説明

アルミニウム系部品及びそれの製造方法

【課題】アルミニウム系部品に下地としての樹脂を塗布しないで、外観性を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】図(a)に示すように、アルミニウム系部品35は、溶湯鍛造法によって製造された溶湯鍛造品28又26と、この溶湯鍛造品28又26に被せたニッケルクロムめっき層36と、からなる。このニッケルクロムめっき層36は、(b)に示すように溶湯鍛造品28又26に被せられ厚さが5〜10μmである半光沢ニッケルめっき層31と、この半光沢ニッケルめっき層31に被せられ厚さが5〜10μmである光沢ニッケルめっき層33と、この光沢ニッケルめっき層33に被せられ厚さが0.5〜3μmであるクロムめっき層37とからなる。
【効果】本発明では、鋳造品ではなく溶湯鍛造品を採用した。溶湯鍛造品であれば、表面が平滑であって、下地樹脂層が省略でき、直接、めっき層を被せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム系部品の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のハンドルホルダ、乗用車のドアノブやエンブレムに、アルミニウム系部品が使用されることがある。この場合、アルミニウム系部品は、人目に晒される外観部品となり、美観性が求められる。
【0003】
アルミニウム系部品の外観性を高める技術は、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【特許文献1】国際公開第00/043153号パンフレット(第22頁)
【特許文献2】特開2004−17738公報(請求項1)
【0004】
特許文献1の請求項1に記載された発明は、「金型に注入した軽金属材料の溶湯に射出プランジャから約50メガパスカル超の鋳造圧を付与して鋳肌面における発生ピンホールを所定条件まで抑止された鋳物を成形する鋳造工程と、前記鋳肌面に研磨処理をほどこした研磨面の表面粗さが所定の値以下になるようにする研磨工程と、前記研磨後の研磨面に第一の樹脂塗装層を形成する塗装工程と、前記樹脂塗装層の表面に乾式メッキで金属または金属化合物の層を形成するメッキ工程と、を包含してなることを特徴とする軽金属鋳物の表面処理方法。」である。
【0005】
すなわち、高圧鋳造法によりピンホールの大きさと数を十分に低減させる。次にバレルによる研磨を施して表面の粗さを小さくする。次に、樹脂を塗布する。続いて、メッキ処理を施す。この結果、光輝性に富む意匠面を有する軽金属鋳物製品が提供される。
【0006】
しかし、樹脂を塗布する塗装工程が不可欠であるため、工程数が増加し、製品コストが嵩む傾向にある。
【0007】
特許文献2は、請求項1に「表面に微少な凹凸が形成された自動車用軽合金製ホイールと、前記軽合金製ホイールの表面に形成された樹脂塗膜と、前記樹脂塗膜の上に形成されたクロムメッキ外観を有するチタン合金の薄膜と、前記薄膜の上に保護層として形成された透明樹脂保護膜とを有する表面が光輝化処理された自動車用軽合金製ホイールであって、・・・」と明示されているように、軽合金製ホイールの表面に樹脂塗膜を形成することを前提とした技術である。樹脂を塗布する塗装工程が不可欠であるため、工程数が増加し、製品コストが嵩む傾向にある。
【0008】
すなわち、樹脂塗布を省くことができれば、工程数を削減することができ、製品コストを低減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アルミニウム系部品に下地としての樹脂を塗布しないで、外観性を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車両の外面などに配置される外観部品としてのアルミニウム系部品において、このアルミニウム系部品は、溶湯鍛造法によって製造された溶湯鍛造品と、この溶湯鍛造品に被せたニッケルクロムめっき層と、からなることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明では、ニッケルクロムめっき層は、溶湯鍛造品に被せられ厚さが5〜10μmである半光沢ニッケルめっき層と、この半光沢ニッケルめっき層に被せられ厚さが5〜10μmである光沢ニッケルめっき層と、この光沢ニッケルめっき層に被せられ厚さが0.5〜3μmであるクロムめっき層とからなることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、車両の外面などに配置される外観部品としてのアルミニウム系部品の製造方法において、
上下が開口しているダイと、このダイの下の開口を塞ぐ下パンチと、この下パンチに対向して配置され前記ダイの上の開口へ進入する上パンチと、この上パンチを昇降させる第1シリンダユニットと、前記上パンチの一部を分割してなる部分パンチと、この部分パンチを昇降させる第2シリンダユニットとからなるプレス装置を準備する工程と、
前記下パンチが嵌められているダイに、アルミニウム合金の溶湯を供給する注湯工程と、
ダイの上の開口に、前記上パンチ及び部分パンチを一括して進入させ、前記溶湯を加圧する第1次加圧工程と、
前記第1シリンダユニットによる押圧力を増加して上パンチを更に進入させ、前記溶湯を更に加圧する第2次加圧工程と、
前記ダイから取出した溶湯鍛造品を成形する成形工程と、
この溶湯鍛造品にニッケルめっき層及びクロムめっき層を被せるめっき工程と、からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、成形工程とめっき工程との間に、溶湯鍛造品の平均粗さの上限が6μmを超えないように、溶湯鍛造品の表面を研磨する研磨工程を加えることことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、鋳造品ではなく溶湯鍛造品を採用した。溶湯鍛造品であれば、表面が平滑であって、下地樹脂層が省略でき、直接、めっき層を被せることができる。
したがって、請求項1によれば、アルミニウム系部品に下地としての樹脂を塗布しないで、外観性を高めることができ、工数の低減を図ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、5〜10μmの半光沢ニッケルめっき層と、5〜10μmの光沢ニッケルめっき層と、0.5〜3μmのクロムめっき層とを、この順で溶湯鍛造品に被せた。
5μm以上の半光沢ニッケルめっき層と、5μm以上の光沢ニッケルめっき層とを下地めっきにすることにより、十分な耐食性を維持させることができる。最大厚さを各々10μmに留めることで、ニッケルの消費を抑える。
合計10μmのニッケルめっき層が下地にあるため、表層のクロムめっき層は十分に薄くすることができ、0.5μmの厚さであっても金属光沢色を発生させることができ、外観性が保たれる。最大厚さを3μmに留めることで、クロムの消費を抑える。
【0016】
請求項3に係る発明では、溶湯鍛造は、第1次加圧工程と第2次加圧工程の2段階で実施する。溶湯を強く加圧することで、溶湯鍛造品の緻密化を促すことができる。そして、第2次加圧工程では、上パンチから独立させた部分パンチのみを上へ移動可能にし、余剰の溶湯を部分パンチ側へ流入させることができるようにした。溶湯の注湯量にばらつきがあっても、このばらつきを部分パンチの上昇量で吸収させることができるため、溶湯鍛造品の仕上がり形状は良好になる。
【0017】
請求項4に係る発明では、得られた溶湯鍛造品に研磨を施し、平均粗さが6μmを超えないようにした。平均粗さが6μm以下であれば、アルミニウム系部品の外観性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明で使用するプレス装置の原理図であり、プレス装置10は、上下が開口している筒状のダイ11と、このダイ11の下の開口を塞ぐ下パンチ12と、この下パンチ12に対向して配置される上パンチ13と、この上パンチ13を昇降させる第1シリンダユニット14と、上パンチ13の一部を分割してなる部分パンチ15と、この部分パンチ15を昇降させる第2シリンダユニット16と、第1シリンダユニット14及び第2シリンダユニット16を一括して支持する昇降盤17と、この昇降盤17が振れないようにガイドする昇降ガイド18と、昇降盤17を昇降する第3シリンダユニット19と、下パンチ12を昇降させる第4シリンダユニット21と、ダイ11を支える基台22とからなる。
【0019】
上パンチ13は中空円筒形状を呈し、この上パンチ13を昇降させる第1シリンダユニット14も中空円筒形状を呈する。部分パンチ15は、上パンチ13の中空部分に上下動移動可能に収納されている。第2シリンダユニット16は第1シリンダユニット14の中空部分に収納されている。
【0020】
以上の構成からなるプレス装置10を用いて実施する溶湯鍛造法を次に説明する。
図2は本発明で採用した溶湯鍛造法の説明図であり、(a)に示すように、下パンチ12が嵌められているダイ11にアルミニウム合金の溶湯24を所定量供給する(矢印(1))。なお、アルミニウム合金は、JIS A6000系、JIS ADC12、JIS AC4CH相当が挙げられるが、格別に種類を限定するものではない。
【0021】
そして、第3シリンダユニット19を作動させて、昇降盤17、第1シリンダユニット14、第2シリンダユニット16、上パンチ13及び部分パンチ15を一括して下げる。
【0022】
すなわち、(b)に示すように、ダイ11の上の開口から、矢印(2)のように、上パンチ13及び部分パンチ15が進入し、溶湯24を圧縮する。この際に、上パンチ13の押圧力(溶湯表面に加える単位面積当たりの押力、以下同じ)と部分パンチ15の押圧力とを同一にする。押圧力が同一であるため、上パンチ13と部分パンチ15は一緒に下がる。この下降動作を第1加圧工程と呼ぶ。
この第1加圧工程で溶湯24を圧縮(加圧)すると、溶湯24に含まれている微量のガス(特にHガス)が押し出され。すなわち、溶湯24のガス抜きが達成できる。
【0023】
次に、第2シリンダユニット16の油圧は、そのままで、第1シリンダユニット14の油圧を増圧する。すると、(c)に示すように、上パンチ13が、矢印(3)のように下降する。溶湯24は強く圧縮されたため、逃げ場を求めて部分パンチ15を押し上げる。
結果、部分パンチ15は矢印(4)のように上昇する。上部パンチ13の押圧力と部分パンチ15の押圧力が均衡した時点で、矢印(3)、(4)の移動は停止する。この状態で凝固を待つ。
【0024】
部分パンチ15がバッファーの役割を果たすため、(a)で供給した溶湯24の供給量にバラツキがあっても、支障なく加圧が実施できる。
(c)において、溶湯24が凝固したら、上パンチ13及び部分パンチ15を上げる。次に、第4シリンダユニット21を前進動させて、下パンチ12を上げる。すると、ダイ11から溶湯鍛造品を払い出すことができる。
【0025】
以上の説明した(b)で溶湯24を上パンチ13及び部分パンチ15で加圧するため、溶湯鍛造の第1段階が実施される。加えて、(c)で溶湯24は、下降する上パンチ13と上昇する部分パンチ15で鍛造され、より強く加圧され、第2段階の溶湯鍛造が実施される。強く加圧するため、溶湯24の密度が高まり、表面(鋳肌)でのピンホールの発生を微少にすることができる。
すなわち、第1次加圧工程と第2次加圧工程とからなる2段階の溶湯鍛造により、ガス抜きが十分になされ、鋳肌の綺麗な溶湯鍛造品を得ることができる。
【0026】
得られた溶湯鍛造品に施す、以降の処理について次図で説明する。
図3は本発明の成形工程からめっき工程までを説明する図であり、(a)に示すように、不要部分25を切除して、(b)に示す成形された溶湯鍛造品26を得る。この溶湯鍛造品26に、直接、めっきを施すことは差し支えないが、好ましくは(c)に示すように、バフ27や研磨ベルトにより研磨を実施する。この研磨で、溶湯鍛造品26の表面は、平均粗さRa(JIS B0601で規定される、算術平均粗さ)で、6μm以下にする。すなわち、平均粗さRaの最大値が6μmになるように研磨する。
【0027】
次に(d)に示すように、研磨を施した溶湯鍛造品28(又は、成形された溶湯鍛造品26)を、半光沢ニッケル電気めっき装置29に入れて下地めっき層を形成する。下地めっき層の厚さは通電時間を増減することで定めることができる。
(e)に示すように、下地めっき層としての半光沢ニッケルめっき層31が被せられた溶湯鍛造品26又は28を、光沢ニッケル電気めっき装置32に入れて中間めっき層を形成する。中間めっき層の厚さは通電時間を増減することで定めることができる。
【0028】
さらに(f)に示すように、中間めっき層としての光沢ニッケルめっき層33が被せられた溶湯鍛造品26又は28を、クロム電気めっき装置34に入れて表面めっき層を形成する。表面めっき層の厚さは通電時間を増減することで定めることができる。
【0029】
図4は本発明に係るアルミニウム系部品の断面図であり、(a)に示すように、アルミニウム系部品35は、例えば、自動二輪車のハンドルを固定するハンドルホルダであって、溶湯鍛造法によって製造された溶湯鍛造品28又26と、この溶湯鍛造品28又26に被せたニッケルクロムめっき層36とからなる。
【0030】
このニッケルクロムめっき層36は、(a)のb部拡大図である(b)に示すように、溶湯鍛造品28又26に被せられ厚さが5〜10μmである半光沢ニッケルめっき層31と、この半光沢ニッケルめっき層31に被せられ厚さが5〜10μmである光沢ニッケルめっき層33と、この光沢ニッケルめっき層33に被せられ厚さが0.5〜3μmであるクロムめっき層37とからなる。
【0031】
ニッケルクロムめっき層36では、クロムめっき層37の下にニッケルめっき層31、33を置き、表層のクロムめっき層37で美観性を高め、下のニッケルめっき層31、33で耐食性を維持する。耐食性が求められないクロムめっき層37は薄くて差し支えないが、耐久性が求められるニッケルめっき層31、33の厚さは慎重に設定する必要がある。
そこで、ニッケルめっき層31、33の厚さを検討する。
【0032】
図5は層の厚さの比と耐食性の相関を示すグラフであり、層の厚さの比は、層の厚さの比=(半光沢ニッケルめっき層の厚さ/光沢ニッケルめっき層の厚さ)と定義する。そして、この比を変化させながら、耐食性を調べたところ、比が1.0で最も高い耐食性を得ることができた。そこで、半光沢ニッケルめっき層の厚さと光沢ニッケルめっき層の厚さとを、以下同一又はほぼ同一にする。
【0033】
図6は層の厚さと外観性の相関を示すグラフであり、層の厚さの比は1.0に固定し、半光沢ニッケルめっき層の厚さと光沢ニッケルめっき層の厚さとを変化させながら、耐食性を調べた。これらの層の厚さが大きいほど外観性は良くなる。
そして、半光沢ニッケルめっき層の厚さが5μmで光沢ニッケルめっき層の厚さが5μmであれば、合格ラインを超えることができる見通しを得た。
【0034】
しかし、半光沢ニッケルめっき層の厚さが10μmを超え、光沢ニッケルめっき層の厚さも10μmを超えると、曲線は寝てしまい、外観性が顕著に良くなることはなかった。
そこで、半光沢ニッケルめっき層の厚さと、光沢ニッケルめっき層の厚さとは、各々5μm〜10μmに設定することが望ましい。
【0035】
次に、図3(c)で施す研磨について検討する。
図7は溶湯鍛造品の表面粗さと外観性との相関を示すグラフであり、表面の平均粗さRaが1μm〜7μmの溶湯鍛造品を準備し、これらに、5μmの半光沢ニッケルめっき層と、5μmの光沢ニッケルめっき層と、0.5μmのクロムめっき層を被せ、外観性を評価した。平均粗さRaが小さいほど、外観性は良好になった。そして、Raが6.0μm以下であれば、合格ラインを超える外観性が得られる見通しを得た。
【0036】
そこで、溶湯鍛造品(図3(b)、符号26)の表面粗さが6.0μm又はそれ以下であれば研磨を施さないで、直接、めっきを施す。溶湯鍛造品(図3(b)、符号26)の表面粗さが6.0μmを大幅に超えている場合には、研磨を施し、粗さを6.0μm以下にすることが望まれる。
【0037】
尚、ニッケルクロムめっき層は、2層のニッケルめっき層と1層のクロムめっき層で説明したが、ニッケルめっき層は1層又は3層以上であってもよく、層の数は任意である。
また、溶湯鍛造法は、第1次加圧工程と第2次加圧工程とからなる2段階加圧が望ましいが、第1次加圧工程のみ又は第2次加圧工程のみからなる単段加圧であってもよい。又は、3段階以上の多段加圧であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、車両の外観部品であるアルミニウム系部品に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明で使用するプレス装置の原理図である。
【図2】本発明で採用した溶湯鍛造法の説明図である。
【図3】本発明の成形工程からめっき工程までを説明する図である。
【図4】本発明に係るアルミニウム系部品の断面図である。
【図5】層の厚さの比と耐食性の相関を示すグラフである。
【図6】層の厚さと外観性の相関を示すグラフである。
【図7】溶湯鍛造品の表面粗さと外観性との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
【0040】
10…プレス装置、11…ダイ、12…下パンチ、13…上パンチ、14…第1シリンダユニット、15…部分パンチ、16…第2シリンダユニット、24…アルミニウム合金の溶湯、26…成形された溶湯鍛造品、28…研磨された溶湯鍛造品、31…半光沢ニッケルめっき層、33…光沢ニッケルめっき層、35…アルミニウム系部品、36…ニッケルクロムめっき層、37…クロムめっき層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外面などに配置される外観部品としてのアルミニウム系部品において、
このアルミニウム系部品は、溶湯鍛造法によって製造された溶湯鍛造品と、この溶湯鍛造品に被せたニッケルクロムめっき層と、からなることを特徴とするアルミニウム系部品。
【請求項2】
前記ニッケルクロムめっき層は、前記溶湯鍛造品に被せられ厚さが5〜10μmである半光沢ニッケルめっき層と、この半光沢ニッケルめっき層に被せられ厚さが5〜10μmである光沢ニッケルめっき層と、この光沢ニッケルめっき層に被せられ厚さが0.5〜3μmであるクロムめっき層とからなることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム系部品。
【請求項3】
車両の外面などに配置される外観部品としてのアルミニウム系部品の製造方法において、
上下が開口しているダイと、このダイの下の開口を塞ぐ下パンチと、この下パンチに対向して配置され前記ダイの上の開口へ進入する上パンチと、この上パンチを昇降させる第1シリンダユニットと、前記上パンチの一部を分割してなる部分パンチと、この部分パンチを昇降させる第2シリンダユニットとからなるプレス装置を準備する工程と、
前記下パンチが嵌められているダイに、アルミニウム合金の溶湯を供給する注湯工程と、
ダイの上の開口に、前記上パンチ及び部分パンチを一括して進入させ、前記溶湯を加圧する第1次加圧工程と、
前記第1シリンダユニットによる押圧力を増加して上パンチを更に進入させ、前記溶湯を更に加圧する第2次加圧工程と、
前記ダイから取出した溶湯鍛造品を成形する成形工程と、
この溶湯鍛造品にニッケルめっき層及びクロムめっき層を被せるめっき工程と、からなることを特徴とするアルミニウム系部品の製造方法。
【請求項4】
前記成形工程とめっき工程との間に、溶湯鍛造品の平均粗さが6μmを超えないように、溶湯鍛造品の表面を研磨する研磨工程を加えることことを特徴とする請求項3記載のアルミニウム系部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−149931(P2009−149931A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327434(P2007−327434)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】