヒドのモル比約1/1〜約1/6で反応させる。一態様では、メラミン対アルデヒドのモル比は、約1/2〜1/4である。反応はpH約8〜約10で行われる。一態様では、この反応は、約9〜約9.5のpHで行われる。縮合は、約20℃〜約100℃の温度で行われる。一態様では、縮合が、約40〜約60℃の温度で行われる。この方法で使用されるアルカリ触媒の例には、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが含まれる。その時間は温度およびpHによって決まり、例えば、温度約50〜55℃、pH約9〜9.5の場合で約2時間である。
【0019】
メラミンは、商業製品であり、例えばDSM社から粉末の形で市販されている。
【0020】
式(1)のアルデヒドは、商業製品であり、または一例として、欧州特許出願公開第249−530号に開示されている方法に基づいて容易に得ることができる。例えば、本発明の方法で使用できる市販のアルデヒドは、60%の水溶液で市販されているジメトキシアセトアルデヒドであり、Highlink(登録商標)DMの商標でClariant(フランス)から販売されている。
【0021】
一態様において、第2段階中に、前に得られた前縮合体をグリオキシル酸および少なくとも1種の多価アルコールと、メラミン/グリオキシル酸のモル比が約1/0.01〜約1/0.5で反応させる。もう1つの態様では、メラミン/グリオキシル酸のモル比が、約1/0.05〜約1/0.2である。さらに別の態様では、メラミン/グリオキシル酸のモル比が約1/0.06〜約1/0.1である。さらなる態様では、メラミン/多価アルコールのモル比は、約1/0.05〜1/0.5である。もう一つの態様では、メラミン/多価アルコールのモル比が約1/0.1〜約1/0.3である。一態様では、pHが約4.5〜約6である。さらなる態様では、pHは、約5〜約6である。もう一つの態様では、反応は、約20℃〜約100℃の温度で行われる。さらに別の態様では、反応は、約40℃〜約60℃の温度で行われる。一態様では、反応は、約0.5〜約12時間行われる。
【0022】
本発明で使用されるグリオキシル酸は、水溶液の形であることが好ましい。一態様ではグリオキシル酸含有量が40〜50重量%の工業用溶液が使用される。他の態様では、グリオキシル酸含有量が40〜50重量%の工業用溶液が使用される。
【0023】
次に、水溶液状態の樹脂を得る。これは、望むなら、活性固形分が約40〜約80%になるように希釈することが可能である。一態様では、樹脂は、活性固形分が約50〜約60%の水溶液であってよい。
【0024】
特定の理論に拘泥するわけではないが、グリオキシル酸を架橋剤として使用すると、従来技術の架橋剤に比べて優れたメラミン樹脂の架橋性が得られると考えられる。この架橋性のため、それが塗布された基材の性能特性が強化されると考えられる。かかる性能特性には、例えば、ホルムアルデヒド樹脂で実現される値に匹敵する、強化された引張り強度、剛性、および/または撥水性が含まれる。
【0025】
本発明の樹脂を、下記の実施例で説明する。本発明の樹脂はまた、これで処理されたセルロース製基材の引張り強度を向上させることができる。
【0026】
したがって、さらなる態様では、本発明は、例えば、建材、エアーフィルタ、または研磨パッドに使用される、ガラス繊維、ナイロン、およびポリエステル繊維など不織基材用バインダーとしての、ならびに例えば自動車フィルタなどのセルロース製基材用バインダーとしての、これらの樹脂の使用を対象としている。
【0027】
処理される基材への樹脂の塗布は、通常、適切な触媒と共に行われる。適切な触媒には、これだけに限らないが、塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロリドなどのアルミニウム塩、塩化マグネシウム、硫酸ジルコニウム、塩化亜鉛、およびそれらの混合物が含まれる。
【0028】
この触媒は、一般に、反応生成物の重量(乾量基準)に基づき、約0.1〜約15%の量が添加される。一態様では、触媒は、反応生成物の重量(乾量基準)に基づいて約1〜約10%の量が添加される。
【0029】
本発明はまた、本明細書で開示する樹脂組成物を基材に塗布し、次いでその樹脂組成物を硬化させることによって、その基材に別の基材を接着する方法を含む。塗布および硬化の段階は共に、当技術分野で通常使用されるどんな方法によって実行することもでき、当業者の技術の範囲内である。例えば、硬化段階は、樹脂組成物と基材を加熱することによって実行される。塗布される樹脂組成物の量は、用途特有のものであり、したがって、過剰の実験なしで当分野の技術者によって実行される。
【0030】
以下は、本発明の例示的、非限定的な実施例である。
【実施例1】
【0031】
メラミン170g(1.35モル)を、ジメトキシアセトアルデヒドの60%水溶液629g(3.6モル)および20%の水酸化ナトリウム8.7gと、周囲温度で混合した。温度を50〜55℃に上昇させ、次いで、このバッチを50〜55℃で2時間攪拌しながら加熱した。一方、pHは9〜9.5付近に維持した(必要なら、必要量の20%の水酸化ナトリウムでpH調節を行うことができる)。2時間反応させた後、グリオキシル酸の50%水溶液13g(0.09モル)およびデキストロース50g(0.3モル,供給元:Acros)を加え、その混合物を約55〜約60℃の温度で攪拌しながら1時間加熱して、冷却した。次いで、水127.2gをこの混合物に加えた。
【0032】
活性固形物含有量が約60%の黄色の粘性液体が得られ、24時間後に測定したブルックフィールド粘度は136mPa−sであった。
【0033】
この樹脂は、0.06%の遊離グリオキシル酸含有量(陰イオン交換カートリッジ上を通した後、次いで、REZEX(商標)カラム(00H−0138−KO;3007.8mm)および溶離液として0.05Nの硫酸を使用し、流量0.5mL/分およびUV検出210nmでHPLCにより分析)を示した。
【実施例2】
【0034】
実施例1と同様にして、ただし1.35モルのメラミンに対し0.22モルのグリオキシル酸を使用して樹脂を調製した。
【0035】
黄色の粘性液体が得られ、水108.8gで希釈後の活性固形物含有量が約60%であり、24時間後に測定したブルックフィールド粘度は、540mPa−sであった。
【実施例3】
【0036】
実施例1と同様にして、ただし1.35モルのメラミンに対し0.54モルのグリオキシル酸を使用して樹脂を調製した。
【0037】
水59.5gで希釈後の活性固形物含有量が約60%の黄色の粘性液体が得られ、24時間後に測定したブルックフィールド粘度は、840mPa−sであった。
(比較例1)
メラミン170g(1.35モル)を、ジメトキシアセトアルデヒドの60%水溶液629g(3.6モル)および20%の水酸化ナトリウム8.7gと、周囲温度で混合した。次いで、pHを9〜9.5付近に維持しながら、この混合物を50〜55℃で2時間攪拌しながら加熱した。
【0038】
2時間反応させた後、デキストロース50g(0.3モル,供給元:Acros)を加え、次いで、その混合物を約55〜約60℃の温度で攪拌しながら1時間加熱し、次いで冷却した。
【0039】
139.8gの水で希釈後、活性固形物含有量が約60%の黄色の粘性液体が得られ、24時間後に測定したブルックフィールド粘度は126mPa−sであった。
(応用例)
実施例1で調製した樹脂を、ろ紙上のバインダーとして単独でまたは触媒と一緒に評価し、グリオキシル酸を含まない樹脂(比較例1、表1にCとして示す)と比較した。
【0040】
ろ紙試験が(12015)nm;60g/m)を、6g/mに含浸されるように、60g/Lに希釈した樹脂浴中でローラーで含浸させ、次いで、170℃で2時間重合させ、25℃、相対湿度65%に空調された室内に3日間放置した。
【0041】
次に、引張り強度および破壊長を、周囲温度で張力計ZWICK(100mm/mn)で測定した。
【0042】
得られた結果は下記の表1に提示されている。
【0043】
【表1】

上記の結果は、本発明の組成物の樹脂で処理されたセルロース紙の引張り強度が表1Cの比較例に比べ大幅に改善されていることを示している。
【0044】
本発明が、広範囲な実用性および応用が可能であることは、当分野の技術者には容易に理解されよう。本明細書に記載されているもの以外の本発明の多くの実施形態および適合形態、ならびに多くの変形形態、改変形態、および等価な構成は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明およびそれについての前述の説明から明らかとなり、あるいはそれらによって妥当に示唆されるであろう。したがって、本発明を、開示された実施形態に関して詳細に本明細書において述べてきたが、この開示は、本発明を例示かつ例証するにすぎず、本発明の完全かつ実施を可能にする開示を提供するだけのために行われていることが理解さ れるべきである。前述の開示は、本発明を限定したり、あるいはかかる他のいかなる実施形態、適合形態、変形形態、改変形態、および等価な構成を排除することを意図するものでも、そう解釈すべきものでもなく、本発明は、添付の特許請求の範囲、およびその均等物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)メラミン、
b)式(1)の少なくとも1つのアルデヒド
【化1】

(式中、Rはジアルコキシメチル基、4位および/または5位が1つまたは複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキソラン−2−イル基、または4,5および/または6位が1つまたは複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキサン−2−イル基を表す。)
c)グリオキシル酸である架橋剤、および
d)2つ以上の水酸基を有する少なくとも1つの多価アルコール
の反応生成物を含む樹脂組成物。
【請求項2】
前記反応生成物が、少なくとも1種の式(1)のアルデヒドをメラミンに対して約1から約6のモル比で、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.01から約0.5のモル比で、および少なくとも1種の多価アルコールをメラミンに対して約0.05から約0.5のモル比で含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記反応生成物が、少なくとも1種の式(1)のアルデヒドをメラミンに対して約2から約4のモル比で、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.05から約0.20のモル比で、および少なくとも1種の多価アルコールをメラミンに対して約0.05から約0.5のモル比で含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記反応生成物が、少なくとも1種の式(1)のアルデヒドをメラミンに対して約2から約4のモル比で、グリオキシル酸をメラミンに対して約0.06から約0.1のモル比で、および少なくとも1種の多価アルコールをメラミンに対して約0.1から約0.3のモル比で含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記式(1)の少なくとも1種のアルデヒドが、ジメトキシアセトアルデヒド、ジエトキシアセトアルデヒド、ジブトキシアセトアルデヒド、2−ホルミル−1,3−ジオキソランおよび5,5−ジメチル−2−ホルミル−1,3−ジオキサンおよびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の式(1)のアルデヒドが、ジメトキシアセトアルデヒドである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の多価アルコールが、ジアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、グリセリン、アルコキシ化グリセリン、ポリビニルアルコール、デキストロース、デキストロースのオリゴマー、デキストロース誘導体、マルトース、マルトデキストリン、ブドウ糖、スターチ、スターチ誘導体、ポリグリシドール、多糖、多糖誘導体およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の多価アルコールが、ジメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロポキシル化グリセリン、ポリビニルアルコール、デキストロース、マルトース、マルトデキストリン、ブドウ糖およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の多価アルコールが、デキストロースである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の多価アルコールが、コーンシロップである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の樹脂組成物を含むバインダー。
【請求項12】
触媒をさらに含む請求項11に記載のバインダー。
【請求項13】
前記触媒が、前記樹脂組成物の約0.1から約15重量%存在する、請求項12に記載のバインダー。
【請求項14】
前記触媒が、前記樹脂組成物の約1から約10重量%存在する、請求項12に記載のバインダー。
【請求項15】
前記触媒が、塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アルミニウム塩、塩化マグネシウム、硫酸ジルコニウム、塩化亜鉛およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項12に記載のバインダー。
【請求項16】
前記触媒が、塩化アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシクロリドである請求項12に記載のバインダー。
【請求項17】
メラミンおよび少なくとも1種の式(1)のアルデヒドを、
【化2】

(式中、Rはジアルコキシメチル基、4位および/または5位が1つまたは複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキソラン−2−イル基、または4,5および/または6位が1つまたは複数のアルキル基で場合によっては置換された1,3−ジオキサン−2−イル基を表す。)
水溶液状態で、アルカリ触媒の存在下、約8〜約10の塩基性pH、約20から約100℃の温度で攪拌しながら縮合して反応混合物を形成する段階と、
前記混合物に架橋剤および2個以上の水酸基を有する少なくとも1種の多価アルコールを添加する段階とを含み、前記架橋剤がグリオキシル酸であり、前記添加段階が、pH約4.5から約6、温度約20から約100℃で、約0.5から約12時間実行される、樹脂組成物を調製する方法。
【請求項18】
前記アルカリ触媒が、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから成る群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法に従って作製された樹脂組成物。
【請求項20】
請求項19に記載の樹脂組成物を含むバインダー。
【請求項21】
請求項1に記載の樹脂適用物を基材に塗布する段階と、前記樹脂組成物を硬化させる段階とを含む、基材を結合する方法。
【請求項22】
前記硬化段階が前記樹脂組成物を加熱することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法に従って作製された基材。
【請求項24】
前記基材が、セルロース系材料、ガラス繊維、高分子材料およびこれらの複合ブレンドから成る群から選択される請求項23に記載の基材。
【請求項25】
前記基材が、ポリエステル、ナイロンおよびセルロース系材料基材から成る群から選択される請求項23に記載の基材。
【請求項26】
請求項19に記載の樹脂組成物を基材に塗布する段階と、前記樹脂組成物を硬化させる段階とを含む、基材を結合する方法。
【請求項27】
前記硬化段階が前記樹脂組成物を加熱することをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法に従って作製された基材。
【請求項29】
前記基材が、セルロース系材料、ガラス繊維、高分子材料およびこれらの複合ブレンドから成る群から選択される請求項28に記載の基材。
【請求項30】
前記基材がポリエステル、ナイロンおよびセルロース系材料基材から成る群から選択される請求項28に記載の基材。

【公開番号】特開2006−124709(P2006−124709A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−312298(P2005−312298)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(503308782)クラリアント(フランス) (3)
【Fターム(参考)】