アーク溶接システムのための溶接ヘッドおよび溶接ヘッドアセンブリ
本発明は、コンタクトデバイス170および1つ以上のワイヤフィーダユニット130、150を含む電気アーク溶接の溶接ヘッド100であって、コンタクトデバイス160は、電極アセンブリ170を含み、電極アセンブリ170は、コンタクトデバイス160において配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極172、174、176を含み、電極アセンブリ170において、少なくとも1つの電極174が他の電極172、176から電気的に絶縁されるように、当該電極174の電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクト180が提供される、ことを特徴とする溶接ヘッド、に関する。本発明はまた、電気アーク溶接コンタクトデバイス160および電気アーク溶接の溶接ヘッドアセンブリ200に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接システムのための溶接ヘッド、およびアーク溶接システム(特に多数の電極を有する電極アセンブリを含むサブマージアーク溶接)のための溶接ヘッドアセンブリ、に関する。
【背景技術】
【0002】
サブマージアーク溶接は、しばしば、より厚い材料においてより長い溶接シームのために使用される、高い生産性および品質によって特徴付けられる完全に機械化された溶接法である。サブマージアーク溶接の作業中、1つ以上の順次に配置される溶接電極は、アークに溶ける。
【0003】
溶接点、特に溶融する材料およびアークは、粒状のフラックスの層の下に保護される。プロセスの作業中、フラックスは、一部分が溶融する。したがって、溶接プール上にスラグの保護層を生成する。プロセスにおいて使用する電流は、比較的高く、通常、1電極当たり300〜1500アンペアの範囲である。サブマージアーク溶接において使用する電極は、通常、直径2.5〜6mmである。
【0004】
サブマージアーク溶接において使用するフラックスは、マンガン、シリコン、チタン、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、マグネシウムおよび他の化合物(例えばフッ化カルシウム)の酸化物を概して含む、粒状可融のミネラルである。フラックスおよびワイヤの組み合わせが所望の機械的性質を生じさせるように、フラックスは、所与のタイプの電極ワイヤと互換性をもつために特に調製される。すべてのフラックスは、溶接金属化学成分および機械的性質を生成するために、溶接プールと反応する。フラックスを「アクティブ」と呼ぶことが一般的である。そして、それらがマンガンおよびシリコンを溶接点に加える場合、加えられるマンガンおよびシリコンの量は、アーク電圧および溶接電流のレベルによって影響を受ける。
【0005】
サブマージアーク溶接によって可能な最高の生産性を見つけるために、1つの結果として競争力が増加し、増加した溶接速度および最も高い可能な溶着速度(すなわち、時間および電極当たりの、溶融する溶接消費財、または真に作成された結合材料)が追求されている。
【0006】
従来既知のこれに対する1つの解決法は、溶接シームの方向に順次に位置する複数の電極を使用することである。通常、2つ〜3つの電極が用いられる。しかしながら、最高6つの電極の使用が知られている。
【0007】
アークなしで溶融する金属の追加が、溶接中に、溶着速度を改良できることが知られている。例えば、金属粉末または金属ワイヤは、アーク溶接中に、加えられることができる。
【0008】
引用文献1は、ワークピース10のサブマージアーク溶接中に、溶着速度を改良する配置を開示する。一般の原理は、図1に示される。溶接シームに沿って直列状に配置される3つの連続的に供給されるワイヤ電極30、36、40は、溶接方向20に移動する間に、アークにおいて消費される。電極30、36、40は、「ホット」または「ホットワイヤ」電極としても知られる。アークを形成しないで消費される2つの追加的な電極32、38は、中間電極36のアークの領域において溶融した溶接プール12内に、連続的に供給される。「コールドワイヤ」または「コールドワイヤ電極」としても知られるこれらの追加的な電極32、38は、溶接プール12と連続的に短絡する接点にある。アークを形成しないで、溶融した溶接プール12において消費される2つの電極32、38は、中間電極36により発生する熱によるのと同様に抵抗加熱によって溶融される。このプロセスは、保護ガスおよびスラグを生成して、そして合金元素を溶接プール12に加えるために、フラックスを使用する。追加的なシールドガスは、要求されない。溶接の前に、フラックス粉の薄膜層は、ワークピースの表面に配置される。アークは、溶接方向20における結合ラインに沿って移動する。そして、それにつれて、フラックスは、フラックス供給ホッパによって溶接エリアに供給される。アークがフラックス層によって完全にカバーされるので、熱損失は極めて小さい。手動金属アークにとっての25%と比較して、これは、60%もの熱効率を発生する。可視アーク光線がなく、溶接は仮想的にスパッタフリーであり、そして、ガス抜き取りの必要がない。
【0009】
上述した解決法が、溶接中に、溶着速度を上げる場合であっても、この種のコールド電極のより良好な操作を提供することは、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】英国特許第GB 1400051 A号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、改良された溶接速度を許容する電極アセンブリを提供することである。本発明の他の目的は、満足する溶接品質とともに、改良された溶接速度を有する方法を提供することである。他の目的は、この種の方法を実行するための装置を提供することである。
【0012】
その目的は、独立請求項の特徴によって達成される。他の請求項および説明は、本発明の有利な実施形態を開示する。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、コンタクトデバイスおよびフィーダ部分を含み、コンタクトデバイスは、電極アセンブリを含み、電極アセンブリは、コンタクトデバイスにおいて配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極を含む、電気アーク溶接の溶接ヘッドが提案される。コンタクトデバイスにおける電極アセンブリにおいて、少なくとも1つの電極が他の電極から電気的に絶縁されるように、当該電極の電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクトが提供される。
【0014】
電気的に絶縁されるダクトは、ワイヤフィーダおよびワイヤ直線化ユニットにおける絶縁部分、ならびに、フィーダおよび直線化ユニットの外側のガイド管、を含む。ダクトは、ワイヤリザーバ(例えば溶接されるワークピースの近くのコンタクトデバイスに対するワイヤボビン)から電気的に絶縁される電極に沿った、多数の電気的に絶縁される断面から構成されることができる。好ましくは、電気アーク溶接ヘッドは、サブマージアーク溶接のために用いられる。サブマージアーク溶接は、完全に機械化または自動化されたプロセスとして作動されることができ、オプションとして、それは半自動化でありえる。典型的な溶接パラメータは、すべて、電極から溶着する溶接金属のビード形状、浸透深さおよび化学成分に影響を及ぼすことのできる、電流、アーク電圧および送り速度である。
【0015】
都合のよいことに、溶接ヘッドは、コンパクトであり、そして、溶接ヘッドの電極アセンブリにおける他の電極と比較して、少なくとも1つの電気的に絶縁される電極の独立操作を許容する。電極は、いわゆる「カラムおよびブーム」装置上の後部に搭載されたワイヤボビンによって供給されることができる。カラムおよびブームは、溶接ヘッドを担持するマニピュレータを動かすレールである。カラムおよびブームは、溶接溝に溶接ヘッドを配置するために用いる。カラムおよびブームは、アーク溶接システムの技術で知られるように、電源、フラックス取り扱い装置および電極コイルのような溶接装置を担持するように設計されることもありえる。好ましくは、電気的に絶縁される電極は、セラミック管の内部でばね負荷式のコンタクトデバイスを通して供給されることのできる「コールドワイヤ」電極である。1つ以上のホットワイヤ電極およびコールドワイヤ電極は、別個のワイヤフィーダを有することができる。そしてそれは、非共同セットアップを作成して、共同セットアップと比較して非常により広い溶接パラメータ・ウインドウを提供する。
【0016】
コールドワイヤ電極は、溶接プールに「溶け」込むのみで、したがって温度を低下させるので、1つ以上のホットワイヤ電極とともにコールドワイヤ電極を使用することは、減少した熱生成の追加的な利益を有する3つのホットワイヤ電極とほぼ同じ量について溶着する可能性を提供する。これは、今度は、溶接ワークピース上に別々の熱衝撃を許容する。そしてそれは、多くの場合、非常に有益で、かつ、より高い生産性に対して開放する。最適化された溶接パラメータをともなうほぼ50%の生産性の向上に対する見込みについては、溶着速度の増加は、20%を超えることが可能である。本発明は、溶接速度を増加させることなく、より高い溶着速度を許容する。便宜上、本発明は、特に大きなワークピース(例えばパイプミル)の溶接のために、既存の溶接システムを改造することを許容する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、コンタクトデバイスにおいて電気的に絶縁されるワイヤ導管を含むことができる。絶縁されるワイヤ導管は、コンタクトデバイスにおいて配置されるセラミック管でありえる。セラミッ管は、コンタクトデバイスに挿入されることができる。あるいは、コンタクトデバイスの一部は、電気的絶縁のための充分な厚みの酸化物を形成するために、処理される(例えば酸化される)ことができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、1つ以上の電極を直線状にするためのワイヤ直線化ユニットにおいて、電気的絶縁部分を含むことができる。ホットおよびコールド電極は、同じワイヤ直線化ユニットにおいて操作されることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々のワイヤ直線化ユニットは、電極アセンブリの他の電極のワイヤ直線化ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、1つ以上の電極をワークピースに向けて供給するためのワイヤフィーダユニットにおいて、電気的絶縁部分を含むことができる。ホットおよびコールド電極は、同じワイヤフィーダユニットにおいて操作されることができる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々のワイヤフィーダユニットは、電極アセンブリの他の電極のワイヤ供給ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々の速度制御ユニットは、電極アセンブリの他の電極の速度制御ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0023】
都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、コンタクトデバイスにおける他の電極から、独立して供給されることができる。これは、溶接プロセスの快適な制御を許容する。電気的に絶縁される電極(コールドワイヤ電極)は、コンタクトデバイスにおける他の電極から独立している、別々の速度によって、特に可変速度および/または別々の直径によって、供給されることができる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して先頭と末尾の電極との間に順番に配置されることができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接溶着速度を調整するために用いることができる。この種の対称配置は、非常に高い溶着速度を産み生すことができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接要求条件に応じて選択されることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して、電極アセンブリの他の電極の上流に配置されることができる。溶接要求条件に応じて、電気的に絶縁される電極の順番は、選択されることができる。電極の非対称配置の利点は、アプローチ角の任意の種類の調整が要求される場合に、コールドワイヤが、より容易に制御されることができることである。最も外側の電極は、他の電極と比較して、所望の角度に傾けられることができる。非対称配置は、この種の角度を容易な方法で調整することを特に可能にする。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して、電極アセンブリの他の電極の下流に配置されることができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接要求条件に応じて選択されることができる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁される電極以外の電極のための、フィーダユニットおよび/または直線化ユニットは、フィーダユニットを通る電気的に絶縁される電極をガイドするためのフィードスルーを提供することができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、ワイヤ直線化ユニットまたはワイヤフィーダユニットを通して、これらのユニットまたは他の電極と相互に作用することなく、フィードスルーにおいて通過することができる。電気的に絶縁される電極は、同じ溶接ヘッドの同じコンタクトデバイスにおける他の電極から独立して、操作されることができる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、少なくとも2つの電気アーク溶接の溶接ヘッドを含む溶接ヘッドアセンブリであって、溶接ヘッドのうちの少なくとも1つは、コンタクトデバイスおよび供給部分を含み、コンタクトデバイスは、電極アセンブリを含み、電極アセンブリは、コンタクトデバイスにおいて配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極を含む、溶接ヘッドアセンブリが提案される。電気的に絶縁されるダクトは、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、電極アセンブリの他の電極から電気的に絶縁されるように、その電極の電気絶縁のために提供される。都合のよいことに、この種の溶接ヘッドアセンブリは、ワークピース上への減少した熱衝撃をともなう非常に高い溶着速度のための強力な道具である。溶接品質は、したがって改良されることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、各溶接ヘッドの電極アセンブリが、溶接の作業中、溶接方向に沿って順番に整列されるように、第1の溶接ヘッドは、第2の溶接ヘッドの手前に順番に配置されることができる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、各電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番は、各電極アセンブリにおける他の電極に関して、各溶接ヘッドに対して同じでありえる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、1つの電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番は、他の電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番に関して逆でありえる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、各電気的に絶縁される電極は、電極アセンブリの他の電極のワイヤ直線化ユニットおよび/またはフィーダユニットから別個の、ワイヤ直線化ユニットおよび/またはワイヤフィーダユニットとともに提供されることができる。電気的に絶縁される電極は、他の電極から独立して、および各溶接ヘッドから独立して、したがって、溶接されるワークピースの材料および/または形状および/または周囲条件によって課される特定の溶接要求条件のための、溶接パラメータを適応させる際の大きい自由度を与えて、操作されることができる。
【0033】
本発明の別の態様によれば、電気アーク溶接ヘッドおよび/または溶接ヘッドアセンブリのための電気アーク溶接コンタクトデバイスであって、デバイスボディ、および、コンタクトデバイスを通して電気的に絶縁された方法で電極をガイドするための電気的絶縁部分、および、デバイスボディと電気的に接触する少なくとも他の電極のための少なくとも1つのダクト、を含む、電気アーク溶接コンタクトデバイスが提案される。都合のよいことに、1つ以上の電気的に絶縁される電極が、1つ以上の非絶縁電極とともに使用されることのできる、コンパクトなデバイスは提供される。1つ以上の電気的に非絶縁の電極は、溶接中に、アークにおいて消費されるために提供されることができる。これに対して、1つ以上の電気的に絶縁される電極は、溶接中に、アークによって消費されないが、溶接プールにおいて溶けることを意味する、いわゆるコールド電極であることができる。電気的に絶縁されたワイヤは、コンタクトデバイスの他の電極から独立して選択される、さまざまな直径によって用いられることができる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、電気絶縁管を含むことができる。電気絶縁管は、デバイスボディに容易に挿入されることができる。便宜上、管は、良好な耐熱性と同様に優れた電気的絶縁を提供するセラミックでできていることが可能である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスボディは、主部および、主部に取り付けられることができる着脱可能部から構成されることができる。所望の順番における電極の配置は、容易に達成されることができ、または変更されることができる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスボディの端部に先端部が提供されることができる。そしてそれは、電気的に絶縁される電極のための電気絶縁部分、および他の電極を受け入れるための凹所を有する。都合のよいことに、1つ以上の電極および電気的絶縁部分は、定義された方法における先端部の溝において配置されることができて、オペレーション中に、安全に保持されることができる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、他の電極のためのダクトとダクトとの間の対称位置に配置されることができる。都合のよいことに、電極をガイドするための電気的絶縁部分は、電極の2つのダクトの間に配置されることができる。この種の対称配置は、溶接中に、高い溶着速度を提供する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、デバイスボディにおける他の電極のためのダクトに関して、偏心位置に配置されることができる。特に、電気的絶縁部分は、溶接中に、コンタクトデバイスを傾けることによって溶接プールに接近するときに、所望の角度で提供されることができる。
【0039】
本発明の別の態様によれば、上述の特徴の少なくとも1つによる、少なくとも1つの溶接ヘッドまたは少なくとも1つの溶接ヘッドアセンブリを含む、電気アーク溶接システムが、ワークピースにおける溶接プールを生成するために提供される。溶接のパラメータおよび状態の簡単な調整を許容する、非常に用途が広いシステムは、提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、上述のおよび他の目的および利点とともに、実施形態の以下の詳細な説明から最もよく理解されてよい。しかし、実施形態に制限されない。
【図1】図1は、従来技術によるホットおよびコールド電極を有する溶接装置である。
【図2】図2は、サブマージアーク溶接のための本発明によるアーク溶接の溶接ヘッドの例示の実施形態の第1の図である。
【図3】図3は、図2のアーク溶接の溶接ヘッドを反時計回りに90°回転した図である。
【図4】図4は、図2のアーク溶接ヘッドの斜視図である。
【図5】図5a〜5eは、3つのワイヤ電極用のコンタクトデバイスをさまざまに示す、断面図5a、5e、側面図5b、5d、正面図5cである。
【図6】図6は、アーク溶接の溶接ヘッドの例示の実施形態の側面図である。
【図7】図7a〜7cは、電気的に絶縁される電極およびホット電極の配置を示し、第1の電極アセンブリは、2つの電極を含み(図7a)、第2の電極アセンブリは、電気的に絶縁される電極が中央電極である、3つの電極を含み(図7b)、第3の電極アセンブリは、電気的に絶縁される電極が電極アセンブリの外側にある、3つの電極を含む(図7c)。
【図8】図8a〜8cは、各々が電気的に絶縁される電極およびホット電極を含む、2つのアーク溶接の溶接ヘッドの配置を示し、第1の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて2つの電極を含み(図8a)、第2の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて、電気的に絶縁される電極が中央電極である、3つの電極を含み(図8b)、第3の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて、電気的に絶縁される電極が電極アセンブリの外側にある、3つの電極を含む(図8c)。
【発明を実施するための形態】
【0041】
各図において、同等または同様のエレメントは、等しい参照番号によって参照される。図面は、単なる概略図であって、本発明の特定のパラメータを詳細に描写しようとするものではない。さらに、図面は、本発明の典型的な実施形態のみを表現することを意図して、したがって、本発明の範囲を制限するとみなされてはならない。
【0042】
図2〜4は、サブマージアーク溶接のための本発明による電気アーク溶接の溶接ヘッド100の、例示の実施形態の共に記述される別々の図を表す。
【0043】
電気アーク溶接の溶接ヘッド100は、その縦の延長に沿った下端にコンタクトデバイス160を含む。そしてそれは、溶接の作業中、溶接されるワークピースに近接している。コンタクトデバイス160は、溶接ヘッド100の電極アセンブリ170の電極172、174、176(図3、4)を保持する。電極172、174、176は、溶接の作業中、ワークピースに面するコンタクトデバイス160の下端で、出口162を通ってコンタクトデバイス160から出る。ワイヤ電極172、174、176は、アーク溶接ヘッド100に向けたコイル(図示せず)のような、それぞれのリザーバから供給されてよい。
【0044】
電極アセンブリ170は、一例として、コンタクトデバイス160において配置される3つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極172、174、176を含む。コンタクトデバイス160は、電気的に絶縁されるワイヤ電極174のための電気的絶縁部分166を含む。電気的に絶縁される電極174のみが、溶接ヘッドの延長に沿って図示される。他の電極172、176は、コンタクトデバイス160においてのみ図示される。非絶縁電極172、176は、二重ワイヤ電極装置として平行に供給されるいわゆるツインワイヤとして配置されることができる。電気的絶縁部分166は、例えばセラミックのような耐熱材料でできた、追加の絶縁されたワイヤ導管であることが好ましい。
【0045】
コンタクトデバイス160よりも上方に、コンタクトデバイス160に向けて電極を供給するフィーダユニット150が、配置される。概して、フィーダユニット150は、コンタクトデバイス160に向けてワイヤ電極172、176(明確な理由のためこの部分には図示されない)を移動する溝つき車輪を含む。フィーダユニット150は、電気的に絶縁される電極174を通して供給するための電気的絶縁部分156を含む。電気的絶縁部分156は、電気的に絶縁される電極174のための追加の絶縁溝を有するフィーダ車輪から構成されることができる。電気的に絶縁される電極174は、ワイヤフィーダユニット150を自由に通過することができる。フィーダ車輪は、駆動装置152(例えば電動機)によって駆動される。
【0046】
ワイヤフィーダユニット150の他に、サブマージアーク溶接のためのノズル(図示せず)を介してコンタクトデバイス160に粒状フラックスを供給する、フラックスホッパー114が配置される。駆動装置152に加えて、ワイヤフィーダユニット150は、駆動軸を有するギアを含む。ギアの駆動軸上に、他の車輪(図示せず)によって加圧されることができる供給車輪154(図6)が、配置される。供給車輪154は、ワイヤ電極を、コンタクトデバイス160の方向において前方へ駆動する。
【0047】
ワイヤフィーダユニット150よりも上方に、ワイヤ電極172、176を直線状にするためのワイヤ直線化ユニット140が、配置される。ワイヤ直線化ユニット140の最初の位置において表される2つローラー(参照番号によって参照しない)は、ワイヤ直線化ユニットの後部において互いに垂直に配置される、3つの固定車輪上に圧力をかけるために用いられる。ローラーが車輪にかけている圧力は、ワイヤ直線化ユニット140の外側で、ノブを介して調節可能である。3つの車輪上のローラーの圧力は、ワイヤを直線状にする。ワイヤ直線化ユニット140は、電気的に絶縁される電極174がワイヤ直線化ユニット140を自由に通過することのできる電気的絶縁部分146を含む。
【0048】
ワイヤ直線化ユニット140よりも上方に、電気的に絶縁される電極174をコンタクトデバイス160に向けて供給するための、別個のワイヤフィーダユニット130が配置される。ワイヤフィーダユニット130上に、ワイヤフィーダユニット130の供給車輪を駆動する、駆動装置132(例えば電動機)が配置される。駆動装置132に加えて、ワイヤフィーダユニット130は、駆動軸を有するギアを含む。ギアの駆動軸上に、他の車輪(図示せず)によって加圧されることのできる、供給車輪134(図6)が配置される。供給車輪134は、ワイヤ電極を、コンタクトデバイス160の方向において前方へ駆動する。
【0049】
ワイヤフィーダユニット130よりも上方に、電気的に絶縁される電極174を直線状にするための、別個のワイヤ直線化ユニット120が配置される。したがって、溶接ヘッド100の縦の延長に沿って、電気的に絶縁される電極174を、ワイヤリザーバ(例えばワイヤボビン(図示せず))からコンタクトノズルにガイドするための、電気的に絶縁されるダクト180が提供される。フィーダユニット150と130との間に、かつ、ワイヤ直線化ユニット120よりも上方に、電気的に絶縁される電極174を受け入れる電気的に絶縁されたワイヤ導管は、配置されることができる。
【0050】
特に、電気的に絶縁されるダクト180は、ワイヤ直線化ユニット140の電気的絶縁部分146、非絶縁電極172、176のためのワイヤフィーダユニット150の電気的絶縁部分156、およびコンタクトデバイス160の電気的絶縁部分166、ならびに、ユニット130、140、150、160間の、そして電気的に絶縁される電極174のためのワイヤ直線化ユニット120よりも上の、電気的に絶縁されるワイヤ導管、から構成される。
【0051】
図5a〜図5eは、共に記述されるコンタクトデバイス160のさまざまな図を表す。コンタクトデバイス160は、ワイヤ電極(図示せず)を受け入れるためのダクトを含むデバイスボディ161を含む。そこにおいて、電気的絶縁部分166は、ダクトのうちの1つである。
【0052】
例として、デバイスボディ161は、着脱可能部161bが主部161aに取り付けられる、縦方向に分割された2つの部分161a、161bでできている。主部161aは、円筒状の上部、および、中央を通る切断(図5a、5e)に関してわずかにくぼんだ下部を有する。着脱可能部161bは、主部161aのくぼんだ部分に、ねじによって取り付けられる。
【0053】
あるいは、デバイスボディ161は、いくつかの部分の代わりに、ワイヤ電極の通過のために貫通される1つ以上の孔を有するモノリシック金属体でありえる。
【0054】
着脱可能部161bと主部161aとの間には、部分161a、161bが互いに取り付けられるとき、小さな自由距離が残る。その距離は、コンタクトデバイス160内の電極にとって、さまざまなワイヤ直径を使用することを許容する。電気的に絶縁される電極は、電気的絶縁部分166内で別にガイドされるので、電気的に絶縁される電極の直径は、デバイスボディ161内の他の電極の直径から独立して選ばれることができる。
【0055】
デバイスボディ161の部分161a、161bは、2つの部分163a、163bからなる先端部163を囲む。そこにおいて、部分163aは、デバイスボディ161の主部161aに取り付けられ、部分163bは、着脱可能部161bに取り付けられる。先端部163の部分163a、163bは、主部161aおよび着脱可能部161bに提供されるそれぞれの孔164a、164bに挿入されるねじによって、主部161aおよび着脱可能部161bにそれぞれ取り付けられることができる。
【0056】
先端部163は、主に円筒形状を有してよいデバイスボディ161の残りの部分に比べて、より小さい直径を有してよい。電気的絶縁部分166は、コンタクトデバイス160の縦の延長の全体にわたって伸びて、コンタクトデバイス160の先端部163の出口162で、電気的に絶縁されたワイヤ電極(図示せず)のための出口169を提供する。
【0057】
図5a、5eに示される断面図で分かるように、デバイスボディ161は、電気的に絶縁されたワイヤ電極(図示せず)のための電気的絶縁部分を提供する、中心位置に配置される電気的絶縁部分166を有する内部区域167を有する。電気的絶縁部分166は、セラミック管のような絶縁管であることが好ましい。。中心の電気的絶縁部分166の両側には、溶接中に、アークによって消費されることを意図するワイヤ電極(図示せず)のためのダクト168a、168bが提供される。ダクト168a、168bは、先端部163a、163b内に対応する溝部を含む。溝部は、デバイスボディ161の着脱可能部161bが主部161aに取り付けられるとき、ワイヤ電極のためのエンクロージャを形成する。
【0058】
デバイスボディ161の外側で、ボルト165が配置される。そしてそれは、ワイヤ電極の実際の直径から仮想的に独立している部分161a、161bのコンタクト圧力を提供する、スプリングエレメント(例えば円板ばね)を介して、デバイスボディの部分161a、161bを共に保持する。
【0059】
電気的接点は、デバイスボディ161の主部161に配置される接点部分164cにおいて、コンタクトデバイス160に取り付けられることができる。アークが、デバイスボディ161に近い電気的接点にある非絶縁電極で発達することができるように、電源に接続されるワイヤは、コンタクトデバイス160に電圧および電流を伝えるための接点部分164cに接続されることができる。
【0060】
電気的絶縁部分166において、ワイヤ電極は、他の電極(図示せず)を接触させることなく、コンタクトデバイス160を通過することができる。
【0061】
図6は、図2〜4で示されるものと仮想的に同様のレイアウトの、アーク溶接の溶接ヘッド100の例示の実施形態の側面図である。不要な反復を回避するために、同様のエレメントの詳細な説明のためにこれらの図面が参照される。ワイヤ直線化ユニット140よりも上方に、ツイン電極のための2つのガイド管142、144が提供される。ガイド管142、144は、溶接ヘッド100の縦の延長に対して、横方向に配置される。電気的に絶縁される電極(図示せず)のためのワイヤフィーダユニット130と、非絶縁電極(図示せず)のワイヤ直線化ユニット140との間に、電気的に絶縁される電極(図示せず)のためのガイド管182が、配置される。駆動装置132、152は、電極の速度制御のためのパルスセンサを備えることができる。コンタクトデバイス160の近くに、フラックスホッパー114(図2〜4)用のノズル116が配置される。ノズル116は、コンタクトデバイス160の縦軸と平行に配置されるロッド118に固定される。
【0062】
図7a〜7cは、溶接方向20に関して電極アセンブリ170における電極の配列を示す。
【0063】
図7aは、電気的に絶縁される「コールド」電極174および非絶縁「ホット」電極を有する、電極アセンブリ170の第1の異型を示す。電極アセンブリ170の第2の異型は、中心電極である電気的に絶縁される電極174を有する3つの電極172、174、176を含み、図7bに示される。電極アセンブリの外側にある電気的に絶縁される電極174を有する3つの電極172、174、176を含む、電極アセンブリ170の第3の異型は、図7cに示される。
【0064】
図8a〜8cは、2つのアーク溶接の溶接ヘッド100a、100bを含む溶接ヘッドアセンブリ200の配列を示す。各溶接ヘッド100a、100bは、電気的に絶縁される電極174a、174b、および1つ以上のホット電極172a、172bを有する電極アセンブリ170a、170bを含む。図8aに示される溶接ヘッドアセンブリ200の第1の異型において、各溶接ヘッド100a、100bは、各溶接ヘッド100a、100bにおける2つの電極172a、174a、172b、174bを含む。電気的に絶縁される電極174a、174bは、溶接ヘッドアセンブリ200における最も外側の電極である。
【0065】
第2の異型は、図8bに示される。ここで、各溶接ヘッド100a、100bは、3つの電極172a、174a、176a、172b、174b、176bを有する電極アセンブリ170a、170bを含む。そこにおいて、電気的に絶縁される電極174a、174bは、各溶接ヘッド100a、100bの中心電極として、2つの非絶縁電極172a、176a、172b、176bの間の中央に配置される。
【0066】
図8cは、各溶接ヘッド100a、100bにおける3つの電極172a、174a、176a、172b、174b、176bを有して、そして、電気的に絶縁される電極174a、174bは、溶接ヘッドアセンブリ200の外側にある、第3の異型を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接システムのための溶接ヘッド、およびアーク溶接システム(特に多数の電極を有する電極アセンブリを含むサブマージアーク溶接)のための溶接ヘッドアセンブリ、に関する。
【背景技術】
【0002】
サブマージアーク溶接は、しばしば、より厚い材料においてより長い溶接シームのために使用される、高い生産性および品質によって特徴付けられる完全に機械化された溶接法である。サブマージアーク溶接の作業中、1つ以上の順次に配置される溶接電極は、アークに溶ける。
【0003】
溶接点、特に溶融する材料およびアークは、粒状のフラックスの層の下に保護される。プロセスの作業中、フラックスは、一部分が溶融する。したがって、溶接プール上にスラグの保護層を生成する。プロセスにおいて使用する電流は、比較的高く、通常、1電極当たり300〜1500アンペアの範囲である。サブマージアーク溶接において使用する電極は、通常、直径2.5〜6mmである。
【0004】
サブマージアーク溶接において使用するフラックスは、マンガン、シリコン、チタン、アルミニウム、カルシウム、ジルコニウム、マグネシウムおよび他の化合物(例えばフッ化カルシウム)の酸化物を概して含む、粒状可融のミネラルである。フラックスおよびワイヤの組み合わせが所望の機械的性質を生じさせるように、フラックスは、所与のタイプの電極ワイヤと互換性をもつために特に調製される。すべてのフラックスは、溶接金属化学成分および機械的性質を生成するために、溶接プールと反応する。フラックスを「アクティブ」と呼ぶことが一般的である。そして、それらがマンガンおよびシリコンを溶接点に加える場合、加えられるマンガンおよびシリコンの量は、アーク電圧および溶接電流のレベルによって影響を受ける。
【0005】
サブマージアーク溶接によって可能な最高の生産性を見つけるために、1つの結果として競争力が増加し、増加した溶接速度および最も高い可能な溶着速度(すなわち、時間および電極当たりの、溶融する溶接消費財、または真に作成された結合材料)が追求されている。
【0006】
従来既知のこれに対する1つの解決法は、溶接シームの方向に順次に位置する複数の電極を使用することである。通常、2つ〜3つの電極が用いられる。しかしながら、最高6つの電極の使用が知られている。
【0007】
アークなしで溶融する金属の追加が、溶接中に、溶着速度を改良できることが知られている。例えば、金属粉末または金属ワイヤは、アーク溶接中に、加えられることができる。
【0008】
引用文献1は、ワークピース10のサブマージアーク溶接中に、溶着速度を改良する配置を開示する。一般の原理は、図1に示される。溶接シームに沿って直列状に配置される3つの連続的に供給されるワイヤ電極30、36、40は、溶接方向20に移動する間に、アークにおいて消費される。電極30、36、40は、「ホット」または「ホットワイヤ」電極としても知られる。アークを形成しないで消費される2つの追加的な電極32、38は、中間電極36のアークの領域において溶融した溶接プール12内に、連続的に供給される。「コールドワイヤ」または「コールドワイヤ電極」としても知られるこれらの追加的な電極32、38は、溶接プール12と連続的に短絡する接点にある。アークを形成しないで、溶融した溶接プール12において消費される2つの電極32、38は、中間電極36により発生する熱によるのと同様に抵抗加熱によって溶融される。このプロセスは、保護ガスおよびスラグを生成して、そして合金元素を溶接プール12に加えるために、フラックスを使用する。追加的なシールドガスは、要求されない。溶接の前に、フラックス粉の薄膜層は、ワークピースの表面に配置される。アークは、溶接方向20における結合ラインに沿って移動する。そして、それにつれて、フラックスは、フラックス供給ホッパによって溶接エリアに供給される。アークがフラックス層によって完全にカバーされるので、熱損失は極めて小さい。手動金属アークにとっての25%と比較して、これは、60%もの熱効率を発生する。可視アーク光線がなく、溶接は仮想的にスパッタフリーであり、そして、ガス抜き取りの必要がない。
【0009】
上述した解決法が、溶接中に、溶着速度を上げる場合であっても、この種のコールド電極のより良好な操作を提供することは、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】英国特許第GB 1400051 A号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、改良された溶接速度を許容する電極アセンブリを提供することである。本発明の他の目的は、満足する溶接品質とともに、改良された溶接速度を有する方法を提供することである。他の目的は、この種の方法を実行するための装置を提供することである。
【0012】
その目的は、独立請求項の特徴によって達成される。他の請求項および説明は、本発明の有利な実施形態を開示する。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、コンタクトデバイスおよびフィーダ部分を含み、コンタクトデバイスは、電極アセンブリを含み、電極アセンブリは、コンタクトデバイスにおいて配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極を含む、電気アーク溶接の溶接ヘッドが提案される。コンタクトデバイスにおける電極アセンブリにおいて、少なくとも1つの電極が他の電極から電気的に絶縁されるように、当該電極の電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクトが提供される。
【0014】
電気的に絶縁されるダクトは、ワイヤフィーダおよびワイヤ直線化ユニットにおける絶縁部分、ならびに、フィーダおよび直線化ユニットの外側のガイド管、を含む。ダクトは、ワイヤリザーバ(例えば溶接されるワークピースの近くのコンタクトデバイスに対するワイヤボビン)から電気的に絶縁される電極に沿った、多数の電気的に絶縁される断面から構成されることができる。好ましくは、電気アーク溶接ヘッドは、サブマージアーク溶接のために用いられる。サブマージアーク溶接は、完全に機械化または自動化されたプロセスとして作動されることができ、オプションとして、それは半自動化でありえる。典型的な溶接パラメータは、すべて、電極から溶着する溶接金属のビード形状、浸透深さおよび化学成分に影響を及ぼすことのできる、電流、アーク電圧および送り速度である。
【0015】
都合のよいことに、溶接ヘッドは、コンパクトであり、そして、溶接ヘッドの電極アセンブリにおける他の電極と比較して、少なくとも1つの電気的に絶縁される電極の独立操作を許容する。電極は、いわゆる「カラムおよびブーム」装置上の後部に搭載されたワイヤボビンによって供給されることができる。カラムおよびブームは、溶接ヘッドを担持するマニピュレータを動かすレールである。カラムおよびブームは、溶接溝に溶接ヘッドを配置するために用いる。カラムおよびブームは、アーク溶接システムの技術で知られるように、電源、フラックス取り扱い装置および電極コイルのような溶接装置を担持するように設計されることもありえる。好ましくは、電気的に絶縁される電極は、セラミック管の内部でばね負荷式のコンタクトデバイスを通して供給されることのできる「コールドワイヤ」電極である。1つ以上のホットワイヤ電極およびコールドワイヤ電極は、別個のワイヤフィーダを有することができる。そしてそれは、非共同セットアップを作成して、共同セットアップと比較して非常により広い溶接パラメータ・ウインドウを提供する。
【0016】
コールドワイヤ電極は、溶接プールに「溶け」込むのみで、したがって温度を低下させるので、1つ以上のホットワイヤ電極とともにコールドワイヤ電極を使用することは、減少した熱生成の追加的な利益を有する3つのホットワイヤ電極とほぼ同じ量について溶着する可能性を提供する。これは、今度は、溶接ワークピース上に別々の熱衝撃を許容する。そしてそれは、多くの場合、非常に有益で、かつ、より高い生産性に対して開放する。最適化された溶接パラメータをともなうほぼ50%の生産性の向上に対する見込みについては、溶着速度の増加は、20%を超えることが可能である。本発明は、溶接速度を増加させることなく、より高い溶着速度を許容する。便宜上、本発明は、特に大きなワークピース(例えばパイプミル)の溶接のために、既存の溶接システムを改造することを許容する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、コンタクトデバイスにおいて電気的に絶縁されるワイヤ導管を含むことができる。絶縁されるワイヤ導管は、コンタクトデバイスにおいて配置されるセラミック管でありえる。セラミッ管は、コンタクトデバイスに挿入されることができる。あるいは、コンタクトデバイスの一部は、電気的絶縁のための充分な厚みの酸化物を形成するために、処理される(例えば酸化される)ことができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、1つ以上の電極を直線状にするためのワイヤ直線化ユニットにおいて、電気的絶縁部分を含むことができる。ホットおよびコールド電極は、同じワイヤ直線化ユニットにおいて操作されることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々のワイヤ直線化ユニットは、電極アセンブリの他の電極のワイヤ直線化ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトは、1つ以上の電極をワークピースに向けて供給するためのワイヤフィーダユニットにおいて、電気的絶縁部分を含むことができる。ホットおよびコールド電極は、同じワイヤフィーダユニットにおいて操作されることができる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々のワイヤフィーダユニットは、電極アセンブリの他の電極のワイヤ供給ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、個々の速度制御ユニットは、電極アセンブリの他の電極の速度制御ユニットから別個の、電気的に絶縁される電極のために提供されることができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、他の、特にホットワイヤ電極から、独立して操作されることができる。
【0023】
都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、コンタクトデバイスにおける他の電極から、独立して供給されることができる。これは、溶接プロセスの快適な制御を許容する。電気的に絶縁される電極(コールドワイヤ電極)は、コンタクトデバイスにおける他の電極から独立している、別々の速度によって、特に可変速度および/または別々の直径によって、供給されることができる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して先頭と末尾の電極との間に順番に配置されることができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接溶着速度を調整するために用いることができる。この種の対称配置は、非常に高い溶着速度を産み生すことができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接要求条件に応じて選択されることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して、電極アセンブリの他の電極の上流に配置されることができる。溶接要求条件に応じて、電気的に絶縁される電極の順番は、選択されることができる。電極の非対称配置の利点は、アプローチ角の任意の種類の調整が要求される場合に、コールドワイヤが、より容易に制御されることができることである。最も外側の電極は、他の電極と比較して、所望の角度に傾けられることができる。非対称配置は、この種の角度を容易な方法で調整することを特に可能にする。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁されるダクトにおける電極は、ワークピース上の溶接方向に関して、電極アセンブリの他の電極の下流に配置されることができる。電気的に絶縁される電極の順番は、溶接要求条件に応じて選択されることができる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的に絶縁される電極以外の電極のための、フィーダユニットおよび/または直線化ユニットは、フィーダユニットを通る電気的に絶縁される電極をガイドするためのフィードスルーを提供することができる。都合のよいことに、電気的に絶縁される電極は、ワイヤ直線化ユニットまたはワイヤフィーダユニットを通して、これらのユニットまたは他の電極と相互に作用することなく、フィードスルーにおいて通過することができる。電気的に絶縁される電極は、同じ溶接ヘッドの同じコンタクトデバイスにおける他の電極から独立して、操作されることができる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、少なくとも2つの電気アーク溶接の溶接ヘッドを含む溶接ヘッドアセンブリであって、溶接ヘッドのうちの少なくとも1つは、コンタクトデバイスおよび供給部分を含み、コンタクトデバイスは、電極アセンブリを含み、電極アセンブリは、コンタクトデバイスにおいて配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極を含む、溶接ヘッドアセンブリが提案される。電気的に絶縁されるダクトは、複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、電極アセンブリの他の電極から電気的に絶縁されるように、その電極の電気絶縁のために提供される。都合のよいことに、この種の溶接ヘッドアセンブリは、ワークピース上への減少した熱衝撃をともなう非常に高い溶着速度のための強力な道具である。溶接品質は、したがって改良されることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、各溶接ヘッドの電極アセンブリが、溶接の作業中、溶接方向に沿って順番に整列されるように、第1の溶接ヘッドは、第2の溶接ヘッドの手前に順番に配置されることができる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、各電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番は、各電極アセンブリにおける他の電極に関して、各溶接ヘッドに対して同じでありえる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、1つの電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番は、他の電極アセンブリにおける電気的に絶縁される電極の順番に関して逆でありえる。本発明による溶接ヘッドは、この種の溶接ヘッドアセンブリを設計するときに、大きい自由度を許容する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、各電気的に絶縁される電極は、電極アセンブリの他の電極のワイヤ直線化ユニットおよび/またはフィーダユニットから別個の、ワイヤ直線化ユニットおよび/またはワイヤフィーダユニットとともに提供されることができる。電気的に絶縁される電極は、他の電極から独立して、および各溶接ヘッドから独立して、したがって、溶接されるワークピースの材料および/または形状および/または周囲条件によって課される特定の溶接要求条件のための、溶接パラメータを適応させる際の大きい自由度を与えて、操作されることができる。
【0033】
本発明の別の態様によれば、電気アーク溶接ヘッドおよび/または溶接ヘッドアセンブリのための電気アーク溶接コンタクトデバイスであって、デバイスボディ、および、コンタクトデバイスを通して電気的に絶縁された方法で電極をガイドするための電気的絶縁部分、および、デバイスボディと電気的に接触する少なくとも他の電極のための少なくとも1つのダクト、を含む、電気アーク溶接コンタクトデバイスが提案される。都合のよいことに、1つ以上の電気的に絶縁される電極が、1つ以上の非絶縁電極とともに使用されることのできる、コンパクトなデバイスは提供される。1つ以上の電気的に非絶縁の電極は、溶接中に、アークにおいて消費されるために提供されることができる。これに対して、1つ以上の電気的に絶縁される電極は、溶接中に、アークによって消費されないが、溶接プールにおいて溶けることを意味する、いわゆるコールド電極であることができる。電気的に絶縁されたワイヤは、コンタクトデバイスの他の電極から独立して選択される、さまざまな直径によって用いられることができる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、電気絶縁管を含むことができる。電気絶縁管は、デバイスボディに容易に挿入されることができる。便宜上、管は、良好な耐熱性と同様に優れた電気的絶縁を提供するセラミックでできていることが可能である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスボディは、主部および、主部に取り付けられることができる着脱可能部から構成されることができる。所望の順番における電極の配置は、容易に達成されることができ、または変更されることができる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスボディの端部に先端部が提供されることができる。そしてそれは、電気的に絶縁される電極のための電気絶縁部分、および他の電極を受け入れるための凹所を有する。都合のよいことに、1つ以上の電極および電気的絶縁部分は、定義された方法における先端部の溝において配置されることができて、オペレーション中に、安全に保持されることができる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、他の電極のためのダクトとダクトとの間の対称位置に配置されることができる。都合のよいことに、電極をガイドするための電気的絶縁部分は、電極の2つのダクトの間に配置されることができる。この種の対称配置は、溶接中に、高い溶着速度を提供する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、電気的絶縁部分は、デバイスボディにおける他の電極のためのダクトに関して、偏心位置に配置されることができる。特に、電気的絶縁部分は、溶接中に、コンタクトデバイスを傾けることによって溶接プールに接近するときに、所望の角度で提供されることができる。
【0039】
本発明の別の態様によれば、上述の特徴の少なくとも1つによる、少なくとも1つの溶接ヘッドまたは少なくとも1つの溶接ヘッドアセンブリを含む、電気アーク溶接システムが、ワークピースにおける溶接プールを生成するために提供される。溶接のパラメータおよび状態の簡単な調整を許容する、非常に用途が広いシステムは、提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、上述のおよび他の目的および利点とともに、実施形態の以下の詳細な説明から最もよく理解されてよい。しかし、実施形態に制限されない。
【図1】図1は、従来技術によるホットおよびコールド電極を有する溶接装置である。
【図2】図2は、サブマージアーク溶接のための本発明によるアーク溶接の溶接ヘッドの例示の実施形態の第1の図である。
【図3】図3は、図2のアーク溶接の溶接ヘッドを反時計回りに90°回転した図である。
【図4】図4は、図2のアーク溶接ヘッドの斜視図である。
【図5】図5a〜5eは、3つのワイヤ電極用のコンタクトデバイスをさまざまに示す、断面図5a、5e、側面図5b、5d、正面図5cである。
【図6】図6は、アーク溶接の溶接ヘッドの例示の実施形態の側面図である。
【図7】図7a〜7cは、電気的に絶縁される電極およびホット電極の配置を示し、第1の電極アセンブリは、2つの電極を含み(図7a)、第2の電極アセンブリは、電気的に絶縁される電極が中央電極である、3つの電極を含み(図7b)、第3の電極アセンブリは、電気的に絶縁される電極が電極アセンブリの外側にある、3つの電極を含む(図7c)。
【図8】図8a〜8cは、各々が電気的に絶縁される電極およびホット電極を含む、2つのアーク溶接の溶接ヘッドの配置を示し、第1の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて2つの電極を含み(図8a)、第2の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて、電気的に絶縁される電極が中央電極である、3つの電極を含み(図8b)、第3の電極アセンブリは、各溶接ヘッドにおいて、電気的に絶縁される電極が電極アセンブリの外側にある、3つの電極を含む(図8c)。
【発明を実施するための形態】
【0041】
各図において、同等または同様のエレメントは、等しい参照番号によって参照される。図面は、単なる概略図であって、本発明の特定のパラメータを詳細に描写しようとするものではない。さらに、図面は、本発明の典型的な実施形態のみを表現することを意図して、したがって、本発明の範囲を制限するとみなされてはならない。
【0042】
図2〜4は、サブマージアーク溶接のための本発明による電気アーク溶接の溶接ヘッド100の、例示の実施形態の共に記述される別々の図を表す。
【0043】
電気アーク溶接の溶接ヘッド100は、その縦の延長に沿った下端にコンタクトデバイス160を含む。そしてそれは、溶接の作業中、溶接されるワークピースに近接している。コンタクトデバイス160は、溶接ヘッド100の電極アセンブリ170の電極172、174、176(図3、4)を保持する。電極172、174、176は、溶接の作業中、ワークピースに面するコンタクトデバイス160の下端で、出口162を通ってコンタクトデバイス160から出る。ワイヤ電極172、174、176は、アーク溶接ヘッド100に向けたコイル(図示せず)のような、それぞれのリザーバから供給されてよい。
【0044】
電極アセンブリ170は、一例として、コンタクトデバイス160において配置される3つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極172、174、176を含む。コンタクトデバイス160は、電気的に絶縁されるワイヤ電極174のための電気的絶縁部分166を含む。電気的に絶縁される電極174のみが、溶接ヘッドの延長に沿って図示される。他の電極172、176は、コンタクトデバイス160においてのみ図示される。非絶縁電極172、176は、二重ワイヤ電極装置として平行に供給されるいわゆるツインワイヤとして配置されることができる。電気的絶縁部分166は、例えばセラミックのような耐熱材料でできた、追加の絶縁されたワイヤ導管であることが好ましい。
【0045】
コンタクトデバイス160よりも上方に、コンタクトデバイス160に向けて電極を供給するフィーダユニット150が、配置される。概して、フィーダユニット150は、コンタクトデバイス160に向けてワイヤ電極172、176(明確な理由のためこの部分には図示されない)を移動する溝つき車輪を含む。フィーダユニット150は、電気的に絶縁される電極174を通して供給するための電気的絶縁部分156を含む。電気的絶縁部分156は、電気的に絶縁される電極174のための追加の絶縁溝を有するフィーダ車輪から構成されることができる。電気的に絶縁される電極174は、ワイヤフィーダユニット150を自由に通過することができる。フィーダ車輪は、駆動装置152(例えば電動機)によって駆動される。
【0046】
ワイヤフィーダユニット150の他に、サブマージアーク溶接のためのノズル(図示せず)を介してコンタクトデバイス160に粒状フラックスを供給する、フラックスホッパー114が配置される。駆動装置152に加えて、ワイヤフィーダユニット150は、駆動軸を有するギアを含む。ギアの駆動軸上に、他の車輪(図示せず)によって加圧されることができる供給車輪154(図6)が、配置される。供給車輪154は、ワイヤ電極を、コンタクトデバイス160の方向において前方へ駆動する。
【0047】
ワイヤフィーダユニット150よりも上方に、ワイヤ電極172、176を直線状にするためのワイヤ直線化ユニット140が、配置される。ワイヤ直線化ユニット140の最初の位置において表される2つローラー(参照番号によって参照しない)は、ワイヤ直線化ユニットの後部において互いに垂直に配置される、3つの固定車輪上に圧力をかけるために用いられる。ローラーが車輪にかけている圧力は、ワイヤ直線化ユニット140の外側で、ノブを介して調節可能である。3つの車輪上のローラーの圧力は、ワイヤを直線状にする。ワイヤ直線化ユニット140は、電気的に絶縁される電極174がワイヤ直線化ユニット140を自由に通過することのできる電気的絶縁部分146を含む。
【0048】
ワイヤ直線化ユニット140よりも上方に、電気的に絶縁される電極174をコンタクトデバイス160に向けて供給するための、別個のワイヤフィーダユニット130が配置される。ワイヤフィーダユニット130上に、ワイヤフィーダユニット130の供給車輪を駆動する、駆動装置132(例えば電動機)が配置される。駆動装置132に加えて、ワイヤフィーダユニット130は、駆動軸を有するギアを含む。ギアの駆動軸上に、他の車輪(図示せず)によって加圧されることのできる、供給車輪134(図6)が配置される。供給車輪134は、ワイヤ電極を、コンタクトデバイス160の方向において前方へ駆動する。
【0049】
ワイヤフィーダユニット130よりも上方に、電気的に絶縁される電極174を直線状にするための、別個のワイヤ直線化ユニット120が配置される。したがって、溶接ヘッド100の縦の延長に沿って、電気的に絶縁される電極174を、ワイヤリザーバ(例えばワイヤボビン(図示せず))からコンタクトノズルにガイドするための、電気的に絶縁されるダクト180が提供される。フィーダユニット150と130との間に、かつ、ワイヤ直線化ユニット120よりも上方に、電気的に絶縁される電極174を受け入れる電気的に絶縁されたワイヤ導管は、配置されることができる。
【0050】
特に、電気的に絶縁されるダクト180は、ワイヤ直線化ユニット140の電気的絶縁部分146、非絶縁電極172、176のためのワイヤフィーダユニット150の電気的絶縁部分156、およびコンタクトデバイス160の電気的絶縁部分166、ならびに、ユニット130、140、150、160間の、そして電気的に絶縁される電極174のためのワイヤ直線化ユニット120よりも上の、電気的に絶縁されるワイヤ導管、から構成される。
【0051】
図5a〜図5eは、共に記述されるコンタクトデバイス160のさまざまな図を表す。コンタクトデバイス160は、ワイヤ電極(図示せず)を受け入れるためのダクトを含むデバイスボディ161を含む。そこにおいて、電気的絶縁部分166は、ダクトのうちの1つである。
【0052】
例として、デバイスボディ161は、着脱可能部161bが主部161aに取り付けられる、縦方向に分割された2つの部分161a、161bでできている。主部161aは、円筒状の上部、および、中央を通る切断(図5a、5e)に関してわずかにくぼんだ下部を有する。着脱可能部161bは、主部161aのくぼんだ部分に、ねじによって取り付けられる。
【0053】
あるいは、デバイスボディ161は、いくつかの部分の代わりに、ワイヤ電極の通過のために貫通される1つ以上の孔を有するモノリシック金属体でありえる。
【0054】
着脱可能部161bと主部161aとの間には、部分161a、161bが互いに取り付けられるとき、小さな自由距離が残る。その距離は、コンタクトデバイス160内の電極にとって、さまざまなワイヤ直径を使用することを許容する。電気的に絶縁される電極は、電気的絶縁部分166内で別にガイドされるので、電気的に絶縁される電極の直径は、デバイスボディ161内の他の電極の直径から独立して選ばれることができる。
【0055】
デバイスボディ161の部分161a、161bは、2つの部分163a、163bからなる先端部163を囲む。そこにおいて、部分163aは、デバイスボディ161の主部161aに取り付けられ、部分163bは、着脱可能部161bに取り付けられる。先端部163の部分163a、163bは、主部161aおよび着脱可能部161bに提供されるそれぞれの孔164a、164bに挿入されるねじによって、主部161aおよび着脱可能部161bにそれぞれ取り付けられることができる。
【0056】
先端部163は、主に円筒形状を有してよいデバイスボディ161の残りの部分に比べて、より小さい直径を有してよい。電気的絶縁部分166は、コンタクトデバイス160の縦の延長の全体にわたって伸びて、コンタクトデバイス160の先端部163の出口162で、電気的に絶縁されたワイヤ電極(図示せず)のための出口169を提供する。
【0057】
図5a、5eに示される断面図で分かるように、デバイスボディ161は、電気的に絶縁されたワイヤ電極(図示せず)のための電気的絶縁部分を提供する、中心位置に配置される電気的絶縁部分166を有する内部区域167を有する。電気的絶縁部分166は、セラミック管のような絶縁管であることが好ましい。。中心の電気的絶縁部分166の両側には、溶接中に、アークによって消費されることを意図するワイヤ電極(図示せず)のためのダクト168a、168bが提供される。ダクト168a、168bは、先端部163a、163b内に対応する溝部を含む。溝部は、デバイスボディ161の着脱可能部161bが主部161aに取り付けられるとき、ワイヤ電極のためのエンクロージャを形成する。
【0058】
デバイスボディ161の外側で、ボルト165が配置される。そしてそれは、ワイヤ電極の実際の直径から仮想的に独立している部分161a、161bのコンタクト圧力を提供する、スプリングエレメント(例えば円板ばね)を介して、デバイスボディの部分161a、161bを共に保持する。
【0059】
電気的接点は、デバイスボディ161の主部161に配置される接点部分164cにおいて、コンタクトデバイス160に取り付けられることができる。アークが、デバイスボディ161に近い電気的接点にある非絶縁電極で発達することができるように、電源に接続されるワイヤは、コンタクトデバイス160に電圧および電流を伝えるための接点部分164cに接続されることができる。
【0060】
電気的絶縁部分166において、ワイヤ電極は、他の電極(図示せず)を接触させることなく、コンタクトデバイス160を通過することができる。
【0061】
図6は、図2〜4で示されるものと仮想的に同様のレイアウトの、アーク溶接の溶接ヘッド100の例示の実施形態の側面図である。不要な反復を回避するために、同様のエレメントの詳細な説明のためにこれらの図面が参照される。ワイヤ直線化ユニット140よりも上方に、ツイン電極のための2つのガイド管142、144が提供される。ガイド管142、144は、溶接ヘッド100の縦の延長に対して、横方向に配置される。電気的に絶縁される電極(図示せず)のためのワイヤフィーダユニット130と、非絶縁電極(図示せず)のワイヤ直線化ユニット140との間に、電気的に絶縁される電極(図示せず)のためのガイド管182が、配置される。駆動装置132、152は、電極の速度制御のためのパルスセンサを備えることができる。コンタクトデバイス160の近くに、フラックスホッパー114(図2〜4)用のノズル116が配置される。ノズル116は、コンタクトデバイス160の縦軸と平行に配置されるロッド118に固定される。
【0062】
図7a〜7cは、溶接方向20に関して電極アセンブリ170における電極の配列を示す。
【0063】
図7aは、電気的に絶縁される「コールド」電極174および非絶縁「ホット」電極を有する、電極アセンブリ170の第1の異型を示す。電極アセンブリ170の第2の異型は、中心電極である電気的に絶縁される電極174を有する3つの電極172、174、176を含み、図7bに示される。電極アセンブリの外側にある電気的に絶縁される電極174を有する3つの電極172、174、176を含む、電極アセンブリ170の第3の異型は、図7cに示される。
【0064】
図8a〜8cは、2つのアーク溶接の溶接ヘッド100a、100bを含む溶接ヘッドアセンブリ200の配列を示す。各溶接ヘッド100a、100bは、電気的に絶縁される電極174a、174b、および1つ以上のホット電極172a、172bを有する電極アセンブリ170a、170bを含む。図8aに示される溶接ヘッドアセンブリ200の第1の異型において、各溶接ヘッド100a、100bは、各溶接ヘッド100a、100bにおける2つの電極172a、174a、172b、174bを含む。電気的に絶縁される電極174a、174bは、溶接ヘッドアセンブリ200における最も外側の電極である。
【0065】
第2の異型は、図8bに示される。ここで、各溶接ヘッド100a、100bは、3つの電極172a、174a、176a、172b、174b、176bを有する電極アセンブリ170a、170bを含む。そこにおいて、電気的に絶縁される電極174a、174bは、各溶接ヘッド100a、100bの中心電極として、2つの非絶縁電極172a、176a、172b、176bの間の中央に配置される。
【0066】
図8cは、各溶接ヘッド100a、100bにおける3つの電極172a、174a、176a、172b、174b、176bを有して、そして、電気的に絶縁される電極174a、174bは、溶接ヘッドアセンブリ200の外側にある、第3の異型を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトデバイス(170)および1つ以上のワイヤフィーダユニット(130、150)を含む電気アーク溶接の溶接ヘッド(100)であって、
前記コンタクトデバイス(160)は、電極アセンブリ(170)を含み、
前記電極アセンブリ(170)は、コンタクトデバイス(160)において配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極(172、174、176)を含み、
電極アセンブリ(170)において、少なくとも1つの電極(174)が他の電極(172、176)から電気的に絶縁されるように、当該電極(174)の電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクト(180)が提供される、ことを特徴とする溶接ヘッド。
【請求項2】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、前記コンタクトデバイス(160)において電気的に絶縁されるワイヤ導管(166)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接ヘッド。
【請求項3】
前記絶縁されるワイヤ導管(166)は、前記コンタクトデバイス(160)において配置されるセラミック管である、ことを特徴とする請求項2に記載の溶接ヘッド。
【請求項4】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、1つ以上の前記電極(172、174、176)を直線状にするためのワイヤ直線化ユニット(120、140)において、電気的絶縁部分(146)を含む、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項5】
個々のワイヤ直線化ユニット(120)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)のワイヤ直線化ユニット(140)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項6】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、1つ以上の電極(172、174、176)をワークピース(10)に向けて供給するためのワイヤフィーダユニット(130、150)において、電気的絶縁部分(156)を含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項7】
個々のワイヤフィーダユニット(130)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)のワイヤ供給ユニット(150)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項8】
個々の速度制御ユニット(132)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の速度制御ユニット(152)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項9】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して先頭と末尾の電極(172、176)との間に配置される順番である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項10】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の上流に配置される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項11】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の下流に配置される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項12】
前記電気的に絶縁される電極(174)以外の前記電極(172、176)のための、フィーダユニット(150)および/または直線化ユニット(140)は、前記フィーダユニット(150)を通る前記電気的に絶縁される電極(174)をガイドするためのフィードスルーを提供する、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項13】
少なくとも2つの電気アーク溶接の溶接ヘッド(100、100b)を含む溶接ヘッドアセンブリ(200)であって、
前記溶接ヘッドのうちの少なくとも1つは、コンタクトデバイス(160)および供給部分(130、150)を含み、
前記コンタクトデバイス(160)は、電極アセンブリ(170a、170b)を含み、
前記電極アセンブリ(170a、170b)は、コンタクトデバイス(160)において配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極(172a、174a、176a、172b、174b、176b)を含み、
前記電極(174a、174b)が前記電極アセンブリ(170a、170b)の他の電極(172a、176a、172b、176b)から電気的に絶縁されるように、前記電極(174a、174b)のうちの少なくとも1つの電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクト(180)が提供される、ことを特徴とする溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項14】
各溶接ヘッド(100a、100b)の前記電極アセンブリ(170a、170b)が、溶接の作業中、溶接方向(20)に沿って順番に整列されるように、第1の溶接ヘッド(100a)は、第2の溶接ヘッド(100b)の手前に順番に配置される、ことを特徴とする請求項13に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項15】
各溶接ヘッド(100a、100b)の電極アセンブリ(170a、170b)が、溶接の作業中、溶接方向(20)に沿って整列されるように、第1の溶接ヘッド(100a)は、第2の溶接ヘッド(100b)の手前に順番に配置される、ことを特徴とする請求項13または14に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項16】
各電極アセンブリ(170a、170b)における前記電気的に絶縁される電極(174a、174b)の順番は、各電極アセンブリ(170a、170b)における他の電極(172a、176a,172b、176b)に関して、各溶接ヘッド(100a、100b)に対して同じである、ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項17】
1つの電極アセンブリ(170a)における前記電気的に絶縁される電極(174a)の順番は、他の電極アセンブリ(170b)における前記電気的に絶縁される電極(174b)の順番に関して逆である、ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項18】
各電気的に絶縁される電極(174a、174b)は、前記電極アセンブリ(170a、170b)の他の電極(172a、176a、172b、176b)のワイヤ直線化ユニット(140)および/またはフィーダユニット(150)から別個の、ワイヤ直線化ユニット(120)および/またはワイヤフィーダユニット(130)とともに提供される、ことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項19】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気アーク溶接ヘッド(100)および/または請求項13〜18のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ(100、100a、100b)のための電気アーク溶接コンタクトデバイス(160)であって、
デバイスボディ(161)、および、
前記コンタクトデバイス(160)を通して電気的に絶縁された方法で少なくとも1つの電極(174;174a、174b)をガイドするための電気的絶縁部分(166)、および、
前記デバイスボディ(161)と電気的に接触する少なくとも他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のための少なくとも1つのダクト(168a、168b)、
を含む、電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項20】
前記電気的絶縁部分(166)は、電気絶縁管を含む、ことを特徴とする請求項19または20に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項21】
前記デバイスボディ(161)は、主部(161a)および、前記主部(161a)に取り付け可能な着脱可能部(161b)から構成される、ことを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項22】
前記デバイスボディ(161)の端部に先端部(163)が提供され、そしてそれは、電気的に絶縁される電極(174;174a、174b)のための前記電気絶縁部分(166)、および他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)を受け入れるための凹所を有する、ことを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項23】
前記電気絶縁部分(166)は、他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のためのダクト(168a、168b)間の対称位置に配置される、ことを特徴とする請求項19〜23のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項24】
電極(174;174a、174b)をガイドするための前記電気絶縁部分(166)は、電極(172、176;172a、176a、172b、176b)の2つのダクト(168a、168b)間に配置される、ことを特徴とする請求項23に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項25】
前記電気絶縁部分(166)は、前記デバイスボディ(161)における他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のためのダクト(168a、168b)に関して、偏心位置に配置される、ことを特徴とする請求項19〜24のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項26】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1つの溶接ヘッド(100)、または、請求項13〜18のいずれか1項に記載の少なくとも1つの溶接ヘッドアセンブリ(200)を含む、ワークピース(10)における溶接プール(12)を生成する電気アーク溶接システム。
【請求項1】
コンタクトデバイス(170)および1つ以上のワイヤフィーダユニット(130、150)を含む電気アーク溶接の溶接ヘッド(100)であって、
前記コンタクトデバイス(160)は、電極アセンブリ(170)を含み、
前記電極アセンブリ(170)は、コンタクトデバイス(160)において配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極(172、174、176)を含み、
電極アセンブリ(170)において、少なくとも1つの電極(174)が他の電極(172、176)から電気的に絶縁されるように、当該電極(174)の電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクト(180)が提供される、ことを特徴とする溶接ヘッド。
【請求項2】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、前記コンタクトデバイス(160)において電気的に絶縁されるワイヤ導管(166)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接ヘッド。
【請求項3】
前記絶縁されるワイヤ導管(166)は、前記コンタクトデバイス(160)において配置されるセラミック管である、ことを特徴とする請求項2に記載の溶接ヘッド。
【請求項4】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、1つ以上の前記電極(172、174、176)を直線状にするためのワイヤ直線化ユニット(120、140)において、電気的絶縁部分(146)を含む、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項5】
個々のワイヤ直線化ユニット(120)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)のワイヤ直線化ユニット(140)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項6】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)は、1つ以上の電極(172、174、176)をワークピース(10)に向けて供給するためのワイヤフィーダユニット(130、150)において、電気的絶縁部分(156)を含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項7】
個々のワイヤフィーダユニット(130)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)のワイヤ供給ユニット(150)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項8】
個々の速度制御ユニット(132)は、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の速度制御ユニット(152)から別個の、電気的に絶縁される電極(174)のために提供される、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項9】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して先頭と末尾の電極(172、176)との間に配置される順番である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項10】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の上流に配置される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項11】
前記電気的に絶縁されるダクト(180)における前記電極(174)は、ワークピース(10)上の溶接方向(20)に関して、前記電極アセンブリ(170)の他の電極(172、176)の下流に配置される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項12】
前記電気的に絶縁される電極(174)以外の前記電極(172、176)のための、フィーダユニット(150)および/または直線化ユニット(140)は、前記フィーダユニット(150)を通る前記電気的に絶縁される電極(174)をガイドするためのフィードスルーを提供する、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶接ヘッド。
【請求項13】
少なくとも2つの電気アーク溶接の溶接ヘッド(100、100b)を含む溶接ヘッドアセンブリ(200)であって、
前記溶接ヘッドのうちの少なくとも1つは、コンタクトデバイス(160)および供給部分(130、150)を含み、
前記コンタクトデバイス(160)は、電極アセンブリ(170a、170b)を含み、
前記電極アセンブリ(170a、170b)は、コンタクトデバイス(160)において配置される少なくとも2つの可融の連続的に供給されるワイヤ電極(172a、174a、176a、172b、174b、176b)を含み、
前記電極(174a、174b)が前記電極アセンブリ(170a、170b)の他の電極(172a、176a、172b、176b)から電気的に絶縁されるように、前記電極(174a、174b)のうちの少なくとも1つの電気的絶縁のための電気的に絶縁されるダクト(180)が提供される、ことを特徴とする溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項14】
各溶接ヘッド(100a、100b)の前記電極アセンブリ(170a、170b)が、溶接の作業中、溶接方向(20)に沿って順番に整列されるように、第1の溶接ヘッド(100a)は、第2の溶接ヘッド(100b)の手前に順番に配置される、ことを特徴とする請求項13に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項15】
各溶接ヘッド(100a、100b)の電極アセンブリ(170a、170b)が、溶接の作業中、溶接方向(20)に沿って整列されるように、第1の溶接ヘッド(100a)は、第2の溶接ヘッド(100b)の手前に順番に配置される、ことを特徴とする請求項13または14に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項16】
各電極アセンブリ(170a、170b)における前記電気的に絶縁される電極(174a、174b)の順番は、各電極アセンブリ(170a、170b)における他の電極(172a、176a,172b、176b)に関して、各溶接ヘッド(100a、100b)に対して同じである、ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項17】
1つの電極アセンブリ(170a)における前記電気的に絶縁される電極(174a)の順番は、他の電極アセンブリ(170b)における前記電気的に絶縁される電極(174b)の順番に関して逆である、ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項18】
各電気的に絶縁される電極(174a、174b)は、前記電極アセンブリ(170a、170b)の他の電極(172a、176a、172b、176b)のワイヤ直線化ユニット(140)および/またはフィーダユニット(150)から別個の、ワイヤ直線化ユニット(120)および/またはワイヤフィーダユニット(130)とともに提供される、ことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ。
【請求項19】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気アーク溶接ヘッド(100)および/または請求項13〜18のいずれか1項に記載の溶接ヘッドアセンブリ(100、100a、100b)のための電気アーク溶接コンタクトデバイス(160)であって、
デバイスボディ(161)、および、
前記コンタクトデバイス(160)を通して電気的に絶縁された方法で少なくとも1つの電極(174;174a、174b)をガイドするための電気的絶縁部分(166)、および、
前記デバイスボディ(161)と電気的に接触する少なくとも他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のための少なくとも1つのダクト(168a、168b)、
を含む、電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項20】
前記電気的絶縁部分(166)は、電気絶縁管を含む、ことを特徴とする請求項19または20に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項21】
前記デバイスボディ(161)は、主部(161a)および、前記主部(161a)に取り付け可能な着脱可能部(161b)から構成される、ことを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項22】
前記デバイスボディ(161)の端部に先端部(163)が提供され、そしてそれは、電気的に絶縁される電極(174;174a、174b)のための前記電気絶縁部分(166)、および他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)を受け入れるための凹所を有する、ことを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項23】
前記電気絶縁部分(166)は、他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のためのダクト(168a、168b)間の対称位置に配置される、ことを特徴とする請求項19〜23のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項24】
電極(174;174a、174b)をガイドするための前記電気絶縁部分(166)は、電極(172、176;172a、176a、172b、176b)の2つのダクト(168a、168b)間に配置される、ことを特徴とする請求項23に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項25】
前記電気絶縁部分(166)は、前記デバイスボディ(161)における他の電極(172、176;172a、176a、172b、176b)のためのダクト(168a、168b)に関して、偏心位置に配置される、ことを特徴とする請求項19〜24のいずれか1項に記載の電気アーク溶接コンタクトデバイス。
【請求項26】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1つの溶接ヘッド(100)、または、請求項13〜18のいずれか1項に記載の少なくとも1つの溶接ヘッドアセンブリ(200)を含む、ワークピース(10)における溶接プール(12)を生成する電気アーク溶接システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【公表番号】特表2012−522643(P2012−522643A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502465(P2012−502465)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053875
【国際公開番号】WO2010/112068
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511040551)エーエスアーベー アーベー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053875
【国際公開番号】WO2010/112068
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511040551)エーエスアーベー アーベー (3)
【Fターム(参考)】
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