説明

アルデヒドの安定化方法

【課題】比較的高濃度のアルデヒドは、長期間放置されると、他のアルデヒド分子と重合し殺菌効力が失われる。これを防止し、安定なアルデヒド水溶液又はアルデヒド水溶液の混合物を提供する。
【解決手段】(a)特定濃度アルデヒド、(b)界面活性剤又は洗浄剤、
(c)pHを6.0から8.5の領域にセットするための、十分な量のpH調節剤、及び(d)緩衝剤、を含んで成る安定なアルデヒド水溶液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、安定なアルデヒド水溶液又はアルデヒド水溶液の混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルデヒドは多くの工業的プロセスで使用されている。アルデヒド分子のアルデヒド官能基が、例えば微生物の細胞壁の遊離のアミン基と反応する能力を有するため、アルデヒドは微生物を損傷させ最終的には殺してしまうという殺菌効果を有することが重要なことである。
【0003】
アルデヒドは、保存剤、殺菌剤、消毒剤及び殺芽剤として一般に使用される。
【0004】
しかし、アルデヒド(ホルムアルデヒド及び炭素鎖の炭素原子数が2から4のアルデヒドを除く)は、特に低濃度で、環状分子配置を形成する傾向があり、これによりアルデヒド分子の殺菌効力が失われる。更にアルデヒド (ホルムアルデヒド及び炭素鎖の炭素原子数が2から4のアルデヒドを含む)は、低濃度で支配的な単量体の場合、皮膚及び呼吸の刺激剤として大気中に拡散して、健康被害をもたらす傾向がある。
【0005】
比較的高濃度のアルデヒドは、長期間放置されると、他のアルデヒド分子と重合する。このプロセスは、50℃を超える温度(及び炭素鎖が5炭素原子未満のアルデヒドでは4℃密着の温度)で加速する。これによっても殺菌効力が失われる。
【0006】
従来から、アルデヒド溶液を含む製品を使用前に希釈することが知られている。これにより、アルデヒド分子が重合する傾向を減少する。その後、pHを上昇させると、アルデヒド溶液が活性化する。該活性化は、アルデヒド官能基とアミン基の反応性及び細胞壁の殺菌効果を増加させる。しかしこれにより、アルデヒド溶液の安定性は、相対的に減少して、前記溶液の安定性は数日間のみとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
殺菌剤としてアルデヒド溶液を使用することに関連する多くの問題点がある。ユーザが使用前に製品を希釈するだけでなく、それを活性化する必要がある。得られる希釈されかつ活性化された製品は、高pHのため腐食性で、1ヶ月を超えると不安定になる。
【0008】
本発明は、前述の問題点の少なくとも一部を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、 (a)0.001%から0.25%のm/v濃度のモノアルデヒド(R−CHO)、ジアルデヒド(OHC−R1−CHO)及び環状アルデヒド(R3−CHO)の少なくとも1種を含んで成るアルデヒド(ここで、Rは水素、炭素原子数1から12の直鎖の炭化水素、又は炭素原子数2から12の分枝鎖の炭化水素、−R1は炭素原子数2から12の炭化水素、及び−R3は5又は6の炭素原子を有する環状炭化水素)、
(b)アルコールエトキシレート界面活性剤、ノニルフェノール界面活性剤、スルホン酸、ラウリルエチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、2本鎖4級アンモニウム化合物及びココプロピルジアミド(CPAD)から選択される界面活性剤又は洗浄剤、
(c)前記溶液のpHを6.0から8.5の領域にセットするための、十分な量のpH調節剤、及び
(d)酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、酸化ナトリウム三水和物、酢酸カリウム、酢酸リチウム、プロピレングリコール、ヘキサレングリコール、リン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、過塩素酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩素酸銅及び硫酸銅から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含んで成る安定なアルデヒド水溶液を提供する。
【0010】
本発明で使用される「安定」とは、アルデヒド水溶液が、アルデヒド分子の重合なしに又はpHが5未満に落ちることなく、少なくとも6ヶ月間、貯蔵できることを意味する。
【0011】
安定なアルデヒド水溶液は、アルデヒドが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタンアルデヒド、ヘキサンアルデヒド、ヘプタンアルデヒド、オクタンアルデヒド、ノナンアルデヒド、グルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、グリオキサール(登録商標)、2−エチルヘキサンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、クロルアルデヒド・ハイロレート、フルフルアルデヒド及びパラホルムアルデヒドから選択される任意のアルデヒドを含む。
【0012】
安定なアルデヒド水溶液は、グルタルアルデヒド及びグリオキサール(登録商標、エタンジアルデヒド)、グリオキサール(登録商標)・クロルアルデヒド・三水和物、アセトアルデヒド及びグリオキサール(登録商標)パラホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド及びサクシンアルデヒド及びグリオキサール(登録商標)及びサクシンアルデヒドから選択される任意のアルデヒド混合物を含むことが好ましい。
【0013】
安定なアルデヒド水溶液は、0.1から25%m/v濃度の界面活性剤又は洗浄剤を含むことが好ましい。
【0014】
界面活性剤は、アルコールエトキシレート界面活性剤のような非イオン系界面活性剤であることが好ましい。
【0015】
前記アルコールエトキシレート界面活性剤は、安定なアルデヒド水溶液の組成及び該安定なアルデヒド水溶液の特定の用途に要求される発泡性能に応じて、3から9のエトキシレート基を含む。
【0016】
緩衝剤は、酢酸ナトリウム三水和物と酢酸カリウムの混合物であることが好ましい。
【0017】
前記安定なアルデヒド水溶液のpHを少なくとも6ヶ月間、5又はそれ以上に維持するために、緩衝剤を少なくとも0.05%m/vの濃度で前記水溶液中に含ませることが好ましい。
【0018】
pH調節剤は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムのうちの1又は2以上の化合物とすることができる。
【0019】
好ましいpH調節剤は、1モル溶液の水酸化カリウムである。
【0020】
前記安定なアルデヒド水溶液のpHは、製造時に、7.0から8.5の範囲内に維持されることが好ましい。
【0021】
立体障害のあるアルミニウム基を有する二本鎖4級アルミニウム化合物を前記安定なアルデヒド水溶液に添加して、殺菌性及び発泡性を向上させても良い。
【0022】
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、タンタル、鉄、銀及び金から選択される1又は2以上の痕跡元素を、安定なアルデヒド水溶液に添加して該溶液の殺菌活性を向上させても良い。
【0023】
耐食性を向上させるために、0.005%m/vの濃度の硝酸ナトリウムを前記安定なアルデヒド水溶液に添加しても良い。
【0024】
銅を、例えば塩化銅又は硫酸銅として、前記安定なアルデヒド水溶液に添加しても良い。
【0025】
亜鉛を、例えば過塩素酸亜鉛又は硫酸銅として、前記安定なアルデヒド水溶液に添加しても良い。
【0026】
前記安定なアルデヒド水溶液は、蒸留水又は飲料水、アルコール又は溶媒で希釈して、希釈しない状態の前記安定なアルデヒド水溶液よりも、低温で殺菌活性の高い殺菌用分散剤と製造しても良い。
【0027】
本発明は、更に40から50℃の温度で、少なくとも1種のアルデヒドを第1の水の中の界面活性剤に添加し、温度を40から50℃に維持しながら少なくとも15分間前記アルデヒドを前記界面活性剤と反応させてアルデヒド−界面活性剤錯体溶液を生成させ、次いで少なくとも15分後に、第2の水を加えて、前記アルデヒド−界面活性剤錯体溶液を40℃未満に冷却して錯体化反応を停止させる、安定なアルデヒド−界面活性剤錯体溶液を製造する方法を提供する。
【0028】
アルデヒドは、0.001%から25%のm/v濃度のモノアルデヒド(R−CHO)、ジアルデヒド(OHC−R1−CHO)及び環状アルデヒド(R3−CHO)(ここで、Rは水素、炭素原子数1から10の直鎖の炭化水素、又は炭素原子数2から12の分枝鎖の炭化水素、−R1は炭素原子数2から10の炭化水素、及び−R3は5又は6の炭素原子を有する環状炭化水素)である。
【0029】
界面活性剤は、アルコールエトキシレート界面活性剤、ノニルフェノール界面活性剤、スルホン酸、ラウリルエチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、2本鎖4級アンモニウム化合物及びココプロピルジアミド(CPAD)から選択される少なくとも1種である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】アルデヒドの市販の質量スペクトルの走査図。
【図2A】本発明で処理されたアルデヒドの質量スペクトルの走査図。
【図2B】図2Aの質量スペクトルの部分拡大図。
【図3A】未処理アルデヒドと界面活性剤の質量スペクトルの走査図。
【図3B】図3Aの質量スペクトルの部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
例えば、第1にアルコールエトキシレート(3、7又は9個のエトキシレート基を有する)である非イオン性界面活性剤を、40から50℃に加熱された水に加え、次いで表1から選択されるアルデヒド又はアルデヒド混合物(以下前記アルデヒドという)を加えることにより、本発明の安定なアルデヒド水溶液が濃厚溶液で得られる。
【0032】
【表1】

【0033】
前記アルデヒドを、15から30分間、好ましいアルコールエトキシレート(適切なアルデヒドとともに表1に示した)と錯体化させる。これにより、水自体が30から70℃の温度に維持されてアルデヒド−界面活性剤溶液が生成する。この加熱の間に、アルコールエトキシレートとのアルデヒドの錯体化が完了する(図2及び3参照)。
【0034】
その後、更に25℃未満の水を、アルデヒド−界面活性剤錯体溶液に加えて溶液の温度を30℃未満に低下させ、これによりアルコールエトキシレートとアルデヒドの錯体化反応が停止する。
【0035】
次に、十分な量の水酸化カリウムのようなpH調節剤を、サクシンアルデヒド−界面活性剤錯体溶液に加えて、そのpHを7.0から8.5の範囲になるよう調節する。水酸化カリウムは1モル溶液になるように使用する。
【0036】
最後に、酢酸ナトリウム三水和物と酢酸カリウムを含む緩衝剤混合物を、アルデヒド−界面活性剤錯体溶液に加えて、濃縮溶液として安定なアルデヒド水溶液を得る。
【0037】
酢酸ナトリウム三水和物と酢酸カリウムはそれぞれ、緩衝剤混合液中で、0.250から0.500g/リットルの濃度である。この濃厚溶液は、アルデヒド−界面活性剤錯体溶液に加えるときに、0.005から0.1%m/vに希釈する。
【0038】
前記緩衝剤混合物は、安定なアルデヒド水溶液の寿命の間、つまり製造から少なくとも6ヶ月間、濃厚溶液のpHを少なくとも5以上に維持する。
【0039】
安定なアルデヒド水溶液の濃厚溶液は、次の成分を次の濃度で含む。
(a)アルデヒド:0.01から25%m/v
(b)アルコールエトキシレート:0.1から25%m/v、及び
(c)緩衝剤混合物:0.05から0.1%m/v。
【0040】
前記安定なアルデヒド水溶液の殺菌効果を向上させるために、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、チタン、鉄、銀及び金から選択される1又は2以上の痕跡元素を5ppm以下の濃度で、前記溶液に添加する。
【0041】
多様な表面に多様な手法で塗布できる殺菌性生成物を製造するために、安定なアルデヒド水溶液の濃厚溶液を携帯できる水で希釈して、0.001から8%m/v濃度のアルデヒドを有する分散液とする。
【0042】
当該分散剤は、脱脂剤、洗剤、増粘剤、香料、着色剤、スキン・コンディショナ及び種々の抗菌製品の添加剤となる。このリストは例示であって、完全なものではない。
【0043】
他方、10%m/vを越える濃度のアルデヒドを含む濃厚溶液は、安定なアルデヒド水溶液を輸送する好ましい組成である。
【0044】
濃厚溶液を受け取った消費者は、抗菌ハンドソープ、手の除菌剤、医療機器消毒剤、皿洗浄剤及び洗濯石鹸のような製品を製造するための他の好適な添加剤と、必要な希釈比で組み合わせて、単に前記濃厚溶液を希釈するだけで良い。再度確認するが、前記リストは、例示であって、完全なものではない。
【0045】
前記濃厚溶液は、塗料や樹脂のような他の成分と組み合わせて、殺菌効果を長く継続できる用途に使用できる。
【0046】
前記分散剤及び濃厚溶液は、上述した種々の用途において、本発明方法で処理されていない(つまり錯体の状態で少なくとも界面活性剤に結合していない)で、更に比較応用(表2、表3及び表4参照)で使用されるアルデヒド(例えばアセトアルデヒド及び/又はグリオキサール(登録商標))と比較して、室温で、揮発性が低く、毒性が低く、腐食性が低く、溶解度が高く、殺菌効果が高いと考えられる。
【0047】
錯体化していないアルデヒドと同様に、安定なアルデヒド水溶液は、ある種の立体障害のない窒素含有化合物、例えばトリエチルアミンやココアミドと互いに混合しない。この不混合は、アルデヒドの殺菌性を系統立てる際に考慮する必要がある。
【0048】
[実施例1:錯体化の立証]
【0049】
アルデヒドと界面活性剤の錯体化を示すために、図1と図2を比較する。
【0050】
図2から、「遊離の」のアルデヒドが存在すると、アルデヒドを示すピークが現れる(図1参照)、0から100質量対電荷(m/z)に遊離のアルデヒドのピークが存在しないことが明らかである。
【0051】
図3は、図2で使用した界面活性剤とアルデヒドの別々の質量スペクトルであるが、互いに錯体化していない。図2と図3を比較すると、図2のスペクトルは図3のスペクトルに対して右に移動していることが判り、これはアルデヒドと界面活性剤の錯体化を示している。
【0052】
図2のサンプルは、50mlのアセトアルデヒドを、450mlの「予備混合」溶液(2.5lの細菌を濾過した水、0.9%m/vのアルコールエトキシレート7、13.7gの酢酸カリウム、13.7gの酢酸ナトリウム三水和物)に加え、15分間30℃に加熱して調製した。
【0053】
図3のサンプルは、本発明方法の処理を行わずに、アルコールエトキシレート7界面活性剤と混合した、アセトアルデヒドのサンプル(99%m/v)である。
【0054】
本実施例で使用した方法、材料及び機器は次の通りである。
アジレント(Agilent)1299LC; アジレント6210、アジレント6210 飛行時間 (TOF) 質量分光法; LC: 移動層: 50:50 H20:MeCN + 0.1% 蟻酸; 流量: 0.2 ml/分; 注入容量: 10マイクロリットル; サンプルを直接TOFに注入した。TOF: 正のイオン化、ガス温度300℃、乾燥ガス:8L/分、噴霧器:35 psig、 Vcap 3500V、フラグメンタ140V、スキマー60V; 参照質量: 118.086255及び 922.009798。
【0055】
TOFシステムを、二重噴霧器ESIソース及び自動カリブラント伝達システムと組み合わせて使用し、連続的に低レベル参照質量を導入し、正確な質量割り当てを達成する。分析のために、乾燥ガス流速を8L/分に、ガス温度を300℃にセットした。噴霧器を35psigにセットし、キャピラリ電圧は3500Vとした。140V濃度セットしたフラグメンタを、スキマー60Vで使用した。質量領域は、100〜3500m/zにセットし、トランジーント/スキャンは10000とした。内部参照質量訂正を使用した。
【0056】
上述した安定テストを下記表に示したアルデヒド(1から21)のサンプルに対して繰返し行った。その結果、同じ錯体化の現象が見られた。
【0057】
[実施例2:殺菌効果テスト]
【0058】
南アフリカ標準局(SABS)法(SABS1593)、ケルシー・サイクス(Kelsey Sykes)修正懸濁テストを使用してテストした。テストで使用した微生物は、バチラス・サブチリス・バル・グロビ(Bacillus subtilis var globi)であった。テストの結果を下記表に纏めた。
【0059】
【表2−1】

【0060】
【表2−2】

【0061】
上記と同じアルデヒド(つまり1から21)を再度テストに使用し、適切な界面活性剤を添加したが、pH調節剤は使用せず、かつpH修正剤と緩衝剤の添加は行わなかった。「ボルデルリン」が合格したグルタルアルデヒド(サンプル13)を除いて、全てのアルデヒドは8時間接触時間を達成できなかった。
【0062】
上記から判るように、本発明はアルデヒドの殺菌効果を改良するのに効果があると考えられる。
【0063】
[実施例3:安定化テスト]
【0064】
【表3−1】

【0065】
【表3−2】

【0066】
【表3−3】

【0067】
40℃で行ったテストは加速安定化テストとし、つまり選択された温度(40℃)も2週間を、25℃における6ヶ月の保存期間と等しいものとする。
【0068】
本テストのために選択されたアルデヒドは、本発明で使用可能な多数のアルデヒドの中の例であり、混合したアルデヒドも他と置換できる。
【0069】
出願の段階では3ヶ月の結果は入手できなかった。
【0070】
[実施例4:殺ウィルス効果テスト]
【0071】
実施例3と同じアルデヒド(つまり1から25)を使用して殺ウィルス効果テストを行った。このテストには、エンヴェロプを持つウィルスと持たないウィルスを示すウィルス・スタンダードを有するバクテリオファージを使用する標準SABS法(SANS1288)を使用した。全てのサンプルはテストに合格した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.001%から25%のm/v濃度のモノアルデヒド(R−CHO)、ジアルデヒド(OHC−R1−CHO)及び環状アルデヒド(R3−CHO)の少なくとも1種を含んで成るアルデヒド(ここで、Rは水素、炭素原子数1から12の直鎖の炭化水素、又は炭素原子数2から12の分枝鎖の炭化水素、−R1は炭素原子数2から12の炭化水素、及び−R3は5又は6の炭素原子を有する環状炭化水素)、
(b)アルコールエトキシレート界面活性剤、ノニルフェノール界面活性剤、スルホン酸、ラウリルエチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、2本鎖4級アンモニウム化合物及びココプロピルジアミド(CPAD)から選択される界面活性剤又は洗浄剤、
(c)前記溶液のpHを6.0から8.5の領域にセットするための、十分な量のpH調節剤、及び
(d)酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、酸化ナトリウム三水和物、酢酸カリウム、酢酸リチウム、プロピレングリコール、ヘキサレングリコール、リン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、過塩素酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩素酸銅及び硫酸銅から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含んで成る安定なアルデヒド水溶液。
【請求項2】
アルデヒドが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタンアルデヒド、ヘキサンアルデヒド、ヘプタンアルデヒド、オクタンアルデヒド、ノナンアルデヒド、サクシンアルデヒド、グリオキサール(登録商標)、2−エチルヘキサンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、クロルアルデヒド・ハイロレート、フルフルアルデヒド及びパラホルムアルデヒドから選択される水溶液氏である請求項1記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項3】
アルデヒドが、グルタルアルデヒド及びグリオキサール(登録商標、エタンジアルデヒド)、グリオキサール(登録商標)・クロルアルデヒド・三水和物、アセトアルデヒド及びグリオキサール(登録商標)パラホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド及びサクシンアルデヒド及び、グリオキサール(登録商標)及びサクシンアルデヒドから選択される請求項1記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項4】
0.1から25%m/v濃度の界面活性剤又は洗浄剤を含む請求項1又は3記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項5】
界面活性剤が、非イオン系界面活性剤である請求項4記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項6】
界面活性剤が、アルコールエトキシレート界面活性剤である請求項5記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項7】
アルコールエトキシレート界面活性剤が、3から9のエトキシレート基を含む請求項5又は6記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項8】
緩衝剤が、酢酸ナトリウム三水和物と酢酸カリウムの混合物である請求項1から7までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項9】
少なくとも0.05%m/v濃度の緩衝剤を含む請求項8に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項10】
pH調節剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムから選択される少なくとも1種を含む請求項1から9までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項11】
pH調節剤が、1モル溶液の水酸化カリウムである請求項10に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項12】
立体障害のあるアルミニウム基を有する二本鎖4級アルミニウム化合物を含む請求項1から11までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項13】
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、タンタル、鉄、銀、ナトリウム及び金から選択される1又は2以上の痕跡元素を含む請求項1から12までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項14】
銅が、塩化銅又は硫酸銅として含まれる請求項13に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項15】
亜鉛が、過塩素酸亜鉛、塩化亜鉛又は硫酸亜鉛として含まれる請求項13に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項16】
0.005%未満の硝酸ナトリウムを含む請求項1から15までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液。
【請求項17】
希釈水で希釈された請求項1から16までのいずれか1項に記載の安定なアルデヒド水溶液を含む殺菌分散剤。
【請求項18】
0.001%から8%m/v濃度のアルデヒドを含む請求項17に記載の殺菌分散剤。
【請求項19】
40から50℃の温度で、少なくとも1種のアルデヒドを第1の水の中の界面活性剤に添加し、温度を40から50℃に維持しながら少なくとも15分間前記アルデヒドを前記界面活性剤と反応させてアルデヒド−界面活性剤錯体溶液を生成させ、次いで少なくとも15分後に、第2の水を加えて、前記アルデヒド−界面活性剤錯体溶液を40℃未満に冷却することを特徴とする安定なアルデヒド−界面活性剤錯体溶液を製造する方法。
【請求項20】
アルデヒドが、0.001%から0.25%のm/v濃度のモノアルデヒド(R−CHO)、ジアルデヒド(OHC−R1−CHO)及び環状アルデヒド(R3−CHO)の少なくとも1種を含んで成るアルデヒド(ここで、Rは水素、炭素原子数1から12の直鎖の炭化水素、又は炭素原子数2から12の分枝鎖の炭化水素、−R1は炭素原子数2から10の炭化水素、及び−R3は5又は6の炭素原子を有する環状炭化水素)の少なくとも1種を含んで成る安定なアルデヒド水溶液を製造する方法。
【請求項21】
界面活性剤が、アルコールエトキシレート界面活性剤、ノニルフェノール界面活性剤、スルホン酸、ラウリルエチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、2本鎖4級アンモニウム化合物及びココプロピルジアミド(CPAD)から選択される少なくとも1種である請求項20に記載の安定なアルデヒド水溶液を製造する方法。
【請求項22】
製造時のpHが、7.0から8.5の範囲に維持される請求項20又は21に記載の安定なアルデヒド水溶液を製造する方法。




【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−523600(P2010−523600A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502359(P2010−502359)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/ZA2008/000028
【国際公開番号】WO2008/134778
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(509277361)
【Fターム(参考)】