説明

アンテナ装置

【課題】 簡単な構成で防水を行うことができ、その防水のために組み立て工程が増加することがない。
【解決手段】 ケースが、本体部2と蓋4とからなる。本体部2内に、異なる指向性を示すように複数のダイポールアンテナが配置されている。本体部2内に指向性調整部52が設けられ、ダイポールアンテナ26の出力信号を合成して、合成指向性を、所望の指向性とする。本体部2は、その内部に、指向性調整部52を包囲するように本体部2と一体に第1区画壁54を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、ケースに収容されたアンテナエレメントの防水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のようなアンテナ装置の一例が特許文献1に開示されている。このアンテナ装置は、平面形状が概略八角形状のケース内に、4本のUHF帯用の八木形アンテナが、異なる方向から到来する電波をそれぞれ受信するように設けられている。更に、ケース内には、十字状にVHF帯受信用の合計4本の伸縮可能なロッドアンテナが設けられている。これらロッドアンテナは、このアンテナの設置時に、各ロッドアンテナの先端をケースから引き出して使用される。ケースは、上面が開口した本体部と、この上部開口を被蓋する蓋とからなる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−36327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアンテナ装置では、ケースが本体部と蓋とから構成されているので、このアンテナ装置を使用している状態において、本体部と蓋との接触部分から内部に水が侵入する可能性がある。特に、上述した各八木形アンテナまたは各ロッドアンテナからの信号を合成し、これらアンテナの合成指向性を変化させるための電子回路が本体部の内部に設けられている場合には、この電子回路に水がかかることを防止する必要がある。そのためには、本体部と蓋との接触部分にパッキング等を付設することが考えられるが、新たにパッキングという部品を負荷しなければならず、アンテナ装置の構成が複雑になる上に組み立て工程が増加する。
【0005】
本発明は、簡単な構成で防水を行うことができ、かつその防水のために組み立て工程が増加することがないアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるアンテナ装置は、ケースを有している。このケースは、開口を有する本体部と、前記開口を被蓋する蓋とを、備えている。本体部は、その上部に上記開口を有するものが望ましい。本体部は、底壁部とそれの周囲を包囲する周壁とを備えるものが望ましい。ケースは、扁平であることが望ましい。前記本体部内に、異なる指向性を示すように複数の指向性アンテナが配置されている。複数の指向性アンテナは、例えば第1の周波数帯用の複数の指向性アンテナと、第2の周波数帯用の複数の指向性アンテナとを備えることが望ましく、第1の周波数帯用の複数の指向性アンテナがそれぞれ異なる指向性を示すように配置され、第2の周波数帯用の複数の指向性アンテナがそれぞれ異なる指向性を示すように配置されている。前記本体部内に指向性調整部が設けられている。指向性調整部は、前記複数の指向性アンテナの出力信号を合成して、前記複数の指向性アンテナの合成指向性を、所望の指向性とする。この所望の指向性の方向を任意の方向に変更可能に指向性調整部を構成することが望ましい。前記本体部内に、前記指向性調整部を包囲するように本体部と一体に第1区画壁が設けられている。
【0007】
この構成では、第1区画壁が指向性調整部を包囲するように本体部に形成されているので、本体部と蓋との隙間から水が本体部内に侵入したとしても、第1区隔壁によってそれ以上に侵入することが阻止される。従って、指向性調整部が水に濡れることはない。しかも、第1区画壁は本体部と一体に形成されているので、第1区画壁を設けるための特定の工程は不要である。
【0008】
前記蓋にも、前記指向性調整部を包囲するように、第1区画壁よりも外側に第2区画壁を設けることができる。この構成では、外部からの風等により吹き付けられた水滴が蓋側に付着したとしても、第2区画壁で阻止され、本体部側に落ちる。本体部側には第1区画壁が第2の区画壁よりも内側に設けられているので、落下した水滴は、それ以上内部に侵入することはない。
【0009】
前記本体部に水抜き孔を形成することもできる。水抜き孔は、第1区画壁よりも外方に複数設けることが望ましく、更に、第1区画壁よりも内側に複数設けることもできる。
【0010】
このように水抜き孔を本体部に形成すると、たとえ本体部内に侵入した水も水抜き孔から外部に放出される。従って、本体部内の湿度が上昇することがなく、このアンテナの周囲温度の低下が生じても、ほとんど結露することがない。
【0011】
第1区画壁が、前記複数の指向性アンテナに接触し、これら指向性アンテナを支持することができる。この構成では、第1区画壁が各指向性アンテナの支持体としても機能するので、別途支持体を設ける必要がない。
【0012】
前記複数の指向性アンテナは、2つの第1エレメントを有するものとできる。この場合、2つの第1エレメントは、本体部内に、2つの第1エレメントの先端部が外方側に位置するように設けられている。2つの第1エレメントの先端部に、2つの第2エレメントの基端部が、電気的にそれぞれ接続されている。各第2エレメントはエレメントケースに収容されている。この収容状態において、第2エレメントの基端部が、各エレメントケースの基端部に位置している。各第2エレメントの基端部が各第1エレメントの先端部と電気的に接続される状態に、2つのエレメントケースの基端部がそれぞれ前記本体部内に挿入されている。各エレメントケースの長さ方向の中途の周縁部には第1突状部が形成されている。前記ケースは、前記各エレメントケースの挿入口を有し、これら挿入口に前記各エレメントケースをそれぞれ挿入した状態で各第1突状部に面接触する第2突状部が前記挿入口の周囲にそれぞれ形成されている。
【0013】
この構成では、指向性アンテナが、ケース内にある第1エレメントと、ケース外のエレメントケース内に収容された第2エレメントとからなるので、第2エレメントをケースから分離可能である。従って、このアンテナの梱包時に、その梱包が嵩張らない。しかし、このアンテナの使用時には、第2エレメントを収容したエレメントケースをケースに挿入しなければならないが、この挿入部分から水がケース内に侵入する可能性がある。そこで、エレメントケースの基端部に第1突状部を設け、ケースの挿入口に第2突状部を設け、第1突状部と第2突状部とを接触させることによって、第2突状部よりも奥に水が侵入することを防止している。
【0014】
前記蓋の内面には、少なくとも第3突状部を形成することもできる。第3突状部は、前記各挿入口よりもそれぞれ奥側において前記挿入口の幅方向に横切って位置し、前記エレメントケースの上面に接触している。この第3突状部よりもさらに奥側に同様な突状部を形成することもできる。
【0015】
このように少なくとも第3突状部を形成すると、第1及び第2突状部の面接触だけでは水の侵入を防止できなかった場合に、エレメントケースの上部を奥に向かって進行する水は、第3突状部によって阻止され、第3突状部よりも奥に水が進行することが防止できる。第3突状部よりも奥に同様な突状部を設けた場合には、この奥の突状部よりもさらに奥には殆ど水が侵入することがない。
【0016】
さらに、前記各エレメントケースの基端部の下部から上方に立ち上がり、その立ち上がりの上端から奥に向かって非下降、例えば水平または上方に伸びる段部を形成することもできる。この段部に近傍の本体部に水抜き孔を形成することが望ましい。
【0017】
このように構成すると、第1及び第2突状部の面接触だけでは水の侵入を防止できなかった場合に、エレメントケースの下部を奥に向かって進行する水は、この段部で阻止され、これよりも奥に進行することがない。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によるアンテナ装置では、区画壁という簡単な構成で防水を行うことができ、しかも、区画壁は本体部に一体に形成されているので、このアンテナ装置の組み立て工程が増加することがない
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の1実施形態のアンテナ装置は、図1に示すように、本体部2を有している。この本体部2は、例えば合成樹脂製で、その平面形状が概略八角形状のもので、周縁部から中央に向かうに従って下方に傾斜し、上部が開口している。この上部開口を同じく平面形状が八角形状の蓋4が被蓋している。蓋4も、例えば合成樹脂製で、周縁部から中央に向かうに従って上方に傾斜している。これら本体部2と蓋4によってケース1が構成されている。
【0020】
本体部2は、図2に示すように底壁部2aを有し、その周囲に周壁部2bを有している。この周壁部2bは、図2に示すように、1つの仮想直線の両端部にこの仮想直線と直交するように1対の曲線状の端部6a、6aを有している。さらに、周壁部2bは、この仮想直線と直交する別の仮想直線の両端に、この別の仮想直線と直交するように1対の曲線状の端部6b、6bを有している。これら端部6a、6a、6b、6b間を繋ぐように円弧状縁部8、8、8、8が形成されている。これら端部6a、6b、円弧状縁部8は、いずれも底壁部2aに対してほぼ垂直に上方に立ち上がるように、底壁部2aの周縁に、これと一体に形成されている。
【0021】
蓋4も、図1に示すように、本体部2と同様に上壁部4a、周壁部4bから構成されている。周壁部4bは、2対の直交する端部10a、10a、10b、10bと、これらを繋ぐ円弧状縁部12、12、12、12とからなり、上壁部4aに対してほぼ垂直に上壁部4aの周縁に、これと一体に形成されている。
【0022】
図2に示すように、本体部2内には、端部6a、6a間を跨ぐように、指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ14が配置されている。このダイポールアンテナ14と所定の間隔を隔てて平行に指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ16が配置されている。これらダイポールアンテナ14、16は、それぞれ2つのエレメント14a、14b、16a、16bから構成されている。
【0023】
同様に、本体部2内には、端部6b、6b間を跨ぐように、指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ18が配置されている。このダイポールアンテナ18と所定の間隔を隔てて平行に指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ20が配置されている。これらダイポールアンテナ18、20も、それぞれ2つのエレメント18a、18b、20a、20bから構成されている。
【0024】
各エレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20bは、長方形状のプリント基板であって、これをエッチングすることによって線路が形成されている。これら線路の長さは、第1の周波数帯、例えばUHF帯のテレビジョン放送信号を受信可能に選択されている。これら各エレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20bは、それらの表面が底壁部2aに対して垂直となるように配置されている。
【0025】
ダイポールアンテナ14、16は、端部6b、6bを繋ぐ方向に指向性を示し、ダイポールアンテナ18、20は、端部6a、6aを繋ぐ方向に指向性を示す。即ち、ダイポールアンテナ14、16の指向性と、ダイポールアンテナ18、20の指向性とは異なる方向である。
【0026】
本体部2の端部6a、6aの距離、端部6b、6b間の距離をそれぞれ短くして、本体部2を小型化するために、エレメント14a、18bの内方端部、エレメント14b、20bの内方端部、エレメント16a、18aの内方端部、エレメント16b、20aの内方端部が各ボス22上で交差している。これら各ボス22は、底壁部2aから上方に向かって突出するように、底壁部2aと一体に形成されている。各ボス22は、これらエレメントを支持している。
【0027】
図1に示すように、ダイポールアンテナ14、16の間に、これらと平行に指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ24が配置されている。同様に、ダイポールアンテナ18、20の間に、これらと平行に指向性アンテナ、例えばダイポールアンテナ26が配置されている。これらダイポールアンテナ24、26は、第2の周波数帯、例えばUHF帯のテレビジョン放送信号を受信可能なものである。ダイポールアンテナ24は、端部6b、6b方向に指向性を示し、ダイポールアンテナ26は端部6a、6a方向に指向性を示す。即ち、異なる方向にダイポールアンテナ24、26は指向性を示す。
【0028】
ダイポールアンテナ24は、本体部2内に収容されている第1エレメント24a、24bを有している。また、ダイポールアンテナ24は、エレメントケース28a、28b内に収容された第2エレメント24c、24dも有している。
【0029】
第1エレメント24a、24bも、プリント基板をエッチングすることによって、線路が形成されたもので、その表面が底壁部2aと平行に配置されている。これら第2エレメント24a、24bは、それらの内方端部側において、底壁部2aから上方に突出するように底壁部2aに一体に形成された支持体30a、30bによって支持されると共に、その先端部、即ち外方端部側に底壁部2aから上方に突出するように底壁部2aに一体に形成されているボス32a、32bによっても支持されている。
【0030】
第2エレメント24c、24dも、図3に示すように、それぞれ2つのプリント基板34a、34b、36a、36bをエッチングすることによって形成した線路を短縮コイル38a、38bによって接続したもので、それらの表面が第1エレメント24a、24bと同一直線上に位置し、これらとほぼ平行となるようにエレメントケース28a、28b内にその長さ方向に沿って収容されている。
【0031】
このエレメントケース28a、28bの基端部が、図1乃至図3に示すように、本体部2の端部6a、6a、蓋4の端部10a、10aに形成した挿通孔40a、40bを通って本体部2内に侵入している。ボス32a、32b上で、プリント基板34a、34bが第1エレメント24a、24bと電気的に接触している。そして、ボス32a、32bの下側から挿通された固定手段、例えばねじ42a、42bによって機械的にも第1エレメント24a、24bに結合されている。
【0032】
図1に示すように、エレメントケース28a、28bの基端部の外周部に一体に外方に向かって突出する環状の第1突状部44a、44bが形成されている。挿通孔40a、40bの内周面には、図5及び図6に拡大して示すように、内側に向かって突出する第2突状部46a、46bが一体に形成されている。そして、上述したようにエレメントケース28a、28bを挿入口40a、40bに挿入した状態では、第1突状部44a、44bと第2突状部46a、46bがそれぞれ面接触し、挿入口40a、40bから雨水等が、ケース1内に侵入することを防止している。
【0033】
さらに、図5及び図6に示すように、挿入口40a、40bの奥側では、蓋4の内面に第3突状部47a、47bが形成されている。これら第3突状部47a、47bは、挿入口40a、40bを幅方向に横切るように、かつエレメントケース28a、28bの上面に接触するように形成されている。
【0034】
同様に、第3突状部47a、47bよりも更に奥にあるねじ42a、42bの先端が挿通される蓋4の内面部分の両側にも、挿入口40a、40bを幅方向に横切って第4突状部49a、49bが形成されている。
【0035】
このように第3及び第4突状部47a、47b、49a、49bが形成されているので、たとえ第1及び第2の突状部44a、44b、46a、46bの面接触のみでは水の侵入を防止できなかった場合に、エレメントケース28a、28bの上面を奥に向かって進行する水は、第3突状部47a、47bによって、それ以上の進行を阻止される。仮に、第3突状部47a、47bによって水の進行が阻止できなかったとしても、更に奥にある第4突状部49a、49bによって水の進行が阻止される。
【0036】
さらに、エレメントケース28a、28bの基端部の下部には、図5及び図6に示すように段部29a、29bが形成されている。この段部29a、29bは、エレメントケース28a、28bの基端部下部から上部に、例えば垂直に立ち上がり、その立ち上がりの上端から、更に奥に向かって、非下降、例えば水平に伸びている。
【0037】
このように段部29a、29bを設けてあるので、たとえ第1及び第2の突状部44a、44b、46a、46bの面接触のみでは水の侵入を防止できなかった場合に、エレメントケース28a、28bの下部を奥に向かって進行する水は、段部29a、29bの立ち上がり部で阻止され、それ以上に奥に進行することはない。この段部29a、29bの立ち上がり部に貯まった水は、やがて落下し、その近傍の本体部2に形成されている後述する水抜き孔58から外部に放出される。
【0038】
ダイポールアンテナ26も、本体部2内に収容されている第1エレメント26a、26bと、エレメントケース50a、50b内に収容された第2エレメント26c、26dを有している。これら第1エレメント26a、26b、エレメントケース50a、50b、第2エレメント26c、26dは、上述したダイポールアンテナ24の第1エレメント24a、24b、第2エレメント24c、24d、エレメントケース28a、28bと同様に構成され、同様に支持されているので、その詳細な説明は省略する。無論、エレメントケース50a、50bには、エレメントケース28a、28bの第1の突状部44a、44bと同様に第1の突状部52a、52bが形成され、本体部2の端部6b、6bに設けられた挿入口54a、54bには、挿入口40a、40bの第2の突状部46a、46bと同様に第2の突状部56a、56bが形成され、蓋4側に第3の突状部55a、55b、第4の突状部57a、57bが形成され、エレメントケース50a、50bの基端部下部には、段部29aと同様な段部が形成されている。
【0039】
第1エレメント24a、24b、26a、26bの内方端部、即ち本体部2の中央部には、指向性調整部52が配置されている。指向性調整部52は、UHF帯用のダイポールアンテナ14、16、18、20の受信信号の位相調整及びレベル調整を行って、これらアンテナ14、16、18、20の合成指向性を所望の方向に向けるための電子回路と、VHF帯用のダイポールアンテナ28、50の受信信号のレベル調整を行って、これらアンテナ28、50の合成指向性を所望の方向に向けるための電子回路とを、備えている。これら2つの合成指向性の方向は、指向性調整部52によって任意の方向に可変できる。
【0040】
図2に示すように、本体部2内の底壁部2aには、指向性調整部52を包囲するように第1区画壁54が、底壁部2aと一体に形成されている。第1区画壁54では、それの平面形状が、本体部2の周壁部2bと相似の概略八角形状に形成され、その高さ寸法は、ほぼ周壁部2bの高さ寸法と同一である。第1区隔壁54の内面側には、第1区画壁54への複数の補強体56が間隔をあけて形成されている。この第1区画壁54は、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bとそれぞれ接触し、これらの支持体としても機能している。また、第1区画壁54の内外の底壁部2aには、図2及び図4に示すように、複数の水抜き孔58が形成されている。
【0041】
蓋4の上壁部4aにも、第1区画壁54と同様に第2区隔壁60が上壁部4aと一体に形成されている。但し、第2区画壁60は、蓋4を本体部2に取り付けた状態で、図3に示すように、第1区画壁54よりも外方に位置するように配置されている。また、第2区画壁60の先端は、この取り付け状態において、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bに接触している。従って、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bは、第1区隔壁54、第2区画壁60によって上下から挟持されている。
【0042】
このアンテナ装置によれば、第1区隔壁54、第2区画壁60が形成されているので、このアンテナ装置を使用している状態において、蓋4と本体部2との接合面から雨などの水滴が本体部2内に侵入したとしても、第1区画壁54、第2区画壁60の設置位置よりも奥に水滴が侵入しにくくなり、電子回路によって構成されている指向性調整部52までの水滴が侵入することは殆ど無い。特に、第2区画壁60が第1区画壁54よりも外側に設けられているので、本体部2内に侵入した水滴は、まず第2区画壁60に接触し、第1区画壁54よりも外側の底壁部2a側に落下し、底壁部2aにある第1区画壁54によってそれ以上、内側に入ることが阻止される。仮に、水滴が侵入したとしても、水抜き孔58から本体部2の外部に水が抜けるので、水滴が本体部2内に滞留することがない。
【0043】
また、第1区画壁54は、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bの先端側に接触し、これらを支持している。従って、第1区画壁54は、支持体としても機能しているので、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bの先端側に、第1区画壁54と別に支持体を設ける必要がない。
【0044】
また、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bは、第1区隔壁54と第2区画壁60によって、上下から挟持されているので、アンテナエレメント14a、14b、16a、16b、18a、18b、20a、20b、第1エレメント24a、24b、26a、26bが移動することはない。
【0045】
上記の実施形態では、UHF帯用のダイポールアンテナとVHF帯用のダイポールアンテナとを設けたが、いずれか一方のアンテナのみを設けることもできる。また、上記の実施の形態では、指向性アンテナとしてダイポールアンテナを使用したが、八木形アンテナや折り返しダイポールアンテナ等の他の指向性アンテナを使用することもできる。また、上記の実施の形態では、第3及び第4の突状部47a、47b、49a、49bを形成したが、いずれか一方のみを形成することができる。また、段部29a、29bでは、水平部を設けたが、これに代えて、斜め上方に伸びる傾斜部とすることもできる。また、本体部2及び蓋4は平面形状を概略八角形状としたが、これに限ったものではなく、他の形状とすることもできる。上記の実施形態では、第1区画壁56と第2区画壁60とを設けたが、第2区画壁60を除去することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の1実施形態のアンテナ装置の分解斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置の一部を除去した状態の平面図である。
【図3】図1のアンテナ装置の縦断正面図である。
【図4】図1のアンテナの底面図である。
【図5】図1のアンテナ装置の部分拡大縦断正面図である。
【図6】図1のアンテナ装置の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
2 本体部
4 蓋
14 16 18 20 24 26 ダイポールアンテナ(指向性アンテナ)
52 指向調整部
56 第1区画壁
60 第2区画壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する本体部と、前記開口を被蓋する蓋とを、有するケースと、
前記本体部内に、異なる指向性を示すように配置された複数の指向性アンテナと、
前記本体部内に設けられ、前記複数の指向性アンテナの出力信号を合成して、前記複数の指向性アンテナの合成指向性を、所望の指向性とする指向性調整部とを、
具備し、前記本体部は、その内部に、前記指向性調整部を包囲するように前記本体部と一体に第1区画壁を、設けたアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置において、前記蓋にも、前記指向性調整部を包囲するように第1区画壁よりも外側に第2区画壁が設けられているアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のアンテナ装置において、前記本体部に水抜き孔が形成されているアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか記載のアンテナ装置において、前記第1区画壁が、前記複数の指向性アンテナに接触し、これら指向性アンテナを支持しているアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか記載のアンテナ装置において、前記複数の指向性アンテナは、
前記本体部内に、それぞれの先端部が外方側に位置するように設けられている2つの第1エレメントと、
2つの第1エレメントの先端部に電気的にそれぞれの基端部が接続された2つの第2エレメントと、
各第2エレメントの基端部が、それぞれの基端部に位置するように内部に第2エレメントがそれぞれ収容され、各第2エレメントの基端部が各第1エレメントの先端部と電気的に接続される状態に、基端部がそれぞれ前記本体部内に挿入されている2つのエレメントケースと、前記各エレメントケースの長さ方向の中途の周縁部に形成された第1突状部とを、
具備し、前記ケースは、前記各エレメントケースの挿入口を有し、これら挿入口に前記各エレメントケースをそれぞれ挿入した状態で各第1突状部に面接触する第2突状部が前記挿入口の周囲にそれぞれ形成されているアンテナ装置。
【請求項6】
請求項5記載のアンテナ装置において、前記各挿入口よりもそれぞれ奥側において前記挿入口の幅方向に横切って前記蓋の内面に設けられ、前記エレメントケースの上面に接触している第3突状部を少なくとも有するアンテナ装置。
【請求項7】
請求項5または6記載のアンテナ装置において、前記各エレメントケースの基端部の下部から上方に立ち上がり、その立ち上がりの上端から奥に向かって非下降に伸びる段部が形成されているアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−25110(P2006−25110A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200581(P2004−200581)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】