説明

アンテナ装置およびその調整方法

【課題】異なる寸法のアンテナ装置に対しても、同じ形状寸法の誘電体基材22が使用できるアンテナ装置を提供する。また、誘電体基材22の誘電率のバラツキによる共振周波数の変化に対して、誘電体基材22の配設位置をずらして簡単に調整できるアンテナ装置の調整方法を提供する。
【解決手段】GND電極としての導電体ベース10の上に偏平な誘電体基材22を配設し、この誘電体基材22の上面に放射電極14を配設したアンテナ装置において、誘電体基材22を、中央部に空きスペースを設けるとともに上から見て4つに分割して放射電極14の周縁部を略環状に支持するように構成する。放射電極14に対して誘電体基材22の4つの部材の全てまたは1つの配設位置をずらすことで、2つの共振周波数または2つの共振周波数のいずれか1つを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電体ベースの上に偏平な誘電体基材を配設し、その誘電体基材の上面に放射電極を配設した平面型のアンテナ装置に関するものである。また、そのアンテナ装置において、共振周波数の調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の平面型のアンテナ装置にあっては、図23に示すごとく、GND電極としての導電体ベース10の上に、中央部に空きスペースを設けるとともに偏平で上から見て外形が矩形の環状の誘電体基材12が配設され、その誘電体基材12の上面で支持するようにして放射電極14が配設され、給電端子16が放射電極14の適宜な位置に配設されて構成されたものがある。かかる技術が、特開2005−51576号公報等に示されている。また、図24に示すごとく、GND電極としての導電体ベース10の上に、中央部に空きスペースのない偏平で上から見て外形が矩形の誘電体基材13が配設され、その誘電体基材13の上面で支持するようにして放射電極14が配設され、給電端子16が放射電極14の適宜な位置で誘電体基材13に穿設された孔を貫通して配設されて構成されたものもある。
【特許文献1】特開2005−51576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の特許文献1等で提案された図23に示す従来の技術にあっては、誘電体基材12は環状であり、その中央部に空きスペースが設けられているので、その分だけ誘電体の素材の量が少なくて足りる。しかるに、誘電体基材12の外形寸法は一定であり、異なる寸法のアンテナ装置に対しては異なる寸法の別の誘電体基材12が必要となる。また、図24に示す従来例にあっても、当然に、異なる寸法のアンテナ装置に対しては異なる寸法の別の誘電体基材13が必要となる。ここで、異なる寸法のアンテナ装置に対しても、同じ形状寸法の誘電体基材が使用できれば経済的である。また、誘電体基材は、製造ロット毎にその誘電率にバラツキを生じて共振周波数が変化する虞がある。そこで、従来にあっては、誘電体基材の誘電率のバラツキによる共振周波数の変化に対して、放射電極14に切り欠きを設けたり削ったりするなどして調整がなされている。この共振周波数の調整作業が繁雑であるとともに、放射電極14に切り欠きを設けまたは削ることで生ずる削りかすを確実に除去する作業も繁雑であった。
【0004】
そこで、本発明は、上述のごとき事情に鑑みてなされたもので、異なる寸法のアンテナ装置に対しても、同じ形状寸法の誘電体基材が使用できるアンテナ装置を提供することを目的とする。また、誘電体基材の誘電率のバラツキによる共振周波数の変化に対して誘電体基材を配設する位置をずらして簡単に調整できるアンテナ装置の調整方法を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明のアンテナ装置は、GND電極としての導電体ベースの上に偏平な誘電体基材を配設し、この誘電体基材の上面に放射電極を配設したアンテナ装置において、前記誘電体基材を、中央部に空きスペースを設けるとともに上から見て4つに分割して前記放射電極の周縁部を略環状に支持するように構成されている。
【0006】
そして、前記放射電極が1つの隅または対向する2つの隅が面取り状に僅かに切り落とされた略矩形であり、前記誘電体基材を、前記放射電極の4隅をそれぞれに支持するように4つの略L字状とし、前記放射電極の対角線方向が電流の励振方向となるように前記放射電極の中央位置より1つの辺側にずらして給電端子を設けて構成することができる。
【0007】
また、前記放射電極が矩形であり、前記誘電体基材を、前記放射電極の4辺をそれぞれに支持するように4つの略I字状とし、前記放射電極の対向する2辺の直交方向が電流の励振方向となるように前記放射電極の中央位置より1つの隅側にずらして給電端子を設けて構成することができる。
【0008】
さらに、本発明のアンテナ装置の調整方法は、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の全ての配設位置を内側に狭めて、共振周波数を低い方に調整することができる。
【0009】
また、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の全ての配設位置を外側に拡大して、共振周波数を高い方に調整することができる。
【0010】
また、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされていない長い対角線となる隅を支持する前記誘電体基材の前記略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらして、前記長い対角線方向を励振方向とする低い共振周波数を調整することができる。
【0011】
また、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされた短い対角線となる隅を支持する前記誘電体基材の前記略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらして、前記短い対角線方向を励振方向とする高い共振周波数を調整することができる。
【0012】
また、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、前記放射電極の中央と前記給電端子を通る方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらして、共振周波数を調整することができる。
【0013】
また、請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、前記放射電極の中央と前記給電端子を通る方向に対して直交方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらして、共振周波数を調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のアンテナ装置にあっては、導電体ベースの上に配設される誘電体基材を、上から見て4つに分割するとともに放射電極の周縁部を略環状に支持するようにしたので、異なる寸法のアンテナ装置に対して、導電体ベースの上に配設する誘電体基材の位置を、内側に狭めまたは外側に拡げることで、対応することができる。もって、同じ形状寸法の誘電体基材を使用することができて経済的である。
【0015】
請求項2記載のアンテナ装置にあっては、矩形の放射電極の4隅を、略L字状の誘電体基材でそれぞれに支持するので、放射電極の配設が簡単な構成で確実になし得る。特に、矩形の放射電極の対角線を電流の励振方向としたアンテナにあっては、放射電極の4隅に電流が集中するが、その4隅が誘電体基材で確実に固定でき、GND電極としての導電体ベースに対する距離が振動等で変化することがなく、アンテナ特性が安定している。
【0016】
請求項3記載のアンテナ装置にあっては、矩形の放射電極の4辺を、略I字状の誘電体基材でそれぞれに支持するので、放射電極の配設が簡単な構成で確実になし得る。特に、矩形の放射電極の対向する辺を電流の励振方向としたアンテナにあっては、放射電極の4辺に電流が集中するが、その4辺が誘電体基材で確実に固定でき、GND電極としての導電体ベースに対する距離が振動等で変化することがなく、アンテナ特性が安定している。
【0017】
請求項4記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、誘電体基材の誘電率のバラツキにより、共振周波数が高い方にずれれば、誘電体基材の配設位置を内側に狭めることで、共振周波数を低くして所定の周波数に調整できる。誘電体基材の配設位置を内側に狭めることで共振周波数を所定の周波数に調整できるので、従来のごとく、放射電極を切り欠きまたは削る作業を必要とせず、さらには放射電極を切り欠きまたは削ることで生ずる削りかすが生じない。当然に、この削りかすを除去する手間も省ける。
【0018】
請求項5記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、誘電体基材の誘電率のバラツキにより、共振周波数が低い方にずれれば、誘電体基材の配設位置を外側に拡大することで、共振周波数を高くして所定の周波数に調整できる。誘電体基材の配設位置を外側に拡大することで共振周波数を所定の周波数に調整できるので、従来のごとく、放射電極を切り欠きまたは削る作業を必要とせず、さらには放射電極を切り欠きまたは削ることで生ずる削りかすが生じない。当然に、この削りかすを除去する手間も省ける。
【0019】
請求項6記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされていない長い対角線となる隅を支持する誘電体基材の4つの略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらすことで、長い対角線方向を励振方向とする低い共振周波数を調整することができる。誘電体基材の誘電率のバラツキにより、2つの共振周波数の一方の低い共振周波数を調整するのに効果的である。
【0020】
請求項7記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされた短い対角線となる隅を支持する誘電体基材の4つの略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらすことで、短い対角線方向を励振方向とする高い共振周波数を調整することができる。誘電体基材の誘電率のバラツキにより、2つの共振周波数の一方の高い共振周波数を調整するのに効果的である。
【0021】
請求項8記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、放射電極に対して誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、放射電極の中央と給電端子を通過する方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらすことで、放射電極と誘電体基材の接する面積を調整して、共振周波数全体を調整することができる。誘電体基材の誘電率のバラツキに対して、2つの共振周波数全体を調整するのに効果的である。
【0022】
請求項9記載のアンテナ装置の調整方法にあっては、請求項2記載のアンテナ装置において、放射電極に対して誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、放射電極の中央と給電端子を通過する方向に対して直交方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらすことで、放射電極と誘電体基材の接する面積を調整して、共振周波数全体を調整することができる。誘電体基材の誘電率のバラツキに対して、2つの共振周波数全体を調整するのに効果的である。請求項8の調整方法とは、インピーダンスの変化が異なる。そこで、インピーダンスをいずれに調整するかに応じて、請求項8または請求項9のいずれかの調整方法を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ装置の第1実施例の分解斜視図である。図2は、図1に示す本発明のアンテナ装置の利得を示す図である。図3は、比較するために図24に示す従来のアンテナ装置の利得を示す図である。
【0024】
図1に示す本発明のアンテナ装置の第1実施例にあっては、GND電極としての導電体ベース10の上に、中央部に空きスペースを設けるとともに偏平で上から見て外形が全体として略矩形の環状で4つに分割された誘電体基材22が配設される。この誘電体基材22は、4つの略L字状の部分からなる。そして、誘電体基材22の4つの略L字状の上面で4隅をそれぞれに支持するようにして放射電極14が配設される。さらに、放射電極14の中央位置より1つの辺側にずらして給電端子16が設けられて、放射電極14の対角線方向が電流の励振方向となるように構成されている。なお、放射電極14は、1つの対角線の対向する2つの隅が面取り状に僅かに切り落とされた略矩形である。
【0025】
図1に示す本発明のアンテナ装置にあっては、図2に示すごとく、天頂の0°で2.8dBicの利得で、平均で−1.6dBicの利得が得られた。そして、図24に示す従来のアンテナ装置にあっては、図3に示すごとく、天頂の0°で3.1dBicの利得で、平均で−1.7dBicの利得であった。なお、図2と図3に示すアンテナ特性において、誘電体基材12、22および放射電極14の外形寸法が同じもので比較している。実用的には、天頂の0°で、0dBic以上の利得があれば良く、本発明のアンテナ装置は実用上で何ら問題がない。また、本発明のアンテナ装置の軸比が2.2dBであるのに対して、従来のアンテナ装置の軸比は2.1dBであった。実用上で、本発明のアンテナ装置と従来のアンテナ装置は、同等のアンテナ特性が得られることが、確認された。
【0026】
本発明のアンテナ装置にあっては、誘電体基材22は、上述のごとくき略L字状のものに限られない。図4に示すごとく、誘電体基材24は、中央部に空きスペースを設けるとともに偏平で上から見て外形が全体として略矩形の環状で4つに分割されていて4つの略L字状であるが、略L字状を形成する角部の内側に三角部分を設けたものであっても良い。さらに、図5に示すごとく、略L字状を形成する角部の内側に設けた三角部分を大きくして、誘電体基材26が、4つの略3角形としたものを中央部に空きスペースを設けるように配設したものであっても良い。また、図6に示すごとく、誘電体基材28は、4つの略I字状の部材を中央部に空きスペースを設けるように配設したものであっても良い。さらに、図7に示すごとく、誘電体基材30は、中央部に空きスペースを設けるとともに偏平で上から見て外形が全体として略円形の環状で4つに分割されて円弧状のものであっても良い。
【0027】
図1と図4および図5に示す誘電体基材22、24、26にあっては、略矩形の放射電極14の4隅をそれぞれに支持するのに好適である。ここで、放射電極14は、図8(a)に示すように、1つの対角線の2つの隅が面取り状に僅かに切り落とされており、その対角線の長さd1が、隅が切り落とされていない他方の対角線の長さd2より僅かに短く設定されている。短い対角線の長さd1方向に、高い周波数の共振周波数の電流が励振され、他方の長い対角線の長さd2方向に、低い周波数の共振周波数の電流が励振される。また、放射電極14は、図8(b)に示すように、1つの対角線の1つの隅が面取り状に僅かに切り落とされて、その対角線の長さd1が、隅が切り落とされていない他方の対角線の長さd2より僅かに短く設定されるようにしても良い。かかる構成では、矩形の放射電極の4隅を、誘電体基材22、24、26で確実に支持できるので、放射電極14の配設が簡単な構成で確実になし得るとともに、対角線を電流の励振方向とした共振周波数の電流が放射電極14の4隅に集中するが、その4隅が誘電体基材22、24、26で確実に固定できるので、GND電極としての導電体ベース10に対する距離が振動等で変化することがなく、アンテナ特性が安定している。
【0028】
さらに、図6に示す誘電体基材28にあっては、略矩形の放射電極14の4辺をそれぞれに支持するのに好適である。ここで、放射電極14は、図9に示すように、中央位置より1つの隅側にずらして給電端子16が設けられており、しかも略矩形の放射電極14の縦横の長さd1、d2が僅かに相違して設定され、短い間隔のd1で対向する2辺の直交方向に高い周波数の共振周波数の電流の励振され、長い間隔のd2で対向する2辺の直交方向に低い周波数の共振周波数の電流の励振される。かかる構成では、矩形の放射電極の4辺を、誘電体基材28で支持するので、放射電極14の配設が簡単な構成で確実になし得るとともに、対向する辺の直交方向を電流の励振方向とした共振周波数の電流が放射電極14の4辺に集中するが、その4辺が誘電体基材28で確実に固定できるので、GND電極としての導電体ベース10に対する距離が振動等で変化することがなく、アンテナ特性が安定する。
【0029】
そして、図7に示す誘電体基材30にあっては、略円形の放射電極(図示せず)を支持するのに好適である。
【0030】
上述の図1に示す本発明のアンテナ装置にあっては、放射電極14に対する誘電体基材22の配設位置を調整することで、共振周波数の調整が容易にできる。これは、放射電極14に対する誘電体基材22の配設位置を調整することで、放射電極14と誘電体基材22の接する面積が調整され、誘電体基材22による波長短縮効果の大きさが相違し、放射電極14の大きさは一定であるので、共振周波数の変化が生ずる。すなわち、放射電極14と誘電体基材22の接する面積が大きくなれば、波長短縮効果が大となって共振周波数は低くなり、放射電極14と誘電体基材22の接する面積が小さくなれば、波長短縮効果が小となって共振周波数は高くなる。そこで、かかる作用効果は、誘電体基材22が製造ロット毎に誘電率にバラツキを生ずる虞があるが、これに起因して共振周波数が変化するのに対応して、共振周波数を調整するのに好適である。まず、図10(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22が配設されている。そして、かかる配設で、図10(b)に示すごときインピーダンスであるとともに図10(c)に示すごときVSWR特性であったとする。ここで、共振周波数全体を低い方向に調整するには、図11(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの部材を、放射電極14の中央と給電端子16を通る方向(図11で、縦方向)で互いに内側に狭まるように配設位置をずらせば良い。すると、図11(b)に示すごとくインピーダンスは右回りに変動し、図11(c)に示すごとくVSWR特性は全体として低い周波数方向に変動する。また、共振周波数全体を高い方向に調整するには、図12(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの部材を、放射電極14の中央と給電端子16を通る方向(図12で、縦方向)で互いに外側に拡大するように配設位置をずらせば良い。すると、図12(b)に示すごとくインピーダンスは左回りに変動し、図12(c)に示すごとくVSWR特性は全体として高い周波数方向に変動する。さらに、共振周波数全体を低い方向に調整する別の方法としては、図13(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの部材を、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と直交する方向(図13で、横方向)で互いに内側に狭まるように配設位置をずらせば良い。すると、図13(b)に示すごとくインピーダンスは左回りに変動し、図13(c)に示すごとくVSWR特性は全体として低い周波数方向に変動する。また、共振周波数全体を高い方向に調整する別の方法としては、図14(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの部材を、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と直交する方向(図14で、横方向)で互いに外側に広がり拡大するように配設位置をずらせば良い。すると、図14(b)に示すごとくインピーダンスは右回りに変動し、図14(c)に示すごとくVSWR特性は全体として高い周波数方向に変動する。図11と図12に示す調整方法と、図13と図14に示す調整方法にあっては、共振周波数の変動に伴うインピーダンスの変動方向が相違し、所望のインピーダンスに応じていずれかの調整方法を選択することができる。
【0031】
また、共振周波数全体を低い方向に調整するには、図15(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの略L字状の部材の全てを、対角線方向に内側に狭めてずらして配設しても良い。すると、図15(b)に示すごとくインピーダンスは大きな変動がなく、図15(c)に示すごとくVSWR特性は全体として低い周波数方向に変動する。共振周波数全体を高い方向に調整するには、図16(a)に示すごとく、放射電極14に対して誘電体基材22の4つの略L字状の部材の全てを、対角線方向に外側に拡大してずらして配設しても良い。すると、図16(b)に示すごとくインピーダンスは大きな変動がなく、図16(c)に示すごとくVSWR特性は全体として高い周波数方向に変動する。この図15と図16に示す調整方法にあっては、インピーダンスの変動なしに、共振周波数全体を調整するのに好適である。
【0032】
さらに、放射電極14の2つの共振周波数を、1つずつ調整できれば、所望のアンテナ特性を得るのにより好適である。そこで、2つの共振周波数の一方の高い共振周波数を調整する方法を以下に説明する。まず、図17(a)に示すごとく、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と反対方向で外側(図17で、縦方向上側)に向けて配設位置をずらす。すると、図17(d)に示すごときVSWR特性のものが、図17(e)に示すVSWR特性のごとく、高い共振周波数がより高い方向にずれる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく外側にずらせば、図17(f)に示すVSWR特性のごとく、高い共振周波数がより高い方向にずれる。低い共振周波数の変動は、ほとんど認められない。そこで、高い共振周波数の変動は、図17(g)に示すように、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を外側にずらすほど、高い方に変動する。ここで、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と反対方向で内側(図17で、縦方向下側)に向けて配設位置をずらすと、図17(c)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し低い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく内側にずらせば、図17(b)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより低い方向にずれる。なお、図17(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。また、図18(a)に示すごとく、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と直交する方向で外側(図18で、横方向右側)に向けて配設位置をずらす。すると、図18(d)に示すごときVSWR特性のものが、図18(e)に示すVSWR特性のごとく、高い共振周波数がより高い方向にずれ、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きくずらせば、図18(f)に示すごとく、高い共振周波数がさらに高い方向にずれる。そして、高い共振周波数の変動は、図18(g)に示すように、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を外側にずらすほど、高い方に変動する。ここで、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と直交する方向で内側(図18で、横方向左側)に向けて配設位置をずらすと、図18(c)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し低い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく内側にずらせば、図18(b)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより低い方向にずれる。なお、図18(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。さらに、図19(a)に示すごとく、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、対角線の方向で外側(図19で、斜め右上側)に向けて配設位置をずらす。すると、図19(d)に示すごときVSWR特性のものが、図19(e)に示すVSWR特性のごとく、高い共振周波数がより高い方向にずれ、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きくずらせば、図19(f)に示すごとく、高い共振周波数がさらに高い方向にずれる。そして、高い共振周波数の変動は、図19(f)に示すように、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を、短い対角線d1の方向で外側にずらすほど、高い方向に変動する。ここで、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、対角線の方向で内側(図19で、斜め左下側)に向けて配設位置をずらすと、図19(c)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し低い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく斜め左下側にずらせば、図19(b)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより低い方向にずれる。なお、図19(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。なお、2つの共振周波数の一方の高い共振周波数を調整する方法として、図17、図18、図19で示した方法は、短い対角線d1となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置をずらしたものであるが、短い対角線d1となる2つの隅の誘電体基板22の2つの配設位置をともに点対称となるようにずらしても良い。
【0033】
さらに、2つの共振周波数の他方の低い共振周波数を調整する方法を以下に説明する。まず、図20(a)に示すごとく、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と反対方向で内側(図20で、縦方向下側)に向けて配設位置をずらす。すると、図20(d)に示すごときVSWR特性のものが、図20(c)に示すVSWR特性のごとく、低い共振周波数がより低い方向にずれる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく縦方向下側にずらせば、図20(b)に示すVSWR特性のごとく、低い共振周波数がより低い方向にずれる。高い共振周波数の変動は、ほとんど認められない。そして、低い共振周波数の変動は、図20(g)に示すように、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を縦方向下側にずらすほど、低い方向に変動する。ここで、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と反対方向で外側(図20で、縦方向上側)に向けて配設位置をずらすと、図20(e)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し高い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく縦方向上側にずらせば、図20(f)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより高い方向にずれる。なお、図20(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。また、図21(a)に示すごとく、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と直交する方向で内側(図21で、横方向右側)に向けて配設位置をずらす。すると、図21(d)に示すごときVSWR特性のものが、図21(c)に示すVSWR特性のごとく、低い共振周波数がより低い方向にずれ、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく横方向右側にずらせば、図21(b)に示すごとく、低い共振周波数がさらに低い方向にずれる。そして、低い共振周波数の変動は、図21(g)に示すように、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を横方向右側にずらすほど、低い方向に変動する。ここで、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、放射電極14の中央から給電端子16が設けられた方向と反対方向で外側(図21で、横方向左側)に向けて配設位置をずらすと、図21(e)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し高い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく横方向左側にずらせば、図21(f)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより高い方向にずれる。なお、図21(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。さらに、図22(a)に示すごとく、長い対角線d2なる1つの隅の誘電体基板22の1つを、長い対角線d2の方向で内側(図22で、斜め右下側)に向けて配設位置をずらす。すると、図22(d)に示すごときVSWR特性のものが、図22(c)に示すVSWR特性のごとく、低い共振周波数がより低い方向にずれ、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく斜め右下側にずらせば、図22(b)に示すごとく、低い共振周波数がさらに低い方向にずれる。そして、低い共振周波数の変動は、図22(g)に示すように、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置を、長い対角線d2の方向で内側の斜め右下側にずらすほど、低い方向に変動する。ここで、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つを、対角線の方向で外側(図22で、斜め左上側)に向けて配設位置をずらすと、図22(e)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数が少し高い方向にずれる。しかも、高い共振周波数と低い共振周波数を区分できない状態となる。さらに、誘電体基板22の1つの配設位置をより大きく斜め左上側にずらせば、図22(f)に示すVSWR特性のごとく、共振周波数がより高い方向にずれる。なお、図22(g)において、fHは高い共振周波数を示し、fLは低い共振周波数を示し、f0は平均の共振周波数を示す。なお、2つの共振周波数の一方の低い共振周波数を調整する方法として、図20、図21、図22で示した方法は、長い対角線d2となる1つの隅の誘電体基板22の1つの配設位置をずらしたものであるが、長い対角線d2となる2つの隅の誘電体基板22の2つの配設位置をともに点対称となるようにずらしても良い。
【0034】
上記の共振周波数の調整方法は、図8に示した放射電極14の対角線方向を電流の励振方向とするアンテナ装置につき説明したが、図9に示す対向する辺に対して直交する方向を電流の励振方向とするアンテナ装置にあっても共振周波数の調整が可能である。放射電極14と誘電体基材28の接する面積を調整して、誘電体基材28による波長短縮効果の大きさを相違させて共振周波数の変化が生じさせれば良く、図9において、4つの略I字状の部材からなる誘電体基材28を、部材の全ての配設位置を内側に狭めて、または外側に拡大すれば良い。また、図9において左右の横方向に配設される誘電体基材28の1つまたは2つの部材の配設位置を、横方向で内側または外側にずらすことで、共振周波数を調整することも可能である。さらに、図9において、上下の縦方向に配設される誘電体基材28の1つまたは2つの部材の配設位置を、縦方向で上側または下側にずらすことで、共振周波数を調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のアンテナ装置の第1実施例の分解斜視図である。
【図2】図1に示す本発明のアンテナ装置の利得を示す図である。
【図3】比較するために、従来のアンテナ装置の利得を示す図である。
【図4】本発明のアンテナ装置に用い得る他の誘電体基材で、4つの略L字状で角部の内側に三角部分を設けた構造の斜視図である。
【図5】本発明のアンテナ装置に用い得る他の誘電体基材で、4つの略3角形とした構造の斜視図である。
【図6】本発明のアンテナ装置に用い得る他の誘電体基材で、4つの略I字状とした構造の斜視図である。
【図7】本発明のアンテナ装置に用い得る他の誘電体基材で、略円形の環状で4つに分割されて円弧状とした構造の斜視図である。
【図8】中央位置より1つの辺側にずらして給電端子が設けられた放射電極の構造を示す図であり、(a)は1つの対角線の2つの隅が面取り状に僅かに切り落とされた形状を示し、(b)は1つの対角線の1つの隅が面取り状に僅かに切り落とされた形状を示す。
【図9】中央位置より1つの隅側にずらして給電端子が設けられた放射電極の構造を示す図である。
【図10】共振周波数全体を調整する場合の基の調整前の状態を示し、(a)は放射電極に対する誘電体基材の配設位置を示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図11】共振周波数全体を低い方向に調整する方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材全てを、放射電極の中央から給電端子が設けられた方向に向けて配設位置をずらすことを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図12】共振周波数全体を高い方向に調整する方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材全てを、放射電極の中央から給電端子が設けられた方向と反対方向に向けて配設位置をずらすことを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図13】共振周波数全体を低い方向に調整する別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材全てを、放射電極の中央から給電端子が設けられた方向と直交する方向で上から見て左側に向けて配設位置をずらすことを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図14】共振周波数全体を高い方向に調整する別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材全てを、放射電極の中央から給電端子が設けられた方向と直交する方向で上から見て右側に向けて配設位置をずらすことを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図15】共振周波数全体を低い方向に調整するさらに別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材の全てを、内側に狭めてずらして配設することを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図16】共振周波数全体を高い方向に調整するさらに別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して誘電体基材の4つの部材の全てを、外側に拡大してずらして配設することを示し、(b)はそのインピーダンスを示し、(c)はVSWR特性を示す。
【図17】2つの共振周波数の高い共振周波数のみを高い方向に調整する方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の上側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図18】2つの共振周波数の高い共振周波数のみを高い方向に調整する別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の横外側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図19】2つの共振周波数の高い共振周波数のみを高い方向に調整するさらに別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の対角線方向で外側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図20】2つの共振周波数の低い共振周波数のみを低い方向に調整する方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の上側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図21】2つの共振周波数の低い共振周波数のみを低い方向に調整する別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の横外側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図22】2つの共振周波数の低い共振周波数のみを低い方向に調整するさらに別の方法の説明図であり、(a)は放射電極に対して短い対角線の誘電体基材の1つの部材を、放射電極の対角線方向で外側に配設位置をずらすことを示し、(b)はずらす前のVSWR特性を示し、(c)は少しだけずらした状態のVSWR特性を示し、(d)は多くずらした状態のVSWR特性を示し、(e)はずらした距離に対する共振周波数の変化を示すグラフである。
【図23】従来の平面型のアンテナ装置の分解斜視図である。
【図24】他の従来の平面型のアンテナ装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
10 導電体ベース
12、13、22、24、26、28、30 誘電体基材
14 放射電極
16 給電端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GND電極としての導電体ベースの上に偏平な誘電体基材を配設し、この誘電体基材の上面に放射電極を配設したアンテナ装置において、前記誘電体基材を、中央部に空きスペースを設けるとともに上から見て4つに分割して前記放射電極の周縁部を略環状に支持するように構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置において、前記放射電極が1つの隅または対向する2つの隅が面取り状に僅かに切り落とされた略矩形であり、前記誘電体基材を、前記放射電極の4隅をそれぞれに支持するように4つの略L字状とし、前記放射電極の対角線方向が電流の励振方向となるように前記放射電極の中央位置より1つの辺側にずらして給電端子を設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ装置において、前記放射電極が矩形であり、前記誘電体基材を、前記放射電極の4辺をそれぞれに支持するように4つの略I字状とし、前記放射電極の対向する2辺の直交方向が電流の励振方向となるように前記放射電極の中央位置より1つの隅側にずらして給電端子を設けて構成したことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の全ての配設位置を内側に狭めて、共振周波数を低い方に調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項5】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の全ての配設位置を外側に拡大して、共振周波数を高い方に調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項6】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされていない長い対角線となる隅を支持する前記誘電体基材の前記略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらして、前記長い対角線方向を励振方向とする低い共振周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項7】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記放射電極の隅が切り落とされた短い対角線となる隅を支持する前記誘電体基材の前記略L字状の部材の1つまたは2つの配設位置を内側または外側にずらして、前記短い対角線方向を励振方向とする高い共振周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項8】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、前記放射電極の中央と前記給電端子を通る方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらして、共振周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項9】
請求項2記載のアンテナ装置において、前記放射電極に対して前記誘電体基材の前記4つの略L字状の部材の配設位置を、前記放射電極の中央と前記給電端子を通る方向に対して直交方向で内側に狭めてまたは外側に拡大するようにずらして、共振周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2010−154215(P2010−154215A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330106(P2008−330106)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】