説明

イオキシランの微粒化のための方法

本発明は、式5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N’−(2−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドのイオキシランの微粒化による調製方法、およびこうして得られる改善産物に関する。本方法は、結晶化による方法を回避することを可能にし、改善した溶解度を有する活性成分をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N’−(2−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドのイオキシランの調製方法に、およびこうして得られる改善産物に関する。
【背景技術】
【0002】
イオキシランは、X線画像形成用の市販非イオン性造影剤(Oxilan(登録商標)、Imagenil(登録商標))の活性成分である。特に米国特許第4 954 348号(特許文献1)に開示されている、イオキシランの製造は、人に投与されるヨウ素化造影剤を得るために、精製された活性成分の調製と、次にその薬学的製剤化とを含む。
【0003】
イオキシランの様々な調製方法が存在する。それらは、本特許出願の残り部分でAと表示され、および次の一般式(I)の溶液中の粗イオキシランを得ることを可能にし、溶液での化合物Aは、固体化合物Bを得るためにその後単離されるべきである。

【0004】
このように、溶液での化合物Aを得るために、適切な方法は、参照および化合物番号が米国特許第4 954 348号(特許文献1)から取られた(溶液でのイオキシランはこの文献の化合物(VIII)参照番号で表されている)、添付の図1に再記述される段階を含む。要するに、化合物Aは、イオキシタルアミド酸(ioxithalamic acid)から次の一連の段階によって調製される:クロロプロパンジオールでのアルキル化、無水酢酸でのアセチル化、塩化チオニルでの塩素化、アミノプロパンジオールでのアミド化、脱アセチル化脱保護。
【0005】
式(I)の産物Bは、薬学的製剤化段階前に、アルコール溶媒、好ましくはメタノールまたはエタノールからの化合物A溶液の結晶化によって先行技術では単離された(本出願人の会社はまた、特に、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールまたはメトキシエタノール誘導体などの、他のアルコールからの結晶化も研究したことが明記される)。適切な場合、結晶化に、不純物(着色、関連有機不純物、イオン性不純物)を化合物Aの溶液から除去するために、活性炭での処理および酸性または塩基性樹脂での処理が先行し、あり得る溶媒残渣を除去するために、乾燥段階がこれに続く。結晶化によるこの方法は費用がかかり、複雑であり、かつ、廃棄する必要がある大量のアルコール流出物を発生させた。これらの欠点は、高容量の造影剤が注射されるために、製造される活性成分の量が増加するにつれて一層不利になった。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4 954 348号
【発明の開示】
【0007】
広範囲にわたる研究の後、本出願人の会社は、結晶化段階を微粒化で置き換えることによって、単離されたそして満足できる品質の、活性成分イオキシランを得ることにこの時点で成功した。この目的を達成するために、本発明は、一般式(I)のイオキシランの水溶液の微粒化を含む、式(I)の単離イオキシラン化合物の調製方法に関する。

【0008】
このように本発明は、イオキシランの水溶液の微粒化を含む式(I)のイオキシランの単離方法に関する。有利には、本微粒化に、粗化合物Aの溶液から不純物を除去するために、チャコールでの処理が、樹脂での処理がまたは他の類似の処理が先行する。最終単離段階にアルコール溶媒を使用することなく、活性成分イオキシランを得ることがこのように可能であり、このことは、簡便性およびコストならびに環境への影響の低減(有機流出物の点でより少ない)の観点から際立った改善を表している。
【0009】
本発明はまた、微粒化により単離されたイオキシランからのイオキシラン薬学的組成物の調製方法に関する。本方法は、微粒化イオキシランおよび適切な薬学的に許容される賦形剤の水溶解を含む。
【0010】
結晶化による従来方法の別の欠点は、造影剤中に適切な濃度の活性成分を得るために、結晶性化合物B1(B1と表示される固体結晶性イオキシラン、図1の化合物Bが化合物B1である)の溶解が高温(80℃)での加熱を必要とすることであった。これは、周囲または中程度の温度(典型的には20〜40℃)での水へのB1の即時溶解度がヨウ素50mg/mlのオーダーであったからである。
【0011】
実際は、当業者にとって驚くべきことに、微粒化により得られた活性成分(B2と表示される、固体微粒化イオキシラン)は、結晶化により得られた活性成分(B1と表示される、固体結晶性イオキシラン)と比べて改善した、そして予期されない、物理化学的特性、特に水への即時溶解度を示す。微粒化化合物B2は、周囲または中程度の温度で可溶性である。化合物B2から出発して、高温で加熱する必要なく適切な薬学的溶液を得ることが可能である。少なくともヨウ素500mg/ml、そして典型的にはおおよそヨウ素500mg/mlのオーダーの、周囲または中程度の温度での水へのB2の即時溶解度は、ヨウ素350〜450mg/ml、例えばヨウ素350、380または400mg/mlの濃度を有する、注射される造影剤を得ることを可能にする。
【0012】
即時溶解度のこの実質的な改善は、薬学的溶液の製造、および特に活性成分の溶解の初期段階を容易にかつ簡単にするのに非常に有用である。
【0013】
得られた産物は、低いモル浸透圧濃度の非イオン性モノマー産物のその特質を保持する。
【0014】
活性成分B2は活性成分B1に関して新規化合物であるので、本発明は、別の局面によれば、微粒化により単離される化合物イオキシランの調製方法によって得ることができる活性成分B2に関する(前記方法は式(I)の化合物の水溶液の調製と、次にこの溶液の微粒化とを含む)。

【0015】
この差を帰納的に説明するために、異性体プロフィールの差を化合物B1とB2との間に想定することができ、化合物B2がイオキシランのエンド異性体とエキソ異性体(環の方へかまたはそれから離れてのC=O基の方向)との間で溶解度に有利な異性体プロフィールを示す。
【0016】
本微粒化方法は、非常に異なる技法および装置のアイテムを用いることができる。有利には、化合物イオキシランについて、微粒化デバイスは、130℃未満のデバイスの出口温度を有するために、産物を分解させる危険にさらさないために調節される。供給流量および入口温度は、出口で130℃を超えないために(好ましくは110℃を超えないために)、デバイスの能力に応じて適切に調節され、乾燥速度はその結果としてより高いかまたはより低い。微粒化される溶液Aの濃度および乾燥速度は、典型的にはヨウ素5〜385mg/ml、例えばヨウ素215〜265mg/mlの濃度で、10〜60℃の温度で、デバイスに応じて決められ、希薄溶液は得られる粉末(B2)の粒子のサイズの減少を典型的にもたらすことが知られている。サイズは、ミクロンのオーダーから数十または数百ミクロンまで変わりうる。
【0017】
非限定的な例として、本微粒化方法のコントロールおよび産物外観(微粉)の観点から非常に満足できる結果は、ノズルまたは回転ディスク付きの並流または向流微粒化器を用いて得られる。使用されるガスは典型的には空気または不活性ガスである。出口でのガスの温度は、イオキシランが分解しないようなものである。入口の温度は、例えば、130〜250℃であり、出口では、130℃未満、典型的には100〜110℃である。例えば、0.5〜1mmの空気圧ノズルを用いることが可能である。溶液の流量は、例えば、1〜100ml/分、特に20〜40ml/分である。溶液の温度は、例えば、10〜60℃である。
【0018】
より一般的には、用語「微粒化方法」は、本発明の意味内では、イオキシラン粉末を得るために適切である、例えば、脱水プロセス、微粒化乾燥または分散剤を用いる乾燥を含む、任意の乾燥方法を意味すると理解される。
【0019】
有利には、イオキシラン水溶液は、結晶化段階なしのイオキシランの製造方法に由来する。
【0020】
造影剤の薬学的な調製方法は、適切な賦形剤を使用する化合物B2の水溶解を含み、溶液は次に滅菌され(典型的には121℃で)、滅菌パッケージング(ボトル、バッグ)に貯蔵され、貯蔵時間が開封前に数ヶ月であることは可能である。貯蔵および使用のための適切な条件を順守することにより、注射される溶液の濃度は典型的にはヨウ素300〜500mg/mlの溶液であり、有利にはヨウ素350〜450mg/mlである。
【0021】
本発明はまた、微粒化により単離された式(I)のイオキシランB2および適切な薬学的に許容される賦形剤の水溶解を含むイオキシラン薬学的組成物(診断用の)の調製方法に関する。本発明はまた、微粒化により得られたイオキシランB2を含み、ヨウ素350〜450mg/mlの濃度を有する溶液、有利には注射可能な溶液に関する。
【0022】
このように得られた、そしてヨウ素化造影剤を得るために薬学的溶液に入れられた化合物イオキシランは、当業者に公知の適切な投与方法により、次の兆候:血栓症、抹消もしくは脳血管造影もしくは動脈造影、左心室造影、または低いモル浸透圧濃度のヨウ素化産物の任意の他の公知兆候に対して向けを特に意図されている。イオキシランを他の造影剤、特に非イオン性モノマーまたはダイマーと組み合わせることもまた可能である。調合剤の中で、以下の有機または無機の薬学的に許容される賦形剤(診断用の)について言及される:水、生理食塩溶液、カルシウムまたはナトリウムEDTAなどの安定剤、塩化ナトリウム、トロメタモール、バッファー、または特に米国特許第4 954 348号明細書にまたは非イオン性モノマーに関する任意の特許もしくは刊行物に言及される任意の他の添加剤。例えば、ナトリウム、ナトリウム/カルシウム混合物(米国特許第5 328 680号明細書)、TRIS(米国特許第5 349 085号明細書)、有機アミンおよびカルボン酸混合物(米国特許出願公開第2005/00025711号明細書)、米国特許第5 695 742号明細書の様々な添加剤(凝固防止剤など)をベースとする製剤について言及される。例えば、製剤は、1mlの注射可能な溶液につき以下となる:
−イオキシラン:
ヨウ素300mg/mlの薬学的溶液については623.4mg/ml、
ヨウ素350mg/mlの薬学的溶液については727.3mg/ml、
ヨウ素400mg/mlの溶液については831.2mg/ml、
−エデト酸カルシウム二ナトリウム(錯化剤):0.561mg/ml
−バッファー:無水クエン酸(0.576mg/ml)
−pHを5.5〜7.5に調整するための水酸化ナトリウムおよび二酸化炭素
−水(溶媒):1mlにメークアップするための容量。
【0023】
以下の詳細な説明は、化合物Aの調製を記載する。
【0024】
化合物Aの合成
溶液での化合物Aは、本例の終わりに、細かい白色粉末の形態の単離固体B2をもたらすために微粒化乾燥デバイスを用いて水溶液産物を微粒化することを除いて、米国特許第4 954 348号明細書の実施例7(化合物VIII)でのように調製する。
【0025】
段階1.イオキシタルアミド酸のアルキル化
5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−ヒドロキシエチル)−イソフタルアミド酸を得るための5−アセトアミド−2,4,6−トリヨード−N−(2−ヒドロキシエチル)イソフタルアミド酸
1N水酸化ナトリウム水溶液(250ml)をイオキシタルアミド酸(161g、0.25モル)に加え、pHを85〜90℃で5NのNaOHで10.5〜10.6に調整した。3−クロロ−1,2−プロパンジオール(30.41g、0.275モル)を加え、pHを5NのNaOHで10.5〜10.6に再調整し、その後の1時間後(2.76g、0.025モル)および2時間後(2.76g、0.025モル)のさらなる添加を行った。反応は2時間半後に完了した(TLCによるモニタリング)。
【0026】
氷酢酸(5ml)をpH5まで加え、溶媒を蒸発させ、294gの混合物を得るために残留物をトルエン(150ml)との共沸同伴にかけ、混合物を産物の単離なしに次段階で使用した。
【0027】
段階2.N−アルキル化イオキシタルアミド酸のアセチル化
5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−イソフタルアミド酸を得るための5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−ヒドロキシエチル)−イソフタルアミド酸
表題化合物(250ミリモル)を含む、段階1からの粗混合物(290g)を、無水酢酸(500ml)およびピリジン(19.76g、250ミリモル)に懸濁させ、65℃で機械撹拌下に維持した。TLCモニタリングにより、アセチル化は3時間後に完了した。
【0028】
無水酢酸および酢酸を蒸発させ、残留物をトルエン(100ml×2)との共沸同伴にかけた。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)および酢酸エチル(200ml)に溶解させた。層を分離し、炭酸水素塩を含む層を酢酸エチル(200ml×2)で再抽出した。水層を濃塩酸でpH0〜1に酸性化して白色沈澱を生み出し、それを酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機抽出液を組み合わせ、塩化ナトリウム溶液(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒の除去は206gの産物を白色フォームの形態で与えた(97%収率)。
【0029】
段階3.N−アルキル化、アセチル化イオキシタルアミド酸のアシルクロリドの形成
5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−イソフタルアモイルクロリドを得るための5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−イソフタルアミド酸
先の段階からの化合物(250g、243ミリモル)を塩化チオニル(400ml)に溶解させ、反応混合物を、反応の終わりまで(TLCによるモニタリング)60〜65℃で1時間加熱した。塩化チオニルを、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発させ、残留物を酢酸エチル(250ml×2)との共沸同伴にかけ、産物を酢酸エチル(400ml)に溶解させ、飽和炭酸水素塩水溶液(150ml×2)で抽出し、MgSO上で乾燥させ、次に蒸発乾固して202gの実質的に白色のフォームを与えた(96%収率)。
【0030】
段階4.アルキル化、アセチル化イオキシタルアミド酸のアミド化
5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−N’−(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソフタルアミドを得るための3−アミノ−1,2−プロパンジオールとの5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−イソフタルアモイルクロリド
先の段階からの化合物(86.25g、100ミリモル)をジメチルアセトアミド(200ml)に溶解させ、そこにトリエチルアミン(13.9g、100ミリモル)および3−アミノ−1,2−プロパンジオール(10.93g、120ミリモル)を加えた。反応混合物を、反応がTLCモニタリングにより終了するまで周囲温度で8時間撹拌した。溶媒を真空下に蒸発させ、産物を、塩化ナトリウム溶液が加えられたテトラヒドロフラン(75ml)に溶解させた。有機抽出液を塩化ナトリウム溶液/1N塩酸混合物(9:1、50ml×2)で、次に塩化ナトリウム溶液/水(1:1)混合物(50ml×2)で、そして最後に塩化ナトリウム溶液(40ml×1)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を除去して80.6gの産物を実質的に白色フォームの形態で与えた(87.9%収率)。
【0031】
段階5.アルキル化、アセチル化、3−アミノ−1,2−プロパンジオールでアミド化されたイオキシタルアミド酸の脱保護
5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N’−(2−ヒドロキシエチル)イソフタルアミドを得るための5−[N−(2,3−ジアセトキシプロピル)アセトアミド]−2,4,6−トリヨード−N−(2−アセトキシエチル)−N’−(2,3−ジヒドロキシプロピル)イソフタルアミド
先の段階からの化合物(45.85g、50ミリモル)をメタノール(100ml)に入れ、メタノール中ナトリウムメトキシドの1M溶液(10.5ml)を加えた。溶液を、完全な脱保護(TLCおよびHPLCモニタリングによる)を得るために30分間撹拌し、この時間中に、酢酸メチルをメタノールとのその共沸混合物の真空蒸留によって除去した。溶液をダウエックス(Dowex)50H+樹脂でpH7に中和し、水(75ml)で希釈し、メタノールを真空蒸留によって除去した。式(I)の化合物Aとも表示される、米国特許第4 954 348号明細書の化合物VIIIを水溶液でこうして得た。溶液での化合物Aを活性炭で脱色した。
【0032】
先行技術とは異なり、溶媒から結晶化させる代わりに(米国特許第4 954 348号明細書のカラム12、行38を参照されたい)、本出願人の会社によって得られたイオキシラン水溶液は、微粒化乾燥デバイスを用いて微粒化して細かい白色粉末の形態の単離化合物B2をもたらした(33.5g、純度:98.5〜99.5%、85%収率)。
【0033】
ブッチ(Buchi)B290微粒化デバイスを調節するためのパラメーター:
入口空気温度:210〜220℃、出口空気温度:100〜105℃;溶液の供給流量:33ml/分;ファンの吸引力:100%;ノズルへの空気の供給流量:400リットル/時間。
【0034】
NMR:(H、80MHz、d−DMSO):
8.6(2H,幅広い多重線,カルバモイルN−H);4.9〜4.0(5H,幅広い一重線,交換可能なヒドロキシルプロトン);4.1〜2.8(14H,多重線,窒素およびヒドロキシル官能基を有する炭素上のプロトン);2.25および1.8(3H,一重線の対,アセトアニリドメチルプロトン)。
【0035】
TLC:
シリカゲル;70:30のCHCl/MeOH:Rf(アセチル化化合物VII)0.84;Rf(生成された化合物VIII)0.20。
【0036】
HPLC:
アミノプロピル・オールテック(Alltech)、10μ、31ml/分の87%アセトニトリル/水、Rf:2つの異性体について6.1および7.5。
【0037】
化合物Aの溶液について上に記載された調製ルートは限定的なものではない。米国特許第4 954 348号明細書に開示されている他の合成ルートに加えて、例えば、次の一連の段階による合成を用いることもまた可能である:アセチル化(無水酢酸および任意の触媒での)、塩素化(塩化チオニルおよび任意の触媒での)、アミド化(トリエチルアミンの添加での、次にアミノプロパンジオールの添加での)、脱アセチル化/アルキル化(水酸化ナトリウムの添加での、次にクロロプロパンジオールの添加での)。微粒化の前に、不純物は、特に樹脂および活性炭を用いて、有利に除去される。
【0038】
本発明はまた、ヨウ素化産物、イオン性もしくは非イオン性のヨウ素化モノマーもしくはダイマー(またはイオン性もしくは非イオン性のモノマーおよび/またはダイマーの混合物)についての微粒化の使用に関連し、それらについて本方法は、結晶化された同じ産物と比べて産物の物理化学的特性(特に水への溶解度)の改善を伴う。当該産物は特にイオパミドール、イオヘキソール、およびイオメプロールである。イオキシランで得られた結果は、例えば任意の乾燥法、凍結乾燥法などによって、産物の物理化学的特性を改善する他の単離方法の同定への道を開く。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】イオキシラン薬学的組成物の調製方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオキシランの水溶液の微粒化を含むことを特徴とする、一般式(I)の単離化合物イオキシランの調製方法。

【請求項2】
微粒化デバイスの出口温度が130℃未満、有利には100〜110℃であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
イオキシラン水溶液が結晶化段階なしのイオキシランの製造方法に由来することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法によって得ることができること、および40℃未満の温度で少なくともヨウ素500mg/mlの即時溶解度を有することを特徴とする、式(I)の単離イオキシラン産物(B2)。
【請求項5】
請求項4記載の微粒化イオキシラン(B2)および薬学的に許容される賦形剤の水溶解を含むことを特徴とする、一般式(I)の化合物の薬学的組成物の調製方法。

【請求項6】
請求項4記載の化合物を含み、かつヨウ素300〜500mg/ml、有利にはヨウ素350〜450mg/mlを含む、滅菌の注射可能な溶液。

【図1】
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【公表番号】特表2009−532441(P2009−532441A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503597(P2009−503597)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053431
【国際公開番号】WO2007/116039
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(591052505)
【氏名又は名称原語表記】GUERBET
【Fターム(参考)】