説明

アルコールで誘発される用量ダンピングを低減するための医薬組成物

医薬組成物が開示される。この組成物は、活性物質またはその塩を含むコア; 少なくとも1つの糖を含む分離層; および少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層を含み、アルコールの存在下における用量ダンピングに耐性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、徐放性医薬組成物に関し、これはアルコールで誘発される用量ダンピング(dose dumping)およびアルコールの存在下で関連する副作用に耐性がある。特に、この組成物は、薬物コアと機能性層との間の分離層中に糖を含む。本発明は、このような組成物を調製するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
薬物を投与するための徐放性医薬組成物の価値はよく知られている。特にこれらは、即時放出性組成物の場合よりも長く、有用な血漿薬物濃度を維持することができるため、優れた治療要求の範囲を提供する。さらに、これらは過剰な血漿薬物濃度の大きさおよびピークの数を避けるまたは制限することができ、これにより薬物の毒性およびその副作用を低減することができる。さらに、その増加した活性期間により、これらの系は日々の投与単位の数を制限することができ、これにより患者への制約を減らし、治療の順守を改善することができる。
【0003】
徐放性薬物組成物は、通常、即時放出性医薬組成物よりも多量の薬物を含有する。徐放性組成物の機能性および安全性は、投与後の延長された期間、例えば8〜24時間にわたる、組成物からの薬物放出の知られている制御された速度に基づく。
【0004】
徐放性組成物中に存在する比較的多量の薬物は、ある場合には、組成物が意図された制御された放出速度よりも速い速度で薬物を放出する場合、患者を害し得る。ほとんどの場合において、徐放性組成物の失敗は、血流中への薬物の速い放出をもたらす。この速い放出は、一般的に、組成物からの薬物の意図された制御された放出よりも速く、時として「用量ダンピング」と表される。用量ダンピングは、永続的な害および死さえも含む、患者にとって深刻な結果をもたらし得る。
【0005】
経口医薬投与形態は、通常、一般的に利用可能な飲料、例えば水、ジュース、炭酸飲料、または時にはエタノールを含有する飲料をとる。エタノールを含有する飲料は、一般的に、アルコール飲料、酒、または単純にアルコールと表される。本明細書において使用される場合、「アルコール」はエタノール、またはエタノールを含有する(「アルコールの」)飲料、例えばビール、ワイン、およびウォッカ、ラム、またはウイスキーなどの強い酒を表す。エタノールの存在下における用量ダンピングは、患者がアルコール飲料と一緒に組成物を摂取する可能性により、安全性の懸念を生じる。これは、薬物がアルコールと相互作用する場合、悪化され得る。
【0006】
近年の研究により、アルコールの存在が徐放性医薬投与形態中に含有される薬物の放出を加速し得ることが示された。最初の分析において、このアルコールの効果は徐放系の分解によって、または十分な量のアルコールの存在下における薬物の溶解性の変化によって説明することができる。この状況は、多量のアルコール飲料を摂取し、飲料が高アルコール強度を有し、かつ対象が空腹である場合、ますます引き起こされ-結果はますます深刻になる。それゆえ、実際、徐放性医薬投与形態の投与に付随するアルコールの摂取は、患者中の薬物の加速された潜在的に危険な放出をもたらし得る。薬物の種類に応じて、この薬物の加速された放出は、よくても徐放性医薬投与形態を全体的に効果のないものとし、最悪の場合には患者の生命予後を危険にさらす。
【0007】
2005年に、薬物の徐放性組成物におけるエタノールの影響により、様々な薬物が市場から回収され、または警告表示が強化された。FDAは、全ての将来の持続性放出性製品に対して、持続的に放出される特徴がアルコールで誘発されて弱くなるin vitroの試験が、所定の特性化試験として望ましいことを示している。さらに、FDAの立場は、特定の薬物(例えば低い治療指数を有する薬物または高いCmaxもしくは低いCminの結果を有する薬物)に対して、アルコールに敏感な持続性放出性組成物は、承認されるべきではないとしている。FDAは、用量ダンピングがin vivo研究を通じて発生しないことの確認のみより、設計によりエタノール耐性された組成物を好む。(Pharmaceutical Sciences Advisory Committee Meeting Oct. 26, 2005において発表された、アルコールで誘発される用量ダンピングに対するFDAの立場の要約を参照)
【0008】
米国特許第2006/0193912号には、低下したアルコールで誘発される用量ダンピングを示すことが期待される、ガムとイオン化ゲル増強剤との混合物を有する組成物が記載されている。
【0009】
米国特許第2007/0264346号は、少なくとも1つの活性成分の改善された放出のためのリザーバータイプの微小多粒子を含む経口医薬形態を提供し、前記形態は、アルコールの存在下における活性成分の用量の即時のダンピングに耐性がある。
【0010】
国際公開第2007/053698号には、水性アルコールとの共投与に対する改善された特性を示す、オピオイド鎮痛剤の一日一回の徐放性組成物が記載されている。
【0011】
国際公開第2008/086804号には、医薬組成物の調製のためのポリグリコール、特にはポリエチレングリコールの使用が記載されており、この組成物は、エタノールで誘発される用量ダンピングを有しない。この出願によると、経口固体投与形態は、加熱してポリマーを溶融または軟化し、続けて固化することによって調製される。
【0012】
米国特許第2008/0085304号には、親水性ガム、ホモ多糖ガム、および医薬希釈剤を含むエタノール耐性徐放性医薬組成物が記載されている。
【0013】
米国特許第2009/0155357号には、好ましくは水不溶性である、アルコール不溶性コーティングを含む改良された放出性経口投与形態が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第2006/0193912号
【特許文献2】米国特許第2007/0264346号
【特許文献3】国際公開第2007/053698号
【特許文献4】国際公開第2008/086804号
【特許文献5】米国特許第2008/0085304号
【特許文献6】米国特許第2009/0155357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
アルコール存在下における用量ダンピングの問題は、未だ十分に解決されていない。したがって、アルコールで誘発される用量ダンピングに対する低下した可能性を有する、延長放出性経口投与形態を提供することへの、当分野における要求が存在する。本発明者らは、驚くべきことに、コアと延長放出性層または機能性層との間の分離層中に糖を導入することによって、アルコールで誘発される用量ダンピングに対する可能性が低減されることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一般的な一態様において、活性物質またはその塩を含むコア; 少なくとも1つの糖を含む分離層; および少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層を含む医薬組成物を提供し、この組成物はアルコールの存在下における用量ダンピングに耐性がある。
【0017】
別の一般的な一態様において、活性物質またはその塩を含むコア; 少なくとも1つの糖を含む分離層; および少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層を含む医薬組成物を提供し、この組成物はアルコールの存在下における用量ダンピングに耐性があり、pH1.2における40%アルコールの存在下で、40%未満の活性成分が60分後に組成物から放出される。
【0018】
医薬組成物の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、分離層は、糖に加えて結合剤および粘着防止剤(anti-tacking agent)を含んでもよい。
【0019】
分離層中の糖、結合剤および粘着防止剤は、80:10:10から20:70:10の比で存在してもよい。
【0020】
医薬組成物は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、可塑剤、粘着防止剤、乳白剤などから選択される1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。
【0021】
別の一般的な態様において、医薬組成物を調製するための方法を提供し、この方法は、
(i) 活性物質またはその塩を含むコアを調製する工程;
(ii) 少なくとも1つの糖を含む分離層をコアに適用する工程;
(iii) 少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層を、工程(ii)のコーティングされたコアに適用する工程; および
(iv) 好適な最終投与形態に変形する工程
を含む。
【0022】
医薬組成物の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、医薬組成物は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、可塑剤、粘着防止剤、乳白剤などから選択される1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。
【0023】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、以下に記載される。本発明の他の特徴、対象および利点は、その記載および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】スクロースを含有するバリア層の薬物放出に対する影響のグラフ図である。
【図2】バリア層中のスクロース:HPMC:滑石の比の薬物放出に対する影響のグラフ図である。
【図3】バリア層中のスクロースおよびラクトースの薬物放出に対する影響のグラフ図である(75%質量増加)。
【図4】バリア層中のスクロースおよびラクトースの薬物放出に対する影響のグラフ図である(200%質量増加)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、医薬組成物中に少なくとも1つの糖を加えることにより、アルコールの存在下における組成物からの薬物の用量ダンピングを低減することができることを発見した。特に、本発明は、延長放出性(改良された放出性、遅延性放出性、またはこれらの組合せ)医薬組成物、およびこれらの組成物におけるアルコールで誘発される用量ダンピングを防ぐための方法を提供する。本明細書において記載される医薬組成物は、従来の延長放出性製剤と比較して、用量ダンピングに対してより耐性があり、これにより丈夫で安全であり、広範囲の薬物に適用可能となる。本発明者らは、驚くべきことに、本発明により組成物から初期の時間に放出される活性物質の割合が、アルコールの存在下においても十分に低下することを発見した。
【0026】
本発明は、さらに、アルコール耐性を与える医薬組成物を調製するための方法、および薬物の安全性を増加し、薬物の誤用の可能性を低減するための方法を提供する。アルコール耐性薬物組成物は、水溶液またはアルコール含有溶液中の延長放出性溶解プロファイルが本質的に同じであるため、商業的に利用可能な組成物と比較して、より安全であり、誤用の可能性が低い。本明細書において記載されるアルコール耐性医薬組成物は、アルコールの存在下において用量ダンピングしない。
【0027】
本発明において使用される活性物質または薬物は、薬物の溶解性に関係なく、アルコールの存在下において用量ダンピングする傾向がある。薬物は、抗炎症剤、鎮静剤、催眠剤、抗生物質、抗糖尿病薬、降圧剤、抗骨粗鬆症剤、抗血栓剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗コリン剤、抗不安剤、アドレナリン作動剤、抗精神病剤、抗パーキンソン病剤、抗けいれん剤、抗てんかん剤、中枢興奮薬、抗狭心症剤、抗不整脈薬、抗脂質異常症薬、利尿薬、抗ぜんそく薬、抗凝血剤、貧血治療薬、ビタミン類、ホルモン類、抗ヒスタミン薬、抗癌剤、抗アレルギー薬、抗関節炎剤、抗アルツハイマー剤、バソプレシン拮抗薬、抗けいれん薬、ステロイド、エステティクス(esthetics)、血栓溶解薬、制酸薬、プロトンポンプ阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、血小板凝集阻害薬、粘液溶解薬、抗マラリア薬、制吐薬、下剤、去痰薬、酵素、避妊薬、気管支拡張剤、鎮咳薬、抗片頭痛剤、駆虫薬、および食欲抑制剤などの薬物の薬効分類から選択されてもよい。
【0028】
薬物は、ベンラファキシン、デュロキセチン、シクロベンザプリン、クエチアピン、トロスピウム、プロプラノロール、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、アムロジピン、ヒドロコドン、ジアゼパム、パラセタモール(アセトアミノフェン)、アスピリン、シプロフロキサシン、ジサイクロミン、セレコキシブ、アレンドロネート、ジアセレイン、アシクロビル、フルコナゾール、エピネフリン、ジバルプロエクス、メチルフェニデート、メトプロロール、フェノフィブレート、ヒドロクロロチアジド、モンテルカスト、ヘパリン、ワルファリン、ヘモグロビン、鉄、アスコルビン酸、黄体形成ホルモン、ビカルタミド、ドネペジル、トルバプタン、コルチゾン、リドカイン、炭酸カルシウム、サキナビル、ブロムヘキシン、プロメタジン、ビサコジル、パンクレアチン、エチニルエストラジオール、サルブタモール、ジフェンヒドラミン、スマトリプタン、ジクロフェナク、メトロニダゾール、オルリスタット、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、トラマドロール(tramadolol)、オクスカルバゼピン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ミグリトール、ビルダグリプチン、シタグリプチン、レパグリニド、ボグリボース、アルプラゾラム、クロルプロマジン、シメチジン、プソイドエフェドリン、ナプロキセン、ピロキシカム、アテノロール、ベナゼプリル、カプトプリル、リシノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、フロセミド、インダパミド、アテノロール、フェロジピン、ベラパミル、カルテノロール(cartenolol)、カルベジロール、セリバスタチン、ジルチアゼム、フルバスタチン、イルベサルタン、カンデサルタン、メチルドーパ、レセルピン、ブプロピオン、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラム、セルトラリン、アミトリプチリン、イミプラミン、フェキソフェナジン、クロピドグレル、エンタカポン、レボドパ、カルビドパ、レベチラセタム、リシノプリル、ロサルタン、ロバスタチン、ナイアシン、プラバスタチン、ラミプリル、シンバスタチン、アトルバスタチン、バルサルタン、テルミサルタン、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、エソメプラゾール、ファモチジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、ラニチジン、シメチコン、アーテスネート、アモジアキン、ベナゼプリル、ミソプロストール、メトホルミン、グリピジド、およびこれらの医薬的に許容可能な塩から選択されてもよい。
【0029】
「コア」は、分離層の下に存在するあらゆるものを表してもよい。例えば、コアは、ノンパレイルシード(non-pareil seeds)、ペレット、ビーズ、顆粒、ミニタブレット、またはマイクロタブレットのうちの1つ以上を含んでもよい。ノンパレイルシードは、デンプン、糖、微結晶セルロース、植物ガム、ワックスなどの任意の医薬的に許容可能な賦形剤であってもよい。ノンパレイルシードは、デンプンおよび糖を含んでもよい。不活性コアは、造粒または押出し球形化などの技法によって調製されてもよい。例えば、不活性コアは、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を混合し、水または溶媒で混合物を濡らし、造粒し、続けて乾燥して顆粒(不活性コア)を得ることによって調製されてもよく、顆粒を活性物質でコーティングしてコアを得る。不活性コアは、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を混合し、水または有機溶媒で混合物を湿らし、高せん断造粒機で混合して均一な湿潤物質を形成し、湿潤物質を押出して押出し品を形成し、続けて球形化して球(不活性コア)を形成することによって調製されてもよく、球を活性物質でコーティングしてコアを得る。コアは、組成物の10質量%から90質量%の範囲の量で存在してもよい。コアは、直接圧縮、湿式造粒、乾式造粒などの当業者に知られている技法で調製されてもよい。活性物質を、賦形剤と混合および/または造粒されて、コアを調製してもよい。
【0030】
「分離層」または「バリア層」は、コアと機能性層との間に存在してもよい。分離層は、コアの成分と機能性層中の速度制御ポリマーとの直接の接触を避け得る。分離層は、薬物の持続的な放出を改良するために作用する。本明細書において記載される分離層は、少なくとも1つの糖、サッカリド、または糖アルコールを含む。それは、結合剤および粘着防止剤を含んでもよい。分離層中の粘着防止剤に対する結合剤に対する糖の比は、80:10:10から20:70:10であってもよい。用語「分離層」と「バリア層」は、本発明によりほとんど同じ意味で使用される。分離層は、組成物中に、必要に応じてコアの約30〜200%質量増加で存在してもよい。
【0031】
一般的に、使用される糖、サッカリド、または糖アルコールは水に相溶であり、使用されるアルコールに部分的に相溶または不溶である。好適な糖、サッカリド、または糖アルコールには、スクロース、ラクトース、デキストリン、デキストロース、フルクトース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、イソマルト(isomalt)、マルチトール、イノシトール、ラクチトール、またはこれらの組合せのうちの1つ以上が含まれてもよい。
【0032】
「機能性層」は、投与形態からの薬物の放出を変化または改良する層を含んでもよい。それは、遅延性放出性層、持続性放出性層、またはこれらの組合せから選択されてもよい。この層は、1つ以上の速度制御ポリマー、ならびに場合によって可塑剤、粘着防止剤および乳白剤などの1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含む。
【0033】
機能性層は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、またはこれらの組合せから選択される1つ以上の速度制御ポリマーを含んでもよい。持続性放出性層中に使用される速度制御ポリマーには、セルロースポリマー、例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロース; ワックス; ポリビニルアセテート; ポリメタクリレート、例えばアンモニオメタクリレートコポリマー; 水素化ヒマシ油などのうちの1つ以上が含まれてもよい。
【0034】
遅延性放出性層中に使用される速度制御ポリマーは、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、メチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルブチレートアセテート、ビニルアセテート-マレイン酸無水物のコポリマー、スチレン-マレイン酸モノ-エステルのコポリマー、メチルアクリレート-メタクリル酸のコポリマーなどのポリメタクリレート、メタクリレート-メタクリル酸-オクチルアクリレートのコポリマー、水素化ヒマシ油などから選択される好適なpH依存性ポリマーから選択されてもよい。ポリマーは、単独でまたは他のポリマー、例えば腸溶ポリマーと組み合わせて使用されてもよい。腸溶ポリマーは、様々な医薬的に許容可能なポリメタクリレート、例えばメタクリル酸コポリマーから選択されてもよい。特に、商標名EUDRAGIT(登録商標)で販売されているメタクリル酸とメチルメタクリレートに基づくコポリマーを使用してもよい。例には、EUDRAGIT(登録商標) Lシリーズ(ジメチルアミノエチルメタクリレートから合成されるカチオン性ポリマー)、例えばEUDRAGIT(登録商標) L 12.5、EUDRAGIT(登録商標) L 12.5P、EUDRAGIT(登録商標) L 100、EUDRAGIT(登録商標) L 100-55、EUDRAGIT(登録商標) L-30、EUDRAGIT(登録商標) L-30 D-55; EUDRAGIT(登録商標) Sシリーズ、例えばEUDRAGIT(登録商標) S 12.5、EUDRAGIT(登録商標) S 12.5P、EUDRAGIT(登録商標) S100; EUDRAGIT(登録商標) NEシリーズ、例えばEUDRAGIT(登録商標) NE 30D; EUDRAGIT(登録商標) RLシリーズ、例えばEUDRAGIT(登録商標) RL 12.5、EUDRAGIT(登録商標) RL 100、EUDRAGIT(登録商標) RL PO、EUDRAGIT(登録商標) RL 30D; およびEUDRAGIT(登録商標) RSシリーズ、例えばEUDRAGIT(登録商標) RS 12.5、EUDRAGIT(登録商標) RS 100、EUDRAGIT(登録商標) RS PO、EUDRAGIT(登録商標) RS 30Dなどが含まれる。
【0035】
機能性層は、水または酸性もしくはアルカリ性水溶液などの好適な媒体中、あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、塩化エチレン、酢酸エチル、またはこれらの混合物などの有機溶媒中に、速度制御ポリマー、ならびに任意の可塑剤、粘着防止剤および乳白剤を分散または懸濁することによって適用されてもよく、得られた溶液または懸濁液は、コアまたは分離層に直接噴霧され、続けて乾燥されてもよい。
【0036】
医薬組成物は、タブレット、カプセル、顆粒、ペレット、パウダー、サシェ、ミニタブレット、マイクロタブレット、マイクロスフェア、マイクロカプセル、二層タブレット、層状タブレット、タブレット中のタブレット(tablets in a tablet)、またはカプセル中のタブレット(tablets in a capsule)の形態に成形されてもよい。
【0037】
本明細書において記載される医薬組成物は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、可塑剤、粘着防止剤、乳白剤などから選択される1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。
【0038】
好適な希釈剤には、微結晶セルロース、デンプン、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、デキストロース、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム; ラクトースまたはスクロースなどの糖; マンニトール、ソルビトール、またはエリスリトールなどの糖アルコール; およびこれらの混合物のうちの1つ以上が含まれてもよい。希釈剤を加えてパウダーのバルク体積を増加させ、造粒または圧縮してもよい。
【0039】
好適な崩壊剤には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、およびこれらの混合物のうちの1つ以上が含まれてもよい。崩壊剤は、組成物の1質量%から10質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0040】
好適な結合剤には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボマー、デキストリン、エチルセルロース、メチルセルロース、セラック、ゼイン、ゼラチン、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、ガム、合成樹脂などのうちの1つ以上が含まれてもよい。分離層中で使用される結合剤は、好ましくは、水溶性結合剤である。結合剤は、組成物の0.1質量%から10質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0041】
好適な粘着防止剤、潤滑剤、または流動促進剤には、滑石; ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などのステアリン酸金属; コロイド状二酸化ケイ素、微粉化二酸化ケイ素、ステアリン酸、水素化植物油、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、パウダー状セルロース、デンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、鉱油、三ケイ酸マグネシウム、カオリン; およびこれらの混合物のうちの1つ以上が含まれてもよい。当業者は、粘着防止剤、潤滑剤、または流動促進剤は、相互に交換可能に使用してもよいことを認識するだろう。粘着防止剤、潤滑剤、または流動促進剤は、組成物の0.1質量%から20質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0042】
好適な可塑剤は層中で使用されて、層の柔軟性および強度を増加してもよく、これには、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、またはこれらの混合物のうちの1つ以上が含まれてもよい。可塑剤は、組成物の0.1質量%から20質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0043】
好適な乳白剤は層中で使用されて、光分解を防いでもよく、これには、二酸化チタン、酸化鉄などのうちの1つ以上が含まれてもよい。乳白剤は、組成物の0.1質量%から10質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0044】
医薬組成物は、直接圧縮、乾式または湿式造粒、流動床造粒、溶融押出し、噴霧乾燥および溶液蒸発を含む、当業者に知られている様々な技法または方法によって製造することができる。
【0045】
一実施形態において、本発明の組成物は、a) 糖球、活性物質またはその塩、および結合剤を含有するコアを調製する工程; b) 少なくとも1つの糖を含有するバリア層を適用する工程; ならびにc) 機能性層を適用する工程によって調製されてもよい。
【0046】
組成物は、1:0.5から1:2、例えば1:1のバリア層中の結合剤に対する比の糖を含んでもよい。組成物は、80:10:10から20:70:10のバリア層中の粘着防止剤に対する結合剤に対する比の糖を含んでもよい。
【0047】
別の実施形態において、組成物は、pH1.2における40%アルコールの存在下で、1時間後にin vitroで約0%から約40%の薬物を放出する。特に、組成物は、pH1.2における40%アルコールの存在下で、1時間後にin vitroで約0%から約10%の薬物を放出する。
【0048】
本発明は、以下の実施例によってされに例示され、これは本発明の例示のために提供されるものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、特定の実施形態において記載されるが、特定の修正および等価物は当業者に明らかであり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
【表1】

【0050】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、ヒプロメロースの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。スクロースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧してバリア層ペレットを得た。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。分散体をバリア層ペレットに噴霧した。これらの腸溶コーティングされたペレットを滑石と混合し、カプセル中に充填した。
【0051】
表1a: 革新者の製品(Cymbalta(登録商標) DRカプセル)と実施例1の溶解プロファイルの比較
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、1000mLの20%エタノールを有する0.1N HCl)
【表2】

【0052】
(実施例2)
【表3】

【0053】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、HPMCの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。スクロースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧してバリア層ペレットを得た。エチルセルロールとヒプロメロース(HPMC)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。この分散体をポリマー層ペレットに噴霧した。これらの腸溶層状ペレットを滑石と混合し、カプセル中に充填した。
【0054】
表2a: 革新者の製品(Cymbalta(登録商標) DRカプセル)と実施例2の溶解プロファイルの比較
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、1000mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表4】

【0055】
(実施例3)
【表5】

【0056】
(手順)
塩酸ベンラファキシンおよびラクトースをふるいにかけ、一緒に混合した。混合物を水中のポリビニルピロリドンの溶液の助けにより、造粒した。この顆粒を乾燥し、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムで潤滑にした。潤滑化された物質を、適切な工具を使用することによって、タブレットに圧縮した。スクロースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体をタブレットに噴霧した。エチルセルロールとヒプロメロース(HPMC)を、イソプロピルアルコールと水との混合物中に溶解した。この溶液をバリア層タブレットにコーティングした。
【0057】
表3a: 革新者の製品(Effexor(登録商標) XR ERカプセル)と実施例3の溶解プロファイルの比較
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、900mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表6】

【0058】
(実施例4)
【表7】

【0059】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、HPMCの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。スクロースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧してバリア層ペレットを得た。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。この分散体をバリア層ペレットに噴霧した。これらの腸溶層状ペレットをカプセル中に充填した。
【0060】
実施例4A、4Bおよび4Cは、薬物を担持したペレット上の、異なる割合の質量増加(それぞれ75%、100%および200%)のバリアコーティングを含む。これらの実施例におけるバリア層中のスクロース:HPMC:滑石の比は、60:20:20である。
【0061】
表4a: 実施例4A、4Bおよび4Cの溶解プロファイル
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、900mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表8】

【0062】
(実施例5)
【表9】

【0063】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、HPMCの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。スクロースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧してバリア層ペレットを得た。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。この分散体をバリア層ペレットに噴霧した。これらの腸溶層状ペレットをカプセル中に充填した。
【0064】
この実施例におけるバリア層中のスクロース:HPMC:滑石の比は、80:10:10である。
【0065】
表5a: 実施例5の溶解プロファイル
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、900mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表10】

【0066】
(実施例6)
【表11】

【0067】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、HPMCの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。ラクトースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧してバリア層ペレットを得た。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。この分散体をバリア層ペレットに噴霧した。これらの腸溶層状ペレットをカプセル中に充填した。
【0068】
3つの実施例6A、6Bおよび6Cは、薬物を担持したペレット上の、異なる割合の質量増加(それぞれ75%、100%および200%)のバリアコーティングを含む。これらの実施例におけるバリア層中のラクトース:HPMC:滑石の比は、60:20:20である。
【0069】
表6a: 実施例6Aおよび6Cの溶解プロファイル
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、900mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表12】

【0070】
(比較例(バリア層なし))
【表13】

【0071】
(手順)
塩酸デュロキセチンを、HPMCの水溶液中に分散し、薬物の分散体を作った。分散体を糖球に噴霧して、薬物を担持したペレットを得た。フタル酸ヒプロメロース(HPMCP)を、イソプロピルアルコールと塩化メチレンとの混合物中に溶解した。クエン酸トリエチルと滑石をこの溶液中に分散した。この分散体を、薬物を担持したペレットに噴霧した。これらの腸溶層状ペレットをカプセル中に充填した。
【0072】
表7a: 比較例の溶解プロファイル
(溶解の詳細: USP装置 I、100RPM、900mLの40%エタノールを有する0.1N HCl)
【表14】

【0073】
実施例4、5および6と比較例1: 腸溶層は、15質量%のバリア層ペレットか、またはバリア層の存在しない薬物を担持したペレットである。
【0074】
スクロースを含有するバリア層の薬物放出に対する影響を図1に示す。スクロース:HPMC:滑石の様々な比の薬物放出に対する影響を図2に示す。様々な薬物の担持におけるスクロースおよびラクトースを含有するバリア層の影響の比較を、図3および4に示す。
【0075】
(実施例7)
【表15】

【0076】
(手順)
アセトアミノフェン、ヒドロコドン、および微結晶セルロースを一緒に混合し、混合物をポビドンの水溶液で造粒した。この顆粒を乾燥し、ステアリン酸マグネシウムで潤滑にし、タブレットに圧縮した。ラクトースとヒプロメロース(HPMC)を水中に溶解し、滑石を加えて分散体を得て、この分散体をコアタブレットに噴霧した。エチルセルロースとポリエチレングリコールを、イソプロピルアルコールとジクロロメタンとの混合物中に溶解し、この溶液をバリア層タブレットに噴霧して、最終的な腸溶コーティングされたタブレットを得た。
【0077】
上記の全ての実施例から、本発明による組成物は、革新者の製品またはバリア層を有しない組成物からの薬物放出と比較して、アルコールを含む溶解媒体中で少ない薬物放出を示すことが分かる。したがって、本発明による組成物は、アルコールで誘発される用量ダンピングに耐性がある。
【0078】
本発明は特定の実施形態に関して記載されたが、特定の変更および等価物は当業者に明らかであり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質またはその塩を含むコア;
少なくとも1つの糖を含む分離層; および
少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層
を含む医薬組成物であって、アルコールの存在下における用量ダンピングに耐性がある組成物。
【請求項2】
前記分離層が、結合剤および粘着防止剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記糖が、スクロース、ラクトース、デキストリン、デキストロース、フルクトース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、イソマルト、マルチトール、イノシトール、およびラクチトールのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記糖がスクロースである、請求項1または3に記載の組成物。
【請求項5】
前記糖がラクトースである、請求項1または3に記載の組成物。
【請求項6】
前記結合剤が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボマー、デキストリン、エチルセルロース、メチルセルロース、セラック、ゼイン、ゼラチン、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、ガム、および合成樹脂のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項2または6に記載の組成物。
【請求項8】
前記粘着防止剤が、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、コロイド状二酸化ケイ素、微粉化二酸化ケイ素、ステアリン酸、水素化植物油、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、パウダー状セルロース、デンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、鉱油、三ケイ酸マグネシウム、およびカオリンのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記粘着防止剤が滑石である、請求項2または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記分離層が、糖および結合剤を1:0.5から1:2の比で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
前記分離層が、糖、結合剤および粘着防止剤を80:10:10から20:70:10の比で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーが速度制御ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記速度制御ポリマーが、組成物からの活性物質の、持続性放出、制御放出または延長放出をもたらす、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記速度制御ポリマーが、組成物からの活性物質の遅延性放出をもたらす、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリマーが、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのうちの1つ以上を含む、請求項1または12に記載の組成物。
【請求項16】
前記ポリマーが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ワックス、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、および水素化ヒマシ油のうちの1つ以上を含む、請求項1、12および13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリマーが、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、メチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルブチレートアセテート、ビニルアセテート-マレイン酸無水物のコポリマー、スチレン-マレイン酸モノ-エステルのコポリマー、メチルアクリレート-メタクリル酸のコポリマーなどのポリメタクリレート、メタクリレート-メタクリル酸-オクチルアクリレートのコポリマー、および水素化ヒマシ油のうちの1つ以上を含む、請求項1、12および13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記活性物質が、抗炎症剤、鎮静剤、催眠剤、抗生物質、抗糖尿病薬、降圧剤、抗骨粗鬆症剤、抗血栓剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗コリン剤、抗不安剤、アドレナリン作動剤、抗精神病剤、抗パーキンソン病剤、抗けいれん剤、抗てんかん剤、中枢興奮薬、抗狭心症剤、抗不整脈薬、抗脂質異常症薬、利尿薬、抗ぜんそく薬、抗凝血剤、貧血治療薬、ビタミン類、ホルモン類、抗ヒスタミン薬、抗癌剤、抗アレルギー薬、抗関節炎剤、抗アルツハイマー剤、バソプレシン拮抗薬、抗けいれん薬、ステロイド、エステティクス、血栓溶解薬、制酸薬、プロトンポンプ阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、血小板凝集阻害薬、粘液溶解薬、抗マラリア薬、制吐薬、下剤、去痰薬、酵素、避妊薬、気管支拡張剤、鎮咳薬、抗片頭痛剤、駆虫薬、および食欲抑制剤などの薬物の薬効分類から選択される、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記活性物質が、ベンラファキシン、デュロキセチン、シクロベンザプリン、クエチアピン、トロスピウム、プロプラノロール、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、アムロジピン、ヒドロコドン、ジアゼパム、パラセタモール(アセトアミノフェン)、アスピリン、シプロフロキサシン、ジサイクロミン、セレコキシブ、アレンドロネート、ジアセレイン、アシクロビル、フルコナゾール、エピネフリン、ジバルプロエクス、メチルフェニデート、メトプロロール、フェノフィブレート、ヒドロクロロチアジド、モンテルカスト、ヘパリン、ワルファリン、ヘモグロビン、鉄、アスコルビン酸、黄体形成ホルモン、ビカルタミド、ドネペジル、トルバプタン、コルチゾン、リドカイン、炭酸カルシウム、サキナビル、ブロムヘキシン、プロメタジン、ビサコジル、パンクレアチン、エチニルエストラジオール、サルブタモール、ジフェンヒドラミン、スマトリプタン、ジクロフェナク、メトロニダゾール、オルリスタット、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、トラマドロール、オクスカルバゼピン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ミグリトール、ビルダグリプチン、シタグリプチン、レパグリニド、ボグリボース、アルプラゾラム、クロルプロマジン、シメチジン、プソイドエフェドリン、ナプロキセン、ピロキシカム、アテノロール、ベナゼプリル、カプトプリル、リシノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、フロセミド、インダパミド、アテノロール、フェロジピン、ベラパミル、カルテノロール、カルベジロール、セリバスタチン、ジルチアゼム、フルバスタチン、イルベサルタン、カンデサルタン、メチルドーパ、レセルピン、ブプロピオン、フルオキセチン、パロキセチン、エスシタロプラム、セルトラリン、アミトリプチリン、イミプラミン、フェキソフェナジン、クロピドグレル、エンタカポン、レボドパ、カルビドパ、レベチラセタム、リシノプリル、ロサルタン、ロバスタチン、ナイアシン、プラバスタチン、ラミプリル、シンバスタチン、アトルバスタチン、バルサルタン、テルミサルタン、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、エソメプラゾール、ファモチジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、ラニチジン、シメチコン、アーテスネート、アモジアキン、ベナゼプリル、ミソプロストール、メトホルミン、グリピジド、およびこれらの医薬的に許容可能な塩のうちの1つ以上を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、可塑剤、粘着防止剤、および乳白剤を含む、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
タブレット、カプセル、顆粒、ペレット、パウダー、サシェ、ミニタブレット、マイクロタブレット、マイクロスフェア、マイクロカプセル、二層タブレット、層状タブレット、タブレット中のタブレット、またはカプセル中のタブレットの形態である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
カプセルである、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
活性物質またはその塩を含むコア;
少なくとも1つの糖を含む分離層; および
少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層
を含む医薬組成物であって、アルコールの存在下における用量ダンピングに耐性があり、活性成分の40%未満が、pH1.2における40%アルコールの存在下で60分後に組成物から放出される組成物。
【請求項24】
(i) 活性物質またはその塩を含むコアを調製する工程;
(ii) 少なくとも1つの糖を含む分離層をコアに適用する工程;
(iii) 少なくとも1つの医薬的に許容可能なポリマーを含む機能性層を、工程(ii)のコーティングされたコアに適用する工程; および
(iv) 好適な最終投与形態に変形する工程
を含む、医薬組成物を調製するための方法。
【請求項25】
前記組成物が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、可塑剤、粘着防止剤、および乳白剤を含む、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−504562(P2013−504562A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528506(P2012−528506)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000604
【国際公開番号】WO2011/039768
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(507365927)カディラ・ヘルスケア・リミテッド (26)
【Fターム(参考)】