説明

アルキルアクリレート単位を含む極性熱可塑性エラストマーを含むゴム組成物

本発明は、下記を含むことを特徴とする、タイヤのトレッドを製造するのに有利に使用することのできるゴム組成物に関する:
(a) 下記を含むエラストマーマトリックス:
・60〜95phrの少なくとも1種のジエンエラストマー;および、
・5〜40phrの、少なくとも1個のエラストマーブロックと、アルキルアクリル酸エステル(そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を含有する)のホモポリマーおよびコポリマーから選ばれた少なくとも1個の極性熱可塑性ブロックとを含む極性熱可塑性エラストマーTPE;
(b) 補強用無機充填剤を含む補強用充填剤;
(c) カップリング剤。
上記極性熱可塑性エラストマーの存在は、上記トレッドの湿潤グリップ性能と乾燥グリップ性能の妥協点を改良することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機充填剤で補強したゴム組成物を含むタイヤトレッドに関する。
【背景技術】
【0002】
知られている通り、タイヤトレッドは、低転がり抵抗性、高耐摩耗性および乾燥道路と湿潤道路の双方上での高グリップ性のような多くのしばしば相反する技術的条件を満たさなければならない。
特に転がり抵抗性と耐摩耗性の観点からのこれらの諸性質の妥協点は、近年において、特に乗用車用に意図する省エネ型の“グリーンタイヤ”に関連して、補強用として説明されている特定の無機充填剤によって、特に、補強力の点で通常のタイヤ級カーボンブラックと拮抗し得る高分散性シリカ(HDS)によって主として補強されているという特徴を有する新規な弱ヒステリシスゴム組成物の使用によって改良し得ていた。
【0003】
従って、今日、これらの補強用無機充填剤は、タイヤトレッドにおいては、カーボンブラックと次第に置換わりつつあり、補強用無機充填剤はもう1つの既知の効果、即ち、降雨、積雪または氷結道路上でのタイヤのグリップ性を増進させる効果を有するので、なおさらそうである。
特に、熱可塑性エラストマー(TPE)を、特にタイヤトレッド用途を意図するゴム組成物において使用することは既知である。そのようなエラストマーの使用は、タイヤのある種の使用特性、特に、グリップ性、転がり抵抗性および耐摩耗性の各性能を改良することを可能にする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、タイヤのグリップ特性の改良は依然としてタイヤ設計者の不変の懸念ごとであるので、無機充填剤の使用によって付与されたグリップ性の利得を保持すると共に、乾燥地面上でのグリップ性を改良することを可能にするタイヤコンパウンドを提供することである。
【0005】
本発明の上記目的は、本発明者等が、少なくとも1種のジエンエラストマーと極性TPEコポリマーを含むエラストマーマトリックスと、補強用無機充填剤を含む補強用充填剤とをベースとし、湿潤地面および乾燥地面上でのグリップ特性の有意に改良された妥協点を有するタイヤトレッドを得ることを可能にする特定のゴム組成物を見出したことで達成される。さらにまた、本発明者等は、そのようなゴム組成物における極性熱可塑性エラストマーの使用が、当該組成物の未硬化/硬化状態における諸性質の妥協点の改良に関連する問題に対処することも可能にすることを実証している。
【0006】
従って、本発明の第1の主題は、下記をベースとするタイヤトレッド用のゴム組成物である:
(a) 下記を含むエラストマーマトリックス:
・60〜95phrの少なくとも1種のジエンエラストマー;および、
・5〜40phrの極性TPEコポリマー;
(b) 補強用無機充填剤を含む補強用充填剤;
(c) カップリング剤。
【0007】
本発明のもう1つの主題は、このゴム組成物の、タイヤまたはタイヤ用の半製品、特にタイヤトレッドの製造における使用である;タイヤトレッドは、新品タイヤの製造または磨耗タイヤの再トレッド形成のいずれかを意図する。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物を含むトレッドである。
本発明のもう1つの主題は、本発明に従うゴム組成物を含む場合のタイヤ自体である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
“ベースとする”組成物なる表現は、使用する各種構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきである;これらベース構成成分のある種のものは、上記組成物の種々の製造段階において、特に、その架橋または加硫中に、少なくとも部分的に互いに反応し得るか或いは反応することを意図する。
【0009】
本明細書においては、特に明確に断らない限り、示すパーセント(%)は、全て質量%である。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の範囲は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでの範囲にある値の領域を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の範囲は、いずれも、aからbまでの範囲にある値の領域を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。“phr”は、エラストマー全体(従って、極性TPEコポリマーを含む)の100質量部当りの質量部を意味する。
【0010】
即ち、本発明の第1の主題は、下記をベースとするゴム組成物である:
(a) 下記を含むエラストマーマトリックス:
・60〜95phrの少なくとも1種のジエンエラストマー;および、
・5〜40phrの極性TPEコポリマー;
(b) 補強用無機充填剤を含む補強用充填剤;
(c) カップリング剤。
【0011】
上記エラストマーマトリックスは、60phr〜95phrの範囲の割合の少なくとも1種のジエンエラストマーを含む。上記の最低値よりも少ないと、乾燥地面上でのグリップ性能が実質的に低下する傾向を有し、一方、推奨する最高値よりも多いと、湿潤地面上でのグリップ性能が低下する。好ましくは、上記エラストマーマトリックスは、70phrと90phrの間の量の少なくとも1種のジエンエラストマーを含む。
【0012】
“ジエン”タイプのエラストマーは、知られている通り、ジエンモノマー(共役型であり得るまたはあり得ない2個の炭素‐炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきであることを思い起されたい。
【0013】
“ジエンエラストマー”なる表現は、本発明によれば、ジエンモノマーに少なくとも一部由来する任意の合成エラストマーを意味するものと理解すべきである。さらに詳細には、“ジエンエラストマー”なる表現は、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー、或いは1種以上の共役ジエンを他のジエンまたは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマーを意味するものと理解されたい。コポリマーの場合は、これらのコポリマーは、20質量%〜99質量%のジエン単位と1質量%〜80質量%のビニル芳香族単位を含有する。
【0014】
本発明に従う方法において使用することのできる適切な共役ジエンは、特に、1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5)アルキル)‐1,3‐ブタジエン;フェニル‐1,3‐ブタジエン;1,3‐ペンタジエンまたは2,4‐ヘキサジエン等である。
適切なビニル芳香族化合物は、特に、スチレン;オルソ‐、メタ‐またはパラ‐メチルスチレン;市販“ビニルトルエン”混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン等である。
【0015】
以下が、適している:ポリブタジエン、特に、4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブジエン類または80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン;ポリイソプレン;ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、0℃と−70℃の間、特に−10℃と−60℃の間のTg (ガラス転移温度、ASTM D3418に従って測定)、5質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー;ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー;または、イソプレン/スチレンコポリマー、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含有量および5℃と−50℃の間のTgを有するコポリマー。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合に特に適しているは、5質量%と50質量%の間、特に10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%の間、特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分1,2‐+3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー、さらに一般的には、−20℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーである。
【0016】
要するに、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなるジエンエラストマーの群から選択する。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、スチレンコポリマー(SBR、SIRおよびSBIR)、ポリブタジエン(BR)および天然ゴム(NR)からなる群から選ばれる。
本発明の1つの特定の実施態様によれば、上記エラストマーマトリックスは、上記のエラストマーから選ばれるジエンエラストマーを含む。
【0017】
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記エラストマーマトリックスは、少なくとも2種のジエンエラストマーを含む。この実施態様の第1の変形によれば、上記2種のエラストマーのうちの1種は、好ましくは、ジエンエラストマーの総質量の60質量%と100質量%の間の割合のスチレンコポリマー、例えば、SBR、SBIR、SIRまたはこれらの混合物であり、他の1種は、ジエンエラストマーの総質量の0質量%と40質量%の間の割合のポリブタジエンおよび天然ゴムから選択する。この実施態様の第2の変形によれば、上記2種のエラストマーのうちの1種は、好ましくは、ジエンエラストマーの総質量の70質量%と100質量%の間の割合の天然ゴムであり、他の1種のエラストマーは、好ましくは、ジエンエラストマーの総質量の0質量%と30質量%の間の割合のスチレンコポリマー、例えば、SBR、SBIR、SIRまたはこれらの混合物である。
【0018】
上記エラストマーマトリックスは、第2の成分として、5phr〜40phrの範囲の割合の極性熱可塑性エラストマーTPEを含む。上記の最低値よりの少ないと、湿潤地面上でのグリップ性能が実質的に低下する傾向を有し、一方、推奨する最高値よりも多いと、乾燥地面上でのグリップ性能が低下する。好ましくは、上記エラストマーマトリックスは、5phr〜30phr、好ましくは10phrよな25phrの極性熱可塑性エラストマーTPEを含む。
【0019】
本発明に従う極性熱可塑性エラストマーTPEは、エラストマーブロック(簡素化のためにBで示す)と少なくとも1個の熱可塑性ブロックを含むコポリマーであり、その熱可塑性ブロックの1個は極性である(簡素化のためにMで示す)。上記極性熱可塑性エラストマーTPEは、本質的には、ジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーの形にある。また、本発明に従う極性熱可塑性エラストマーTPEは、これらのコポリマーの混合物からもなり得る。
上記エラストマーブロックBは、有利には、上記で定義したようなジエンエラストマーである。上記エラストマーブロックBは、好ましくは、ポリブタジエンまたは例えばSBRのようなスチレンコポリマーである。上記エラストマーブロックBは、好ましくは、5000〜65000g/モルの質量平均分子量(Mw)を有する。
【0020】
上記極性熱可塑性ブロックMは、アルキル基が好ましくは1〜4個の炭素原子を含む短鎖アルキルアクリル酸エステル(1〜4個の炭素原子を有する)から選ばれた少なくとも1種のモノマーの重合によって得られるホモポリマー或いはこれらのモノマーの1種以上と他の1種または1種以上のアクリルまたは非アクリルモノマーとの共重合によって得られるコポリマーのいずれかであり得る。上記極性熱可塑性ブロックMがコポリマーである場合、そのコポリマーは、好ましくは、少なくとも70質量%のアルキルアクリレート単位を含有する。有利には、上記アルキルアクリル酸エステルモノマーは、短鎖メタクリル酸エステルであり、さらにより好ましくは、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートから選ばれる。従って、本発明の1つの好ましい局面によれば、上記極性熱可塑性ブロックMは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはポリエチルメタクリレート(PEMA)タイプのポリマーである。
上記極性熱可塑性ブロックMは、好ましくは、35000〜70000g/モルの質量平均分子量(Mw)を有する。
【0021】
本発明の1つの変形によれば、上記極性熱可塑性エラストマーTPEは、第3のブロックを含み得、この第3にブロックは、上記極性熱可塑性ブロックMとは異なる熱可塑性ブロック(簡素化のためにSで示す)である。有利には、この熱可塑性ブロックは、少なくとも1種のビニル芳香族モノマーの重合によって得られるホモポリマー或いはこれらのビニル芳香族モノマーの1種以上と他のビニル芳香族モノマーまたは1種以上の他のモノマーとの共重合によって得られるコポリマーのいずれかである。
【0022】
適切なビニル芳香族化合物は、特に、スチレン;オルソ‐、メタ‐またはパラ‐メチルスチレン;市販“ビニルトルエン”混合物;パラ‐(tert‐ブチル)スチレン;メトキシスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン等である。好ましくは、このモノマーは、スチレンである。
従って、本発明の1つの好ましい局面によれば、上記熱可塑性ブロックSは、ポリスチレンである。
上記熱可塑性ブロックSは、好ましくは、14000〜55000g/モルの質量平均分子量(Mw)を有する。
【0023】
本発明によれば、上記極性熱可塑性エラストマーTPEは、好ましくは、40000〜190000g/モルの質量平均分子量(Mw)を有する。
本発明によれば、上記極性熱可塑性エラストマーTPEは、有利には、質量画分として表して下記の組成を有する:
・上記エラストマーブロックBは、20%〜60%の、好ましくは30%と50%の間の画分を示す;
・上記極性熱可塑性ブロックMは、極性熱可塑性エラストマーTPE100%のうちの21%〜42%の、好ましくは30%と42%の間の画分を示す;
上記極性熱可塑性エラストマーがトリブロックである本発明の変形によれば、上記熱可塑性ブロックSは、極性熱可塑性エラストマーTPE100%のうちの13%〜52%の、好ましくは13%と20%の間の画分を示す。
【0024】
この変形の1つの好ましい実施態様によれば、上記極性熱可塑性エラストマーTPEは、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリエチルメタクリレートコポリマーまたはポリスチレン/ポリブタジエン/ポリメチルメタクリレートコポリマーであり、後者は特に好ましい。
そのような生成物は、商業的に入手可能である。例えば、Arkema社から品名Nanostrength(登録商標)として、参照記号A012またはGV100の種々の等級でもって販売されている製品を挙げることができる。
また、上記エラストマーマトリックスは、上記の各成分と組合せて、もう1種の熱可塑性エラストマーも含み得る。
【0025】
本発明の主題であるゴム組成物は、第2の本質的構成成分として、無機充填剤を含む補強用充填剤を含む。有利には、無機充填剤は、上記補強用充填剤の主要充填剤であり、好ましくは、この補強用充填剤の50%以上の質量画分、特に、50%と100%の間の、または100%までさえの質量画分を示す。
【0026】
“補強用無機充填剤”なる表現は、本特許出願においては、定義によれば、カーボンブラックに対比して“白色充填剤”、“透明充填剤”としても或いは実際には“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強役割において置換わり得る任意の無機または鉱質充填剤(その色合およびその天然または合成起原の如何にかかわらない)を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
【0027】
好ましくは、上記補強用無機充填剤は、その全体において、または少なくとも主として、シリカ(SiO2)である。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満のBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降または焼成シリカであり得るが、高分散性沈降シリカが好ましい。また、補強用無機充填剤としては、アルミナ質タイプの鉱質充填剤、特に、アルミナ(Al2O3);または、(酸化)水酸化アルミニウム;または、補強用酸化チタンも挙げられる。
【0028】
補強用無機充填剤を使用する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒または球体のいずれの形状であれ、重要ではない。勿論、“補強用無機充填剤”なる表現は、種々の補強用無機充填剤、特に、上記で説明したような高分散性シリカ類の混合物も意味することを理解されたい。
【0029】
補強用充填剤は、ブレンド(混合物)として、上記補強用無機充填剤(1種以上)以外に、カーボンブラックのような有機充填剤も含有し得ることに留意されたい。この補強用有機充填剤は、その場合、好ましくは、充填剤総質量に対して50%未満の質量画分で存在する。
適切なカーボンブラックは、タイヤ用のゴム組成物において通常使用される全てのカーボンブラック類(タイヤ級ブラックとして知られているブラック類)である。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、天然ゴム中に既に混入させていてもよい。
【0030】
例えば、ブラック/シリカブレンドまたはシリカで部分的にまたは全体的に被覆したブラック類は、上記補強用充填剤を調製するのに適している。シリカで変性したカーボンブラック、例えば、限定するつもりはないが、Cabot社から品名“CRX 2000”として販売されており、また、国際特許文献WO A 96/37547号に記載されている充填剤も適している。カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤、或いはWO‐A‐2008/003434号およびWO‐A‐2008/003435号に記載されているような官能化非芳香族ポリビニル有機充填剤を挙げることができる。
【0031】
上記補強用充填剤が補強用無機充填剤とカーボンブラックのみを含有する場合、上記補強用充填剤中のこのカーボンブラックの質量画分は、さらに好ましくは、補強用充填剤の総質量に対して30%以下であるように選定する。
【0032】
本発明に従うゴム組成物は、もう1つの構成成分として、上記エラストマーマトリックスを構成するエラストマーに上記補強用無機充填剤をカップリングさせるためのカップリング剤を含む。
“カップリング剤”なる表現は、さらに正確には、当該充填剤と上記エラストマー間に化学的および/または物理的性質の十分な結合を確立すると共に、この充填剤の上記エラストマーマトリックス中での分散を容易にすることのできる薬剤を意味するものと理解されたい。
【0033】
例えば、上記無機充填剤に物理的および/または化学的に結合し得る官能基および上記エラストマーに、例えばイオウ原子によって物理的および/または化学的に結合し得る官能基を担持するオルガノシラン類、特に、アルコキシシランポリスルフィドまたはメルカプトシラン或いはポリオルガノシロキサン類のような、タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物において、シリカのような補強用無機充填剤とジエンエラストマー間の結合について知られている或いはその結合を有効に確立し得る任意のカップリング剤を使用し得る。シリカ/エラストマーカップリング剤は、特に、数多くの文献に記載されており、最も良く知られているのは、アルコキシシランポリスルフィドのような二官能性アルコキシシラン類である。特に、例えば、出願 WO 03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO 03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造によって“対称形”または“非対称形”と称されるシランポリスルフィド類を使用する。
【0034】
特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド類、または、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号およびWO 2006/125534号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOS類が挙げられる。
【0035】
本発明に従う組成物においては、カップリング剤の含有量は、有利には、20phr未満である;一般的には、可能な限りの最低のカップリング量を使用することが望ましい。その含有量は、好ましくは0.5phrと12phrの間の量、より好ましくは3〜10phr、特に4〜7phrの量である。この含有量は、当業者であれば、上記組成物において使用する無機充填剤の含有量に従って容易に調整し得ることである。
【0036】
当業者であれば、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層によって被覆されているか或いはその表面に、官能部位、特にヒドロキシル部位を含み、該充填剤と上記エラストマー間の結合を形成させるためのカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、この項で説明する補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。
【0037】
また、本発明に従うゴム組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、無機充填剤の被覆用の薬剤、或いはゴムマトリックス中での充填剤の分散を改善し且つ組成物の粘度を低下させることによって、知られている通り、未硬化状態における組成物の加工容易性を改善することのできるより一般的な加工助剤も含有し得る;これらの薬剤または助剤は、例えば、アルキルアルコキシシランのような加水分解性シラン類;ポリオール類;ポリエーテル類;第一級、第二級または第三級アミン類;または、ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類である。
【0038】
また、本発明に従うゴム組成物は、例えば、顔料;オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;補強用または可塑化用樹脂;例えば出願WO 02/10269号に記載されているような、メチレン受容体(例えば、フェノール・ノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M);イオウまたはイオウ供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドのいずれかをベースとする架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤;コバルト系化合物のような接着促進剤;可塑剤、好ましくは、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、MESオイル、TDAEオイル、エーテル可塑剤、エステル可塑剤(例えば、グリセリントリオレアート)、例えば出願WO 2005/087859号、WO 2006/061064号およびWO 2007/017060号に記載されているような好ましくは30℃よりも高い高Tgを有する炭化水素系樹脂、およびそのような化合物の混合物からなる群から選ばれる非芳香族系または極めて弱い芳香族系の可塑剤のような、タイヤの製造を意図するエラストマー組成物において慣用的に使用する通常の添加剤の全部または数種も含有し得る。
【0039】
また、本発明は、上述したようなゴム組成物の製造方法にも関する。
上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する第1段階(“非生産”段階と称する)、並びに、その後の典型的には110℃よりも低い、例えば、40℃と100℃の間の低めの温度まで機械加工する第2段階(“生産”段階と称する)を使用して製造し、この仕上げ段階において架橋系を混入する。
【0040】
本発明に従うゴム組成物を製造する本発明に従う方法は、少なくとも下記の各段階を含む:
・130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度において、上記ゴム組成物の架橋系を除いた必須ベース構成成分の緊密な混入による熱機械的加工の第1工程(“非生産”段階とも称する)を、天然ゴムをベースとするエラストマーマトリックス中に上記組成物の各成分を1以上の工程で混練することによって実施する段階;その後、
・上記第1工程の上記最高温度よりも低い、好ましくは120℃よりも低い温度において、機械的加工の第2工程を実施し、その間に、上記架橋系および適切な場合の接着促進剤を混入する段階。
【0041】
その後、そのようにして得られた最終組成物を、例えば、シートまたはスラブの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、タイヤを意図するゴム半製品として使用することのできるゴム形状要素を形成させる。
【0042】
本発明のもう1つの主題は、少なくとも1つのタイヤ構成部品中に、本発明に従う強化ゴム組成物を組込んでいるタイヤである。
本発明の1つの主題は、特に、これらのタイヤを意図する、本発明に従う強化ゴム組成物を含むゴム半製品である。
【0043】
本発明に従う強化ゴム組成物を特徴付ける、下記の実施例において明白にしているある種の動的特性のために、上記組成物を含むトレッドを有するタイヤは湿潤地面上および乾燥地面上での改良されたグリップ性を示すことに注目されたい。グリップ特性のこの改良は、路上試験結果によって裏付けされている。従って、本発明に従うゴム組成物を含むトレッドは、本発明の1つの特に有利な実施態様を構成し、且つ本発明の1つの主題を構成する。
【0044】
本発明の上記および他の特徴は、例として示し限定するつもりはない本発明の幾つかの典型的な実施態様についての以下の説明を読むことでより良好に理解し得るであろう。
【0045】
使用する測定および試験法
I. ゴム試験
ゴム組成物を、硬化の前後において、以下に示すようにして特性決定する。
I‐1. ムーニー可塑度
フランス規格NF T 43‐005 (1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度測定は、次の原理に従って実施する:未硬化状態(即ち、硬化前)の組成物を100℃に加熱した円筒状チャンバー内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験標本内で2rpmで回転し、この運動を維持するための仕事トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
【0046】
I‐2. ショアA硬度
硬化後の組成物のシュアA硬度は、規格ASTM D 2240‐86に従って評価する。
【0047】
I‐3. 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破断点諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って実施する。2回目の伸びにおいて(即ち、順応サイクル後に)、“公称”割線モジュラス(即ち、MPaでの見かけ応力)を100%伸びにおいて測定する(“M100”で示す)。これらの引張測定は、全て、フランス規格NF T 40‐101 (1979年12月)に従い、標準の温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)条件下に実施する。
【0048】
I‐4. 動的特性
動的特性は、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦剪断応力に10Hzの周波数で供した加硫組成物のサンプル(厚さ4mmおよび400mm2の断面積を有する円筒状試験片)の応答を、0.7MPaの一定応力での温度掃引中に記録する。0℃において観察されたtanδの値(即ち、tan(δ)0℃)および20℃において観察されたtanδの値(即ち、tan(δ)20℃)を記録する。
当業者にとっては周知の通り、tan(δ)0℃の値は、湿潤地面上でのグリップ性に対するポテンシャルを代表することを思い起されたい:tan(δ)0℃が高いほど、グリップ性は良好である。tan(δ)20℃の値は、乾燥地面上でのグリップ性に対するポテンシャルを代表する:tan(δ)20℃が高いほど、グリップ性は良好である。
【0049】
II. タイヤにおける試験
II‐1. 湿潤地面上での制動、ABSシステムによる
タイヤを、ABS制動システムを備えたRenault Megane 1.6 RTEの型式およびモデルの自動車に装着し、80km/時から10km/時に変るのに必要な距離を水噴霧地面(アスファルトコンクリート)上での急ブレーキ中に測定する。任意に100に設定した対照の値よりも大きい値が、改良された結果、即ち、より短い制動距離を示す。
【0050】
II‐2. 乾燥地面上での制動、ABSシステムによる
タイヤを、ABS制動システムを備えたRenault Megane 1.6 RTEの型式およびモデルの自動車に装着し、100km/時から0km/時に変るのに必要な距離を乾燥地面(アスファルトコンクリート)上での急ブレーキ中に測定する。
【0051】
II‐3. 路上ハンドリング
湿潤地面上でのグリップ性能を評価するには、Renault Megane 1.6 RTEの型式およびモデルの自動車に装着したタイヤの、地面を湿った状態に保つために噴霧している極めて曲りくねったサーキットの周りを速度制限条件下に走行中のハンドリングを分析する。サーキット全体を走行するのに要した最短時間を測定する;任意に100に設定した対照の値よりも大きい値が、改良され結果、即ち、より短い走行時間を示す。
【0052】
III. 結果
III‐1. 組成物の製造
以下の試験を以下の方法で実施する:スチレン/ブタジエンコポリマー、極性熱可塑性エラストマーTPE、2/3の補強用充填剤(シリカ)およびカップリング剤を、初期容器温度がほぼ70℃である3リットルの密閉ミキサー内に連続して導入する(最終充填比:ほぼ70容量%)。温度がほぼ95℃に達したとき、残りの充填剤、さらにまた、加硫系を除いた各種他の成分を導入する。その後、熱機械加工(非生産段階)を1工程で実施する;この工程は、165℃の最高“落下”温度に達するまで、50rpmの平均ブレード速度において合計でおよそ5分間継続する。
【0053】
そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次いで、イオウとスルフェンアミドタイプの促進剤とを50℃のミキサー(ホモフィッシャー)内で混入し、混ぜ合せた混合物を適切な時間(例えば、5分と12分の間の時間)で混合する(生産段階)。
そのようにして得られた組成物を、その物理的または機械的性質を測定するためのゴムのスラブ(2〜3mmの厚さ)または微細シートの形にカレンダー加工するか、或いはトレッド形状に押出加工する。
【0054】
4通りのゴム組成物、即ち、本発明に従う3つの組成物(以下、B、CおよびDで示す)および本発明に従わない1つの組成物(対照A)を、上記のようにして製造した。
それら組成物の配合(phrでの)は、下記の表に要約している。
【0055】

(1) 10phrのオイルで増量したSBR溶液;
(2) ARKEMA社から品名Nanostrength A012として販売されているスチレン(13%)/ブタジエン(45%)/メチルメタクリレート(42%) (SBM)コポリマー;
(3) Degussa社から品名Ultrasil 7000 GRとして販売されているシリカ;
(4) Degussa社から品名“Si69”として販売されているカップリング剤TESPT;
(5) 可塑剤A:オレイン酸ヒマワリ油;
(6) 可塑剤B:DRT社から品名Dercolyte L120として販売されているポリリモネン樹脂THER9872;
(7) N‐1,3‐ジメチルブチル‐N‐フェニル‐パラ‐フェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6‐PPD);
(8) ジフェニルグアニジン (Flexsys社からの“Perkacit DPG”);
(9) N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアジルスルフェンアミド (Flexsys社からのSantocure CBS)。
【0056】
III‐2. 結果
A. ゴム試験
試験の結果は、下記の表1に要約している。

表1

【0057】
驚くべきことに、本発明の主題である3つの組成物B、CおよびDの20℃(0.7MPaでの温度掃引)でのヒステリシスポテンシャルは、0℃でのヒステリシスポテンシャルが変化することなく高めである。
同時に、3つの組成物B、CおよびDは、未架橋/架橋状態における諸性質の大いに改良された妥協点を示していることが観察されている。事実、ムーニー粘度は低下しているものの、小変形(ショア硬度)および大変形(MA100)における硬度は安定なままである。
【0058】
結論として、マトリックスのジエンエラストマーの一画分を、メタクリレートブロックを含む極性熱可塑性エラストマーで置換えることは、20℃でのtan(δ)を0℃でのtan(δ)に悪影響を及ぼすことなく上昇させることを可能にしている。このことは、これらの混合物が、そのような混合物からなるトレッドを有するタイヤのグリップ性能を増進させることを可能にしていることを示唆しているようである。
また、驚くべきことに、上記極性熱可塑性エラストマーの使用が未架橋/架橋状態における諸性質の妥協点を改良することを可能にしてことも実証されている。
【0059】
B. タイヤにおける試験
組成物AおよびCを使用して上述の条件下に試験するタイヤPAおよびPCのトレッドを製造した。
試験の結果は、下記の表2に要約している。

表2

【0060】
表2(相対単位での結果)を見るに、各タイヤの転がりは、対照PAと比較して、本発明に従う組成物Cを含むPCタイヤトレッドの湿潤地面上でのグリップ性の特段に著しい改良を、湿潤地面上での横方向グリップ性の20%の有意の改良と一緒に、乾燥地面上での同じ優れたレベルのグリップ性を保持しながら明白にしていることが観察されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記をベースとするゴム組成物を含むタイヤトレッド:
(a) 下記を含むエラストマーマトリックス:
・60〜95phrの少なくとも1種のジエンエラストマー;および、
・5〜40phrの、少なくとも1個のエラストマーブロックと、アルキルアクリル酸エステル(そのアルキル基は1〜4個の炭素原子を含有する)のホモポリマーおよびコポリマーから選ばれた少なくとも1個の極性熱可塑性ブロックとを含む極性熱可塑性エラストマーTPE;
(b) 補強用無機充填剤を含む補強用充填剤;
(c) カップリング剤。
【請求項2】
前記ジエンエラストマーが、天然ゴム、スチレンコポリマー、ポリブタジエンおよびこれらのエラストマーの混合物から選ばれる、請求項1記載のタイヤトレッド。
【請求項3】
前記エラストマーマトリックスが、ジエンエラストマーとして、ジエンエラストマーの総質量の60質量%と100質量%の間の量のスチレンコポリマーと、ジエンエラストマーの総質量の0質量%と40質量%の間の量のポリブタジエン、天然ゴムまたはこれらのエラストマーの混合物とを含む、請求項1または2記載のタイヤトレッド。
【請求項4】
前記エラストマーマトリックスが、ジエンエラストマーとして、ジエンエラストマーの総質量の70質量%と100質量%の間の量の天然ゴムと、ジエンエラストマーの総質量の0質量%と30質量%の間の量のスチレンコポリマーとを含む、請求項1または2記載のタイヤトレッド。
【請求項5】
前記熱可塑性エラストマーのエラストマーブロックが、ブタジエンおよびブタジエン/スチレンコポリマーから選ばれたジエンエラストマーである、請求項1〜4のいずれか1項記載のタイヤトレッド。
【請求項6】
前記極性熱可塑性ブロックが、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートのポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤトレッド。
【請求項7】
前記極性熱可塑性エラストマーTPEが、質量画分として表して下記の組成を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載のタイヤトレッド:
・前記エラストマーブロックBは、20%〜60%を示す;
・前記極性熱可塑性ブロックMは、21%〜42%を示す。
【請求項8】
前記極性熱可塑性エラストマーTPEが、もう1種の熱可塑性ブロックも含む、請求項1〜7のいずれか1項記載のタイヤトレッド。
【請求項9】
前記他の熱可塑性ブロックが、ビニル芳香族化合物のポリマーである、請求項8記載のタイヤトレッド。
【請求項10】
前記極性熱可塑性エラストマーTPEが、質量画分として表して下記の組成を有する、請求項8または9記載のタイヤトレッド:
・前記エラストマーブロックBは、20%〜60%を示す;
・前記極性熱可塑性ブロックMは、21%〜42%を示す;
・前記他の熱可塑性ブロックSは、13%〜52%を示す。
【請求項11】
前記極性熱可塑性エラストマーTPEが、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリエチルメタクリレートコポリマーまたはポリスチレン/ポリブタジエン/ポリメチルメタクリレートコポリマーである、請求項8〜10のいずれか1項記載のタイヤトレッド。
【請求項12】
前記補強用充填剤が、50%以上の質量画分の補強用無機充填剤を含む、請求項1〜11のいずれか1項記載のタイヤトレッド。
【請求項13】
請求項1〜12において定義したとおりのトレッドを含むタイヤ。

【公表番号】特表2013−517343(P2013−517343A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548432(P2012−548432)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050381
【国際公開番号】WO2011/086119
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】