説明

アルコールの脱水のために用いられるモレキュラーシーブの製造

本発明は新規なモレキュラーシーブ吸着剤を開発するための微孔質固体の細孔口制御の使用、並びにアルコールの乾燥におけるそれらの潜在能力に関し、そしてより特定的には本発明は温度及び圧力の周囲条件にて外面上における液相金属アルコキシド沈着での微孔質固体の細孔口制御によるところの共沸アルコール‐水混合物から水を選択的に吸着するモレキュラーシーブ吸着剤の製造及び使用に関し、そしてかくして製造された吸着剤はアルコールの商業的乾燥のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法に関する。
本発明は、表面改質ゼオライト(活性化モレキュラーシーブ)の製造及びアルコールの脱水における使用に関する。より特定的には、本発明は、粗製合成又は発酵供給原料の蒸留から得られた水‐エタノール共沸混合物から水を選択的に除去するモレキュラーシーブ吸着剤の製造及び使用に関する。
【0002】
背景及び先行技術
無水アルコール(99.5vol%エタノール)の使用は、高コストの原油から生成されるガソリンを節約する手段として重要な考慮事項になってきた。比較的高オクタンのアンチノック燃料(内燃機関用に用いられ得る)を得るために、20パーセントまでの無水エタノールがガソリンと配合され得る、ということは確立した事実である。いくらかのエンジン改良でもって、無水エタノールは燃料として直接的に用いられ得る。
【0003】
バイオマス物質の発酵により生成されたもののようなアルコール/水混合物は、少なくとも初期蒸留後、単一液相(通常、ほぼ等容量のエタノール及び水を含有する)を形成する。かかる混合物は慣用的には更なる蒸留(時には、ベンゼン、シクロヘキサン、等を添加して)により分離されて、無水アルコール留分(小量のプロピル又はブチルのような他のアルコールを含有し得る)を生じる。吸着及び溶媒抽出は、アルコールと水を分離する代替又は補充方法である。アルコールの増加する使用が、無水条件が好まれるところのたとえばガソリン又はディーゼル油さえのような燃料(しばしば、化石燃料と混合して)について見られる。
【0004】
ここ30年間にわたって、合成及び発酵供給原料からのエタノールの効率的回収のために、一連の蒸留システムが開発されてきた。これらの単位装置は、高等級工業用アルコール、無水アルコール、アルコールスピリット及び自動車燃料用エタノールを生成する。エタノールの品質及び回収率は改善されてきており、同時にエネルギー消費は減少されてきた。
【0005】
合成エタノールは単純な三塔蒸留単位装置にて精製され、しかして回収率は98%であり、そして高等級生成物は20mg/kgより少ない総不純物を含有し且つ60minを超える過マンガン酸塩時間を有する。
【0006】
次の事柄は、高等級アルコール特に発酵供給原料からのエタノールの効率的回収のための主な要点である。
1)抽出蒸留は、慣用の精製塔において可能であるより高い純度をもたらすことになる。投資費及び運転費は両方共低減される。
2)圧力カスケーディング設備及び熱ポンプは実質的な熱回収及び熱再循環を可能にし、かくして熱損失及び水蒸気消費を最小にする。粗製供給物中のエタノールの実質的にすべて(95〜99%)が、高等級生成物として回収される。
3)進歩した制御システムは、安定な運転状態を保証する。生成物品質は、50mg/kgより少ない総不純物含有率及び45minを超える過マンガン酸塩時間でもって維持され得る。
4)エネルギー要件が最小にされる。穀物蒸煮システムから回収されたフラッシュ熱はエタノール蒸留単位装置を加熱すために用いられ、かくしてエタノール生成のためのエネルギー消費を約10%低減する。蒸気再圧縮技法の使用は、アルコール蒸留廃液の蒸発のために要求されるエネルギーを、三重又は四重効用蒸発器において要求されるエネルギーの10分の1くらいに低減し得る。
【0007】
蒸留を通じての95%アルコールの容易な入手可能性でもって、100%(水不含)アルコールを得ることはほとんど問題を生じないと期待され得る。しかしながら、これは本当ではなく、何故なら蒸留プロセスがいかに効率的又は長くあっても、95%アルコール又はいかなるそれより低い強度の溶液も標準条件下で重量により約96.4%アルコール溶液を超えて更には濃縮され得ないからである。おおよそその点において平衡が達せられ、しかして液体混合物と蒸気混合物は同じ組成を有する。これは、共沸混合物又は定沸点混合物と呼ばれる。エチルアルコールの場合において、これは、極小共沸点種の二元共沸混合物である。圧力変化はこの共沸混合物に影響を及ぼす、ということが報告されている。
【0008】
無水エタノールを生成させるために、粗製合成又は発酵供給原料の蒸留から得られた水‐エタノール共沸混合物は脱水されねばならない。経済的理由のために、大きい蒸留所は、エタノール脱水のためにたいてい共沸蒸留に頼る。ベンゼンが多くのプラントにおいて共沸脱水(連行)剤として用いられてきたが、しかしいくらかの懸念がその発ガン性及び毒性について存在する。シクロヘキサン及びエチレングリコールが、いくつかの蒸留所において、有効な脱水剤として用いられている。
【0009】
いくつかのより小さいエタノールプラントは、エタノール共沸混合物を乾燥するために、モレキュラーシーブ吸着技法を用いる。半透膜を通じてのパーベーパレーション又は固体脱水剤の使用は、エネルギー及び装置コストを低減し得る。
【0010】
自動車燃料用ガソリン配合物における使用のための無水エタノールについての増大する要件は、最低限度のエネルギーで動作し及びまた連続運転において信頼性のあるシステムを要求する。エタノールの生成及びガソリンとの配合はここ40年間種々の国において実施されてきたけれども、かかる配合物におけるエタノールの使用は、比較的高い製造費の故に限られてきた。
【0011】
発酵ビール又は合成粗製アルコールのような希薄供給原料から自動車燃料等級の無水エタノールを回収するための慣用の蒸留システムは、3基の異なる塔における3つの必須工程すなわち(i)ストリッピング及び精留操作、(ii)脱水並びに(iii)凝縮及びデカンテーションを利用する。第1塔において、6から10vol%のエタノールを含有する供給原料が予備的なストリッピング及び精留操作に付され、しかして水の濃度は実質的に低減され、そして95vol%程度のエタノールを含有する濃縮エタノール流が除去され、それにより約97vol%エタノールのエタノール‐水共沸混合物組成物に近づく。次に、濃縮エタノール流は、適当な共沸又は連行剤通常ベンゼン又はベンゼン‐ヘプタン混合物を用いて、第2塔すなわち脱水塔における共沸蒸留に付される。これは残存水のほとんどの除去をもたらすことになり、そして所望される自動車燃料等級の無水エタノール生成物(99.5vol%)が脱水塔から回収される。システムの第3塔はストリッピング塔を含み、しかして脱水塔からの共沸混合物オーバーヘッド流の凝縮及びデカンテーションの結果、ベンゼン又は他の共沸剤が水に富む相から回収される。
【0012】
上記の慣用の蒸留システムの高い運転費における主な要素の一つは、システムの高い熱エネルギー要件、特に水蒸気消費である。慣用システムはまた、自動車燃料としての無水エタノールの使用の商業的実行可能性を減じる他の重大な欠点を有する。たとえば、ストリッパー‐精留器塔は時折過圧下で操作され、しかしてより高い温度をもたらすことになり、そしてこれは次いで棚段の急速な汚染及び閉塞を引き起こす。その結果として、塔の掃除を可能にするために運転の周期的中断が必要であると共に、高い保守費が生じることになる。更に、慣用システムは、供給原料中の比較的高い沸点及び比較的低い沸点の不純物の存在により引き起こされる操作上の難点及び製品の品質問題を克服するための適切な手段を含まない。
【0013】
先行技術において、商業的規模での無水アルコールについて常に増大する需要を満たすために、いくつかの連続法が用いられてきた。最初のものはDonald B.Keyesに発せされた特許すなわち米国特許第1,830,469号明細書に基づいており、しかして95%アルコール溶液中におけるベンゼン、エチルアルコール及び残存水での三元共沸混合物の形成によるエチルアルコールの脱水に頼る。低沸点を有するこの共沸混合物は蒸留除去され、そして無水エチルアルコールを精留塔の底部に残すように更なる二次操作により分離されねばならない。エチルエーテル、メチレンクロライド、イソブチレン、イソオクタン、ガソリン、ベンゼン及びナフサ、イソプロピルエーテル、メチルアルコール及びアセトンを含めて数多くの他の化合物が、同様な共沸蒸留における使用のために提案されてきた。しかしながら、これらの蒸留はすべて同様な問題の難点があり、すなわち、添加成分に因る増加コスト及び処理中の火災又は爆発の増大危険性である。
【0014】
Joseph Van Ruymbekeの特許すなわち米国特許第1,459,699号明細書に基づく第2の方法は、脱水剤として作用すべき塔中におけるグリセリンの還流に頼る。グリセリン及び水は蒸留器の底部にて出て行き、そして留出物は無水エチルアルコールである。しかしながら、かなりのアルコールがグリセリン及び水で捕らえられ、そして第2精留蒸留器にて回収されねばならない。その種の最も初期のものであると報告されている更に別の方法は、乾燥剤として無水炭酸カリウムを利用する。酸化カルシウム、炭化カルシウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウムカルシウム、塩化アルミニウム及び第二水銀、塩化亜鉛並びに水酸化ナトリウムのような数多くの他の無機化合物が同様に研究されており、しかしてそれらのうちのいくつかは上記に挙げられたグリセリン還流法における添加剤として示唆されている。この方法の制約は、その所要二工程精留塔並びに別の添加剤においては無機物質が環境に優しくないことである。
J.J.Baiel等の米国特許第4,161,429号明細書(1979)は、連行剤としてペンタン及びシクロヘキサンを用いて、酸素の不存在下で行われるエタノールの高圧(100〜200Psi)共沸蒸留方法を開示する。この方法と関連した欠点は、(i)それが高圧蒸留を要求すること及び(ii)酸素不含雰囲気を連続的に維持することが困難であることである。
【0015】
R.Katzen等の米国特許第4,217,178号明細書(1980)は、発酵又は合成供給原料から自動車燃料等級の無水エタノールを得るための改良蒸留方法を開示する。無水エタノール生成に用いられる三塔システムは、希薄供給原料が濃縮エタノール流に転換されるストリッパー‐精留器塔、水が濃縮エタノール流から共沸蒸留により除去される脱水塔及び共沸剤を回収するためのストリッパー塔を含む。この方法の制約は高い操作圧であり、また無水エタノールからの共沸剤の完全除去は困難である。
【0016】
W.C.Muller等の米国特許第4,256,541号明細書(1981)は、共沸混合物形成剤としてシクロヘキサンを用いて、任意の希薄供給原料から高い熱効率で無水エタノールを蒸留する方法を開示する。この方法の制約は、この方法が共沸蒸留中における共沸混合物形成剤としてのシクロヘキサンの使用を伴うことである。
【0017】
L.L.Fornoffの米国特許第4,273,621号明細書(1981)は、水性エタノールを脱水する方法であって、水性エタノール混合物の単一蒸留塔での高圧蒸留を利用して、約90重量%のエタノールを含有する蒸気相エタノール‐水混合物を達成し、そして次いでこの蒸気状混合物をCO2の存在下で結晶質ゼオライト3A型で乾燥する方法を開示する。この方法の制約は、ゼオライト3A型吸着剤の低い水吸着容量及び低い熱水安定性である。
【0018】
C.S.Oulman等の米国特許第4,277,635号明細書(1981)は、エタノールの比較的希薄な水溶液を濃縮する方法であって、シリカライトのような結晶質シリカ多形体の床に通して、エタノールを該床と接触している残余希薄供給物と共に吸着させ、しかして該残余希薄供給物は、濃縮水性エタノールを該床に通すことにより、吸着エタノールを置換することなく置換されることによる方法を開示する。次いで、置換液として用いられた濃縮水性エタノールの少なくとも一部と一緒に該床から吸着エタノールを除去することにより、生成物濃縮物が得られる。この方法の制約は、この方法が無水エタノールの回収のために濃縮エタノールを通すことを要求することである。
【0019】
H.M.Feder等の米国特許第4,301,312号明細書(1981)は、メタノール又はより揮発性でない溶媒中で均質触媒系として遷移金属カルボニル及び第3級アミンを用いて、メタノールを一酸化炭素及び水素ガスと反応させてエタノール及び二酸化炭素を生成させることによる無水エタノールの生成方法を開示する。該ガスは、典型的なガス化装置生成物中に存在するような高い一酸化炭素対水素の比率を有する。水でなく二酸化炭素が生成されるので、反応は無水エタノール生成の潜在性を有する。唯一の他の有意な副生成物はメタンである。この方法の欠点は、それが引火性の水素及び一酸化炭素の使用並びに副生成物メタンの形成を伴うことである。
【0020】
E.R.Rothの米国特許第4,306,884号明細書(1981)は、アルコール/水混合物の分離方法であって、アルコールの抽出に特に適合した溶媒でのアルコールの抽出及び溶媒抽出工程と溶媒回収工程の間におけるガソリンの添加でもっての引き続く除去による方法を開示する。この方法の制約は、それがエタノールの抽出のために用いられた溶媒を含有する変性エタノールのみしか生成し得ないことである。
【0021】
S.Zentyの米国特許第4,306,940号明細書(1981)は、水性発酵液からアルコールを蒸留するのに特に適合した方法及び装置であって、液体混合物からの液化蒸気が生成物で予熱される方法及び装置を開示する。この方法の制約は、それが約95%のエタノールを含有する水‐エタノール共沸混合物のみしか生成し得ないことである。無水エタノールの生成は、追加の精製工程を要求する。
【0022】
B.F.Brush等の米国特許第4,306,942号明細書(1981)は、多数の熱交換工程で発酵又は合成供給原料から含水エタノールを回収するために提供される改良蒸留方法及び装置を開示する。この方法の制約は、それが約95%のエタノールを含有する水‐エタノール共沸混合物のみしか生成し得ないことである。無水エタノールの生成は、追加の脱水工程を要求する。
【0023】
R.L.Mannfeldの米国特許第4,308,106号明細書(1981)は、約2容量%又はそれ以下の水含有率を有するアルコールを得るために、約40mmHg又はそれ以下の減圧下の精留塔を用いてアルコール含有溶液から実質的にすべての水を除去する方法及び蒸留器を開示する。この方法の制約は、蒸留のための非常に低い圧力を維持することが困難でありそして特殊設計のポンプを必要とすることである。
【0024】
J.Feldmanの米国特許第4,346,241号明細書(1982)は、希薄水性エタノール溶液から実質的に無水のエタノールを得る方法において、エタノール流が液‐液抽出に付されてエタノールに乏しいラフィネート相及びエタノールに富む抽出物相をもたらし、後者の相中に存在するエタノールは精留塔にて濃縮されて高プルーフの水性エタノールをもたらし、そしてこの濃縮エタノールは高温において実質的に過圧下で操作される無水塔にて共沸蒸留される方法を提供する。この方法と関連した欠点は、エタノールの抽出用の抽出剤としてのアミンの使用である。また、多工程が伴われ、しかして脱水時間だけでなく単位操作を増加する。
【0025】
H.S.Brandt等の米国特許第4,349,416号明細書(1982)は、共沸混合物を形成する混合物から諸成分の分離のための方法及び装置であって、諸成分の一つを除去するべき抽出蒸留及び抽出蒸留塔に添加された抽出剤から別の成分を分離するべき再生に該混合物を付すことによる方法及び装置を開示する。この方法と関連した欠点は、共沸混合物形成剤の使用、及び分離に含まれる抽出蒸留プロセスである。
【0026】
J.D.Psaras等の米国特許第4,351,732号明細書(1982)は、吸着サイクルと脱着サイクルの間で循環する少なくとも2基の塔を含有する吸着器単位装置にて液相エタノールを脱水する方法及び装置において、脱着サイクルにおいての周囲圧における吸収・吸着液体の間接加熱揮発及び減圧下の最終段階脱着により特徴づけられる方法及び装置を提供する。この方法の制約は、吸着剤の低い水吸着選択度及び容量である。
【0027】
P.Mikitenko等の米国特許第4,366,032号明細書(1982)は、脂肪族アルコール類‐水混合物を脱水する方法において、該アルコール類‐水混合物が選択性溶媒の存在下で第1分留に付されて脱水軽アルコールを含有する蒸気流出物並びに重アルコール、水及び選択性溶媒を含有する液相を生じ、そして該液相が第2分留に付されて蒸気流出物として水と重アルコールとの異相共沸混合物及び液体流出物を生じる方法を提供する。この方法の制約は、共沸混合物形成剤の使用、及び蒸留プロセスに含まれる抽出蒸留プロセスである。
【0028】
W.C.Muller等の米国特許第4,372,822号明細書(1983)は、希薄供給原料から熱効率でもっての蒸留による無水エタノールの製造方法を開示する。塔は実質的に過圧にて操作され、しかもこれらの塔から回収された熱量は精留塔の操作に用いられる。この方法の制約は、それが無水エタノール生成のために高圧及び高められた温度を要求することである。
【0029】
J.R.Messick等の米国特許第4,422,903号明細書(1983)は、発酵又は合成供給原料から無水エタノールを回収するための改良蒸留方法及び装置を開示する。システムは少なくとも1基のストリッパー‐精留器塔、脱水塔、及びストリッパー‐精留器塔より高い圧力における且つ脱水塔からのオーバーヘッド蒸気を凝縮することによる共沸剤ストリッピング塔を含む。この方法の欠点は、それが高められた温度及び圧力における多段プロセスであることである。それはまた、蒸留プロセスにおいて共沸混合物形成剤の使用を伴う。
【0030】
D.Zudkevitch等の米国特許第4,428,798号明細書(1984)は、水性混合物から低分子量アルコール特にエタノールを分離する方法を開示する。この方法は、アルコール‐水混合物を抽出及び/又は抽出蒸留手順に付すことを伴う。この発明の方法のために有用な抽出溶媒は、少なくとも6個の炭素原子及び180℃と350℃の間の沸点を有するフェノールを包含する。この方法の制約は、比較的高い温度及び圧力における共沸蒸留プロセスのための抽出溶媒としてのフェノールの使用である。更に、脱水エタノールからのフェノールの除去もまた必須である。
【0031】
D.Zudkevitch等の米国特許第4,455,198号明細書(1984)は、エタノール‐水混合物からのエタノール濃縮方法であって、シクロヘキシルシクロヘキサノン又はシクロヘキシルシクロヘキサノールのような少なくとも7個の炭素の環状ケトン又は少なくとも8個の炭素の環状アルコールである溶媒での抽出又は抽出蒸留による方法を開示する。好ましい溶媒はまた、アルコールが人間の消費のために用いられ得るように非毒性である。この方法の制約は、共沸混合物形成剤の使用、及び蒸留プロセスに含まれる抽出蒸留プロセスである。
【0032】
F.M.Lee等の米国特許第4,559,109号明細書(1985)は、エタノール‐水混合物供給原料から無水エタノールを生成させる方法であって、該供給原料を第1蒸留帯域において蒸留に付して80から90重量パーセントエタノールのオーバーヘッド蒸気を生成させ、かくして生成されたオーバーヘッド蒸気を抽出蒸留帯域において抽出蒸留に付して約99.5重量パーセントエタノールの無水エタノール蒸気オーバーヘッド及び溶媒に富むボトム流を生成させることを含む方法を開示する。この方法の制約は、共沸蒸留が共沸混合物形成剤としての毒性溶媒の使用を伴うことである。
【0033】
E.Vansant等の米国特許第4,620,857号明細書(1986)は、ゼオライト又は粘土のような多孔質固体が脱ガスされてそれを吸着剤として適合し得るようにし得る方法であって、その後に該多孔質固体をジボランのような化学吸着可能な物質で処理することにより細孔の入口が所望サイズまで狭くされる方法を開示する。この方法の制約は、細孔を狭くするために用いられるジボランが高度に反応性且つ毒性であり、また細孔が狭くされた状態が不均一であり得ることである。
【0034】
T.Akabane等の米国特許第4,645,569号明細書(1987)は、無水エタノールを生成させる方法であって、濃縮塔、共沸蒸留塔及び溶媒回収塔の組合わせを含み且つ濃縮塔及び共沸蒸留塔の頂部における蒸気を効果的に利用することの可能な装置を用いる方法を開示する。この方法の制約は、抽出蒸留プロセスが非常に多量のエネルギーを消費することである。
【0035】
L.Berg等の米国特許第4,654,123号明細書(1987)は、抽出蒸留を用いてのアルコール/水の分離方法において、水がオーバーヘッド生成物として除去され、そしてエタノール及び抽出剤がボトムとして除去されそして引き続いて慣用精留により分離される方法を開示する。適当な抽出剤の典型的例は、ヘキサヒドロフタル酸無水物;メチルテトラヒドロフタル酸無水物及びペンタノール‐1;トリメリット酸無水物、エチルサリチレート及びレゾルシノールである。この方法の制約は、抽出蒸留プロセスが多工程を伴う及び毒性共沸混合物形成剤の使用を伴うことである。
【0036】
H.Houben等の米国特許第4,692,218号明細書(1987)は、エタノールを含めてアルコールの様々な形態を同時に生成させ、しかもそれらもまた同時に装置から取り出され得る方法及び装置を開示する。この目的のために、個々の処理段階(それらの各々は蒸留、精留、精製及び脱水を含む)における順次の塔が、生成物流について並列にしかしエネルギーの流れ及び保存について直列に連結される。この方法の制約は、それが種々のプロセス段階を伴い且つ多量のエネルギーを要求することである。
【0037】
J.P.Knappの米国特許第5,035,776号明細書(1991)は、4基の蒸留塔で発酵又は合成供給原料から無水エタノールを回収するための熱的に統合された抽出蒸留方法を開示する。第1工程において、希薄エタノール‐水混合物が蒸留により濃縮される。第1蒸留塔における濃縮エタノールは次いで第2及び第3蒸留塔においてより高い圧力にて蒸留されて、エタノールと水の共沸混合物を得る。かくして生成された共沸混合物は次いで抽出蒸留に付されて、無水エタノールを得る。この方法の制約は、それが無水エタノールの生成のために多段蒸留及び抽出蒸留を伴うことである。
【0038】
ある手法において、分子のサイズ/形状選択的分離のためにケイ素アルコキシドの沈着によりゼオライトの細孔開口サイズを制御するために、化学蒸着技法が用いられた[M.Niwa等,JCS Faraday Trans.,I,1984,80,3135〜3145;M.Niwa等,J.Phys. Chem.,1986,90,6233〜6237;Chemistry Letters,1989,441〜442;M.Niwa等,Ind. Eng. Chem. Res.,1991,30,38〜42;D.Ohayon等,Applied Catalysis A-General,2001,217,241〜251]。化学蒸着は、窒素流のような不活性ガス下でその場で450℃にて熱活性化される所要量のゼオライトをガラス反応器中に取ることにより行われる。ケイ素アルコキシドの蒸気は不活性ガス流中に連続的に注入され、しかして該不活性ガスは該蒸気をゼオライト表面に運び、そこでアルコキシドはゼオライトのシラノール基と化学的に反応する。所望量のアルコキシドがゼオライト上に沈着されると、サンプルは空気中で550℃に4〜6時間加熱され、そしてその後周囲温度に下げられそして吸着のために用いられる。この技法の主な不利は、(i)アルコキシドの不均一な被覆に通じそして次いで不均一な細孔口閉鎖をもたらすことになる化学蒸着、(ii)プロセスはアルコキシドが気化されるようになるところの高められた温度にて行われねばならない、(iii)アルコキシドの沈着はより良好な拡散のために遅い速度にて行われることが要求される及び(iv)この方法は費用がかかり、また商業レベルに不足しており、より高いスケールにおいては困難であることである。
【0039】
要約すると、これらの公知の方法は複雑であり、コスト及び使用中の潜在的危険性を有意的に増加する他の添加剤(ベンゼン又はエーテルのような)を要求し、また安全で効率的で単純な操作方法を与えない。本明細書において下記に記載されそして請求される本出願人の発明は、このニーズを満たそうとする。
【0040】
発明の目的
本発明の主目的は、上記に記載された欠点を回避するところの、アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法を提供することである。
【0041】
本発明の更に別の目的は、アルコールの脱水用のモレキュラーシーブ型吸着剤を製造することである。
本発明の更に別の目的は、分子篩分け効果を有するようにゼオライトのような微孔質固体の外面改質により製造され得る吸着剤を提供することである。
【0042】
本発明の更に別の目的は、ゼオライトの表面上にアルコキシドの均一な沈着をさせることである。
本発明の更に別の目的は、高い熱及び熱水安定性を備えたモレキュラーシーブ吸着剤を製造することである。
本発明の更に別の目的は、水‐アルコール混合物から水を選択的に吸着し、しかしてアルコールの分離及び脱水のために商業的に用いられ得る吸着剤を製造することである。
【0043】
発明の要約
本発明は、新規なモレキュラーシーブ吸着剤を開発するための微孔質固体の細孔口制御の使用、並びにアルコールの乾燥におけるそれらの潜在能力に関する。より特定的には、本発明は、温度及び圧力の周囲条件にて外面上における液相金属アルコキシド沈着での微孔質固体の細孔口制御によるところの共沸アルコール‐水混合物から水を選択的に吸着するモレキュラーシーブ吸着剤の製造及び使用に関する。かくして製造された吸着剤は、アルコールの商業的乾燥のために有用である。
【0044】
発明の詳細な説明
従って、本発明は、アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法であって、次の工程すなわち
a)化学式(Na2O)6・(Al236・(SiO212・(M2/n2x・wH2O(ここで、MはSi、Al、Zr、Tiであり、nはその原子価であり、xの値は0.001から0.1にて変動し、そしてwは水のモル数である)により表されるモレキュラーシーブ吸着剤を入手し、
b)このモレキュラーシーブ吸着剤を、物理的に吸着された水を除去すべき350から450℃の温度範囲にて、3から6時間の範囲の期間活性化し、
c)この活性化モレキュラーシーブ吸着剤をデシケーター中で10-2から10-4トルの範囲の真空下で冷却し、
d)この活性化吸着剤を0.1から1.0wt%/容量の濃度範囲の乾燥溶媒中の金属Mのアルコキシド溶液で、連続撹拌下で4から8時間の範囲の期間処理し、
e)溶媒を再使用のために慣用技法により回収し、
f)工程(d)の処理された活性化吸着剤を20から35℃の範囲の周囲温度において静的条件にて空気中で乾燥し、
g)この改質吸着剤を450から600℃の温度範囲にて3から8時間の範囲の期間焼成することにより、この改質吸着剤上に沈積されたアルコキシドをシリカに変換し、そして
h)これを周囲温度において静的条件にて冷却することにより又は該活性化吸着剤を該アルコキシドの蒸気で80〜150℃の温度範囲にて2〜6時間の期間処理することにより当該吸着剤を得る
工程を含む方法を提供する。
【0045】
本発明のある具体的態様において、商業的に入手できる吸着剤がモレキュラーシーブ吸着剤の製造のために用いられ得る。
本発明の別の具体的態様において、吸着剤は350から550℃にて3〜6時間活性化され、次いで不活性又は真空条件下で冷却された。
【0046】
本発明の別の具体的態様において、アルコキシドは、トルエン、ベンゼン、キシレン及びシクロヘキサンのようなものから選択され得る乾燥溶媒中に溶解された。
【0047】
本発明の更に別の具体的態様において、用いられるアルコキシドは、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、チタンイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド及びアルミニウムイソプロポキシドである。
【0048】
本発明の別の具体的態様において、0.10から1.00の重量百分率のアルコキシドが、活性化吸着剤を乾燥溶媒中のアルコキシドの溶液で4から8時間処理することにより、一工程にてゼオライト上に沈着され得る。
本発明の更に別の具体的態様において、該アルコキシドは、吸着剤の0.10から1.00重量%のアルコキシド濃度にて行われた範囲において沈着され得る。
【0049】
本発明の更に別の具体的態様において、アルコキシド沈着は、液相において周囲温度にて連続撹拌下で4から8時間の範囲の期間行われ得る。
【0050】
本発明の別の具体的態様において、アルコキシドは、活性化吸着剤をアルコキシドの蒸気で80〜150℃の温度範囲にて2〜6時間の期間処理することにより、一工程蒸気相法にてゼオライト上に沈着され得る。
【0051】
本発明の更に別の具体的態様において、アルコキシド沈着は、吸着剤の表面上において均一であり得る。
【0052】
本発明の更に別の具体的態様において、溶媒は蒸留法により(好ましくは真空蒸留下で)回収され、しかして再使用され得る。
【0053】
本発明の更に別の具体的態様において、吸着剤は、空気中で又は真空条件下で乾燥される。
【0054】
本発明の更に別の具体的態様において、吸着剤は、500から600℃の温度範囲にて好ましくは550℃にて焼成される。
【0055】
本発明において、我々は、アルコール‐水共沸混合物から水を選択的に吸着するところのゼオライトのような微孔質固体の細孔サイズを制御する新規方法を報告する。更に、この吸着剤は、高い熱及び熱水安定性を示す。
【0056】
ゼオライトのような微孔質固体は、密接に関連した化合物類の混合物を分離するための吸着剤として、増加的用途が見出されつつある。これらは、頂点の酸素原子を共有することにより互いに連結されたSiO4四面体及びAlO4四面体から成る基本構造単位の三次元網目構造を有する。ケイ素原子及びアルミニウム原子は、四面体の中心にある。生じたアルミノシリケート構造(一般に、高度に多孔質である)は三次元細孔を有し、しかしてそれらへの接近は分子サイズの窓を通じてである。水和形態において、好ましいゼオライトは、一般に、次式すなわちM2/nO・Al23・xSiO2・wH2O(ここで、Mはカチオン(四面体の電気原子価を釣り合わせ、そして一般に骨格構造外の交換可能カチオンと称される)であり、nは該カチオンの原子価を表し、そしてx及びwはそれぞれSiO2及び水のモル数を表す)により表される。
【0057】
ゼオライトを分離にとって魅力的にする属性は、格別高い熱及び熱水安定性、均一な細孔構造、容易な細孔開口調整、並びに実質的な吸着容量(低い吸着質圧においてさえ)を含む。更に、ゼオライトは、比較的穏和な熱水条件下で合成的に生成され得る。
【0058】
サンプルの構造分析は、ゼオライトの結晶度が明確なピークの強度から測定されるX線回折により行われた。30℃、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃及び850℃におけるその場X線粉末回折測定は、新たに開発された吸着剤が高い熱安定性を有することを示す。X線粉末回折は、XRK900反応チャンバーを備えたPHILIPS X'pert MPDシステムを用いて測定された。
【0059】
化学組成[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を有する微孔質固体粉末が、出発物質として用いられた。X線回折データは、出発物質が高度に結晶質であったことを示した。既知量の粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]が400℃にて活性化されて吸着水を除去し、そして100ml乾燥溶媒中に既知量のアルコキシドを有する溶液と十分に混合され、減圧下で溶媒を蒸発させることによりサンプルが乾燥され、そして固体表面上に沈着されたアルコキシド化学種が550℃におけるゼオライトの焼成によりシリカに変換された。
【0060】
水、メタノール及びエタノールの吸着は、サンプルを400℃にて活性化した後、重量測定で調査された。
【0061】
本発明に含まれる重要な進歩性は、微孔質固体の細孔口の制御により得られたモレキュラーシーブ吸着剤が
(i)アルコキシドを活性化モレキュラーシーブ(ゼオライト)の外面上に存在するシラノール基と化学的に反応させることによるアルコキシドの沈着及び次いで500〜600℃における焼成による
(ii)周囲条件にて微孔質固体の表面上におけるシリカの均一な沈着を保証するために、水分不含溶媒中のアルコキシドの液相又は蒸気相化学反応による
(iii)固体の外面上におけるアルコキシド沈着による吸着剤の熱及び熱水安定性の向上、並びに
(iv)微孔質固体をベースとした脱水用吸着剤であってしかも形状/サイズ選択性に基づいた脱水用吸着剤を製造するために、外面上に無機酸化物を沈着させることにより該固体の細孔口を制御することによる
ということである。
【0062】
表の簡単な説明
表1: 18個の吸着剤サンプルのすべての吸着容量及び選択度が列挙されている。
【0063】
実施例
次の例は例示として与えられ、そしてそれ故本発明の範囲を限定するように解釈されるべきでない。
【0064】
例‐1
化学組成[(Na2O)6・(Al236・(SiO212・wH2O]を有する既知量の微孔質固体を400℃にて活性化し、そして吸着等温線を測定することにより吸着測定を行った。メタノール、エタノール及び水の吸着容量は、それぞれ18.20%、15.76%及び22.21%である。
【0065】
例‐2
10.0gの固体粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.10gテトラメチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこの固体の焼成により、固体外面上に沈着されたテトラメチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ6.17%、5.40%及び21.26%であり、そして表1に与えられている。
【0066】
【表1】

【0067】
例‐3
化学組成[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を有する10.0gの固体粉末を400℃にて活性化して固体中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥溶媒中の0.10gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体の外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ6.17%、5.39%及び21.33%であり、そして表1に与えられている。
【0068】
例‐4
化学組成[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を有する10.0gの固体粉末を400℃にて活性化して固体中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.15gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体の外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ6.00%、5.19%及び21.38%であり、そして表1に与えられている。
【0069】
例‐5
化学組成[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を有する10.0gの固体粉末を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.20gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこの固体の焼成により、外面固体上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ5.30%、5.04%及び22.17%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。95%エチルアルコールを含有する25mlのエチルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物エタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0070】
例‐6
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.25gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。500℃におけるこの固体の焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.40%、2.08%及び21.15%であり、そして表1に与えられている。
【0071】
例‐7
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.30gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.63%、1.92%及び21.69%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。95%エチルアルコールを含有する25mlのエチルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物エタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0072】
例‐8
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の1.00gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.23%、1.97%及び20.06%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより450℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。94%メタノールを含有する25mlのメタノール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物メタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0073】
例‐9
10.0gのゼオライト粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥トルエン中の0.20gテトラメチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でトルエンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、ゼオライト表面上に沈着されたテトラメチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ5.37%、5.02%及び21.97%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。95%エチルアルコールを含有する25mlのエチルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物エタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0074】
例‐10
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥ベンゼン中の0.25gテトラメチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でベンゼンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。500℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体表面上に沈着されたテトラメチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.71%、2.18%及び21.82%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより450℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。94%メタノールを含有する25mlのメタノール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物メタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0075】
例‐11
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥ベンゼン中の0.20gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でベンゼンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ5.12%、4.31%及び22.06%であり、そして表1に与えられている。5.0gの例7における吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。95%エチルアルコールを含有する25mlのエチルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物エタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0076】
例‐12
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥シクロヘキサン中の0.25gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でシクロヘキサンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。600℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.51%、1.84%及び21.87%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより450℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。94%メタノールを含有する25mlのメタノール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物メタノールの純度は99.9%であると分かった。
【0077】
例‐13
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥シクロヘキサン中の0.25gテトラメチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でシクロヘキサンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラメチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.62%、1.91%及び22.12%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。93%n‐プロピルアルコールを含有する20mlのn‐プロピルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物n‐プロピルアルコールの純度は99.9%であると分かった。
【0078】
例‐14
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥キシレン中の0.25gテトラエチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でキシレンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたテトラエチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.42%、1.73%及び21.58%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。92%イソプロピルアルコールを含有する20mlのイソプロピルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物イソプロピルアルコールの純度は99.9%であると分かった。
【0079】
例‐15
10.0gの固体[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥キシレン中の0.30gチタンイソプロポキシドと共に撹拌した。減圧下でキシレンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体外面上に沈着されたチタンイソプロポキシド化学種をチタニアに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.52%、1.93%及び22.15%であり、そして表1に与えられている。
【0080】
例‐16
10.0gの固体粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥キシレン中の0.35gジルコニウムイソプロポキシドと共に撹拌した。減圧下でキシレンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。550℃におけるこのゼオライトの焼成により、固体表面上に沈着されたジルコニウムイソプロポキシド化学種をジルコニアに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.65%、1.99%及び21.91%であり、そして表1に与えられている。
【0081】
例‐17
10.0gの固体粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化して固体中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥キシレン中の0.20gアルミニウムイソプロポキシドと共に撹拌した。減圧下でキシレンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。500℃におけるこのゼオライトの焼成により、ゼオライト表面上に沈着されたアルミニウムイソプロポキシド化学種をアルミナに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.69%、2.42%及び21.07%であり、そして表1に与えられている。
【0082】
例‐18
10.0gの固体粉末[Na12(AlO212・(SiO212・wH2O]を400℃にて活性化してゼオライト中の吸着水を除去し、そして100ml乾燥キシレン中の0.25gテトラメチルオルトシリケートと共に撹拌した。減圧下でキシレンを蒸発させることにより、このサンプルは5時間後に乾燥された。650℃におけるこのゼオライトの焼成により、ゼオライト表面上に沈着されたテトラメチルオルトシリケート化学種をシリカに変換した。既知量のこのサンプルを真空下で400℃にて活性化し、そして先に記載されたように吸着測定を行った。850℃までの様々な温度におけるその場X線粉末回折測定は、この吸着剤が高い熱及び熱水安定性を有することを示す。メタノール、エタノール及び水の吸着容量値はそれぞれ2.57%、1.82%及び21.43%であり、そして表1に与えられている。5.0gのこの吸着剤をカラムに充填し、そして99.5%純度の窒素ガスを通すことにより400℃にて活性化して吸着分子を除去した。この活性化吸着剤を、不活性雰囲気下で室温に冷却した。95%エチルアルコールを含有する25mlのエチルアルコール‐水混合物を該カラムに通し、そしてこの生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、しかして生成物エタノールの純度は99.9%であると分かった。
18個の吸着剤サンプルのすべての吸着容量及び選択度が表1に列挙されている。
【0083】
本発明の利点
1.微孔質固体の改質により製造された吸着剤は、アルコールに優先して水を選択的に吸着する。
2.吸着剤は、単純な液相又は蒸気相アルコキシド沈着により製造される。
3.アルコキシド沈着は、微孔質固体の外面上において均一である。
4.金属アルコキシド沈着は、周囲の温度及び圧力にて行われる。
5.アルコキシド沈着のために用いられた溶媒は、蒸留法により回収され得る。
6.吸着剤は、非常に高い熱及び熱水安定性を示す。
7.吸着剤は、アルコールの商業的乾燥に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法であって、次の工程すなわち
a)化学式(Na2O)6・(Al236・(SiO212・(M2/n2x・wH2O(ここで、MはSi、Al、Zr及びTiから選択された元素であり、nはその原子価であり、xの値は0.001から0.1にて変動し、そしてwは水のモル数である)により表されるモレキュラーシーブ吸着剤を入手し、
b)このモレキュラーシーブ吸着剤を、物理的に吸着された水を除去すべき350から450℃の範囲の温度にて、3から6時間の範囲の期間活性化し、
c)この活性化モレキュラーシーブ吸着剤を10-2から10-4トルの範囲の真空下で冷却し、
d)この活性化吸着剤を乾燥溶媒中において元素Mのアルコキシドで処理し、
e)工程(d)の処理された活性化吸着剤を15から40℃の範囲の温度において静的条件にて空気中で乾燥し、
f)この改質吸着剤を450から600℃の温度範囲にて3から8時間の範囲の期間焼成することにより、この改質吸着剤上に沈積されたアルコキシドをシリカに変換し、そして
g)工程(g)の焼成生成物を周囲温度において静的条件にて冷却することにより当該吸着剤を得る
工程を含む方法。
【請求項2】
モレキュラーシーブ吸着剤の活性化の好ましい温度は約400℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
用いられる工程(d)のアルコキシドが、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、チタンイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド及びアルミニウムイソプロポキシドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
用いられる工程(d)の溶媒が、乾燥トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン及びキシレンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(d)において、活性化モレキュラーシーブの処理を、それを元素Mのアルコキシド溶液又はアルコキシドの蒸気のどちらかで処理することにより遂行する。請求項1に記載の方法。
【請求項6】
活性化吸着剤を0.1から1.0wt%/容量の濃度範囲の乾燥溶媒中の元素Mのアルコキシドで、連続撹拌下で4から8時間の範囲の期間処理する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
活性化吸着剤をアルコキシドの蒸気で、80〜150℃の温度範囲にて2から6時間の範囲の期間処理する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
微孔質固体表面上における金属アルコキシド沈着を、周囲の温度及び圧力条件において定撹拌しながら単純液相反応にて行った、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(d)において、0.10から1.0重量パーセントの金属アルコキシドを活性化吸着剤の表面上に均一に沈着させた、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
工程(g)において、焼成の好ましい温度は約550℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
好ましい焼成時間は約4時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
製造された吸着剤がアルコールの脱水のために有用であり、そしてアルコールの回収率が99.9%である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
化学式(Na2O)6・(Al236・(SiO212・(M2/n2x・wH2O(ここで、MはSi、Al、Zr、Tiであり、nはその原子価であり、xの値は0.001から0.1にて変動し、そしてwは水のモル数である)により表されるモレキュラーシーブ吸着剤を用いての、アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法であって、該モレキュラーシーブを、物理的に吸着された水を除去すべき350から450℃の範囲の温度にて、3から6時間の範囲の期間活性化し;この固体を10-2から10-4トルの範囲の真空下で冷却し;この活性化固体を乾燥溶媒中のアルコキシドの溶液で4から8時間の期間処理し;そしてこのアルコキシド沈着固体を450から600℃の温度範囲にて3から8時間の範囲の期間加熱することを含む方法。
【請求項14】
化学式(Na2O)6・(Al236・(SiO212・(M2/n2x・wH2O(ここで、MはSi、Al、Zr、Tiであり、nはその原子価であり、xの値は0.001から0.1にて変動し、そしてwは水のモル数である)により表されるモレキュラーシーブ吸着剤を用いての、アルコールの吸着脱水用のモレキュラーシーブ吸着剤の製造方法であって、該モレキュラーシーブを、物理的に吸着された水を除去すべき350から450℃の範囲の温度にて、3から6時間の範囲の期間活性化し;この固体を10-2から10-4トルの範囲の真空下で冷却し;この活性化固体をアルコキシドの蒸気で80〜150℃の温度範囲にて2〜6時間の期間処理し;このアルコキシド沈着固体を450から600℃の温度範囲にて3から8時間の範囲の期間加熱することを含む方法。

【公表番号】特表2007−527304(P2007−527304A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510884(P2005−510884)
【出願日】平成15年11月24日(2003.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005324
【国際公開番号】WO2005/051533
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】