説明

アルギン酸塩を含むダイエット食品

本発明は、アルギン酸塩をゲル化させないpH値で水性の溶解形態又は膨潤形態であるアルギン酸塩を含む、ダイエット食品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト又は動物における代謝を調節する組成物に関する。特に本発明は、それを必要とする人間の体重減少の誘導に使用することができるダイエット食品、食品の消費を調節する方法、ダイエット食品の消費を調節する方法、及びヒト又は動物における血糖又はコレステロールのレベルを調節する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食物に関する良い助言は多く存在するが、経験によれば、とりわけ糖尿病又は肥満である場合には、たとえ健康に有益であることが長らく明らかにされていていても、人々が可溶性の食物繊維を多く消費することは容易ではない。
【0003】
食品の消費を調節するために、異なる食物繊維が一般的に使用される。食物繊維は2つのタイプ:可溶性繊維及び不溶性繊維にグループ分けされる。不溶性食物繊維は、粗挽き(coarse)パン及びデンプン質の野菜に存在する。不溶性繊維の例としては、セルロース、ヘミセルロース、リグニン及びペクチンが挙げられる。可溶性繊維は果物及び野菜に存在する。可溶性繊維の例としては、グァー、デキストラン、アルギン酸塩、デンプン、アミロース、アミロペクチン、キサンタン、プルラン、カラギーナン及びジェランが挙げられる。
【0004】
特許文献1には、pHが5を上回り、且つカルシウム塩と共にペクチン又はアルギン酸塩を含有する、液体食用組成物が開示されている。カルシウム塩は、食用液体への最大溶解度を超える量で存在し得るが、pH低下及び/又は温度上昇の影響で胃内で溶解する。典型的なカルシウム塩はCaCO及びCaHPOである。カルシウム濃度が増大すると、カルシウムイオン及び多糖が堅固なマトリクスを形成するため、ペクチン及び/又はアルギン酸塩のゲル化が刺激される。使用されたアルギン酸塩又はペクチンの粘度は剪断速度100s−1で50cP未満である。
【0005】
特許文献2及び特許文献3は、アルギン酸塩及び不溶性カルシウム塩の他に、タンパク質も含む食品に関する。この食品は液体であってもよく、又はさじ通りのよい(spoonable)食用製品であってもよい。好ましくは、アルギン酸塩の分子量は少なくとも0.5×10であり、グルロン酸含量は少なくとも65%である。
【0006】
カルシウムイオンが、アルギン酸塩又はペクチン中のグルロン酸の均質なブロックと複合体形成すると、堅固なマトリクスが形成されて、「エッグボックス」構造が形成される。ゲル化プロセス全体を通してのカルシウム濃度の制御が、均一なゲルの生成には重要である。カルシウムの初期濃度が高すぎると、多糖はゲルを形成するのではなく沈殿する。この条件は、個人差及び食前又は食後の食品に起因して、胃内で制御することは難しい可能性がある。
【0007】
カルシウム誘導のゲル化は、多量のカルシウム塩が、消費前の製品中に存在する必要があることを意味する。特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載のドリンクにおいて、カルシウム塩は不溶性塩として存在する。摂取前のドリンクは概して、消費者が飲みやすいように低粘度であることが望ましいため、不溶性カルシウム塩が保存中に沈殿する。消費前にドリンクを振盪するという不便さ以外にも、不均質な製品にはさらに、消費者が、最適なゲル化が進行する適切な用量でカルシウム塩を得ることができない可能性があるという欠点がある。
【0008】
特許文献4には、インスリンがグルコースから脂肪を合成する活性を低減させることを目的とした、アルギン酸塩含有食品が開示されている。アルギン酸塩は、食物繊維として使用されると共に、或る特定の圧力及び温度スキームで、市販のアルギン酸塩を分解することによって製造される。血糖を低減させると同時にインスリンの量を安定化させる所望の能力を有するアルギン酸塩の平均分子量は50000である。アルギン酸塩が短い、すなわち、分子量がおよそ10000である場合には、アルギン酸塩は血糖を低減させる傾向を示さない。分子量が100000のアルギン酸塩に関しては、血糖を低減させる傾向は、分子量が50000のアルギン酸塩との比較で同様に低減する。おそらく製造方法に起因して、アルギン酸塩の粘度が低い。したがって、平均重量が60000の典型的なアルギン酸塩の粘度は、30℃、水溶液濃度5.2%〜5.3%で、13cPである。
【0009】
低粘度では、食品を摂取し、胃で酸と接触した場合の食品のゲル強度が劣る。ゲル強度が不十分である場合には、満腹感という生理的刺激がそれほど強くならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0228903号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/020717号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2005/020719号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5,324,526号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の欠点の幾つか又はすべてを回避するダイエット食品を提供することである。特に、望ましくは、摂取前、消費者が摂取しやすい程度に粘度が十分に低い一方で、それと同時に、胃液との接触時、消費者に満腹感を与えるのに十分なゲル強度を生じることが可能である、ダイエット食品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、一態様において、アルギン酸塩をゲル化させないpH値で水性の溶解形態又は膨潤形態であるアルギン酸塩を含む、ダイエット食品に関する。
【0013】
アルギン酸塩は水に可溶であり、酸によって活性化されるため、低粘度のダイエット食品が胃のpH値の低さに起因して胃で濃密なゲルとなる。アルギン酸塩の酸による活性化は、それにより繊維が胃内で働き、風船のように胃が満たされるため、重要である。さらに、形成されたゲルは、脂肪を拘束する活性機能があり、それにより脂肪の胃又は腸への取り込みが抑制されるようである。このようにして、幾つかの食品成分、例えば、脂肪は未消化のまま通過する場合がある。
【0014】
消費した食品の通過時間が、ダイエット食品(dietary product)の摂取後に長くなることが観察されるため、胃及び腸内通過が、本発明のダイエット食品によって調節される。
【0015】
アルギン酸塩は、本発明によれば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム等の塩として主に使用される。溶解しやすさ及び認可リストに含まれていること(E401)から、アルギン酸ナトリウムが一般的には好ましい。それゆえ、アルギン酸ナトリウムは、食品添加物として認可されている。アルギン酸ナトリウムは、対象とする食品の増粘が所望される食品に広く使用されている。通常、これは、溶解又は膨潤しているが、活性化していないアルギン酸ナトリウムを使用し、これが胃で起こるpH値の低下時に反応する、本発明とは対照的に、活性化したアルギン酸ナトリウムを包含する。アルギン酸ナトリウムは、医薬用及び食品用に認可された多様な種類を入手することができる。アルギン酸ナトリウムは、海藻、とりわけノルウェー海の褐藻に由来する。特に好ましいアルギン酸塩は、ブルックフィールドRVT型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmで20℃で測定される4%水溶液粘度が800cP未満である。しかしながら、pHが約2〜3に低下した場合に十分なゲル強度を得るために、ブルックフィールドRVT型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmで20℃で測定される4%水溶液粘度が100cPを上回る必要がある。とりわけ、粘度が600cP未満、特に、粘度が400cP〜600cPのアルギン酸塩が好ましい。好ましいアルギン酸ナトリウムは、DEGUSSAによりSaltialgine(商標)US 20という名称で販売されている。
【0016】
アルギン酸塩は、2つのヘキスロン酸:β−D−マンヌロン酸及びα−L−グルロン酸の配列から成るポリウロニドである。通常、2つの糖は、鎖に沿ってランダムに分布しないが、最大20単位のブロックを形成する場合もある。これらのブロックの比率は、海藻(seeweed)の種及び海藻の葉状部を使用するか否かによって決まる。あまり重要でない因子は、成熟度、年齢及び材料を採取した場所である。アルギン酸塩中のマンヌロン酸とグルロン酸との比(M/G)は、0.4〜1.6で変動し得る。カルシウムイオンによってゲル化が誘導される場合、ゲル化特性は、グルロン酸の含量が高いほど増大する。しかしながら、本発明が特にM/G比に依存しないのは、カルシウム非存在下でのアルギン酸塩のゲル化は、ポリマーの水和によって引き起こされるためである。或る特定の態様において、1.0を上回るM/G比が有用である。
【0017】
本発明のダイエット食品は、胃液と接触した際にゲル化をサポートする少量の不溶性カルシウム塩を含有し得る。ダイエット食品中の不溶性カルシウム塩の量は、通常、pHが約pH=2に変化すると、200ppm未満のカルシウムイオンを生じる。好ましい態様において、ダイエット食品中の不溶性カルシウム塩の量は、pHが約pH=2に変化すると、50ppm未満の溶解カルシウムイオンを生じる。しかしながら、好ましい態様において、本発明のダイエット食品は追加された不溶性カルシウム塩を含有しない。有意な量のカルシウム塩が、ダイエット食品の調製に使用する水道水中に存在し得る。不溶性カルシウム塩は、カルシウムカチオンと炭酸アニオン又はリン酸アニオンとを組み合わせて形成される塩であり得る。不溶性カルシウム塩の具体例としては、CaHPO及びCaCOが挙げられる。
【0018】
十分に低い粘度のダイエット食品を得るために、アルギン酸塩の分子量は、通常150000以下、より好ましくは120000以下である。しかしながら、胃液と接触した際に十分なゲル強度を得るために、アルギン酸塩の分子量は、通常30000以上、より好ましくは少なくとも60000である。
【0019】
アルギン酸ナトリウムは、それ自体の味をほとんど加えることなく、任意の水溶液、例えば、純水で製剤化することができる。ソフトドリンク、スカッシュ又はジュース等の液体では、アルギン酸ナトリウムを、実質的に味わうことも又は感じることもできない程度までマスクすることができる。
【0020】
本発明によるダイエット食品は、アルギン酸ナトリウムを活性化させない任意のpH値を有し得る。アルギン酸ナトリウムがゲル化するpH値は、起源及び前処理によって決まる。pH値は、関連発明の一態様において、4超、好適には5以上である。
【0021】
本発明のダイエット食品中のアルギン酸ナトリウムの濃度は、所望の結果に合致するように調整される。既製の調製品において、アルギン酸塩は通常、0.2g/kg〜20g/kg、主に1.5g/kg〜10g/kgの範囲の濃度で存在する。別の実施の形態において、アルギン酸塩は、消費前に飲料等の食品への添加を目的とした濃度で存在する。
【0022】
本発明の一態様において、不溶性カルシウム塩は通常、実質的な量ではダイエット食品中に存在しない。しかし、不溶性カルシウム塩が存在する本発明の一態様において、その量は、アルギン酸塩の重量に対して、好適には1重量%未満である。好ましくは、カルシウム塩の量は、アルギン酸塩の重量に対して、0.1重量%未満である。
【0023】
アルギン酸塩の他に、本発明のダイエット食品は、単糖又は二糖がアルギン酸塩の溶解度を改善するため、単糖又は二糖、例えば、サッカロース、グルコース又は転化糖をさらに含有し得る。単糖又は二糖の濃度は通常、アルギン酸塩の濃度に応じて選ばれる。本発明の一態様によれば、単糖又は二糖の濃度は、0.1g/kg〜60g/kg、好適には10g/kg〜40g/kgの範囲である。
【0024】
本発明で使用するアルギン酸塩は、pHが低下すると、粘度が或る程度増大することを特徴とする。本発明の或る特定の態様において、ダイエット食品の粘度は、pHがpH7からpH2に低下すると、20倍以上増大する。或る特定の態様において、粘度の増大は50倍以上、例えば100倍以上である。しかしながら、現在、非常に高密度なゲルは、ダイエット食品を摂取する人間に不快感をもたらすと考えられているため、低pHでの粘度は或る特定の閾値を越えないことが概して望ましい。したがって、pHがおよそpH7からpH2に低下する場合、せいぜい100倍の粘度の増大を得ることが望ましい可能性があり、かかる粘度の増大はせいぜい50倍である。
【0025】
理論に縛られることなく、現在、十分な効果を得るには、pH2での粘度が少なくとも500cP必要であると考えられている。好ましくは、pH2での粘度は1000cP以上である。粘度が概して5000cP未満に保たれるのは、通常このレベルを超えると満腹感が増大しないためである。満足な満腹感は概して、2000cP未満、例えば1500cP未満の粘度で得られる。
【0026】
本発明のダイエット食品は、様々な実施の形態で製造することができる。ダイエット食品は、一実施の形態では食品であり、別の実施の形態では刺激物である一方、第3の実施の形態では医薬である。ダイエット食品は、美容用途に向いている可能性があり、外観を改善するために体重減少を所望することとの関連で使用される。ダイエット食品は、潜在的に死を招く肥満を解消するために、病的に肥満の個体に対して使用することもできる。
【0027】
本発明の一態様によれば、ダイエット食品は、飲料、例えば、ソフトドリンク又はスープである。ダイエット食品は、既に市販されている製品に含入することができる。これにより、アルギン酸塩を製品に添加するという変化だけで、世界中又は世界の一部で製造及び流通の設備を有するソフトドリンク製造者で既に組み込まれている流通系を利用する可能性が与えられる。このようにして、可溶性繊維の摂取と胃の酸内容物とが組み合わされることよりゲルが生成するため、痩身効果を有するソフトドリンクが得られる。
【0028】
アルギン酸塩の製剤化及び流通の方法は確固としたものではない。すなわち、消費者自身にそれを飲料又は他の食品に配合させる目的で、アルギン酸塩をカプセル中の糖と混合することが可能である。通常、糖は、ダイエット食品に関しては望ましくないが、量を考慮し、たとえ1g〜2gの量であっても食事前には十分である場合がほとんどであることと理解しており、この糖の量は、糖尿病患者にとってもわずかなものである。これが最適な流通である場合、消費者は既製のカプセルと水、必要な場合には香り付けしたもの、例えば、スカッシュ等とを混合し、摂取前に激しく撹拌することが必要である。繊維が最適に使用されると共に、胃を満たすゲルが適量となるように、適量の液体を摂取することが望ましい。最適な効果が得られるように、一例として、アルギン酸塩0.5g〜2.0gを含有するカプセルに対して、液体0.2Lを使用することができる。
【0029】
酸で活性化されたゲルが、さらに脂肪を吸収及び拘束することにより、これらを未消化のまま体内通過させることが推定される。こうして、カロリー摂取の低減が達成される。
【0030】
食事の摂取から、完全に又は一部消化された食品が糞便として身体を出るまでの通常の時間は、ダイエット食品の摂取後には長くなることがさらに推定される。これは、これらの繊維のとりわけ望ましい特徴であり、食品摂取の低減と体内での長期での消化とが組み合わされることにより、血糖のゆらぎが少なくなる結果、安定した満腹感及び健康状態が得られるため、減量したい個体には非常に有用である。
【0031】
とりわけ糖尿病患者は、血糖レベルの調節が有意に改善されると同時に、体重減少により長期での健康の改善が促進される。したがって、本発明は、それを必要とする患者において血糖を調節する方法の使用であって、該方法が、アルギン酸塩をゲル化させないpH値で溶解形態又は膨潤形態であるアルギン酸塩を含有する組成物を薬学的有効量で投与する工程を含む、使用にも関する。
【0032】
本発明は、主食の少なくとも10分前にダイエット食品を摂取することによって、食品の消費を調節する方法にも関する。典型的には、胃内に粘液が蓄積するように食事の10分〜30分前に摂取する。脳が胃の充満及び血糖の上昇を認識するのにおよそ30分かかるため、個体の食事摂取は速過ぎる場合が多いことがよく知られている。この2部摂取により、個体に有意に低いカロリーを摂取していることを気づかせることなく、脳が食品の摂取を低減させるのに役立つ。
【0033】
本発明は、糞便の密度を1g/cm以下、主に0.9g/cmにする量で、ダイエット食品を摂取することによって、ダイエット食品の摂取を調節する方法にも関する。糞便の密度は、トイレで糞便が浮遊するか否かを記録することによって分かる。適切に本ダイエット食品を使用すると、浮遊性の糞便になる。これは、適切な使用の指標として非常に重要である。膨潤繊維又は可溶性繊維を、活性化ゲルの形態で一部含有するため、糞便密度が低下する。このようにして、個体自身が、水中での糞便での挙動を調べることによって、適量のダイエット食品の摂取を調節することができる。
【0034】
主食前に摂取する繊維の日用量は、個別的である。体重200kgの個体は、体重90kgの個体よりも有意に多いカロリーを摂取し、体重200kgの個体の胃は同様に体重90kgの個体よりも有意に大きい。したがって、体重200kgの個体は、体重90kgの個体よりも多くのダイエット食品を摂取する必要がある。誰でも自分で先に記載したように糞便を観察することによって、最適量を見出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0035】
実施例1
年齢41歳、体重113kgの男性を、Tuborgの無糖オレンジソフトドリンク0.25Lに溶解させたアルギン酸塩(Satialgine US 20)2.5gを含むダイエット食品で処理した。ダイエット食品は、1日1回、夕食15分前に摂取させた。処理1ヶ月後、3.5kgの体重減少が観察された。長期にわたる満腹感及び健康状態が達成された。
【0036】
実施例2
年齢24歳、体重140kgの男性を、実施例1に記載のダイエット食品で処理した。ダイエット食品は、1日1回、夕食15分前に摂取させた。処理1ヶ月後、6.5kgの体重減少が観察された。長期にわたる満腹感及び健康状態が達成された。
【0037】
実施例3
年齢47歳、体重56kgの女性を、Tuborgの無糖オレンジソフトドリンク0.25Lに溶解させたアルギン酸塩(Satialgine US 20)1gを含むダイエット食品で処理した。ダイエット食品は、1日1回、夕食15分前に摂取させた。これにより、食品摂取が半減しても、さらに依然として通常の主食後と同一の満腹感が達成された。翌日、用量を2gに増量することにより、主食を摂る願望が消失した。
【0038】
実施例4
年齢49歳、体重125kgの女性を、COOPの糖無添加アカフサスグリジュース0.4Lに溶解させたアルギン酸塩(Satialgine US 20)2.5gを含むダイエット食品で処理した。ダイエット食品を夕食30分前に摂取させたところ、通常量の半分の食品しか摂取しなかった。2日目及び3日目には、摂取した食品の量が通常のわずか40%であった。女性によると、就寝前の甘いものに対する通常の衝動がなかった。
【0039】
実施例5
水1LにSatialgine US 20を5g溶解させて原液を調製した。原液を撹拌しながら、各飲料に関して以下に示す成分を添加した。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
天然フレーバーのエタノール調製品
キノリン(Quinolin)イエロー(E104)2.0%及びグリーンS(E142)0.17%
天然パッションフルーツフレーバーのプロピレングリコール溶液(E1520)及びトリアセチン(E422)
天然コーラフレーバーのプロピレングリコール溶液(E1520)
アンモニア化カラメル(E150d)80%水溶液
【0045】
実施例6
アルギン酸塩の溶液の調製及びそのゲル化
アルギン酸ナトリウム(S20、Cargillより入手可能)4gを、0.4%(w/w)となるように、脱イオン水1000mLに溶解させた。粘度をブルックフィールドLV型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmによって測定した。22℃の温度で、Metrohm 6.0233.100電極を有するPhilipsのPW 9420/1 pHメータを用いてpHを測定したところ6.89であった。粘度を測定したところ35.75cPであった。
【0046】
次いでpHを、30%(w/w)塩酸を用いてpH1.97に低下させた。ゲル化したアルギン酸塩を超音波処理して、封入された気泡を除去した(removed)。粘度を測定したところ1150cPであった。
【0047】
実施例7
アルギン酸塩の溶液の調製及びそのゲル化
試験アルギン酸塩(XPU−LVG500 506/08、Cargillより入手可能)8gを脱イオン水1000mLに溶解させた。溶液のpHは7.21であった。実施例6に記載の方法を用いて粘度を測定したところ32.5cPであった。30%(w/w)塩酸を用いて溶液をpH2.09まで酸性化した。超音波で泡の大半を除去した後、粘度を測定したところ3200cPであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルギン酸塩をゲル化させないpH値で水性の溶解形態又は膨潤形態であるアルギン酸塩を含む、ダイエット食品。
【請求項2】
前記アルギン酸塩の分子量が150000以下である、請求項1に記載のダイエット食品。
【請求項3】
ブルックフィールドRV型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmで20℃で測定される、前記アルギン酸塩の4%水溶液粘度が、800cPを超えない、請求項1又は2に記載のダイエット食品。
【請求項4】
ブルックフィールドRV型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmで20℃で測定される、前記4%水溶液粘度が、100cP〜800cPである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項5】
ブルックフィールドRV型粘度計、スピンドルNo.2、20rpmで20℃で測定される、前記アルギン酸塩の4%水溶液粘度が、200cP〜600cPである、請求項4に記載のダイエット食品。
【請求項6】
前記pH値が4以上である、請求項1に記載のダイエット食品。
【請求項7】
前記pH値が5以上である、請求項6に記載のダイエット食品。
【請求項8】
前記ダイエット食品中の不溶性カルシウム塩の量が、前記pHがpH=2に変化すると、200ppm未満のカルシウムイオンを生じる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項9】
前記ダイエット食品中の不溶性カルシウム塩の量が、前記pHがpH=2に変化すると、50ppm未満の溶解カルシウムイオンを生じる、請求項8に記載のダイエット食品。
【請求項10】
前記アルギン酸塩が、前記ダイエット食品の0.2g/kg〜20g/kgの濃度で存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項11】
前記アルギン酸塩が、前記ダイエット食品の1.5g/kg〜10g/kgの濃度で存在する、請求項10に記載のダイエット食品。
【請求項12】
前記ダイエット食品の粘度が、前記pHがpH7からpH2に低下すると、20倍以上増大する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項13】
前記ダイエット食品の粘度が、前記pHがpH7からpH2に低下すると、50倍以上増大する、請求項12に記載のダイエット食品。
【請求項14】
前記粘度が、前記pHがpH7からpH7に低下すると、100倍以上増大する、請求項12又は13に記載のダイエット食品。
【請求項15】
不溶性カルシウム塩の存在量が、前記アルギン酸塩の重量に対して1重量%未満である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項16】
前記ダイエット食品が、単糖又は二糖を、0.1g/kg〜60g/kg、好ましくは10g/kg〜40g/kgの濃度でさらに含有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項17】
前記単糖又は前記二糖が、サッカロース、グルコース、転化糖又はそれらの混合物から成る群から選択される、請求項16に記載のダイエット食品。
【請求項18】
飲料である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項19】
ソフトドリンク又はスープである、請求項18に記載のダイエット食品。
【請求項20】
前記アルギン酸塩がアルギン酸ナトリウムである、請求項1〜19のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項21】
消費前に飲料等の食料品に対する添加物として使用することを目的とした、濃縮状態で存在する、請求項1〜20のいずれか一項に記載のダイエット食品。
【請求項22】
主食の少なくとも10分前に請求項1〜21のいずれか一項に記載のダイエット食品を消費する工程を含む、食品の消費を調節する方法。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれか一項に記載のダイエット食品の消費を調節する方法であって、該ダイエット食品を、糞便の密度が1g/cm以下となる量で消費する工程を含む、方法。
【請求項24】
糞便の密度が0.9g/cm以下である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
血糖調節を必要とする人間に、薬学的有効量の請求項1〜21のいずれか一項に記載のダイエット食品を投与する、血糖を調節する方法。
【請求項26】
コレステロールを低下させる治療を必要とする人間に、薬学的有効量の請求項1〜21のいずれか一項に記載のダイエット食品を投与する、コレステロールのレベルを低下させる方法。

【公表番号】特表2010−517542(P2010−517542A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548579(P2009−548579)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050039
【国際公開番号】WO2008/098579
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(509215031)エス−バイオテック ホールディング エーピーエス (1)
【Fターム(参考)】