アンテナ付き竪樋
【課題】給電用のケーブルの屋外に露出する部分を短くでき、外観を良くすることができる。
【解決手段】アンテナ部2を有し且つ雨水を流すための排水筒部10と、この排水筒部10の外面を覆う外側被覆体54と、前記アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3とを備え、この給電用のケーブル3を、前記排水筒部10と前記外側被覆体との間を前記排水筒部10の長手方向に沿って前記外側被覆体54に設けた外部への引出部67に至らせる。
【解決手段】アンテナ部2を有し且つ雨水を流すための排水筒部10と、この排水筒部10の外面を覆う外側被覆体54と、前記アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3とを備え、この給電用のケーブル3を、前記排水筒部10と前記外側被覆体との間を前記排水筒部10の長手方向に沿って前記外側被覆体54に設けた外部への引出部67に至らせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ付き竪樋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施工後の竪樋にアンテナ部を取付ける技術が開示されている。このアンテナ部は竪樋の長手方向における中間部に取付けられるものであって、アンテナ部には上下方向における中程に給電部となる給電端子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−168101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記給電端子にはアンテナ部に給電するためにケーブルが接続され、ケーブルは、一般的に、軒天井あるいは外壁に設けた導入用孔から屋内に導入される。
【0005】
しかし、特許文献1の給電端子は外部に露出しており、ケーブルは給電端子から軒天井あるいは外壁に設けた導入用孔に至るまでの全長が屋外に露出した状態となる。
【0006】
このため、ケーブルの屋外に露出する部分が長くなり、外観が悪くなる。また、アンテナ部、給電端子が外部に露出するため、この点でも外観が悪く、更に、アンテナ部、給電端子が雨水、太陽光、外気に晒され、劣化しやすい等の不都合が生じる。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、給電用のケーブルの屋外に露出する部分を短くでき、外観を良くすることができるアンテナ付き樋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアンテナ付き樋は、アンテナ部を有し且つ雨水を流すための排水筒部と、この排水筒部の外面を覆う外側被覆体と、前記アンテナ部の給電部に接続された給電用のケーブルとを備え、この給電用のケーブルを、前記排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることを特徴とする。
【0009】
また、前記外側被覆体が、前記排水筒部の長手方向の一部又は全部を覆う外筒部であって、この外筒部と前記排水筒部との間の隙間を形成し、この隙間の上端部に上閉塞部を設けることが好ましい。
【0010】
また、前記上閉塞部に前記引出部を設けることが好ましい。
【0011】
また、前記アンテナ部を前記排水筒部の外面に設けることが好ましい。
【0012】
また、前記排水筒部の外面側に、別部材のアンテナ部を被せることが好ましい。
【0013】
また、前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の全長又はほぼ全長を覆うものであることが好ましい。
【0014】
また、前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の一部を覆うものであることが好ましい。
【0015】
また、前記アンテナ部が前記排水筒部の軸方向に沿ったスロットを有するスロットアンテナであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることで、給電用のケーブルの屋外に露出する部分を短くでき、外観が優れたものとなる。また、外側被覆体でカバーするので、この点でも外観がよくなり、且つ、雨水、太陽光、外気からアンテナ部、給電部を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のアンテナ付き竪樋の一部破断した正面図である。
【図2】同上の一部破断した斜視図である。
【図3】同上のアンテナ付き竪樋の斜視図である。
【図4】同上のアンテナ付き竪樋の断面斜視図である。
【図5】同上のアンテナ部の前側から見た斜視図である。
【図6】同上のアンテナ部の後側から見た斜視図である。
【図7】同上の取付部材の斜視図である。
【図8】同上の外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部分における断面斜視図である。
【図9】同上の接続部の斜視図である。
【図10】同上の回動部本体の斜視図である。
【図11】同上のカバー体及び外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部分の斜視図である。
【図12】同上の下接続体の上側から見た斜視図である。
【図13】同上の下接続体の下側から見た斜視図である。
【図14】同上のアンテナ付き竪樋の設置例を示す説明図である。
【図15】他例のアンテナ付き竪樋を示し、外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部を示す断面斜視図である。
【図16】更に他例のアンテナ付き竪樋を示す一部破断した正面図である。
【図17】同上のアンテナ付き竪樋の設置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
アンテナ付き樋は、アンテナ部2を有し且つ雨水を流すための排水筒部10と、排水筒部10の外面を覆う外側被覆体54と、アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3とを備えている。
【0019】
添付図面にはアンテナ付き樋としてアンテナ付き竪樋50の例を示している。したがって、以下の説明ではアンテナ付き樋をアンテナ付き竪樋50と称して説明する。
【0020】
添付図面では、外側被覆体54は、筒体よりなる外筒部12で主体を構成し、更に、外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を備えている。
【0021】
アンテナ部2を有する排水筒部10の外面を外筒部12で覆う形態としては、排水筒部10の長手方向の全長又はほぼ全長を外筒部12で覆う場合と、排水筒部10の長手方向の一部を外筒部12で覆う場合とがある。
【0022】
まず、排水筒部10の長手方向の全長又はほぼ全長を外筒部12で覆う実施形態を図1乃至図13に基づいて説明する。
【0023】
図1乃至図13に示す実施形態のアンテナ付き竪樋50は、例えば図14に示されるように通常の竪樋59の途中に設けられ、テレビ用のアンテナとして用いられるものである。
【0024】
図14において、符号35は建物の外壁、36は軒天井を示し、また、55は軒樋、56は集水器、57は呼び樋、58はエルボを示している。なお、呼び樋57、エルボ58、通常の竪樋59等を筒状樋111(115)と称する。
【0025】
図1に示されるように、アンテナ付き竪樋50は、アンテナ部2を有する排水筒部10と、排水筒部10の全長又はほぼ全長を覆う外筒部12とで二重筒体1を構成し、この二重筒体1の上下両端部に設けられた接続体13を備えている。
【0026】
接続体13は、排水筒部10と軒先の通常の竪樋59やエルボ58等の接続継手等からなる他の筒状樋111(115)を接続するものである。以下、特に区別する場合には、二重筒体1の上端部に設けられた接続体13を上接続体5と記載し、二重筒体1の下端部に設けられた接続体13を下接続体9と記載する。
【0027】
そして、本実施形態では、上接続体5、下接続体9が、隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を兼用している。
【0028】
排水筒部10は、上下方向に軸方向を有する円筒形状となっており、非導電性の合成樹脂材料(例えば塩化ビニル)により構成されている。
【0029】
図5に示されるように、アンテナ部2は、排水筒部10の軸方向に沿って長く形成されたスロット21を有するスロットアンテナにより構成されている。アンテナ部2は導電性部材20により構成されており、スロット21を形成した縦長矩形状の鋼板を水平断面C字状となるよう上下方向に一様に湾曲させることで形成される。なお、排水筒部10が角筒状の場合は、アンテナ部2は角筒状の排水筒部10の外周に沿うように略コ字状又は略リップ付きコ字状に屈曲される。
【0030】
アンテナ部2にはスロット21が上下方向に複数並べて設けられており、隣接するスロット21同士は細溝28で接続されている。各スロット21は三角形の頂点を互いに突き合わせたようなボウタイ形状に形成されている。
【0031】
アンテナ部2は、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部22と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部23を有している。
【0032】
第一の受信部22は、スロット21及び当該スロット21の周縁部により構成される。第二の受信部23は、このスロット21に対し上下方向に隣接する鋼板部分により構成される。
【0033】
第一の受信部22を構成するスロット21の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さと同じである。また、第二の受信部23の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さと同じである。
【0034】
すなわち、第一の周波数帯内の中心周波数が536.5MHzであり、第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長λ/2は約28cmであることから、各スロット21の上下方向の長さは約28cmとなっている。また、第二の周波数帯の中心周波数が660MHzであり、第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長λ/2は約23cmであることから、第二の受信部23の周方向の長さは約23cmとなっている。
【0035】
図6に示されるように、アンテナ部2の周方向の両端間に上下に亘って形成された隙間26は、アンテナ部2の円弧中心を挟んでスロット21と対向する位置に配置され、スロット21に対向している。
【0036】
隙間26において各スロット21の後方に位置する部分は、導電性部材20が存在しない抜き部27を構成する。各抜き部27は正面から見てスロット21と重なる位置に設けられており、上下長さがスロット21の上下長さよりも長く、周方向長さがスロット21の周方向長さよりも長く形成されている。
【0037】
アンテナ部2において上側の第一の受信部22を構成するスロット21の両側は三角形状に形成され、これら対向する三角形状部分の夫々の頂点部25は、アンテナ部2の給電部24を構成している。この給電部24は最上の第一の受信部22の上下方向の略中央部分に位置している。
【0038】
図1、図2のように、給電部24には、給電用のケーブル3の一端部が接続されている。
【0039】
給電用のケーブル3は、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33とを接続し、給電部24にはアンテナ部側ケーブル31の一端部が接続されている。
【0040】
アンテナ部側ケーブル31は同軸ケーブルからなり、内側の導線が一方の給電部24である一方の頂点部25に接続され、外側の網線が他方の給電部24である他方の頂点部25に接続されている。
【0041】
アンテナ部側ケーブル31は、排水筒部10と外筒部12との間の隙間51を利用して排水筒部10の長手方向に沿って、上閉塞部52を兼用する上接続体5に設けた引出部67に至るように配線される。
【0042】
アンテナ部側ケーブル31はアンテナ部2の外面に沿って配置されるものであり、前記一端部が接続された給電部24からスロット21と重複しないようにスロット21を避けた位置を通過して上接続体5に至っている。
【0043】
アンテナ部2は、図2に示されるように、湾曲した内面が排水筒部10の外周面に沿わせられ、この状態で取付部材4により排水筒部10に取付けられる。
【0044】
図7に示されるように、取付部材4は円環状をなし、非導電性の合成樹脂材料により形成されている。取付部材4は、一端に軸方向を上下方向とする軸部42を有すると共に他端に係止部43を有する平面視略C字状の第一の半体41と、一端に軸受部45を有すると共に他端に被係止部46を有する平面視略C字状の第二の半体44とから構成されている。第一の半体41の軸部42は第二の半体44の軸受部45に対して回動自在に連結されており、また、被係止部46は係止部43に対して着脱自在に係止できるようになっている。
【0045】
なお、添付図面では排水筒部10が円筒状をしているので、この取付部材4も円環状をしているが、排水筒部10が角筒状の場合、角筒の断面形状に対応する角型環状に形成する。これに対応して第一の半体41、第二の半体44も例えば平面視略コ字状に形成する。
【0046】
図1、図2に示されるように、アンテナ部2は複数の取付部材4により上下方向の複数箇所が排水筒部10に対して固定されるものであり、以下のようにして排水筒部10及びアンテナ部2に取付けられる。まず、排水筒部10の外面に沿って配置したアンテナ部2の片側外面に、被係止部46を係止部43から外して開いた両半体41,44のうち、一方の半体41(44)を被せる。次に、他方の半体44(41)をアンテナ部2の他側外面に被せ、当該一方の半体41(44)に対して他方の半体44(41)を軸部42を中心に回動して被係止部46を係止部43に係止する。これにより、アンテナ部2は取付部材4により排水筒部10側となる内方に締め付けられて排水筒部10に対して固定される。
【0047】
図7のように、各取付部材4は、アンテナ部側ケーブル31のアンテナ部2に対する位置を保持するケーブル保持部48を備えている。ケーブル保持部48は、第一の半体41の内周面の一部及び第二の半体44の内周面の一部に夫々設けられた溝480により構成されている。各溝480は各半体41,44の周方向の一部を径外方向に突出することで形成され、上下に開口している。溝480には給電部24に接続されたアンテナ部側ケーブル31を通すことができる。これにより排水筒部10及びアンテナ部2に取付けられた取付部材4とアンテナ部2の間にアンテナ部側ケーブル31を挟み、取付部材4によりアンテナ部側ケーブル31の長さ方向の一部を保持できる。
【0048】
また、各取付部材4は、径外方向に突出する複数の突出部49を有している。本実施形態の取付部材4は、軸受部45と、係止部43及び被係止部46と、溝480の背面側の突出部分との計4箇所の突出部49を有している。突出部49は周方向に等間隔で配置されており、すなわち90°ごとに径外方向に突出している。この突出部49は、取付部材4がアンテナ部2の外周に装着された上で外筒部12が取り付けられると、当該外筒部12の略中心に排水筒部10と排水筒部10に設けられたアンテナ部2とが配置されると共に、外筒部12の内周面に当接又は近接対向するようになる。
【0049】
外筒部12は非導電性の合成樹脂材料により形成され、図4のように排水筒部10と同心円状の円筒形状に形成されている。この外筒部12は上下の接続体13に接続され、これにより外筒部12は排水筒部10と径方向に所定の間隔を介して配置されている。
【0050】
上接続体5は上方に開口した上接続口86を有しており、下接続体9は下方に開口した下接続口91を有している。上接続口86及び下接続口91は、いずれも、排水筒部10の排水流路11に通じている。
【0051】
図8に示されるように、上接続体5は、排水筒部10の上端部に接着固定される接続部6と、接続部6に対し周方向に回動可能となった回動部7を有している。
【0052】
図9に示されるように、接続部6は上下方向に軸方向を有する円筒状に形成されており、その下端部には、排水筒部10の上端部が接続される排水筒部接続部60が形成されている。
【0053】
排水筒部接続部60には、筒状部分から外方に突出する位置決め当接部61が全周に亘って形成されており、位置決め当接部61の外周縁には、下方に向けて突出する水平断面略C字状の覆い片62が形成されている。また、覆い片62の周方向の両端には周方向位置決め突起63が形成されている。
【0054】
排水筒部接続部60に排水筒部10の上端部を接続するには、排水筒部接続部60の筒状部分の外側に排水筒部10の上端部を嵌め込んで位置決め当接部61の下面に排水筒部10の上端面を当接し、この状態で排水筒部接続部60を排水筒部10に接着する。この接続状態では、覆い片62により、アンテナ部2を含めた排水筒部10の上端部外周面が覆われる。また、周方向位置決め突起63が、アンテナ部2の周方向の両端面に当接する、又はアンテナ部2の周方向の両端面の近傍に位置して対向する。これによりアンテナ部2が排水筒部10に対して周方向に回動することが防止される。
【0055】
接続部6の上部には、回動部7が回動可能に取付けられる内側支持部64が形成されている。内側支持部64は排水筒部接続部60の筒状部分を上方に延ばし出して円筒状に形成されている。
【0056】
回動部7は、図8に示されるように、内側支持部64の外周面に沿って回動可能な回動部本体70と、回動部本体70に取付けられて回動部本体70と回動部本体70から上方に突出した接続部6の内側支持部64を覆うカバー体85を有している。
【0057】
図10に示されるように、回動部本体70は、内側支持部64の外側に回動可能に嵌め込まれる外側環状部71と、外側環状部71から側方に突出した側方突出部73と、外筒部12の上端部に接続される外筒部接続部78を有している。
【0058】
図8に示されるように、外筒部接続部78は、外側環状部71の下端から径外方向に突出した外筒端面当接部79と、外筒端面当接部79の外縁から下方に向けて突設された外嵌部80を有している。
【0059】
外嵌部80は外側環状部71と同心の円筒状に形成されており、下方に開口している。外筒部接続部78に外筒部12の上端部を接続するには、外筒部12の上端部を外嵌部80の内側に嵌め込んで、外筒部12の上端面を外筒端面当接部79の下面に当接させる。なお、外筒部接続部78は外筒部12に接着固定されず、外筒部12に対して回動可能となっている。
【0060】
また回動部本体70は、排水筒部10と外筒部12と回動部本体70とに囲まれたアンテナ部側ケーブル31を当該回動部本体70よりも上方に引き出すためのケーブル挿通孔81を有している。
【0061】
ケーブル挿通孔81は、外側環状部71と外嵌部80の間に位置する外筒端面当接部79に形成されており、図10に示されるように、回動部本体70の回動方向に長い弧状の長孔により構成されている。
【0062】
外側環状部71には、ケーブル挿通孔81の長さ方向の中間部分の上方に位置する保持部83が形成されている。保持部83は、外側環状部71の外周面から突出した一対の保持片84により構成されており、一対の保持片84の間に前記ケーブル挿通孔81から上方に引き出されたアンテナ部側ケーブル31を通すことでアンテナ部側ケーブル31の長さ方向の一部が保持される。
【0063】
回動部本体70の側方突出部73には給電用のケーブル3を外部に引出すための引出部67を構成する引出孔74を設けている。
【0064】
引出孔74には、図11のように、前記ケーブル挿通孔81及び保持部83を通したアンテナ部側ケーブル31の端部に設けられた接続具32が取付けられており、接続具32は保持部83よりも下方に位置している。すなわち、ケーブル挿通孔81から上方に引き出されたアンテナ部側ケーブル31は、保持部83で保持された後、保持部83よりも上方位置で下方に折り返される。
【0065】
接続具32は、アンテナ部側ケーブル31をテレビ側ケーブル33(図14参照)に電気的に接続するために用いられるものであって、回動部本体70の下面から下方に向かって突出している。
【0066】
引出部67に取付けたアンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32に、テレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続することで、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33よりなる給電用のケーブル3が引出部67から外部に引出されることになる。
【0067】
前記ケーブル挿通孔81は回動部本体70の回動方向に沿って長い弧状の長孔となっている。このため、回動部本体70がアンテナ部2を設けた排水筒部10に対して回動した際に、これに追従してアンテナ部側ケーブル31が移動したとしても、ケーブル挿通孔81はその移動を許容するようになっている。これにより、回動部本体70が回動しても、アンテナ部側ケーブル31に力が加わり難い。
【0068】
また、上接続体5は、回動部7を回動方向の複数の停止位置で停止させる停止手段を備えている。停止手段は、接続部6に設けられた引掛け部65及び下方付勢部66(図9参照)と、回動部本体70に設けられた被引掛け部72(図10参照)により構成されている。
【0069】
図9に示されるように、引掛け部65は接続部6の内側支持部64の外周面から突出しており、上方ほど先細り形状となった一対の三角状部650を有している。引掛け部65は、等間隔で内側支持部64の周方向の三箇所に形成され、すなわち約120°毎に設けられている。
【0070】
下方付勢部66は接続部6と同じ合成樹脂により形成されたものであり、各引掛け部65の上方に設けられている。各下方付勢部66は一端部側に行く程下方に位置するように内側支持部64の外周面に沿って配置された細長片660により構成されている。細長片660は前記一端部側と反対側の他端部のみが内側支持部64に接続されており、前記一端部側が押し上げられると弾性変形し、その復元力が下方に作用するようになっている。
【0071】
一方、回動部本体70の接続部6が回動可能に挿入される外側環状部71には、図10に示すように、外側環状部71の内周面から突出し、前記内側支持部64の引掛け部65に係止される被引掛け部72が形成されている。
【0072】
被引掛け部72は、下方ほど先細り形状となった逆三角形状の突起を外側環状部71の周方向に一定の間隔を介して複数有すると共に、外側環状部71の周方向に一直線状に形成されて各突起の上端を接続する直線状部721を有している。直線状部721は前記内側支持部64に形成された複数の下方付勢部66に、当接する又は対向位置に配置される。また、被引掛け部72には、外側環状部71を周方向に三等分する位置に、対応する下方付勢部66及び引掛け部65を上下方向に挿通させるための挿通路722が形成されている。
【0073】
回動部本体70を接続部6に装着するには、まず、回動部本体70の外側環状部71を、接続部6の内側支持部64に嵌め込む。このとき、外側環状部71の挿通路722に、内側支持部64の下方付勢部66及び引掛け部65を挿通させる。そして、この後、回動部本体70を接続部6の内側支持部64に対して回動して、被引掛け部72の突起を接続部6の対応する引掛け部65の一対の三角状部650に引っ掛ける。これにより、回動部本体70の内側支持部64に対する回動が規制される。
【0074】
また、回動部本体70を接続部6の内側支持部64に対して回動させるには、回動部本体70をやや持ち上げて、引掛け部65と被引掛け部72の係合状態を解除し、この状態で回動させる。
【0075】
回動部本体70を持ち上げると、被引掛け部72の直線状部721により内側支持部64の下方付勢部66が上方に押し上げられる。このため、回動部本体70を持ち上げた状態では、当該回動部本体70は、常に、下方付勢部66から下方に付勢力を受けた状態となる。従って、ユーザーが手を放すと、下方付勢部66により被引掛け部72の直線状部721が押し下げられ、引掛け部65と被引掛け部72が自動的に係合状態となる。また、これにより、前記引掛け部65と被引掛け部72の係合状態の維持がなされる。
【0076】
また、図10に示されるように、回動部本体70にはケーブル挿通孔81の周縁部から上方に突出する水返し片82が形成され、ケーブル挿通孔81から排水筒部10と外筒部12の間に雨水が侵入することが防止されている。また、回動部本体70には、引出孔74の周囲から上方に突出する筒状の立ち上がり片75が形成され、立ち上がり片75により引出孔74内に雨水が浸入することが防止されている。
【0077】
また、側方突出部73には上下に貫通する複数の水抜き穴76が形成され、上接続体5内に入り込んだ側方突出部73上の雨水を水抜き穴76から外部に排出できるようになっている。さらに、側方突出部73の下面には、引出孔74と水抜き穴76の間から下方に突出する垂下片77が形成されている。この垂下片77は、引出孔74を全周に亘って囲むように設けられている。この垂下片77により、水抜き穴76から流下した雨水が側方突出部73の下面を伝ったとしても、この雨水が接続具32に至ることを防止できる。
【0078】
なお、水抜き穴76の排水性を良くするために、側方突出部73の水抜き穴76の外周部の全周にわたって下方向に向けて水切り用のリブを突出させることが好ましい。この場合、側方突出部73の下方からの雨水が当該リブによって水切りされて、雨水が水抜き穴76から側方突出部73の上面側へ流入しにくい構造とすることができる。
【0079】
カバー体85は、回動部本体70の上方及び側方を覆い、接続具32への浸水や、排水筒部10と外筒部12との間への浸水を防ぐ。
【0080】
カバー体85は、図4に示されるように、上面部850と、上面部の外周縁から下方に突出して外周面を構成する側面部851を有している。
【0081】
上面部850には上下に貫通する上接続口86が形成され、上接続口86の周縁部は下方に突出して接続部6の内側支持部64の上端部内側に回動自在に嵌め込まれている。カバー体85の側面部851の内面には、回動部本体70に対して上方に移動不能に係止される係止爪88が形成されている(図2参照)。
【0082】
カバー体85は、回動部本体70に装着されると、図4に示されるように、上面部850の下面が接続部6の上端面に当接し、上接続口86が接続部6内に連通する。
【0083】
上接続口86には竪樋などの上側の他の筒状樋111が挿通されるが、この状態では上接続口86の周縁が筒状樋111の外面に対して隙間を介して離間し、筒状樋が遊びを持って差し込まれる。このため、カバー体85の上面部850上の水を、前記上接続口86と筒状樋との間の隙間を介して、排水筒部10の排水流路11に流せるようになっている。なお、この雨水は下接続体9の下接続口91を介して、下側の他の筒状樋115に排水される。
【0084】
また、カバー体85の上面部850には、外周の全長に亘って上方に向けて突出した水返し用凸条87が形成されており、この水返し用凸条87により、上面部850上の汚れた雨水が側面部851側に流れることが防止されている。
【0085】
下接続体9は、図12に示されるように、平面視円環状に形成されており、中央部分に上下方向に貫通し且つ筒状樋115よりも小径に形成された下接続口91が形成されている。
【0086】
下接続体9は、排水筒部10の下端部が接続される排水筒部接続部92と、外筒部12の下端部が接続される外筒部接続部95を有している。
【0087】
排水筒部接続部92は、排水筒部10の内側に嵌め込まれる円筒状の内側突条部93と、内側突条部93の下端部から径外方向に向けて突出した奥面部94とを備えている。排水筒部接続部92に排水筒部10を接続するには、図4のように内側突条部93に排水筒部10を嵌め込み、排水筒部10の下端面を奥面部94の上面に当接する。この排水筒部接続部92は、排水筒部10の下端部に接着剤により固定される。
【0088】
図12に示すように、外筒部接続部95は、内側突条部93と同心円状に設けられた外側突条部96と、外側突条部96の下端部から径外方向に向けて突出した位置決め段部97を有している。外筒部接続部95に外筒部12を接続するには、図4のように、外側突条部96の外側に外筒部12の下端部を嵌め込み、外筒部12の下端面を位置決め段部97に当接する。
【0089】
図12のように、下接続体9には、外側突条部96から内側突条部93に向けて突出し、アンテナ部2の周方向の両端間に嵌め込まれる一対のリブ部98が形成されている。また、下接続体9の奥面部94には、上下方向に貫通する水抜き用の貫通孔99が複数箇所に形成されている。
【0090】
下接続体9は、筒状樋115として、断面角形状の筒状樋、又は断面円形状の筒状樋のいずれかが選択的に接続可能な下接続部100(図13参照)を有している。
【0091】
図13のように、下接続部100は奥面部94よりも下方側に位置し、内部が下接続口91に連通する内嵌筒部102と、この外側に位置する外嵌筒部104により構成されている。内嵌筒部102には径外方向に膨出する凸状膨出部101が周方向に一定のピッチで形成されており、外嵌筒部104は内嵌筒部102の凸状膨出部101の径外方向に位置し且つ径内方向に屈曲した凹没部103を有している。
【0092】
内嵌筒部102と外嵌筒部104の間には、筒状樋115の側壁部が嵌め込んで保持されるようになっている。筒状樋115が断面円形状である場合は、凸状膨出部101と凹没部103との間に他の筒状樋115の側壁部が摺動自在に嵌まり込み、これにより筒状樋115は下接続体9に対して回動自在となる。また、筒状樋115が断面角形状である場合は、筒状樋115の側壁部の周方向の移動が凸状膨出部101や凹没部103によって規制され、これにより筒状樋115は周方向の向きを所定角度毎に変更して下接続体9に接続できるようになっている。
【0093】
以上の構成のアンテナ付き竪樋50は、例えば図14に示されるように、建物の外壁35に沿って設置された竪樋の一部として設置される。
【0094】
図14においては、軒樋57に連通したエルボ58の下端部に、外壁35に沿う竪樋59が接続されている。この竪樋59は、一部が分断されており、上側の短管からなる筒状樋111と、下側の長管からなる筒状樋115とから構成されている。
【0095】
アンテナ付き竪樋は、上接続口86が上側の筒状樋111の下端部に連通接続され、下接続口91が下側の筒状樋115の上端部に連通接続される。各筒状樋111,115は、控え具114により外壁35に固定されており、アンテナ付き竪樋も非導電性樹脂により形成された控え具110により外壁35に固定されている。このように、設置された後のアンテナ付き竪樋は、建物の外壁35に沿って設置された竪樋の一部となっている。
【0096】
なお、アンテナ付き竪樋は、二重筒体1に接続体13を設けたユニット化されたもの樋部品であるため、建物の壁面に沿って新たに竪樋を配設する場合に、竪樋の一部としてユニット化された樋部品である本アンテナ付き竪樋を使用できる。また、既存の竪樋の一部を切断除去して、除去した部分にユニット化された樋部品である本アンテナ付き竪樋を設置することもできる。
【0097】
アンテナ付き竪樋50を設置するに当たっては、アンテナ付き竪樋を指向性を有するアンテナ部2のスロット21が放送電波を最も強く受信できる向きとなるよう配置し、このアンテナ付き竪樋の外筒部12を控え具110により外壁35に固定する。このとき、回動部7は任意の角度位置に配置されており、建物壁面から突出して目立った状態となっている場合がある。この場合、前述したように回動部7を外壁35側に回動させることで、カバー体85の側面部851を壁面に沿った状態となるまで回動させることができる。
【0098】
上記アンテナ付き竪樋50は、雨水を流すための排水筒部10と、アンテナとを兼用することができるので、屋根上に専用のアンテナを設置する必要がなくて、外観を向上させることができる。しかも、屋根上に専用のアンテナを設置する場合、屋根に沿ってケーブルを配設する必要があり外観が見苦しくなる。しかし、本実施形態のアンテナ付き竪樋50は、排水筒部10と外筒部12との間の隙間51を利用して排水筒部10の長手方向に沿って、上閉塞部52の引出部に至るように配線することができるので、竪樋から建物の軒天井36や外壁35に設けた導入用孔に架け渡す給電用のケーブル3の架け渡し長さを短くし、外観を良くすることができる。
【0099】
特に、給電用のケーブル3を、二重筒体1の隙間51を通して上閉塞部52の引出部から引出して建物の導入用孔に導くので、引出部の位置を高い位置に配置して軒天井36や外壁35の上部に近づけることができる。このため、給電用のケーブル3を軒天井36あるいは軒天井36のすぐ下の外壁35の上端部を通して家屋に導入することができ、給電用のケーブル3が外壁35の上部付近においてのみ露出し、露出部分が目立たず、また、邪魔にならない。
【0100】
また、アンテナ部2及びアンテナ部側ケーブル31を外筒部12により覆って外観を更に向上できると共に、アンテナ部2やアンテナ部側ケーブル31を太陽光、雨水、外気から保護することができる。
【0101】
また、本実施形態のアンテナ部2は、二重筒体1の軸方向に沿ったスロット21を有するスロットアンテナであるので、排水筒部10の周囲にアンテナ部2を設けることができ、二重筒体1をコンパクトにできる。
【0102】
なお、本実施形態では、回動部7を回動方向の複数の停止位置で停止する停止手段を備えているが、この停止手段は回動部7を回動方向の任意の位置で停止させるものであっても構わない。また、本実施形態では、接続部6に対して周方向に回動可能な回動部7に接続具32を設けたが、接続具32を上接続体5の接続部6に設ける等、接続部6に対して回動しない部分に設けても構わない。また、アンテナ部2はスロットアンテナ以外のアンテナで構成しても構わない。
【0103】
図15には引出部67から給電用のケーブル3を引出す他の実施形態を示している。本実施形態ではアンテナ部側ケーブル31を引出部67を構成する引出孔74に挿通して外部に引出し、外部に引出したアンテナ部側ケーブル31の先端の接続具32に、テレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続することで、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33よりなる給電用のケーブル3が引出部67から外部に引出される。
【0104】
図16、図17には排水筒部10の長手方向の一部を外側被覆体54で覆った例を示している。本実施形態において、上下方向の任意の位置にアンテナ部2を設け、外側被覆体54の主体を構成する外筒部12で排水筒部10のアンテナ部2を設けた部分を覆っている。本実施形態において外側被覆体54の上下両端部には、外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を覆う上閉塞部52と下閉塞部53を備えている。上閉塞部52又は下閉塞部53に取出部67を設け、アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3を、隙間51を排水筒部10の長手方向に沿って引出部67に至らせ、引出部67から外部に引出すように構成している。
【0105】
給電用のケーブル3は、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33を接続して構成している。引出部67から給電用のケーブル3を引出すには、前述のように、アンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32を引出部67に取付け、この接続具にテレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続する場合と、アンテナ部側ケーブル31を引出部67から外部に引出し、外部に引出したアンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32にテレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続する場合とがある。
【0106】
本実施形態では、竪樋を構成する排水筒部10の長手方向の任意の位置にアンテナ部2を設けることができ、また、給電用のケーブル3の引出し位置を竪樋の長手方向の任意の位置から引出すことが可能となる。
【0107】
また、本実施形態では、通常の竪樋をそのまま排水筒部10として利用し、筒状の竪樋の上下方向の任意の位置にアンテナ部2を設け、このアンテナ部2を覆うように竪樋の長手方向の一部を外側被覆体54で覆ってアンテナ付き竪樋50を構成することも可能となる。
【0108】
なお、筒体よりなる外筒部12で外側被覆体54の主体を構成し、外側被覆体54の上下両端部に外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を設けた例を示したが、これにのみ限定されない。
【0109】
例えは、外側被覆体54を非導電性の材料で形成したチューブで構成し、少なくともチューブの上下両端部を排水筒部10の外面に密着させるものでもよい。この場合給電用のケーブル3は、チューブと排水筒部10との間に配置して排水筒部10の長手方向に沿わせ、チューブの任意の位置に形成した引出部67から外部に引出す。
【0110】
なお、排水筒部10にアンテナ部2を設けるに当って、排水筒部10の外面側に別部材のアンテナ部2を取付部材4を用いて取付けた例を示したが、排水筒部10の外面側に別部材のアンテナ部2を接着してもよい。また、合成樹脂により排水筒部10を形成する際にアンテナ部2をインサート成形で一体に埋設又は積層してもよい。
【0111】
また、アンテナ付き樋は、前述の実施形態のようにアンテナ付き竪樋50にのみ限定されず、アンテナ付き呼び樋であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
2 アンテナ部
3 給電用のケーブル
10 排水筒部
12 外筒部
21 スロット
24 給電部
54 外側被覆体
67 引出部
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ付き竪樋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施工後の竪樋にアンテナ部を取付ける技術が開示されている。このアンテナ部は竪樋の長手方向における中間部に取付けられるものであって、アンテナ部には上下方向における中程に給電部となる給電端子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−168101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記給電端子にはアンテナ部に給電するためにケーブルが接続され、ケーブルは、一般的に、軒天井あるいは外壁に設けた導入用孔から屋内に導入される。
【0005】
しかし、特許文献1の給電端子は外部に露出しており、ケーブルは給電端子から軒天井あるいは外壁に設けた導入用孔に至るまでの全長が屋外に露出した状態となる。
【0006】
このため、ケーブルの屋外に露出する部分が長くなり、外観が悪くなる。また、アンテナ部、給電端子が外部に露出するため、この点でも外観が悪く、更に、アンテナ部、給電端子が雨水、太陽光、外気に晒され、劣化しやすい等の不都合が生じる。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、給電用のケーブルの屋外に露出する部分を短くでき、外観を良くすることができるアンテナ付き樋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアンテナ付き樋は、アンテナ部を有し且つ雨水を流すための排水筒部と、この排水筒部の外面を覆う外側被覆体と、前記アンテナ部の給電部に接続された給電用のケーブルとを備え、この給電用のケーブルを、前記排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることを特徴とする。
【0009】
また、前記外側被覆体が、前記排水筒部の長手方向の一部又は全部を覆う外筒部であって、この外筒部と前記排水筒部との間の隙間を形成し、この隙間の上端部に上閉塞部を設けることが好ましい。
【0010】
また、前記上閉塞部に前記引出部を設けることが好ましい。
【0011】
また、前記アンテナ部を前記排水筒部の外面に設けることが好ましい。
【0012】
また、前記排水筒部の外面側に、別部材のアンテナ部を被せることが好ましい。
【0013】
また、前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の全長又はほぼ全長を覆うものであることが好ましい。
【0014】
また、前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の一部を覆うものであることが好ましい。
【0015】
また、前記アンテナ部が前記排水筒部の軸方向に沿ったスロットを有するスロットアンテナであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることで、給電用のケーブルの屋外に露出する部分を短くでき、外観が優れたものとなる。また、外側被覆体でカバーするので、この点でも外観がよくなり、且つ、雨水、太陽光、外気からアンテナ部、給電部を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のアンテナ付き竪樋の一部破断した正面図である。
【図2】同上の一部破断した斜視図である。
【図3】同上のアンテナ付き竪樋の斜視図である。
【図4】同上のアンテナ付き竪樋の断面斜視図である。
【図5】同上のアンテナ部の前側から見た斜視図である。
【図6】同上のアンテナ部の後側から見た斜視図である。
【図7】同上の取付部材の斜視図である。
【図8】同上の外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部分における断面斜視図である。
【図9】同上の接続部の斜視図である。
【図10】同上の回動部本体の斜視図である。
【図11】同上のカバー体及び外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部分の斜視図である。
【図12】同上の下接続体の上側から見た斜視図である。
【図13】同上の下接続体の下側から見た斜視図である。
【図14】同上のアンテナ付き竪樋の設置例を示す説明図である。
【図15】他例のアンテナ付き竪樋を示し、外筒部の図示を省略したアンテナ付き竪樋の上端部を示す断面斜視図である。
【図16】更に他例のアンテナ付き竪樋を示す一部破断した正面図である。
【図17】同上のアンテナ付き竪樋の設置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
アンテナ付き樋は、アンテナ部2を有し且つ雨水を流すための排水筒部10と、排水筒部10の外面を覆う外側被覆体54と、アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3とを備えている。
【0019】
添付図面にはアンテナ付き樋としてアンテナ付き竪樋50の例を示している。したがって、以下の説明ではアンテナ付き樋をアンテナ付き竪樋50と称して説明する。
【0020】
添付図面では、外側被覆体54は、筒体よりなる外筒部12で主体を構成し、更に、外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を備えている。
【0021】
アンテナ部2を有する排水筒部10の外面を外筒部12で覆う形態としては、排水筒部10の長手方向の全長又はほぼ全長を外筒部12で覆う場合と、排水筒部10の長手方向の一部を外筒部12で覆う場合とがある。
【0022】
まず、排水筒部10の長手方向の全長又はほぼ全長を外筒部12で覆う実施形態を図1乃至図13に基づいて説明する。
【0023】
図1乃至図13に示す実施形態のアンテナ付き竪樋50は、例えば図14に示されるように通常の竪樋59の途中に設けられ、テレビ用のアンテナとして用いられるものである。
【0024】
図14において、符号35は建物の外壁、36は軒天井を示し、また、55は軒樋、56は集水器、57は呼び樋、58はエルボを示している。なお、呼び樋57、エルボ58、通常の竪樋59等を筒状樋111(115)と称する。
【0025】
図1に示されるように、アンテナ付き竪樋50は、アンテナ部2を有する排水筒部10と、排水筒部10の全長又はほぼ全長を覆う外筒部12とで二重筒体1を構成し、この二重筒体1の上下両端部に設けられた接続体13を備えている。
【0026】
接続体13は、排水筒部10と軒先の通常の竪樋59やエルボ58等の接続継手等からなる他の筒状樋111(115)を接続するものである。以下、特に区別する場合には、二重筒体1の上端部に設けられた接続体13を上接続体5と記載し、二重筒体1の下端部に設けられた接続体13を下接続体9と記載する。
【0027】
そして、本実施形態では、上接続体5、下接続体9が、隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を兼用している。
【0028】
排水筒部10は、上下方向に軸方向を有する円筒形状となっており、非導電性の合成樹脂材料(例えば塩化ビニル)により構成されている。
【0029】
図5に示されるように、アンテナ部2は、排水筒部10の軸方向に沿って長く形成されたスロット21を有するスロットアンテナにより構成されている。アンテナ部2は導電性部材20により構成されており、スロット21を形成した縦長矩形状の鋼板を水平断面C字状となるよう上下方向に一様に湾曲させることで形成される。なお、排水筒部10が角筒状の場合は、アンテナ部2は角筒状の排水筒部10の外周に沿うように略コ字状又は略リップ付きコ字状に屈曲される。
【0030】
アンテナ部2にはスロット21が上下方向に複数並べて設けられており、隣接するスロット21同士は細溝28で接続されている。各スロット21は三角形の頂点を互いに突き合わせたようなボウタイ形状に形成されている。
【0031】
アンテナ部2は、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部22と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部23を有している。
【0032】
第一の受信部22は、スロット21及び当該スロット21の周縁部により構成される。第二の受信部23は、このスロット21に対し上下方向に隣接する鋼板部分により構成される。
【0033】
第一の受信部22を構成するスロット21の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さと同じである。また、第二の受信部23の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さと同じである。
【0034】
すなわち、第一の周波数帯内の中心周波数が536.5MHzであり、第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長λ/2は約28cmであることから、各スロット21の上下方向の長さは約28cmとなっている。また、第二の周波数帯の中心周波数が660MHzであり、第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長λ/2は約23cmであることから、第二の受信部23の周方向の長さは約23cmとなっている。
【0035】
図6に示されるように、アンテナ部2の周方向の両端間に上下に亘って形成された隙間26は、アンテナ部2の円弧中心を挟んでスロット21と対向する位置に配置され、スロット21に対向している。
【0036】
隙間26において各スロット21の後方に位置する部分は、導電性部材20が存在しない抜き部27を構成する。各抜き部27は正面から見てスロット21と重なる位置に設けられており、上下長さがスロット21の上下長さよりも長く、周方向長さがスロット21の周方向長さよりも長く形成されている。
【0037】
アンテナ部2において上側の第一の受信部22を構成するスロット21の両側は三角形状に形成され、これら対向する三角形状部分の夫々の頂点部25は、アンテナ部2の給電部24を構成している。この給電部24は最上の第一の受信部22の上下方向の略中央部分に位置している。
【0038】
図1、図2のように、給電部24には、給電用のケーブル3の一端部が接続されている。
【0039】
給電用のケーブル3は、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33とを接続し、給電部24にはアンテナ部側ケーブル31の一端部が接続されている。
【0040】
アンテナ部側ケーブル31は同軸ケーブルからなり、内側の導線が一方の給電部24である一方の頂点部25に接続され、外側の網線が他方の給電部24である他方の頂点部25に接続されている。
【0041】
アンテナ部側ケーブル31は、排水筒部10と外筒部12との間の隙間51を利用して排水筒部10の長手方向に沿って、上閉塞部52を兼用する上接続体5に設けた引出部67に至るように配線される。
【0042】
アンテナ部側ケーブル31はアンテナ部2の外面に沿って配置されるものであり、前記一端部が接続された給電部24からスロット21と重複しないようにスロット21を避けた位置を通過して上接続体5に至っている。
【0043】
アンテナ部2は、図2に示されるように、湾曲した内面が排水筒部10の外周面に沿わせられ、この状態で取付部材4により排水筒部10に取付けられる。
【0044】
図7に示されるように、取付部材4は円環状をなし、非導電性の合成樹脂材料により形成されている。取付部材4は、一端に軸方向を上下方向とする軸部42を有すると共に他端に係止部43を有する平面視略C字状の第一の半体41と、一端に軸受部45を有すると共に他端に被係止部46を有する平面視略C字状の第二の半体44とから構成されている。第一の半体41の軸部42は第二の半体44の軸受部45に対して回動自在に連結されており、また、被係止部46は係止部43に対して着脱自在に係止できるようになっている。
【0045】
なお、添付図面では排水筒部10が円筒状をしているので、この取付部材4も円環状をしているが、排水筒部10が角筒状の場合、角筒の断面形状に対応する角型環状に形成する。これに対応して第一の半体41、第二の半体44も例えば平面視略コ字状に形成する。
【0046】
図1、図2に示されるように、アンテナ部2は複数の取付部材4により上下方向の複数箇所が排水筒部10に対して固定されるものであり、以下のようにして排水筒部10及びアンテナ部2に取付けられる。まず、排水筒部10の外面に沿って配置したアンテナ部2の片側外面に、被係止部46を係止部43から外して開いた両半体41,44のうち、一方の半体41(44)を被せる。次に、他方の半体44(41)をアンテナ部2の他側外面に被せ、当該一方の半体41(44)に対して他方の半体44(41)を軸部42を中心に回動して被係止部46を係止部43に係止する。これにより、アンテナ部2は取付部材4により排水筒部10側となる内方に締め付けられて排水筒部10に対して固定される。
【0047】
図7のように、各取付部材4は、アンテナ部側ケーブル31のアンテナ部2に対する位置を保持するケーブル保持部48を備えている。ケーブル保持部48は、第一の半体41の内周面の一部及び第二の半体44の内周面の一部に夫々設けられた溝480により構成されている。各溝480は各半体41,44の周方向の一部を径外方向に突出することで形成され、上下に開口している。溝480には給電部24に接続されたアンテナ部側ケーブル31を通すことができる。これにより排水筒部10及びアンテナ部2に取付けられた取付部材4とアンテナ部2の間にアンテナ部側ケーブル31を挟み、取付部材4によりアンテナ部側ケーブル31の長さ方向の一部を保持できる。
【0048】
また、各取付部材4は、径外方向に突出する複数の突出部49を有している。本実施形態の取付部材4は、軸受部45と、係止部43及び被係止部46と、溝480の背面側の突出部分との計4箇所の突出部49を有している。突出部49は周方向に等間隔で配置されており、すなわち90°ごとに径外方向に突出している。この突出部49は、取付部材4がアンテナ部2の外周に装着された上で外筒部12が取り付けられると、当該外筒部12の略中心に排水筒部10と排水筒部10に設けられたアンテナ部2とが配置されると共に、外筒部12の内周面に当接又は近接対向するようになる。
【0049】
外筒部12は非導電性の合成樹脂材料により形成され、図4のように排水筒部10と同心円状の円筒形状に形成されている。この外筒部12は上下の接続体13に接続され、これにより外筒部12は排水筒部10と径方向に所定の間隔を介して配置されている。
【0050】
上接続体5は上方に開口した上接続口86を有しており、下接続体9は下方に開口した下接続口91を有している。上接続口86及び下接続口91は、いずれも、排水筒部10の排水流路11に通じている。
【0051】
図8に示されるように、上接続体5は、排水筒部10の上端部に接着固定される接続部6と、接続部6に対し周方向に回動可能となった回動部7を有している。
【0052】
図9に示されるように、接続部6は上下方向に軸方向を有する円筒状に形成されており、その下端部には、排水筒部10の上端部が接続される排水筒部接続部60が形成されている。
【0053】
排水筒部接続部60には、筒状部分から外方に突出する位置決め当接部61が全周に亘って形成されており、位置決め当接部61の外周縁には、下方に向けて突出する水平断面略C字状の覆い片62が形成されている。また、覆い片62の周方向の両端には周方向位置決め突起63が形成されている。
【0054】
排水筒部接続部60に排水筒部10の上端部を接続するには、排水筒部接続部60の筒状部分の外側に排水筒部10の上端部を嵌め込んで位置決め当接部61の下面に排水筒部10の上端面を当接し、この状態で排水筒部接続部60を排水筒部10に接着する。この接続状態では、覆い片62により、アンテナ部2を含めた排水筒部10の上端部外周面が覆われる。また、周方向位置決め突起63が、アンテナ部2の周方向の両端面に当接する、又はアンテナ部2の周方向の両端面の近傍に位置して対向する。これによりアンテナ部2が排水筒部10に対して周方向に回動することが防止される。
【0055】
接続部6の上部には、回動部7が回動可能に取付けられる内側支持部64が形成されている。内側支持部64は排水筒部接続部60の筒状部分を上方に延ばし出して円筒状に形成されている。
【0056】
回動部7は、図8に示されるように、内側支持部64の外周面に沿って回動可能な回動部本体70と、回動部本体70に取付けられて回動部本体70と回動部本体70から上方に突出した接続部6の内側支持部64を覆うカバー体85を有している。
【0057】
図10に示されるように、回動部本体70は、内側支持部64の外側に回動可能に嵌め込まれる外側環状部71と、外側環状部71から側方に突出した側方突出部73と、外筒部12の上端部に接続される外筒部接続部78を有している。
【0058】
図8に示されるように、外筒部接続部78は、外側環状部71の下端から径外方向に突出した外筒端面当接部79と、外筒端面当接部79の外縁から下方に向けて突設された外嵌部80を有している。
【0059】
外嵌部80は外側環状部71と同心の円筒状に形成されており、下方に開口している。外筒部接続部78に外筒部12の上端部を接続するには、外筒部12の上端部を外嵌部80の内側に嵌め込んで、外筒部12の上端面を外筒端面当接部79の下面に当接させる。なお、外筒部接続部78は外筒部12に接着固定されず、外筒部12に対して回動可能となっている。
【0060】
また回動部本体70は、排水筒部10と外筒部12と回動部本体70とに囲まれたアンテナ部側ケーブル31を当該回動部本体70よりも上方に引き出すためのケーブル挿通孔81を有している。
【0061】
ケーブル挿通孔81は、外側環状部71と外嵌部80の間に位置する外筒端面当接部79に形成されており、図10に示されるように、回動部本体70の回動方向に長い弧状の長孔により構成されている。
【0062】
外側環状部71には、ケーブル挿通孔81の長さ方向の中間部分の上方に位置する保持部83が形成されている。保持部83は、外側環状部71の外周面から突出した一対の保持片84により構成されており、一対の保持片84の間に前記ケーブル挿通孔81から上方に引き出されたアンテナ部側ケーブル31を通すことでアンテナ部側ケーブル31の長さ方向の一部が保持される。
【0063】
回動部本体70の側方突出部73には給電用のケーブル3を外部に引出すための引出部67を構成する引出孔74を設けている。
【0064】
引出孔74には、図11のように、前記ケーブル挿通孔81及び保持部83を通したアンテナ部側ケーブル31の端部に設けられた接続具32が取付けられており、接続具32は保持部83よりも下方に位置している。すなわち、ケーブル挿通孔81から上方に引き出されたアンテナ部側ケーブル31は、保持部83で保持された後、保持部83よりも上方位置で下方に折り返される。
【0065】
接続具32は、アンテナ部側ケーブル31をテレビ側ケーブル33(図14参照)に電気的に接続するために用いられるものであって、回動部本体70の下面から下方に向かって突出している。
【0066】
引出部67に取付けたアンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32に、テレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続することで、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33よりなる給電用のケーブル3が引出部67から外部に引出されることになる。
【0067】
前記ケーブル挿通孔81は回動部本体70の回動方向に沿って長い弧状の長孔となっている。このため、回動部本体70がアンテナ部2を設けた排水筒部10に対して回動した際に、これに追従してアンテナ部側ケーブル31が移動したとしても、ケーブル挿通孔81はその移動を許容するようになっている。これにより、回動部本体70が回動しても、アンテナ部側ケーブル31に力が加わり難い。
【0068】
また、上接続体5は、回動部7を回動方向の複数の停止位置で停止させる停止手段を備えている。停止手段は、接続部6に設けられた引掛け部65及び下方付勢部66(図9参照)と、回動部本体70に設けられた被引掛け部72(図10参照)により構成されている。
【0069】
図9に示されるように、引掛け部65は接続部6の内側支持部64の外周面から突出しており、上方ほど先細り形状となった一対の三角状部650を有している。引掛け部65は、等間隔で内側支持部64の周方向の三箇所に形成され、すなわち約120°毎に設けられている。
【0070】
下方付勢部66は接続部6と同じ合成樹脂により形成されたものであり、各引掛け部65の上方に設けられている。各下方付勢部66は一端部側に行く程下方に位置するように内側支持部64の外周面に沿って配置された細長片660により構成されている。細長片660は前記一端部側と反対側の他端部のみが内側支持部64に接続されており、前記一端部側が押し上げられると弾性変形し、その復元力が下方に作用するようになっている。
【0071】
一方、回動部本体70の接続部6が回動可能に挿入される外側環状部71には、図10に示すように、外側環状部71の内周面から突出し、前記内側支持部64の引掛け部65に係止される被引掛け部72が形成されている。
【0072】
被引掛け部72は、下方ほど先細り形状となった逆三角形状の突起を外側環状部71の周方向に一定の間隔を介して複数有すると共に、外側環状部71の周方向に一直線状に形成されて各突起の上端を接続する直線状部721を有している。直線状部721は前記内側支持部64に形成された複数の下方付勢部66に、当接する又は対向位置に配置される。また、被引掛け部72には、外側環状部71を周方向に三等分する位置に、対応する下方付勢部66及び引掛け部65を上下方向に挿通させるための挿通路722が形成されている。
【0073】
回動部本体70を接続部6に装着するには、まず、回動部本体70の外側環状部71を、接続部6の内側支持部64に嵌め込む。このとき、外側環状部71の挿通路722に、内側支持部64の下方付勢部66及び引掛け部65を挿通させる。そして、この後、回動部本体70を接続部6の内側支持部64に対して回動して、被引掛け部72の突起を接続部6の対応する引掛け部65の一対の三角状部650に引っ掛ける。これにより、回動部本体70の内側支持部64に対する回動が規制される。
【0074】
また、回動部本体70を接続部6の内側支持部64に対して回動させるには、回動部本体70をやや持ち上げて、引掛け部65と被引掛け部72の係合状態を解除し、この状態で回動させる。
【0075】
回動部本体70を持ち上げると、被引掛け部72の直線状部721により内側支持部64の下方付勢部66が上方に押し上げられる。このため、回動部本体70を持ち上げた状態では、当該回動部本体70は、常に、下方付勢部66から下方に付勢力を受けた状態となる。従って、ユーザーが手を放すと、下方付勢部66により被引掛け部72の直線状部721が押し下げられ、引掛け部65と被引掛け部72が自動的に係合状態となる。また、これにより、前記引掛け部65と被引掛け部72の係合状態の維持がなされる。
【0076】
また、図10に示されるように、回動部本体70にはケーブル挿通孔81の周縁部から上方に突出する水返し片82が形成され、ケーブル挿通孔81から排水筒部10と外筒部12の間に雨水が侵入することが防止されている。また、回動部本体70には、引出孔74の周囲から上方に突出する筒状の立ち上がり片75が形成され、立ち上がり片75により引出孔74内に雨水が浸入することが防止されている。
【0077】
また、側方突出部73には上下に貫通する複数の水抜き穴76が形成され、上接続体5内に入り込んだ側方突出部73上の雨水を水抜き穴76から外部に排出できるようになっている。さらに、側方突出部73の下面には、引出孔74と水抜き穴76の間から下方に突出する垂下片77が形成されている。この垂下片77は、引出孔74を全周に亘って囲むように設けられている。この垂下片77により、水抜き穴76から流下した雨水が側方突出部73の下面を伝ったとしても、この雨水が接続具32に至ることを防止できる。
【0078】
なお、水抜き穴76の排水性を良くするために、側方突出部73の水抜き穴76の外周部の全周にわたって下方向に向けて水切り用のリブを突出させることが好ましい。この場合、側方突出部73の下方からの雨水が当該リブによって水切りされて、雨水が水抜き穴76から側方突出部73の上面側へ流入しにくい構造とすることができる。
【0079】
カバー体85は、回動部本体70の上方及び側方を覆い、接続具32への浸水や、排水筒部10と外筒部12との間への浸水を防ぐ。
【0080】
カバー体85は、図4に示されるように、上面部850と、上面部の外周縁から下方に突出して外周面を構成する側面部851を有している。
【0081】
上面部850には上下に貫通する上接続口86が形成され、上接続口86の周縁部は下方に突出して接続部6の内側支持部64の上端部内側に回動自在に嵌め込まれている。カバー体85の側面部851の内面には、回動部本体70に対して上方に移動不能に係止される係止爪88が形成されている(図2参照)。
【0082】
カバー体85は、回動部本体70に装着されると、図4に示されるように、上面部850の下面が接続部6の上端面に当接し、上接続口86が接続部6内に連通する。
【0083】
上接続口86には竪樋などの上側の他の筒状樋111が挿通されるが、この状態では上接続口86の周縁が筒状樋111の外面に対して隙間を介して離間し、筒状樋が遊びを持って差し込まれる。このため、カバー体85の上面部850上の水を、前記上接続口86と筒状樋との間の隙間を介して、排水筒部10の排水流路11に流せるようになっている。なお、この雨水は下接続体9の下接続口91を介して、下側の他の筒状樋115に排水される。
【0084】
また、カバー体85の上面部850には、外周の全長に亘って上方に向けて突出した水返し用凸条87が形成されており、この水返し用凸条87により、上面部850上の汚れた雨水が側面部851側に流れることが防止されている。
【0085】
下接続体9は、図12に示されるように、平面視円環状に形成されており、中央部分に上下方向に貫通し且つ筒状樋115よりも小径に形成された下接続口91が形成されている。
【0086】
下接続体9は、排水筒部10の下端部が接続される排水筒部接続部92と、外筒部12の下端部が接続される外筒部接続部95を有している。
【0087】
排水筒部接続部92は、排水筒部10の内側に嵌め込まれる円筒状の内側突条部93と、内側突条部93の下端部から径外方向に向けて突出した奥面部94とを備えている。排水筒部接続部92に排水筒部10を接続するには、図4のように内側突条部93に排水筒部10を嵌め込み、排水筒部10の下端面を奥面部94の上面に当接する。この排水筒部接続部92は、排水筒部10の下端部に接着剤により固定される。
【0088】
図12に示すように、外筒部接続部95は、内側突条部93と同心円状に設けられた外側突条部96と、外側突条部96の下端部から径外方向に向けて突出した位置決め段部97を有している。外筒部接続部95に外筒部12を接続するには、図4のように、外側突条部96の外側に外筒部12の下端部を嵌め込み、外筒部12の下端面を位置決め段部97に当接する。
【0089】
図12のように、下接続体9には、外側突条部96から内側突条部93に向けて突出し、アンテナ部2の周方向の両端間に嵌め込まれる一対のリブ部98が形成されている。また、下接続体9の奥面部94には、上下方向に貫通する水抜き用の貫通孔99が複数箇所に形成されている。
【0090】
下接続体9は、筒状樋115として、断面角形状の筒状樋、又は断面円形状の筒状樋のいずれかが選択的に接続可能な下接続部100(図13参照)を有している。
【0091】
図13のように、下接続部100は奥面部94よりも下方側に位置し、内部が下接続口91に連通する内嵌筒部102と、この外側に位置する外嵌筒部104により構成されている。内嵌筒部102には径外方向に膨出する凸状膨出部101が周方向に一定のピッチで形成されており、外嵌筒部104は内嵌筒部102の凸状膨出部101の径外方向に位置し且つ径内方向に屈曲した凹没部103を有している。
【0092】
内嵌筒部102と外嵌筒部104の間には、筒状樋115の側壁部が嵌め込んで保持されるようになっている。筒状樋115が断面円形状である場合は、凸状膨出部101と凹没部103との間に他の筒状樋115の側壁部が摺動自在に嵌まり込み、これにより筒状樋115は下接続体9に対して回動自在となる。また、筒状樋115が断面角形状である場合は、筒状樋115の側壁部の周方向の移動が凸状膨出部101や凹没部103によって規制され、これにより筒状樋115は周方向の向きを所定角度毎に変更して下接続体9に接続できるようになっている。
【0093】
以上の構成のアンテナ付き竪樋50は、例えば図14に示されるように、建物の外壁35に沿って設置された竪樋の一部として設置される。
【0094】
図14においては、軒樋57に連通したエルボ58の下端部に、外壁35に沿う竪樋59が接続されている。この竪樋59は、一部が分断されており、上側の短管からなる筒状樋111と、下側の長管からなる筒状樋115とから構成されている。
【0095】
アンテナ付き竪樋は、上接続口86が上側の筒状樋111の下端部に連通接続され、下接続口91が下側の筒状樋115の上端部に連通接続される。各筒状樋111,115は、控え具114により外壁35に固定されており、アンテナ付き竪樋も非導電性樹脂により形成された控え具110により外壁35に固定されている。このように、設置された後のアンテナ付き竪樋は、建物の外壁35に沿って設置された竪樋の一部となっている。
【0096】
なお、アンテナ付き竪樋は、二重筒体1に接続体13を設けたユニット化されたもの樋部品であるため、建物の壁面に沿って新たに竪樋を配設する場合に、竪樋の一部としてユニット化された樋部品である本アンテナ付き竪樋を使用できる。また、既存の竪樋の一部を切断除去して、除去した部分にユニット化された樋部品である本アンテナ付き竪樋を設置することもできる。
【0097】
アンテナ付き竪樋50を設置するに当たっては、アンテナ付き竪樋を指向性を有するアンテナ部2のスロット21が放送電波を最も強く受信できる向きとなるよう配置し、このアンテナ付き竪樋の外筒部12を控え具110により外壁35に固定する。このとき、回動部7は任意の角度位置に配置されており、建物壁面から突出して目立った状態となっている場合がある。この場合、前述したように回動部7を外壁35側に回動させることで、カバー体85の側面部851を壁面に沿った状態となるまで回動させることができる。
【0098】
上記アンテナ付き竪樋50は、雨水を流すための排水筒部10と、アンテナとを兼用することができるので、屋根上に専用のアンテナを設置する必要がなくて、外観を向上させることができる。しかも、屋根上に専用のアンテナを設置する場合、屋根に沿ってケーブルを配設する必要があり外観が見苦しくなる。しかし、本実施形態のアンテナ付き竪樋50は、排水筒部10と外筒部12との間の隙間51を利用して排水筒部10の長手方向に沿って、上閉塞部52の引出部に至るように配線することができるので、竪樋から建物の軒天井36や外壁35に設けた導入用孔に架け渡す給電用のケーブル3の架け渡し長さを短くし、外観を良くすることができる。
【0099】
特に、給電用のケーブル3を、二重筒体1の隙間51を通して上閉塞部52の引出部から引出して建物の導入用孔に導くので、引出部の位置を高い位置に配置して軒天井36や外壁35の上部に近づけることができる。このため、給電用のケーブル3を軒天井36あるいは軒天井36のすぐ下の外壁35の上端部を通して家屋に導入することができ、給電用のケーブル3が外壁35の上部付近においてのみ露出し、露出部分が目立たず、また、邪魔にならない。
【0100】
また、アンテナ部2及びアンテナ部側ケーブル31を外筒部12により覆って外観を更に向上できると共に、アンテナ部2やアンテナ部側ケーブル31を太陽光、雨水、外気から保護することができる。
【0101】
また、本実施形態のアンテナ部2は、二重筒体1の軸方向に沿ったスロット21を有するスロットアンテナであるので、排水筒部10の周囲にアンテナ部2を設けることができ、二重筒体1をコンパクトにできる。
【0102】
なお、本実施形態では、回動部7を回動方向の複数の停止位置で停止する停止手段を備えているが、この停止手段は回動部7を回動方向の任意の位置で停止させるものであっても構わない。また、本実施形態では、接続部6に対して周方向に回動可能な回動部7に接続具32を設けたが、接続具32を上接続体5の接続部6に設ける等、接続部6に対して回動しない部分に設けても構わない。また、アンテナ部2はスロットアンテナ以外のアンテナで構成しても構わない。
【0103】
図15には引出部67から給電用のケーブル3を引出す他の実施形態を示している。本実施形態ではアンテナ部側ケーブル31を引出部67を構成する引出孔74に挿通して外部に引出し、外部に引出したアンテナ部側ケーブル31の先端の接続具32に、テレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続することで、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33よりなる給電用のケーブル3が引出部67から外部に引出される。
【0104】
図16、図17には排水筒部10の長手方向の一部を外側被覆体54で覆った例を示している。本実施形態において、上下方向の任意の位置にアンテナ部2を設け、外側被覆体54の主体を構成する外筒部12で排水筒部10のアンテナ部2を設けた部分を覆っている。本実施形態において外側被覆体54の上下両端部には、外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を覆う上閉塞部52と下閉塞部53を備えている。上閉塞部52又は下閉塞部53に取出部67を設け、アンテナ部2の給電部24に接続された給電用のケーブル3を、隙間51を排水筒部10の長手方向に沿って引出部67に至らせ、引出部67から外部に引出すように構成している。
【0105】
給電用のケーブル3は、アンテナ部側ケーブル31とテレビ側ケーブル33を接続して構成している。引出部67から給電用のケーブル3を引出すには、前述のように、アンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32を引出部67に取付け、この接続具にテレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続する場合と、アンテナ部側ケーブル31を引出部67から外部に引出し、外部に引出したアンテナ部側ケーブル31の端部の接続具32にテレビ側ケーブル33の端部の接続具を接続する場合とがある。
【0106】
本実施形態では、竪樋を構成する排水筒部10の長手方向の任意の位置にアンテナ部2を設けることができ、また、給電用のケーブル3の引出し位置を竪樋の長手方向の任意の位置から引出すことが可能となる。
【0107】
また、本実施形態では、通常の竪樋をそのまま排水筒部10として利用し、筒状の竪樋の上下方向の任意の位置にアンテナ部2を設け、このアンテナ部2を覆うように竪樋の長手方向の一部を外側被覆体54で覆ってアンテナ付き竪樋50を構成することも可能となる。
【0108】
なお、筒体よりなる外筒部12で外側被覆体54の主体を構成し、外側被覆体54の上下両端部に外筒部12と排水筒部10との間の隙間51の上下両端部を閉塞する上閉塞部52と下閉塞部53を設けた例を示したが、これにのみ限定されない。
【0109】
例えは、外側被覆体54を非導電性の材料で形成したチューブで構成し、少なくともチューブの上下両端部を排水筒部10の外面に密着させるものでもよい。この場合給電用のケーブル3は、チューブと排水筒部10との間に配置して排水筒部10の長手方向に沿わせ、チューブの任意の位置に形成した引出部67から外部に引出す。
【0110】
なお、排水筒部10にアンテナ部2を設けるに当って、排水筒部10の外面側に別部材のアンテナ部2を取付部材4を用いて取付けた例を示したが、排水筒部10の外面側に別部材のアンテナ部2を接着してもよい。また、合成樹脂により排水筒部10を形成する際にアンテナ部2をインサート成形で一体に埋設又は積層してもよい。
【0111】
また、アンテナ付き樋は、前述の実施形態のようにアンテナ付き竪樋50にのみ限定されず、アンテナ付き呼び樋であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
2 アンテナ部
3 給電用のケーブル
10 排水筒部
12 外筒部
21 スロット
24 給電部
54 外側被覆体
67 引出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部を有し且つ雨水を流すための排水筒部と、この排水筒部の外面を覆う外側被覆体と、前記アンテナ部の給電部に接続された給電用のケーブルとを備え、この給電用のケーブルを、前記排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることを特徴とするアンテナ付き竪樋。
【請求項2】
前記外側被覆体が、前記排水筒部の長手方向の一部又は全部を覆う外筒部であって、この外筒部と前記排水筒部との間の隙間を形成し、この隙間の上端部に上閉塞部を設けることを特徴とする請求項1記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項3】
前記上閉塞部に前記引出部を設けることを特徴とする請求項2記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項4】
前記アンテナ部を前記排水筒部の外面に設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項5】
前記排水筒部の外面側に、別部材のアンテナ部を被せることを特徴とする請求項4記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項6】
前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の全長又はほぼ全長を覆うものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項7】
前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の一部を覆うものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項8】
前記アンテナ部が前記排水筒部の軸方向に沿ったスロットを有するスロットアンテナであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項1】
アンテナ部を有し且つ雨水を流すための排水筒部と、この排水筒部の外面を覆う外側被覆体と、前記アンテナ部の給電部に接続された給電用のケーブルとを備え、この給電用のケーブルを、前記排水筒部と前記外側被覆体との間を前記排水筒部の長手方向に沿って前記外側被覆体に設けた外部への引出部に至らせることを特徴とするアンテナ付き竪樋。
【請求項2】
前記外側被覆体が、前記排水筒部の長手方向の一部又は全部を覆う外筒部であって、この外筒部と前記排水筒部との間の隙間を形成し、この隙間の上端部に上閉塞部を設けることを特徴とする請求項1記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項3】
前記上閉塞部に前記引出部を設けることを特徴とする請求項2記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項4】
前記アンテナ部を前記排水筒部の外面に設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項5】
前記排水筒部の外面側に、別部材のアンテナ部を被せることを特徴とする請求項4記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項6】
前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の全長又はほぼ全長を覆うものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項7】
前記外側被覆体が前記排水筒部の外面の長手方向の一部を覆うものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ付き竪樋。
【請求項8】
前記アンテナ部が前記排水筒部の軸方向に沿ったスロットを有するスロットアンテナであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ付き竪樋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−172401(P2012−172401A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35693(P2011−35693)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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