説明

アルミニウム系親水性部材

【課題】簡便な化学的処理により、アルミニウムもしくはその合金の表層部を処理し、親水性および密着性に優れる部材を提供する。
【解決手段】アルミニウムもしくはその合金を、水酸化リチウムを含む塩基と水と有機溶媒とを混合した塩基性混合溶液に親水性微粒子を混合してなる溶液または懸濁液で処理することにより、アルミニウムもしくはその合金の表層部の少なくとも一部に網目状多孔質構造体を担体として形成するとともに、当該担体に前記親水性微粒子を担持固定させたアルミニウム系親水性材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム、もしくはその合金の表面に形成させた網目状多孔質構造体よりなるに親水性処理を施した親水性部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属の表面に親水性を付与することにより、水等の極性液体と物品との親和性が向上するため、親水性の被覆層と基材とを有する親水性部材は、水等の極性液体と接する環境にて、当該親和性を活用した防汚性物品、結露防止性物品、極性液体の循環性を向上させた物品等として利用される。これら応用分野の具体例として、ヒートパイプ、フィン等の熱交換素子用の部材が挙げられる。
【0003】
特にアルミニウムの基材に関して親水性を向上させる方法としては、アルミニウム表面に成膜処理を施すか、塗装処理が行われるのが一般的であり、以下のような方法が知られている。
(1)リチウム塩存在下、アルミニウム合金を、アミン類を含有する熱水または水蒸気に接触させるベーマイト処理を行う工程(特許文献1)。
(2)アルミニウム表面をアルカリシリケート(アルカリ金属ケイ酸塩)と無機硬化剤と水溶性有機高分子化合物を含む溶液でコーティングすることにより親水性被膜を形成する方法(特許文献2)
(3)アルミニウムからなる部品の表面に、シラノール基を有する化合物とポリビニルピロリドンを含有する水性媒体中に浸漬することによる親水性付与の方法(特許文献3)
(4)クロメート処理を施し、つぎに正リン酸を含むアルカリシリケート(アルカリ金属ケイ酸塩)水溶液を塗布した後、さらに正リン酸溶液を塗布し、しかる後加熱乾燥することによる親水性被膜形成方法(例えば、特許文献4)
一方、アルミニウム表面をリチウムイオンを含む水酸化アルカリで処理することにより被膜を形成させる表面処理方法として、硝酸リチウムと苛性ソーダの水溶液にアルミニウム素材を浸漬させる方法(特許文献5)、リチウムイオンと炭酸イオンを含むアルカリ溶液でアルミニウム表面を処理する方法(特許文献6)により被膜が形成されることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭52−9642号公報
【特許文献2】特開昭62−235477号公報
【特許文献3】特開昭62−272099号公報
【特許文献4】特開平1−208475号公報
【特許文献5】特開昭48−18131号公報
【特許文献6】特開2005−8949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2および4記載の方法は、アルカリシリケート(アルカリ金属ケイ酸塩)を利用しての親水性を付与するものであるが、部材と物理的に付着しているので密着性が必ずしも十分とはいえない。しかも、アルカリシリケートの強固な膜を形成させようとすると400℃とかなり高温で処理する必要があるため工業的な手法とはいいがたく、120℃〜150℃程度の比較的低音で処理した場合においては硬化が充分でなく、アルカリシリケート由来の親水性被膜を長時間にわたり水と接触させた場合、被膜中の親水性の部位が徐々消滅するという問題を生じることがある。また、特許文献3記載の方法は、充分な親水性が得られないため問題がある。さらに、特許文献1、特許文献5および特許文献6に記載の方法では、水和酸化アルミニウムの被膜が得られるとの記載があるが、当該被膜は経時とともに親水性が低下していくことが知られている。
【0006】
したがって、簡便な化学的処理により、アルミニウムもしくはその合金の表層部を処理して形成した細孔を有する部材に親水性を付与し、親水性および密着性に優れる部材が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、かかる課題を解決するため、鋭意検討を行ったところ、「水酸化リチウムを含む塩基性混合溶液」に「親水性微粒子」を混合してなる溶液または懸濁液を用いてアルミニウム系材料を処理することにより、網目状多孔質構造体が形成される側から親水性微粒子が速やかに担持され、簡単なプロセスにより親水性微粒子がより強固に担持された密着性に優れる親水性部材が得られることを見出し、本願発明に到達した。
【0008】
なお、コロイダル金属酸化物やフィロ珪酸塩等の親水性微粒子は、アルカリ金属の水酸化物と反応することは当業者にも知られており、反応により形態の違う塩を形成する可能性もあり、親水性微粒子を水酸化リチウムを含む塩基性混合溶液に混合懸濁させることは通常は行われないプロセスである。
【0009】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
「発明1」 アルミニウムもしくはその合金を、水酸化リチウムを含む塩基と水と有機溶媒とを混合した塩基性混合溶液に親水性微粒子を混合してなる溶液または懸濁液で処理することにより、アルミニウムもしくはその合金の表層部の少なくとも一部に網目状多孔質構造体を形成するとともに、当該網目状多孔質構造体に前記親水性微粒子を担持固定させることを特徴とするアルミニウム系親水性部材。
「発明2」 塩基性混合溶液を構成する混合溶媒の表面張力が、18〜60mN/mであることを特徴とする発明1に記載のアルミニウム系親水性部材。
「発明3」 塩基性混合溶液中の有機溶媒が、アルコール系、ニトリル系、ケトン系、エステル系、エーテル系、スルホキシド系、アミド系、グリコール系、芳香族系もしくは、含フッ素アルコール系の溶媒の少なくとも一種である発明1または発明2に記載のアルミニウム系親水性部材。
「発明4」 塩基性混合溶液のpHが、9.0〜13.5の範囲であることを特徴とする発明1乃至発明3に記載のアルミニウム系親水性部材。
「発明5」 網目状多孔質構造体が孔径5〜500nm、深さ0.05〜10μmの細孔であることを特徴とする発明1に記載のアルミニウム系親水性部材。
「発明6」 親水性微粒子がコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルチタン、コロイダルスズ、コロイダルアンチモン、コロイダルムライト、コロイダル鉄、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、珪藻土、バームキュライト、ヒル石、弁柄、貝殻焼成カルシウムの微粒子、または、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、インジウム、スズ、タングステンのナノ金属粒子もしくはナノ金属コロイドよりなる群より選ばれる少なくとも一つである発明1に記載のアルミニウム系親水性部材。
「発明7」 親水性微粒子の重量が0.1〜20g/mの範囲になるように担持させることを特徴とする発明1に記載のアルミニウム系親水性部材。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアルミニウム系親水性部材は、比較的簡便な方法により網目状多孔質構造に親水性粒子が担持された部材が得られるので工業的に有用である。本発明の親水性部材は、網目状多孔質構造体が形成される側から親水性微粒子が速やかに担持されるので、プロセス的に製造が簡単で、且つ密着性に優れた親水性部材が得られる。当該親水性部材は超親水性をしめすことより、ヒートパイプ、フィン等の熱交換素子の部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】網目状多孔質にカオリナイト微粒子を担持したアルミニウム板(実施例1)のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0013】
本発明は、アルミニウムもしくはその合金を、水酸化リチウムを含む塩基と水と有機溶媒とを混合した塩基性混合溶液に親水性微粒子を混合してなる溶液または懸濁液で処理することにより、アルミニウムもしくはその合金の表層部の少なくとも一部に網目状多孔質構造体を担体として形成するとともに、当該担体に前記親水性微粒子を担持固定させることを特徴とするアルミニウム系親水性部材に関するものである。
【0014】
本発明においては、網目状多孔質構造体が形成しながら同時に親水性微粒子が多孔質体の凹凸表面や、多孔質空隙内部に速やかに親水性微粒子が担持されるため、より簡単な1回の工程で製造できるばかりでなく、親水性微粒子がより強固に担持された密着性に優れる親水性部材が得られるという効果を奏する。
【0015】
本発明の対象となるアルミニウム系材料は、純度99.9%以上の純アルミニウムおよび各種のアルミニウム合金である。上記アルミニウム合金としては、具体的には、A1050,A1070,A1080,A1100,A1200等のような微量のSi,Fe,Cu,Mn,Mg等を含む合金、A2014,A2017,A2024等のような特にCuを多く含む合金、A5052,A5083,A5154のような特にMgを多く含む合金、A7075,A7N01等のような特にZnを多く含む合金、ADC12等のような多量のSiを含む鋳物用合金等、各種の合金があげられる。
【0016】
上記アルミニウム系材料は、その形状等を問わない。板状、線状、メッシュ状、曲面状、パイプの内外面、ブロック体や熱交換素子等の立体加工部品等にも任意の形状にも適用が可能である。また、アルミニウム系材料として,アルミニウム箔、インゴット、プレート、パイプ、アルミニウム繊維、ダイキャストこれらのアルミニウム系材料からなる中間製品,アルミニウム系材料からなる完成品の全てが本発明のアルミニウム系材料の範疇に含まれる。
【0017】
これらの中でも、メッシュ状のものは表面積が大きいため、熱交換素子等のフィン、低温加湿装置の親水膜等の用途に好適に用いられる。メッシュ状のアルミニウム系材料は、アルミニウム金属不織布として入手できる。アルミニウム金属不織布シートは、アルミニウム金属繊維を板状に堆積してなるアルミニウム金属綿板を焼結処理したものを圧延して形成されたもので、アルミニウム繊維相互間に複雑に折れ曲がっているので、表面積が大きいという特徴がある。
【0018】
次に、上記アルミニウム材料に網目状多孔質構造を形成するための「水酸化リチウムを含む塩基と水と有機溶媒とを混合した塩基性混合溶液」について説明する。
【0019】
ここで、本発明でいう「溶液」とは溶質が溶媒に完全に溶解していることをいい、溶質が溶媒に分散しているものや懸濁しているものは含まない。また、当該溶媒が水と有機溶媒の混合溶媒である場合、混合溶媒は分離することなく均一であるものとする。
【0020】
少なくとも「水酸化リチウムと水と有機溶媒を混合した塩基性混合溶液」の調製において、水酸化リチウム等の塩基は溶質に完全に溶解していることが望ましい。当該塩基性混合溶液中の溶媒は、水と有機溶媒との混合溶媒であるが、当該有機溶媒としては通常は後述する親水性溶媒が用いられる。
【0021】
混合溶媒の表面張力を調整することにより、後述のようにアルミニウム系材料の表面との濡れ性が改善される為、アルミニウム表面と水酸化リチウムの反応が速やかに進行する。かかる表面張力は、18〜60mN/mの範囲であり、20〜55mN/mが好ましく、20〜50mN/mがより好ましい。水の表面張力が20℃において72mN/m程度であるが、有機溶媒を添加することにより表面張力を小さくすることができる。18mN/mよりも小さい場合は、アルミニウム表面への濡れ性は優れるものの、水の含有量が極めて小さくなり水酸化リチウムが溶解しないため好ましくない。また、表面張力が50mN/mよりも大きくなる場合は、アルミニウム表面への濡れ性が悪くなるため好ましくない。
【0022】
塩基性混合溶液を構成する混合溶媒において、上記の表面張力を与える範囲に入っていれば特に問題はないが、実質的に混合溶媒を調製するための目安として、有機溶媒と水との混合比は、容量比で、(有機溶剤/水)=(90/10)〜(10/90)が好ましく、なかでも(70/30)〜(30/70)が特に好ましい。
【0023】
上記塩基性混合溶液は、(1)溶質が溶媒に溶解していること、および、(2)塩基性混合溶液を構成する混合溶媒の表面張力が上記範囲に入っている、ならば調製方法は特に限定されないが、通常、水酸化リチウムを含む溶液を調製後、有機溶媒を添加して調製する方法が用いられる。塩基性混合溶液の場合と同様、水酸化リチウムを含む塩基性溶液は、水酸化リチウム等の溶質を溶解している必要があり、溶媒は「水単独」か「水と親水性有機溶媒との混合」にするのが良い。
【0024】
すなわち、塩基性混合溶液の調整方法としては、
「1」水酸化リチウム等の溶質を水に溶解させて塩基性溶液を調製後、次いで親水性有機溶媒を添加して調製する方法
「2」水酸化リチウム等の溶質に「水と親水性有機溶媒の混合」を添加して溶解させ塩基性溶液を調製後、次いで同一または他の有機溶媒を添加する方法
が挙げられるが、通常は「1」の方法が好適に用いられる。
【0025】
前記親水性溶媒としては、炭素数1〜7のアルコール系、ニトリル系、ケトン系、エーテル系、スルホキシド、アミド系、エステル系、グリコール系の溶媒が好適に用いられる。かかる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、プロピロニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、エチレングリコール、プロピレングリコール等があげられるがこれらに限定されない。上記の親水性溶媒のなかでも、入手の関係でメタノール、エタノールが特に好ましい。なお、これらの溶媒は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
次いで、上記塩基性溶液にさらに有機溶媒を混合して塩基性混合溶液の調製を行うが、塩基性溶液と有機溶剤との混合によって、水酸化リチウム等の溶質が析出しないことが重要である。塩基性溶液の溶媒が水単独であった場合は、使用する有機溶媒は、上記親水性溶媒が好適に用いられる。
【0027】
上記塩基性溶液の溶媒が、「水と親水性有機溶媒との混合」であった場合、有機溶媒として、上記の親水性有機溶媒中から更に同種あるいは別の親水性有機溶媒を添加しても良いが、アルミニウム系材料表面への更なる濡れ性の改善を目的として、芳香族系、含フッ素アルコール系の溶剤を用いることができる。かかる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
適当な反応をさせるためには、塩基性溶液と有機溶剤との混合溶液のpHは、pH9.0〜pH13.5の範囲であることが望ましい。pH9.0未満では反応が進行せず、pHが13.5を超えると被膜が激しく侵食されたり、網目状多孔質構造が破壊されて生じて好ましくないからである。
【0029】
上記混合液において、かかるpHを与える溶質の濃度は、塩基性混合液を構成する混合溶媒に対する水酸化リチウム等の塩基の溶解度の違いに依存するので一概には規定できないが、0.5〜5重量%が好ましく1.0〜3.5%とするのが特に好ましい。0.5重量%未満では、反応不足となり、反対に5重量%を超えると被膜が激しく侵食されたり、網目状多孔質構造が破壊されて生じて好ましくないからである。
【0030】
混合溶液が有機溶剤を全く含まない水溶液(表面張力 約72mN/m)である場合は、アルミニウム系材料の表面が撥水性であるために濡れ性が悪くなり、場合によっては塩基性溶液をはじいてしまうため均一な反応が進行しにくくなり好ましくない。アルミニウムの表面が撥水性であるのは、表面に存在する数nmの酸化アルミニウム被膜によるものと考えられる。
【0031】
上記混合溶液の調製において、pHが9.0〜13.5の範囲をとる限りにおいては、溶質として水酸化リチウムの他にアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩をさらに添加することができる。用いるアルカリ金属塩としては、水酸化ナトリウム,水酸化リチウム,水酸化カリウム,水酸化ルビジウム,水酸化セシウム等の水酸化物があげられる。また、アルカリ土類金属塩としては、水酸化ベリリウム,水酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化ストロンチウム,水酸化バリウム等の水酸化物があげられる。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩によって、溶媒への溶解度、塩基の強さが異なるため、一概には規定できないが、混合溶液中に含まれる溶質である「水酸化リチウムと他のアルカリ金属塩」もしくは「水酸化リチウムとアルカリ土類金属塩」の濃度は、水酸化リチウムを最低限0.5質量%含み且つトータルで「0.5より大きく5重量%以下」とするのが望ましい。この範囲内において、「水酸化リチウムと他のアルカリ金属塩」、または「水酸化リチウムとアルカリ土類金属塩」の混合割合を適宜調整することにより、pHの範囲を9.0〜13.5に調製することができる。0.5重量%以下では、反応不足となり、反対に5重量%を超えると被膜が激しく侵食されまた微細孔が破壊されて好ましくない。特に、塩基性混合溶液の濃度は1〜3.5%するのが好適である。
【0032】
他のアルカリ金属塩もしくはアルカリ金属塩を更に添加して用いる場合の調製方法については、水酸化リチウム単独の場合に準じて行うことができる。
【0033】
次に担持される親水性微粒子について説明する。
【0034】
用いられる親水性の微粒子としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイド状のチタニア、ゼオライト、シリカゲル、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、珪藻土、バームキュライト、ヒル石、弁柄、貝殻焼成カルシウムおよびフィロケイ酸塩、金属微粒子等が上げられ、これらの群より選ばれる少なくとも一つが好適に用いられる。これら粒子の中で、珪藻土、ゼオライト、シリカゲル、貝殻焼成カルシウムおよびフィロケイ酸塩は、その多孔質性等のために吸水性、抗菌性等を発揮でき、本発明の物品の付加価値を高めることができ、好適であり、特には貝殻焼成カルシウムおよびフィロケイ酸塩の使用が好適である。これらの微粒子は組み合わせて使用することも可能で、たとえは、フィロケイ酸塩である雲母と金属微粒子の銀粒子を混合してもよい。
【0035】
貝殻焼成カルシウムは、比表面積が大きいので水の表面吸着性を増大させ親水性を長時間維持する効果を有する。さらには、それ自身カルシウム源として食品への添加の他、病原菌、細菌等の駆除剤用、野菜や果樹の残存農薬の洗浄用、医薬品用として利用されており、消毒効果、消臭効果、抗菌効果が期待できる。したがって、微粒子として貝殻焼成カルシウムを導入した場合、親水性の維持ばかりでなく抗菌作用という機能を付加することが可能となる。
【0036】
貝殻焼成カルシウムは、焼成前の主成分が炭酸カルシウムである貝殻を焼成することで、脱炭酸(二酸化炭素を取り除く)が徐々に進むことにより得られる、酸化カルシウム(CaO)又は、酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混在したもののことである。焼成により、焼成前の主成分である炭酸カルシウム99%が徐々に酸化カルシウムに変換されるが、併せて、焼成前の貝殻に含有している有機物1%の焼成も同時に進行する。焼成温度については、焼成温度を高くした場合には炭酸カルシウムが全て酸化カルシウムまで変換されるが、焼成温度が低い場合には、一部が酸化カルシウムに変わるが残りは炭酸カルシウムとして残る。
【0037】
用いる貝殻焼成カルシウムの成分については、特に限定されないが、炭酸カルシウムの一部が酸化カルシウムに変換できれば良く、本発明においては、具体的には、貝殻の主成分である炭酸カルシウムと、それを焼成することにより得られる酸化カルシウム、もしくは、酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混在したもの又はそれぞれの混合状態(酸化カルシウムと炭酸カルシウムを混合)で用いることが好ましい。炭酸カルシウムと酸化カルシウム、各成分の割合は焼成温度及び焼成時間により異なり、適宜、調整することができる。
【0038】
貝殻焼成カルシウムを製造する場合の焼成温度は、通常、500〜1200℃である。好ましくは、600〜1100℃の温度範囲である。焼成時間については、焼成温度により異なるが、前述の貝殻焼成カルシウムを好ましい割合にするためには、適宜、調整することができる。
【0039】
貝殻焼成カルシウムとして用いる貝殻はホタテ貝、アワビ、カキ、及びウバガイから少なくとも1種類以上が選択されている親水性被膜であることが好ましい。もちろん、本発明で用いられる貝殻としては、焼成前の成分が炭酸カルシウムを主成分として含有する貝殻であれば特に限定はなく、具体的には、赤貝、アサリ、ホタテ貝、アワビ、カキ、ウバガイ(ホッキ貝)、イモガイ、サクラガイ、サザエ、シジミ、タイラギ、タニシ、トリガイ、ハマグリ、バカガイ等が用いられる。しかし、特に好ましくは、ホタテ貝、アワビ、カキ、及びウバガイの貝殻である。
【0040】
フィロケイ酸塩は、アルミニウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンとケイ酸が連結して、四面体シート層状構造を形成することが特徴である。この四面体シート層状構造の隙間に金属イオン有機物等を交換する性質がありかつ、水を取り込む性質があるため、極めて良好な吸湿性を示すことが知られている。さらには、層状であることにより毛細管力、密着性、結束性の向上も期待できる。すなわち、フィロケイ酸塩を微粒子として用いることにより、吸湿性の向上を含むこれらの新機能を付与できる。
【0041】
本発明に用いられるフィロケイ酸塩として雲母、セピオライトやモンモリロナイト、ハロサイト、カオリナイト、スメクタイト、タルク、バーミュキュライト、緑泥石、ガイロライト、ブレーナイト、珪孔雀、石ブドウ石、魚眼石、タルク、パイロフィライト、緑泥石、ディッカイト、蛇紋石、ゼオライト等があげられる。これらフィロケイ酸塩の中でも、粒子径、アスペクト比、入手のしやすさ、およびコストを勘案すれば、雲母(マイカ)、タルク、カオリナイトがより好ましい。
【0042】
雲母としては、その形状や大きさによりさまざまな種類があり、例示するならば、白雲母、クロム白雲母、絹雲母、黒雲母、金雲母、フッ素金雲母、リチア雲母などが挙げられる。タルクは、滑石とも呼ばれ、ケイ酸マグネシウムの水和物(MgSi10(OH))である。また、カオリナイト(AlSi(OH)、三斜晶系・単斜晶系 )はケイ酸アルミニウムの水和物であるが、類似のディク石(dickite)、ナクル石もカオリンに含むものとする。
【0043】
金属微粒子としては、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、インジウム、スズ、タングステン等のナノ金属粒子やナノ金属コロイド等が挙げられる。
【0044】
微粒子の粒子径は、特に限定はされないが、5nm〜50μmが好ましい。平均粒径が5nm未満であると、微粒子過ぎて長期の塗布時間が必要で効率が悪くまた、微粒子の有する表面エネルギーが非常に大きくなり、単分散が困難で凝集しやすく取り扱いが非常に困難である。一方、微粒子の平均粒径が50μmを越えると、被膜上の網目状多孔質構造体の孔径よりも遥かに大きくなるために重力の影響が大きくなり孔径中に取り込まれた微粒子が保持しきれなくなり、摩擦により容易に剥がれてしまう等の問題が発生する。より好ましくは0.5〜40μm、さらに好ましくは0.05〜20μmである。
【0045】
なお、ここでいう粒子の粒径は所謂1次粒子の大きさを示し、微粒子同士が凝集した2次粒子の大きさを示しているのではない。親水膜においては、2次粒子の大きさは成膜に困難がなければ、特に限定されるものではない。
【0046】
本発明でアルミニウム材料を処理する薬液は、上記塩基性混合溶液と上記親水性微粒子を混合してなる溶液または懸濁液(以下、「微粒子混合液」という)である。親水性微粒子は、親水性ゾルとして混合することもできる。親水性微粒子の混合量は当該微粒子が形成される多孔質体に良好に担持可能であれば特に限定されないが、塩基性混合用液に対して0.01重量%〜20重量%が適当である。0.01重量%よりも少なければ希薄すぎて充分な担持ができなくなり、20重慮%よりも多い場合は粘度が高くなりすぎて操作性が悪くなるばかりでなく、担持されない微粒子が多くなり無駄である。
【0047】
調製した微粒子混合液は、含有する親水性微粒子が塩基性混合溶液に均一に分散していることが望ましく、攪拌や超音波を照射する等の処理を行うのがよい。
【0048】
本発明においてアルミニウム系材料を上記微粒子混合液で処理するにあたり、アルミニウム系材料を微粒子混合液と接触させる必要がある。
【0049】
前述のように、アルミニウム系材料の表面には酸化アルミニウムの被膜により撥水性であるので、薬液とのヌレ性が悪い場合は、被膜除去の処理を行うことがある。一般には脱脂洗浄や、サンドペーパー掛け、サンドブラスト掛け、アーク照射、プラズマ処理等の表面活性処理を行うが、表面活性処理時のムラにより均一に処理されない場合がある。本発明の親水性部材にかかる製造においては、有機溶媒を用いて微粒子混合液の表面張力を低くすることにより、アルミニウム表面とのヌレ性が改善されるため、表面処理時のムラに関係なく均一に反応させることが可能である。また、水酸化リチウムを含む塩基性混合溶液がある程度の脱脂力を有しているため、微粒子混合液を用いることにより、脱脂洗浄や表面活性処理を省略することができる。
【0050】
アルミニウム系材料を微粒子混合液と接触させる方法は、特に限定されないが、当該微粒子混合液をスプレー等で吹き付ける方法、シリンジ等で滴下する方法、微粒子混合液の処理浴の中に浸漬(含浸も含む)する方法が挙げられるが、処理浴に浸漬する方法が好適に用いられる。
【0051】
浸漬(含浸も含む)においては、常圧、減圧または加圧下で行うことができる。また、浸漬超音波法も好適に用いられ、微粒子混合液にアルミニウム材料を浸漬して、超音波をあてながら処理することも可能である。
【0052】
処理浴への浸漬時間は、アルミニウム系材料の種類,形状,寸法、および微粒子混合液の濃度,組成,浴温等に応じて適当な時間を選べばよく、通常は30秒〜15分に設定される。また、浴温についても、浸漬時間との兼ね合いにより、適当な温度に設定すればよいが、通常は、微粒子混合液は、常温〜50℃程度に設定され、より好適には、20〜40℃に設定される。上記温度範囲よりも低いと、反応の進行に要する時間が非常に長くなり、反対に高いと、反応が速くなりすぎて、被膜が激しく侵食されたり、網目状多孔質構造が破壊されたり、表面が不均一になりやすく好ましくない。
【0053】
アルミニウム材料を浸漬させると、アルミニウムと水酸化リチウムの反応が進行し、浸漬後30秒〜5分でアルミニウム材料表面から微細な水素発泡が観察される。目安として発泡してから30秒〜5分の時間浸漬させることにより適度な反応を行わせることができる。
【0054】
微粒子混合液でアルミニウム材料を処理することにより、アルミニウム材料と塩基性混合用液とが反応し、アルミニウム材料の表面に孔径5〜500nmの網目状多孔質構造体が形成される。親水性微粒子は、当該多孔質構造体の孔径にフィットするようにアンカーとして担持され、共に親水性である微粒子と多孔質構造体が付着するため強固な密着性を有する。本発明では、当該多孔質体が形成される側から上記親水性微粒が担持されるため、二工程での担持固定と比較してより密着性に優れる効果を奏する。
【0055】
用いる無機微粒子の中には、500nmより大きい粒子径を有するものがあるが、アンカーとして孔内に入った無機微粒子の最表面の部分とそれよりも大きい無機微粒子間での強固な結合が形成されるため、孔内の微粒子が膜の外側の粒子を保持する形で、複雑な表面を形成し比表面積の大きい被膜で覆われるものと思われる。当該被膜は親水性微粒子で構成されるため、優れた親水性が発現し、アルミニウム系親水性複合部材として有用である。
【0056】
本発明において、担持される親水性微粒子の単位面積当たりの重量は0.1〜20g/mの範囲にあることが必要である。この親水性微粒子の単位面積当たりの重量が0.1g/m未満の場合には充分な被覆がなされず、被覆にムラが生じるため好ましくない。一方、親水性微粒子の重量が20g/mを超える場合には、網目状多孔質中に微粉末が前面に被覆され、完全に網目状多孔質が埋没して表面積が低下するため親水性が劣るばかりか経済的ではなく、摩擦や振動で容易に剥離脱落して機械的強度に著しく支障をきたす
上記の処理の後に、乾燥・加熱することにより、造膜することができ、親水性微粒子を担持固定することができる。乾燥・加熱処理方法は、特に限定されないが、常温で乾燥してもよいし、または熱風で加熱乾燥してもよい。また乾燥後にアルミニウムの基材を100〜500℃まで加熱して更に乾燥する手法も用いられ、例えば、室温で30分乾燥後、150℃のオーブンで1時間程度加熱する方法が用いられる。このようにして、アルミニウム系複合親水性部材が製造できる。
【0057】
本発明の処理により得られるアルミニウム系親水性部材の表面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下、SEMという。)で観察したところ、孔径5〜500nm、深さ0.05〜10μmの規則正しく並んだ網目状多孔質体の細孔に親水性微粒子が担持されていることが判った。
【0058】
本発明の親水性部材において、その純水接触角は30度以下であることが望ましい。その純水接触角が30度を超えると、所定の親水性が得られないからである。より好ましくは20度以下、さらに好ましくは10度以下である。ここで、純水接触角が30度以下として以下を用いたのは、例えば純水接触角が5度よりも小さくなると、高精度の測定は難しくなるが、極めて0°に近い純水接触角の親水性示す場合も含むからである。本明細書では、10°以下の純粋接触角を示す場合、「超親水性」と評価する。なお、純水接触角の測定は、JISR3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準じて行われる。
【0059】
本発明の網目状多孔質構造に親水性微粒子を担持させたアルミニウム系部材の純水接触角を測定すると、水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることが観察できる。
【実施例】
【0060】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明するが、これらに限定されるものではない。なお、測定においては、以下の測定器を使用した。
「走査型電子顕微鏡」 (Scanning Electron Microscope、SEM)
FE−SEM 日立製 S−4500型 加速電圧 10kv
「純水接触角測定」
協和界面科学製 接触角計(型式CA−X型)
測定方法: 純水5μlを表面に滴下して接触角を測定
「実施例1」 親水性部材:アルミニウム板
水酸化リチウム一水和塩(LiOH・HO:和光特級試薬)を300mlビーカーに6.0g(0.14mol)秤り取り、次いでイオン交換水100mlを加えて常温で攪拌し溶解させた。さらに特級エタノール100mlを攪拌しながら徐々に添加して、1.9%濃度の水酸化リチウム処理溶液を調製した。当該処理溶液のpHは、11.1であった。
【0061】
上記塩基性混合用液に、親水性微粒子として平均粒子0.5μmのカオリナイト(竹原化学製)を10.0gを入れ、サンテック社UX−300型超音波分散機にて20分間分散させ微粒子混合液とした。
【0062】
この微粒子混合液に、純度99.5%のアルミニウム基材:A1050の平板(100mm×50mm×0.1mmt)を室温で超音波振動させながら浸漬した。浸漬後30秒でアルミニウム基材表面から微細な水素の発泡が観察された。約1分間保持浸漬した後、4mm/secで引き上げて、次いで30分間室温で乾燥させ、150℃乾燥機で1時間乾燥させた。アルミニウムの表面にカオリナイトが均一に塗布されており、膜重量は4.1g/mであった。
【0063】
純水接触角を測定したところ、滴下直後は、5.9°の接触角であったが、2秒以内に水滴は被膜表面を速やかに広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり(便宜上接触角を0°とする)、被膜が超親水性であることを観察できた。さらに上水で3分間十分に表面を洗浄した後に、100℃で1時間乾燥後、再度純水接触角を測定したところ、純水接触角は0°で親水性の変化は認められなかった。またSEMで表面を観察したところ洗浄前後でも多孔質体や親水性微粒子は十分に担持しており堅牢な被膜であった。
【0064】
「実施例2」
親水性微粒子としてコロイダルシリカを用いた以外は、実施例1と同様な方法で親水性部材を製造した。
【0065】
実施例1と同様の方法で調製した塩基性混合溶液に、親水性微粒として平均粒子0.05μmのコロイダルシリカ(日産化学製IPA−ST)を10gとり、サンテック社UX−300型超音波分散機にて20分間分散させ白乳色の微粒子混合液を調製した。
【0066】
この微粒子混合液に、純度99.5%のアルミニウム基材:A1050の平板(100mm×50mm×0.1mmt)を室温で超音波振動させながら浸漬した。浸漬後30秒でアルミニウム基材表面から微細な水素の発泡が観察された。約1分間浸漬した後、4mm/secで引き上げて、次いで30分間室温で乾燥させ、150℃乾燥機で1時間乾燥させた。SEM観察によると、アルミニウムの多孔質体の空隙の50%をコロイダルシリカが充填されていた。従来の2段回工程で処理した方法より42%担持量が減少したが、親水性はまったく変化がなく、純水接触角も4.5度を示した。1段回工程では親水微粒子の担持量が半減するが、親水処理したアルミニウム基材の後加工において(切断、屈曲加工)、1回工程の方が被膜強度に優れていた。これは凹凸被膜に追従して親水微粒子が付与したためと推定される。
「実施例3」
親水性微粒子として貝殻焼成カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様な方法で親水性部材を製造した。
【0067】
実施例1と同様の方法で調製した塩基性混合溶液に、親水性微粒として平均粒子5μmの焼成貝カルシウム(日本天然素材製)を10gとり、0.1%PVA溶液を5ml添加して、サンテック社UX−300型超音波分散機にて20分間分散させ微粒子混合液を調製した。
【0068】
この微粒子混合液に、純度99.5%のアルミニウム基材:A1050の平板(100mm×50mm×0.1mmt)を室温で超音波振動させながら浸漬した。浸漬後30秒でアルミニウム基材表面から微細な水素の発泡が観察された。約1分間浸漬した後、4mm/secで引き上げて、次いで30分間室温で乾燥させ、150℃乾燥機で1時間乾燥させた。SEM観察によると、アルミニウムの多孔質体の空隙に一部の微細な焼成貝微粒子が充填され、3ミクロン〜10ミクロンの粗粒子は多孔質体の凹部にアンカー効果で固着しており、純水接触角も8.2度の親水性を示した。基材の後加工において(切断、屈曲加工)も被膜が剥離等が見られず耐久性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0069】
当該親水性部材は超親水性をしめすことより、ヒートパイプ、フィン等の熱交換素子の部材として有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムもしくはその合金を、水酸化リチウムを含む塩基と水と有機溶媒とを混合した塩基性混合溶液に親水性微粒子を混合してなる溶液または懸濁液で処理することにより、アルミニウムもしくはその合金の表層部の少なくとも一部に網目状多孔質構造体を担体として形成するとともに、当該担体に前記親水性微粒子を担持固定させることを特徴とするアルミニウム系親水性部材。
【請求項2】
塩基性混合溶液を構成する混合溶媒の表面張力が、18〜60mN/mであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム系親水性部材。
【請求項3】
塩基性混合溶液中の有機溶媒が、アルコール系、ニトリル系、ケトン系、エステル系、エーテル系、スルホキシド系、アミド系、グリコール系、芳香族系もしくは、含フッ素アルコール系の溶媒の少なくとも一種である請求項1または請求項2に記載のアルミニウム系親水性部材。
【請求項4】
塩基性混合溶液のpHが、9.0〜13.5の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のアルミニウム系親水性部材。
【請求項5】
網目状多孔質構造体が孔径5〜500nm、深さ0.05〜10μmの細孔であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム系親水性部材。
【請求項6】
親水性微粒子がコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイド状のチタニア、ゼオライト、シリカゲル、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、タルク、珪藻土、バームキュライト、ヒル石、弁柄、貝殻焼成カルシウムの微粒子、または、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、インジウム、スズ、タングステンのナノ金属粒子もしくはナノ金属コロイドよりなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のアルミニウム系親水性部材。
【請求項7】
親水性微粒子の重量が0.1〜20g/mの範囲になるように担持させることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム系親水性部材。

【図1】
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【公開番号】特開2011−21211(P2011−21211A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164920(P2009−164920)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】