説明

アミノ酸の製造方法

【課題】天然物を用いることなく簡便な条件でアミノ酸を製造する。
【解決手段】二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体、例えば塩化鉄(III)鉄(II)と、有機酸、例えば酢酸、クエン酸、アミノ酸及びリンゴ酸とを含む反応用水溶液を、海水塩類、例えば、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及びナトリウム塩からなる群より選択された少なくとも1つ並びにホルムアルデヒドと接触、例えば20℃で攪拌することにより、アミノ酸を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸の製造方法に関し、特に非生物学的手法を用いたアミノ酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸は、生体成分として重要なタンパク質を構成する基本的な化合物である。アミノ酸を得るには、一般に、タンパク質を酵素等で加水分解することによる化学的方法や、大腸菌などの微生物を用いた遺伝子発現を手段とする生物学的方法によって入手している。
これに対して無機物からアミノ酸を合成する方法としては、化学合成の他に、深海底および硫化物が多数存在する温泉の状況をモデル化し、炭酸とアンモニアからのペプチドの生成方法がある(非特許文献1)。また、炭素原子として黒鉛、水、窒素源及び鉄属繊維金属等を接触状態で熱エネルギー又は衝撃波エネルギーを付与してアミノ酸を製造する方法がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−281300号公報
【非特許文献1】Marine Chemistry, Vol.30, 1990, p.179
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、天然物を用いた手法では、系内にないアミノ酸を得ることは困難である。また、非特許文献1に記載された方法では、熱エネルギーあるいは多大な衝撃を与える必要があり、温和に反応を進めることが困難で簡便性にも難があるという問題があり、特許文献1に記載された方法では、200℃以上の高温処理が衝撃波を必須とする。
従って、本発明の目的は、天然物を用いることなく簡便にアミノ酸を製造することができるアミノ酸の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のアミノ酸の製造方法は、二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体と有機酸とを含む反応用水溶液を、海水塩類及びホルムアルデヒドと接触させ、アミノ酸を合成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、天然物を用いることなく簡便にアミノ酸を製造することができるアミノ酸の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のアミノ酸の製造方法は、二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体と有機酸とを含む反応用水溶液を、海水塩類及びホルムアルデヒドと接触させ、アミノ酸を合成することを特徴としている。
本発明では、二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体と有機酸とを含む反応用水溶液を、海水塩類及びホルムアルデヒドと接触させるので、酸性条件下で安定して電子が安定して供給され、その結果、天然物を用いることなく簡便な条件下で、アミノ酸を製造することができる。
特に、本発明では、反応用水溶液に含有されるアミノ酸と同一のアミノ酸を製造するだけでなく、反応用水溶液に含有されないアミノ酸を新規に製造することもできる。
【0007】
反応用水溶液は、上記の混合原子価鉄錯体と有機酸とを水に溶解させて調製することができる。
ここで用いられている二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体は、二価鉄と三価鉄が混在する水溶性の混合原子価鉄錯体であり、ハロゲン化鉄(III)鉄(II)を挙げることができる。ハロゲン化鉄(III)鉄(II)としては、例えば、塩化鉄(III)鉄(II)、臭化鉄(III)鉄(II)、ヨウ化鉄(III)鉄(II)等が該当する。このうち、吸電子反応性を向上させる観点から塩化鉄(III)鉄(II)が好ましい。
反応用水溶液を作製する際には、塩化鉄(III)鉄(II)を水に溶解させて混合原子価錯体水溶液を調製することができる。混合原子価水溶液中の混合原子価鉄錯体の量は、0.1mg/L〜0.4mg/L、反応性を向上させる観点から好ましくは0.1mg/L〜0.4mg/L、反応性を向上させる観点から好ましくは0.2mg/L〜0.3mg/L、より好ましくは0.3mg/Lとすることができる。
【0008】
反応用水溶液に含まれる有機酸としては、カルボニル基を有するものであればよく、例えば酢酸、アミノ酸、クエン酸、リンゴ酸及びオキザロ酢酸並びにこれらの誘導体等を挙げることができる。このうち、環境への親和性や調合の簡便性の観点から、酢酸、アミノ酸、クエン酸及びリンゴ酸からなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましく、酢酸、クエン酸及びリンゴ酸からなる群より選択された少なくとも1つを含むものであることが更に好ましく、酢酸、クエン酸及びリンゴ酸をすべて含むものであることが最も好ましい。上記有機酸は、反応用水溶液中に、pHを下げることと同時に還元性を付与可能な濃度で存在すればよく、アミノ酸製造に必要な還元性を効率よく付与するために、反応用水溶液中の有機酸の量は、少なくとも500mg/Lとすることができ、好ましくは5000mg/L〜10000mg/Lとすることができる。
【0009】
上記アミノ酸としては、例えば、セリン、アスパラギン酸、グリシン、L−アラニン、グルタミン酸、シトシン、γ−アミノ酪酸、尿素、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等を挙げることができる。反応用水溶液におけるアミノ酸の含有量は、特に制限されないが、合計で2〜9mmol/Lとすることができる。
【0010】
これらの成分に加えて他の成分も添加することができる。このような成分として、銅イオン、ビタミンC及びビタミンB等のビタミン類、食物繊維等を挙げることができる。このような反応用水溶液としては、例えば、FFCパイロゲン(登録商標、以下同じ。株式会社赤塚))を挙げることができる。このFFCパイロゲンを上記反応用水溶液として使用する場合には、50質量%〜100質量%、反応活性を向上させる観点から90質量%〜100質量%の濃度になるよう水で希釈すればよい。
【0011】
本発明で使用される海水塩類とは、海水において見出される塩類であればよいが、特に、熱水噴出口近傍の熱水に見出される無機塩類をいい、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩を挙げることができ、これらのうちのいずれか又は2以上の組み合わせとすることができるが、反応性の観点からこれらすべてを含むものであることが最も好ましい。これらの海水塩類は、アミノ酸の合成効率の観点から、炭酸アンモニウム、ホルムアルデヒド、硫化マグネシウム、塩化カルシウム、硫化ナトリウムからなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましく、これらすべてを含むものであることが最も好ましい。
これらの海水塩類は、アミノ酸の合成効率から、反応用水溶液の全容量に対して2〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましい。2質量%以上あれば、反応系内で充分量のアミノ酸を合成することができ、30質量%未満であれば、効率的にアミノ酸を合成することができる。
【0012】
また本発明に用いられるホルムアルデヒドは、反応用水溶液の全容量に対して0.2容量%〜10容量%となるように反応用水溶液と接触させることができ、急激な反応性を抑制するため0.2容量%〜5容量%で接触させることが好ましい。0.2容量%以上あれば所期の効果を発揮することが期待でき、一方、10容量%未満とすることにより、反応速度を適切な範囲に調整することができる。
【0013】
本発明の反応用水溶液と、上述した海水塩類及びホルムアルデヒドとを接触させる際には、反応性を向上させる観点から、ホルムアルデヒドよりも先に海水塩類を反応用水溶液に接触させることが好ましい。このとき反応系内に炭酸ガスが発生するので、気圧上昇を考慮した系とすることが好ましい。
【0014】
また上記接触は、高純度不活性ガス下で行うことが好ましい。これにより、外部よりの不純物の混入をさけることができるとともに合成物を外因性の不純物から分離して評価できる。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素等を挙げることができ、このうち、反応性が低いアルゴンが好ましい。不活性ガス下では、室温で温和な条件で反応を進行させることができる。
【0015】
反応用水溶液のpHは、アミノ酸の合成能を損なわないpHであればよく、好ましくはpH5.5以下、反応効率の観点から、より好ましくはpH3以下とすることができる。 反応温度は、室温であればよく、好ましくは15〜30℃とすることができる。また、反応時間は、アミノ酸生成に充分な時間行えばよく、例えば24〜72時間、反応を充分に行うことと過反応を避ける観点から好ましくは24〜50時間とすることができる。攪拌は、通常用いられる機器を用いて行えばよく、例えば棒状マグネチックスターラ(長さ2センチ)などが使用される。攪拌速度は、例えば、長さ2センチの棒状マグネティックスターラを200〜500rpm、反応性を制御する観点から200〜300rpmで回転することが好ましい。
【0016】
上述した接触工程によって、反応系にアミノ酸が合成される。ここで得られるアミノ酸には、反応用水溶液中に存在するアミノ酸(「既存アミノ酸」という)のみならず、反応開始時に反応系内に存在しないアミノ酸(「新規アミノ酸」という)も含む。既存アミノ酸の場合には、反応開始時の反応用水溶液中の含有量よりも多く得られることにより容易に確認することができる。例えば、セリン、アミノ酪酸等が、製造された既存アミノ酸として確認することができる。
一方、新規アミノ酸としては、通常のアミノ酸分析を行うことによって、反応開始時には存在しなかったものとして容易に確認することができる。このような新規アミノ酸としては、例えば、オルニチン、ベータアラニン等を挙げることができる。
【0017】
また、反応時間を上記の範囲内、又は延長させて継続させることにより、アミノ酸の製造に加え、各アミノ酸が脱水してペプチド結合を構成し、ポリペプチドが形成することもできる。このポリペプチドの存在は、不溶性の物質の出願によって目視にて確認すると共に、赤外線吸収スペクトルを用いてポリペプチドの特有のシグナル(例えばC=O)を検出することによって、確認することができる。
【0018】
本方法によって得られるポリペプチドは、いずれの分子量であってもよく、一般に、数平均分子量が10,000〜15,000のものとすることができる。ポリペプチドの分子量の調整は、反応時間の調整または溶解する無機塩類およびアルデヒドの添加量を調整することにより容易に行うことができる。
【0019】
本アミノ酸の製造方法によって得られるアミノ酸及びそのポリペプチドは、反応系内の水に可溶又は不溶の分子として沈殿物の形態で容易に検出可能であり、高速液体クロマトグラフィー等によって、また不溶性分子の場合にはろ過、乾燥等を行うことによって、それぞれ容易に精製することができる。得られたアミノ酸の同定については、アミノ酸同定に通常用いられる手段、例えば質量分析等を用いることのよって容易に行うことができる。
【0020】
本発明で得られるアミノ酸は、上記のアミノ酸に含まれるものであればいずれもが製造可能であり、得られるアミノ酸の種類は固定されない。このことは、いずれのアミノ酸も本発明によって簡便に得ることができる。
また、反応用水溶液に含有されない新規アミノ酸を無機物から合成することができるので、所望するアミノ酸を含む天然物を予め用意することなく、得ることができる。
本発明によるアミノ酸は水溶液として得られるので、そのまま簡便に使用することができ、例えば肥料などとして好適に用いることができる。
【実施例】
【0021】
以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
【0022】
[実施例1]
反応用水溶液の特性
アミノ酸の製造には、約9mmol/Lのアミノ酸、約1500mg/Lの酢酸、約7000mg/Lのクエン酸、約1500mg/Lのリンゴ酸、合計で約0.3mg/Lの鉄イオン成分、約0.001mg/Lの銅イオン成分を含む反応用水溶液を使用した。
この反応用水溶液については、電子スピン共鳴(ESR)装置(日本電子社製、JEOL JES TE-200)及びアミノ酸分析装置(日本電子社製、JEOL JLC-300 Amino Acid Analyzer)を用いて組成成分を解析し、更に電子供与性について確認した。電子スピン共鳴装置による測定では、水を溶媒とし、液体ヘリウム温度(5K)にて100KHzのモジュレーションで測定した。また500μLのサンプルをアミノ酸分析装置により室温で測定を行った。ESR測定の結果を図1に示す。
【0023】
また、本実施例にかかる反応用水溶液の電子供与性を、テトラチアフルバレン(TTF)を使用して検証した。このTTFは、電子供与体と錯体を形成することにより電荷移動錯体(charge transfer complex, CT)を形成し、この際、光吸収スペクトルのバンドは大幅に変化することが知られている。
本実施例にかかる反応用水溶液(試料1)を、TTFのテトラヒドロフラン溶液(2.3×10−5M、試料2)対して、10容量/容量%又は20容量/容量%で添加し、それぞれ試料3及び4とした。試料1〜4について、光吸収スペクトルを測定した。光吸収スペクトルの結果を図2に示す。
【0024】
本反応用水溶液の電子スピン状態については、図1に示されるように、ERS測定によって、1500mT付近に半磁場共鳴である鉄に由来するシグナルが示され、更に3300mT付近に銅原子のスピンに由来する共鳴が観察された。また水素イオン濃度は20℃で2.7以下を示しており、本反応用水溶液が強い酸であることがわかった。
【0025】
一方、図2に示されるように、試料1(実線、本実施例に係る反応用水溶液のみ)と、試料2(破線、TTFのテトラヒドロフラン溶液)は、いずれも450nmに吸収極大をもっていたが、試料3及び4では相互作用が生じて、450nmの吸収帯のピークは減少した。
また、試料3(一点鎖線)及び4(二点鎖線の比較より、試料3では、350nm付近の吸収は減少し、また300nm付近の吸収も減少したが、本実施例に係る反応用水溶液の濃度が高い試料4では、試料3と比較して全体的に吸収が高くなり、約340nm以降の吸収帯域でのピーク強度が再び増加した。これより本実施例に係る反応用水溶液は、TTFに電子を供与し、新たな複合体を形成することがわかった。
以上のことにより、本実施例の反応用水溶液は、pHが3以下の強酸の領域にあるにも拘わらず、電子を奪う性質をもつ物質に電子を供与する還元作用を有することが明らかとなった。
【0026】
[実施例2]
アミノ酸の製造
実施例1で使用した反応用水溶液20mLを、蒸留水140mLに溶解する。これに炭酸アンモニウム(NHHCO)を3.3gゆっくり加え、さらに硫酸マグネシウム(MgSO)2.52gと塩化カルシウム(CaCl)を1.5g加える。このとき、炭酸ガスの発生を確認する。気泡の発生している最中に、ホルムアルデヒド(HCHO)を1.5mL加える。さらに硫酸ナトリウム(NaSO)を1g加え、この溶液を長さ2センチの棒状マグネティックスターラで攪拌する。反応は不活性ガスであるアルゴン雰囲気下で24時間行った。
得られた水溶液をアミノ酸分析装置により測定し、溶液内に構成されているアミノ酸の分析を行った(アミノ酸分析装置、日本電子社製、JEOL JLC-300 Amino Acid Analyzer)。この結果を図3に示す。図3の上段は反応前の反応用水溶液のアミノ酸分析結果を示し、図3下段は反応後の反応系のアミノ酸分析結果を示している。
【0027】
図3に示されるように、反応後の反応系では、相対値でセリン(SER)が増加し、グリシン(GLY)、アラニン(ALA)が減少し、さらに系内には存在しなかったベータアラニン(B-ALA)、オルニチン(L-Ornithine)が生成したことが確認された(図3下段)。このことは、反応系中に新たな2種のアミノ酸が合成されたことを意味する。本実施例で使用した反応用水溶液には、既存アミノ酸として、反応開始時に数種のアミノ酸を含有している(図3上段)が、検出されるいずれのアミノ酸も、ベータアラニン、オルニチンの主原料にはならないため、本反応系中に新たに合成された化合物であることは明らかである。
また、反応後の反応系では、セリンの相対量が他の既存アミノ酸と比較して増加していることが確認された。従って、既存アミノ酸であるセリンが、反応によって反応系中で更に生成され、その結果、相対値が増加したことは明らかである。
【0028】
更に、反応後の反応系内には、不溶性の粒状の沈殿物も同時に合成されていた。この不溶性沈殿物の偏光顕微鏡写真を図4に示す。この不溶性の沈殿物について、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により分子量測定[日本分光社製、MULTI-340(UV Detector)、880-PU(ポンプ)、ODA-80TM(カラム)]を行ったところ、標準ポリスチレン換算で数平均分子量9200のポリマーであることがわかった。この不溶性沈殿物の組成を更に調べるために、赤外線吸収スペクトル測定を行った(HORIBA、FT−720)。結果を図5に示す。
【0029】
図5に示されるように、反応後のポリマーでは、アミノ酸の存在を示すCOOHのシグナル(νCOOH:1730cm−1)が小さくなり、その一方で、C=Oを示すシグナル(νC=O:1650cm−1)が検出された。なお3400cm−1付近に広がるブロードなシグナル(νOH)は溶媒のものである。
このことは、得られたポリマーがペプチド結合を含むものであり、アミノ酸に加えてポリペプチドも形成されていることが示された。このようなシグナルは、本実施例に係る反応用水溶液以外の水溶液を用いた場合には検出されなかった。従って、アミノ酸の合成及びポリペプチドの形成は、本実施例にかかる反応用水溶液の酸性特性(pH=2.7)及び還元作用によるものであることが考えられる。
【0030】
このように本発明によれば、二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体と有機酸とを含む反応用水溶液に、海水塩類及びホルムアルデヒドを接触させることによって、既存及び新規アミノ酸とポリペプチドとを反応系内に簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例で用いられた反応用水溶液の電子スピン共鳴(ESR)の測定結果を示すチャートである。
【図2】本発明の実施例にかかる試料1〜4の吸収スペクトル測定の結果を示すチャートである。
【図3】本実施例にかかる反応用水溶液(上段)及び反応後の反応系(下段)のアミノ酸分析の結果を示すチャートである。
【図4】本実施例で得られた不溶性ポリマーの偏光顕微鏡写真像(スケールバーは100μm)である。
【図5】本実施例にかかる反応用水溶液の赤外線吸収スペクトル(破線)及び反応後で得られた不溶性ポリマーの赤外線吸収スペクトル(実線)をそれぞれ示すチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二価鉄及び三価鉄を有する混合原子価鉄錯体と有機酸とを含む反応用水溶液を、海水塩類及びホルムアルデヒドと接触させ、アミノ酸を合成することを特徴とするアミノ酸の製造方法。
【請求項2】
前記混合原子価鉄錯体が、ハロゲン化鉄(III)鉄(II)であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記有機酸が、酢酸、アミノ酸、クエン酸及びリンゴ酸からなる群より選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
前記海水塩類が、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及びナトリウム塩からなる群より選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−320918(P2007−320918A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153958(P2006−153958)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(506187382)
【出願人】(506187393)
【出願人】(506187692)
【Fターム(参考)】