説明

アレーン系化合物の製造方法及びアレーン系化合物

【課題】EB(電子線)等に有効に感応する化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含まれる基材成分の原料として有用なアレーン系化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させる縮合反応工程を有するアレーン系化合物の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線(EB)、又は極紫外線(EUV)による微細パターン形成に好適な感放射線性組成物を調製可能なアレーン系化合物の製造方法、及びその製造方法により製造されるアレーン系化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積度のより高い集積回路を得るために、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、微細加工を安定して行うことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。
【0003】
しかし、従来使用されてきた、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等を用いたリソグラフィープロセスでは、微細パターンを高精度に形成することが困難になってきている。そこで、最近では、微細加工を達成するために、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等に代えて、電子線(EB)又は極紫外線(EUV)を使用するリソグラフィープロセスが提案されている。
【0004】
従来、化学増幅型レジストの基材成分にはポリマーが用いられている。具体的には、ポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等のPHS系樹脂、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される共重合体やそのカルボキシ基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等が、化学増幅型レジストの基材成分として用いられている。しかし、このような化学増幅型レジストを用いてパターンを形成した場合、パターンの上面や側壁の表面に荒れ(ラフネス)が生ずる場合がある。例えば、パターン側壁表面のラフネス(即ち、「ライン ワイド ラフネス(LWR)」)は、ホールパターンにおけるホール周囲の歪みや、ライン アンド スペースパターンにおけるライン幅のばらつき等の原因となるため、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与える可能性もある。
【0005】
このような問題は、パターン寸法が小さいほど重大となる。このため、例えばEBやEUVを使用するリソグラフィーでは、数十nmの微細なパターン形成を目標としていることから、現状のパターンラフネスを超える極低ラフネスが要求される。しかしながら、一般的に基材成分として用いられているポリマーの分子サイズ(一分子当たりの平均自乗半径)は数nm前後と大きい。パターン形成の現像工程において、レジストは通常、基材成分の一分子単位で現像液に対して溶解するため、基材成分としてポリマーを用いる限り、更なるラフネスの低減は極めて困難である。
【0006】
上記のような問題を解消すべく、ポリマーに比して分子量の小さい非重合性のフェノール性化合物(低分子材料)を基材成分として用いたレジストが提案されている。例えば、非特許文献1及び2においては、水酸基、カルボキシ基等のアルカリ可溶性基を有し、その一部又は全部が酸解離性溶解抑制基で保護された低分子材料が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2007−8875号公報
【非特許文献1】T.Hirayama,D.Shiono,H.Hada and J.Onodera:J.Photopolym.Sci.Technol.17(2004)、p.435
【非特許文献2】Jim−BaekKim,Hyo−JinYun and Young−GilKwon:Chemistry Letters(2002)、p.1064〜1065
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1及び2等で開示された低分子材料は、低分子量であるが故に分子サイズが小さく、ラフネスを低減できると予想される。しかしながら、現在、レジスト組成物の基材成分として実際に使用できる低分子材料はほとんど知られていないのが現状である。例えば、パターンそのものを形成し難い、パターンを形成できたとしても、ラフネスが十分に低減されない、解像性が低い、或いはその形状を充分に保持できない等、リソグラフィー特性が十分ではないという問題がある。
【0009】
このような問題を解消すべく、フェノール性水酸基を有する、レゾルシノールとグルタルアルデヒドとの縮合物の前記フェノール性水酸基に酸解離性基を導入した化合物が、ポジ型レジスト組成物の基材成分として利用可能な材料であることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1で開示された縮合物であっても、そのポジ型レジスト組成物の基材成分としての特性については未だ改善の余地があった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、EB(電子線)又はEUV(極紫外線)に有効に感応し、ラフネス、エッチング耐性、及び感度に優れ、高精度な微細パターンを安定して形成することのできる化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含まれる基材成分の原料として有用なアレーン系化合物の製造方法、及びその製造方法によって製造されるアレーン系化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明によれば、以下に示すアレーン系化合物の製造方法、及びアレーン系化合物が提供される。
【0013】
[1]下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させる縮合反応工程を有するアレーン系化合物の製造方法。
【0014】
【化1】

【0015】
前記一般式(1)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基である。
【0016】
【化2】

【0017】
前記一般式(2)中、Xは、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。
【0018】
[2]トリフルオロ酢酸を触媒として用いて縮合反応させる前記[1]に記載のアレーン系化合物の製造方法。
【0019】
[3]下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させて得られるアレーン系化合物。
【0020】
【化3】

【0021】
前記一般式(1)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である。
【0022】
【化4】

【0023】
前記一般式(2)中、Xは、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。
【0024】
[4]下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される前記[3]に記載のアレーン系化合物。
【0025】
【化5】

【0026】
【化6】

【0027】
前記一般式(3)及び(4)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Xは、相互に独立に、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である。
【発明の効果】
【0028】
本発明のアレーン系化合物の製造方法によれば、EB(電子線)又はEUV(極紫外線)に有効に感応し、ラフネス、エッチング耐性、及び感度に優れ、高精度な微細パターンを安定して形成することのできる化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含まれる基材成分の原料として有用なアレーン系化合物を、優れた量産性で製造することができる。
【0029】
本発明のアレーン系化合物は、EB(電子線)又はEUV(極紫外線)に有効に感応し、ラフネス、エッチング耐性、及び感度に優れ、高精度な微細パターンを安定して形成することのできる化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含まれる基材成分の原料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1で得た生成物(1)のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)による分析結果を示すクロマトグラム(溶出チャート)である。
【図2】実施例1で得た生成物(1)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定結果を示すチャートである。
【図3】実施例1で得た生成物(1)の赤外吸収スペクトル(IR)の測定結果を示すチャートである。
【図4】実施例1で得た生成物(1)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を示すチャートである。
【図5】実施例1で得た生成物(1)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を示すチャートである。
【図6】実施例2で得た生成物(2)のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)による分析結果を示すクロマトグラム(溶出チャート)である。
【図7】実施例2で得た生成物(2)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定結果を示すチャートである。
【図8】実施例2で得た生成物(2)の赤外吸収スペクトル(IR)の測定結果を示すチャートである。
【図9】実施例2で得た生成物(2)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を示すチャートである。
【図10】参考例1で得た誘導体(1)核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、DMSO−d)の測定結果を示すチャートである。
【図11】参考例1で得た誘導体(1)核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、CDCl)の測定結果を示すチャートである。
【図12】実施例3で得た生成物(3)の赤外吸収スペクトル(IR)の測定結果を示すチャートである。
【図13】実施例3で得た生成物(3)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を示すチャートである。
【図14】実施例3で得た生成物(3)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を示すチャートである。
【図15】実施例4で得た生成物(4)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を示すチャートである。
【図16】実施例4で得た生成物(4)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0032】
本発明のアレーン系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させて得られるものである。なお、前記一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(2)で表される化合物の、少なくともいずれかを複数種類用いて縮合反応させると、複数種類のアレーン系化合物の混合物を得ることができる。
【0033】
前記一般式(1)中、Rで表される「炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、及びn−ペンチル基等を挙げることができる。なかでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びn−ペンチル基が好ましい。なお、本発明のアレーン系化合物を調製するに際して用いる前記一般式(1)中の二つのRの少なくともいずれかは、炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、好ましくは炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である。この「炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、及びn−プロピル基が好ましい。また、「炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基」としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基が好ましい。
【0034】
また、前記一般式(2)中、Xで表される「炭素数2〜8の置換又は非置換のアルキレン基」の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を挙げることができる。また、前記一般式(2)中のXは、高収率で製造可能であるという観点から、炭素数2〜6の非置換のアルキレン基が好ましく、炭素数3の非置換のアルキレン基が更に好ましい。前記一般式(2)で表される化合物としては、下記式(2−1)で表される化合物(グルタルアルデヒド)が好ましい。
【0035】
【化7】

【0036】
縮合反応によって主として得られるアレーン系化合物の構造は、前記一般式(2)中のXの炭素数によって決まる。例えば、前記一般式(2)中のXがプロピレン基である場合には、主として前記一般式(3)で表されるアレーン系化合物(但し、X=プロピレン基)、又は前記一般式(4)で表されるアレーン系化合物(但し、X=プロピレン基)を得ることができる。また、前記一般式(2)中のXがブチレン基である場合には、主として後述する一般式(5)で表されるアレーン系化合物(但し、X=ブチレン基)を得ることができる。更に、前記一般式(2)中のXがエチレン基である場合には、主として後述する一般式(6)で表されるアレーン系化合物を得ることができる。
【0037】
縮合反応の条件(方法)は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、酸触媒をはじめとする適当な触媒の存在下、適当な反応溶媒中、60〜90℃で6〜72時間脱水縮合させる方法等を挙げることができる。
【0038】
脱水縮合反応に際して使用する触媒の具体例としては、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、及びペンタフルオロベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。なかでも、トリフルオロ酢酸が、より高収率で目的とするアレーン系化合物を得ることができるために好ましい。
【0039】
また、脱水縮合反応に際して使用する反応溶媒の好適例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等を挙げることができる。
【0040】
縮合反応させる、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物の割合は特に制限はないが、収率を向上させる観点から、前記一般式(2)で表される化合物1molに対して、前記一般式(1)で表される化合物が1〜8molであることが好ましく、2〜6molであることが更に好ましく、3〜5molであることが特に好ましい。上記割合の範囲外であると、目的とするアレーン系化合物の収率が低下する場合がある。
【0041】
縮合反応の工程(縮合反応工程)における、反応溶液中の基質濃度(前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との合計の濃度)は、特に限定されないが、収率向上の観点からは、2mol/L以上であることが好ましく、4mol/L以上であることが更に好ましく、4〜10mol/Lであることが特に好ましい。基質濃度が2mol/L未満であると、目的とするアレーン系化合物の収率が低下する場合がある。
【0042】
縮合反応が終了すると、アレーン系化合物を縮合物(沈殿物)として得ることができる。得られた縮合物(沈殿物)を、(1)水、(2)有機溶媒、又は(3)水と有機溶媒との混合溶媒、で洗浄して精製することが好ましい。有機溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。なかでも、メチルアルコール、エチルアルコール、ジエチルエーテルが好ましい。また、水及びエーテル系溶媒を含有する有機溶媒の少なくともいずれかで洗浄して精製することが好ましい。なお、これらの有機溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、得られた縮合物(沈殿物)を有機溶媒に溶解させ、溶解させた有機溶媒を水で洗浄することにより、残存する原料や副生成物を除去することも好ましい。
【0043】
本発明のフェノール性化合物は、その構造が、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)、又は下記一般式(6)で表されるものであることが好ましい。
【0044】
【化8】

【0045】
前記一般式(3)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Xは、相互に独立に、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である。なお、前記一般式(3)で表されるアレーン系化合物は、下記一般式(3A)で表すこともできる。なお、下記一般式(3A)におけるR及びXは、前記一般式(3)におけるR及びXと同義である。
【0046】
【化9】

【0047】
前記一般式(3)及び(3A)中、Xはプロピレン基であることが好ましい。前記一般式(3)及び(3A)中のXがプロピレン基であるアレーン系化合物は、高収率で安価に製造することができる。このアレーン系化合物は、前記式(1)で表される化合物と、前記式(2−1)で表される化合物(グルタルアルデヒド)とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下、60〜90℃で6〜72時間脱水縮合させることにより製造することができる。
【0048】
【化10】

【0049】
前記一般式(4)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Xは、相互に独立に、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。なお、前記一般式(4)で表されるアレーン系化合物は、下記一般式(4A)で表すこともできる。なお、下記一般式(4A)におけるR及びXは、前記一般式(4)におけるR及びXと同義である。
【0050】
【化11】

【0051】
前記一般式(4)及び(4A)中、Xはプロピレン基であることが好ましい。前記一般式(4)及び(4A)中のXがプロピレン基であるアレーン系化合物は、高収率で安価に製造することができる。このアレーン系化合物は、前記式(1)で表される化合物と、前記式(2−1)で表される化合物(グルタルアルデヒド)とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下、60〜90℃で6〜72時間脱水縮合させることにより製造することができる。
【0052】
【化12】

【0053】
前記一般式(5)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Xは、相互に独立に、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。なお、前記一般式(5)で表されるアレーン系化合物は、下記一般式(5A)で表すこともできる。なお、下記一般式(5A)におけるR及びXは、前記一般式(5)におけるXと同義である。
【0054】
【化13】

【0055】
前記一般式(5)及び(5A)で表される化合物のなかでも、Xがブチレン基であるアレーン系化合物が好ましい。前記一般式(5)及び(5A)中のXがブチレン基で表されるアレーン系化合物は、高収率で安価に製造することができる。このアレーン系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物と、下記式(2−2)で表される化合物とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下、60〜90℃で12〜48時間脱水縮合させることにより製造することができる。
【0056】
【化14】

【0057】
【化15】

【0058】
前記一般式(6)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、nは、0以上の整数を示す。下記一般式(6)で表されるアレーン系化合物は、高収率で安価に製造することができる。また、前記一般式(6)中のnが1以上の整数であるアレーン系化合物は、このアレーン系化合物を原料として用いて得られる基材成分を含有する感放射線性組成物の塗布性が良好になるために更に好ましい。前記一般式(6)で表されるアレーン系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物と、下記式(2−3)で表される化合物とを、例えば、酸触媒等の触媒の存在下、60〜90℃で6〜72時間脱水縮合させることにより製造することができる。
【0059】
【化16】

【0060】
なお、前記式(2−3)で表される化合物は、例えば、下記式(2−4)で表される化合物を、酸触媒の存在下、水と反応させることにより合成することができる。従って、前記一般式(6)で表されるアレーン系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物と、下記式(2−4)で表される化合物とを、例えば、水及び酸触媒の存在下、60〜90℃で12〜48時間脱水縮合させることによっても製造することができる。
【0061】
【化17】

【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0063】
[IR]:Thermo ELECTRON(株)社製の型番「NICOLET 380 FT−IR」を使用して測定した。
【0064】
H−NMR]:日本電子社製の型番「JMN−ECA−600」(600MHz)を使用して測定した。
【0065】
[質量分析]:MALDI−TOF−MS(マトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置、商品名「AXIMA−CFRplus(shimazu/Kratos)」、島津製作所社製)を使用し、Laser:N(337nm)、Accel voltage:20kVの条件下、Reflection−positive−modeにて測定した。なお、サンプル溶液の濃度は1mg/mL、及びMatrix溶液の濃度は10mg/mLとし、これらの溶液の比(体積比)は1:1とした。
【0066】
[熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)]:Seiko社製の商品名「EXSTAR6000 TG/DTA 6200」を使用し、窒素気流下で昇温速度:10℃/min、温度:80〜600℃の条件下で測定した。
【0067】
[ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)]:以下に示す条件で分析を行った。
システム:東ソー社製、型番「HLC−8220」
検出器:型番「HLC−8200」、内蔵RI・UV−8200(280nm)
カラムオーブン温度:40℃
サンプルポンプ:流速;0.600ml/min、ポンプ圧;14.5mPa
リファレンスポンプ:流速;0.600ml/min、ポンプ圧;2.5mPa
カラム:昭和電工社製、商品名「Shodex Asahipak GF−510 HQ」+商品名「GF−310 HQ」×2
ガードカラム:昭和電工社製、商品名「Shodex Asahipak GF−1G 7B」
【0068】
[溶解度の測定]:2mgの生成物を2mLの溶媒中に入れて撹拌した後、以下に示す基準に従って溶解度を評価した。
「++(可溶)」:溶液の着色が観察され、室温で生成物が溶解して残存しない状態
「+(可溶)」:溶液の着色が観察され、加熱状況下で生成物が溶解して残存しない状態
「+−(一部可溶)」:溶液の着色が観察されるとともに、生成物が溶解せずに一部残存した状態
「−(不溶)」:溶液の着色が観察されず、生成物が残存した状態
【0069】
(実施例1)
50mLのナスフラスコ内で、3−メトキシフェノール4.4mL(40mmol)をクロロホルム10mLに溶解させた後、トリフルオロ酢酸5mLを添加して撹拌した。氷浴で十分に冷却した後、1,5−ペンタンジアールの50%水溶液2g(10mmol)をゆっくりと滴下した。なお、滴下途中で反応溶液の色が赤色に変化した。滴下終了後、十分に撹拌し、次いで、油浴で48時間還流した。20倍量のメタノール中に反応溶液を投入して撹拌し、薄黄色の析出物を析出させた後、しばらく静置した。上澄みを除去するとともに新たなメタノールを添加して再度撹拌した。上澄みの除去、メタノールの添加、及び撹拌のサイクルを3回繰り返した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで析出物をろ過し、デシケーター内で乾燥することにより3.1gの生成物(1)を得た(収率:99%)。なお、反応式を以下に示す。また、予想される生成物(1)の構造を下記式(A)に示す。
【0070】
【化18】

【0071】
【化19】

【0072】
得られた生成物(1)のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)による分析結果を図1に示す。図1に示すように、メインシグナルの溶出時間は33分であり、ポリスチレンを基準物質として見積もった分子量は1708、及び分子量分布は1.019であった。
【0073】
得られた生成物(1)40mgをDMSO−d0.5mLに溶解させ、フィルターでろ過した後、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)を測定した。測定結果を図2に示す。図2に示すように、芳香族環のプロトン数を24と仮定したところ、それぞれのプロトンの積分値は予想される構造(式(A))に近似した値となった。なお、「H」に関しては、そのシグナルの出現位置が、DMSO−dに含まれる水分のシグナルの出現位置と重複することから、予想される積分値との間に差異が認められる。
【0074】
得られた生成物(1)の赤外吸収スペクトル(IR、KBr法)の測定結果を図3に示す。なお、図3中、「A」はνOH(3411.77cm−1)、「B」はνC−H(aliphatic)(2933.46cm−1)、「C」はνC−H(methoxy)(2858.50cm−1)、「D」はνC=C(aromatic)(1616.76cm−1、1589.08cm−1)、及び「E」はν−O−(ester)(1063.34cm−1、1231.71cm−1)にそれぞれ帰属され得る吸収(シグナル)である。図3に示すように、3−メトキシフェノールのメトキシ基のC−H伸縮振動及びC−O−C伸縮振動のシグナルが確認されるとともに、1,5−ペンタンジアールのアルキル鎖のC−H伸縮振動のシグナルも確認された。一方、1,5−ペンタンジアールのホルミル基の伸縮振動のシグナルが確認できないことから、ホルミル基が反応していることが推測される。
【0075】
得られた生成物(1)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を図4に示す。その構造が下記式(7)で表される化合物(Noria;但し、下記式(7)中、X=プロピレン基)の[M+Na]の値は1728.0であるのに対し、生成物(1)の[M+Na]の値は1897.3であった。即ち、測定された生成物(1)の[M+Na]の値は、Noriaの24個の水酸基のうちの12個がメトキシ基に置換された場合の計算値と一致する。なお、生成物(1)の[M+Na]の計算値は1896.81であるのに対して、測定値は1897.30であり、その差は0.49であった。
【0076】
【化20】

【0077】
得られた生成物(1)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を図5に示す。図5に示す結果から、T5%)=381℃、T10%)=390.5℃であると判明した。
【0078】
(実施例2)
3−メトキシフェノール11g(80mmol)をクロロホルム10mLに溶解させた後、トリフルオロ酢酸15.35g(10mL、134mol)を添加して撹拌した。氷浴で十分に冷却した後、1,5−ペンタンジアールの50%水溶液4g(20mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、48時間還流した。反応終了後、20倍量のメタノールに反応簿液を注いで撹拌し、次いで、しばらく静置した。上澄みを除去するとともに新たなメタノールを添加して再度撹拌した。上澄みの除去、メタノールの添加、及び撹拌のサイクルを3回繰り返した後、メンブランフィルターで析出物をろ過し、デシケーター内で減圧乾燥した。次いで、60℃で24時間乾燥することにより、5.2gの生成物(2)を得た(収率:74%)。なお、反応式を以下に示す。また、予想される生成物(2)の構造を下記式(B)に示す。
【0079】
【化21】

【0080】
【化22】

【0081】
得られた生成物(2)のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)による分析結果を図6に示す。図6に示すように、メインシグナルの溶出時間は約33分であり、ポリスチレンを基準物質として見積もった分子量は2046、及び分子量分布は1.01であった。
【0082】
得られた生成物(2)40mgをDMSO−d0.5mLに溶解させ、フィルターでろ過した後、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)を測定した。測定結果を図7に示す。図7に示すように、芳香族環のプロトン数を24と仮定したところ、それぞれのプロトンの積分値は予想される構造(式(B))に近似した値となった。なお、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の帰属結果を以下に示す。
【0083】
H−NMR]δ(ppm):
0.48−2.37(m,72H,Ha,Hb,Hh,Hi,Hj)、3.45−4.09(m,24H,Hg)、4.09−4.65(m,12H,Hc)、5.87−7.48(m,24H,He,Hd)、7.75−9.64(m,12H,Hf)
【0084】
得られた生成物(2)の赤外吸収スペクトル(IR、KBr法)の測定結果を図8に示す。なお、図8中、νOH(3405.9cm−1)、νC−H(aliphatic)(2930.8cm−1)、νC−H(ethoxy)(2861.1cm−1)、νC=C(aromatic)(1619.1cm−1、1587.8cm−1)、及びν−O−(ester)(1233.0cm−1、1101.2cm−1)にそれぞれ帰属され得る吸収(シグナル)を観察することができる。
【0085】
得られた生成物(2)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を図9に示す。図9に示す結果から、T5%)=362.9℃、T10%)=372.9℃であると判明した。
【0086】
また、得られた生成物(1)、生成物(2)、及びNoriaの各種溶媒に対する溶解度の測定結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
(参考例1(生成物(1)誘導体の合成))
生成物(1)1.0g(0.267mmol、水酸基(OH基):3.2mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.198g(0.3mmol)、及びCsCO5.8g(9mmol)を50mLのナスフラスコ内で、それぞれ粉末のまま混合し、N−メチル−2−ピロリドン3mLを加えて60℃で3時間撹拌した。tert−ブチルブロモ酢酸エステル2.24mL(15.2mmol)を添加し、80℃で48時間反応させた。反応終了後、反応液をクロロホルムで希釈して塩をろ過別し、エバポレーターを使用して濃縮した。濃縮した反応液をカラムクロマトグラフィー溶離液(酢酸エチル:n−ヘキサン=6:4(体積比))で希釈し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。再度濃縮した後、良溶媒として酢酸エチル、及び貧溶媒としてヘキサンをそれぞれ使用して再沈殿した。メンブランフィルターでろ過後、デシケーターで減圧乾燥することにより0.76gの誘導体(1)を得た(収率:76.8%)。
【0089】
得られた誘導体(1)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、DMSO−d)の測定結果を図6に示す。また、得られた誘導体(1)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、CDCl)の測定結果を図7に示す。図6及び図7に示す結果から明らかなように、生成物(1)の場合に確認されていた水酸基のシグナル(図2参照)が消失している。このことから、生成物(1)のすべての水酸基にtert−ブチルエステル基を導入できたと考えられる。
【0090】
(実施例3)
50mLのナスフラスコ内で、1,3−ジメトキシベンゼン5.5mL(40mmol)をクロロホルム10mLに溶解させた後、トリフルオロ酢酸5mLを添加して撹拌した。氷浴で十分に冷却した後、1,5−ペンタンジアールの50%水溶液2g(10mmol)をゆっくりと滴下した。なお、滴下途中で反応溶液の色が赤色に変化した。滴下終了後、十分に撹拌し、次いで、油浴で48時間還流した。20倍量のメタノール中に反応溶液を投入して撹拌し、薄黄色の析出物を析出させた後、しばらく静置した。上澄みを除去するとともに新たなメタノールを添加して再度撹拌した。上澄みの除去、メタノールの添加、及び撹拌のサイクルを3回繰り返した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで析出物をろ過し、デシケーター内で乾燥することにより2.3gの生成物(3)を得た(収率:67%)。なお、反応式を以下に示す。また、予想される生成物(3)の構造を下記式(C)に示す。
【0091】
【化23】

【0092】
【化24】

【0093】
得られた生成物(3)の赤外吸収スペクトル(IR、KBr法)の測定結果を図8に示す。なお、図12中、「a」はνC−H(aliphatic)(2940.01cm−1)、「b」はνC−H(methoxy)(2828.61cm−1)、「c」はνC=C(aromatic)(1609.49cm−1、1584.75cm−1)、及び「d」はν−O−(ester)(1040.79cm−1、1201.32cm−1)にそれぞれ帰属され得る吸収(シグナル)である。図12に示すように、原料である1,3−ジメトキシベンゼンと1,5−ペンタンジアールに由来するシグナルが確認される一方で、1,5−ペンタンジアールのホルミル基の伸縮振動のシグナルを確認することができない。このことから、得られた生成物(3)は、1,3−ジメトキシベンゼンと1,5−ペンタンジアールの反応物であると推測される。
【0094】
得られた生成物(3)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を図13に示す。図13に示すように、[M+Na]のシグナルを2065.3に確認することができる。一方、Noriaの24個の水酸基のすべてがメトキシ基に置換された化合物の[M+Na]の計算値は2065である。その差が0.3であることから、生成物(3)はNoriaに類似する構造を有する化合物であると推測される。
【0095】
また、得られた生成物(3)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を図14に示す。図14に示す結果から、T5%)=401.3℃、T10%)=418.8℃であると判明した。
【0096】
(実施例4)
50mLのナスフラスコ内で、3−メトキシフェノール2mL(20mmol)、及び1,3−ジメトキシベンゼン2.75mL(20mmol)をクロロホルム10mLに溶解させた後、トリフルオロ酢酸5mLを添加して撹拌した。氷浴で十分に冷却した後、1,5−ペンタンジアールの50%水溶液2g(10mmol)をゆっくりと滴下した。なお、滴下途中で反応溶液の色が赤色に変化した。滴下終了後、十分に撹拌し、次いで、油浴で48時間還流した。20倍量のメタノール中に反応溶液を投入して撹拌し、薄黄色の析出物を析出させた後、しばらく静置した。上澄みを除去するとともに新たなメタノールを添加して再度撹拌した。上澄みの除去、メタノールの添加、及び撹拌のサイクルを3回繰り返した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで析出物をろ過し、デシケーター内で乾燥することにより2.4gの生成物(4)を得た。なお、反応式を以下に示す。また、生成物(4)に含まれることが予想される一部の成分の構造を下記式(D−1)及び下記式(D−2)に示す。
【0097】
【化25】

【0098】
【化26】

【0099】
【化27】

【0100】
得られた生成物(4)の質量分析(MALDI−TOF−MS)の測定結果を図15に示す。図15に示すように、また、[M+Na]の実測値、及び24個の水酸基を有するNoriaを基準とし、これら24個の水酸基のうちの13〜19個がメトキシ基に置換された化合物の[M+Na]の計算値を表2に示す。
【0101】
【表2】

【0102】
表2に示すように、図15で確認することができる複数の[M+Na]シグナルの差は、メチル基1個に相当することが明らかである。このことから、生成物(4)には、メチル基1個分に相当する分子量差を有する複数の成分(化合物)が含まれていることが明らかである。
【0103】
また、得られた生成物(4)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を図16に示す。図16に示す結果から、T5%)=354.0℃、T10%)=372.3℃であると判明した。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のアレーン系化合物は、化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含まれる基材成分の原料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させる縮合反応工程を有するアレーン系化合物の製造方法。
【化1】

(前記一般式(1)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基である)
【化2】

(前記一般式(2)中、Xは、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す)
【請求項2】
トリフルオロ酢酸を触媒として用いて縮合反応させる請求項1に記載のアレーン系化合物の製造方法。
【請求項3】
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、を縮合反応させて得られるアレーン系化合物。
【化3】

(前記一般式(1)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である)
【化4】

(前記一般式(2)中、Xは、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す)
【請求項4】
下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される請求項3に記載のアレーン系化合物。
【化5】

【化6】

(前記一般式(3)及び(4)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Xは、相互に独立に、置換若しくは非置換のメチレン基、又は炭素数2〜8の置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。但し、少なくともいずれかのRは、炭素数1〜3の置換若しくは非置換のアルキル基、又は炭素数4〜8の置換若しくは非置換の直鎖アルキル基である)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−159244(P2010−159244A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200930(P2009−200930)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【出願人】(592218300)学校法人神奈川大学 (243)
【Fターム(参考)】