説明

アンプルの製造方法及びアンプル製造用のアンプル容器

【課題】 従来用いられている容量のものについては収容液の注入を容易にし、特に、微量の収容液を収容した小容量のアンプルの製造も可能にするアンプルの製造方法及びアンプル用容器を提供する。
【解決手段】 有底の液収容部11、筒状の首部12、先端に開口部13を形成した受液部14の順に一体的に連続して形成されたガラス製のアンプル容器1を液収容部11が下方となるように立てた状態とし、上方に位置する受液部14に所定量の収容液3を注ぎ、受液部14に注いだ収容液3を首部12を通して液収容部11に移動させた後、首部12の所定位置を加熱して融封、ちぎることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学薬品などを密封状態で安定した状態に保管するために用いられるアンプルの製造方法及びアンプル製造時に用いられるアンプル製造用のアンプル容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学、生化学、薬学、医学などの分野において、化学薬品や生物由来物質の保管において、様々な形状や大きさの密閉型容器が用いられているが、化学的に安定で、物質遮断性が良く、また化学薬品や生物由来物質の保管に必要なほぼ−200℃から、加熱滅菌に必要なほぼ200℃という広い温度範囲において使用可能であるという要求を満たすものとして、ガラス素材が多く用いられており、特に、可撓性のある樹脂性あるいは弾力性のあるゴム製などの蓋を用いる場合に比べて安定した状態で保管が可能な手段として保管物質を収容したガラス製容器の開口部をブンゼンバーナなどで加熱し、ガラス素材を軟化させて融封する方法により製造される所謂、アンプルによる保管手段が古くから用いられている。
【0003】
図4は、例えば実公昭40−20467号公報等に記載されているように従来の一般的なアンプルの製造方法を示すものであって、まず、図6(a)に示すように、ガラスにより成型された有底の液収容部11と端部を開口した筒状の首部12を形成したアンプル容器1を立てた状態に保持してピペットやシリンジなどの流体注入器具2などの針状の注入部21を前記首部12の開口端13に挿入して薬液などの収容液3をシリンジ2から首部12を介して液収容部11へ注入し、次いで、図6(b)に示すように、前記首部12の所定位置においてメタンやプロパンのような高温燃焼ガスを使用したブンゼンバーナ4の1500℃程度の炎を用いて加熱することで融封、ちぎって図6(c)に示すアンプルが製造されるものである。
【0004】
ところが、前記図6に示した従来のアンプル製造方法によると、薬液などの収容液3を口径の小さい首部12の先端に形成した開口部13にシリンジ2の注入部21を確実に挿入して注入する必要があり、特に量産において自動的に挿入する際には困難な場合もあった。
【0005】
そこで、図7に示したしたように首部12の開口部13を広げて液体注入器具における針状の注入部の挿入を容易にしたアンプル容器1が、例えば実開昭48−86062号公報や特開昭54−16281号公報や提示されている。
【0006】
しかしながら、首部12の開口端13を広げたとしても首部12は収容液3の注入後に融封することから口径自体が小さいので十分な解決手段とはいえない。また、収容液3を液体注入器具における針状の注入部21を接続したシリンジ2に詰め替えるなどの手間も必要である。
【0007】
また、近頃、例えば医薬品の探索研究や生化学的なランダムスクリーニングの作業等に用いられる試薬のように1回分の使用量が1mL以下の微量である物質についてもアンプルによる保管が望まれているが、前述の如く、従来のアンプルの製造手段によると、アンプル容器の首部に挿入した液体注入器具における針状の注入部により収容液を注入することから少なくとも液体注入器具における針状の注入部が挿入可能な口径の大きさを確保する必要があり、また、液体注入器具における針状の注入部が挿入可能な口径を有する首部を融封するには高い加熱温度が必要であり、この加熱による収容した収容液に加わる熱の影響を避けることからアンプル容器を1mL以下の微量なものに適した大きさとすることができなかった。
【0008】
そのため、微量の収容液であっても容量の大きなアンプル容器を用いなければならず、ブンゼンバーナのような高温を得られる加熱器具を用いて首部の融封部分における全周にわたって時間を掛けての融封作業が必要であるばかりか保管や輸送についてもスペースの無駄があり、特に、液体窒素冷却保管のように、収容スペースが限られている保管状況においては著しく非効率である。
【0009】
さらに、収容液を大きな容量のアンプル容器に収容すると収容液がアンプル容器内の空隙に存在する気体により何らかの作用を受けたり、或いはアンプル容器内で収容液が気化してその組成が著しく損なわれたりすることになり、加えて、収容液がアンプル容器内の内壁に付着して取り出しが困難になるという問題も生じる。
【0010】
従って、従来は1回の使用量が微量な収容液であっても使用量よりも多量のものを容量の大きなアンプル容器に収容して使用しているが、首部を一旦切除すると首部が短くなることから開放したアンプル容器の再融封が困難であり、残存物は新しいアンプル容器に移し替えを行い、再度、融封を行わなければならず、収容液の移し替えによって異物の混入や内容物のロス、内容物についての組成の変化など、好ましくない状況がしばしば発生する。
【0011】
加えて、従来の容量の大きなアンプル容器を用いるには例えばメタンやプロパンのような高熱量を発生する可燃性ガスを用いたブンゼンバーナを使用する必要があるが、収容液が不活性ガス雰囲気化での扱いが望ましい場合などのように不活性ガス置換を行ったり、クリーンベンチ内で密封作業を行わなければならない場合や収容液の引火性が極めて高い場合などにはガラスアンプル容器を利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実公昭40−20467号公報
【特許文献2】実開昭48−86062号公報
【特許文献3】特開昭54−16281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記従来のアンプルの製造方法やアンプル用容器が有する問題点を解決して、従来用いられている容量のものについては収容液の注入を容易にし、特に、微量の収容液を収容した小容量のアンプルの製造も可能にするアンプルの製造方法及びアンプル用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するためになされた本発明であるアンプルの製造方法は、有底の液収容部、筒状の首部、先端に開口部を形成した受液部の順に一体的に連続して形成されたガラス製のアンプル容器を前記液収容部が下方となるように立てた状態とし、上方に位置する前記受液部に所定量の収容液を注ぎ、受液部に注いだ収容液を前記首部を通して前記液収容部に移動させた後、前記首部の所定位置を加熱して融封、ちぎることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、収容液を液体注入器具における針状の注入部を用いて首部に注入することなく液収容部と同径の受液部に開口部から注ぐだけでよく、製造作業の効率を図ることができ、また、液体注入器具における針状の注入部の挿入が困難な首部の口径の小さい微量の収容液用のアンプルについても受液部を利用して収容液を注入することもできる。
【0016】
また、本発明であるアンプルの製造方法において、受液部に貯留させた所定量の収容液に物理的な作用を加えて首部を通して液収容部に移動させる場合には、液体注入器具における針状の注入部の挿入が困難なほど小径であって低温で融封ができる首部を有する小型のアンプル容器であっても製造することができる。尚、前記物理的作用として遠心力、アンプル容器の雰囲気における気圧変化などを用いると容易に実施することができ、液収容部の外径が2〜10mmで長さが5〜100mm、前記首部の外径が0.5〜4.0mm程度のアンプルの製造も可能である。特に、液収容部、首部、受液部を形成するガラスの厚さが口径の1〜10%程度である場合にはアンプルの堅牢性が担保されるとともに融封工程を比較的低温である簡易な手段にすることができるばかりか迅速に行うこともできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、従来の容量のアンプル容器に適用した場合には液体注入器具における針状の注入部を用いなくても収容液の注入が可能であることから設備の簡素化を図ることができる。また、微量の収容液に適したアンプル容器を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を従来の容量を有するアンプル容器を用いた場合における実施の形態についての製造方法を示す説明図。
【図2】本発明を微容量のアンプル容器を用いた場合における実施の形態についての製造方法を示す説明図。
【図3】前記図2に示した実施の形態における融封時の説明図。
【図4】本発明を微容量のアンプル容器を用いた場合における実施の形態において受液部に貯留させた収容液を液収容部に移動させるための異なる手段を示す説明図。
【図5】本発明を微容量のアンプル容器を用いた場合における実施の形態において受液部に貯留させた収容液を液収容部に移動させるためのさらに異なる手段を示す説明図。
【図6】従来のアンプルの製造方法を示す説明図。
【図7】従来における異なる形式のアンプルを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
図1(a)は本発明を従来の容量のアンプルについての実施の形態に使用するアンプル容器1の一例を示すものであり、例えば、外径がほぼ10〜20mmで長さがほぼ20〜30mm程度である有底の液収容部11と、外径がほぼ3〜6mmで長さが30〜100mm程度である首部12と、前記液収容部11とほぼ同径で長さが少なくとも前記液収容部11に収容する収納液3の全量を貯留可能とする容積を確保可能な長さであって先端に開口部13を形成した受液部14とがガラス素材により一体に連続して形成されている。
【0021】
このようなアンプル容器1は、所定の口径と長さとを有するガラス管の一端を閉塞するとともに中央部を加熱して引き延ばすことにより量産可能である。
【0022】
そして、本実施の形態であるアンプル容器1を用いてアンプルを製造するには図1(b)に示すように、アンプル容器1の液収容部11を下方に受液部14を上方になるように配置し、次いで、受液部14の開口部13に所定量の収容液3を注ぐと、受液部14に注入された収容液3は自然落下により首部12を通して液収納部11に移動、収容される(図1(c)に示す状態)。そこで、図1(d)に示すように首部12の所定位置においてブンゼンバーナ4,4などの高温加熱手段を用いて融封、ちぎることによりアンプルを製造するものである。
【0023】
本実施の形態によれば、従来のアンプル製造方法のように液体注入器具における針状の注入部を用いて収容液をアンプル容器1の液収容部11に注入する必要がないので製造が容易で且つ設備も必要がないという利点を有している。
【0024】
また、例えば収容液の粘性が高く収容液を注入した際に首部12に付着して残存する収容液が後に行う融封工程時に炭化するなどの不都合が生じる場合には液体注入器具における針状の注入部を用いて注入することが可能であり、この場合においても、液体注入器具における針状の注入部を挿入するための差込口が従来のような口径の小さな首部でなく広い口径を有する受液部14の開口部13であることから差し込み工程を容易且つ確実に行うことができる。
【0025】
特に必要であれば前記図5に示した従来のアンプル容器において首部の開口部を広げて液体注入器具における針状の注入部の挿入を容易にしたと同様に受液部14の開口部13を広くすることもでき(図示せず)、この場合には元々、首部12に比べて口径の大きな受液部14の開口部13を広げることになり、更に大きな作用、効果が期待できる。
【0026】
図2(a)は、本発明を例えば1mL以下の微量である収容液を収納する際に用いる実施の形態についてのアンプル容器1の一例を示すものであり、例えば、アンプル容器1は外径がほぼ2〜10mmで長さが5〜30mm程度の液収容部11と外径が0.5〜4.0mm、長さが5〜100mm程度の首部12と外径が前記液収容部11と同径で少なくとも前記液収容部11に収容する収納液3の全量を貯留可能とする容積を確保可能な長さを有し、先端に開口部13を形成した受液部14とがガラス素材により一体に連続して形成されている。尚、アンプル容器1の厚さは保管や移動、更には使用時における堅牢性と融封時の容易性を考慮して口径の1〜10%程度であることが望ましい。
【0027】
そして、本実施の形態であるアンプル容器1を用いてアンプルを製造するには図2(b)に示すように、アンプル容器1の液収容部11を下方に受液部14を上方になるように配置し、次いで、受液部14の開口部13に所定量の収容液3を注ぐ、このとき、開口部13の口径が小さく収容液3の注入が困難な場合には従来のアンプルの製造方法において用いられているように、ピペットやシリンジなどの流体注入器具2などの針状の注入部21を介して注入してもよい。
【0028】
このようにして受液部14に収容液3を注入したとき、本実施の形態では首部12の外径が0.5〜4.0mmと小さく、収容液3の表面張力や粘性により首部12を通過することがなく収容液3は液収容部11へと自然落下せずに貯留される。
【0029】
そこで、図2(c)に示すように、前記受液部14に所定量の収容液3を貯留させたアンプル容器1を例えば遠心分離器(図示せず)のような機器にセットして回転させ、アンプル容器1の受液部14に貯留させた収容液3に少なくとも首部12の部分において生じる収容液3の表面張力を超える液収容部11方向(図示する矢印Aの方向)への物理的作用を加えることにより受液部14に貯留させた収容液3を首部12の部分を通して液収容部11に流入させる。このとき、収容液3は印加される物理的作用により強制的に首部12を通過するので収容液3の首部12の内部分への付着による残存を防止することもできる。尚、本実施の形態では、受液部14に注いで貯留させた所定量の収容液3を液収容部11に移動させるために収容液3に加える物理的な作用として遠心力による手段を選択したことにより、特殊な装置を製作する必要がなく市販の遠心分離器をそのまま或いは改良して利用することができるので経済的にも優れているばかりか、例えば加圧手段のような特殊な雰囲気を形成する必要もなく確実に実施することができるという利点を有しているが、本発明において収容液3に加える物理的な作用の発生手段は遠心力に限るものでなく、例えば加圧、減圧、加温、冷却など各種の手段を用いることができることはいうまでもない。
【0030】
そして、次に、図3に示すように、収容液3を液収容部11に移行させたアンプル容器は首部12の所定の位置を加熱することにより融封、ゆっくりとちぎってアンプル(図2(e)参照)が製造されることになる。
【0031】
このとき、本実施の形態では、融封する首部12の外径が0.5〜4.0mmと小さく、また、その厚さが前記外径の1〜10%程度であることから従来のブンゼンバーナに限らず、例えばブタンを燃料とするガスライターや電気的な加熱器のような1000℃程度の簡易で取扱の容易な加熱手段5により融封作業をすることが可能で、さらには首部12が薄く口径も小さいので従来のアンプルのように斑なく加熱するためにブンゼンバーナを回転させたりする必要がなく、液状化したガラス素材の表面張力により自動的に密閉が完了するので熟練を要しない。また首部12を5〜100mm程度という長さにしたことにより液収容部11に収容した収容液3に融封による熱の影響を与えることもない。
【0032】
特に、本実施の形態では首部12の口径が小さいことから図3に示すようにアンプル容器1に水平状態としても液収容部11に収容した収容液3が首部12に逆流することがないので加熱し易く、例えば、アンプル容器1をピンセットなどを用いて把持し、ガスライターのような簡易な加熱手段5を用いて融封することも可能であり、特別な設備も不要であることから量産に限らず個人的な使用にも適している。
【0033】
以上のように本実施の形態によれば、従来では不可能であった1mL程度の微量な収容液に合わせた小型のアンプルを製造することが可能であり、従来、液収容部11に収容した収容液3に比べて大きい容量のアンプルを使用していたときのような保管空間の無駄や、収容液3が少ない場合に生じる取り出しの困難、余分な収容液3を収納したことによる収容液3のロスや使用後における再封入の煩わしさや再封入時の汚染なども生じない。
【0034】
また、図4は本発明を微容量のアンプル容器を用いた場合の実施の形態について受液部14に貯留させた収容液3を液収容部11に移動させるための異なる手段を示すものであって、図4(a)に示す前記図2(a)に示したのと同様な液収容部11と首部12と受液部14とを連続したアンプル容器1を用い、図2(b)に示すように、所定量の収容液3を受液部14に貯留させ、これを図4(c)に示すように、気密な密封容器5に収容する。
【0035】
密封容器5には例えば蓋体51に通気管6が密接状態で突出されており、この通気管6の上流側に2流路に分岐した切替路(図示せず)を有する切替コック7が配置されているとともに、切り替えコック7の上流側に分岐する一方の通気管61には例えば真空ポンプからなる減圧装置8が接続されており、もう一方の通気管62は大気に開放している。
【0036】
そして、前記切り替えコック7を操作して通気管62を閉じて大気と遮断して減圧装置8側を開き減圧装置8により密封容器5内、即ち、アンプル容器1の雰囲気の気圧を低下させると、通気管62を閉じて大気と空気が受液部14内に貯留している収容液3を通じて密封容器5内へと移動し、液収容部11内も減圧される。
【0037】
そこで、図4(d)に示すように、前記切り替えコック7を操作して減圧装置8側を閉じて通気管62を開くことにより密封容器5内を大気に開放すると、前記密封容器5内で減圧状態にあったアンプル容器1の液収容部11内も大気に開放されて密封容器5内の空気ともに受液部14内に貯留している収容液が首部12を通って液収容部11内に押し込まれるので図4(e)に示すようにアンプル容器1を密封容器5から取り出すことによりアンプル容器の雰囲気における気圧変化を用いて受液部14に貯留させた収容液3を液収容部11に移動させることができる。
【0038】
図5は前記図4と同じくアンプル容器の雰囲気における気圧変化を用いて受液部14に貯留させた収容液3を液収容部11に移動させるための異なる実施の形態を示すものであり、初めに図5(a)に示すように、例えば蓋体51に前記図4に示したと同様な減圧装置8と切り替えコック7とを備えた通気管6と収容液3の注入装置9を配置した密封容器5に前記図4に示したものと同様なアンプル容器1を配置する。
【0039】
次いで、前記切り替えコック7を操作して通気管62を閉じて大気と遮断して減圧装置8側を開き減圧装置8により密封容器5内、即ち、アンプル容器1内の気圧を低下させた状態とし、前記注入装置9を用いて収容液3を受液部14に注入する。
【0040】
そして、図5(c)に示すように、前記切り替えコック7を操作して減圧装置8側を閉じて通気管62を開くことにより密封容器5内を大気に開放すると、前記密封容器5内で減圧状態にあったアンプル容器1の液収容部11内も大気に開放されて密封容器5内の空気ともに受液部14内に貯留している収容液が首部12を通って液収容部11内に押し込まれるので図5(d)に示すようにアンプル容器1を密封容器5から取り出すことによりアンプル容器の雰囲気における気圧変化を用いて受液部14に貯留させた収容液3を液収容部11に移動させることができる。
【0041】
尚、本実施の形態では、密封容器5に1つのアンプル容器1を収容した場合を示したが、多量のアンプル容器1について実施する場合には容量の大きな密封容器に多量のアンプル容器1を一度に収容して実施することもできる(図示せず)。
【符号の説明】
【0042】
1 アンプル容器、 3 収容液、11 液収容部、12 首部、13 開口部、14 受液部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の液収容部、筒状の首部、先端に開口部を形成した受液部の順に一体的に連続して形成されたガラス製のアンプル容器を前記液収容部が下方となるように立てた状態とし、上方に位置する前記受液部に所定量の収容液を注ぎ、受液部に注いだ収容液を前記首部を通して前記液収容部に移動させた後、前記首部の所定位置を加熱して融封、ちぎることを特徴とするアンプルの製造方法。
【請求項2】
前記受液部に注いで貯留させた所定量の収容液に物理的な作用を加えることにより首部を通過させて前記液収容部に移動させることを特徴とする請求項1に記載のアンプルの製造方法。
【請求項3】
前記受液部に注いだ収容液に加えられる物理的な作用が、遠心力であることを特徴とする請求項2に記載のアンプルの製造方法。
【請求項4】
前記受液部に注いだ収容液に加えられる物理的な作用が、アンプル容器の雰囲気における気圧変化であることを特徴とする請求項2に記載のアンプルの製造方法。
【請求項5】
有底の液収容部、筒状の首部、前記液収容部とほぼ同径で端部を開放した受液部の順に一体的に連続してガラスにより形成されていることを特徴とするアンプル製造用のアンプル容器。
【請求項6】
前記液収容部の容量が少なくとも前記受液部に収容する収納液の全量を貯留可能であることを特徴とする請求項5に記載のアンプル製造用のアンプル容器。
【請求項7】
前記液収容部の外径が2〜10mmで長さが5〜100mm、前記首部の外径が0.5〜4.0mm程度であることを特徴とする請求項5または6に記載のアンプル製造用のアンプル容器。
【請求項8】
前記液収容部、首部、受液部を形成するガラスの厚さが口径の1〜10%程度であることを特徴とする請求項5,6または7に記載のアンプル製造用のアンプル容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−253151(P2010−253151A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108824(P2009−108824)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000230630)株式会社ルミカ (26)
【Fターム(参考)】